中国漁船衝突事件で閣僚級以上の日中間交流停止
9月7日に尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件を巡り、中国はついに日中間の閣僚級以上の交流停止という措置を発動させました。
http://megalodon.jp/2010-0920-1157-27/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100920-00000994-reu-int
さらに中国人民解放軍は軍事介入の可能性についてまで言及しています。
http://megalodon.jp/2010-0919-1455-04/japanese.china.org.cn/politics/txt/2010-09/17/content_20955517.htm
http://megalodon.jp/2010-0918-2011-16/japanese.china.org.cn/politics/txt/2010-09/17/content_20955517_2.htm
19世紀の植民地時代における欧米列強の砲艦外交を想起させる、今回の中国の強硬姿勢は何を意図したものなのでしょうか?
中国には「指桑罵槐」という行動原理が存在します。
これは「全く関係のないものを罵ることで、真のターゲットに攻撃を加える」というもの。
今回の件で言えば、中国は日本を指さし罵ることで、中国国内の誰か(もしくは何らかの組織)を攻撃しているわけです。
罵倒される日本にとっては傍迷惑もいいところですが。
中国の人間にとって「外交」とは、自国内における政治権力闘争を勝ち抜くための一手段でしかなく、そのためならば国益上マイナスにしかならない行為すらも平然と行います。
いくつか事例を挙げてみると……。
1979年の中越戦争
罵倒対象:ベトナム
真の目的:鄧小平個人がアメリカの後ろ盾を得、中国人民解放軍を掌握するため。
1982年の教科書問題
罵倒対象:日本
真の目的:鄧小平による中国人民解放軍の改革を阻止するため、軍側が仕組んだもの。
1996年の台湾海峡問題
罵倒対象:台湾の総統選挙
真の目的:鄧小平の死後に発生する権力闘争を見越した中国人民解放軍の江沢民に対する揺さぶり。
中国国内の反日デモ
罵倒対象:日本
真の目的:中国共産党政権への反政府活動
これらの事例を見れば分かるように、中国発の国際問題というのは、元々は中国国内の政治権力闘争の延長上で発生したものでしかありません。
それを表層的に解釈し、「それが中国国民の総意だ!」と早合点し過剰反応を起こしても何ら良いことはないのです。
そして「指桑罵槐」の罵倒対象としてしばしば日本が選ばれるのは、これまで日本が対中国向けに行ってきた土下座外交によって日本が徹底的に舐められていることにあります。
いくら罵倒しても安全であるばかりか、場合によっては自ら土下座しあまつさえカネまで出してくれるのですから、これほど格好のカモはないでしょう。
ことさら「指桑罵槐」な罵倒と強硬な態度を取る中国の本当の意図を把握した上で、外交的には一切譲歩することなく毅然とした態度を取る。
それが今回の件で日本が行うべき外交というものでしょう。
「謙譲の美徳」などというシロモノは、日本以外の国、ましてや外交の場では一切通用しないのですから。