エントリー

映画「小川の辺(おがわのほとり)」感想

ファイル 396-1.jpg

映画「小川の辺(おがわのほとり)」観に行ってきました。
藤沢周平原作の短編集「闇の穴」に収録されている短編小説を映画化した作品。

ストーリーは、架空の藩である海坂藩の藩士で戊井家の家長でもある主人公・戊井朔之助が、義弟である佐久間森衛を討てとの藩命を受けるところから始まります。
佐久間森衛は、2年前から凶作が続いていた海坂藩の農政について、改善案をまとめた意見書を藩の上層部に上申。
改善案自体は極めて理にかなったものだったのですが、自分の正しさを信じ周囲が見えなくなっていた佐久間森衛は、さらに殿様および重臣一同が集まった面前で現在の農政に対する批判を公然と展開。
これが、どう見ても名君には見えない殿様と、殿様の侍医に過ぎないのに政治にやたらと口出し、現在の農政を主導していた鹿沢堯伯の怒りを買ってしまい、謹慎処分が下されることになったわけです。
しかし、佐久間森衛の改善案に何か感じるものがあった重臣達は、佐久間森衛の改善案を元に独自に農政調査を行い別に改善案を提示。
さらに鹿沢堯伯を叩き出すよう殿様への説得工作も行い、結果めでたく鹿沢堯伯は上意により追放の沙汰が下されることになります。
しかし、当の佐久間森衛が殿様に対する批判を行ったことは事実であり、佐久間森衛および彼の親類にも更なる重い処罰が下されるであろうことは当然予想されました。
結果、佐久間森衛は主人公の妹で妻でもある田鶴を伴い脱藩。
海坂藩としては、殿様批判と脱藩の罪を犯した佐久間森衛を放置するわけにはいきません。
そのため藩による佐久間森衛討伐が行われることになったのですが、最初の討手の病気療養で藩へ帰還してしまいあえなく失敗。
また佐久間森衛は藩でも1、2を争うほどの剣術の達人でもあり、さらにその妻である田鶴もかなりの剣術使いと目されており、それに対抗できる人材が求められました。
そこで、やはり同じく剣術の達人であり、御前試合で佐久間森衛とやり合ったこともある戊井朔之助が、藩から佐久間森衛討伐の命を受けることになるわけです。

戊井朔之助にとって佐久間森衛は義弟であり親友でもある存在。
当然、戊井朔之助も最初は命令を受けかねる旨を、藩命を言い渡してきた海坂藩の家老・助川権之丞に伝えるのですが、助川権之丞は田鶴の存在を元に「そなたの戊井家にも類が及ぶかもしれない」と暗に仄めかし、命令の受諾を迫ります。
結局、戊井朔之助はお家の事情から、自身にとっても苛酷な命令を受諾せざるをえなかったのでした。
自宅に戻ってそのことを伝えられた戊井朔之助の両親と妻は当然いい顔をするわけもなく、特に母親である以瀬は半ば八つ当たり気味に戊井朔之助に突っかかってくるのですが、父親で剣の師でもある戌井忠左衛門は戊井朔之助の苦渋の決断に理解を示します。
その夜、「藩命だから佐久間森衛は討たねばならないが、せめて妹は助けたい」と思い悩む戊井朔之助の元に、兄弟のような間柄の幼馴染で戌井家に仕える奉公人でもある新蔵が、「自分も討伐の旅に同行させて欲しい」と嘆願にやってきます。
戊井朔之助はその嘆願を聞き入れ、かくして2人による佐久間森衛討伐の旅が始まることになります。

映画「小川の辺」では、日本の山岳や河川を描写するのがメインテーマなのではないかと考えてしまったくらいに、数多くの美しい自然風景が映し出されています。
作中に登場する「海坂藩」というのは架空の藩なのですが、元となっている藩は一応存在していて、現在の山形県鶴岡市と庄内地方を収めていた庄内藩がモデルみたいなんですよね。
そして、佐久間森衛がいると噂され、戊井朔之助と新蔵が向かったのは、現在の千葉県市川市の南部に位置するらしい行徳宿。
この間の旅程における山岳・田園・寺社、そして小川の風景が、主人公の回想と共に盛んに映し出されており、いわばロードムービー的な要素も多く含まれているわけです。
実際の撮影も山形県各地で行われたのだとか。

ストーリー後半で判明するのですが、佐久間森衛討伐への同行を自ら志願してきた新蔵は、佐久間森衛の妻となっている田鶴に恋心を抱いていました。
新蔵が同行を申し出てきたのも、田鶴の身を案じたのが一番の理由だったわけです。
それは田鶴の方も同じだったようで、昔の回想シーンで、佐久間森衛に嫁ぐ直前に田鶴が新蔵の下へやってきて、その心の内を告白する描写があります。
つまり田鶴にとって、現在の夫である佐久間森衛との婚姻は必ずしも自分から望んだものではなく、嫌々ながらも「お家のため」と受容したものであったわけです。
作中で主人公も含めた「海坂藩」の面々が軒並み「(佐久間森衛と対峙OR討ち取ったら)田鶴は必ず手向かってくるだろうな」などと言っていたので、てっきり相思相愛による婚姻だとばかり最初は考えていたのですが。
実際、物語終盤に佐久間森衛が討ち取られた際には、田鶴はしっかり実の兄に対し刃向かってきましたし。
元々は自分から望んだことではなく嫌々婚姻させられた夫のためにそこまで尽くすことができる女性というのも、現代ではあまり考えられない話でしょうね。
主人公の藩命にひたすら忠実な行動もさることながら、私はこちらについても「何とも難しい武士の生き様」というものを感じずにはいられませんでした。

ただ、戊井朔之助は藩命を忠実に守りぬいたわけですが、「海坂藩」的には戊井朔之助が命令に逆らうとは考えなかったのでしょうか?
戊井朔之助の旅には個人的動機から同行した新蔵以外、お目付け役的な同伴者は誰もいなかったんですよね。
となると戊井朔之助としては、命令が忠実に実行されるのかを常に監視する人間がいないことになるわけなのですから、いくらでも不正がやりたい放題なわけです。
終盤の描写を見る限り、藩命を遂行した証としては、別に佐久間森衛の首桶を持って帰ってこなければならなかったわけでもなく、佐久間森衛の髷を取ってくれば良かっただけのようでしたからね。
別に正面から命令に背く必要はなく、佐久間森衛の髷だけを切り取ってきて「佐久間森衛を討ち取った証」とすれば、誰も死なずに藩命を遵守したとすることだって不可能ではなかったのではないかと。
その上で佐久間森衛と田鶴には、行徳宿から出て顔も名も変えて新たに人生をやり直すよう告げれば良かったわけで。
まあそれをやってしまったら「武士の生き様」でも何でも無くなってしまいますし、そういう一種の「逃げ」をやらないところも「何とも難しい武士の生き様」というものだったのでしょうけどね。

ストーリー的にも演出面も、ハリウッド的な派手な要素は皆無といって良く、観客を限定しそうな万人受けしない作品ですね。

ページ移動

トラックバック

小川の辺 from Akira's VOICE

静謐で情感豊かなロードムービー。 

  • 2011/07/04 18:41:00

小川の辺(ほとり) from 佐藤秀の徒然幻視録

大義なき戦いと脱力感公式サイト。藤沢周平原作、篠原哲雄監督、東山紀之、菊地凛子、勝地涼、片岡愛之助、尾野真千子、松原智恵子、笹野高史、西岡徳馬、藤竜也。海坂藩士・戌 ...

  • 2011/07/04 19:21:00

『小川の辺』('11初鑑賞89・劇場) from みはいる・BのB

☆☆☆-- (10段階評価で 6)7月2日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター5にて 14:05の回を鑑賞。

  • 2011/07/04 20:21:00

小川の辺 from とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver

人物の設定から結末がわかるのだが、わかっていても感動するほど演出がうまい。東山紀之と片岡愛之助は姿勢がいいので存在感があるし、尾野真千子がしとやかで、菊池凛子は思い切ったところがあった。東山が勝地涼と...

  • 2011/07/04 20:43:00

小川の辺 from 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

海坂藩大全 上正しいことをした友を斬らねばならない無念。兄妹で戦わねばならない不条理。藤沢文学らしく、登場人物たちは運命を受け入れる、ひたむきな人々だ。海坂(うなさか) ...

  • 2011/07/04 20:52:00

小川の辺 from あーうぃ だにぇっと

6月24日(金)@東商ホール。戴き物の試写状だったので募集媒体はわからないがいつもと趣のちがう試写会だった。圧倒的に年配者が多く、試写会ずれしていない感じ。入り口で、パンフレットはないのか?と係りの人...

  • 2011/07/04 22:06:00

映画「小川の辺」@東商ホール from 新・辛口映画館

 試写会の主権はテレビ朝日、NISHIKAWAさんだ、客入りは8割くらい。映画上映前に本間智恵アナによる前説とスポンサー様からのPRが行われた。今回も映画のあらすじが本間アナから語られる。

  • 2011/07/04 23:33:00

小川の辺 from 象のロケット

東北・海坂(うなさか)藩藩士・戌井朔之助(いぬいさくのすけ)は、卓越した剣の腕を見込まれ、脱藩した元藩士・佐久間を討てとの藩命を受ける。 しかし、佐久間は朔之助の妹・田鶴(たづ)の夫であり、かつては剣...

  • 2011/07/05 00:07:00

小川の辺 from LOVE Cinemas 調布

藤沢周平原作の短編小説を映画化。藩命で妹の夫、即ち義弟を討つことになった主人公が武士としての己の立場と、肉親の情の間で葛藤を抱える姿を描く。主演は『山桜』の東山紀之。共演に『シュアリー・サムデイ』の勝...

  • 2011/07/05 00:38:00

小川の辺 from だらだら無気力ブログ

『山桜』の篠原哲雄監督と東山紀之が再び手を組み、藤沢周平原作の短編 小説を映画化した感動作。 藩命で妹の夫を討つよう命じられた兄が、社会的立場と肉親の情の板挟みで 苦しむ様子をじっくりととらえる。心優しい...

  • 2011/07/05 01:41:00

小川の辺 from 迷宮映画館

これは勝地君が主役だった!!

  • 2011/07/05 07:44:00

小川の辺/東山紀之、菊地凛子、勝地涼 from カノンな日々

藤沢周平作品の『山桜』を映画化した篠原哲雄監督が再び東山紀之さんを主演に迎えて藤沢周平さんの短編小説「闇の穴」を映画化した作品です。とはいっても『山桜』はイマイチだっ ...

  • 2011/07/05 21:26:00

小川の辺 山形県総動員っ!(爆) from 労組書記長社労士のブログ

【=38 -8-】 TOHOシネマズ1か月フリーパスポート12本目、映画観ている最中に地震が来た!( ̄ー ̄; ヒヤリ震度2くらいかなと、長く揺れたけど大丈夫だろうと、そのまま鑑賞していたが、考えてみたらそれで良かったのだろ...

  • 2011/07/06 09:47:00

小川の辺 from 花ごよみ

東山紀之が、主人公朔之助を演じます。共演は勝地涼、菊地凛子、片岡愛之助、尾野真千子、松原智恵子、笹野高史、西岡徳馬、藤竜也 監督は篠原哲雄。藤原周平作の短編が原作。親友でもあり、妹、田鶴(菊地凛子)の...

  • 2011/07/07 19:50:00

[映画『小川の辺 』を観た] from 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

☆静謐の良作だった。 藤沢周平原作で、物語は至ってシンプル、脱藩した義理の弟・佐久間を討つ上意を受けた主人公が、藤沢作品ではお馴染みの海坂藩から江戸へと向かう一種のロードムービー時代劇。 藤沢周平作品...

  • 2011/07/10 21:54:00

篠原哲雄監督 「小川の辺」 from 映画と読書とタバコは止めないぞ!と思ってましたが……禁煙しました。

「必死剣鳥刺し」以来の藤沢周平作品鑑賞公式サイト⇒http://www.ogawa-no-hotori.com/index.html【あらすじ】海坂藩士、戌井朔之助(東山紀之)は直心流の使い手としての腕を買われて、家老の助川権之丞(笹野高史)から、ある藩...

  • 2011/07/12 22:34:00

「小川の辺」感想 from 新・狂人ブログ~暁は燃えているか!~

 時代小説の第一人者・藤沢周平原作。藩命により、脱藩した親友を討たねばならなくなった下級武士の姿を、「地下鉄(メトロ)に乗って」「真夏のオリオン」の篠原哲雄監督、東山紀之主演で映画化。 正直、藤沢文学...

  • 2011/07/15 19:06:00

藤沢周平原作の映画「小川の辺」を観る from 電網郊外散歩道

少し前に、藤沢周平原作の映画「小川の辺」の山形県先行上映を観ました。サクランボ作業が一段落した頃合いに、妻と二人で出かけてきたものです。先に原作『闇の穴』を読んでおり、感想というか、紹介も記事にしてお...

  • 2011/07/16 04:44:00

『小川の辺』 from 京の昼寝〜♪

□作品オフィシャルサイト 「小川の辺」□監督 篠原哲雄 □脚本 長谷川康夫、飯田健三郎□原作 藤沢周平□キャスト 東山紀之、菊地凛子、片岡愛之助、勝地 涼、尾野真千子、松原智恵子、笹野高史、西岡徳馬、藤 ...

  • 2011/07/16 09:25:00

『小川の辺』を109シネマズ木場5で観てゴツゴツやなあふじき☆☆☆ from ふじき78の死屍累々映画日記

五つ星評価で【☆☆☆いい映画だが只一つ妹萌えが全くなし】とてもいい映画だと思う。ただ一点、討たなければいけない友の妻=主人公の妹、菊池凜子が果てしなくゴツゴツし ...

  • 2011/07/17 08:54:00

小川の辺 from やっぱり最終的には自分じゃないの

海坂藩士、戌井朔之助(東山紀之)は直心流の使い手としての腕を買われて、家老の助川権之丞(笹野高史)から、ある藩命を受ける。それは、親友である佐久間森衛(片岡愛之助)を討つことだった。藩主への上書によっ...

  • 2011/07/17 16:39:00

小川の辺 from とりあえず、コメントです

藤沢周平著の短編小説を映画化した時代劇です。 『山桜』が好きだったので、この作品も楽しみにしていました。 シンプルな展開の中で、様々な情を交差させながらも優しい余韻の残るような作品でした。

  • 2011/07/18 00:33:00

映画『小川の辺』劇場鑑賞。 from ほし★とママのめたぼうな日々♪

この日、私の住む街では最高気温が36.4℃になりました。 ひとときの「涼」を求めて、 『小川の辺』 (公式サイト)を、観

  • 2011/07/21 20:53:00

古き良き日本の姿。『小川の辺』 from 水曜日のシネマ日記

藤沢周平原作の短編小説を実写版映画化した作品です。

  • 2011/07/23 10:26:00

藤沢周平・山形万歳。【映画】小川の辺 from B級生活 ゲームやら映画やらD-POPやら

【映画】小川の辺藤沢周平原作の短編小説を映画化。【あらすじ】ある日、朔之助(東山紀之)は藩から上意討ちの命を受けるが、その相手は何と妹・田鶴(菊地凛子)の夫である佐久間森衛(片岡愛之助)だった。朔之助...

  • 2011/07/27 20:52:00

「小川の辺」、藤沢作品に東山紀之が登場 from カサキケイの映画大好き!

映画化された藤沢作品で一番気に入っているのは真田広之、宮沢りえ主演の「たそがれ清兵衛」。どうしてもその作品と比較してしまうので、評価は辛くなってしまうが、決して悪い出来ではない、評価の厳しい友人も良か...

  • 2011/08/09 21:29:00

小川の辺 from 銀幕大帝α

11年/日本/104分/時代劇ドラマ/劇場公開監督:篠原哲雄過去監督作:『昭和歌謡大全集』原作:藤沢周平『小川の辺』 出演:◆東山紀之…戊井朔之助◆菊地凛子…田鶴過去出演作:『ノルウェイの森』◆勝地涼...

  • 2012/01/30 00:09:00

小川の辺 from いやいやえん

原作は、奉公人・新蔵と田鶴の恋心と、二人は想いを寄せていたのではないかと回想する朔之助の図という作品でした。他にもいい作品がたくさんあるのになんでわざわざこの作品が映像化されたんだろう?三すくみの関係...

  • 2012/02/24 10:57:00

小川の辺 : 日本の美しさを感じられる映画 from こんな映画観たよ!-あらすじと感想-

 近年、春と秋が短くなったと感じるのは私だけではないでしょう。今年の長期予報では、5月には初夏の趣があるとのこと。日本の四季はどうなったのでしょうか。ちなみに、本日初会

  • 2013/04/19 21:44:00

トラックバックURL

https://www.tanautsu.net/blog/index.php/trackback/396

コメント

ふじき78

お目付けの話、『レッドオクトーバーを追え』で潜水艦に乗り込んでいる政治局員みたいで、ロシアだったらありそう。

まあでも、日本人は嘘を付く事を恥とするメンタリティを持ってるので、そういう話の持ってき方は厳しいでしょう。忠臣蔵みたいに公の為に自分を落とす嘘は付けても、今回は家庭の事情(私情)の為に、公(社会)を欺く嘘になるのですから。

  • 2011/07/17 08:54:00

冒険風ライダー(管理人)

海坂藩的には、もし戊井朔之助が途中で任務を放棄した際の懲罰「お家お取り潰し」を匂わせていれば、それで戊井朔之助に対する抑止力になるという考えだったのでしょう。
ただでさえ戊井家には件の脱藩問題で連座させられる危険性があったわけですし。
ただ、作中のやり方では、戊井朔之助が本当に佐久間森衛を討ち取ったのかについての確認が取れないわけで、その辺はマズいのではないかと。
戦国時代でさえ「○○を討ち取ったり~!」とする際には首級を掲げていたりするのですし。
髷だけを取るなんて変なことをしないで首桶を用意し藩に持ち帰る、という形にするだけでもずいぶん違ったのではないかと思うのですけどね。
髷は簡単に偽物を用意できますが、首級を誤魔化すのはさすがに難しいでしょうから。

ふじき78

ポスター見ると割と軽装だから夏じゃないですか? 距離があるから持って帰るまで腐って誰のものだか分からなくなるんじゃないか、と。戦国時代も同じ陣地ならOKだけど距離がある場合は腐って分からなかったって話があった筈。

西洋文化が押し寄せる以前の、武士たる者嘘など付く筈がないとする基本原則はそれなりに信じてもいいと思ってます。日本全国みんな田舎者で嘘がばれた場合のリスクが高いから。逃げた先が上方ならともかく、江戸だったら江戸の留守居役がバッタリ仇を見かけてしまう可能性もあるので、誤魔化そうとする行為は危険でしょ。

  • 2011/07/17 21:24:00

冒険風ライダー(管理人)

腐敗対策としては、戦国時代から「塩漬け」という保存方法があったのでは?
戦場で討ち取られた敵の首級が、塩漬けされて遠く離れた総大将のところに届けられた事例も多々ありますし。
事情が事情ですし、その手の仕事を生業とする人達に依頼でもすれば、首桶の提供と共に首級の塩漬けもしてもらえたのではないかと思うのですが。

逃走については、さすがに同じところには留まれないにせよ、海坂藩とは方向も違い距離も離れている関西・九州方面に逃げてしまえば、その後の行方なんてまず分からないのではないでしょうか?
髷を見せた程度で納得するような面々が相手であれば、行方をくらますだけの時間も相当なまでに稼ぐことができるでしょうし。
元々人里離れた「小川の辺」にひっそりと暮らしていたあの2人的にはどこに住んでも同じなわけで、暮らし始めてからまだそれほど時間も経っていないであろう行徳宿を捨てるにもそう躊躇いはないのではないかと。

江戸時代に行われていた仇討ちなども、仇を見つけ本懐を遂げるまで数十年もかかったなどという事例が少なくありませんし、身元を証明するような証拠を隠滅さえしてしまえば充分に逃げ切れそうな気もするのですが。

ふじき78

なるほど。
塩漬けですか。
命のやり取りはしょうがないけど、さらし首を連想させる斬首処置をしなければならないのは、治政の上できっつい感じがします。表面上は脱藩に対する罪だけでしょうから(現実的には同じ殺人行為であったとしても)。

私はお人よしなので武士のメンタリティに関しては性善説を信じたいですけどねえ。戦国時代の首検証も誤魔化す奴がいるからではなく、そうでもしないと混乱の中、分からんからだと信じたい。

だから、それなりの武士が討ってきたと言ってるなら、疑う理由もないだろう。そういう覚悟で討ちに行くのだから。すんません、水掛け論で水掛けまくりで。

  • 2011/07/18 08:32:00

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メールアドレス
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー(スパム対策に、投稿キー を半角で入力してください。)

ユーティリティ

2024年11月

- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ページ

  • ページが登録されていません。

ユーザー

新着画像

新着トラックバック

Re:デスクトップパソコンの買い換え戦略 ハードウェア編
2024/11/19 from ヘッドレスト モニター 取り付け
Re:映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」感想
2014/11/27 from 黄昏のシネマハウス
Re:映画「プリンセストヨトミ」感想
2014/10/22 from とつぜんブログ
Re:映画「ひみつのアッコちゃん」感想
2014/10/19 from cinema-days 映画な日々
Re:映画「崖っぷちの男」感想
2014/10/13 from ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画

Feed