内部告発スクープを報じない既存マスコミの使えなさ
中国漁船衝突事件の尖閣ビデオを流出させた海上保安官が、YouTubeに動画を投稿する前に、CNN東京支局に対し動画ファイルを記録したSDカードを郵送していたと供述していることが判明しました。
http://megalodon.jp/2010-1125-1555-05/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101124-00001260-yom-soci
例の尖閣ビデオ流出事件の際、朝日新聞名古屋本社調査報道班記者の神田大介なる人物が「内部告発は報道機関を通してほしい」とTwitter上にて呼びかけていたことがあります。
しかし、CNN東京支局の対応を見る限り、既存マスコミに内部告発を行っても全く報道されない&情報を握り潰される可能性が少なからず存在する、ということが実地で証明されてしまった形になります。
CNN東京支局がSDカードを最初から検証しなかったのか、SDカードに保存されていた動画を見た上で報じなかったのかは不明ですが、どちらにしてもマスコミとしての検証・報道能力が大きく問われかねない失態と言えます。
しかもCNNはテレビ朝日およびNHKと提携関係にあり、両者もまた、この情報を真っ先に知りえる立場にあったはずなのです。
既存の大手マスコミは、政府や企業その他の内部告発には全く不向きな媒体である、ということにこれではなってしまいますね(苦笑)。
神田大介の熱弁も全く空しいものになってしまい、実に哀れな限りです(T_T)。
ところで、我らが田中芳樹御大は、今回の尖閣ビデオ流出絡みに関するマスコミ報道についてはどのように受け止めているのでしょうか?
田中芳樹の過去の発言を見ると、既存マスコミを無条件に信用しているようなことを述べていたりするのですが↓
毎日新聞 2008年1月6日記事
作家・田中芳樹さん語る 「涼子は大物女優」 薬師寺涼子の事件簿
<||最新作でも、「マンガばかり読んでいる外務大臣」とか、さまざまな話題を茶目っ気たっぷりに笑い飛ばしています
(田中)
特にモデルがだれという訳でないんですが(笑)。「いい年して遊ぶな」と言われるんですけど、思いっきり楽しんでいます。ネタは自然と出てくるんですよ。むしろ現実の「えぐみ」を取る工夫をしていますが、その工夫が楽しいですね。新聞を読んだり、ニュースを見たらネタは出てきます。「入門編」としての新聞の存在は、大きいですよ。ただ、経済だけはなぜか興味がなくて……。一時期、興味を持つきっかけに株を買ってみたのですが、全然だめでした。その代わりに新聞に載っている企業プロジェクトの特集を読んだりしています。まあ、経済と恋愛は、事件がからまないと本質的に興味がないですからねぇ。>
田中芳樹も、尖閣ビデオ流出事件のマスコミ報道で初めてYouTubeの存在を知ったクチだったりするのでしょうか?
創竜伝だと、「国民新聞」こと読売新聞や記者クラブに対する批判的な社会評論があったりするのですが、それでも「『入門編』としての新聞の存在は、大きいですよ」などとのたまう辺り、既存マスコミに対する信用は少なからぬものがあるのでしょう。
その一方で、田中芳樹がほとんどネットを触っていないことが「らいとすたっふ」社長氏によって言及されていますし、実際、ここ10年ほどの間に刊行された現代物作品の中でもネットの存在がほとんど描かれていません。
ネットが持つ速報性や利便性、それに何よりも「権力べったりな既存マスコミの自主規制と無縁な自由度の高さ」という点を田中芳樹がどのように評価しているのか、是非とも知りたいところです。