2005年11月24日
22:50
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1: ウィザード
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「武富士強盗殺人・放火事件」に関する検証です。
この事件は2001年5月8日に、青森県弘前市にある消費者金融「武富士弘前支店」に男が押し入り店内に放火、従業員5人が死亡、4人が重軽傷を負ったというものです。
ナンシー・マイヤーは、2002年3月2日、日本テレビで放送された「スーパースペシャル'02」に出演し、当時未解決だったこの事件の透視に挑みました。
番組内で行ったのは、犯人の顔の透視&モンタージュ作成、そして事件現場でのサイコメトリー。
似顔絵については、確かに犯人と似ています。
でも実際には、事件後、弘前署に捜査本部が設置されると犯人の似顔絵がすぐに公開されていました。事件発生から約9時間後、事件当日のことです。
この似顔絵は捜査員による手書きで、結果的に3種類作られる似顔絵のうち、1番最初に作成されたものです。
2番目の似顔絵は、事件発生から2日後の5月10日に作成されました。これは最初の似顔絵をもとに作成され、より具体的になり色もカラーになりました。
3番目に作成された似顔絵は、テレビでも放映され、武富士のティッシュにも入れられたCGによる似顔絵。
この3番目のものは結果として最も有名となり、この似顔絵が入った武富士のティッシュは、犯人逮捕までに3億1500万個も配られることになりました。
マイヤーの透視を宣伝するときに比較されるのは、3番目に作成されたCGによる似顔絵です。これはマイヤーの絵と比べると、目が犯人と似ていません。
しかし1番最初に作成された手書きの似顔絵は、犯人の大きな目の特徴をよく捉えており、3番目のものより目元や、頬、鼻などが似ています。
ではCGによる似顔絵のほうは全く犯人と似ていないのか言うと、そうでもありません。目元は似てませんが、口元は犯人の特徴をよく捉えており、非常に似ています。
総合して考えると、マイヤーの透視した絵は、警察が最初に発表した手書きの似顔絵と、その後に作成されたCGによる似顔絵を“足して2で割った”ような絵に見えます。
さらに、マイヤーの透視をもとに描く似顔絵師の癖というか、絵の特徴を加えれば、この事件の犯人の似顔絵が完成します。(特徴の中でも、特に目元の描き方が共通しています。「茨城女子大生殺人事件」の犯人の似顔絵を描いたときも、今回の武富士事件の犯人の目と描き方がよく似ていました)
また、ついでに言えば眉毛は(マイヤーのも含めて)全ての似顔絵が共通して似ていません。実際の犯人の眉毛は太く短いのですが、似顔絵は全て細く長いです。
特に警察が最初に作成した似顔絵の眉毛と、マイヤーの透視をもとに描かれた絵の眉毛はそっくりで、結果的に 同じところを仲良く間違えています。
次に、彼女が事件現場でサイコメトリーした内容と、その検証結果です。
●犯人は犯行前に何度も下見に来ていた。
事件当日は、現場の目の前にある道路を挟んだ向かい側の路地から歩いて現場に向かった。
→下見に来たのは前日に一度だけ。
事件当日は、武富士の入った建物の地上階にある駐車場に車を停めた。向かい側の路地から歩いてなどいない。
●犯人は青い袋を手に持っていた。
その袋の中にはガソリンの入った2つのプラスチック容器が入っていた。容器は現場に捨て、火災の影響で融けてしまった可能性がある。
→実際に持っていたのは「金属製」のオイル缶で、数は1つだけ。青い袋など持参していない。
●犯行の動機は、犯人の父親が消費者金融からお金を借りたが、父親は高齢だったために契約内容が理解できなかった。
父親は借金返済に困ったため、代々伝わった農園を手放すことになった。
そのショックもあり父親は死亡。
犯人は尊敬していた父の死を消費者金融のせいだと思い込み、その腹いせに事件を起こした。
→動機は競輪でつくってしまった借金のカタとして、自動車金融に車を取り上げられそうになったため。父親のことなど全く関係ない。
●犯人は、犯行後に野次馬の中にいた。
→犯行後、すぐに帰宅。素早く逃走したため検問にも引っ掛からず、昼前には自宅に戻っていた。
●犯人への手ががりは、放火したときに左手首付近から肘の方向へ負ったヤケド。
犯行後、現場近くの小屋のような場所に戻ってアロエの薬で治療した。
ヤケドの影響で、一週間近く仕事を休んだ。
→ヤケドなど負っていない。
また、一週間近く仕事を休んだりもしておらず、事件の翌日も何事もなかったかのように出勤している。
●犯人は農園を経営している。
→職業はタクシー運転手。
●犯人が住んでいるのは、弘前市内。
→犯人が住んでいたのは、浪岡町。
これを見てもらえばわかるとおり、マイヤーの透視は全部ハズレです。1つも当たってません。
最後は、番組の放送日の翌日に犯人の任意同行が行われた件について。
これは結論から言ってしまえば、まったくの偶然です。
警察は既に2002年1月の中旬の段階で犯人を特定していました。(マイヤーの透視が収録されたのは2002年の2月10日)
つまり犯人を特定したのは警察のほうが早いのです。
また、当初は任意同行を求めるのは2001年3月1日の予定でしたが、地検から、「マスコミには情報を漏らさない」「午後10時までには自供を引き出す」などの条件が出されて調整した結果、任意同行を求めるのは3月3日へと延期になりました。
放送日の翌日になったのは、このためです。
結局、ナンシー・マイヤーは事件の解決に関し、全く何の役にも立っていません。似顔絵が似ているのも警察の複数のモンタージュを参考にした可能性が高いですし、サイコメトリーの結果も大ハズレでした。
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2005年11月24日
23:10
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2: Hiroyuki
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私が記録している別の事件について書き込みさせてもらいます。NTV系列2004年6月12日に放送された番組での透視です。
事件は、2004年1月31日に茨城県で起こった女子大生殺人事件についてです。
被害者宅で透視を行い、以下のような結果を得ます。
・生きてここを離れたという痕跡が感じられない(ここで死んだということ)。
・犯人の乗ってきた車の中で首を絞められた。
・犯人は死体を運ぶのを手伝わせるために、友人を呼んだ。
・犯人の車はバンのような収容スペースが広い車だがあまり大きくない。
・車の色はグレーかシルバー。
・発見現場で死んだ(マンションで死んだのは勘違いで、かろうじて生きていたのだそうです)
・現場に血が少なかったのは心臓の動きが弱かったので流れた血の量が少なかったのだそうです。
・遺体発見現場の近くにある用水路に凶器を捨てたと感じる。
犯人と共犯者のモンタージュを作成し、共犯者は罪を悔いているので、その人物が解決のカギだ、と発言していました。なお、犯人は暴力的なストーカーだったとしています。
番組では用水路を網と金属探知器で捜索しますが、凶器は見つかっていません。
警察発表では死因は首を絞められた窒息によるものですが、死後、刃物で傷を付けられているようです。頭も切られているようです。
しかし、ナンシー氏の透視では、首を絞められたものの、行きはあったと言うことなので、警察の発表を真っ向から否定していることになるのではないでしょうか。
出血の話も、不思議なことを言っている気がします。
とにかく、こちらの事件も、解決してはいないと思います。
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2005年11月25日
10:17
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3: 山本弘
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4月10日放映の『FBI超能力捜査官』でやった三重県伊勢市女性記者行方不明事件の透視については、以前に「懐疑的に超常番組に突っ込む」コミュに僕の推理を書きました。ご参考までに。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=806560&comm_id=79638
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