アメリカの3D映画ブームに終焉の傾向
日本映画から3Dが消え去ってそれなりの月日が流れましたが、とうとうアメリカでも3Dブームに陰りが出てきたようです。
3D映画1本当たりの観客動員数が下降線を辿っており、今後の3D映画製作本数も横ばいになる見通しなのだとか。
http://www.cinematoday.jp/page/N0046994
> [シネマトゥデイ映画ニュース] 2009年の映画『アバター』がきっかけとなって世界中を席巻した3D映画ブームが、ついに終わることになるだろうという調査結果が発表された。今年公開のハリウッド映画のうち3D作品は31本であり、来年も同程度の本数になるものとみられている。
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> 2009年末に公開された3D映画『アバター』は空前の大ヒットを記録。近年のハリウッドでの製作状況を見てみると、18本の3D作品が公開された2009年以降、2010年は23本、今年に至っては31本が公開(予定)となっており、『アバター』の成功がその後の映画製作状況に影響を与えていることがうかがえる。
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> だが、大手金融機関グループのモルガン・スタンレーの調査によると、2013年に公開される予定の3D映画は現時点で25本と、これからの増加分を考えても、ほぼ横ばい。そのことも踏まえ、今後数年はこれまでのように3D映画の製作本数が爆発的に増えることはないだろうと予想されている。
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> 製作本数がほぼ横ばいとなっている理由については、3D映画1本あたりの観客動員数が下降線をたどっていることが挙げられている。つまり、3D映画というだけで観客を集められていた時代は終わったということであり、これは実質的な3Dブームの終了を意味する。また、アメリカ国内に限っていえば、大手映画館チェーンによる3D対応劇場の拡大展開も頭打ちになっているのだという。
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> ここ数年の間に、日本でもすっかり普及した3D映画。当初から3Dカメラで撮影したものもあれば、2Dで撮影したものを後に3D映像に変換したものもあるなど、一口に3Dといってもそのクオリティーはさまざまだった。製作本数がこれ以上増えないことで、1本1本のクオリティーが上昇するのならば、ブームの終わりは映画ファンにとっても朗報といえるかもしれない。(編集部・福田麗)
確かアメリカでは以前、「映画ファンの70%が3Dを好む」などという調査結果が発表されていたのではありませんでしたっけねぇ(苦笑)。
しかもその中身を見てみると、実際には「映画ファンの中で3年以内に3D映画を見たことがある人」の中での7割であって、前提条件となる人は調査対象の半分弱にしか達しておらず、調査対象全体の割合としては3割強程度でしかないというというオチがあったり(苦笑)。
あのスカスカな調査結果を正確に反映しているのが、今回のごときアメリカの3D映画離れなのではないのかと。
日本で見られるような「3D特別料金」などを搾取しておいて技術的な駄作ばかりを乱発する3D映画は、むしろ忌み嫌われない方が変というものです。
あの料金徴収制度を止めるだけで、3D映像を取り巻く環境は劇的に改善するのではないかと思えてならないのですが、映画製作者や映画配給会社側としては「金のなる木」な3D料金を止めるつもりなどさらさらないのでしょうね。
この不況および映画業界を取り巻く厳しいご時勢の中では映画料金などそうそう引き上げられるものではなく、その中での3D料金というのは「値上げの口実」として十二分に活用しえるものなのですから。
まあ日本映画の場合、3D自体の成功率はアメリカと比較しても絶望的なレベルにしかなっておらず、「これではカネにならない」とでも判断したのか、映画「貞子3D」以降はほとんど3D映画が登場しなくなってしまいましたが。
しかしアメリカの場合、なまじ成功体験があるが故に、カネがかかる上に費用対効果が低下していることが分かっていてもなお、3Dを捨てることがなかなかできないのでしょう。
いつまでその「痩せ我慢」が続くのか、他人事であればさぞかし面白い見物になったのでしょうが、その手の3D映画のためにしばしば無用な出費を余儀なくされる私としては、早いところギブアップして欲しいところではあるのですけどね。
KGR
聞いた話でどこまでホントかわかりませんが、
3Dにする理由の一つに海賊版対策があるということです。
未だに彼の国では映画館内にビデオを持ち込んで密かに撮影し、
DVDなどに焼いて売る方法が蔓延しているとか。
3Dならビデオ撮影しても2重に見えるので対策になる、ということのようです。
邦画は予算も売り上げもハリウッド作品とは1ケタ違い、この種の盗撮被害も少ないでしょうから、
製作費と売り上げの見合いで判断しているんじゃないでしょうか。