映画「GANTZ:PERFECT ANSWER」感想
映画「GANTZ:PERFECT ANSWER」観に行ってきました。
集英社の青年漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」で連載中の同名作品を、二宮和也と松山ケンイチを主演に迎えて描かれる実写映画2部作の後編に当たります。
前作「GANTZ」、および2011年4月22日にTV放送された「ANOTHER GANTZ」を観賞した際の私の感想については、こちらをご参照下さい↓
映画「GANTZ」感想
金曜ロードショー「ANOTHER GANTZ」感想
前作に引き続き、今作も残虐シーンが満載であることからPG-12指定されています。
映画公開直前の「ANOTHER GANTZ」放送の影響もあってか、私が行った映画館のスクリーンはほぼ満席状態でしたね。
映画「GANTZ:PERFECT ANSWER」の物語は、前作「GANTZ」のラストから5ヶ月後、トップモデルである鮎川映莉子の元に、小さな黒い球・ガンツボールが送られてきたところからスタートします。
ガンツボールは鮎川映莉子に対し、「鍵」となる人物を殺すよう命じ、鮎川映莉子は無意識のうちにそれを実行していきます。
殺された人物はガンツの元に転送され、前作「GANTZ」で失った加藤勝を生き返らせるため、事実上のリーダー格となって戦っている主人公・玄野計とその他のガンツメンバーと共に戦っていくことになります。
実は鮎川映莉子、および彼女によって殺された「鍵」の人物達は、最後に「鍵」として指定された人物を除き、2年前にガンツに召喚され、星人達との戦いで100点を獲得しガンツから解放された人間であることが、物語後半になって判明します。
ガンツから解放される際には記憶を消されるわけですが、戦い方は身体が覚えているため、彼らは当然のように強いわけです。
そして、ガンツボールが最後に指定した「鍵」の人物は、前作のラストで玄野計に告白し、その後は玄野計と親しく付き合うようになっている小島多恵。
何故「歴戦のガンツメンバー」でもない彼女が選ばれたのかについて作中では何も語られていないのですが、おそらくガンツの意図としては、小島多恵をガンツメンバーに加えることで、星人達との戦いで優秀な成績を収めている玄野計をいつまでも自分の手元に置いておきたいという意図があったのではないかと思われます。
そしてガンツボールが指示を送っている鮎川映莉子自身は、小島多恵を殺させた後で「ミッションクリア」としてガンツルームに呼び寄せる予定だったようです。
しかし、ここでそのガンツの目論見を妨害し、ガンツに仇なそうとする存在が2つ登場します。
ひとつ目は黒服・壹が率いる謎の集団。
彼らは、小島多恵を殺すために地下鉄に乗り込んだ鮎川映莉子を抹殺してガンツボールを奪い取り、ガンツの居場所を特定すべく、行動を開始します。
このことに危機感を抱いたガンツは、玄野計率いるガンツメンバーに対し「黒服星人」として抹殺するよう指示。
これまでの星人達との戦いは、真夜中の人気のない中で行われるのが常だったのですが、この時の舞台は通常運行している地下鉄の真っ只中。
当然、戦いに巻き込まれて死傷&逃げ惑う一般人も多数出る中で、凄惨な戦いが繰り広げられることになるわけです。
ここでの列車内&駅を駆使したアクションシーンはメインの見所のひとつですね。
もうひとつの脅威は、前作で死んだはずなのにラストで何故か野次馬の中に紛れ込んでいた加藤勝。
加藤勝はガンツの記録データの中でも「死者」として登録されており、復活しているはずなどないのですが、彼は黒服星人との戦い直前にも玄野計の前に姿を現します。
黒服星人との戦い後、彼はからくも難を逃れて地下鉄の構内をただ一人うつろに歩き回っていた鮎川映莉子を射殺し、まんまとガンツボールを奪い取ることに成功します。
その頃、ガンツの部屋では黒服星人との戦いにおけるガンツの採点が行われており、鈴木良一が100点を達成することに成功したことが判明します。
鈴木良一は「加藤君を生き返らせましょう」と提案しますが、玄野計は先日加藤勝と再会した経緯から躊躇します。
そこへ、加藤勝に射殺されガンツの部屋に転送されてきた鮎川映莉子がそのことを告白。
そこで「物は試し」ということで加藤勝を復活させ反応を見た玄野計は、先日出合った加藤勝は星人が化けているものだという確信を抱きます。
さらに鈴木良一と同じく100点を達成していた玄野計は、前作「GANTZ」の田中星人との戦いで死んだ西丈一郎の復活を選択。
西丈一郎に対し、黒服星人との戦いにおけるガンツの異常について問い質している中、突然ミッション開始を告げるラジオ体操の曲が、それも音程が狂いまくった状態で流れ出します。
誰もが異常事態と認識する中、ガンツは緊急ミッションとして新たなターゲットを指定します。
そのターゲットとは何と、玄野計が親しく付き合っている小島多恵。
加藤勝に化けている星人が小島多恵を殺してしまうと、星人がガンツボールのミッションクリアによってガンツの部屋へと転送されてしまう事態に直面することになるため、急遽、緊急ミッションが立ち上げられたものと思われます。
しかも、星人でもないはずの小島多恵に対し、ガンツは100点の配当と、ターゲットを殺したメンバー以外の得点を没収する通告まで出します。
これは、ガンツの危機感が相当なものだったという証明になるでしょう。
かくして物語は、小島多恵を死守すべく奮闘する玄野計・鈴木良一、自分に化けた星人に弟を殺され激怒する加藤勝、そして前作「GANTZ」最後の戦いで生き残った桜井弘斗の4人と、ガンツに不安を抱き解放されることを望むその他メンバーとの間で戦いが繰り広げられる事態へ発展することになります。
比較的原作に忠実だった前作「GANTZ」と異なり、今作の「GANTZ:PERFECT ANSWER」では、原作とは大きくかけ離れたオリジナルストーリーが展開されます。
黒服星人という名の星人は原作では未登場(ただし、原作に登場する吸血鬼が黒服星人とほぼ同じ能力を有している)ですし、小島多恵をターゲットとするストーリー自体は存在するものの、勃発する経緯がまるで異なりますし。
加藤勝に化けている星人は、黒服星人と同じ能力を使い、ガンツの部屋に乗り込んだ際に黒服・壹の仲間達を呼び寄せていることから、黒服星人達の仲間であろうことはまず間違いありません。
ただ、変身能力を持つことや二刀流の使い手であること、さらには前作「GANTZ」に登場した千手観音と似たような口調で似たような台詞を話すことなどから、前作の千手観音と同一星人である可能性も否定できません。
あの千手観音は前作でも直接倒された描写がなく(正確には、Xガンを防御した後に巨大大仏を出した後の描写がない)、また前作でも加藤勝の死に際の現場に直接居合わせていたという状況証拠もありますし。
この名前も正体も不明の星人が、歴戦の強者であったはずの玄野計と加藤勝の2人を同時に相手取りながら両者を圧倒していくシーンは、1999年公開映画「スターウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」のラストバトルで、たった1人で2人のジェダイ達と互角の戦いを繰り広げたダース・モールを彷彿させるものがありましたね。
映画「GANTZ:PERFECT ANSWER」は、ハリウッド顔負けのアクションシーンだけでなく、これまでガンツメンバーによって殺されていった星人達の復讐心や、小島多恵を巡って葛藤するガンツメンバー達それぞれの姿も大きな見所のひとつです。
前作「GANTZ」でも、千手観音が「お前達が先に攻撃してきた、だから復讐する」みたいなことを述べていましたが、黒服星人も加藤勝に化けた星人も同じことを述べまくっています。
星人達にしてみれば、自分達は何もしていないのに突然攻撃され、仲間を殺されたとなれば当然怒り狂うでしょうし、仲間を殺したガンツメンバーに対し復讐を誓うようにもなるでしょう。
ただ、口では復讐を呼号しながら、殺戮は無感情かつ淡々とこなしている辺りが恐怖を誘うところではありますが。
一方のガンツメンバーは、小島多恵を巡る対応で各登場人物の人間性が表れていて面白かったですね。
半ば恋人関係にあることから小島多恵を死守しようとする玄野計。
玄野計に同意し身を呈して逃亡に手を貸す桜井弘斗。
同じく小島多恵を守るため奮闘しつつも、「100点獲得による妻の蘇生」という甘い誘惑に一度は屈してしまう鈴木良一。
鈴木良一の葛藤は「ANOTHER GANTZ」ともリンクしている内容で、こちらも吟味するとさらに葛藤の様子が分かりやすいですね。
一方、100点獲得のために小島多恵を追跡するメンバー達も、2人ほどは「もう止めよう」と葛藤する場面があったりします。
逆に、小島多恵を嬉々として追っているような印象があったのは、玄野計に復活させてもらったはずの西丈一郎。
追跡の障害となった桜井弘斗を躊躇なく殺しにかかっていますし、こいつを玄野計が復活させたのは間違いだったのではないかと思えてなりませんね。
映画の題名にもなっている「パーフェクトアンサー」の意味は、物語のラストで明らかになります。玄野計がガンツの玉男になる
確かにある意味「完璧な答え」と呼べるものではあったのですが、観覧車の電光表示板に出力されていたメッセージが、何とも切ないものに見えてしまいましたね。
ストーリーもアクションシーンも秀逸の一言で、原作ファンから見ればともかく、日本映画としては間違いなく高い評価が与えられて然るべき映画であると言えます。
機会がありましたら、前作「GANTZ」も併せ、是非観賞されることをオススメしておきます。
映画ファン
おはようございます。私も昨日主人と見てきました。GANTZ1を見て興味を持ち,続きが気になっていたので。なかなか面白かったです。主演の二宮さん,松山さんは文句なしにいい演技を見せてくれました。特に玄野が愛する者を失った時,床をたたきながら泣くシーン,何も台詞がなくとも何とも言えない悲しみが伝わってきて感動しました。二宮さんの演技は気取りがなく,とても自然でいつの間にか物語に惹き込まれてしまいます。主人も私も大好きなので,これからもいい作品に出ていろんな役に挑戦してもらいたいですね。