香港紙・東方日報の「核を駆使した恫喝外交」提言
中国の香港紙・東方日報の4月5日付掲載記事が、「尖閣諸島は日本の領土」と記載した日本の教科書問題について言及し、「中国が核を使用する勇気を示さなければ、中日間に平和は来ない」という主張を展開しています。
核アレルギーを持つ日本に対し、核の先制使用をも辞さない態度を示せと提言しています。
http://megalodon.jp/2011-0407-0059-58/news.livedoor.com/article/detail/5471886/
これは一見すると、東方日報がトンデモレベルの過激な反日記事を掲載しているかのように解釈できます。
しかし前にも書いたことですが、中国は「全く関係のないものを罵ることで、真のターゲットに攻撃を加える」という「指桑罵槐」なる行動原理が存在するお国柄です。
そういう国の新聞が、いくら反日が無条件で正しいとされるからとは言え、自らの本音を率直に晒すかのごとき記事を掲載したりするのでしょうか?
「尖閣諸島の問題についても、このような国難の時にあっても、教科書問題を通じて中国を挑発してくる。このような国に対して、中国はなぜ核の先制使用はしないと約束するのか?」という締めから考えても、この記事は反日がどうこう言うよりも【中国政府に注文をつける】ことを真の目的としている、と解釈すべきシロモノでしょう。
中国の反日活動は、中国国内における権力闘争の延長線でしかなく、この手の勇ましい主張を字面通りに素直に受け取った挙句、硬軟いずれにせよ素直に対応するのは愚行もいいところです。
ただ一方で、こんな主張が新聞紙上に躍るというのは、それだけ日本が外国から舐められている証明以外の何物でもありませんね。
この手の中国の「俺達は怒っているぞ」的な発言を真に受けて平身低頭な外交を続けてきたツケが、こんなところにまで回ってきているわけですが。
どんなものであれ、中国が言っていることを「本心」として真に受けると痛い目を見る羽目になります。
まずはその発言に込められた真の意図と目的を正しく読み取り、それに合致した最善の対応を行うこと。
それが、中国という「ある意味救いようのない国」に対する正しい対処法というものではないでしょうか。
ところで、もし東方日報が言うように中国が先制使用をも含めた核の外交カードで日本を脅迫してきた場合、我らが田中芳樹御大は一体どういうスタンスで中国を評することになるのでしょうか?
いくら田中芳樹が中国礼賛論者であるといっても、さすがに核を使った恫喝行為を全肯定する論理は叩き出せないだろうと普通ならば考えるところですが、そんな常識が通用する人間であれば、そもそも創竜伝のような作品は書かないわけで(苦笑)。
直接擁護するのではなく、日本を断罪しまくって「こんな国は滅びてしまった方が良いのだ」という論法を駆使して間接的に中国の行為を正当化するといったところが妥当な線なのではないか、というのが私の予想なのですが……。