「テレビが売れない理由」から目を背けた次世代薄型テレビの販売戦略
ソニーが、「4K」と呼ばれるフルハイビジョンの4倍以上もの画像解像度を誇る次世代薄型テレビを発売すると発表しました。
映画館のスクリーンのような迫力ある画像を家庭で気軽に楽しめるようにするのが売りなのだとか↓
http://www.47news.jp/CN/201204/CN2012040501001595.html
> ソニーは5日、フルハイビジョンの4倍を超える画像解像度を持つ「4K」と呼ばれる規格を採用した次世代薄型テレビを発売する方針を明らかにした。映画館のスクリーンのような鮮明で迫力のある画像を、家庭で気軽に楽しめるようにする。発売は数年内とみられる。当初は現行の液晶テレビと比べて高額に設定する見通しだ。
>
> ソニーは12年3月期で8年連続の赤字見通しとなっているテレビ事業の立て直しが課題となっており、4K対応製品を事業再建に向けた柱の一つと位置付ける。
しかし正直言って、今のテレビ番組にマトモなコンテンツがない中で、これが売れるとはとても思えないのですけどねぇ。
低質かつ金太郎飴のごとく画一的なバラエティ番組ばかりと化しているテレビ番組などの画像がいくら高画質になったところで、低質な内容が改善するというわけでは当然ないのですし、はっきり言ってしまえばたかだか「高画質な画像【だけ】」のために、たとえ次世代とはいえわざわざ高いTVを買う人間は圧倒的少数派でしょう。
ただでさえ、昨今のTVは30インチ以上でも10万円以下の価格帯にまで下がっていますから、普通にそれだけで満足な家庭も少なくないでしょうし。
テレビが売れない理由は、ハードではなくソフト・コンテンツにその大部分の原因が求められるわけなのですから、ハード面をいくら売りにしても客は戻ってこないのではないかと。
携帯電話のワンセグですら「ほとんど使われない機能」と化している現実があるのに、本当の原因を直視することなくハード面を極めても意味がないということが、家電メーカーには理解できないのでしょうかねぇ……。
S.K
DVD用モニターと面白かった頃のTVの再放送の盛んな衛星放送やCSTVの受信機としてはまだ活路があるのかもしれませんね。