映画「第9地区」感想
映画「第9地区」観に行ってきました。
南アフリカのヨハネスブルクが舞台の映画というのも珍しいと思いますが、あの街、エイリアンがいようがいまいが治安は悪いままだし、見た目的には現地住民と共生できていたのでは(苦笑)。
また、宇宙人と人間の遺伝子を持つようになってしまった主人公を手術をするのに際し、麻酔も使わないでただ暴れるのを抑えるだけというのは正直どうなのかと。
アレのおかげで、主人公は結局逃げてしまえたわけですし。
ただこの映画、相手が宇宙人でなく外国人であったとしても、同様の問題が起こりえるであろうと考えさせられる映画ではありましたね。
あの映画で描写されていたような「現地住民による外部の人間に対する排斥運動」は、外国からの移民を積極的に受け入れていたヨーロッパ諸国でも頻発していますし、日本でもそれに比べれば小規模ながら同様のことが発生しています。
現地住民にしてみれば、外部からの人間はあくまでも余所者でしかないのですし、それが自分達の生活を阻害するというのであれば黙ってはいられないでしょう。
また作中のエイリアン達もただ一方的な被害者としてだけでなく、犯罪を犯したり人間に危害を加えたりする「加害者」としても描写されています。
現実世界の移民問題でも同様のことが起こっていますし、これら現地住民と外部移民との諍いが、移民問題を難しくしている最大の要因であるわけです。
移民や難民というのは、ただ「可哀相」という理由だけで受け入れてしまったら後々大きな問題を抱えることになる、ということを、この映画は教えてくれているように思えてなりませんね。