11月16日は幼稚園記念日
11月16日は幼稚園記念日。
1876年のこの日、日本初の官立幼稚園である東京女子師範学校附属幼稚園(現在のお茶の水女子大学附属幼稚園)が東京・神田に開園しました。
幼稚園は満3歳から小学校就学までの幼児の教育を目的とした文部科学省所轄の「学校」の一種です。
厚生労働省管轄で児童福祉施設とされ、0歳から小学校就学までの乳幼児を対象に保育(養護と教育)を行う保育園とは異なります。
しかしここ最近、この幼稚園が完全消滅の危機に晒されています。
女性の働く環境を支援するという「男女平等的な【美名】」の下、幼稚園と保育園を一体化し「こども園」なる組織に統合するという法案が政府から出されているためです。
この「こども園」の大きな問題点は、「こども園」の認定基準が私立の幼稚園にとって大変大きな負担になることと、この法案自体に憲法違反の疑いがあることにあります。
「こども園」の認定については、育児環境や職員配置・経営能力などの基準に関する都道府県または市町村の審査をパスしなければなりません。
それを満たしていない私立の幼稚園は、当然のことながら幼稚園教員の数を増やしたり、設備や施設の拡張などを行ったりする必要があり、大変な経済的負担を強いられるのが目に見えています。
また「こども園」では授業料の公定価格が定められており、また入学者の選定についても大きな制約が課せられます。
これは事実上、国や地方自治体が私立の学校に口を出すということに他ならず、日本国憲法89条に違反している疑いがあるのです。
多大な経済的負担や憲法問題を強引に押し切ってまで「こども園」なるシロモノを創設したところで、幼児教育の水準が悪化するという本末転倒な結末を迎えるだけでしかないでしょう。
日本の幼稚園には実に130年以上もの歴史があり、特に私立の幼稚園は自由な校風の下、幼児の教育の場として機能してきた実績があります。
幼稚園の歴史的意義、および今の幼稚園が抱えている問題について、この機会に調べてみるのも良いのではないでしょうか。