陸上自衛隊主催のイベントで銃刀法違反?
2012年4月8日に陸上自衛隊練馬駐屯地で開催されたイベントで、イベントの参加者が銃に触ったことが銃刀法違反に当たるとして、市民団体「自衛隊をウォッチする市民の会」が刑事告発をしたそうです↓
http://jp.ibtimes.com/articles/42793/20130412/622264.htm
> 報道によると、昨年4月8日、陸上自衛隊の練馬駐屯地でイベントが開催され、装備品展示コーナーで小銃と機関銃を展示した。この時、イベントの参加者が銃に触れたことが銃刀法違反に当たるとして、市民団体「自衛隊をウォッチする市民の会」が、田中直紀元防衛相や陸自幕僚長らを東京地検に刑事告発した。
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> 陸上自衛隊の広報室では、「銃刀法違反になるかどうかも含めて、確認しているところ」とコメントしている。今年の4月14日にも同様のイベントが企画されているが、実施されるかどうかは未定。
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> 告発した「自衛隊をウォッチする市民の会」は、自衛隊の街中での活動を機に2012年10月10日に設立したもので、東京平和委員会(日本平和委員会の地方組織)と同一の住所に席を置いている。
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> 4月4日の時点で、同会は「銃刀法違反の件について、防衛大臣宛に質問状を出すことにしました。防衛省から回答があるかはわかりませんが、自衛隊の活動が法律や条例に抵触することは許されないはずです」とツイートしている。
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> ネットでは、「一般人は支持しない告訴内容」「自衛隊の揚げ足をとる会でいいじゃん」と否定的な見解が多く、その中には「そこまで因縁つけて問題視するなら、直下が来ようが、ミサイルが飛んでこようが 頑張って!自衛してくださいね(笑) なにが起きても、自衛隊に派遣要請するな!」と厳しい意見もある。
1年以上も前の、それも自衛隊が主催するイベントの一環としての、さらには弾も入っておらず鎖で繋がれ持ち出し不可の銃の展示に、わざわざクレームをつける市民団体というのは、何とも笑える存在ではありますね。
そりゃ陸上自衛隊主催のイベントであっても、銃が持ち去られたとか怪我人が出たとかいった事件が発生したとでもいうのであれば、まだ自衛隊批判にも正当性はあるでしょう。
しかし、別に事件性があるわけでもなく、イベントの一環で安全性を充分に確保している銃に他の参加者が触れることを認める行為のどこに、銃刀法に抵触する要素が存在するというのでしょうか?
そもそも銃刀法第三条では、刀剣や銃器類の所持について、以下の如き例外規定が存在します↓
(所持の禁止)
第三条 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、銃砲又は刀剣類を所持してはならない。
一 法令に基づき職務のため所持する場合
二 国又は地方公共団体の職員が試験若しくは研究のため、第五条の三第一項若しくは鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第五十一条第四項の講習の教材の用に供するため、第五条の四第一項の技能検定(第三号の二並びに第三条の三第一項第二号及び第五号において「技能検定」という。)の用に供するため、第五条の五第一項の講習(第四号の二の二並びに第三条の三第一項第二号及び第五号の二において「技能講習」という。)の用に供するため、又は公衆の観覧に供するため所持する場合
陸上自衛隊主催のイベントなんて「公衆の観覧」以外の何物でもないのですし、、100%この例外規定に該当するでしょう。
そもそも、弾が入っていない上に持ち出し不可の銃に「触れる」だけの行為を、果たして「所持」と定義しえるものなのでしょうか?
「所持」というのは「手に持つ」だけのことを指す言葉ではないと思うのですが(苦笑)。
まさか、弾が入っていなくても銃は殴打用の武器として充分に脅威になる、などと主張しているわけではないでしょうし、もしそういう論理を使ってくるのであれば、そもそもパイプ椅子や金属バットの類であっても違法性が出てくることになってしまいます。
自衛隊以前に、一般の料理人やスポーツ選手の類がまずは手錠をかけられる、などという事態は滑稽もいいところでしょうに。
自衛隊を銃刀法違反で刑事告発した「自衛隊をウォッチする市民の会」という組織は、上位の組織になるらしい「日本平和委員会」なる組織自体が日本共産党系とのことで、要するにアッチ関係の団体ということになるみたいですね。
そりゃ自衛隊の足を引っ張るべく活動するのも頷ける話ですが、それにしても自衛隊を銃刀法違反で刑事告発するとはバカげたことをしたものです。
それにしても、「自衛隊が銃刀法違反を犯した!」と「自衛隊をウォッチする市民の会」から刑事告発された警察側も、正直対応に困っているのが実情なのではないでしょうかねぇ(苦笑)。
前述のように、銃刀法第三条と照らし合わせても違法性があるとは言い難いのですし。
市民団体にとっては、刑事告発それ自体が売名行為の一環なのでしょうし、「失敗しても損はしない」という皮算用から今回の行為に及んでいるのでしょうけど、自衛隊および訴えられた人達にとっては何とも傍迷惑な話でしかありません。
こんな法律を弄ぶかのような行為に及ぶことこそが、それこそ銃刀法違反に匹敵する害悪にすらなるのではないかと思えてならないのですけどね。
通りすがりの元自衛官
端的に言いまして、こういう催しや機会がある方が平和でありシビリアン・コントロールが機能しているわけなのですが、ちょっと自衛隊の装備に触れたくらいで「軍国主義」が復活するなんて考えるのは国民を舐め過ぎです。人はそれほど愚かではありません。その程度で崩壊する「平和教育」って・・・。むしろ銃器の重さ冷たさとそれに携わる人間の在り方を学ぶ、絶好の平和教育の場なのに。