憲法違反&精神的に苦痛だから夫婦別姓を認めろ裁判
以前に取り上げたネタの続報になりますが、夫婦別姓を認めない民法の規定は憲法違反であり、立法の不作為で精神的苦痛を受けたとして国家賠償を求める提訴が、いよいよ2月14日に行われるのだそうです。
http://megalodon.jp/2011-0213-1510-18/www2.knb.ne.jp/news/20110211_27054.htm
この中で、富山市在住の75歳の女性が自分の経歴を公表した上で「こんな自由で民主主義の国なのに、なんで、個人の意思が通らないのか」などと述べています。
しかしこの女性、離婚すれば元の姓に戻ることを知っていて、なおかつそれを1度実践した過去まで持っているんですよね。
本当に「元の姓に戻りたい」「あたしの存在そのものです」とまで言い切るのであれば、何故「再度」離婚をして元の姓に戻ろうと考えないのでしょうか?
ペーパー離婚で形の上だけ離婚した上で、実質的には変わらない事実婚な家族生活を営めば何の問題もないはずでしょうに。
「自由で民主主義の国」だから何でもかんでも「個人の意思が通」ると考えているのならば、それは大きな間違いです。
個人のワガママで異論も多い制度を勝手に変えるなど、むしろ「自由で民主主義の国【だからこそ】」あって良いことではないのですが。
というかそれ以前に、そこまで自分の姓にこだわりを持つのであれば、そもそも結婚すらするべきではなかったと思うのですけどね。
夫や子供を愛していないどころか憎しみすら抱いているのではないかという疑念すら、この女性の発言からは感じずにはいられないのですが。
夫婦別姓推進論者として少なからぬ関心を抱いているであろう我らが田中芳樹御大も、これを聞いたらさすがに唖然とするのではありませんかね?
現行民法における「夫または妻どちらかの姓に合わせること」という条項を鑑みても、この女性が自分の姓を名乗らなかったのは自己責任の範疇でしかありませんし。
こんな個人のワガママレベルなタワゴトが、夫婦別姓推進側の代表的な理論というのですから、何とも笑えてくる話ではあるのですが……。
多摩武蔵守
初めまして。「山本弘とアルマゲドン」の頃から、ホームページ、ブログともに愛読しています。
冒険風ライダーさんの書かれていることは間違っていないと思いますし、夫婦別姓の論拠としてよく挙げられることも説得力があるとは言えません。
韓国や中国で夫婦別姓なのは「女は夫の姓を名乗れない」という儒教の思想が根底にあるから。我が国で夫婦別姓だったのも有力者くらいで、一般論とは言えません。
民法750条は男女どちらか一方の姓に合わせよと言ってるだけですから、なんら「法の下の平等」には反しないという反論も可能です。
しかし、国民全体として夫婦別姓についてどう考えているのか? ということにも目を向けて、現状を分析し、どう説得していくかということも大事だと考えました。
ちょっと古いですが、内閣府の世論調査が参考になります。冒険風ライダーさんも以前取り上げられていたので、釈迦に説法とは思いますが……。
「選択的夫婦別氏制度に関する世論調査(平成13年5月)」
http://www8.cao.go.jp/survey/h13/fuufu/index.html
ここからいろいろと興味深いことが読み取れます。
・婚姻によって姓が変わると「喜びを感じると思う」という人の割合が約7割
・夫婦別姓でも家族の絆が弱まるとは思う人と思わない人が40:50
・選択的夫婦別姓の導入は構わないと考える人が約4割、明確に反対の人が3割
・しかし、夫婦別姓にしたら子供に好ましくない影響がでると考えている人も多く、約7割
・子供が2人以上いる場合、約7割の人は子供の姓は同じにすべきと考えている
・実際に別姓が導入されても、別姓にする人はごく少数に留まると考えられる(夫婦別姓に賛成の人の割合×制度が導入されたら別姓にするという人の割合で求められる。計算したら約1割)
つまりニュースで言われているほど姓が変わって不満を抱く人はおらず、むしろ喜んでいる人の方が多いということです(正直驚きました)。
また「夫婦のことを考えたら夫婦別姓も構わないけど、子供のことを考えると躊躇する」という人も多いようです。
しかし「家族の絆が弱まるとは思わない」「選択的夫婦別姓には消極的賛成」が平成8年の世論調査に比べて増えていることは懸念材料でしょう。
国民が夫婦別姓に賛成するならその原因を考えて、どうやって説得するかを考えければならないし、進歩派やフェミニストの批判をするだけで済む問題でもないと思います。
現に保守派をはじめとする反対派が言論活動を行って来たにもかかわらず、消極的にしても賛成派が増えています。
ならば現状を分析して、どうしたら説得力のある主張ができるかを考えることは必要だと思うのですが。