匿名アカウント削除問題がもたらすFacebookの暗雲
- 2011/02/12 19:45
- カテゴリー:タナウツSEO・SMO, サイト改造裏話
2月8日昼頃から、Facebookで偽名やニックネームを使用しているアカウントが多数削除される問題が世界中で発生しています。
http://megalodon.jp/2011-0212-1827-46/rocketnews24.com/?p=72687
アカウントの実名登録について、Facebookの規約では以下のように明記されています↓
> 4.登録とアカウントのセキュリティ
> Facebookでは、ユーザーの皆様に実名および実在の情報を提供していただいています。これを維持するには、ユーザーの協力が必要です。ユーザーは、登録とアカウントのセキュリティの維持に関連して、以下の点を守ることを弊社に確約するものとします。
> 1.Facebookで虚偽の個人情報を提供したり、許可を得ることなく自分以外の人のアカウントを作成することはできません。
(以下略)
今回の問題は、この実名登録ルールを徹底させるためにFacebook側が強権発動に打って出たものと思われます。
しかし、これはFacebookの今後の対日戦略に大きな陰を落とすことになるのではないでしょうか?
Facebookが日本で敬遠されてきた理由のひとつに、この実名登録ルールがあります。
ネット上で実名を登録し全世界に公開するのは、安全性やプライバシーの問題から避けたい、という考える人が日本では少なくありません。
同じSNSであるmixiなども、かつては実名推奨主義を採用していましたが、mixiで書かれた日記の内容が外部に晒され炎上騒動に発展したり、実名を元に人物特定されたりするなどしてその危険性が伝わり、今ではmixiでも実名を公開する人は少数派になっています。
実名公開には危険が付き纏うという風潮が強い日本で、Facebookの実名登録ルールがなかなか受け容れられないのも当然といえば当然と言えます。
ただ、私はどちらかと言えばこのルールの弊害は比較的軽視していた方だったりします。
mixiが実名推奨主義から変質していった過程を鑑みれば、Facebookもまた匿名を認める方向に行くのではないかと考えていたからです。
加えて、日本のみならずアメリカをはじめとする外国でさえも、Facebookのプライバシー公開方針は大きな問題としてクローズアップされつつあります。
だから私は、Facebookで匿名のアカウント登録を行っても、公認とまではいかなくても黙認される方向に行くのではないかと結構楽観視していたんですよね。
しかし、今回の問題は「実名登録ルールを徹底させるために徹底した取り締まりを行い、違反者には容赦なくペナルティを課す」というスタンスをFacebook運営側が事実上表明したことになります。
匿名で登録したらいつアカウントを消されるか分からない、ということになれば、ユーザー側は常に不安を抱えた状態でFacebookを使わなければならないわけで、これがFacebookユーザーに与える影響は小さからざるものがあるでしょう。
特に日本のように実名公開が敬遠される文化を持つ国ではなおのことです。
せっかく映画「ソーシャル・ネットワーク」の公開などで、遅まきながらようやく日本でもFacebookが拡大を見せ始めたばかりだというのに、わざわざそれに冷水を浴びせてどうするというのでしょうか?
本当にFacebookは日本でシェアを拡大する気があるのか、それすらも疑問に思えてくる事件ですね。