「反日」を「青春」と言い換える映画「アジアの純真」
2011年10月15日より「アジアの純真」なる映画が劇場公開されています。
何でも、北朝鮮による日本人拉致事件が公になった2002年の日本を舞台に、日本人のチンピラに姉を殺された在日朝鮮人の少女と日本人の高校生が、旧日本軍の毒ガスを武器に復讐の旅に出るというストーリーなのだそうで↓
シネマトゥデイの映画紹介
http://megalodon.jp/2011-1016-2011-58/www.cinematoday.jp/page/N0036153
「アジアの純真」公式サイト
http://www.dogsugar.co.jp/pureasia
目撃者がいる目の前で人を殺しておきながら目撃者の始末すらしないチンピラとか、立派な殺人事件なのに全く動かない警察とか、60年以上経過しても保存状態良好の毒ガスが無造作に置かれているとか、公式サイトの予告編やストーリー紹介を見ただけでも凄まじいレベルでツッコミどころ満載の映画としか言いようがないですね。
しかも、件の少年少女が復讐のターゲットに選んだのが、何と件のチンピラとは全く無関係の北朝鮮拉致被害者家族の会というのですから、とんだ八つ当たり&被害妄想もいいところです↓
http://www.cyzo.com/2011/10/post_8779.html
こんなのが「アジアの純真」だというのですから、もう笑うしかないと言うか……。
さらにこの映画、公式サイトの紹介動画を見る限りでは演出と描写にも多大な問題があって、何と最初から最後まで全てカラー無しの「白黒映画」なんですよね。
公式サイトでも「白黒の奇跡」などと絶賛しているようなのですが、今のこの時代に白黒映画って、それだけで観客の大多数は敬遠せざるをえないでしょうに。
この辺り、「臨場感ある描写を撮る」という目的から、上下左右ブレブレな酔っ払い映像を提供して大顰蹙を買った映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」と同じ種類の腐臭を感じずにはいられませんね。
半世紀前に公開していればヒットしたかもしれませんが、今の御時世と映像技術でこれがブレイクするとはとてもとても……。
最初から「笑いのネタ」として割り切って観る分にはさぞかし愉快な映画なのかもしれませんが、貴重なカネと時間を浪費してまで観るべきものなのかどうか微妙ですね。
まあ、全国的に見ても大都市5箇所の映画館でしか上映されないのでは、私のような地方の人間が観賞する機会はまずないでしょうけど。
Kei
こんばんは。ちょっと気になった記述がありましたので。
>今のこの時代に白黒映画って、
>大顰蹙を買った映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」と同じ種類の腐臭を感じずにはいられませんね。
モノクロ映画は今でも、数は多くないですが作られていますよ。
今年でも、ポーランド映画「木漏れ日の家で」という秀作が全編モノクロでした。
その他で、近年に作られたモノクロ映画を探すと、「EUREKA」(2000)、「ホテル・ビーナス」(2004)、「13/ザメッティ」(2005)、「アンジェラ」(2005)、「グッドナイト&グッドラック」(2005)、「さらば、ベルリン」(2006)…等、ざっと挙げてもこれだけあります。但し「EUREKA」はラスト数分だけカラーでしたが。
モノクロ映像は、ドキュメンタルな印象を与えたり、レトロな感じを出す為に、作家によってはよく使う人がいます。熊井啓監督やウディ・アレンなんかも代表作の多くはモノクロですね。
モノクロだからダメだ、というのはどうかと思いますね。
まあだからと言って、本作のモノクロ撮影が効果的だったとは、お世辞にも言えませんがね(笑)。