劇場公開映画の地域格差について
よく「都会と地方には格差がある」と言われますが、実は映画館の劇場公開映画にも立派な地域格差というものが存在します。
地方の映画館で上映されている映画は全体のごく一部でしかなく、特定の映画館でしか公開されていない映画や、地方によっては全く公開されない映画の存在も決して珍しいことではありません。
映画情報サイトの「シネマトゥデイ」で公開されている映画情報を確認すると、全国公開されている有名どころだけでなく、地方によっては全く上映されていないマイナーな映画の名前も数多く存在していることが分かります。
これらの映画は地方ではちょっとした宣伝広告さえ全く流されることがないため、映画館やTVのCMなどからでは存在すらも全く知ることができないのです。
2010年11月27日から全国の映画館で、ヴァンパイアが世界を支配する近未来世界を描いた「デイブレイカー」という作品が公開されています。
映画「デイブレイカー」の情報についてはこちら↓
http://www.daybreakers-movie.jp/
この映画、私は「シネマトゥデイ」でその存在を知ったのですが、あらすじを読む限りでは好みのジャンルだったので観に行こうかと上映映画館を確認したところ、何と熊本では劇場公開予定すら全くないことが判明。
全国47都道府県のうち、「デイブレイカー」が上映されているのはわずか17都道府県のみ。
九州では福岡・大分・鹿児島の3県だけ、中国地方では1県のみ、東北・四国に至っては上映する映画館自体なしと、映画を観賞できない地域の方がはるかに多いのです。
せめて県内1箇所だけでも上映されていれば、そこまで足を運んで観に行くこともできたのですけどね。
実際、2008年公開映画「ゲット・スマート」や、今年公開された映画「第9地区」「パリより愛をこめて」などは、行きつけの映画館では上映されていなかったので、いつもとは違う映画館までわざわざ足を運んで観に行った作品だったりします。
最低でも1都道府県内で1箇所だけでも上映されていれば、映画公開の地域格差もかなり是正されるはずなのですが(まあ北海道や離島などではそれでも厳しいでしょうけど)。
かくのごとき映画公開の地域格差が存在するのは、「上映しても利益が見込めないから」という映画館側の事情に拠るところが大きいでしょう。
特にPG-12やR-15作品などは、観客を限定することもあってか、内容が面白くても上映予定から外されやすい傾向にあります。
最近はシネコンの隆盛で、地方でも観賞できる映画は昔よりも増えているのですが、それでも限りがあるスクリーン数で全ての映画を一斉に公開するのは不可能なのですし、映画館側にしてみれば、できるだけ人気がある映画を優先的に上映し観客動員数と収益を増やさなければならないところですからねぇ。
ただ、そういう映画館側の事情を勘案しても、地方の一映画ファンとしては、やはり可能な限り全ての公開映画をフォローして欲しいところではあります。
特に私の場合、レンタルDVDやTVなどではほとんど映画を観ることがありませんし、「映画は映画館で観る」というこだわりがあるのでなおさらそう思わざるをえませんね。
劇場映画公開の地域格差も、市街地中心部にしか映画館がなかった時代に比べれば大幅に是正されてはいるのでしょうが、今後も更なる改善を進めて欲しいものです。