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映画「レ・ミゼラブル」感想

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映画「レ・ミゼラブル」観に行ってきました。
世界各国の舞台で長年ミュージカル公演が行われてきた、ヴィクトル・ユーゴー原作の同名小説の実写映画化作品。
なお、今作が2012年における私の最後の新作映画観賞となります。

今作の舞台はフランスで、最初に登場する年代は1815年となります。
当時、ワーテルローの戦いでナポレオン・ボナパルトが敗北し、フランスでは王政が復活していました。
そんな世相の中、今作の主人公ジャン・バルジャンは、パンを1つ盗んだことが発端となり、実に19年もの長きにわたって続いていた囚人生活に終止符を打とうとしていました。
パンを盗んだ罪に対する罰自体は5年程度だったのですが、ジャン・バルジャンは何度も脱獄を繰り返したためにそこまでの懲役期間になったのだとか。
彼は名前ではなく「24601号」という記号で呼ばれ、奴隷労働に従事させられていたのですが、生涯にわたり1ヶ月に一度指定の警察署?に出頭することを条件に仮釈放が認められます。
しかし、長きにわたる牢獄生活のために行き場を失い、生活の糧もなく困り果てたジャン・バルジャンは、とある教会の門を叩きます。
そこで一宿一飯にありつけたジャン・バルジャンは、夜中にこっそり起き出し、教会内にあった銀の食器をあらかた盗み出し逃走してしまいます。
後日、当然のごとく憲兵に捕縛されてしまい、教会に連行されてきたジャン・バルジャンでしたが、この期に及んで彼は「これらの物品は教会からもらったものだ」などと誰の目にも嘘八百な言い訳を披露し始めます。
ところがそれを聞いた教会の司教は、何と「彼の言っていることは事実である」と肯定してジャン・バルジャンを解放させ、さらに2つの銀の燭台をもジャン・バルジャンに差し出してすらみせたのです。
この司教の態度に心を打たれたジャン・バルジャンは、仮釈放の許可証を破り捨て、改心して新たな人生をやり直すことを神に誓うのでした。

それから8年後の1823年。
ジャン・バルジャンは「マドレーヌ」と名を変え、とある街で事業を起こして成功を収め、さらには市長に任命される程の善良かつ人望のある人物として慕われるようになっていました。
しかしこの年、彼が運営している工場で雇われていたファンティーヌという女性工員が、他の女性工員と諍いを起こしてしまい、ジャン・バルジャンの部下だった工場長からクビを言い渡されるという事件が発生します。
ファンティーヌは8歳になるひとり娘のコゼットをテナルディエという一家に預け、多額の養育費を支払い続けていました。
ところがテナルディエ一家はファンティーヌに対して不当なまでに高い養育費を要求していたため、彼女は多額の借金を抱える身となっていました。
そこへ追い打ちをかけるようにして工員としての働き口を失ってしまった彼女は、とうとう売春婦としてカネを稼ぎ、身体を壊してしまうことになるのでした。
同じ頃、ジャン・バルジャンは自分の行方を追っていたジャベール警部から、自分とは全くの別人がジャン・バルジャンとして逮捕されたことを告げられます。
自分が名乗り出て別人を助けるか否か迷っていたジャン・バルジャンは、ふとしたきっかけから客と諍いを起こしていたファンティーヌのことを知ることになります。
ここでジャン・バルジャンは、自分の人生を左右する決断を迫られることになるのですが……。

映画「レ・ミゼラブル」では、1815年~1833年までのジャン・バルジャンの生涯が描かれています。
作中で描かれる大きなターニングポイントは、1815年・1823年・1832年の実質3年になるのですが。
今作はミュージカルの影響を色濃く受けているためか、作中で複数の歌が登場人物によって歌われるのはもちろんのこと、普通のセリフに至るまで歌のリズムに合わせるような口調でしゃべられていたりします。
私が観賞したのは字幕版なのですが、字幕版でさえ何らかのリズムに合わせて台詞が語られているのが一目で分かるほどのミュージカルぶりでした(苦笑)。
元々「レ・ミゼラブル」はミュージカル舞台として親しまれてきた経緯があるために、映画もファンを取り込むことを目的に、舞台と同じミュージカル調な展開にすることを優先したのでしょう。
さすがに戦闘シーンなどについてはミュージカル調ではありませんでしたが(苦笑)。
ただ、わざわざミュージカル調な展開にしたことで、物語全体が無駄に冗長なものになってしまっている感はどうにも否めなかったですね。
今作は上映時間158分にも及んでいるのですが、そのうちの40分ほどがミュージカルな展開に費やされていたのではないかと。
要所要所のみに歌や踊りのミュージカルを挿入するのであればともかく、今作はほぼ全編、それも登場人物達の会話まで含めて95%以上がミュージカル調だったのですし。
今回の「レ・ミゼラブル」はミュージカル舞台ではなく映画なのですから、畑違いの分野でわざわざミュージカル調な展開を持ち込まなくても良かったのではないかとは思わなくもなかったのですけどね。

個人的に少し疑問だったのは、1823年に市長の地位にあったはずのジャン・バルジャンが、ジャベール警部の追跡に対して何の圧力もかけていない点ですね。
仮にも市長の座にあったジャン・バルジャンなのですから、警察に圧力をかけて自分への追跡を止めさせることくらい普通に出来たのではないかと思えてならなかったのですが。
ある種のカタブツなジャベール警部自身に直接の賄賂や圧力などは通じなかったにしても、彼の上の人間は必ずしもそうとは限らないのですし、警察内部にジャベール警部を敵視する人間がいたとしても何ら不思議なことではないでしょう。
作中で示されているような性格では、むしろ敵を作らない方がおかしいのではないかとすら思われるくらいなのですし。
その手の人間に圧力なり賄賂攻勢なり誘導工作なりを展開することで、ジャベール警部を異動させたり失脚させたりすれば、自分に対する追跡を止めさせることも普通に出来たのではないのかと。

また、ジャン・バルジャンと誤認されて逮捕された男を救いたかったからといって、別に「自分こそがジャン・バルジャンである」などと名乗り出る必要もこれまたなかったはずでしょう。
近代裁判の論理で言えば、その男がジャン・バルジャンであるという証明を否定することさえできれば、「疑わしきは罰せず&被告人の利益に」という推定無罪の原則で彼の無罪は充分に証明されるわけです。
その男がジャン・バルジャンではないことを誰よりも知悉しているジャン・バルジャンにしてみれば、彼の嫌疑を再調査・精査させるだけでも相当程度の効果が見込めるのは確実なのですが。
元々全くの別人をジャン・バルジャンと誤認している時点で、捜査自体が相当なまでに荒くかつ穴だらけなシロモノであろうことが容易に推察されるのですし。
場合によっては、警察が手柄を立てるだけのために全く無実の人間の冤罪をでっち上げた、などという事態も考えられるわけで。
そういった観点から警察を攻めていけば、ジャン・バルジャンは自分の正体をバラすことなく冤罪をかけられた人物の無罪を勝ち取るという、「一挙両得」な成果を上げることも充分に可能だったのではないかと。
もしそれでも冤罪にかけられた人物が有罪になった場合は、市長の名で減刑嘆願を出したり保釈金等の金銭的な援助を自ら行って冤罪者を助けるということも、当時のジャン・バルジャンの立場であれば可能だったでしょう。
ジャン・バルジャンはジャベール警部に対して「俺は逃げはしないから猶予をくれ」的なことを口ではのたまっていても、実際には逃げる気満々だったわけなのですから、手段を問わず自己保身に邁進しても別に不思議なことではなかったのではないかと思えてならないのですけどねぇ。
その手の政治的権力や経済的支援などをもっと活用した保身術を駆使すれば、自分も他人もより幸福になることもできたかもしれないのに。

ミュージカル舞台版の「レ・ミゼラブル」が好きな方には、それなりにオススメできる作品と言えるでしょう。
ただ、そのミュージカル要素の挿入による冗長な展開は、「レ・ミゼラブル」の話を全く知らない一見さんには少々厳しいものがあるかもしれません。

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コメント

葵猫

こんにちは。
この映画についてですが、ユゴーの小説の実写映画化、
というのは違います。
ミュージカルの影響を色濃く受けているのではなく、
あくまでもミュージカル版の映画化です。
そしてレ・ミゼラブルはオペラミュージカルです。
台詞はほとんどなく、すべて歌で表現するのがオペラミュージカルです。
そこを変更するのならば、映画化の意味はありません。
シェルブールの雨傘等他にもオペラミュージカルの映画はあります。
最初は驚いたがすぐ慣れた、良かったという方もいますし、
つまらないと思われたのなら、残念ですが、合わなかったんですね、としか申し上げられません。
私自身はおおむね満足です。
あと三回は見る予定です。
舞台にはなかった司教さまが昇天するバルジャンを迎えてくれる場面で泣けました。

  • 2012/12/25 12:44:00

S.K

>個人的に少し疑問
 
 お気持ちはわかりますが、この作品のテーマは
基本「無償の神の愛」なので、権謀知略でジャベールを
排除したり誤認逮捕の男を救ったりしてはそれこそ
「虚偽の罪」を犯してまで救ってくれたロレンス司教に
申し訳がたたないというものでしょう。
 そもそもジャン=マドレーヌ氏が成功したのも己の利益を
顧みない篤志家としての人望あっての事ですし
「逃げる気」と言っても「償いは必要だ、
しかしコレットの結婚を祝ってやりたいしそれなりに怖い」
というのは人情でしょう。
 葵猫さんがお書きになったラストのように、この話については
現世利益より天上の神の愛を優先するのが宜しいかと思います。
 ジャベールの最期なぞ「俺は神にも恥じる事なく
正しかった、しかし最低の罪人にさえ頭を垂れる他
ないほど愛がなかった」と自責して入水自殺ですから。

葵猫

S.K様
同感です。
言うまいと思ってましたが、管理人様、その突っ込みは「野暮の骨頂」です。
ジャン・バルジャンは、ラインハルト・フォン・ローエングラムでも、ヤン・ウェンリーでもないのです。
もし管理人様の言うような策を弄する主人公であったなら、原作はここまで世界中で愛されなかったでしょうし、ミュージカルも40か国以上の国々で上演されたりしなかったでしょう。
ただ、3日の猶予に関して。
バルジャンはコゼットの里親がまともな人物なら、金を預けて彼女の養育を頼み、逮捕されてもいいという気持ちはあったと思います。
だが現実は、寒空にあんな格好でこき使われ、虐待されてました。
しかも、すぐになつかれ「私のパパになってくれる?」ですよ。
元々小さな妹の子供のために前科作った彼です。
この子の為に逃げようと思うのは当然の結果だと思います。

  • 2012/12/25 20:37:00

冒険風ライダー(管理人)

>葵猫さん
>S.Kさん
まずはじめに言っておくと、私は別に今作が駄作だったと言っているわけではありません。
むしろ、話の構成そのものについては、なるほどさすがミュージカル舞台でロングセラーを謳われるだけのことはあると感心したクチですし。

ただ、その上で違和感を覚えずにいられなかったのは、やはり何と言ってもジャベール警部に対して「3日間の猶予をくれ」と言っておきながら、結果的には彼を裏切り逃亡したジャン・バルジャンの選択なんですよね。
私はあの描写を見たとき、てっきり自分は素直に捕まり甘んじて罰を受けることを表明した上で、コゼットの身柄をジャベール警部に託すのではないかとばかり考えていたのですよ。
あの2人のやり取りは、どことなく「走れメロス」的な展開を髣髴させるものがありましたし、自分が捕まる時点でコゼットの今後に問題が生じるであろうことは、あの時点でジャン・バルジャンにも充分に理解できていたことのはずなのですから。
にもかかわらず、あっさりと前言を翻して逃亡してしまったジャン・バルジャンの決断は、本人の主観的には確かにコゼットのためではあったにせよ、客観的に見れば、結局疑心暗鬼ながらも猶予を与えてくれたジャベール警部の「信用」に対する裏切り行為を犯したことにもなるわけです。
せっかく温情を示したのに裏切られたジャベール警部にしてみれば、ジャン・バルジャンの言動は「我が身可愛さの身勝手な虚言」以外の何物でもなかったでしょうし、また他ならぬジャン・バルジャンにとっても、冒頭における神への誓いを裏切るものとなったのではないのかと。
物語序盤で改心して以降のジャン・バルジャンはまさに「聖人」のごとく描かれているだけに、あのシーンだけはどうにも納得できないものがありました。
だからこそ私は、「そんなことをするくらいならば、いっそ最初から権謀術数の限りを尽くしてジャベールの排除と自己保身に動いた方が良かったのでは?」と考えてしまったわけで。
後先考えずに行き当たりばったりな言動と対応に終始していたとしか思えなかったですからねぇ、あの時のジャン・バルジャンは。

また、1823年当時のジャン・バルジャンは、大きな工場を運営していた上に市長の座にもあり、その地位と権力と財力を活用して多くの人々を政治的・経済的に救済することもできる立場にありました。
市民は彼を慕っていましたし、また自分が市長の座にあることで民の暮らしを助けられることも、当然ジャン・バルジャンは承知の上だったはずです。
にもかかわらず、自らその立場を考えなしに放棄するかのごとき態度をジャン・バルジャンは取っているわけです。
彼が自分の立場を放棄することによって、ファンティーヌのごとき路頭に迷う人間が他にも多数出ることになるかもしれないのですよ?
たとえば、ジャン・バルジャンがジャベール警部に追われる身となった後のあの工場は、ファンティーヌを問答無用でクビにしたあの工場長が仕切ることになったかもしれないですし、あの工場長がジャン・バルジャン以上に(労働者にとって)理想的な工場運用をするとはとても考えられたものではないでしょう。
また、市長が逮捕されたとなれば、それが市政に与える影響や混乱は大きなものがあるでしょうし、後任の市長がジャン・バルジャンより市民のことを考えてくれる人物である保証などどこにもありはしません。
自分の立場が危うくなれば、それによって不幸になる人が出るかもしれない、と考えれば、あんな「考えなし」な行為になんてそうそう簡単に出れるものではないでしょう。
ジャン・バルジャンがファンティーヌやコゼットを助けること自体は何ら問題となることではありませんが、それをやるならばもう少し自分の保身と両立する形で上手くやるべきでしたし、結果的にはそれこそが「より」多くの人達を助けるという「改心の誓い」にも繋がることになるのではないのでしょうか?
せっかく人々を幸せにできる権力と社会的地位を持ちながら、それをあんな「自分の改心の誓いにすらも反する」最悪な形で放棄してしまったジャン・バルジャンの選択が、私にはどうにも歯痒いものに見えてならなかったというわけです。

あと、ミュージカルな全体構成については、確かにシネマトゥデイの映画紹介でも「ミュージカルを映画化」と書いてありますね。
ただ、他作品の映画観賞の際に何度も見た予告編では「普通のセリフに至るまでミュージカル調」な描写はどこにもなかったので、実物を観賞して「え?」と思った部分は多々ありましたが(^^;;)。
ミュージカル映画というと、一般的には「1箇所もしくは複数個所の要所な場面で歌と踊りのミュージカルシーンが挿入されている映画」を連想するものですし、今作もそうだとばかり考えていたもので。
今更分かりきった話ではあるでしょうが、世の中色々な形態の映画があるものなのですねぇ(^^;;)。

S.K

>私は別に今作が駄作だったと言っているわけではありません。

 それは承知しているつもりですので疑問点への
ちょっとした「私的解釈」を述べたのです。

>ジャベール警部の「信用」に対する裏切り行為

多分両者どちらに聞いても「その通りだ」と言う
でしょうし、更にジャン=バルジャンは「恨んで
くれて良いし『次』があったらどんな償いでも
受け入れる。しかし今はコゼットを幸せにして
やりたい」と続くでしょう。
必ずしも「我欲がある事=断罪されるべき事」な必要も
なくはないですか?

>市民は彼を慕っていましたし、また自分が市長の座にあることで民の暮らしを助けられることも、当然ジャン・バルジャンは承知の上だったはずです。

 それはどうでしょう?
「人の情けに感激して出来る事をしているだけの
元々学もない(実は前科者の)男」にそこまでの
視野がある方が奇跡的では。
 事実ファンテーヌを結果的に殺しコゼットを孤児に
した元凶の工場長はジャン=バルジャン=マドレーヌ氏
の雇い人であり治める市民だったではないですか。
 それにマドレーヌ氏の善政というのは献身であって
論理的結論ではありませんし、市民のその後の運命に
しても「惜しい指導者を失った」と嘆く権利はあっても
「お前のせいだ!」と糾弾する資格まではないのでは?
 慈善的な市長一人いなくなっただけで荒廃するような
街や産業はどのみちまともではないでしょう。

>せっかく人々を幸せにできる権力と社会的地位を持ちながら、それをあんな「自分の改心の誓いにすらも反する」最悪な形で放棄してしまったジャン・バルジャンの選択が、私にはどうにも歯痒いものに見えてならなかったというわけです。

 全くもって「不合理な話」ですからね。
 なので「ジャン=バルジャンは理を解する程賢くは
ないですし、あれが精一杯というのは汲んで宜しい
のでは?」と問うた次第です。
「そういう考え方もある」程度でご解釈下さい。

葵猫

確かにジャン・バルジャンのやった事は完璧ではありません。
でも人間には限界があります。
ジャン・バルジャンは貧しい、社会的には最下層のうまれです。
ろくな教育も受けてない彼が、事業を成功させ、市長になったわけです。
そして市民の為に尽くしている、すごいことです。
現代に生まれ、きちんとした教育を受けた人間の尺度で、あれが出来てないからいけないと言えるものでしょうか?
作者ユゴーは、バルジャンのような優れた潜在能力と人格を持った人物を教育も受ける事が出来ず、前科ものにしてしまった社会をこそ批判していると思います。
ファンテーヌの事にしてもそうです。
娼婦の言い分は最初から聞かず、「女には罰だ」
ちゃんと働いていた女性をあんなめに合わせる社会。
バルジャン一人では社会どころか、地域社会でさえ、変える事は難しいというのが現実でしょう。

  • 2012/12/26 08:50:00

冒険風ライダー(管理人)

>S.Kさん
> 多分両者どちらに聞いても「その通りだ」と言う
> でしょうし、更にジャン=バルジャンは「恨んで
> くれて良いし『次』があったらどんな償いでも
> 受け入れる。しかし今はコゼットを幸せにして
> やりたい」と続くでしょう。
> 必ずしも「我欲がある事=断罪されるべき事」な必要も
> なくはないですか?

「走れメロス」的な約束を交わすシーンの後で、言い出しっぺの主人公の側から約束をバックれて逃亡、というのは話がおかしいと言わざるをえないところなのでは?
「走れメロス」も、苦難の末に主人公が何度もその誘惑に屈しかけるも、懊悩の果てに見事に約束を守ったからこそ美談になったのであって、アレでバックれたら興醒めもいいところでしょう。
それと全く同じことを、あのシーンではやっているような気がしてならなかったのですが。

> 「人の情けに感激して出来る事をしているだけの
> 元々学もない(実は前科者の)男」にそこまでの
> 視野がある方が奇跡的では。

ジャン・バルジャンに学はなかったにしても、彼には世の辛酸を舐めてきた人生経験と、資産家になれただけの商才や知識などは備わっているのではないですか?
そうでなければ、無一文の身から工場を構え市長にまでのし上がるなんてできるわけもないのですし。
ジャン・バルジャンともあろう者が、まさかブラック企業の経営者のごとき悪逆非道なことをやらかしているとは考えにくいところなのですし、視野や識見はそれなりにあると考える方が自然なのではないかと。

>  慈善的な市長一人いなくなっただけで荒廃するような
> 街や産業はどのみちまともではないでしょう。

ジャン・バルジャンの後釜にルーピーだのカンガンスだのといった「民主党的な面々」が居座るような事態を、この場合は想定すべきなのではないでしょうか?
ひとりの暴君ないし集団の類が政治を滅茶苦茶にした事例を、あの連中は見事なまでに示してしまっているわけで(苦笑)。
まああそこまで最悪な部類でなくても、あの当時のフランスは元々ナポレオン戦争に敗北した直後ということもあり、貴族優遇・市民冷遇の反動政治が横行していた時代でもあったわけですし、後釜の新市長が一般人を冷遇したり貴族に媚びたりする政治に走る危険性は充分にあったと言えるわけです。
ジャン・バルジャンのような「市民に慕われる市長」という存在の方がむしろ例外的なものであることくらい、当のジャン・バルジャンだって他ならぬ自分自身の経験から充分過ぎるほどに理解できることでしかなかったはずでしょう。
自分が市長の座を退いても今の体制が続けていける、という状況を作り出したのならともかく、ジャン・バルジャンのそれはどう見てもそうではなかったわけですし、彼には市長として市政の充実に全力を尽くす義務もあったのではないのかと。

>  全くもって「不合理な話」ですからね。
>  なので「ジャン=バルジャンは理を解する程賢くは
> ないですし、あれが精一杯というのは汲んで宜しい
> のでは?」と問うた次第です。
> 「そういう考え方もある」程度でご解釈下さい。

上でも述べたように、ジャン・バルジャンは無一文の身から市長になれてしまう程度には有能だし視野も広いはずですよね。
それであの行動は解せないし違和感も大きい、というのが私の主張です。

>葵猫さん
> ジャン・バルジャンは貧しい、社会的には最下層のうまれです。
> ろくな教育も受けてない彼が、事業を成功させ、市長になったわけです。
> そして市民の為に尽くしている、すごいことです。
> 現代に生まれ、きちんとした教育を受けた人間の尺度で、あれが出来てないからいけないと言えるものでしょうか?

私はむしろ全く逆に、それだけの有能性を持ち合わせている【からこそ】、作中の「考えなし」かつ「行き当たりばったり」な言動が理解に苦しむと考えてしまうんですよね。
ジャン・バルジャンには学が無くても「辛酸を舐めてきた人生経験」があるのですし、世の中は慈善どころか悪意に満ちてすらいることも充分に承知しているはずなのです。
お花畑な空想世界で生きているような人間ではないからこそ、あの一連の言動には違和感を覚えざるをえない、というのが私の正直なところなのでして。

> バルジャン一人では社会どころか、地域社会でさえ、変える事は難しいというのが現実でしょう。

いや、個人としてはともかく「市長」や「工場の経営者」としての立場であれば、ある程度は自分の意のままにできる部分もあるでしょう。
ジャン・バルジャンの場合は、むしろその力を自分や他人のためにロクに行使しなかったことにこそ問題があるのでしてね。
せいぜいコゼットの買収のためにカネを放出したくらいでしたからねぇ、彼が自前の「力」を行使していた場面は。
目先の事象にこだわるあまり、大局的なことが見えていない。
それが、あの場面におけるジャン・バルジャンの評価になってしまうのではないかと。

通りすがり

原作ではコゼットを助ける前に約束通り逮捕されていることを
知っていらっしゃるんだろうなとは思うのですが
原作では約束は守ってる、という事実は先に書き添えておきます。

逮捕後、再度脱獄し、コゼットの様子を見にいった時
ひどい扱いに心痛め、数年とはいえ後回しにしたことを
公開するシーンが原作にはあります。
逮捕~脱獄の部分が割愛されていると判断するか、
なかったことになっているとするかは
これは映画だけを観た人からすれば後者としか判断しようがないと思います。
尺の問題上致し方なかったのでしょうがこの映画だけでは
そう判断されても仕方ありません。
なのでその部分に対する管理人様のご指摘も至極尤もだとは思います。

ただ、この話は人を信じられず厚意を受けてなお裏切りで対応していた男が
その裏切りを無償のうちに許され「良い人間になりなさい」と送り出されたことから始まります。

だから男は常にその許してくれた人に恥じない「良い人間」を目指して生きているんです。
財産や権力のためにずる賢く生きるのでもなく、保身のために権力を振り回すこともしない、
そう生きようと決め、そう生きた男の話であって、成り上がりの話でもなんでもありません。
見ての通りとても修道的な話なのです。

権力を使って警察に手をまわすことを「良い人間」がしますか?
彼は自身の罪を知っており、警察の職務も知っています。
「君に恨みはない。君は職務を全うしただけ」と言うその言葉に嘘はないんです。
ジャベールが間違った行いをしていれば市長として正すことをしたかもしれませんが
していないのであれば、なぜ手を回す必要がありますか。

後任の者がダメ、使えない奴に決めつけて蔑み、
自分しかできないと自賛することが「良い人間」か、
まさに自分のせいでしかない罪のために一生をなくそうとしている男を
今の地位を守るためだけに見殺しにするのが「良い人間」か

確かに原作では市長逮捕後、市は衰退していきます。
ただ管理人様は映画の話だけに特化して話されているようですので
ここは観客の想像次第です。
もしかしたらすごく良くできた市長が就任されて一層の発展してるのかもしれません。

他者からその選択を愚かしい、大局的なことが見えていないと言われても彼は構わないと思います。
彼自身が彼の正義の中で「良い人間」であろうとしたんです。

全体的に非常に宗教的な話です。
日本では宗教は馴染みがない、というか、修道的に生きる、という感覚が
薄いので理解できる人が少なくて当然です。
諸外国がワビサビが理解できないのと同じで理解しなければいけないものでもありません。
かと言って理解していないのに否定するのは非常に滑稽ではありますが。

  • 2013/01/04 11:25:00

冒険風ライダー(管理人)

>通りすがりさん
今回の場合、原作については映画観賞時まであえて全く目を通さず、観賞後にWikipediaで確認するという手法を取りました。
元々私は舞台を観に行ったことがほとんどないこともあり、今作を観賞するまで「レ・ミゼラブル」の詳細な内容については把握していませんでしたし。
そんなわけで、今回私が感想を述べているのは、2012年12月21日公開のミュージカル映画「レ・ミゼラブル」限定のものとなります。
原作からテレビドラマまで一切合財全部観賞して臨んだ「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇」とは完全に対極なやり方ではありましたが、そういう前提で書いた感想だということはご承知下さい。

> ただ、この話は人を信じられず厚意を受けてなお裏切りで対応していた男が
> その裏切りを無償のうちに許され「良い人間になりなさい」と送り出されたことから始まります。
>
> だから男は常にその許してくれた人に恥じない「良い人間」を目指して生きているんです。
> 財産や権力のためにずる賢く生きるのでもなく、保身のために権力を振り回すこともしない、
> そう生きようと決め、そう生きた男の話であって、成り上がりの話でもなんでもありません。
> 見ての通りとても修道的な話なのです。

そこなんですよね、問題は。
まさに司教に対する裏切り行為について反省し、「良い人間」として生きることを目指したはずのジャン・バルジャンが、その裏切り行為を今度はジャベール警部相手にまたしても披露してしまう、という矛盾にどうしても違和感を覚えざるをえないわけです。
他の誰でもない当のジャン・バルジャン自身にとってこそ、アレはまさに最悪の行為そのものだったでしょう。
自分の行いを恥じ、「良い人間」になると誓ったのは一体何だったのか?
かつて己自身が恥じていた行為をまたしても繰り返すことに、彼は何の疑問も羞恥も覚えなかったのか?
そこが観ていてどうにも矛盾と破綻を感じざるをえなかったところでしたし、そんな愚かしいことをするくらいならば……と考えたのがアレだったわけです。
原作ではきちんと約束を守っているというのであれば、映画版のそれは「原作の改悪」とすら言って良いほどの失態です。
修道的・宗教的な要素がテーマになっている、というのであればなおのことです。
まさか、「人の懺悔という概念はかくも無意味なものである」などというシロモノが作品のテーマだった、というわけはないでしょうし。

> 確かに原作では市長逮捕後、市は衰退していきます。
> ただ管理人様は映画の話だけに特化して話されているようですので
> ここは観客の想像次第です。
> もしかしたらすごく良くできた市長が就任されて一層の発展してるのかもしれません。

いや、ジャン・バルジャンの後任の市長が仮に万が一にも優れた人物だったとしても、それを誕生せしめたのはジャン・バルジャンの功績ではないでしょう。
後任がいかなる人物であれ、ジャン・バルジャンが市政を混乱させ、今後の市政について不安の影を落とすことになる事実に変わりはないのですから。
まあ、ジャン・バルジャンが後継者を事前に指名していたとでもいうのであれば話は違ってくるでしょうけど、もちろんそんな描写は映画には全くなかったわけで。

また以前の投稿でも書きましたが、当時のフランスはナポレオン戦争後の反動政治で政治情勢は不安定でした。
1830年にフランス7月革命が勃発したのも、それなりに必然的な理由があってのことなのですから。
それに当のジャン・バルジャン自身の経験則から言っても、自分のごとき慈善な市長が極めて稀な存在であることくらい理解はできたはずでしょう。
そういった要素を鑑みれば、市政を預かる立場の人間としてのジャン・バルジャンは、自分が捕まった後の市の動静について無頓着・無責任に過ぎたのではないのかと。

市長とか工場所有の大富豪とかいった「私的な言動の影響力が大きすぎる」立場を変に付加していたのが、却ってジャン・バルジャンの選択肢と責任を無用に増大させた元凶ですね。
ちょっと小金を持つ一般人的な設定にでもしていれば、市政の責任などは全く問題にする必要もなかったのですが。

そら

今さらですが。
ジャベールはそもそも猶予を与えることに同意してませんから、バルジャンは裏切ってはいませんよ。

  • 2014/07/11 00:44:00

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