第85回アカデミー賞の結果発表
2012年にアメリカで公開された映画の中で最高の作品と俳優を決定する、第85回アカデミー賞の授賞式が行われ、ベン・アフレックが監督と主演を務めた「アルゴ」が作品賞を含む3部門で受賞となりました。
「アルゴ」も含めた各賞の内訳は以下の通り↓
http://www.cinematoday.jp/page/N0050523
> [シネマトゥデイ映画ニュース] 第85回アカデミー賞授賞式が現地時間24日に行われ、ベン・アフレックが主演・監督を務めた映画『アルゴ』が作品賞を含む3部門で受賞した。監督賞にノミネートされていない作品が作品賞を受賞するのは第62回の『ドライビングMissデイジー』以来、23年ぶりの快挙。7部門でノミネートされていた同作はほかに、編集賞・脚色賞を受賞している。
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> 受賞に際しては、監督賞にノミネートすらされなかったベン・アフレック監督もプロデューサーとして登壇。15年前に『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で脚本賞を受賞して以来のオスカーとなったベンは涙をこらえるように「15年前は子どもでした。また戻ってくるとはそのとき思いませんでした。何の得にもならないときから、わたしを助けてくださった方々に感謝を言いたいと思います」とスピーチ。共同プロデューサーのジョージ・クルーニーらから「この素晴らしい作品を監督してくれてありがとう」との言葉を送られる一幕もあった。
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> 一方、最多4部門を獲得したのはアン・リー監督の映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』。リー監督自身も『ブロークバック・マウンテン』に続く2度目の監督賞を受賞した。アン・ハサウェイが助演女優賞を受賞した『レ・ミゼラブル』が3部門で続いている。
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> 最多12部門でノミネートされ、本命視されていた映画『リンカーン』はダニエル・デイ=ルイスの主演男優賞、美術賞の2冠にとどまった。ダニエルはこの受賞により、史上初となる3度目の主演男優賞獲得を達成した。
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> 受賞結果は以下の通り。
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> ■作品賞
> 『アルゴ』
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> ■監督賞
> アン・リー 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
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> ■主演男優賞
> ダニエル・デイ=ルイス 『リンカーン』
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> ■主演女優賞
> ジェニファー・ローレンス 『世界にひとつのプレイブック』
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> ■助演男優賞
> クリストフ・ヴァルツ 『ジャンゴ 繋がれざる者』
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> ■助演女優賞
> アン・ハサウェイ 『レ・ミゼラブル』
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> ■外国語映画賞
> 『愛、アムール』(オーストリア)
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> ■脚本賞
> クエンティン・タランティーノ 『ジャンゴ 繋がれざる者』
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> ■脚色賞
> クリス・テリオ 『アルゴ』
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> ■ドキュメンタリー長編賞
> 『シュガーマン 奇跡に愛された男』
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> ■ドキュメンタリー短編賞
> 『イノセンテ(原題) / Inocente』
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> ■短編実写賞
> 『リッチーとの一日』
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> ■長編アニメ賞
> 『メリダとおそろしの森』
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> ■短編アニメ賞
> 『紙ひこうき』
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> ■視覚効果賞
> 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
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> ■撮影賞
> クラウディオ・ミランダ 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
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> ■メイクアップ&ヘアスタイリング賞
> 『レ・ミゼラブル』
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> ■歌曲賞
> 「スカイフォール」 『007 スカイフォール』
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> ■作曲賞
> マイケル・ダナ 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
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> ■編集賞
> 『アルゴ』
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> ■音響編集賞
> 『007 スカイフォール』
> 『ゼロ・ダーク・サーティ』
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> ■音響賞(調整)
> 『レ・ミゼラブル』
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> ■衣装デザイン賞
> ジャクリーン・デュラン 『アンナ・カレーニナ』
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> ■美術賞
> 『リンカーン』
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> (編集部・福田麗)
作品賞を受賞した「アルゴ」は、日本ではあまり知名度がなく、興行収益的にもヒットしているような感じでさえもありませんでしたが、なかなかの良作です。
アクションシーンなしでアレだけの緊迫感を生むというのは、そうそう簡単に出来ることではないのですし。
前回のアカデミー賞で作品賞を獲得した「アーティスト」や、その対抗馬とされた「ヒューゴの不思議な発明」などは、どちらかと言えば映像美に傾斜していたきらいがあったのですが、「アルゴ」はストーリーと演出が評価されたということになるのでしょうか?
「アルゴ」の対抗馬たる「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」の方は、完全に映像美が評価されての受賞だったのでしょうけど。
親友との約束を破って逃亡した「走れメロス」のごとき構成になってしまっている「レ・ミゼラブル」などは、しかしそのミュージカルな構成がヒットして未だにロングランな上映が続いていますし。
一方でスティーブン・スピルバーグは、去年の「戦火の馬」に引き続き、またしてもアカデミー賞から梯子を外される羽目になっていますね(T_T)。
ノミネートだけはされまくっていましたし、今年は「本命」とまで言われていたというのに、何とも運に恵まれない話で。
今回受賞が決定された映画の中で、私が観賞する予定のある作品は「ジャンゴ 繋がれざる者」「世界にひとつのプレイブック」「リンカーン」の3つですね。
「世界にひとつのプレイブック」は2013年2月22日から全国公開されているのですが、熊本では4月6日からしか解禁されないという、相変わらずな地方の映画格差の煽りを食らっている始末で、その時までお預けということになります。
アカデミー賞受賞作品ですらこういう弊害があるのですから、何とも泣けてくる話ですね(T_T)。
もちろん、アカデミー賞受賞作品だからといって、その映画が名作であることが保証されるわけではなく、また莫大な興行収益を叩き出せるというわけでもないのですから、それも止むを得ない一面があったりするのですが。
カンヌのパルムドール賞を受賞していながら「史上最悪のクソ映画」という栄冠に輝いた、「ツリー・オブ・ライフ」のごとき悪例もあるのですし。
現時点では未だ未観賞の3作品についても、アカデミー賞の権威に恥じないだけの出来であることを期待したいものです。