人里に出現したヒグマの射殺に苦情殺到
北海道札幌市で北海道猟友会が射殺したヒグマがニュースで報じられた結果、札幌市役所に「何故ヒグマを殺した!」という苦情電話が相次いだのだそうです。
これを受けて札幌市では、これからはヒグマを殺さず、山に追い返す方法を模索するとのこと↓
http://megalodon.jp/2012-0424-2314-46/www.j-cast.com/2012/04/23130005.html?p=all
> 札幌市の民家近くに2、3歳と思われるオスのヒグマが一頭出現し、北海道猟友会のハンターが猟銃で駆除した。この様子がテレビのニュースで流れたことがきっかけで、札幌市役所には100件を超える電話が入り、その大半は「なぜ殺した!」という苦情だった。
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> 札幌市役所では、本州に生息するツキノワグマに比べてヒグマは比較にならないほど巨大で凶暴なため駆除してきたが、これからは山に追い返すなど別の対策を検討しなくてはいけない、と頭を抱えている。
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> 泣きながら訴える女性など100件以上の電話
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> 駆除されたヒグマは体長が135センチ、体重が120キロほどだった。2012年4月19日、里に降りてきたことが確認され、翌20日の午前6時ごろには民家から約20メートル離れた林の中にいた。人を怖がる様子はなく、このままでは住宅街に進入する心配があると判断し射殺した。この日、近隣の小学校では子供に親が付き添って登校させる姿が目立った。
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> ヒグマが射殺される様子を20日に複数のニュース番組が放送したところ、直後から札幌市役所の電話が鳴り続けた。環境局みどりの推進課だけでこの日60件近くあり、これまでに100件を超えているという。メディアからの問い合わせを除くと全てが苦情で、
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> 「なんで殺したんだ!」「山に返せばいいだけなのに」
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> といったものに加え、
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> 「何も悪いことをしていない若いクマなのに・・・」
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> と電話口で泣く女性もいたという。全ての内容を細かく調べてはいないが、苦情は札幌市内からのものではなかったようだ、とみどりの推進課では話している。
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> 北海道でヒグマを前年度785頭駆除
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> みどりの推進課によれば、ヒグマは大きいものになると体長が3メートル、500キロもあり非常に凶暴だ。小熊であったとしても人を恐れない場合はやがて大きな被害をもたらす可能性があるため射殺してきた、という。しかし、今回のニュース映像がショッキングに受け止められ、苦情が多数寄せられた。これからはすぐに殺したりはせず、山に追い返すにはどうしたらいいのかなどの検討を始めているという。
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> 北海道警察の調べによれば、2011年度の北海道でのヒグマの捕獲数は785頭で、調査を始めた55年度以降3番目に多い数字となった。目撃数は1240頭だった。
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> 里に降りてきたクマの捕獲については、ニュースが流れるたびにネットで論争が起こる。以前は「可愛いから熊を殺さないでほしい」という意見も多かったが、今回の札幌に関しては「やむをえない」がネットでは主流になっている。
街中にヒグマが現れ、人に害を及ぼすかもしれないという状況では、ヒグマの射殺もやむをえない正当な行為としか評しようがないでしょう。
北海道は、ヒグマの獣害のために無人となった開拓民達の集落があるほどに、昔からヒグマの害が少なくない地域なのです。
行政側にしてみれば、市民の安全を守る義務があるのですし、ヒグマを放置して万が一にも人に害が及んだとなれば、謝罪だの賠償だのと責任を追及されるのは確実なのですから。
またヒグマは、そこに美味しい獲物や食料があると分かれば、何度追い払ってもまたすぐに同じ場所に繰り返しやってくるという習性を持っていますので、「山に追い返す」という対策は、その場その場の応急措置以上の効果を持ちえないのです。
さらに、何度も同じヒグマの対処を強いられるのでは、そのための手間と費用もかなりのものとならざるをえませんし、それは全て行政側が負担しなければならないのです。
獣害をまき散らす可能性の高いヒグマに対する対処法としては、やはり「その場で撃ち殺す」に勝る選択肢はないわけです。
にもかかわらず、そのヒグマの射殺を「可哀想」「殺すなんて」と非難する人達は、ペットと同じ感覚でヒグマを見ていたりするのでしょうかね?
犬や猫だって、人間側に経済的・社会的な余裕があるからこそ飼っていられるのであって、数が増えすぎたり凶暴化したりして人間に害を及ぼすとなれば、やはり「殺すのもやむなし」という結論に辿りつかざるをえないのですが。
動物愛護の精神も結構なことですが、それもまずは人間の安全と余裕があってこそのものです。
今回の問題は、動物愛護の精神が酷く歪んだ形で噴出したものであると言えるのではないでしょうか。
まあ、苦情を言っている人たちの中には、グリーンピースやシーシェパードのような、環境問題や動物保護問題を「パフォーマンス&金儲けのビジネス」程度にしか考えていない自称環境保護団体のテロ集団に属する輩もいたりはするのでしょうけどね。
S.K
概念として身近すぎて危機意識が足りないのは確かでしょうね。
より遭遇確率の高い山地や農地、そこで実際に遭遇した猟師や農業者、ドライバーには別の感想がありますよ。