先日、こんなトンデモ本を読んでしまって複雑な気分になっています。普通のトンデモ本(というのも変な言い方だけど)なら笑って済ませられるのですが、僕の職業に関わる問題だけに、考えさせられてしまいました。
山田悠介『リアル鬼ごっこ』(文芸社)
時は西暦三〇〇〇年、現在の日本にとてもよく似た「王国」。バカな王様が自分以外の「佐藤」姓を持つ者を抹殺しようと計画し、全国規模の鬼ごっこを行なう。一日のうち一時間、一〇〇万人の兵士が「鬼」になって、全国五〇〇万人の佐藤さんを追い回してかたっぱしから捕え、殺してしまうというもの。主人公の佐藤翼は、生き別れの妹・愛が大阪にいると父から聞き、妹を救うために大阪に向かう……というストーリー。 まず、設定が変です。
> 時は遥か西暦三〇〇〇年。人口約一億人、医学技術や科学技術、そして、機械技術の全てが今とは全く想像のつかないほど発達し(後略)
プロローグにはこうあるんですが、この国の地名は「横浜」「港の見える丘公園」「大阪府淀川」など、現在の日本のそれにそっくり。街にはコンビニやファミレスがあり、庶民の生活は今の日本と何ひとつ変わらないように見えます。大事件が起きると新聞は号外を出します。主人公は横浜から大阪に行くのに新幹線に乗ります。どのへんが「全てが今とは全く想像のつかないほど発達」しているのですか? あ、ひとつだけ進んでるものがありました。鬼が近くに隠れている佐藤さんを探知するのに使う「最強の道具アイテム“佐藤探知機ゴーグル”」です。原理不明です(笑)。 テレビの電源を入れると、「パチンと音をたてながらテレビの画面は徐々にいつも通りの番組が映り始めた」という表現があります。いまだに真空管? きわめつけ、主人公の家の居間にはちゃぶ台があります(笑)。 ちゃぶ台のある三〇世紀とは珍しい。これがギャグでも何でもなく、大真面目なんだから困ってしまいます。
なんといってもすごいのは文章。平均して1ページにつき1箇所以上、本全体で数百箇所の間違いがあるのです。 たとえばこの作者、分かりきったことを何度も書く悪癖があります。いわゆる「馬から落ちて落馬した」というやつ。
「もの凄く機嫌が悪く、不機嫌な顔をして」「頭を悩ませるように渋い顔をして考えている」「騒々しく騒いでいる」「翼には素質があると見込んで翼をスカウトした」「最後の大きな大会では見事全国大会に優勝」「名実共に実力を上げていき」「罪として重罪が下される」「いかにも挙動不審な行動で」「そう遠くなく、近いようだ」「愛を探すしかほかないのだ」「十四年間の間」「うっすらと人影がかすかに現れた」「しかし、洋の姿は何処にも見当たらなかった。何処を探しても、洋の姿は見当たらない」
これらは目についたもののほんの一部です。 それにこの作者、文章が矛盾していても気にしていない。翼と父の会話の場面では、「それを最後にお互い口を聞かなかった」と書いておきながら、それからも会話は続きます。 いちばん笑ったのは、「場面は変わる」と書いて一行空けもせずに回想シーンに突入するところ。「場面は変わる」……いや、小説を書きなれてない人の文章は新鮮です(笑)。 当然、台詞も変。側近が王様に呼びかけるのに、 「王様……落ち着きになったらどうですか?」 というのは、あまりにも敬語を知らなさすぎる。じいは「次第に反乱が起きますぞ!」なんて言うし、王様は「虫の居所がおさまらん!」と怒ります。 本全体がこの調子で、どのページを開いても、おかしな表現が目に飛びこんできます。
「佐藤さんを捕まえるべく鬼の数である」「ランニング状態で足を止めた」「遠く離れると横浜の巨大な遊園地ができた」「これに限られたことではない」「三人は分かち合うように抱き合った」「営々と逃げ続けた」「二人は鬼たちに目をとらわれていた」「いざ、着地してみるとそこは森の様な草むらに二人は降り立っていた」「愛は一つも振り向かず」「グラウンドをひた歩き」「危機に感じた翼と愛は火事場の馬鹿力、ここで二人は足を早めた」「もう一度首を右に左に素早く後ろへと回し、ぐるりと体を反転させた」「一人の鬼が瞳の奥に飛び込んだ」「九人の足跡がピタリと止まった」「記憶を全く覚えていなかった」「永遠と続く赤いじゅうたん」「この話は人々の間とともに長く受け継がれていく」
繰り返しますが、これらはほんの一部です。どうも校正というものをまったくやってないようなんですね。 あきれたことに、結末の文章にさえ間違いがあります。「王子以外を除く佐藤姓」と書かれているのです。「以外を除く」って、あんた(笑)。
これでもストーリーがしっかりしていれば評価できるんでしょうが、明らかに作者はまともにプロットを練っていない。 なにしろ主人公・翼の頭が悪すぎる。 父が会社の重役であったことを、父の死後、会社の同僚から教えられて初めて知る。いくら親子の仲が悪くても、21歳にもなって、同居している父の仕事すら知らないとはどういうことか。 父に弟がいることも知らなかった。生き別れの妹がその叔父に預けられていることを、死ぬ直前の父から教えられ、大阪へ探しに行くんだけど、その叔父の名前を聞き忘れたために(父親も言い忘れた)、住所が分からず、大変な苦労をすることになる。 だいたい、妹の身が危ない、一刻も早く駆けつけなくてはならないはずなのに、のんびり父親の通夜なんかやってるとは、どういう神経なのか。 おまけに前夜に死んだ父の通夜が、午後四時からはじまって一時間半で終わってしまい、喪主であるはずの翼は出棺もせずに大阪へ旅立ちます。この時代の葬儀の風習は今の日本とはずいぶん違うようです(まあ、作者が「通夜」の意味を知らないだけだと思いますが)。 大阪に着いた翼、ばったり旧友と再会し、いっしょに妹を探します。まず王国管理センターというところに行って、淀川区新北野に住む五十数件の佐藤さんの住所を調べる。そして、そのデータを紙にメモする。 ……せめてプリントアウトというものはないのか? しかも、「二人で手分けして探す」という発想がなく、二人でいっしょに、リストにある家を一軒一軒回っていく。五十数軒のうち四〇軒を一日で回るが、妹は見つからない。手分けして探していれば、その日の内に会えたはずなのに。ああ、こいつらバカだ。ほんとにバカだ……。 だいたい、翼も含めた全国の佐藤さんは、どうして深い山奥に隠れるとか、海外に逃げるとか、急いで結婚して姓を変えるとかしないのでしょう? 王様が定めたルールでは、鬼ごっこは一日一時間だけで、「余った二十三時間の間はどんな生活をしようとも許される」とあるから、ルール違反じゃないはずなのに……。
しかし、単にトンデモな小説だというなら驚きはしません。僕が愕然となったのは、こんな代物が16万部(公称)も売れているという事実なんです。出版部数というのは、しばしばサバを読むものですが、それにしても僕が買ったのは13刷だから、売れているのは間違いないようです。 ネットでの評判を見ると、やはり酷評が大半。しかし、ヤフーでは65件中、満点をつけている人が7人います。アマゾンでは44件中、星5個が2人、星4個が2人、星3個が1人います。つまり、読者の少なくとも1割以上は、この小説を支持しているのです。 支持者の文章を読むと唖然となります。「文章にはいくつかおかしなところがありますが」とか「文章はちょっと稚拙ですが」とか……これを「いくつか」「ちょっと」で済ませるのか!? しかも批判者に対し、「批判するぐらいなら、おまえはもっといい小説が書けるのか」と暴言を放つ者も何人もいます。書けるよ! つーか、ここまでひどい小説を書く方が難しいよ!
つまり、読者の少なくとも1割以上は、文章がおかしいことにも、プロットが破綻していることにも気づかない、小説の良し悪しを見分ける目をまったく持ってないということなんです。 言い換えれば、僕たち小説家がどれほど苦労して、文章やプロットを練って書いても、読者の一部はそんなこと知ったこっちゃないということを意味しています。 これはね、小説家としては大ショックですよ。ちょうど、書き上げた大長編の最終校正(三校目です)をやっていて、編集さんから細かいミスを指摘されてヒーヒー言いながら直してる最中だったこともあります。こんなに苦労して書いた作品が『リアル鬼ごっこ』より売れなかったらと考えると(その可能性は充分にあるわけですが)、暗澹たる気分になります。 それに当然のことながら、僕の小説の読者の一部だって、小説の良し悪しを見分ける目を持たない人、『リアル鬼ごっこ』に感心しちゃうような人であるわけで……うーん、複雑な気分ですね。 |
No.14189 - 2003/09/10(Wed) 17:19 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| ひ、酷すぎる。ダイジェスト部分を見ても中学生の作文以下だ・・・・。「極光の艦隊」が可愛く見える。
>しかし、単にトンデモな小説だというなら驚きはしません。僕が愕然となったのは、こんな代物が16万部(公称)も売れているという事実なんです。出版部数というのは、しばしばサバを読むものですが、それにしても僕が買ったのは13刷だから、売れているのは間違いないようです。
山本先生、ここの“13刷”は恐らくトリックです。 増刷する時に印刷所を複数に分けていれば(例えば発売後12箇所の印刷所に3000部くらいずつ発注するとか)見事“2刷で13刷”になります。ソースは洋泉社MOOK 「この本は怪しい!!!」です。 でもチョッと読んでみたい気がしないでもないですが・・・・。 |
No.14191 - 2003/09/10(Wed) 20:40 [EATcf-24p177.ppp15.odn.ne.jp]
| 若さゆえのあやまち、と「商品としての本」として。
作者は昭和56年生まれの今年22歳、この本は「高校卒業間際」に書いたものだそうですからだいたい4年位前のもの(ただし、ダブってたらもっと最近)という事になます。着想、構成、文章、が稚拙なのだとしたらひたすら経験不足によるものでしょう。・・・そんなモンを出版してええんかい、と素人の私でも思いますが。 アマゾンのレビューもほぼメッタ切りで(面白く的確なので一読を)、まあ一安心なんですが問題はコレを「面白い」と判断してしめう読者の存在ですね。 やっぱりこればっかりは面白いもの・面白くないものをたくさん見たり読んだりして判断力を鍛えるしかないんしょう。
作者のサイトもあることにはあるんですが、「アルバム」のみ充実した(ソレ以外無い)ものなんで無理に行かなくていいですよ。
かく言う私がいちばんウケたのは「遠く離れると横浜の巨大な遊園地ができた」です。バカカード(単語の組み替えで遊ぶカードゲーム)なみのシュールさで笑ってしまいました。 |
No.14192 - 2003/09/10(Wed) 21:18 [p5191-ipad01otsu.shiga.ocn.ne.jp]
| 結構前に立ち読みした本だ(汗)。 つまらなそうなんですぐに読むの止めたんですが…。そうですか、そこまで…。 でも多分、売れてるんでしょうね。かなりのスペースに平積みされていて、かなり気合の入った品出しをしてましたから。 |
No.14193 - 2003/09/10(Wed) 21:37 [thsndi012067.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]
| この出版社で原稿公募してるんですよね。 http://www.bungeisha.co.jp/contest/phoenix/ なんか見つくろって送ろうかな…。
なんだかんだ言っても商業出版には憧れてしまう~~(T^T) |
No.14194 - 2003/09/10(Wed) 21:54 [hccprxy6.bai.ne.jp]
| ダイジェストを見ても四号駆逐戦車さんと同じ感想です。 自分もWEB上でこつこつと小説を連載していて、その続編を準備中なんですが、モチーフは地球っぽいけど違う世界として地名や国名に必死こいて悩んでいるのが馬鹿馬鹿しくなってきます。 鉄道で次の駅名どうしようか、と頭こねくり廻すのがほんと大変なのに。 (海際に"岳"という地名は普通ないですよね、"山"なら"天保山"みたいに地理条件を描写できますけど。山なら山らしい名前、川なら川らしい名前ですよね)
新井新一さま >なんだかんだ言っても商業出版には憧れてしまう~ 憧れます、私も。 夏コミで企業ブースの方に褒めて頂いた時は嬉しかったです。 でも、商業出版は別ですよね、そんな甘い世界では無い筈、ですよね? |
No.14195 - 2003/09/10(Wed) 22:19 [Ctk219DS08.tk2.mesh.ad.jp]
| Amazonのレビュー見てきました。エディターズ・レビューの方がどちらもほぼ同じ単語を並べ替えただけなのが笑えますね。出版側のキャッチコピーをほぼそのまま転載するしか書きようがなかったのかも。 |
No.14196 - 2003/09/10(Wed) 23:39 [gw1.aitai.ne.jp]
| 皆さんが口を揃えて「駄作」と絶賛(笑)してるので、ちょいとAmazonのレビューと、作者のHPを見てきました。 うわー、ほとんどの人がケナしてるよー。うーむ、ここまでひどかったら、かえって読んでみたい気がしたりして。怖いもの見たさで。 HPも、なんだかなー。宣伝と写真だけってのははっきり言ってつまらなさすぎだぞ。もうちょいと考えていろんなコンテンツ作れば良いのに。
でも、稚拙な文章、稚拙なプロット、あほなキャラクターで商業出版し、しかもそれが売れるとは……自分の立場はどーなる(爆)。 まあ、僕も文章はヘタだけどさー。しかしヘタな人よりかは上手い自信がある!(って日本語になってませーん)。 うーむ、色々な意味で、自分も努力せねばなー。
しかし気になる点が一つ。作者は自分の作品が酷評されてる事に関して、どのようにとらえてるんでしょう? ここまでこき下ろされてて、ナニも感じてないとは思えないんですけど……。 褒める人の意見しか見聞きせず、否定的な意見は無視してるとか? なんか行く末が怖いな…(^^;) |
No.14197 - 2003/09/11(Thu) 00:51 [p20-dna13surugadai.tokyo.ocn.ne.jp]
| 山本様> > 読者の少なくとも1割以上は、この小説を支持しているのです。
釈迦に説法で申し訳ありませんが、流行ってるから読む層はそんなものかと。 流行ってしまえば内容はどうでも良くなるから猫も杓子も躍起になってブームを仕掛けてる訳ですし。
普段読書してない(その分耐性が無い)方々と山本氏が考えられている読み手とを同じ「読者」でくくるのは少々危険では。
個人的には欠点より、ウケた理由の方が気になります。 今までのヒット作同様、ドギツイ設定やあざとい泣かせ、子供っぽい「リアル」や自尊心の幼稚な充実でも味合わせてくれるんでしょうか。
来年にでもブックオフの100円コーナーで買わなければっ |
No.14198 - 2003/09/11(Thu) 03:57 [YahooBB219168028004.bbtec.net]
| この作品、未読で読む気もなかったんですが、こう話題になると読んでみたくなってしまいました(笑) 実はその辺がねらい目とか・・・ いや、逆にこれは良い本かもしれませんよ 文法などの誤りをどれだけ指摘できるかで、その人の国語レベル判定の指標になるかもしれません って、どこかで聞いた言い回しだ(爆)
相手の言葉の裏の裏の裏を読んでなにを読んでたか忘れる言霊師でした |
No.14208 - 2003/09/11(Thu) 11:04 [o166236.ap.plala.or.jp]
| 立ち読みしてきました。たしかに、すさまじい文章ですね。
著者の才能云々よりも、この悪文に一切校正の手を入れなかったとみられる編集・出版社側の態度に 疑問を感じたので、キーワード”文芸社”でGoogle検索してみました。疑問はすぐ解けました。
おヒマな方はご自分で検索してみることをお勧めします。まず文芸社の公式サイトに隅々まで 目を通してから、他のサイトを見てみると良いでしょう。
要するにこの会社、普通の商業出版社ではなく、言ってみれば自費出版代行の会社なんですね。 出版協力費ウン百万円かを支払えば、どんな原稿でも本にしてくれる、出版社の利益は 実際の本の売上からではなく、著者からの編集協力費でまかなわれる、ということのようです。 そういう会社であれば、校正に細心の注意を払うわけがありませんね。 また、著者が全経費を自前で持てば、何十万部だろうと印刷すること自体は可能なんでしょう、 おそらく。
この本は実際にどれだけ売れたのか、文芸社がどのように営業努力をしたかについては、 はっきりしたことはわかりません。 売れているという実績がなければ、書店側も平台には並べないでしょう。 ただ、この本が話題になることによって、「この程度の文章力でも文芸社ならベストセラー にしてくれるんだ!」と全国の作家志望者に思わせたとしたら、文芸社側のメリットは、 色々と大きいでしょうね。
あまり書くと営業妨害になりかねませんので、この辺で。 |
No.14210 - 2003/09/11(Thu) 12:20 [p62cee8.tkyoac00.ap.so-net.ne.jp]
| みなさんいろいろ書かれてますが、別の視点で。
私も以前アマゾンレビューを投稿したことがあったのですが、なかなか掲載されなかったのですよ。 問い合わせのメールを出したところ、 「著者を誹謗すると思われる部分があるので、検討中」との返事が来ました。 その後ちょっとしてから、一部分カットした状態で掲載されました。 きちんとソースを明記した上での間違いの指摘を誹謗と言うのか~と 思ったのですが、この『リアル鬼ごっこ』レビューのすさまじいこと。(^^;) 投稿数が多くなって、審査基準が変わったのでしょうか。 あと、「このレビューは参考になりましたか?」投票へのクリック、 他人への投票が受け付けてもらえないのは私だけでしょうか?(?_?) |
No.14211 - 2003/09/11(Thu) 12:31 [p29ce38.ykhmac00.ap.so-net.ne.jp]
| 新井新一さん、こんにちは。
>この出版社で原稿公募してるんですよね。 >http://www.bungeisha.co.jp/contest/phoenix/ > なんか見つくろって送ろうかな…。
文芸社について少しばかり解説を。 ここはあのオカルト本で有名な「たま出版」の子会社です。 いちおう新聞広告などでは「原稿募集」してますが、実際には、素人の原稿なんて、大半が売れそうにない代物です。まともに出版しても儲かるはずがない。そういう場合、「協力出版」という名目で、著者に出版費用を負担してもらうわけです。 つまり文芸社の本の多くは、実質上、自費出版本なんです。 その料金ですが、本によって違うものの、初版1000部で100万とか160万といった値段であると耳にしています。たぶん『リアル鬼ごっこ』の作者も、金を出したはずです。自費出版でなけりゃ、こんな本が陽の目を見ることなんてありえません。 仮に1000円の本が1000部完売しても、売り上げは100万円。著者の手に渡る印税はその数%ですから……まあ、何万部も売れない限り、著者はまず儲からないですね。儲かるのは文芸社だけ。すでに著者から金を貰ってるんだから、1冊も売れなくても損はしない仕組みです。 これを同人誌と比較してみましょう。仮にA5版200ページぐらいの同人誌を1000部刷るとして、装丁に多少凝っても、50万円もあれば充分です。しかも売り上げはすべて自分のものになるわけですし。(ただし、僕の経験から言うと、同人誌を1000部も売るのは、相当のネームバリューがないと無理ですね) 文芸社に原稿を持ちこむメリットは、「商業出版」という箔がつくということです。「自分の本が書店に並んだ」という自己満足を得るために、著者のみなさんは金を出しているわけです。
自分の作品に自信があるなら、どこかの新人賞に応募するべきです。入賞すれば、ただで本にしてもらえます(競争率は数百倍ですが)。 もちろん、応募する出版社はちゃんと選んだ方がいいと思いますよ、ええ。
四号駆逐戦車さん、こんにちは。
>山本先生、ここの“13刷”は恐らくトリックです。
僕も刷数はあまり信用できないと思います。しかし、げんに売れてるのは確かですからね。 ちなみに初版発行日は2001年12月15日、僕が買った「13刷」の発行日は2003年6月1日です。さすがに発行日の嘘はつかないでしょうから、今年になっても増刷が続いてるということですね。
黒のカインさん、こんにちは。
>かく言う私がいちばんウケたのは「遠く離れると横浜の巨大な遊園地ができた」です。
たぶん作者は「遠くに横浜の巨大な遊園地が一望できた」と書きたかったんだろうと思います。 いくら自費出版でも、普通は校正ぐらいすると思うんですが。
定山渓秘宝館さん、こんにちは。
> 釈迦に説法で申し訳ありませんが、流行ってるから読む層はそんなものかと。 >流行ってしまえば内容はどうでも良くなるから猫も杓子も躍起になってブームを仕掛けてる訳ですし。
それは分かるんですが、問題はなぜこれが流行ったのかということなんですよ。 一説によれば、『バトル・ロワイヤル』みたいな小説だと勘違いした読者が買ったと言われてるんですが、そんな理由で流行しないでしょ、普通? いったい何があったのか? それが理解できないんです。
言霊師さん、こんにちは。
>いや、逆にこれは良い本かもしれませんよ >文法などの誤りをどれだけ指摘できるかで、その人の国語レベル判定の指標になるかもしれません
ネットでの評判を見ても、「校正の問題集」という評がありました。確かに校正者を目指す人にとっては、絶好のテキストかもしれません。 一方、文筆業の方、文筆業を目指す方には、おすすめしかねます。というのも、読んでいるうちにこっちの言語感覚がおかしくなってくるんです(笑)。いや、マジで。長く続けて読んでるとしまいには慣れてきて、あれでもいいような錯覚に陥ってくる。 僕は途中で何度か中休みを入れて、別の本を読んでリフレッシュしなくちゃいけませんでした。ヤバいです。 この作者、すでに2作目も出してるそうですが、さすがにもう読みたくないです。
ちなみに、ここの議論がかなり熱いです。
http://www.geocities.jp/mn676/hon/bungei/p/p0001.html
作者インタビューはここ。
http://www.bungeisha.com/bookstage/realoni.shtml
>「実は、僕はそれほど本が好きだったわけではないんです。どちらかと言えば、読書は嫌いでした」
……読書嫌いですか。納得(笑)。 |
No.14214 - 2003/09/11(Thu) 13:40 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| ちょっと時間あったもので、最寄りの図書館で探して来ました (さすがに買うのは・・・・) 蔵書数1冊あったんですが、残念ながら貸し出し中でした 私以外にも物好きがいたのか(爆) まあ、内容知らずに話題だけで借りたとも考えられますが、残念です さすがに、この本のためだけに再び探しに行くのもためらわれますので、なにかのついでのときにでも見つけたら読んでみたいと思います。
山本さん、こんにちは
読んでいるうちに言語感覚がおかしくなりますか(笑) それは、かなり危険ですね 心して読むこととします (別に文筆業ではないですから、問題ないと言えばないんですが)
それでは、山本さんの次回作に悪影響が出ないことを祈りつつ、失礼いたします |
No.14216 - 2003/09/11(Thu) 17:46 [o166236.ap.plala.or.jp]
| > 作者インタビューはここ。 > http://www.bungeisha.com/bookstage/realoni.shtml > >「実は、僕はそれほど本が好きだったわけではないんです。どちらかと言えば、読書は嫌いでした」 > > ……読書嫌いですか。納得(笑)。
それよりも、こっちの方が・・・・・ 「一番印象に残っているのは、原稿のやり取りをしている時のことですね。主に言葉の使い方や、物語の組み立てについて教えていただいて。いろいろなところを指摘されたことが、とても勉強になりました。(中略)スタッフの方々はとても親切で、何も分からない僕に一から丁寧に教えてくださいましたよ。」
読んでいないくせにこんなことを言うのもあれなんですが、皆さんのご指摘通りだとすると、この”スタッフの方々”も何者なのでしょうか。 韮澤さんのお弟子さんとか(笑) 今日本屋に行って、あったら買うべきでしょうか? |
No.14219 - 2003/09/11(Thu) 19:55 [fw-ext.agrex.co.jp]
| すみません、私の父がやろうとしたことがあります。 1万部を全国の書店に並べるのに2400万円もかかるそうです けっきょく、文章そのものが書けない父は原稿ができないで 挫折していましたが、もしも本になっていたら 同じ状態になっていた可能性があります。 一時期、出版社の営業が何度も来ていましたよ、 お金を払えば書店や図書館に並ぶように営業までしてくれるそうですよ 家は金持ちそうに見えますから、上客だと思われたんでしょう
私の友人に自伝を5000部も作って全国の施設に配った アホウ者がいます、部下が総出で全国発送の仕事に追われていました まあ、自分の出世の自慢本なんですが 施設出でもお金持ちになれるという夢と希望を与えてくれるだけましかも、
もっと、すごい人に 地方テレビの放送枠を買って自分のライブショーを放送した 関さんという人がいました。
きっと、この作者は資産家なんですよ、 毎年増刷されているのはお金が入るたびに増刷してるんですよ |
No.14221 - 2003/09/11(Thu) 20:10 [AIRH03273018.ppp.infoweb.ne.jp]
| >>山本様 文芸社の公募に送るというのは冗談半分の発言だとしても、正直、何度も落選していると悪魔の誘惑に負けそうになります。 しかし、肝心なことを忘れていました。
>>自分の作品に自信があるなら、どこかの新人賞に応募するべきです。
そうですね。自分で自信を持たなければ…。 ありがとうございました。 |
No.14224 - 2003/09/11(Thu) 21:49 [hccprxy5.bai.ne.jp]
| 当地では店頭になく未読なので、とりあえず皆さんの仰るとおりだとします。 文芸舎が費用を筆者が出すなら、ろくに校正もせず何部でも出版してくれる出版社だというのは理解できます。 山田悠介氏のHPによると、『「親指さがし」幻冬舎より9月25日出版』とあります。 http://www.h3.dion.ne.jp/~santasan/ 幻冬舎って、創設以来、人気作家を起用したりしてヒット作品を何本も発行している普通の出版社ですよね。個人的には嫌いな出版社ですが、ちょっとショック。 これはどう解釈すべきか? 幻冬舎は売れるなら作者の質は問わない俗悪な会社なのか、それとも3作目はまともな作品なのか? 嫌な気分になると同時に、世の中こんなものかと冷ややかな気分にもなります。 山本弘様 プロの物書きとして、憂鬱になるお気持ちも分かります。が、多くの職業で、ちょっと理屈が分かる人の目から見ると、信じがたい愚行が世間で受け入れられることは、残念ながら少なくないと思います。あまり悩まれるのも体に悪いかと。 かくいう私も、『なんで生体内常温核融合なんてトンデモな商品を信じて、金をムダにする人が後を絶たないんだ』と、暗澹たる気分になることも時々ありますが、出来ることをするしかないのだと、自分を励ましております。 どうか御自分の力量を信じて、良質な小説を発表して下さい。ファンの一人として、及ばずながら応援しております。 ご苦労なさっているようですが、新作も期待しております。 (上記、蛇足ながら。どうも最近、山本様の書き込みから落ち込みといら立ちを感じてしまうもので。) |
No.14228 - 2003/09/11(Thu) 23:08 [pppo046.oit-net.jp]
| 少し読みました。同作者の『@ベイビーメール』(文芸社)も。 (少しというのは結局読み通せなかったから・・・) 『@~』はさすがに文章はこなれはじめていました。一応現代が舞台なので、おかしな所はさほど多くなかったです。 で、この二冊共に図書館に入っていたのです。作者の居住区ではないので、寄贈とかの可能性はないでしょう。 言霊師さんの近くの図書館でもあったという事は、けっこうあちこちの図書館に置いてあるのかな。
ついでに、知り合いの知り合いが文芸社で本を出していたりするから書いておきますが、自費出版が全てダメという事はないです。 そこそこ大きな賞の最終選考まで残った作品が出版されていたりするし。 最近も自費出版を経由して、東京創元社からデビューできたミステリ作家が二人います。 (いや、ミステリが特別なのか? 文章だけでいうなら一時期の新本格はひどかったし・・・) |
No.14229 - 2003/09/11(Thu) 23:56 [user070.ehm.enjoy.ne.jp]
| 私は読みましたよ、この本。と言っても学校の図書館ですが。
読んだ時、文章に感じた違和感、その理由は山本先生が詳説して下さっているので重ねては書きません。様々な方が酷評されていますが、少なくとも私は「破滅への予感、迫り来るスリル」は感じました。無論、 「こんな本でスリルなんぞ感じるか!」 という方も多いでしょうが、私は(主観として)感じました。主観なので、どんなに「この本は駄作だ」という評価をされても変わりません。
でも、それだけです。
はっきり言います。私はそれ以外の点でまったく魅力を感じられませんでした。先ほど挙げたスリルも、結末を知った後の二読目では全く感じませんでした。つまり、もう魅力を感じる点が皆無になってしまったのです。 その「スリル」も、当然それから導き出される「凄まじいバッドーエンド」か、もしくは「それを裏切る平穏なハッピーエンド」、どちらかを期待していたのに、あったのは「凡庸な(と私には思えた)バッドエンド」。
それにも増して致命的と思えるのが、「展開が読めてしまう」こと。私が本を読みすぎなのかもしれませんが、「どこかで見たことある」と思ってしまうんですよ。あちこちの「いい」シーンを繋ぎ合わせたような感じです。 私の国語の先生で、「バトル・ロワイヤル」を「あちこちの映画からのパクリの集大成」と批判した人がいました。また、「ストーリー的な欠陥」を指摘する論評も読みました。しかしながら、バトル・ロワイヤルには、緊迫感(先が読めない)や筆力(リアリティ)が、少なくとも作品として成立し得る程度にはあったことは確実です。
と言うわけでコレ駄作、そう言い切りたくなります。しかし私は、ここで少し考えてみるのです。「何故コレは売れたのだろう」と。
一部の純文学などは例外なのかもしれませんが、大衆文学にとっての目的の一つは「人口に膾炙する」事であろうと思うのです。話題に上って、売れて、増刷される。そうしなければ出版社さんは儲かりませんし、多くの人に受け入れられると言うことは、その作者さんにとっても本懐でありましょう。
今は出版不況と言われながらも、膨大な数の本が出版されています。その中で自費出版の本が売れるというのは、十一郎 様が仰られているような例外はともかく、基本的にはありえないと言っていいほどの確率であるわけです。 そこで本が売れる。そこにはなにか理由があると思います。
極論……と言うより暴論すると、「売れている本はすべからく良書である」と思うのです。無論学術書などで悪書が売れまくればそれはただの「トンデモ本」である可能性大なのですが、「売れる」ことが評価の基準である小説においては、充分にこれが成り立つと思うのです。
ここで誤解して頂きたくないのは、「売れている本は良書である」事が成り立っても、「売れていない本が悪書である」事は成り立たない、ということです。せっかく良い本でも、運悪く日の目を見ずに消えていく本や、それなりの売れ行きしか残せない本もあるわけです。売れる、売れないは運不運もあるものですから。
しかし、悪書であるならば、一時期は売れてもやがて売れなくなるものであるはず。なのにこうも売れつづけている。その理由を考えてみたいのです。
まずはオリジナリティ。「鬼ごっこ」というところに目をつけた作者の発想に敬意を表します。シンプルながらも面白い題材です。「一日一時間」という制限も、物語に幅を持たせてくれます。 また、そのシンプルさにより「生き残る」「妹を助ける」という軸も提示することができます。さらに読者のほとんどが「鬼ごっこで逃げる」という経験をしているために、主人公への共感とその恐怖を一体化することができるのです。
また、欠点のいくつかも弁護してみましょう。文章の欠点は「校正のミス」で無理やりにでも片付けて、「どこかで見たことのあるシーン」について考えてみます。
私事で……というより自分の恥を晒して恐縮なのですが、私も小説家にあこがれ、ライトノベルス某賞に初応募した経験があります。まあ、当然のごとく落選だったのですが。 その時のネタが「バトル・ロワイヤルもの」だったのです。その原稿を読み返してみると顔から火が出る思いです。 自分では斬新だと思っていたネタが、その後で読んだ本に出てくる……はっきり言って、傍から見たら私が「パクった」としか思えないほどに。前代未聞になる筈だったシーンは、どこかで見た凡庸なシーンに成り下がっている。そのシーンを重視すると、ロクにストーリーの軸もないまま、夢遊病気味に話が進むことになる。筆力も皆無で、同じ表現を何度も繰り返している。
冷静に考えれば当然なのです。作品の元になるのは「どこかで見たもの」であり、そのアレンジがうまくできないのは、経験不足から来る力量不足にほかなりません。そのシーンに振りまわされるのは、シーンを完全に自分のものとして取り込めていないからです。 同じ表現の繰り返しは単語不足、の一言で説明がつきます。
山本先生のようにプロとして長年活動しておられる方には分かり辛いかもしれませんが(当然筆力等も素人とは比べ物にならないわけですから)、私のような素人が書く小説にとって、よく陥りやすい落とし穴、そこにこの「リアル鬼ごっこ」も落ちてしまったと言えるでしょう。
結論。この本は題材や目の付け所はいいが、作者の力量がそれについてきていない。もしこれを実力あるシナリオライターが映画化したなら、きっと面白くなるでしょう。
……なんか最後は褒めてるのかけなしてるのか良くわからなくなってきてしまいましたが、私が言いたいのは、「売れている本には、必ずどこか良い所がある」ということなのです。たとえそれを欠点が大幅に上回っても。
ただ……それでも、「なんで売れたのかなあ」と思ってしまうんですよね。「売れている本には必ず良い点がある」それは事実ですが、これより良い点を持ち、もっとよくまとまっている小説もたくさんあるわけです。「なんでこれがベストセラーにならないのか」とか贔屓の作家さんの本を読むたび思います。 しかし、リアル鬼ごっこは現実に売れている訳です。近所の本屋で軒並み売れ行き一位になったこともありましたし。後はもう「マスコミなどに取り上げられた結果」くらいしか思い付かないのですが。
山本先生の言われている「分からない人々」がそのマスコミに乗せられて買っている。それは有り得ると思います。しかしそれも読者であることも事実です。 ならば、もうそれでいいではありませんか。楽しければいいのです、小説とは。「分からない人」がこの本で楽しめれば良し、山本先生の本で楽しめれば、それもそれで良し、です。 ただ、世の中には「分かる人」きちんといますし、私程度の若僧でも「ある程度のクオリティがあるかどうか」くらいは見分けられると自負しています。なら山本先生も、御自身の納得できるまで編集者さんと校正を繰り返し、満足できるクオリティの本を出してください。 そうすれば「分からない」人も楽しめるし、「分かる」人は読みながら頷く、そんな本になる。そう愚考いたします。 |
No.14234 - 2003/09/12(Fri) 03:45 [ntibrk019169.ibrk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]
| 山本弘様 > なぜこれが流行ったのか
自分的には3つ考えられます。
1)セールスポイントの強烈さ 恐らく、普段本を読んでいる方なら辟易するくらい「売り」が前面に出てるのではないかと。 ヤマトの「受」(笑)みたいな。
2)本当に柳の下の2匹目だった 山本様の挙げられた「バト・ロワ」説、無視出来ないと思います。 常に2匹目を狙って大きくなったのがスクウェア(ファイナルファンタジー作ってるとこ)ですし、 ウルトラ、ライダー、ガンダム、エヴァのブームに乗った2番煎じ群にもそれなりにヒット作が。
3)バッドエンドだから 今考えると???な作品でも、バッドエンドなだけで「リアル」「良い」と思う時期、ありますよね、、、。 「新マンが出なかったら『怪獣使い』はもっと名作になってた」とか真顔で語っちゃう時期が(赤面) 何故か、人間は悲劇すなわち名作、とする傾向があるそうです。 |
No.14235 - 2003/09/12(Fri) 05:48 [YahooBB219168028004.bbtec.net]
| >山本弘様 >しかし、単にトンデモな小説だというなら驚きはしません。僕が愕然となったのは、こんな代物が16万部(公称)も売れているという事実なんです。
あの、トンデモ本って売れるものも多かったのでは(黒豹シリーズ・買ってはいけない・ノストラダムス本など)。何で今更トンデモ本が売れたからって驚いてるのかよくわからないんですが。それに、山本様が「トンデモ本」と認定している以上、売れて欲しいわけですよね(鳥が増えたことを喜ばないバードウォッチヤーはいませんから)。と学会の活動の影響で、トンデモ本を買って楽しむ人が多くなったと考えてもいいと思います。
>つまり、読者の少なくとも1割以上は、文章がおかしいことにも、プロットが破綻していることにも気づかない、小説の良し悪しを見分ける目をまったく持ってないということなんです。
人それぞれ考え方は違うものなので、受け入れる人がいてもおかしくないと思いますけど。逆に10割の人が否定したのなら、それこそ個性がない集団で恐ろしいのですが。みんながみんな山本様と同じ考え方する必要はないと思います。 万人に受け入れられる作品が存在しないのと同じで、万人に否定される作品も存在しないのでは。
>こんなに苦労して書いた作品が『リアル鬼ごっこ』より売れなかったらと考えると(その可能性は充分にあるわけですが)、暗澹たる気分になります。
でも「リアル鬼ごっこ」のレビューでは「こんな稚拙な文を書く作者の小説なんてもう読みたくない」という意見が大半を占めてますよね。山本様が作品に対して頻繁に校正を行ってプロットを練ったのなら、「プロットが練られていてとても面白かった。それに文章も綺麗で安心して読めた。山本先生の作品をもっと読みたい!」と考える人も増えるので、校正やプロットの練り直しにかける努力も無駄ではないと思います。 山本様が何を目的として創作しているのか的確にはわかりませんが、作品には今後の売上や作家の評価に関わる側面もあるので、あまり目先の売上にこだわる必要はないと思いますよ。
しかし、この作者21歳にもなって本当に稚拙な文章を書くなあ。 11歳で脳障害なのに、あんなに高度な文章・詩を書く日木流奈君を少しは見習ったらどうだっ(←トンデモ)! |
No.14238 - 2003/09/12(Fri) 08:19 [YahooBB219172012126.bbtec.net]
| 流星様、おはようございます。少々僕の考えを述べさせてください。
> 極論……と言うより暴論すると、「売れている本はすべからく良書である」と思うのです。無論学術書などで悪書が売れまくればそれはただの「トンデモ本」である可能性大なのですが、「売れる」ことが評価の基準である小説においては、充分にこれが成り立つと思うのです。
僕は一応、本の関係ではありませんが、流通の仕事をしています。その経験で考えると流星さんは「商品」としての評価と、「作品」としての評価を混同なされているように見えます。売れる小説は、間違いなく商品としては優れています。しかし、作品として優れているとは限りません。
わかりやすい例で言うと、アイドル歌手がいますね。歌も踊りも下手だけど、なんか売れてしまう歌手など、いくらでも思いつくでしょう。それはつまり、歌手なのだけれど歌以外の所に魅力があったり、若い人にとって共感を持てたり、という要素があるから、CDが売れ、皆に好かれます。でも、CDが売れたからといって、音楽性が優れているわけでは、全くありません。
本も同じ事。もちろんテレビに登場する歌手や俳優なんかと違って、著者のルックスなどで売れるということは(あまり)ないでしょうが、それこそ小説の出来以外のところで、アピールするものがあれば、それだけでも十分売れてしまうものなのです。
流星さんも、プロを目指しているのであれば、「良い作品を作ること」と「商品を売り込むこと」は違うということを意識された方がいいと、僕は思います。
P.S 時間制限付きリアル鬼ごっこというアイディアは、申し訳ありませんが斬新とは思えません。高橋留美子さんが「うる星やつら」で20年も前にやってますから。 |
No.14241 - 2003/09/12(Fri) 10:41 [thsndi012067.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]
| こんなのが売れてるからっていちいち落ち込んでたら、創作系同人なんてやってられません(苦笑)。 どー見ても鉛筆書きの落書きの寄せ集めが、作者と元作品のブランド名だけで行列ができちゃうからなー。
……負け犬の遠吠えと聞き流していただいてオッケーですが(泣笑)。 |
No.14244 - 2003/09/12(Fri) 12:29 [101.suba401.attnet.ne.jp]
| >>笠原 和義様
20年の前なら斬新と思われても仕方ないのでは(笑 むしろ20年も前のことをしっかりと記憶されている方のほうが少ないと思います |
No.14246 - 2003/09/12(Fri) 15:50 [p4162-ipad01okidate.aomori.ocn.ne.jp]
| Yahoo!でもAmazonでも、酷評されていますね、この『リアル鬼ごっこ』は。 「金返せ」という意見も多かったので、自分でお金を出してまで買う気にはなれず、近所の図書館に行ってみたのですが、予約者がすでに32人もいました。私が読めるのは、だいぶ先のようです。 ともかく、『リアル鬼ごっこ』が売れていること、読まれていることは確かでしょう。
未読ながら、自分なりに推理してみました。
①なぜ、滅茶苦茶なひどい文章が書けるのか? 作者は非常に若い方です。これは、「ゆとり教育」の弊害があらわれたのでしょう。(嘘)(笑)『分数のできない大学生』という本が話題になったことがありますが、これからは「文章の書けない小説家」の時代でしょう。(冗談)
②なぜこれほどまでに売れ、読まれるのか? これは「100匹目のサル」現象でしょう。最初の何千部かは作者がカネにあかせて刷らせたのでしょうが、一定の部数を超えたあたりで、「100匹目のサル」現象が発動した。(嘘) ああ、それとも、売れているのも、「ゆとり教育」のせいかもしれません。熱狂的に支持している中学生がいました。「ゆとり教育」のレベルにふさわしい内容の小説みたいですから。 |
No.14250 - 2003/09/12(Fri) 21:56 [W183123.ppp.dion.ne.jp]
| 今、昨日の自分の書き込みを見直してみて、頭抱えました。論理が迷走してますし、一番大事な「言葉を一般的用法とは異なる使い方で用いる場合は、必ずその定義付けを明確にしなければならない」を忘れていました。これでは山田悠介氏を笑えませんね……。
私が「売れている本はすべからく良書である」と言った時の「良書」の定義付けをまず御説明いたします。一般に言われる「良書」とは、末文の方で書いた「(読者が)満足できるクオリティの本」であろうと思います。しかしここで私は、「クオリティに関わらず読者が面白いと思える本」という意味で用いています。 「悪書なら売れない」これが普通なら当たり前です。もちろん一般的なトンデモ本なら「騙された」ということもあるのでしょうが、これは小説です。こんな欠点の多い悪書なら、当然つまらない=売れないのが自明の理、と言うことになるわけです。 にもかかわらず、この本は売れている。逆説的な言い方になってしまいますが、「これほどの欠点をも凌駕する何か」があったと思うのです。それを見付けようとしたのが前稿ですが、残念ながらあまりうまくはできませんでした。
もう一つの論点は、「分かる」読者であろうと「分からない」読者であろうと、読者であることにかわりはない、と言うことです。ただ、クオリティの低い小説は「分からない」読者のみしか楽しませられませんが、クオリティの高い小説は「分からない」読者と「分かる」読者、双方を楽しませることができます。すなわち、クオリティの高い小説は低い小説に比べて幅広い読者層を獲得できる、と言うメリットがあると思えるのです。
この二点をお含み置き頂いた上で、笠原 和義 様のご意見に対する反論を試みてみたいと思います。申し訳ありませんが、少々お付き合いくださいませ。
>僕は一応、本の関係ではありませんが、流通の仕事をしています。その経験で考えると流星さんは「商品」としての評価と、「作品」としての評価を混同なされているように見えます。売れる小説は、間違いなく商品としては優れています。しかし、作品として優れているとは限りません。
これに対しては、 「面白い作品でなければ売れない」 という論理で私は論を構築しているわけです。面白くない作品が、一時期はともかく、こうも長期に渡って売れつづけるでしょうか? したがって、「作品として優れていない」作品が、売れるというようには思えないのです。
また、この逆「面白い作品が売れない」という事実については、
>ここで誤解して頂きたくないのは、「売れている本は良書である」事が成り立っても、「売れていない本が悪書である」事は成り立たない、ということです。せっかく良い本でも、運悪く日の目を見ずに消えていく本や、それなりの売れ行きしか残せない本もあるわけです。売れる、売れないは運不運もあるものですから。
というように否定しております。 この論に対する反論となりうるのが以下の部分であると私は拝察いたします。
>わかりやすい例で言うと、アイドル歌手がいますね。歌も踊りも下手だけど、なんか売れてしまう歌手など、いくらでも思いつくでしょう。それはつまり、歌手なのだけれど歌以外の所に魅力があったり、若い人にとって共感を持てたり、という要素があるから、CDが売れ、皆に好かれます。でも、CDが売れたからといって、音楽性が優れているわけでは、全くありません。
この例え話の意図は、「作品の価値以外のところでも売れる要素がある」というところにあると解釈してよろしいでしょうか? これは私も一応は考慮に入れたのですが、
>後はもう「マスコミなどに取り上げられた結果」くらいしか思い付かないのですが。
という事ぐらいしか、まさに思い付かなかったわけです。。 流行とか話題性が喚起されて、それに乗って買った人の多くが「騙されたあっ!」と嘆く……と言う構図でしょうか? どうもコレもいまいち説得力がないなあ、と考え込んでしまうのですが。
原点に戻って考えてみますと、そもそも「駄作と言いたくなる小説が、何故売れたか」から始まりました。 実は先ほど書いた「クオリティの高い小説は低い小説に比べて幅広い読者層を獲得できる、と言うメリットがある」という論も、「でもそのクオリティの低い小説がクオリティの高い小説より売れている」という事実によって否定されてしまうわけです。なぜなのか。 その答えが「作品以外の魅力による」となるなら、「それも作品としての評価の一部である」という解釈も出来るか、と思います。それこそ「小説の出来を覆すほどの何か」があるわけですし、それが「作者のカリスマ性」とかはおそらくないであろうと考えると、作品そのものに密接に関わって来る要素である可能性大、と思えるのです。
>流星さんも、プロを目指しているのであれば、「良い作品を作ること」と「商品を売り込むこと」は違うということを意識された方がいいと、僕は思います。
それは無論のことだと思います。私もいつも「どうやったら面白くなるかなあ」と考えている訳です。 ただ、もしそれを認めて頂いてデビューできたなら、今度は営業に走りまわるんだろうなあ、とは思います。やはり自分で本が出せたら、今度は売れたいと思いますから。 ただ、そのためにはまず「良い作品を書いて認めてもらう」という前提があるので、結局私はパソコンの前で首をひねっていることになるのです。
>P.S 時間制限付きリアル鬼ごっこというアイディアは、申し訳ありませんが斬新とは思えません。高橋留美子さんが「うる星やつら」で20年も前にやってますから。
二十年前と言うと、私が生まれる数年も前ですね。さすがにその作品の詳しいことは知らないです。TV特番かなにかで得た記憶によると、「トラジマのコスチュームを着け電撃を放つ宇宙人と、情けない男の子のラブコメ」だったように記憶しているのですが。「リアル鬼ごっこ」の元ネタとなるエピソードがあったなら、御教示頂ければ幸いです。
愚考ではありましたが、どうか御指摘・御教示くださいますよう、お願いいたします。 |
No.14255 - 2003/09/13(Sat) 00:09 [ntibrk019169.ibrk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]
| 前回のに追記しておきますが、東京創元社からデビューできた人の自費出版作品が、どの程度売れたかは知りません。 商品として良い自費出版本があるという事ではなく、作品として良い自費出版もあるだろう、という事です。
ある作品が大ヒットしているように見えても、他の作品もしっかり宣伝されればよりヒットするかもしれません。ヒットしているかどうかは良作か駄作かを判断する時のせいぜい参考ぐらいにしかならないでしょう。
さて便乗して、なぜ売れるかの仮説。 ・題名が上手い。 誰もが知っているような単語を組み合わせてインパクトの出る題名というのは、けっこう難しいでしょう。 『リアル鬼ごっこ』も『@ベイビーメール』も簡単で覚えやすいわりに、似たような題名はあまりない。 作者があまり本を読まない事が、逆に効果を上げたのではとさえ思います。 ・表紙のデザインも良い。 題名だけのシンプルな表紙ですが、二作とも字体やその位置が適格だと思いました。 表紙にお金をかけられない自費出版物である事や、題名の良さのおかげ? ・文芸社で出版したから。 上の二つは本自体の評価ですが、これは外的な可能性です。 文芸社は自費出版物ばかりそろえている。当然、一つの作品につき刷る部数は限られる。また、売れるような作品はそれほど多くない。 だから他の出版社では相手にされないような本でも、棚を埋めるために刷り続けられる。 ・知らない人が読者。 笠原 和義さんが指摘していますが、『リアル鬼ごっこ』に似た内容の作品や前例は少なくありません(ゲームにも似たような物があったような) つまり、作者が知っているかどうかは別として、過去作品の烈火コピーになっているという事。そして他に目を移せばずっと良い作品があると知らない人が読み続けるというわけ。 いやまあ、シリーズ最新作だけを見て、過去作品を見ずに批難する人はけっこういまして(愚痴めくので以下略) |
No.14256 - 2003/09/13(Sat) 00:19 [user079.ehm.enjoy.ne.jp]
| 流星さん、こんばんは。笠原です。 流星さんのレスはとても好感が持てますね。まだお若いようですが、どうかそういう姿勢を大切にしてください。
さて。
>クオリティの高い小説は「分からない」読者と「分かる」読者、双方を楽しませることができます。すなわち、クオリティの高い小説は低い小説に比べて幅広い読者層を獲得できる、と言うメリットがあると思えるのです。
と、お考えのようですが、僕はここに反論をしてみようかと思います。つまり、クオリティの低い小説の方がかえって受け入れられやすい場合があると、僕は考えています。
『ももいろシスターズ』という漫画のギャグで、生乳をつかった一個数百円のプリンより、一個80円の「プッ○ンプリン」のほうがおいしく感じられて悲しい、というものがあります。こういう経験って、誰しもあるんじゃないかしら。ちなみに、僕は缶コーヒーが大好きですが、おそらくそれよりおいしいだろう喫茶店のコーヒーには何の興味もありません。
つまり、良いと感じることには、その人間の「慣れ」という部分によるところが大きいと思うのです。良いものにある程度接していないと、良いものと良くないもの、あるいは悪いものとの区別つかなくなるのではないでしょうか。
そこで、慣れていない人が本を読む場合、クオリティの高さが逆にあだになる場合があると思います。どんなものでも、クオリティの高いものは楽しむために、ある程度の体力とか気力とかを必要とします。あるいは重い、軽いと言い換えてもいいかもしれません。 分量や表面的な明るさ、暗さとは別に、読み応えのある重みのある作品と、軽くて読んでも何も残らないような作品では、どちらが売れやすいか。本を人生の糧と考えている人は、重い作品を買うことのほうが多そうな気がします。また、軽いものを間違って買ってしまったら、文句のひとつも言いたくなるかもしれません。でも、たとえば本を暇つぶしに思っているような人であれば、自分の人生に影響が出るような本は、買わないかもしれません。あるいは、買ったとしても、本当の良さがわからないで、面倒くさいと思うかもしれません。
売れるというのは、単にその品に対してお金を払ったということにしか過ぎません。買う人によって、本の役割が違うのに、単純にお金を払ったという事実だけで比較するのは無意味だと思います。 作家や、作家志望の方であれば、当然本に感銘を受け、人生に影響を受けたから、他の人もそうだと考えたくなるのでしょうが、悲しいことに、実際は、缶コーヒーのように飲んで空き缶入れにポイ、という買われ方もかなりしていると思います。
>ただ、もしそれを認めて頂いてデビューできたなら、今度は営業に走りまわるんだろうなあ、とは思います。やはり自分で本が出せたら、今度は売れたいと思いますから。
これは、逆かもしれませんよ。むしろ、営業しまくって、本が売れてから、初めてプロといえるのかも。星新一さんは、デビュー当事ではなく、ある程度売れっ子になってからも、持込みをしないとやっていけなかったそうです。時代は違いますが、ある意味考えさせられるエピソードですよね。
>二十年前と言うと、私が生まれる数年も前ですね。さすがにその作品の詳しいことは知らないです。TV特番かなにかで得た記憶によると、「トラジマのコスチュームを着け電撃を放つ宇宙人と、情けない男の子のラブコメ」だったように記憶しているのですが。 >「リアル鬼ごっこ」の元ネタとなるエピソードがあったなら、御教示頂ければ幸いです。
なんか、キン肉マン2世のキン肉バスターの扱いのような…(汗)。no faceさんの発言もそうですが、もうそんなになってしまうんですねえ…。
ええっと、「うる星やつら」はブックオフにでも行けば豪華版がおいてあると思いますので…。とりあえず、第1話が、鬼の宇宙人(トラじまコスチュームの娘)と時間制限つき鬼ごっこをする話なのです。負けると人類は侵略されてしまうという条件で、主人公は追いかける側なんですね。 まあ、違うといえば違いますが、やっぱり連想できてしまうわけで…。
とりあえず、作品は他人に鑑賞してもらうのが一番です。今はインターネットがあるのですから、作品はどんどんweb上に公開して、人にいろいろ言ってもらったらいいんではないですか?
ああ、長くなってしまった。すみませんです。 |
No.14259 - 2003/09/13(Sat) 01:19 [thsndi012067.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]
| なぜ売れるのかという点では・・・
山本先生が紹介されたので読む人が増えたかもしれないですね。 #私も読みたくなってしまいました。
売れる本、売れない本と作品の完成度と売れ行きですが、
メフィスト賞というのもがありまして、選考過程がある程度座談会 で公表されています。
最近若い人の作品が多く受賞していたりするのですが、 佐藤友哉さんも19歳でデビューして、四冊出版されました。
座談会では「今までの新人賞につぶされていた」「戦慄の19歳 登場」等々好評でしたし、出版後の座談会では売れ行き好評、 と書いてありましたが・・・
結局売上は総スカン(重版童貞といわれたらしい)、読者葉書も 「こういうダメな作家の本を出版した編集者の見識を疑います。」 とかそんなのばっかりだったそうです。 #作者もだいぶ落ち込んだようで、作品内で言及されています。
この作者の場合も「リアル鬼ごっこ」との共通点がありますが、 プロの編集者が選んで間違えることはあるということで。
もっともメフィスト賞受賞第二作は「コズミック」だからなあ(苦笑) |
No.14264 - 2003/09/13(Sat) 08:51 [s23.ItokyoFL35.vectant.ne.jp]
| 表紙だけで買ったという意見あり ジャケットが無駄にかっこいいからだ |
No.14265 - 2003/09/13(Sat) 09:48 [FLA1Aaj041.mie.mesh.ad.jp]
| http://www.geocities.jp/mn676/hon/bungei/p/p0001.html 上記URLでの購入者の意見によると、買った理由は。 ①タイトルにひかれた ②表紙がカッコ良かった ③「佐藤さん狩り」に興味を覚えて ④店が設置した「お勧めPOP」を信じた ⑤話題作だと聞いて ⑥バトルロワイヤルにイメージが似ていたから てなところのようです。
「佐藤さん狩り」のアイデアは悪くないものの、「少しでも中身を読んでいたら買わなかった」という意見が多いので、やはり作品の内容自体に売れる要素が有ったとも思えません。
私はサターンソフトの『デスクリムゾン』を思い出しましたね、常軌を逸した駄作だったため逆に話題になったゲームです。 この作品は製作者がゲームの作り方を知らなかったためあらゆる点で既存の作品を下回り、その結果異常なほど存在感の有る駄作になりました。
ただ、デスクリムゾンが「駄作っぷりを楽しむため」にゲーマーが買いあさったのに比べると、リアル鬼ごっこは期待して買った人がほとんどなのが問題ですが…… |
No.14271 - 2003/09/13(Sat) 15:55 [EATcf-78p168.ppp15.odn.ne.jp]
| ちょっと、ROMに徹していましたが、皆様の書き込みを見て感想を言います。 件の本は、まだ読んでいませんが・・・・・・。
結局のところ、宣伝が上手く行なえたから売れ行きが好調になっている、という事例に当てはまるのでしょうかね。 似たような話で、「人気が高かったから続編が作られた作品」は、前作そのものが宣伝になっているので最初は売れ行きなどが好調ですね。 作品そのものの良し悪しに関わらず。 それに、少しでも売上を伸ばしたい出版社側からしてみれば、悪い評判を出来る限りカットするでしょう。 本屋の側からしてみてもある程度のスペースを使って本を展示する以上、展示した分の利益は確保したいでしょうし、まさか『内容は陳腐』だという宣伝をするような真似は絶対にしないでしょう。 どちらにせよ、どんなに良い作品でも買い手の興味を引かなかったら売上は伸びませんし、また買い手の興味を引けば文字通り『勝てば官軍』の栄光を掴むチャンスを得るので、これらの上手な宣伝云々に対しては敬意すら持っています。 実際、名作と言っても過言が無い作品が、宣伝を全く行なっていなかったためにマイナーのままになってしまったという実例を知っていますから。
・・・・・・さて、これだけ偉そうな事を書いたからには、『リアル鬼ごっこ』を読むのが義務でしょうね。 では、また・・・・・・。 |
No.14275 - 2003/09/13(Sat) 18:37 [hrsm21910298177.gemini.broba.cc]
| レビュー、読んでみました。ここまで評価がきれいに分かれているのも珍しいですよね。酷評か絶賛か、どちらかしかない(笑)
D猫6番艦様の仰ってるように、宣伝の効果というものがやはりあるのではないでしょうか。本屋で見かけたときに、この本のPOP広告を目にしたのですが、否定的なことは書いていませんでした。 その広告を見た限りでは面白そうだと感じました。「衝撃的な内容」と書かれていましたが、なるほど違った意味で衝撃的だったんですね。本屋の店員さんも、当り障りのないことを書く為に頭を使ったと思われます。 |
No.14277 - 2003/09/13(Sat) 19:30 [proxy21.rdc1.kt.home.ne.jp]
| 売れている理由として、文字通り『トンデモ本』として楽しまれている一面もあるかも? なんたって、1ページ単位で笑える文章が目白押し。科学知識が不必要、読み込むエネルギーも時間も使わず手軽にトンデモを味わえます(笑)。 |
No.14285 - 2003/09/13(Sat) 23:56 [pddd704.tkyoac00.ap.so-net.ne.jp]
| リアル鬼ごっこものの元祖と言えば、そりゃあロバート・シェクリイの「危険の報酬」でしょう。 テレビで殺人ゲームが当たり前に行なわれるようになった未来社会、殺し屋の集団から1週間逃げのびたら20万ドルがもらえるという番組に挑戦する主人公……という話。設定は納得できるものだし、スリリングだし、マスメディアの体質に対する風刺も効いてるし、今読んでも面白い作品です。 シェクリイには他にも「七番目の犠牲」「人類の罠」など、未来の殺人ゲームを題材にした作品があります。「人類の罠」は優勝した者に豪華賞品が送られる苛酷な障害物レースの話。 その「危険の報酬」にヒントを得たと言われているのが『バトルランナー』ですが……ごめんなさい、映画は観たけどリチャード・バックマン(スティーブン・キング)の原作は読んでません。同じくバックマンの『死のロングウォーク』も未読ですが、設定を読む限りでは「人類の罠」を思わせますね。 何でも、『バトルロワイヤル』の作者は、『死のロングウォーク』を下敷きにしたと言っているそうですから、綿々と続く「殺人ゲームもの」の系譜と言えるかもしれません。 ちなみにバックマン(キング)が『死のロングウォーク』を書いたのは大学1年の時だそうです。『リアル鬼ごっこ』の作者より若いじゃん……。 |
No.14296 - 2003/09/14(Sun) 13:51 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| >笠原 和義様 >流星さんのレスはとても好感が持てますね。まだお若いようですが、どうかそういう姿勢を大切にしてください。
ありがとうございます。おっしゃる通り若僧ですので、御不快に思われた点などありましたら、遠慮なく御指摘頂ければ幸いです。
では、本題に移らせて頂きます。
>つまり、クオリティの低い小説の方がかえって受け入れられやすい場合があると、僕は考えています。 >つまり、良いと感じることには、その人間の「慣れ」という部分によるところが大きいと思うのです。良いものにある程度接していないと、良いものと良くないもの、あるいは悪いものとの区別つかなくなるのではないでしょうか。
>分量や表面的な明るさ、暗さとは別に、読み応えのある重みのある作品と、軽くて読んでも何も残らないような作品では、どちらが売れやすいか。本を人生の糧と考えている人は、重い作品を買うことのほうが多そうな気がします。また、軽いものを間違って買ってしまったら、文句のひとつも言いたくなるかもしれません。でも、たとえば本を暇つぶしに思っているような人であれば、自分の人生に影響が出るような本は、買わないかもしれません。あるいは、買ったとしても、本当の良さがわからないで、面倒くさいと思うかもしれません。
長文引用になってしまって申し訳ありません。確かにそれは一理あります。 となると、まず反論として思い付くのは「良作をそういう人にはたくさん読んでもらって、正しい感性を身につけてもらうべきである。ゆえにそれは読者が悪い」という考え方です。ですが、ここで「じゃあ、正しい作品とか感性ってなんだ」という疑問が生じます。
「子供の頃から良い作品に触れさせて感性を養う」というのはよく聞かれる題目で、学校の芸術鑑賞会の類では必ずこう書かれていたものでした。それは一面正しいと思えるし、作品の良し悪しというものはある程度の経験、例えば本ならば読書量が必要なのは事実です。 私はこの作品は、基本的には駄作であると考えています。それでも売れたというのは何か、私の気付かなかった長所があるのではないかと愚考したのが前稿までです。 ですが、この本を(一般的に言う)駄作もしくは悪書であると判断できたのは、私がそれなりには本を読んでいたからだと思いますし、それはこのスレに参加されているほかの皆様も同じだと思います。 つまり、「この本を良書と思っている人は見る目がない人だ」という結論に達せられるわけです。
でも、その人達の感性は間違っているのでしょうか?
「感性」というのは究極的には主観です。その主観(良し悪し)を伝えるために、こういう場で文とする時は客観性という要素を導入するのですが、それは主観である感想に客観的な要素によって説明、あるいはあるいは分析をしてみせたに過ぎません。
ここで「私はこの本の欠点を知っているが、それでも面白く思った」という人が出てきたらどうするのか。あるいは、「難しいことは分からないけど好きなんだよ!」という人は。 「君の感覚は間違っている。こういう本はつまらないと言う、『正しい』感性を持ちなさい」 とでも言うべきか。そもそも、「正しい感性」なんてものがあるのか。単に多数派と違う感性を持っているだけではないのか。
私も、某洋菓子店の一個五百円のゼリーを「不味い」の一言で切って捨て、三個で150円のゼリーを「旨い、旨い」と言って食べる人間です。逆にコーヒーは、数ヶ月前にやっと飲めるようになった時に喫茶店のコーヒーの飲み歩きをしたもので、缶コーヒーは甘すぎて飲めません。まさに「プッ○ンプリンを旨いと感じる」人間です。
でも、たとえ周りの人間に「貧乏舌」とからかわれても、「普段食べられるもので美味しいと思える分得」なのかもしれませんし、「何種類もある缶コーヒーを旨いと思えないのは損」なのかもしれません。世間一般の価値観とは違う「主観的価値観」は確かにありますし、その主観的価値観に合っていれば、その人の中では良品となるのでしょう。
結論に移らせて頂きます。 「クオリティの高い作品をかえって敬遠してしまう読者もいる。低くても喜ぶ読者もいる。したがって、売れたということは(後者の読者に受け入れられたに過ぎないから)、良作であると言う証明にはならない」 というご意見に対しての答えは、 「感性に貴賎はなく、『分からない』人のみに受け入れられたとしても、その人にとっては良作となりうる。その人数が多いなら、世間的にも『良作』としても良いのではないか?」 でよろしいでしょうか。
ですが、私はあることに気づいてしまいました。それは皆さんが既に指摘されているように、「騙されて買った」人達が大半だと言う仮説です。そうなると、「人数が多」くない以上、以上の仮説は無意味、この本はただの駄作、となってしまいます。
ここでお断りさせて頂きます。前回の書き込みで >「作品以外の魅力による」となるなら、「それも作品としての評価の一部である」という解釈も出来るか、と思います。それこそ「小説の出来を覆すほどの何か」があるわけですし、それが「作者のカリスマ性」とかはおそらくないであろうと考えると、作品そのものに密接に関わって来る要素である可能性大、と思えるのです。 と書き、「作品そのもの以外の要素も作品の一部と見なすべきである」と主張させて頂きましたが、ここからはあえて「別物」として論じさせて頂きたいと思います。
理由は二つありまして、一つは十一郎 様の御指摘にもあるような「作品そのもの(の内容)に関わって来ない要素」の存在の可能性。もう一つは、その方が「世間一般では駄作と言われた小説が何故売れたのか」を考えるのに分かりやすいからです。
では、その「リアル鬼ごっこをベストセラーにした作品以外の要素」とは何なのか。一つ大胆な仮説を思いついたのでここに記したいと思います。
まず、皆様が書き込まれておられたような要素の一つ、あるいは複数の相互作用で「ある程度」売れます。そうすると、それが商業出版ではたいした事がなくても、自費出版ならすごいという事で、話題に上り始めます。
そうしたら、本屋も当然入荷(おそらく数冊でしょうが)します。その時の宣伝文句はおそらく「自費出版としては異例の大ベストセラー」といったところでしょう。多少大袈裟ですが別に嘘ではありません。「自費出版としては」売れたのですから。
すると、「ベストセラー」というような言葉に惹かれて、「底まで面白いなら買おうか」という人も出てくるでしょう。最近はネットの口コミもありますから、尾鰭がついた噂も飛び交うかもしれません。事実、読む前のコメントが『自費出版にしては異例の大ベストセラーらしい。楽しみだ』、読了後が『金と時間返せ!』というようなサイトもいくつかありました。したがって読む前の部分だけ読んだ人が、本屋さんで目を止める可能性があります。覚えやすい題名ですし。
そうなると、一万部くらいはいく訳で、すると本当に「自費出版としてはベストセラー」となり、マスコミに取り上げられたりもします。するとその影響力で本屋で手に取る人も出てくるし、本屋も「○○で取り上げられました!」というようなポップを立てるところがあるでしょう。 そんなこんなで本当に、頭から「自費出版としては」の文字が取れ、部数を重ねるごとにそれに比例して感化される人も増えるようになっていき、やがては今のようになるのです。
ちなみに、ネットでの擁護評は、「私が面白いと思った作品がこけ落とされてる」という人の書き込みも多いでしょうから(否定派は他にも大勢の人が代弁してくれているので書かない)、一概に書き込みの比率が読者の感想の比率と等しいとは言えない、ということで説明がつきます。
とまあ、かなり推論を重ねた論ではありますが、こういうのも一要素としてはありえるのではないでしょうか。でもそうするとますます擁護するのが難しくなってしまうのですが……。
>ええっと、「うる星やつら」はブックオフにでも行けば豪華版がおいてあると思いますので…。とりあえず、第1話が、鬼の宇宙人(トラじまコスチュームの娘)と時間制限つき鬼ごっこをする話なのです。負けると人類は侵略されてしまうという条件で、主人公は追いかける側なんですね。 >まあ、違うといえば違いますが、やっぱり連想できてしまうわけで…。 この説明を伺う限りでは、「リアル鬼ごっこ」と違う点は 二つありますね。 一つは「主人公が追いかける側である」こと。やはり追いかける側より逃げる側の方が緊迫感があるわけで。 そしてもう一つ、これが大事なのですが、「リアル鬼ごっこの主人公は人類や世界を背負っていない」点。彼の心配はあくまで自分とその周辺に限られる訳で、世界を救おうなんてことは考えていない訳です。もっとも、「大上段の正義を掲げない」というのも最近の作品のパターンの一つなのですが……。 >とりあえず、作品は他人に鑑賞してもらうのが一番です。今はインターネットがあるのですから、作品はどんどんweb上に公開して、人にいろいろ言ってもらったらいいんではないですか? 友人のサイトで好意により「投稿小説」という形で寄稿させて頂いています。たとえ辛口だとしても、やはり感想が返って来るのは嬉しいものです。
長文になってしまってすみませんが、御意見をお待ちしております。 |
No.14315 - 2003/09/15(Mon) 00:58 [ntibrk019169.ibrk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]
| >>tomoさま
まったくの横レスなのですが、佐藤友哉氏は、結局「クリスマス・テロル」など軒並み重版・三版とかかったあげく、イラストを変えた新装版など出しているので、売上総スカンというわけではないようです。昨今のノベルズで単なる再版でもどれだけ難しいかを考えれば、選出した編集者は間違えたとはいえないでしょう。
というか、佐藤友哉の場合、「売れなくてダメで弱い作家」というのをウリにしようとしているようです。 この前出た雑誌『ファウスト』のエッセイでも、「講談社最低部数の重版だからやっぱりボクはダメなんです」と、なんとか弱いのだと言い張ろうとしている節がw |
No.14316 - 2003/09/15(Mon) 02:10 [p24052-adsao01daikai-acca.hyogo.ocn.ne.jp]
| なんかこーゆー「中身スカスカで無名の作家が書いた本なのに、なぜか売れてしまう」 というのを見ると、「こち亀」の両津の商売を連想します。
両津は時々弱小出版社や企業と組んで、実は単なる下手くそなのに世間からは「何と大胆な作風だ!」と絶賛されてしまったり、あるいは中身はスカスカだけど奇抜な発想や派手な宣伝でヒット商品を生み出したりします。 あとで必ず調子に乗りすぎてその商品を作りすぎ、消費者からもすぐに飽きられてブームも速効で終わり、大量の在庫を抱えて大赤字・・ なんてオチが付いたりしますが。 |
No.14317 - 2003/09/15(Mon) 09:03 [pl494.nas911.kumamoto.nttpc.ne.jp]
| 珍奇郎さん、こんにちは。
> あの、トンデモ本って売れるものも多かったのでは(黒豹シリーズ・買ってはいけない・ノストラダムス本など)。何で今更トンデモ本が売れたからって驚いてるのかよくわからないんですが。
いや、『買ってはいけない』や『ノストラダムスの大予言』が売れる理由は理解できるんですよ。「ああ、こういう書き方をすれば騙される人もいるだろうな」と納得できる。『黒豹』だって、キャラクターのかっこよさとか、アクション・シーンの迫力とかは最低限あるわけで、そういう箇所に惹かれるファンもいるんだろうと思うんです。 ところが『リアル鬼ごっこ』には、他の作品より優れている要素が何ひとつ見当たらないんです。それなのに売れていることが、僕にはショックだったんです。
> 人それぞれ考え方は違うものなので、受け入れる人がいてもおかしくないと思いますけど。逆に10割の人が否定したのなら、それこそ個性がない集団で恐ろしいのですが。みんながみんな山本様と同じ考え方する必要はないと思います。
確かに、ある作品を好むかどうかはその人の個性であり、相対的なものにすぎません。しかし、「日本語が正しいかどうか」「プロットに矛盾はないか」というのは相対的な問題ではありません。絶対的に判定可能な問題です。 読者のほとんどは、学校でちゃんと国語教育を受けているはずです。それなのに、この作者の日本語が間違いだらけだということに気づいていない人が大勢いる。これは由々しき問題ではないかと思うのです。
流星さん、こんにちは。
> ここで「私はこの本の欠点を知っているが、それでも面白く思った」という人が出てきたらどうするのか。あるいは、「難しいことは分からないけど好きなんだよ!」という人は。 >「君の感覚は間違っている。こういう本はつまらないと言う、『正しい』感性を持ちなさい」 >とでも言うべきか。そもそも、「正しい感性」なんてものがあるのか。単に多数派と違う感性を持っているだけではないのか。
僕はそんなことを言ってるんじゃありません。これは「感性」の問題じゃないんですから。 本当に「私はこの本の欠点を知っているが、それでも面白く思った」という人がいるなら、僕はそれを否定しません。感性は自由です。 しかし、ネットでの評判を読むかぎり、この本を評価している人たちの多くは、そもそも、この本が欠陥だらけであることに気がついていないんです。せいぜい「文章にはいくつかおかしなところがありますが」という程度。 しかも彼らは、「こんな面白い小説を読んだことがない」とか「くやしかったらお前らも書いてみろ」とか言い放つのです。 これは作家にとってはショックな言葉です。「じゃあ、僕らがやってることはいったい何なの?」と。「いい小説、面白い小説を書こうと、僕らプロ作家はみんな苦労しているというのに、あなたたちには『リアル鬼ごっこ』の方がいいの?」と。 この不条理感を言い表す適切な言葉を、僕はまだ思いつけないでいます。
追記: 先日、書店で2003年8月発行の「15刷」を発見しました。ということは7月に「14刷」があったのか? あるいは、昔、大陸書房がやっていたという奇数刷り?(増刷数が奇数しかなく、1刷の次が3刷、次が5刷になっている) 12刷や14刷など、偶数の刷数を発見された方、ご報告願います。 |
No.14324 - 2003/09/15(Mon) 12:07 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| 読みました。 内容以前に、日本語の使い方の下手さ、表現の拙さにイライラしました。 場面転換も行き当たりばったりで、いきなり現れる描写に、何か伏線を読み落としたんじゃないかと読み返したり、内容がない割に読み下すのに時間がかかりました。 作者があまり本を読んでいないと言うことなら、たぶん、いくらもあるこれよりマシな小説を読んだことがないんでしょうねえ。 SFとかホラーは特にそうでしょうが、物語ってのは現実と違うことを描かなきゃならないから、「そんなの嘘だよ」と言われないために、荒唐無稽さに比例して作者はもっともらしい世界観を構築する(少なくともそう努める)、ってのは不文律だと思っていたんですが……。これはあんまりです。 王様の一言で大量虐殺が短時間に準備され実行されてしまう国家が、どれほど現在の日本と違うか? 5百万人もの人口を一気に失った社会がどう変貌するのか? 細かい描写は挙げていったらキリがない。 死ぬか生きるかの状態で、1日の23時間をダラダラと気分で時間を無駄にする連中ってのは、どういう神経してるんだろう? 命の危険を感じたら、普通は文字どおり必死になって生きる努力をするぞ。恋愛ごっこをしに会社に行ってるトレンディードラマだって、ここまで酷い心理描写は出来まい。 まあ、作者はそういう想像力がないんでしょうねえ。 で、「リアル鬼ごっこ」を面白いと思った人は、変な日本語を気にせず、作者以上に想像力がない、あるいは嘘っぽさを気にしない人なんでしょうか。こりゃ、確かに憂鬱になります。 あ、流星様 流星様の冷静で筋道の通った書き込みにはいつも感銘を受けています。で、年寄りからのよけいな御世話。 時間制限の鬼ごっこネタ、ぜひ「うる星やつら」と読み比べて下さい。異常事態に接したときの世間の反応や主人公の性格付けとか、高橋留美子さんの方が遙かに説得力が上だとご理解いただけると思います。これに限らず、高橋氏の心情表現や描写の巧みさはお手本になると思うので、お小遣いをやりくりして買っても、元は取れると考えます。 ちなみに「うる星やつら」はアニメになると、押井監督の人間関係の描き方(エゴを認め合った上での友人関係)やメカとかが加わって、勝るとも劣らぬインパクトがあります。 とにかく、気分が悪くなる本です。口直しにグレッグ・イーガンでも読みます。 |
No.14327 - 2003/09/15(Mon) 15:13 [p2251-ipad02oomichi.oita.ocn.ne.jp]
| 書き落としました。 山本弘様 私の購入した本は 2003年4月10日 初版第12刷発行 です。 一度に何冊づつ印刷しているのかは知りませんが、短期間に大量に売れているのは事実なのでしょう。 いったい、何を求めてこんな愚本を……あ、私も買ってるんだった(落ち込む)。 あ、一緒にで申し訳ないですが、「愛のトンデモ本」も購入しております。ま、これ以上トンデモを続けると頭がどうかなりそうなので、明日あたりから読ませていただきます。 |
No.14328 - 2003/09/15(Mon) 15:24 [p2251-ipad02oomichi.oita.ocn.ne.jp]
| 皆様、こんにちは。
この『リアル鬼ごっこ』が売れている理由は明らかです。巨大謀略組織の陰謀なのであります。近年、日本ではインターネットの爆発的な普及に伴って、一般人の文章能力に著しい向上をみておりますが、日本を恐れ、日本を押さえつけようとする巨大謀略組織にとってそれがおもしろいはずがない。文章力とはこれすなわち頭のよさ、巨大謀略組織は日本人の頭が良くなることを極度に警戒しているのです。
そこで、巨大謀略組織はその叡智を結集して、『リアル鬼ごっこ』という小説を作り上げた。いっけん、タダの下手糞な小説に見えますが、その実、この小説にはサブリミナル効果が仕込まれており、読むものの文章力を極度に低下させ、あまつさえ、これが素晴らしい小説だと思わせてしまうのです。作者が日本人名になっているのは、彼らの仕業であるということを隠す方便に過ぎません。
サブリミナル効果って、映像や写真を使うものではないのかと疑問を持たれる方もいるかもしれません。しかし、巨大謀略組織は、文章だけで効果が発揮されるサブリミナル技術をすでに実用化しているのであります。
すでに、巨大謀略組織の陰謀はおおいに日本を蝕んでおります。小泉首相は彼らのひそやかなる働きによって、根拠のない親米論にとりつかれ、彼の国の犯罪的なる行いに無制限に協力しております(註 1)。このままでいくと我が国はアメリカの属国とされ、国民は毎週日曜に教会に行くこと、サタデーモーニングのつまらないアニメをみること、毎日一食はデリバリーのピザを食べることなどを強制されるようになるでしょう(註 2)。
さらに先ごろ来日して人気を博した露国破廉恥二人娘、TaTuも巨大謀略組織の、日本の貞淑なる女子高生の性モラルを砕き、イケイケにしようという陰謀の先兵に違いないのです。このように、巨大謀略組織の手は芸能界にも及んでおります。日本のなんと言いましたか、ああ、モー娘なども私には誰が誰やらさっぱり分かりません(註 3)。これなどは、日本の婦女子から個性を奪い、人と同じ事をすればいいのだ(巨大謀略組織の言うとおりにすればいいのだ)と思わせるための陰謀とみて、さしつかえないと思われます。
(註 1)これはいかにもトンデモ陰謀本の作者がいいそうなことをシミュレートしただけ、私の実際の政治信条を反映するものではありません。
(註 2)これは書いている最中に思いついて入れ込んだギャグ。 意外といい線いっているのではないかと思うのですが。
(註 3)私にモー娘の区別がつかないというのは本当のことであります。 |
No.14332 - 2003/09/15(Mon) 18:30 [ntfkok012063.fkok.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp]
| ちょっと怖い考え…
眉村卓の短編で 「世代によって変化してしまい、若い者が意識的に古い言葉を使わないと年寄りには言葉が通じなくなってしまった日本」 というのがあったと思いますが、まさか……。 次世代の日本語は「リアル鬼ごっこ」で正しい文法になっているのでは…… |
No.14333 - 2003/09/15(Mon) 18:41 [cvn013021.bai.ne.jp]
| >山本先生 私の長文をお読みいただいて、ありがとうございます。
>僕はそんなことを言ってるんじゃありません。 失礼ながら、引用部分は山本先生のご意見を否定する意図で書き込んだわけではありません。御指摘のような欠点を全て認めた上で、「そんな駄作が売れちゃったのはなぜなのか?」という所から論がスタートしています。 その上で「作品以外の要素が大きいんじゃないか?」という論も交えながらも、「こんな駄作でも面白いと思える、所謂『分からない』人にとっては、例え駄作でも、その人にとっては良作と捉えられてもいいんじゃないのか?」という論に達したわけです。
ただ、山本先生のその不条理感とでも言うべき物も、分かるような気もします。自分がやって来た事がムダだったんじゃないか、と考えると、虚しさを覚えられるのでしょう。
しかし、少なくとも >「くやしかったらお前らも書いてみろ」 などという馬鹿なこと言う人は無視して構わないと思います。この理屈で言うなら、作家以外の人はこの本を批判してはいけないことになってしまいます。 この「本」の部分を他のものに取り替えて考えてみるとよく分かると思います。料理は、料理人以外は「マズイ」と言ってはいけないのか。政治家以外の人が政治を語ってはいけないのか。 こう考えてみると、自分の所属する集団以外のものへの批評は、すべて不可能になってしまいます。典型的な言論封じのレトリックです。まともに相手にすること自体ナンセンスだと言えるでしょう。
しかし……「欠陥だらけであることに気がついていない」人達に対する先生の不条理感は、おそらく収まらないのではないかと拝察します。この人達全員に「間違い」を啓蒙するなんて事は不可能ですし、仮にそれをしたら単一価値観の押し付けになってしまいます。
となれば「気にしない」のが一番の方法かと愚考します。 どんな分野にも「分からない」人がいるものです。そういう人達が、えてして優秀な人の足を引っ張ったりすることが多いと思います。それはどんな事をしても必ず文句を言ったり、あるいは頓珍漢な本を真に受けてたりするものです。
私事で恐縮ですが、この前大型の新古書店に行ったのです。そこに並んでる本を見て、頭がくらくらしてきました。「中国・アメリカ・北朝鮮・イギリス・フランス・ロシア・その他」や「バイオハザード・核危機・大災害」などの脅威を必要以上に煽るだけの本(一昔前なら二千年問題なんてのがありました)、明らかに半分は嘘っぽいスキャンダル本、感情論が殆どのイデオロギー本。少し考えれば買う気がしなくなるような本が、山のように並んでいるんです。草刈龍一氏の本のほうがまだ説得力があるように思える本が、です。 「何でこんな本をみんな買うんだよ……」 と頭抱えて帰宅したのですが、それが現状です。「分からない」人は確実にいます。それも、商売として成り立つほど多数。
こういう人達を気にしていたら、なにもできないと思います。 論文などには「分かる人」のみを対象としたものが多数あります。しかし、小説は広く受け入れられる事が価値判断の一部(一部の人だけの高評価では良作とはいえない)ですので、そのジレンマに悩んでおられるのだと思います。
ですが、お忘れにならないで頂きたく思うことがあります。それは、「分からない人」と同様、「分かる人」も多数いる、と言うことです。 その「分かる」レベルにはいろいろあると思いますが、少なくとも「リアル鬼ごっこがつまらない」と言う人は、現在のところ少数派だと思います。前に書いたように、
>ネットでの擁護評は、「私が面白いと思った作品がこけ落とされてる」という人の書き込みも多いでしょうから(否定派は他にも大勢の人が代弁してくれているので書かない)、一概に書き込みの比率が読者の感想の比率と等しいとは言えない
と言うこともありますから、実際のところは「リアル鬼ごっこが面白い」という人はごく少数だと思います。売上のほとんどは、皆様が書かれているような理由で騙されて購入した人々のものでしょう。
ならば山本先生は、その「分かる人」をターゲットに書かれれば良いと思います。その「分かる人」の人数は充分読者層として成り立つほど広いでしょうし、それを読んで面白いと思う「分からない人」が出てきてくれれば、なおさら良いでしょう。 もちろん「つまらない」と言う批評も出てくるのでしょうが(これはどの作品でも例外ないことです)、本当に「分かっている」人なら、作品の本質を理解した上で実のある批評を返してくれることでしょう。
憂鬱感や不条理感を「分かる人には分かってもらえるさ」の一言で吹き飛ばし、面白い小説を書かれることを切に祈っております。
>北長六功 様
お褒め頂きありがとうございます。後で探してみようと思います。入手したらその感想を「リアル鬼ごっこ」とからめて書きたいとも思いますが、果たしてそれまでこのスレッドが持つのかも気になります。 でも、ここまで語れるトンデモ本と言うのも凄いと思います。コンノケンイチ氏などではここまで長引かないかと。しかも、ほとんどが否定派で肯定派が皆無、と言うのも凄いですね。 もちろん私も擁護点を探してはいるものの、この本をお金を払って買う気は起きません。
余談ですが、先日もう一度読み直してみようと思って学校の図書館に出向いたら、貸し出し中でした。買おうかとも思ったのですが、千円払う勇気が出なくて、結局980円のコーヒーメーカーを買ってしまいました(笑)。これほどお金を払うのを躊躇させる本は初めてです。
……ベストセラーにならなければ、こうやって雑談の合間に笑い飛ばせる程度の本のはずだったんですけれども。やはりここまで売れた、と言うのは大きいですね。 |
No.14336 - 2003/09/15(Mon) 21:47 [ntibrk019169.ibrk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]
| 実家近くの書店にて立ち読みに挑戦しましたけど、最初の2~3ページで挫折してしまいました。(苦笑 何とまぁ、素敵な文章のオンパレードというかなんと言うか・・・・・・。
>新井新一様
> 次世代の日本語は「リアル鬼ごっこ」で正しい文法になっているのでは……
ありえそうな話です。 確かに、正しい文法だと思っている人にとっては、あのような文章が正しいと認識しているかもしれません。 案外、大絶賛する方々の一部はそのような理由で褒め称えているのでしょうね。
それにしても、読書嫌いの人が小説家を志すのは、何かが確実に間違っていると思いますよ。 これは、中学~高校の図書室で小説を読むようになったことで国語の成績が飛躍的に伸びた経験があるから分りますけど、多くの本を読むことは自身の学力や文章力、文章読解力の向上に繋がりますからね。 まぁ、ロードス島戦記から多くのTRPG、スレイヤーズからティーンズ小説全般、クトゥルフ神話などを読み漁っていたために、やや趣味的な生活を送るようになりましたけど。(苦笑
追記。 そろそろ、スレッドが長くなりすぎているので、もし続けるのであれば新スレッドへの移行を提案します。 では、また・・・・・・。 |
No.14337 - 2003/09/15(Mon) 21:54 [hrsm21910298177.gemini.broba.cc]
| どうやら文庫化されるにあたって大幅な校正が施されたようです。
確認してみてください。おねがいします。 |
No.18769 - 2004/04/25(Sun) 16:36 [YahooBB219015216010.bbtec.net]
| 今日、まんだらけでマンガ版を見つけたんですが……このスレも浮上してくるなんて、シクロニティ? |
No.18771 - 2004/04/25(Sun) 18:03 [cassiopeia.aitai.ne.jp]
| 東 真一郎さん、こんにちは。
> どうやら文庫化されるにあたって大幅な校正が施されたようです。
文章だけ直してもなあ。設定からプロットから根本的に変えて別物にしないことには(^^;)。
ヨコヤマさん、こんにちは。
> 今日、まんだらけでマンガ版を見つけたんですが……このスレも浮上してくるなんて、シクロニティ?
マンガなら、あの文章がない分、ひどさが目立たないかもしれませんね(^^;)。 やっぱり大阪に行くのに新幹線に乗ったりするのかなあ。
シンクロニシティと言えば、昨日、『夕陽のカスカベボーイズ』観てきたんですが、冒頭の「リアル鬼ごっこ」には大笑いでした。 あれこそ本当の「リアル鬼ごっこ」だ! |
No.18784 - 2004/04/26(Mon) 12:51 [zaq3dc069cb.zaq.ne.jp]
| 当地でも文庫本が平積みされてます。 立ち読みで斜め読みしただけですが、基本的なプロットは変わってないようです。そんなに文章が変わってるのかなあ? いや、こんな本を本気で比べるなんて労力は使いたくないので、あてにならない発言ですが(富野監督の自伝「だから僕は」を3冊並べて比べたことありますが、結構きつかった)。 文庫本らしく、解説が付きました。この小説は読んでいくうちに主人公とシンクロするんだそうです。そうかあ~。 自主出版という形を取ったからヒットしたので、大手出版社に持ち込んだら出版すらされなかっただろう(意訳)とかあります。これ、誉め言葉かな? 何でこんな本が売れてるのか、やっぱり分かりません。 やっぱり、気分悪い。古本屋で買ってきた「最終兵器彼女」(高橋しん:作)でも読もう。 |
No.18801 - 2004/04/26(Mon) 22:27 [p2085-ipad02oomichi.oita.ocn.ne.jp]
| 一年くらいかかって、ようやく読了。 中盤くらいからは奇妙な文章にも馴れてしまって、次作も読んでみたい気がしていますです。
文章のまずさについて気づいたところ。 おそらく作者は思いついたはしから書き進めて、後で縮める作業をしてません。冒頭からして、一つの文章が一、二行にわたる事が珍しくない。 そうやって長々と書いているため、少し前に使った表現を忘れて「馬から落ちて落馬した」文章になるのでしょう。
長々と書く悪癖は展開にもあらわれてますね。 主人公が妹の家を探しあて、隣家の少女に尋ねる描写があるのですが・・・妹を探している事を伝えてから、妹の名前が上がるまでに2ページ以上使っています(笑。
そして主人公が愛と対面する部分では、完全に文法が壊れてしまっています。 >「純子……」しゃべり方にも力がない。 >「愛……今まで何処に行ってたん? 待ってたんよ?」 > 彼女は言う。すると少女は、 >(中略)少女は翼の突然の質問に戸惑いながら >「ええ……」 > 言うと彼女に誰? と言わんばかりに視線を向ける。少女と目が合った、彼女は少女に言った。 >「もしかして愛に……お兄さんいる?」(後略) 文中の「少女」が主人公の妹「愛」であり、「彼女」は愛の友人「純子」の事らしいのですが・・・読解するのが非常に困難です。 他にも4行目での「~の~の」と連続している部分も良くありませんし、6行目では「?」後の空白が不要だったりと、問題は多々ありますが、「彼女」の文章的まずさに比べれば、どうという事ありませんね・・・
未来設定の奇妙さはさんざん語られているから良いでしょう。 しかしおそらく、作者は現実の歴史感覚もおかしいようです。 作中年代は「西暦3000年」だとプロローグに書かれています。 しかし次の章にうつると、「現在、翼の住む王国が成り立ってから既に三十世紀を迎えていた。」との事。 つまり作中の「王国」は、西暦が始まった時から存在しているという事に(笑。
とまあ、批判すべき点は多々あるのですが、最初に書いたとおり、最終的には馴れてしまいました(苦笑。
いいじゃん、耳を疑う発言を聞いたら交響曲第五『運命』が脳に響き渡っても。 いいじゃん、光景というべきところを「映像」と表記しても。 いいじゃん、「場面は戻る」で場面が戻っても。 いいじゃん、王国が“創立”されても。
これが素晴らしいという人に、言葉が通じるわけないじゃん。 もう笑い疲れたですよ。
※ああでも、そもそも改名すれば終了だろという突っ込みだけはさせてもらいます。 ※この世界には改名という考えがないのだろうという補完は無理です。作中でも離婚や養子で名字が変わる例が描写されているので。 |
No.19572 - 2004/06/17(Thu) 01:02 [user009.ehm.enjoy.ne.jp]
| 皆様、こんにちは。
話について行きたいので何度か手に取ってみたのですが、やっぱり駄目でした(笑)。お金がもったいないのと(この場合文章が直されている文庫本じゃ意味ないですからね)、何よりこういう文章を読むと自分のただでさえ拙い文章力がぶっこわされてしまいますから。
以前、「黒豹シリーズ」を読んだ時にも自分の文章がてきめんにおかしくなるのを実感して戦慄したものですが(笑)、『リアル鬼ごっこ』はそのはるか上をいっているみたいだし。
読んで「自分の妹であるところの幼い少女が可愛い笑顔をきらめかせ、笑いながら食事を食べた。その様はとても可愛かった」とかいう文章を書くようになってしまったらいやですもん。こんな風になってしまったら、自分の理想である文章、漱石の「猫」で迷亭の蕎麦っ喰いのところを200回読まないと元に戻りません(笑)。 |
No.19576 - 2004/06/17(Thu) 18:09 [ntfkok009034.fkok.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp]
| 確か最新作"パズル”が『角川書店』から出ているんですよね~。 どんな風に編集が活躍したのだろうか。 興味津々となるのが少し癪ですね(汗) |
No.19578 - 2004/06/17(Thu) 23:53 [Dttji29DS62.myg.mesh.ad.jp]
| このようなことを申し上げるのは誠に恐縮ですが、取り敢えず、売れる作品を 書いてから、他人の作品の設定がどうのこうのという批判をするようにしませんか? 売れない作家が、あーだ、こーだと言っても、全然、説得力がないんですけど(^^;) 仮に、自分のポリシーを曲げて、売れる作品が書けるんだったら、書いてみたらどうですか? 自分が一般大衆に受け入れられる作品を書くことが出来ることを立証してくださいよ! その上で、自分は、一般大衆に受け入れられる作品を書くことが出来るが、敢えて、自分のポリシーに従った、作品しか書かないんだということを主張すればいいんじゃないかな。
今のままじゃ、単なる、負け犬の遠吠えだと思いますが?
|
No.19579 - 2004/06/18(Fri) 00:04 [N121229.ppp.dion.ne.jp]
| なんだか変な輩が出てきましたし、これ以上、このスレを続けるのは、やめにしませんか。 箸にも棒にもかからない作品のくだらなさを、挙げつのっても、面白くないのは事実ですしね。
常に「ベスト・セラー」=「優れた作品」ならば、作品選びに苦労は無いでしょうけどね。加えて、自分の好みの作品ばかりなら、文句も出ないでしょうが。現実は、違いますからね。 |
No.19580 - 2004/06/18(Fri) 01:36 [KKRfa-01p5-91.ppp11.odn.ad.jp]
| トンデモ本Sの「リアル鬼ごっこ」評を女房に読ませた。 「もの凄く機嫌が悪く、不機嫌な顔をして」 「翼には素質があると見込んで翼をスカウトした」 のどこが変なの?…と言われた。 かなりショック。 |
No.19582 - 2004/06/18(Fri) 02:57 [z227.61-193-212.ppp.wakwak.ne.jp]
| >久間田 貴志氏 >なんだか変な輩が出てきましたし、これ以上、このスレを続けるのは、やめにしませんか。
自分達で勝手に他人の作品をあれこれ批判しておきながら、それに反論する人物が現れた途端に「変な人が現れたから止めましょう」ですか?そりゃあいくらなんでも相手を馬鹿にし過ぎだと思いますよ。
自分達が好き勝手言っていいのなら、当然それに反する意見の持ち主だって好き勝手言っていいはずですよね。それとも、「他人の作品は好き勝手批判させていただきます。でも、私達の批判には一切批判しないでください」という事ですかね?それはいくらなんでも、甘すぎるんじゃないでしょうか? |
No.19583 - 2004/06/18(Fri) 03:18 [p10126-adsau08doujib4-acca.osaka.ocn.ne.jp]
| 無縁仏様 > 反する意見の持ち主だって 全然反する意見にも反論にも批判にもなってないから 「変な輩」と呼称されてるんでしょうね。 逆にすると解りますが、後光効果による思考停止もいいとこです。
このスレッドを始めとした批判の数々がいかに正しかったかは、 文庫版で相当に校正されちゃった事実が何より証拠ですので、、、。
北長六功様 > 「だから僕は」を3冊並べて比べた
そ、それは既に苦行の域に達しているのでは(笑) |
No.19588 - 2004/06/21(Mon) 15:48 [YahooBB219168028004.bbtec.net]
| 無縁仏様
> 自分達で勝手に他人の作品をあれこれ批判しておきながら
ここはそういう場所です。 山本さんちにおよばれして、鈴木さんちと違うメニューだったからって、怒るのは筋違いでしょ? |
No.19589 - 2004/06/21(Mon) 17:19 [YahooBB219004176052.bbtec.net]
| わたしのここでのスタンスは、個人的な是々非々を貫きたいだけでして、多くの投稿者とはたぶん立場が違うのですが。 それでも、久間田氏の「変な輩」という表現は妥当だと思います。 売れる、売れないが批判の条件なんてこたあ無いですよ。 某漫画家は売れませんが、その批評眼の確かさは定評があるところです。 井筒氏はその批評眼が確かかどうかを問題にすべきです。
具体的な批判に、わけがわからない批判の基準を持ち出してそれらを全否定するのはやはり「変な輩」と言われてもしょうがない。 |
No.19591 - 2004/06/21(Mon) 18:12 [YahooBB219008044087.bbtec.net]
| 自分の行き過ぎた表現、舌足らずな書き込みで、ご不快になられたなら謝ります。
ただ、2点だけ、はっきりさせておきます。 ひとつは、終了を呼びかけた理由。別に「自分に不都合なことを書き込む人間を黙らせる」ために、したわけではありませんが。 単純に、新規の書き込み内容が、以前のものの繰り返しに近い内容になっていると感じたこと、それにつまらない代物の話を続けるよりは、皆さんが面白いと思うものの話をしてくれたほうが、結果、読み手も楽しめると考えたからです。 それに、過去の経験上、あまりこの手の話題を引っ張りすぎると、ギスギスしはじめて、場の空気が険悪に陥りやすくなりますから。 以上の点から、潮時ではないかと思い、先の書き込みをさせてもらったわけです。
ふたつめは、冒頭、あえて不躾な書き方をした理由ですが、これは、定山渓秘宝館さんや傍観者さんが、言われたことと同じです。 少なくとも、「日本語表現が変だ」という指摘への、反論にはなっていません。まったく、交じり合わない反論を引っさげて、それまでの指摘を否定(批判ではありません)してしまおうとするやり方は、それこそ「自分に不都合なことを書き込む人間を黙らせる」手法に、自分には、写るのですが。
再度、自分の書き込みが原因で、お騒がせしたことは謝ります。勝手ながら、以上をもって、自分の書き込みは最後にさせてもらいます。 |
No.19599 - 2004/06/21(Mon) 23:28 [KKRfa-01p5-91.ppp11.odn.ad.jp]
| どうしようかと思ったんですが、ちょっとだけ。 >売れる作品を書いてから、他人の作品の設定がどうのこうのという批判をするようにしませんか? よくあるパターンですが、そんなことを云うのなら、ベストセラー作家以外は小説の批評、批判をしてはいけないとなります。井筒氏は少なくとも山本氏より売れている作品を書いているのでしょうね。 定山渓秘宝館様 >> 「だから僕は」を3冊並べて比べた >そ、それは既に苦行の域に達しているのでは(笑) 実は「富野由悠季全仕事」と「だから僕は」とを比較したこともあります。微妙に心情が違ってたりして。しかし……我ながらバカなことやってますねえ。
|
No.19601 - 2004/06/21(Mon) 23:44 [p5031-ipad04oomichi.oita.ocn.ne.jp]
| >このスレッドを始めとした批判の数々がいかに正しかったかは、 >文庫版で相当に校正されちゃった事実が何より証拠ですので、、、。
ふーん・・・ 「版が変わったら改定します」と言って 4版まで経っても改定しない。どこかの誰かさんとは大違いだね。 |
No.19607 - 2004/06/22(Tue) 04:22 [p25001-ipadfx41marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp]
| この作品(と呼べるかどうか)って、ある意味では純化された天然の“セカイ系”なんでしょうな。
極めて狭い範囲の日常から、一足飛びに社会全体の出来事が舞台になり、そして物語全体では全く広さを感じさせない。描写されてない、物語外の様子が想像できない。 日常が比較的野暮ったい現実感に支配されているのに対し、王様等の虚構性の高い部分は由来や意味の説明すら放棄している。
もちろん、他のセカイ系はこの作品よりは見る価値はあるでしょうが、受けいられる理由や書かれた経緯なんかは本質的に同じかもしれない。・・・と、大した根拠もなく思う。
※ちょっと不思議なのが「なぜこんな作品が売れるのだろう?」という疑問が主な話題の一つだったスレッドで、「売れてからでないと説得力がない」という意見が出てくるのか? ※あ、でも、「なぜこんな作品が売れるのだろう?」という疑問には一つの答えが出たかな? 小説が売れたかどうかで文法ミス指摘の説得力の有無を感じる人がいるなら、本の内容を読まずに買う人もいるでしょう。 ※「ベストセラー!」「各誌で話題!」等の煽りがつけば完璧(笑)。喜んで購入し、「ベストセラーだから良い本だ」と思ったりするでしょう。 ※それが悪いっつうことじゃないです(苦笑。
>だんぼーるさん 試しに本好きの母親に読ませてみましたが(なんて親不孝)、最初はさほど疑問を持たず読んでいた模様。「チグハグ」という印象は持ったようですが。
もっとも、SFなどは全く好きじゃなくても、さすがに「30世紀の話で、なぜ今と変わらない日常なの?」と不思議がっていましたが。 |
No.19610 - 2004/06/22(Tue) 08:04 [user023.ehm.enjoy.ne.jp]
| このスレッド、終了させます。 べつに変な人が来るとか、そういうんじゃなくて(笑)、すでに意見は出尽くしていて、同じ内容の繰り返しになってますので、これ以上続けるのは無意味と判断したからです。 とりあえず、結論としてこれだけは言っておきたい。
・「よく売れた本」イコール「良い本」とはかぎらない。
『ノストラダムスの大予言』『聖書の暗号』『脳内革命』『神々の指紋』『ゲーム脳の恐怖』などなど、実例は山ほど……。 |
No.19613 - 2004/06/22(Tue) 09:58 [zaq3dc069d0.zaq.ne.jp]
| >定山渓秘宝館氏 >全然反する意見にも反論にも批判にもなってないから 「変な輩」と呼称されてるんでしょうね。
では、まずは相手の意見の、どこがどう変なのかをきちんと説明すべきだったのでしょうね。話もしないのに最初から「話の分からない人間」と決め付けて「変な輩」呼ばわりしてたからこそ、わたしは「それは失礼な行為なのでは?」と言いたいのですけどね。
>逆にすると解りますが、後光効果による思考停止もいいとこです。
わたしは「リアル鬼ごっこ」は読んでないから、なんとも言えませんが、後光効果だけでベストセラーになるなんて、とても思えませんけどね。わたしは後光効果自体も作品の魅力の一つなのではないかと思いますけどね。少なくともそれだけの人間を引き付けたのは事実だろうし、買った人間の大半が「本当は好きでも無いのに、みんなが買うから買った。」と考える方が無理があるのでは?
>このスレッドを始めとした批判の数々がいかに正しかったかは、 文庫版で相当に校正されちゃった事実が何より証拠ですので、、、。
人の好き嫌いに、正しいか正しくないか、なんて事は存在するんですかねぇ?校正前の方がよかった、なんて考える人間だって存在するんじゃないですか?そう考える人間を、定山氏は何を根拠をもって「過ちだ」と主張される訳で?大体”批判の数々”とか言う割には、ハンを押したかのように「駄作」という意見しか無いのなら、まずはその意見そのものに情報操作が無かったのかを疑うべきなのでは?相手の事を「思考停止」とか言い出すなら、まず自分の意見そのものに疑いの目を向けるべきだと思いますけどね。その上でとりあえずは駄作とするのが妥当だ、と主張するならともかく、正しいと主張するのは、「自身の意見には過ちの存在の可能性が全く無い」と盲信した、「思考停止」の意見だと思うのですが?
>傍目八目氏 >>自分達で勝手に他人の作品をあれこれ批判しておきながら >ここはそういう場所です。 山本さんちにおよばれして、鈴木さんちと違うメニューだったからって、怒るのは筋違いでしょ?
一応言っておきますが、傍目八目氏が引用した「自分達で勝手に他人の作品をあれこれ批判しておきながら」の部分には、以下の続きがあるはず。
>当然それに反する意見の持ち主だって好き勝手言っていいはずですよね。それとも、「他人の作品は好き勝手批判させていただきます。でも、私達の批判には一切批判しないでください」という事ですかね?
傍目八目氏は、「ここは一方的に相手を批判する場所であり、それに対して異なる意見は一切受けつけない場なのだ」と主張される訳で? |
No.19614 - 2004/06/22(Tue) 10:01 [p24166-adsau08doujib4-acca.osaka.ocn.ne.jp]
| >山本弘氏
おや、わたしが書き込んでる間に終了しましたか? 異論はありますけど、山本氏がこれ以上続けたくないなら仕方がありません。スレ汚しごめんなさいね。 |
No.19615 - 2004/06/22(Tue) 10:10 [p24166-adsau08doujib4-acca.osaka.ocn.ne.jp] |