エントリー

アクアラインを肯定する社長氏

Twitter上における浜田幸一のつぶやき
http://twitter.com/555hamako/status/15228143738
<皆さん!いろいろ言われますが、アクアライン便利でしょう 作ると言った時はみんなに バカだと言われたんです。そう言えば、あんな所に蛍なんかいねーのになんで、海蛍なんだ?そっちの方がバカだう!>

それに対する社長氏のリプライ
http://twitter.com/adachi_hiro/status/15228330487
<@555hamako アクアラインが出来た(しかも安くなった)おかげで、鴨川シーワールドに行きやすくなりました。>

社長氏も、そこまでアクアラインのことを評価するのであれば、かつて薬師寺シリーズでアクアラインをボロクソに罵り倒していた田中芳樹を少しは諫めたらどうなのですかね?
田中芳樹はアクアラインについて、かつてこんなことを書いていたのですが↓

薬師寺シリーズ6巻「夜光曲」 祥伝社ノベルズ版P196下段~P197上段
<「海上へ出るわ。東京湾マリンドライブ、わかる?」
 いそいで私は脳裏の地図を確認した。東京湾マリンドライブ、正式名称はたしか東京湾横断自動車道路。神奈川県川崎市と千葉県木更津市との海上を、海底トンネルと橋でつないだ海上道路だ。泡沫経済の時代を象徴する巨大公共事業の産物である。
 最初、東京湾横断自動車道路の通行料は、片道五〇〇〇円に設定されていた。往復で一万円になる。
 一日一万円、一ヵ月に二〇日通勤で二〇万円。そんな大金を支払って通勤するサラリーマンが五万人以上もいる、と、国土交通省のお役人たちは考えていたのだ。通勤定期券を発行し、企業に負担させればいい、というわけである。だがむろんそんな気前のいい企業が、この不景気な時代でなくとも、存在するはずがない。
 ときどき私は、中央官庁の官僚というやつらは、知能指数(IQ)を高く見せること以外まるきりアホではないか、と思うことがある。半分は非秀才のヒガミだが、あれほど巨額の国民の血税を公私にわたって浪費し、何の責任もとらず天下りまでして平気でいられるのは、アホでなければ生来の犯罪者だろう。

しかし、アクアラインで交通の便が良くなったという事実は、田中芳樹のクソミソな評価が致命的なまでに間違っていることを証明しているわけです。
その事実を無視して薬師寺シリーズの作中にて見当ハズレなアクアライン罵倒論を展開した挙句、自身の発言に責任を取らず頬被りを決め込んで平然としていられる田中芳樹は、アホでなければ生来の犯罪者なのではないでしょうか(笑)。

ところでこれは以前から疑問に思っているのですけど、田中芳樹と「らいとすたっふ」の社長氏って、政治思想が相当なまでに異なるのではないですかね?
社長氏は自身のブログで民主党政権に対する懐疑的なスタンスをしばしば披露しているのに対して、田中芳樹の日頃の主義主張は民主党政権のすくなくとも諸政策を完全肯定していますし。

ベストセラー作家として社長氏に諸々の雑務を任せることで好き勝手振舞える田中芳樹と、その秘書として雑務や出版業界に従事する過程で否応なく現実を直視せざるをえない社長氏の立場の違いがそのような思想的相違を生み出しているのでしょうか?
両者が互いの政治思想や評論などについてどう思っているのか、一度当人達に聞いてみたいものですね。

ページ移動

トラックバック

  • トラックバックはまだありません。

トラックバックURL

https://www.tanautsu.net/blog/index.php/trackback/45

コメント

石井由助

おつかれさまです。

以下の点が少し気になりました。

論理A
・アクアラインは便利だ
論理B
・アクアラインは無駄な事業だ

単純な論理として、AとBは背反せず、ともに成立可能です。なので、これで田中芳樹を責めるのは、多少強引ではないかと思います。

また、値引き前に書かれた論説を、値引き後の状況を持って批判するというのも、いささかアンフェアです(小説で論説することの是非や、その論説の低劣さはともかく)

冒険風ライダー(管理人)

> 単純な論理として、AとBは背反せず、ともに成立可能です。なので、これで田中芳樹を責めるのは、多少強引ではないかと思います。

 「便利」という時点で、その便利さの恩恵を受けている人間にとってのアクアラインは「無駄な事業」ではなくなるのではありませんか?
 そもそも田中芳樹が件の評論を書いていた時点でも、バス路線の充実による大量人員輸送、およびトラックによる大量物資輸送の利便性は持っていたわけです(後者はあまり使われていなかったみたいですが)。
 ド田舎の「誰も使わない公共施設」の類ならいざ知らず、首都圏であるが故に「アクアラインができて良かった」と考えるであろう少なからぬ一般利用者が存在しえるわけで、それは「無駄な事業」と言えるものなのでしょうか?

> また、値引き前に書かれた論説を、値引き後の状況を持って批判するというのも、いささかアンフェアです(小説で論説することの是非や、その論説の低劣さはともかく)

 これは薬師寺シリーズ考察6でも言及したことですけど、田中芳樹って「当初設定されたものの廃案になった」料金設定を持ち出してアクアラインを罵倒していますよね?
(田中芳樹が主張する料金設定5000円に対して、実際のアクアラインの料金設定は作品執筆時点でも3000円、ETC料金だと2320円)
 件の文章が書かれた2004~2005年時点でさえも、田中芳樹が主張するマリンドライブことアクアラインの料金設定はおかしいわけです。
 しかも田中芳樹って、わざわざ2004年7月にアクアラインに取材まで行っていながらあんな文章を書いているんですよね↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2004/07/post_4.html

 わざわざ取材までしておきながら都合の良い大嘘をこきまくって官僚を罵倒している田中芳樹の方がはるかにアンフェアではないかと思うのですけど。

石井由助

>「便利」という時点で、その便利さの恩恵を受けている人間にとってのアクアラインは「無駄な事業」ではなくなるのではありませんか?

それは、前掲の論理AとBは背反しないという事の否定にはなりません。
「使う分には便利だけど、公共事業としての採算に合っていない」という論理が成り立つからです。

>ド田舎の「誰も使わない公共施設」の類ならいざ知らず、首都圏であるが故に「アクアラインができて良かった」と考えるであろう少なからぬ一般利用者が存在しえるわけで、それは「無駄な事業」と言えるものなのでしょうか?

これは論理Bの命題であって、論理A・Bの背反を持って田中芳樹を批判している論旨からはズレると考えます。

>田中芳樹が主張する料金設定5000円に対して、実際のアクアラインの料金設定は作品執筆時点でも3000円、ETC料金だと2320円
これは見逃していました。
>わざわざ取材までしておきながら都合の良い大嘘をこきまくって官僚を罵倒している田中芳樹の方がはるかにアンフェア
批判の前提がフィクションの大嘘なので、これは、たしかにその通りですね。

冒険風ライダー(管理人)

> それは、前掲の論理AとBは背反しないという事の否定にはなりません。
> 「使う分には便利だけど、公共事業としての採算に合っていない」という論理が成り立つからです。

 公共事業というのは、基本的に「採算を合わせる」ために行われるものではありません。
 たとえ採算に合わなくても公共性や利便性を考慮してあえて行われる公共事業というものは存在するわけで、田中芳樹が目の仇にしている特殊法人などはまさにそのための組織でしょう。そして、ただ「採算が合わない」というそれだけの理由では「無駄な事業」とは言わないのです。
 初期の鉄道や高速道路もそうでしたが、初期どころか最悪「恒久的」な赤字が予測されているにもかかわらず、様々な観点から必要不可欠とされる公共事業は別に珍しいものではありません。むしろ、そういうものは民間で手が出せないからこそ国が乗り出さざるをえないわけで、それを採算効率性「だけ」で無駄か否かを判定する手法はかなりどうかと思うのですが。
 本当に「無駄な事業」と主張するのであれば、「利便性が悪い」とか「誰も使っていない」とかいった「公共性・利便性の無さ」を「採算効率性の悪さ」以上に主張しなければならないのでは? そしてそれについては、社長氏によって完全に否定されてしまっているわけで、だからこそ「田中芳樹のアクアライン罵倒論は社長氏にも否定されてしまっている」と私は主張するわけです。

> これは論理Bの命題であって、論理A・Bの背反を持って田中芳樹を批判している論旨からはズレると考えます。

 ここで揉める原因になっているのは論理Bの「無駄な事業」の定義の問題でしょうね。
 上記でも述べているように、私が定義する「無駄な事業」というのは「採算効率性の悪さ」以上に「公共性・利便性の無さ」が際立っている事業となりますし、考察シリーズではそれをベースにした(主に特殊法人関連に対する)田中芳樹批判も行っています。
 田中芳樹が公共事業や特殊法人を「採算効率性」だけで評価しているのは、何のことはない「マスコミの流行」に乗っかっているだけのことでしかないのですからね。だからこそあんな穴だらけの薄っぺらな主張になってしまうわけで。

石井由助

「AとBは背反せず、ともに成立可能」というのは論理的に明快ですが、「無駄な事業」の定義は冒険風ライダーさんの個人的な意見でしかありえず、議論の余地の塊のようなものです。
その状態(論理Bである冒険風ライダーさんの『「無駄な事業」の定義』が必ず真であるという前提)で、「アクアラインで交通の便が良くなったという事実は、田中芳樹のクソミソな評価が致命的なまでに間違っていることを証明しているわけです。」とまで言い切るのは、あまりに乱暴な論理展開です。

念のために言っておくと、別に私は田中芳樹の主張の弁護をするつもりはさらさらありません。
抽象化して骨格をむき出しにした論理で議論をしているのはそのためです。

もともと、このブログの趣旨は「論理ABは矛盾する」が骨子なわけですが、らいとすたっふの社長が便利だと思っているのはほぼ真としても問題ないレベルですから、この論理を否定するには必然的にBの議論になります。

でも、ここって「「無駄な事業」の定義」を議論する場所でしょうか?

冒険風ライダー(管理人)

> 「AとBは背反せず、ともに成立可能」というのは論理的に明快ですが、「無駄な事業」の定義は冒険風ライダーさんの個人的な意見でしかありえず、議論の余地の塊のようなものです。
> その状態(論理Bである冒険風ライダーさんの『「無駄な事業」の定義』が必ず真であるという前提)で、「アクアラインで交通の便が良くなったという事実は、田中芳樹のクソミソな評価が致命的なまでに間違っていることを証明しているわけです。」とまで言い切るのは、あまりに乱暴な論理展開です。

 今回の場合、田中芳樹自身による『「無駄な事業」の定義』というのも重要な要素なのではないでしょうか? 元々私の定義もそれに対するアンチテーゼとして生まれているわけですし。
 田中芳樹のアクアライン自体に対する評価は「泡沫経済の時代を象徴する巨大公共事業の産物」という文言にはっきりと現れていますよね。田中芳樹がこういう物言いをする場合、その対象は存在自体が全否定されているケースがほとんどです。
 そして田中芳樹は、薬師寺シリーズ2巻で石油公団をはじめとする特殊法人を罵倒する論調を展開していますし、創竜伝13巻では「特殊法人の全廃」を竜堂兄弟一派に主張させています。そして何より、アクアラインを造ったのもまた特殊法人。これらのことと併せて考えても、田中芳樹のアクアライン評は「一切合財の全否定」以外の何物でもなくなるわけです。
 つまるところ、田中芳樹版『「無駄な事業」の定義』もまた、論理Bによって論理Aが全否定されるものになっているのです。
 またそうでなければ田中芳樹の
>「泡沫経済の時代を象徴する巨大公共事業の産物」
>「あれほど巨額の国民の血税を公私にわたって浪費し、何の責任もとらず天下りまでして平気でいられるのは、アホでなければ生来の犯罪者だろう」
といったアクアライン評は到底成立しえないシロモノでしょう。
 というか、こうまでアクアラインをクソミソに罵倒しておきながら、田中芳樹が論理Aを認めているというのは、常日頃の主義主張から考えてもありえないことなのではないかと。論理Aが認められるのであれば、アクアライン評のみならず、田中芳樹の持論である「特殊法人の全廃」にもダメージが行く可能性があるのですし。

 で、田中芳樹がそういうやり方でもってアクアラインを全否定&罵倒しているのであれば、それを潰すにはその逆をやって1つでもアクアラインの有効性を証明すれば良い、ということになります。
 そして、件の社長氏のつぶやきは、本人が意図していないにせよ、結果としてその一翼を、しかも身内という立場で担うことになってしまった、とそういう話です。

石井由助

>つまるところ、田中芳樹版『「無駄な事業」の定義』もまた、論理Bによって論理Aが全否定されるものになっているのです。

いや、これは無理でしょう。
ここで提示されている田中芳樹の理屈を演繹すれば、「無駄な事業=採算が合わない」は成立しても、「無駄な事業=不便である」は必ずしも成立し得ないわけですし。
この論理の是非を論じることは、前回の繰り返しになるので避けます。(というか、こういう千日手的な脱線の呼び水になることの問題も、私の指摘したい部分でもあります。)

さらにいえば、今回は論理Aの部分が一個人の感想でしかないのが、前提として特に厳しいですね。

冒険風ライダー(管理人)

> いや、これは無理でしょう。
> ここで提示されている田中芳樹の理屈を演繹すれば、「無駄な事業=採算が合わない」は成立しても、「無駄な事業=不便である」は必ずしも成立し得ないわけですし。

> さらにいえば、今回は論理Aの部分が一個人の感想でしかないのが、前提として特に厳しいですね。

 う~む、どうも「無駄な事業」という言葉と定義が互いのすれ違いの要因になっているみたいですね。
 田中芳樹がアクアラインや石油公団を攻撃していた際、メインになっていたのは「政治家や官僚が私腹を肥やしている&アホでなければ生来の犯罪者」の方であって、採算効率性の悪さもそのために発生していると言わんばかりの論調ですよね。「採算が合わない」というのは「政治家や官僚が(略)」に従属する一種のオマケのようなものであって、そんなオマケがなくなったところで田中芳樹のメインの主張に変化が起きるとは考えにくいのですが。
 田中芳樹にとっての「無駄な事業」というのは「採算が合わない」ではなく「私腹を肥やしている&アホでなければ生来の犯罪者な政治家や官僚が牛耳っている組織」なのでは? そして「こんな連中が好き勝手にやっていて利権に邁進していることが真の問題なのだ」という結論で締めくくるのが、一連のアクアライン・石油公団他特殊法人批判における田中芳樹の本当の目的なのではないでしょうか。
 それに前にも言いましたが、田中芳樹的には「泡沫経済の時代を象徴する巨大公共事業の産物」という時点で「その内容を問わず」絶対悪の対象でしょう。田中芳樹がどれほどまでに日本のバブル時代を憎んでいるのかについては、創竜伝でも「イギリス病のすすめ」でも薬師寺シリーズでもたくさんの事例が提示されていますし。
 だからアクアラインの利便性や特殊法人の公共性などが証明されれば、田中芳樹が根絶を訴えている特殊法人の存在意義が示されるのみならず、バブル時代や政治家や官僚を悪の元凶にしたい田中芳樹の「真の意図」をも完全に覆すことができる、ということを見越して、私は一連の主張を行っていたわけなのですが。

石井由助

本旨の方は大体議論を尽くしたと思いますので、私はこの辺で終わりにしようと思います。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メールアドレス
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー(スパム対策に、投稿キー を半角で入力してください。)

ユーティリティ

2024年11月

- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ページ

  • ページが登録されていません。

新着画像

新着トラックバック

Re:デスクトップパソコンの買い換え戦略 ハードウェア編
2024/11/19 from ヘッドレスト モニター 取り付け
Re:映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」感想
2014/11/27 from 黄昏のシネマハウス
Re:映画「プリンセストヨトミ」感想
2014/10/22 from とつぜんブログ
Re:映画「ひみつのアッコちゃん」感想
2014/10/19 from cinema-days 映画な日々
Re:映画「崖っぷちの男」感想
2014/10/13 from ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画

Feed