アメリカの連邦最高裁が表現による販売規制について違憲判断
アメリカの連邦最高裁で、「人物を殺害したり手足を切断したり、性的暴力を加える映像」を含めたゲームの販売を規制するカリフォルニア州法が、表現の自由を保障した憲法修正1条に違反するとの判断を下しました。
http://megalodon.jp/2011-0629-0055-11/sankei.jp.msn.com/world/news/110628/amr11062809420003-n1.htm
アメリカ、というよりも日本以外の国々では、アニメ・マンガ・ゲームをはじめとするエンターテイメント分野において、日本をはるかに上回る表現規制が普通一般に行われています。
作中で犯罪を扱っていたり死体が出てきたりするだけでモザイクがかけられたりR指定されたりするという徹底ぶりで、実際、カナダでは「名探偵コナン」がR-15指定されていたりします。
アメリカでも1950年代に「コミックス・コード」と呼ばれる表現規制が大々的に施行されて以降、コミックの多様性が大きく損なわれ、結果として大手出版社が扱うスーパーヒーロー系の作品一色になってしまった経緯があります。
そのアメリカで、暴力表現の規制を違憲とする判決が出されたことは、これまで規制一辺倒とすら言えたアメリカのエンターテイメント界にとっては画期的なことであると言えるのではないでしょうか。
日本でも非実在青少年の表現規制実施が間近に迫っていますが、これまで「欧米を見習え!」とばかりに表現規制を推進してきた人達は、この判決について果たしてどう考えているのでしょうか?
ところで我らが田中芳樹は、この手の外国の表現規制についてどんな感想を抱いているのでしょうか?
田中芳樹もマンガ好きで有名なわけですし、薬師寺シリーズのようなマンガ丸パクリな作品を書いてすらいるくらいなのですから、まさか表現規制問題について無関心ということはないでしょう。
社長氏もTwitterやブログでたびたび表現規制問題について言及したりしているわけですし。
そして、日本をはるかに上回る表現規制が外国、特に欧米で大々的に行われているという事実は、田中芳樹にとっては非常に由々しき問題であるはずです。
というのも田中芳樹は、特にイギリスを礼賛するに際して「王室の悪口を言っても罰せられないくらいに言論の自由が許されている偉大な国」「そんな国が世界を支配できたのは当然だ」みたいなことをたびたび述べているんですよね。
ところが、こと表現規制問題に関しては、イギリスもアメリカや他のヨーロッパ諸国と似たり寄ったりな水準の規制が行われていて、世界に冠たる自由な表現が許されている国は何と日本になってしまうわけです。
となると、皇室や政府に対する悪口はもちろんのこと、表現についての規制も世界的に見て緩い水準にある日本は、田中芳樹の論法から言えば「世界を支配する」資格が当然のごとくあるということになります(爆)。
世界各国および今の日本における言論・表現の自由の実態について、田中芳樹の頭の中では一体どういう扱いになっているのか、是非とも知りたいところではありますね。