放火犯の心理描写満載の韓国映画「リベラ・メ」
2000年に韓国で製作され、翌年日本でも公開された映画「リベラ・メ」。
題名の意味はラテン語で「我を救いたまえ」。
街を襲う連続放火事件を巡り、狂気に取り憑かれた放火犯と、消防隊員とのアクション&知略戦を描いた作品です。
日本ではそれほど振るわなかったものの、韓国では累計100万人の観客動員数を記録したのだとか。
映画「リベラ・メ」は、大都市の連続放火事件を描いていることもあり、火災シーンやアクションシーンについては、ハリウッド映画にも引けを取らないと言って良い出来を誇っています。
しかし後半に近づくにつれ、連続放火犯の心理描写がメインの描写そっちのけで挿入され、物語の進行を阻害しています。
特にクライマックス付近の描写はほとんど連続放火犯の心理描写オンリーな展開で、せっかく好印象だった前半の迫力満点な描写がここで全てチャラになるほどのウザさと酷さに満ち溢れていました。
この期に及んで放火犯の心情なんてどうでも良いから、迫力ある対決シーンをキッチリ見せてくれと何度もイライラさせられましたね。
ここはハリウッド映画ばりに単純なストーリーにした方が却って映画全体の評価も良くなったのではないかと。
私にとって映画「リベラ・メ」は、映画館で観た最初で最後の韓国映画だったりします。
この映画、そもそも始めからして、紹介内容等から「ハリウッド映画だろう」と思い込んで映画館に行き、映画開始時点になってようやく韓国映画であることに気づかされたという経緯があったりします(-_-;;)。
最初から韓国映画と分かっていたら、この映画はすくなくとも映画館まで観に行ってはいなかったと思うんですよね(苦笑)。
そして、この映画を観て以降は「韓国映画は何となく馴染めない」というイメージが定着してしまったものでした。
今年の9月から日本で公開が始まった映画「TSUNAMI -ツナミ-」も、その題名から「日本映画ではないか?」と考え面白そうだと映画観賞リストに加えていたものの、製作元が韓国であると分かった途端に観に行くのを止めたという経緯があったりします(^_^;)。
韓国映画への偏見は日本映画以上ですね。
映画「きけ、わだつみの声 Last Friends」から始まる日本映画全体に対する偏見からして解消されるのに10年近くもの時間が必要でしたし、それ以上に偏見が根強い韓国映画の評価が覆るのは正直容易なことではないんですよね。
そもそも韓国映画が日本に来ること自体、極めて稀な事例であるわけですし。
それでも、韓国映画に対する偏見を吹き飛ばすだけの面白さを持つ映画というものを期待したいところなのですけどね。