ウサマ・ビンラーディン容疑者の殺害と田中芳樹の今後の動向
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の首謀者として行方が追われていた国際テロ組織アルカーイダの最高指導者だったウサマ・ビンラーディン容疑者が、アメリカの諜報機関によって殺害されたと報じられました。
その隠れ家は、パキスタンの首都イスラマバード近郊アボタバードにあったとのこと↓
http://megalodon.jp/2011-0503-2242-53/sankei.jp.msn.com/world/news/110502/mds11050212370003-n1.htm
アメリカにしてみれば、同時多発テロ事件以降、首謀者としてその行方を追い続けていた人物をついに倒すことに成功したわけで、祝杯のひとつも上げたくなるところでしょう。
ただ一方では、報復を目的としたテロの動きが世界的な規模で活発化する懸念もあり、日本でも警戒が強化されています。
アメリカにしてもその他の国々にしても、手放しで喜んで良いというわけにはいかないでしょうね。
ところでアメリカ同時多発テロ事件といえば、その直後に刊行された「イギリス病のすすめ」文庫版のあとがきで、田中芳樹がやたらと狂喜乱舞した文章を掲載していたのを思い出しますね。
イギリス病のすすめ・文庫版あとがき P236
<多くの方のお力ぞえをいただいて二〇世紀に上梓された本が、二一世紀に文庫化されました。「めでたいこっちゃ」と能天気なことを書こうとしていたら、ニューヨークの世界貿易センタービルに、ハイジャックされた旅客機が突っこんでしまいました。テロリズムの犠牲となった無辜の人々に、つつしんで哀悼の意をささげます。
直後に災厄をこうむったペンタゴンに対しては、正直あまり同情を感じません。これまでさんざん世界各国に無差別爆撃をおこなってきた軍事エリートの総本山ですからね。無差別爆撃がどれほど非人道的なものか、被害者になってみてはじめてわかったのではないでしょうか。簡単に忘れてほしくないものです。>
事件の直後という時期にこんなことをのたまっていた田中芳樹は、今回のウサマ・ビンラーディン容疑者の死亡とアメリカの勝利宣言で、さぞかし創作意欲を刺激されているのではないでしょうか?
奇しくも次の執筆予定作品は「あの」薬師寺シリーズとなっていますし、連休明けには「髑髏城の花嫁」が当初の予定よりも半年以上遅れながらも脱稿するとの「らいとすたっふ」社長氏による事前情報もあります。
薬師寺シリーズでも創竜伝でも、同時多発テロ事件や「正義のアメリカ」的なスローガンは何かとネタにされてきましたからねぇ(苦笑)。
正直、こんなことで創作意欲が掻き立てられるという田中芳樹の性癖もどうかと思わなくもないのですが、今度の薬師寺シリーズの新刊には、「髑髏城の花嫁」など比較にならないほどにハイペースな執筆と刊行、そして何よりも反米思想に彩られたトンデモ社会評論な内容に(悪い意味での)期待がかけられるのではないでしょうか(爆)。