5月9日はヨーロッパ・デー
5月9日はヨーロッパ・デー。
1950年のこの日、当時のフランス外相ロベール・シューマンが、石炭・鉄鋼をヨーロッパ各国で共同管理するECSC(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)の創設を提案、1951年のパリ条約によりECSCが正式に発足しました。
ECSCは現在のEU(ヨーロッパ連合)の前身とされており、そのことを記念し、1985年にEUの首脳会議であるヨーロッパ理事会で、この日がヨーロッパ・デーとして制定されています。
しかしここ数年、EUでは大変な問題が持ち上がっています。
ギリシャやアイルランド・ポルトガルなどが深刻な財政危機に陥り、先週末にはついにギリシャが統一通貨ユーロから脱退し自国の独自通貨へ戻ることを検討しているとの報道まで流される事態になりました。
ギリシャも含めたEU各国は報道の否定に躍起になっていますが、一連のEU加盟国の経済問題が、EUの前途に暗い陰を落としているのは紛れもない事実です。
http://megalodon.jp/2011-0508-2152-26/sankei.jp.msn.com/economy/news/110507/fnc11050710000005-n1.htm
ギリシャにとって、ユーロからの離脱は自国の経済を立て直すための有力な選択肢となりえます。
独自通貨を採用している場合、通貨の暴落によって自国の輸出競争力を拡大することができるためです。
しかし、ユーロを採用している限り、ギリシャは経済の建て直しもおぼつかない状態が続くわけです。
日本でも過剰な円高で輸出がやりにくくなっていると盛んに報道されていますが、ギリシャの場合は「経済が破綻しているにもかかわらずユーロ高」という最悪の惨状を呈しているわけです。
統一通貨ユーロの構造的な問題がここにきて露呈している感じですね。
EU、および統一通貨ユーロは今、存続か解体かの大きな岐路に立たされていると言っても過言ではない状況なのではないでしょうか。
もし万が一にも統一通貨ユーロが破綻しようものならば、そのショックは大津波となって世界各国の経済を直撃することになるでしょう。
今後のEUの動向がどうなっていくのか、注視していく必要があるでしょうね。