映画の原作マンガの原作使用料が安すぎる事実がもたらす弊害
総額58億円もの興行収益を稼ぎ、続編の製作も決定された映画「テルマエ・ロマエ」。
ところが、その原作者が受け取った原作使用料が、わずか100万円程度でしかなかったという衝撃の事実が原作者本人の口から明かされ、話題となっています↓
http://megalodon.jp/2013-0227-0036-03/news.livedoor.com/article/detail/7442593/
> 23日、バラエティ番組「ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」(TBS系放送)で、映画「テルマエ・ロマエ」の原作者が登場して、衝撃の告白をした。
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> 今回の放送では、阿部寛、上戸彩の出演で大ヒットした映画「テルマエ・ロマエ」の原作者・ヤマザキマリさんが登場。ヤマザキさんは「映画の興行収入は58億円だったが、原作使用料は約100万円だった」「映画がいくらヒットしても私自身は全然儲からなかった」と衝撃の告白をしスタジオが騒然となった。
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> 映画化の経緯としては、ある日突然「原作使用料として100万円ぐらい入金されるからよろしくね」と出版社に言われ、金額も勝手に決められていたという。さらには原稿で忙しいなか、一日中映画の宣伝のため拘束されても全てノーギャラ。しかし周りからは「映画の大ヒットで儲かってるんですよね?」などと言われ困ったという。ヤマザキさんは自身の原稿料にも触れて「1ページ2万円弱の原稿を描いてたほうがまだ儲かる」と明かした。
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> 過去には漫画「海猿」の原作者・佐藤秀峰さんも、映画化で70億円のヒットとも言われたが、原作者としては250万円ほどしかもらえないと告白しており「漫画家はいい様に利用されていて、それでも映画化されると喜ばなきゃいけない。なめられてると思う」とツイートしている。佐藤さんはその後、映画の契約に関しては小学館(海猿は同社週刊ヤングサンデーで連載)に任せず、行政書士に協力してもらい自身で交渉。映画の3作目からは原作使用料が10倍以上にアップしたという。
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> ヤマザキさんの告白に対して、ネット掲示板では「これは酷すぎるわ。原作者の意向なんてまるまる無視のひどい実写化が横行するわけだ…」「原作使用料が安いのは知ってたけど、具体的な金額はちょっとショッキングだった」と驚きの声が上がっている。2014年GWに公開が予定されている「テルマエ・ロマエ」の続編では、原作使用料はどうなっているのだろうか。
映画の原作者ともなれば、普通なら利益の3~5%程度の配当を受けても何ら不思議な話ではないはずなのですが……。
映画の場合、出演俳優への出演料にセット・衣装にかかる費用、ロケ地への移動・輸送費など、様々な用途で少なからぬカネがかかるのは分かりきっていますし、興行的にコケた場合のリスクの問題などもあるのでしょうが、しかしいくら何でも原作者への原作使用料が100万円程度でしかないというのは正直どうなのかと。
制作サイドや出版社が、原作および作者をあまりにも軽んじ過ぎているとしか評しようがないではありませんか。
「カネのなる木」に下手にカネを与え過ぎると自分のところから離れていくから、とにかく薄給でこき使い、自分のところに依存せざるをえないようにする、などというブラック企業的な発想でもあったりするのでしょうか?
興行的にコケて利益が出せなかった、とでもいうのであればまだしも、数十億儲かっておいてそれではねぇ(-_-;;)。
昨今の邦画の隆盛は喜ばしいことではありますが、だからこそ原作者には一定の敬意を払い、それなりの権利と利益は保証されるべきでしょう。
ブラック企業の発想でクリエイター達を奴隷のようにこき使い、他人の作品を自分のものであるかのごとく扱う行為が当然のことであるはずがないのですから。
大ヒットした映画の原作使用料が安すぎると、後発の大ヒット作品があってもそれが基準となってしまい、「あの作品でさえこの金額だったのだから……」として少額に抑えられてしまうケースも出てくることになりかねません。
経済の論理から言っても、大ヒット映画には多額の、コケた映画では少額のといった「歩合制方式」で、原作使用料というのは決められて然るべきなのではないのでしょうか?