山本弘トンデモ資料展
クリープ現象「審判の日」ネタバレ書評(1)


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No.20857に関するスレッドです

九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 尾崎晃仁(おざき・あきみ) 引用

 八月分がだいぶ長いので、ちょっと早いですが九月分を立てさせていただきます。

 『マルドゥック・スクランブル』や『神は沈黙せず』が参考候補作として挙げられるなか、見事星雲賞を受賞した、『第六大陸』読了しました。
 最後まで読んで、その受賞理由がわかった気がします。
 これまで星雲賞では、笹本祐一氏の『星のパイロット』や『宇宙へのパスポート』、宇宙開発事業団の「H-IIA」が賞を受けており、また、宇宙作家クラブの企画が盛況であるなど、宇宙開発を題材とした『第六大陸』の受賞は当然だと言えるでしょう。授賞の際に読み上げられた賞状にも、そのような事が書かれていたと思います。
 宇宙開発テーマなら内容はどうでもいいのかというと当然そうではなく、新型ロケットはともかく、月施設の建設については、現在の技術で十分可能と思えるようなもので、『前田建設ファンタジー営業部』のような面白さがあります。
 個性的なキャラクターは、こいつらならきっとやってくれる、という期待をさせてくれるし、難しいミッションをこなしたと思ったら簡単なはずのミッションで失敗してしまうところでリアリティを感じます。
 地に足が着いた感じで抑えめの近未来描写も好感がもてます。

 スペクタクルや更なる広がりもあり、星雲賞受賞も納得の傑作です。

No.20857 - 2004/08/30(Mon) 10:21 [P221119009177.ppp.prin.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 匿名希望 引用

 こんにちは。
 だいぶ前に出た本ですが。
 ついさっき本棚を整理していて、以前に読んだ『ホントの話 誰も語らなかった現代社会学』(小学館文庫)という本を、何気なくパラパラめくっていたところ、『?』という箇所が、目にとまりました。
 『ホントの話 誰も語らなかった現代社会学』の著者は呉智英、2003年5月初版発行の小学館文庫です。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4094055819/249-7459086-5723531

 以下、引用。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------

精神や心理のメカニズムは遺伝子に還元はできません。遺伝子還元論はいつか機会を見て全面批判をしますが、一例だけ挙げておきましょう。黒人は概して白人に憧れを抱いています。この憧れがすべて実現したら黒人の遺伝子はどうなりますか。どんどん薄まってしまいます。遺伝子還元論を妄説だとするゆえんです。
(p186)

---------------------------------------------------------------------------------------------------------

 呉氏のいわんとするところが、よくわかりません。黒人が白人にあこがれて、白人と結婚を重ねるから、その遺伝子は薄まっていく、という意味でしょうか?
 ちなみに、呉氏は、オカルトや疑似科学に批判的な評論家で、この本の別の箇所では、竹内久美子氏を以下のように批判しています。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------

ドーキンスの『利己的な遺伝子』以来、その通俗版の遺伝子還元論がはびこって困ったもんです。『そんなバカな!』なんて本を書いて得意気な竹内久美子センセが「そんなバカ」なんですね。
(p195)

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No.20911 - 2004/09/02(Thu) 21:36 [X023090.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書 / SHADO工作員 [関東] 引用

『審判の日』
山本弘という作家の作品を読んで思い出すのは、ハーラン・エリスンの『ジェフティは5つ』。SFが一番幸福だった時代がそのまま続き、時代とともに進化してきた別の宇宙から来たような感じがエリスンの小説内の状況と似ているから。
SF短編集といえば、日本では『終末曲面』『太陽風交点』『準B級市民』などなど、海外でもアシモフの作品やゼラズニィの『伝導の書に捧げる薔薇』など、嘗てはSFそのものだった印象すらあるが、現在ではそんなマーケットが存在しているかどうかすら怪しいと思うのですが、どうなんでしょうか。そういえば、昔はぺんてるの広告にSF短編がシリーズで載せられてたり、ラジオ雑誌とかにもそういうコーナーがあったりしたモノですが…

No.20938 - 2004/09/04(Sat) 00:56 [eatkyo230224.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書 / 塩田多弾砲 [ Mail ] 引用

 本日、ようやく書店にて購入できました。

ジャイブ「バットマン HUSH」#1.#2

 ジム・リーのバットマン、やっぱりいいな。
 X-MENも良かったけど、彼の絵でバットマンを読みたい、しかも邦訳された作品を、と思っていたので、それがかなって良かったです。

 しかし、相変わらず重厚で、重くのしかかるような作風です。
 謎の敵、ハッシュは誰かを追うバットマン=ブルース・ウェインの物語ですけど、それと同時に、ブルースの過去、バットマンの過去、そして敵味方のオールスター総出演ってのが魅力的です。
 個人的には、ハービィ・デントよりもトゥー・フェイスが出て欲しかったかも。

 キャットウーマンも、コスチュームをいろいろ変えてたみたいですね。今度の映画のコスと「HUSH」のそれは似てるけど、「THE GREATEST BATMAN STORIES EVER TOLD」で見た過去のコスチュームを近年の技術で映像化したのも、ちょいと見てみたいです。

ジャイブ「トランスフォーマー G1」#2

 表紙の「白いコンボイ」は何かと思ってたら、ウルトラマグナスの中だったとは。
 ダイアクロン時代の、コンボイとウルトラマグナスの前身「バトルコンボイ」「パワードコンボイ」を知ってる者として、以前にトランスフォーマーにて両者が出たとき「コンボイはともかく、マグナスはどうなんだろう」と疑問に思っていました。

 こちらも、なかなか重厚で複雑化したストーリーになってて良い感じです。はー、これだけの物語をBWⅡ放送時に親しみたかったですねー。
 っていうか、BWⅡ・ネオを、こんな感じにリメイクしたものをちょいと見てみたかったり。

 これを機に、レッカーズなどBWのコミックも邦訳して出版して欲しいところですね。

 ジャイブの次の邦訳予定は、「アストロシティ」「続・リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」だそうで。まだまだお楽しみはこれからだ!

No.20940 - 2004/09/04(Sat) 02:00 [p26246-adsau12honb7-acca.tokyo.ocn.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 砂上城 [中国] [ Home ] 引用

お久し振りでございます。
映画版第1作はDVDを購入するぐらい、個人的にお気に入りな内容でした。
2作目が製作されると聞いて、ゲームをプレイし直し、テンションを静かに高めてまいりました。
故に公開前の情報を、出来るだけ入手しないように心がけていたのですが・・・
我慢できずにノベライズを買ってしまいました。

●バイオハザード2 アポカリプス(キース・R・A・デカンディード/著 富永和子/訳)

前作はゲームの前日譚(しかも極力、ゲームの内容と矛盾しないような内容)だったのですが
今回は完全に「バイオハザード3 ラストエスケープ」のパラレルワールド。
でもどちらかと言うと、ネトゲーである「バイオハザード/アウトブレイク」の雰囲気に近いのかな?

この小説の何に感心したかって、前作の「おかしな部分」をちゃんとフォローしてる所。
前作の、カードリーダーを針でつついて電子ロックを開けるシーンには、
ちゃんとそうなるだけの理由と原因があったのです!(笑)

巻末の解説によると、ジル役のシエンナ・ギロリーはミラ・ジョヴォヴィッチから
「彼女は本当に凄い。衣装や髪型だけでなく、銃の撃ち方までジルと同じなの!」
と絶賛されてるんだとか。
うおおおっ、それは見てぇ! テンション上がってきたッ!

小説版のジルは、何だか微妙に「人でなし」なんだけど(笑)、
まぁそれはそれでアリだ! アリスの人外っぷりも格好良いしね!

個人的には前作のノベライズ(牧野修/著)の展開も気に入ってるのですが
周囲の評判は良くないようです。

No.20943 - 2004/09/04(Sat) 09:09 [YGNfi-01p1-244.ppp11.odn.ad.jp]

Re: 九月の読書 ホントの話 / 井上晃宏 [東海] 引用

もとの文脈からそこだけ抜き出すと意味がわからなくなることがあるので、即断は差し控えたいのですが、あえてコメントしますと、

>呉氏のいわんとするところが、よくわかりません。黒人が白人にあこがれて、白人と結婚を重ねるから、その遺伝子は薄まっていく、という意味でしょうか?

三段論法でいくと、
「黒人は白人に憧れを抱いている。それは遺伝子のなせる業である」(大前提)
「黒人は白人が結婚すると、その『憧れ』の遺伝子は薄まってしまう」(小前提)
「これを繰り返すと、遺伝子によって黒人は白人に憧れを抱かなくなる」(結論)
となります。これは矛盾だから、大前提がおかしいのだと呉氏は言いたいのでしょう。

 しかし、私に言わせると、小前提が間違っている。対立遺伝子を持つ個体を掛け合わせても、遺伝子は薄まりません。遺伝子はデジタルなものだから、墨汁一滴を大海に垂らしても、墨汁が薄まるようにはなりません。いつまでも墨汁のままです。
 もう一つ。「肌が黒い」遺伝子と「白人に憧れを抱く」遺伝子が連鎖している場合は、やっぱり小前提は成り立ちません。

No.20945 - 2004/09/04(Sat) 12:09 [YahooBB219054024049.bbtec.net]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / エロの冒険者 [九州] [ Home ] [ Mail ] 引用

 皆様、こんにちは。

 森下裕美 「ウチの場合は 3」

 毎日新聞夕刊連載だけあって、「ここだけの二人」のようなどす黒さはみじんもなし。しかしそれなりに読ませるのはやっぱり作者の力量なのでしょう。ちなみに私は小坂先生が好き(笑)。

 あっきう 「あっきうのどこまで呑むの!」

 正直好きな漫画家さんではないのですが、同じ酒飲みであること、また、福岡の某書店で行われたみずしな孝之さんのサイン会になぜかあっきうが同道していて、某書店の編集さんに「君も早くあんなふう(みずしな孝之さんのこと)にならなくちゃ駄目だよ」と説教されていたというちょっと良い話(そうかあ)に免じて買っちゃいました。

 まあ、泥酔するという行為をポジティブに捕らえられるのは今のうちだけですな、ふっふっふ。

No.20947 - 2004/09/04(Sat) 17:43 [ntfkok009041.fkok.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書 / 山本弘 [近畿] 引用

●マーティン・ガードナー
『インチキ科学の解読法』(光文社)

 ガードナーが2000年に出した本の翻訳。ちなみにガードナーは1914年生まれ。80代になってもこんなにエネルギッシュに書けるんだからすごいっす。
 『奇妙な論理』が書かれてからもう50年。オカルトや疑似科学の世界にはいろいろな新ネタ(コートニー・ブラウンのSRV、真空エネルギー、カルロス・カスタネダなどなど)が登場していますが、基本的に人間のやってることには進歩がないんだなあと、苦笑しつつも痛感させられます。文化人類学者の中にもカスタネダの信奉者がいるとか、精神分析医の中にもまだフロイト主義者がいるとかいう話を読むと特に。
 『奇妙な論理』のファンに絶対おすすめの1冊。

●朱鷺田佑介
 『クトゥルフ神話ガイドブック』(新紀元社)

 16年前、『クトゥルフ・ハンドブック』を書いた時は苦労しました。当時は手に入る資料に限界があって、いいかげんなことを書いちゃった部分も多く、今となっては赤面ものです。
 それだけに朱鷺田氏の苦労がよく分かります。インターネット時代になって、データの検索は楽になった反面、日本人によるクトゥルフ関連作品が爆発的に増えており、それらをフォローするだけでも気が遠くなる作業です。
 しかし、朱鷺田氏はそれをやってのけました。ラヴクラフト作品を個別に詳しく解説する一方、C・A・スミス、ブロック、ダーレス、ラムレイ、菊地秀行、朝松健などの作品群、さらには『デモンベイン』『エンジェル フォイゾン』『ウルトラマンティガ』など近年の作品まできちんと過不足なく触れられており、ツッコミを入れる余地がほとんどありません。これこそまさに「労作」と呼ぶに値する本と言えます。
 内容は平易で、クトゥルフ神話の入門書として最適。これもおすすめです。

No.20949 - 2004/09/07(Tue) 16:09 [zaqdb72ea09.zaq.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 匿名希望 引用

井上晃宏様

レスありがとうございます。

おそらく呉氏は、井上様のおっしゃるような意味で発言したのだろう、とは思います。
しかし、素直に読めば、「白人にあこがれれば、あこがれの気持ちが肌の色を決める遺伝子に変化をあたえて、肌の色は白くなるはずだ。なのに、黒人の肌は黒いままだ」といっているようにもとれますし・・・・・・。といって、そこまでトンデモなことを言う人がいるとは思えませんし・・・・・・。

いかんせん、もとの呉氏の文章が漠然としすぎているのです。呉氏は、「遺伝子還元論はいつか機会を見て全面批判をします」といっているので、それを待つことにします。

No.20959 - 2004/09/07(Tue) 22:32 [W175195.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書     / 匿名希望 引用

 こんにちは。
 黒川伊保子という人の『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』という本を読み終えました。2004年7月20日発行の新潮新書です。

http://images-jp.amazon.com/images/P/4106100789.09.LZZZZZZZ.jpg

 タイトルの『怪獣』にひかれて、買ってしまいました。
 著者・黒川伊保子氏は、理学部物理学科の出身で、人工知能研究者としての経歴を持っているそうです。「エントロピー増大の音」、「ことばの音のクオリア」、「感性の質の演算」、「潜在脳」、「絶対語感の持ち主である私たち日本人」といった高尚な学術用語みたいなことばが、いっぱい出てきます。
 ことばの持つ音としての響きが、人間の心にあたえる影響を考察した本なのですが・・・・・・。
 以下引用。

****************************************************

 ことばの音の響きには、潜在的に人の心を動かす力がある。発音の生理構造に依拠した、人類共通に与える潜在情報があるのだ。
(p13)

「感じる脳半球(右脳)」のことを潜在脳とも呼ぶ。
(p54)
 右脳で起こっていることは、脳の持ち主の顕在意識(左脳の処理空間)に、そのままのかちでは上がってこない。そのため私たちは、この「脳の秘め事」に普段は気付かずに暮らしている。
(p54)
 顕在脳(左脳)が認識しないのに、潜在脳がひそかに認識しているもの、それらはやがて、無意識の行動に影響を与える。それも、個人というより大衆という大きな単位に影響を与えるのである。
この世の現象、すなわち脳の入力情報には、そのような類のものがある。ことばの音は、その潜在脳認識を喚起する、もっとも有力な入力情報である。
(p55)

 意味とは関係なく、ことばの音は、直接脳に語りかける。そしてそれは人類に普遍的なもののはずである。これが私の仮説の原点である。
(p48)

 現在のところ、この研究は、私個人のスキル、すなわち、物理学、人工知能、脳科学、言語学の知識の集大成として存在する。
(p17)

 優しくたおやかな名を付けられた女は、優しくたおやかな女でいることの縛りをかけられているのだ。ユリコは、マキコほど大胆なことはできないし、キリコほど毒舌家にもなれない。ユリコという名前の音が、やんわりと、彼女を縛っているのである。
(p37)

 科学、鉄道、銀河、星座・・・・・・昔も今も、男たちのロマンを掻き立てる単語は、濁音+ブレイクスルー系清音のみで構成されている。中学時代のささやかなお年玉を鉄道模型や天体望遠鏡に捧げたかつての少年たちが、中年以降に銀座に交際費を捧げているのは、まったく同じ科学的効果、すなわち、濁音+ブレイクスルーの魔法にかかっているのではないだろうか。
(p135)

 昔から怪獣の名前と漫画雑誌の名前は濁音が成功すると言われて久しいが、その背景には、生殖可能期間中のホルモンバランスの男子を興奮させるサブリミナル・インプレッション(引用者注:著者黒川氏の造語)があったのである。
(p135)

 男の子が好む特撮モノやアニメも濁音でいっぱいだ。ゴジラ、ガメラ、ピグモン、カネゴン、ガンダム、デビルマン等々。「機動戦士ガンダム」の戦闘アイテムの名前を並べてみよう。ガンダム、ガンタンク、ガンキャノン、ザク、ドム、ジム、ズゴック、ゴッグ、アッガイ、ゲルググ(以上、戦闘用ロボット)、ビームライフル、ハイパーバズーカ、ガンダムハンマー、ビームジャベリン、ビームサーベル(以上、戦闘用武器)。
 このガンダム・ワールドでは、濁音なしの語を探す方がずっと難しい。わずかに戦闘機コアファイター、スカイフィッシュくらいだろうか。濁音は重いので、スピード感重視の戦闘機にはそぐわない。
 ガンダムがいつまでも男たちを興奮させるのは、どうも、その物語とフィギュアだけではなさそうだ。ガンダム、ゲルググ、ザク、ビームジャベリン・・・・・・男性なら、唱えているだけで気持ちよくなってきませんか? 一説にはシャンダムという別名も候補にあげられていたそうだが、シャンダムだったら、男たちをここまで興奮させただろうか。
(p136-137)

 映画のコマの間にコーラの静止画像を挟むと、動画映像でコーラは見えないのに、映画館のコーラの売り上げが伸びたというサブリミナル広告の伝説があるが、そうまでしなくてもコカ・コーラの商品名には、強烈なサブリミナル・インプレッション(引用者注:著者黒川氏の造語)がある。映画館のシートカバーに、赤地に白抜きのコカ・コーラの文字があるだけで十分なのである。
(p175)

 私は日本語を特別に母音語と呼んでいる。母音語に分類される言語は、私の知る限りでは日本語だけである。
(p193)
 私たちは母音単音を、語として認識しているのである!
(p193)
 母音単音を語として認識する人間と、そうでない人間は、脳の機能構造が違うのである!
(p194)

****************************************************

 まだまだありますが、これくらいにしておきます。
 ・・・・・・で、この本に対する私の評価ですが。
 たんなる思いつきの羅列です。トンデモ、というには、独創性に欠けるような気がします。

No.20968 - 2004/09/08(Wed) 00:38 [W175195.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書 / 受動明日 引用

『クトゥルフ神話ガイドブック』
本屋さんで拾い読み程度にしか読んでいないのですが
往年の名機PCエンジンで出たゲーム『邪聖剣ネクロマンサー』の話は個人的にどうしても入れておいてほしかったかなぁ、と

クトゥルフ神話をモチーフにしたRPGは数あれど、最終ボスがアザトースで
その前にボス四天王と言って、ツァトゥグア、ナイアラトテップ、ハストゥール、ヨグソトースなど綺羅、星のごとき神々が立て続けに登場するような(そしてそれらをバッタバッタとぶっ殺していくような)乱暴なゲームは、後にも先にもこれ一本だけでしょう

朱鷺田氏自身、このゲームの存在を知ってて入れなかった可能性も十二分にありますが
トンデモクトゥルフ物としては徒花のように光る一品だと思うんですけどね

No.20973 - 2004/09/08(Wed) 01:38 [ZD100017.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書  / 山本弘 [近畿] 引用

 匿名希望さん、こんにちは。

> 黒川伊保子という人の『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』という本を読み終えました。2004年7月20日発行の新潮新書です。

 まだ全部読んでないんですが、どうもかなり安直な本ですね。『六角形の超パワー』を思い出してしまいました。

「人気怪獣の名前には必ず濁音が入っている」

 というオビのコピーには、特撮ファンなら誰でも「モスラは!?」とツッコむことでしょう。

> このガンダム・ワールドでは、濁音なしの語を探す方がずっと難しい。わずかに戦闘機コアファイター、スカイフィッシュくらいだろうか。濁音は重いので、スピード感重視の戦闘機にはそぐわない。

 スカイフィッシュ? セイバーフィッシュのことでしょうか?
 確かにガンダム世界には濁音なしのMSやMAはきわめて少ないですが、それでも少数ながら、エルメス、マラサイ、ケンプファー、イフリート、アプサラスなんて例が思い浮かびます。その他のメカでは、ユーコン、シーランス、ムサイ、コムサイ、サラミス、ワッパ、ファンファン、サムソン、ファット・アンクル、キュイ……って、けっこうたくさんあるぞ! 「くらいだろうか」というのは明らかにリサーチ不足。

 まあ、濁音つけると強そうに見えるから、製作者が名前に濁音つけたがるのは確かだけど、濁音つければ人気が出るってわけじゃない。ヒット作品だけ挙げて「ほら、ここにも濁音が」なんて言うのは明らかに変。『グリーンマン』とか『魔神ハンターミツルギ』とか『アストロガンガー』とかも例に挙げていただかなくては(^^;)。

No.20986 - 2004/09/08(Wed) 14:12 [zaqdb72e90d.zaq.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / マジルテ [近畿] 引用

>匿名希望様
『ホントの話 誰も語らなかった現代社会学』
「精神や心理のメカニズムは遺伝子に還元はできません。遺伝子還元論はいつか機会を見て全面批判をしますが、一例だけ挙げておきましょう。黒人は概して白人に憧れを抱いています。この憧れがすべて実現したら黒人の遺伝子はどうなりますか。どんどん薄まってしまいます。遺伝子還元論を妄説だとするゆえんです。(p186)」

>呉氏のいわんとするところが、よくわかりません。黒人が白人にあこがれて、白人と結婚を重ねるから、その遺伝子は薄まっていく、という意味でしょうか?

結婚とは関係がないと思います。
ある変化を望む遺伝子があったとして、その変化が満たされた時、その遺伝子が消えていく、
といったことが書いてあると思うのですが。

No.20993 - 2004/09/08(Wed) 21:42 [isp210226038106.hottv.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 匿名希望 引用

 山本先生、レスありがとうございます。

>  まだ全部読んでないんですが、どうもかなり安直な本ですね。

 まったく同感です。こんな内容スカスカの本(もっともらしい学術用語らしきものは使っていますが)に、お金を出した自分がナサケナイです。(笑&泣)。

 ところで、この本がきっかけで、怪獣の命名法について興味をもって、検索をかけてみました。
 すると、高名な文学者である丸谷才一も、怪獣の命名について考察している、ということがわかりました。(ちなみに、私は、丸谷才一という人の本を読んだことはありません。(笑)。かなり前に氏の文章読本を買いましたが、部屋の隅でホコリをかぶっています。(笑)。)
 文春文庫の『青い雨傘』という本です。怪獣の名前に「ラ」がつく理由について、述べているようです。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4167138131.html

http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/NS/CSfLastGenGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=955445&rbx=X

 明日にでも、書店に寄ってみようと思います。が、どうも旧仮名遣いで書かれている本のようなので、難しそうだったら、買うのはやめます。(笑)。

 ところで、むかし、別冊宝島か何かの特撮関係のムックで、怪獣の名前はなぜ語尾が「ラ」で終わるのかを考察したものがあった記憶があるのですが・・・・・・。あの文章を書いたのが、丸谷氏だったのでしょうか? かなり有名な評論家だったような覚えがあります。しかし、丸谷氏のような文学者がムックに文章を書くとは思えませんし・・・・・・。

No.20994 - 2004/09/08(Wed) 21:45 [ZN069103.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 匿名希望 引用

マジルテ様、レスありがとうございます。

> 結婚とは関係がないと思います。

 たしかに呉氏は、ひとことも「結婚」について述べていません。私の早とちりですね。

 いずれにせよ、私には、呉氏の文章が、どうも漠然としすぎているような印象を受けるのです。たとえば、「黒人の遺伝子」って、黒人の、何の遺伝子なのか、呉氏は述べていません。「肌の色を決める遺伝子」なのか、「白人にあこがれる遺伝子」なのか・・・・・・それに、それが薄まる、というのはどういう状態を指すのか。仮に「白人にあこがれる遺伝子」が薄まったとして、それが薄まった、というのを、薄まっていないもとの状態と、どう比較するのか。そもそも「黒人は概して白人に憧れを抱いています。」と呉氏はいいますが、そうなのでしょうか?
 呉氏は、「遺伝子還元論はいつか機会を見て全面批判をします」といっているので、それを待つことにします。

No.20995 - 2004/09/08(Wed) 22:07 [ZN069103.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書 / 奇異巣蝋魔 引用

>  ところで、むかし、別冊宝島か何かの特撮関係のムックで、怪獣の名前はなぜ語尾が「ラ」で終わるのかを考察したものがあった記憶があるのですが・・・・・・。あの文章を書いたのが、丸谷氏だったのでしょうか? かなり有名な評論家だったような覚えがあります。しかし、丸谷氏のような文学者がムックに文章を書くとは思えませんし・・・・・・。

>匿名希望殿。それは別冊宝島「映画宝島 怪獣学・入門!」ですね。執筆者は呉智英氏。書下ろしではなく「月刊宝島」からの再録です。
 
>山本先生。そういえばロボットの名前はガ行が多いですね。グロイザーX、ゴーバリアン、ゴッドマジンガー、ギンガイザー、ゴライオン、ゴーダム、ゴーディアン、ゴールドライタン、ガルビオン、ガラット、ゲキガンガー3。

No.20997 - 2004/09/08(Wed) 23:01 [ntokym009178.okym.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 「映画宝島 怪獣学・入門!」 / 匿名希望 引用

 奇異巣蝋魔様。
 ご教示ありがとうございます。

> それは別冊宝島「映画宝島 怪獣学・入門!」ですね。

 そうでした。大変な名著であったと記憶しています。

> 執筆者は呉智英氏。書下ろしではなく「月刊宝島」からの再録です。

 呉智英氏でしたか。
 呉氏に関しては、私、このスレの別の箇所で書き込みしていますが、まったくの偶然です。シンクロニシティというやつでしょう。

「映画宝島 怪獣学・入門!」は、きょう帰りに図書館に寄ったところ、貸し出し中でした。予約を入れておきました。
 ついでに、丸谷才一氏の『青い雨傘』がおいてあったので、借りてきました。(文庫ではなくハードカバー版。)これから読むところです。

 怪獣の名前には、なぜ「ラ」がつくのか? というまったく同じテーマを、丸谷才一氏や呉智英氏のような有名な(そして怪獣なんかハナからバカにしていそうな)評論家が取り上げている、というのは、よっぽどこれが魅力的なテーマだからでしょう。



 ・・・・・・そういえば、小松左京氏氏も、日本列島が動き出すという内容の短篇中で、ゴジラのことを「なんとかラ」と揶揄していた記憶があります。怪獣の「ラ」は、多くの人を魅了するのでしょう。

No.21014 - 2004/09/09(Thu) 21:22 [ZB098099.ppp.dion.ne.jp]

Re: SFマガジン10月号 / 匿名希望 引用

 こんにちは。
 いま『SFマガジン』誌の今月号を読んでいるところです。
 巻頭の、今月号で連載10回目を迎える『地球スコープ2004』の作者・笹公人氏の名前を、「どこかで読んだおぼえがある」と思って、記憶に検索をかけてみました。
 そうだ――『トンデモ本の世界T』で、皆神龍太郎氏が絶賛していた『念力家族』の作者だ、と思い出しました。

『念力家族』は未読ですが、皆神氏によると、親兄弟一家みんなが超能力者という「念力家族」と、腋臭の強い謎の少女との戦いでフィナーレをむかえる爆笑の「お笑い短歌」だそうです。『地球スコープ2004』は、いうなれば、「SF短歌」でしょうか?

 私に短歌を鑑賞する能力はありませんが、『地球スコープ2004』は、シリアス志向の作品だと思います。こういうSF短歌を書く人が、対極的なお笑い短歌『念力家族』を書いているんですね。才能のある人はすごい、と思いました。

No.21015 - 2004/09/09(Thu) 21:25 [ZB098099.ppp.dion.ne.jp]

誤訳?   / カルトむら [関東] 引用

私が8月の読書の時にチラッととりあげ、山本先生も薦めておられるマーティン・ガードナー『インチキ科学の解読法』ですが、
読み返してたら一箇所誤訳…と言っていいのか解りませんが、
これは直した方がいいかな?と言う所を発見しました。
おそらくこちらをご利用の皆さんはご存知の方が多いジェームズ・ランディ氏の職業が「魔術師」となっています。(13ページ)
当然氏は魔術師ではなく『手品師』な訳ですが、
英語ではどちらも「Magician」ですから、
混乱が生じたのではないかと。
それとも訳者の方は日本語でも『手品師』を『魔術師』とも言うというつもりで書いたのでしょうか?
いずれにせよ誤解を招かないようにするには、『手品師』としておくべきだと思うのですが。

No.21016 - 2004/09/09(Thu) 22:49 [proxy22.rdc1.kt.home.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / ものぐさ太郎 [東海] 引用

山本先生
こんばんは。

>> このガンダム・ワールドでは、濁音なしの語を探す方がずっと難しい。わずかに戦闘機コアファイター、スカイフィッシュくらいだろうか。濁音は重いので、スピード感重視の戦闘機にはそぐわない。

> スカイフィッシュ? セイバーフィッシュのことでしょうか?

この言葉に引っかかってしまいました(笑)。
おそらく未確認の機体でしょうね。
UC0095年頃、中米ゴロンド・リナス基地付近にて原形機「ロッズ」の飛行中の様子が、降下訓練を収めたビデオに撮られているのを発見されるが、他の機体との誤認説が根強い。なおこの命名は未確認航空機研究家のシン・ナミキ氏によるものである・・とか。
脱線した割にはぬるくてすみません。
 

No.21022 - 2004/09/10(Fri) 01:34 [FLA1Aas157.szo.mesh.ad.jp]

Re: 九月の読書 / 奇異巣蝋魔 引用

●『幽 VOL.1』メディアファクトリ-

 日本発の怪談専門誌だそうである。執筆人が豪華で綾辻行人、京極夏彦、小野不由美、木原浩勝、中山市郎、北野誠、平山夢明、花輪和一、諸星大二郎、高橋洋介、佐野史郎、南條竹則、高田衛、唐沢俊一、東雅夫、山田誠二、他多数。

 京極先生の「旧耳袋」はこんな書き出しで始まる。

>Uさんは、私(根岸)の遠縁に当たる、謹厳実直な武士である。

 つまりこれは、江戸怪談を現代の実話怪談の文体で書いたものなのだ。変なことを考えるねえ。

 唐沢先生の担当は漫画評論(やっぱりね)。『バジリスク 甲賀忍法帖』を怪談の文脈で読み解く。
 かつて江戸川乱歩はホラーを怪談と訳したが、京極先生や唐沢先生の基準では、ホラーと怪談は別ジャンルらしい。文芸評論家の中にもファンタジー小説と幻想文学を別ジャンルと主張する人も居れば、同義語と解釈する人も居る。定義が難しいのはSFだけじゃないね。
 
 個人的に面白かったのが、加門七海×室井滋さんの対談。室井さんの霊体験の流れで、朝の子供番組でカサゴ役を演った話が飛び出す。番組名は出していないが、明らかに『うたう!大竜宮城』のことだな。

●『スサノオ 第一号』勉誠出版

 最近、陰陽師関係の本を出しまくっている相模女子大学教授、志村有弘氏が責任編集を務める日本文化を掘り下げる雑誌(実質的にはムック)。創刊号の特集は鬼。

 目玉は巻頭対談、夢枕獏×志村有弘。格闘技には鬼や地獄の名を冠した技が多いと言う話題になり、そこから地獄車→『柔道一直線』→足でピアノを弾く話に脱線。獏先生は近藤正臣氏と年に約一回、一緒に釣りをするそうだ。
 
 他に岡本綺堂の怪奇小説や、陰陽道・密教・修験道と鬼、怪奇文学と鬼、怨霊と怪奇、江戸の怪奇等の評論を収録。
 2冊共に買ってから読むのに時間がかかってしまったなあ。
 

No.21023 - 2004/09/10(Fri) 01:37 [ntokym020109.okym.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書その1      / VT250F 引用

●七瀬隆
『トンデモサイエンス読本』(セントラルSOG)

 この本、パラパラめくっただけであからさまにトンデモ本だと分かる内容の本なのですが、まえがきに、「トンデモ本の世界」「トンデモ本の逆襲」「トンデモ超常現象99の謎」を読んで目から鱗が落ちるような感覚を持ったと書いてあったので、どのようにしてトンデモ理論を展開するのかを期待して買ってみました。
 読んでみると、意外とオーソドックスに自分が見た映画や本、円周率などから自分だけが理解できるメッセージを読み取ったというよくある展開で、ロズウェルに墜落したと言われているUFOに乗っていた宇宙人が実は今も生きているとか、月から見た地球は実は球体ではなかったとかという結論に持っていくのですが、おもしろいのはその元ネタ。「インディペンデイス・ディ」、「ループ」(鈴木光司)、「ドラゴンボール」(鳥山明)、「ジョジョの奇妙な冒険」(荒木飛呂彦)等。特に「ドラゴンボール」と「ジョジョの奇妙な冒険」から多くのメッセージを受け取っているようです。
 さらにおもしろいのは、この著者が自分で思いついた妄想を正しいかどうか確認する方法。それはなんと「2ちゃんねる」に書き込むこと。「2ちゃんねる」に書き込んだ後、「ある方法」を用いると「謎の存在」が正しいかどうかを教えてくれるのだそうです。(「ある方法」がどのようなものかは不明。)
そして、この「謎の存在」の正体が何なのかは著者自身も分からないそうなのですが、著者の「感触」ではなんと知性を持った植物の集合体でないかというのです!
 他にも自分が持ってる超能力の話だとか、ドミノ倒しを利用した永久機関の話だとかおもろい話が満載でした。著者本人はトンデモネタだと自覚しているようですが、なぜか自分の説には確信を持っているようでした。
 結局、著者の目にはまだ落ちていない鱗がたくさん付いているようです。

No.21026 - 2004/09/10(Fri) 14:54 [cachec.ncv.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / エロの冒険者 [九州] [ Home ] [ Mail ] 引用

 皆様、こんにちは。

 「審判の日」今読んでいるところです。

 これまでのところでは「屋上にいるもの」が最高という感じです(笑)。あのよくある都市伝説ネタかと思わせて○○に○○を○っ○生○○○る○○が登場するくだりに“ゾクッ”とさせて頂きました。こんなに“ゾクッ”としたのは牧野修さんの「スィート・リトル・ベイビー」以来じゃないかしらん。

No.21027 - 2004/09/10(Fri) 17:31 [ntfkok011087.fkok.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 『ダ・ヴィンチ』今月号 / 匿名希望 引用

 皆様、こんにちは。
 このところ、なぜか評論家の呉智英氏に縁のある読書生活を送っています。

 今月号(10月号)の『ダ・ヴィンチ』誌の呉氏の文章に、「?」と思う箇所がありました。
 呉氏は、『ダ・ヴィンチ』で『マンガ狂につける薬』というエッセイを連載しています。(今月号(10月号)は、連載第117回めです。)
 ここで呉氏は、昨年12月に発表されたゴルゴ13の「一射一生」というエピソードを批判しているのですが……以下引用。

****************************************************

 ゴルゴが京都の弓道家のもとを訪れ、和弓の極意を学ぶ。ゴルゴが和弓を? 何のために? それは、不要になった軍事衛星を打ち落とすためだ。ゴルゴはスペースシャトルで宇宙空間へ行き、和弓をひきしぼる。
 和弓は植物性だからレーダー探知されにくい。地上なら射程距離が二百メートルほどだが、宇宙空間なら矢は無限に飛ぶ。細い矢一本では軍事衛星を破壊することはできないが、ma=m´a´だから、矢があたった衛星は、秒速数ミリの極微速で軌道をはずれる。秒速数ミリは時速十メートル。一日に二百四十メートル。一月なら七キロ。ほどなく衛星は宇宙の迷子になる。しかも、小型砲などを使えば、その反動で射手が反対方向に宇宙の果てまで吹き飛ばされるが、弓は無反動だから射手も安全だ。すばらしいアイデア、さすがゴルゴ・・・・・・だろうか。
 物理学に「作用・反作用の法則」というものがある。どんなに軽いものでも射出すれば、無反動ではありえない。やはり極微速でゴルゴは反対方向へと漂流を始める。弓の反動は円運動だと言うのなら、ゴルゴはコマのように回り始める。弓も物理法則を逃れることはできない。この場合、一番いいのは、理科の実験でやるペットボトルの水ロケットだろう。これだとレーダーでも赤外線でも探知できず、自噴装置だから射手に反動もない。
(p197)

****************************************************

 和弓が使われたことへの呉氏の批判自体はもっともだとして、ペットボトルの水ロケットを使うという代案は、私には納得できないのです。
 無重量かつ真空の宇宙空間で、水ロケットが、ゴルゴの超人的技量に匹敵する命中精度を発揮できるのか? そもそも、水ロケットが、まともに飛ぶのか? 

 ところで、過去に似たようなシチュエーションの作品(ゴルゴが宇宙に行く話)があるのを思い出しました。あの「軌道上狙撃」の回で、ゴルゴのために宇宙空間で使う特別製の銃をつくった銃器職人(名前忘れました)は、最近登場しませんが、どうしたのでしょう。

No.21030 - 2004/09/10(Fri) 21:12 [ZF089194.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / のづち 引用

「審判の日」読了しました。
私が気に入ったのは「闇が落ちる前に、もう一度」です。
読みながら鳥肌が立ちました。
この作品や、「夜の顔」の主人公の妄想ってコズミック・ホラーですよね。
それも、旧支配者といったある種のキャラクターに仮託されたものではなく、世界の仕組みそのものに対する恐怖を描いた、非常にピュアな意味でのコズミック・ホラーだと思います。
良い本を読ませていただき、ありがとうございました。

山本先生が「トンデモ本か? 違う、SFだ!」で激誉めしておられたグレッグ・イーガンの短編集2冊も読みましたが、こちらも「最も根源的なものへの懐疑」がテーマになっていて非常に私の好みでした。

No.21031 - 2004/09/10(Fri) 21:20 [p4138-ipad03kyoto.kyoto.ocn.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 塩田多弾砲 [ Mail ] 引用

朝日ソノラマ
「24年目の復讐 上原正三シナリオ傑作集」
「ノンマルトの使者 金城哲夫シナリオ傑作集」

 ちょいと今、某所で手がけてるシナリオのネタ集めとして、本棚から引っ張り出して読みました。
 上原氏は、最近のウルQのがイマイチ(笑)だったですけど、それでも個人的には、あんまり悪く言いたくないんですよねー。
「ゴーガの像」の準備稿「化石の城」なんか、ちょいと手直ししたら現在でも十分通用しそうだし(アーム貝ってのは、やはり「オウム貝」からなのかな。しかし宝石を分泌する貝って、なんかゴルドンやガマクジラに共通するものがありそうです)
 最初に読んで、結構意外に思ったのが「恐怖劇場アンバランス」未使用シナリオ「おそろしき手毬歌」。
 娘を殺された母親が、その遺体を食らい、殺した相手の家庭に入り込んで復讐していくというもの。この時代にこれほどまでに生々しく、また、恐ろしい物語を描いていたって事には、正直スゴイと思いましたですね。

 この方のシナリオを読むにつれ、細かく考証したSFというより、御伽噺に近いのではないか……と思ったり。

 金城氏のシナリオの方は、「WOO」1・2話が良いですね。
「WOO」とは「ウルトラQ」の前に作られた企画で、善意の宇宙人WOOが来訪し、様々な怪事件を主人公らとともに解決していく……って内容のドラマです。
 が、このWOOってのが不定形ではっきりしない姿なので、これの特撮ができなかったために没になったと思われ。
 WOOがちょっととぼけた性格なので、現在の技術で映像化したのをちょこっと見てみたかったりして。

 うーむ、こういうのを読むたび、もっと先人の良いとこを見習い、自分の技術として取り入れるべく勉強して努力しなきゃあなと思う次第です。

No.21033 - 2004/09/10(Fri) 21:53 [p14250-adsau14honb7-acca.tokyo.ocn.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 圖南 [東海] 引用

カルトむら さん、こんにちわ。

> 私が8月の読書の時にチラッととりあげ、山本先生も薦めておられるマーティン・ガードナー『インチキ科学の解読法』ですが、
> 読み返してたら一箇所誤訳…と言っていいのか解りませんが、
> これは直した方がいいかな?と言う所を発見しました。
> おそらくこちらをご利用の皆さんはご存知の方が多いジェームズ・ランディ氏の職業が「魔術師」となっています。(13ページ)

私も現在読み進めている最中です。内容自体はおもしろいのですが、なんというか訳文がこなれていないというか直訳っぽい箇所が多くてやや読みにくいのが難点かと。

「スター・トレック~次世代編」ってなによ?ネクスト・ジェネレーションでいいやん。

No.21041 - 2004/09/11(Sat) 10:08 [ntszok057114.szok.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書 / クリープを入れないコーヒーなんて [関東] 引用

『審判の日』で気になったところが…
交差点に停車中の車のドライバーが消えたら、車はクリープ走行はじめませんか?

No.21044 - 2004/09/11(Sat) 13:24 [eatkyo188228.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 山本弘 [近畿] 引用

●黒川伊保子『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』(新潮新書)

 読了しました。
 簡単に言っちゃうと、トンデモさんによくある「確証バイアス」、つまり自分の信念に都合のいい証拠ばかりを集めることで成り立っている本です。
 その典型が「人気怪獣の名前には必ず濁音が入っている」という主張。確かに人気怪獣だけ見ればそう思えるけど、人気のない怪獣はどうなるの?
 いくら濁音が入ってたって、グビラやゴルパゴスやギラギンドやバレバドンやグロブスクやザリバザーンは「人気怪獣」とはとうてい呼べないでしょう。もともと怪獣には濁音を含む名前がかなりのパーセンテージで存在しているんだから、怪獣を何匹か選び出せば、(人気があろうとなかろうと)濁音が多く見つかるのは当たり前。ということは、濁音と人気には相関関係はないと考えるべきじゃないでしょうか?
 実際、『ウルトラマン』『ウチュウセンカンヤマト』『ホクトノケン』『キンニクマン』『ポケットモンスター』など、濁音を含まない人気作品がたくさんあることは、著者の理論では説明がつきません。
 あと、韓国人が『緑色戦車ヘモス』などという、日本人の感覚からするととうていかっこいいとは言えないタイトルのアニメを作っているところを見ると、語感というのはその民族固有の現象じゃないかと思えるんですが、どうでしょうか。

 もうひとつ、この人、自分の感覚を普遍的なものだと勘違いしているようなんですね。

>「アヤ」「ユカリ」「ヨシエ」……声に出してみると、何の感情もないのに、ヨシエだけがほんの少し遠くにあるのがおわかりになるだろう。(p.143)

 おわかりになりません。僕の感覚では、むしろ「アヤ」は神秘的な語感があって遠くにあり、「ヨシエ」はおばさんぽくて身近な感じがします。

>Ka-SHiと発音すると、光が走るのを感じないだろうか。(p.155)

 感じません。みなさん「菓子折り」とか「貸し借り」とか「樫の木」という言葉を口にしたら光が走るのを感じますか?
 きわめつけは「マニフェスト」という言葉について論じたくだり。著者には「マニフェスト」がF音を含んでいるため、このように感じられるんだそうです。

>「おねぇさまぁ、ボクのお約束は、ちょっと守れないかもしれない」という声が聞こえるようだ。(中略)ただ、私はこのことば、最もオトナであるべき為政者の幼児性を感じて、とても気色が悪かった。このことは、公約不履行なんかより、なぜか断じて許せないような気がするのだ。(後略)(p.61)

 ……Fが1個入ってるだけで、そこまでボロクソに言いますか?
 いや、感覚には個人差があるから、著者がどんな感想を抱こうと自由ですがね。でも、普通の人は公約不履行の方が許せないはず。この人の感覚って、平均的な日本人のそれとかなりズレてるように思えるんですが。

●ジュディス・レヴァイン
 『青少年に有害!』(河出書房新社)

 かつて若者が性の自由を謳歌していたアメリカで、今、激しい揺り返しが起こっています。未成年者を保護する一方、セックスに関するモラルを厳しくしようという動きが起こっているのです。
 一見すると結構なことのように思えますが、多くの弊害も起きています。セックスに関する情報すべてをブロックするフィルター・ソフトのために、「サセックス」について検索できないとか、冗談みたいな話もいろいろ。「自分の娘がお風呂で遊んでいるところを撮影しただけで逮捕される」というのは、てっきりジョークかと思っていたら、本当にそんな事例がいくつもあったんだそうで、ちょっとびっくりです。
 アメリカの警察はおとり捜査のため、ネット上でチャイルド・ポルノ写真をばらまいています。潜在的な犯罪者を釣り上げるためですが、本物の密売人が存在する麻薬とは異なり、ネット上のチャイルド・ポルノの場合、そのすべてが(!)警察が配布したものと言われています。当然、警察がそんなことをしなければ誰も罪を犯さないんじゃないのかという批判もあります。
 現在、アメリカの多くの学校では「結婚するまで絶対にセックスをしてはいけない」という禁欲教育が行なわれています。しかし、禁欲教育は若者の性交の歯止めにはならないという研究が発表されています。それどころか、禁欲教育では避妊法を教えないため、コンドームやピルの使い方を知らないままセックスをする若者が増えることになります。
 中絶はさらに激しく攻撃されており、多くの州で禁止されているため、妊娠したら生まなくちゃいけません。しかも、未成年者とのセックスをすべて強姦とみなす法律のため、「合意のうえでの強姦」という非論理的な罪で、相手の男は(たとえ本気で愛し合っていたとしても)監獄行きです。赤ん坊を抱えた若い母親はどうすればよいのでしょうか……。
 かつては許容されていた幼児の「お医者さんごっこ」のような遊びも、危険視されています。小さいうちからマスターベーションをしたり、人前で裸になりたがったり、女の子のお尻をさわったりする子供は、「性的問題行動」があると決めつけられ、セラピーを受けさせられます。

 これは難しい問題です。なぜなら「異常」と「正常」の間に明確な境界線などないからです。それは相対的なもの、時代や国や文化によって揺れ動く、流行のようなものだからです。
 今のアメリカはそれが極端に右に振れ、これまで正常とされていたものまで異常視されるようになっているわけですが、アメリカ人の多くがそうしたムーブメントを支持している以上、それが間違っているとも言えない。
 日本はどうなんでしょう。訳者が言っているように、対岸の火事では済まないかもしれませんね。

No.21046 - 2004/09/11(Sat) 15:51 [zaqdb72eb55.zaq.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 井上晃宏 [東海] 引用

>赤ん坊を抱えた若い母親はどうすればよいのでしょうか

USAでは里親や養子縁組が盛んで、現在、56万人もの里親がいるそうです。中絶禁止論者は、望まれない子どもは里親でなんとかしようってことらしいです。
でも、米国の合法妊娠中絶の数は120万件/年もあり、里親の数を今の10倍以上にしないとやっていけないと思う。

No.21047 - 2004/09/11(Sat) 16:18 [YahooBB219054024049.bbtec.net]

第24回横溝正史ミステリ大賞受賞作 / 匿名希望 引用

 今回(第24回)の横溝正史ミステリ大賞を受賞した『風の歌、星の口笛』という本を読みました。平成16年5月31日の初版です。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048735403/qid%3D1094737740/250-6369617-8166607

 設定のコアに人類の宇宙進出がすえられています。こういった作品が、今回、ミステリ界の登竜門である横溝正史ミステリ大賞を受賞したのも、時代の傾向でしょうか。

 異様な三つの世界が、そこに生きる三人の人物の目を通して語られます。
 第一の世界の語り手は、探偵。探偵のすむ世界は、生きたほんものの動物をペットとして飼うことが禁じられた世界で、人びとは、電気仕掛けの人工動物をペットにしている。ところが、その死ぬはずのない電気仕かけのペットがつぎつぎに「死ぬ」という事態が起きた……。
 第二の世界の語り手は、地球から、むかし高度な文明が存在していたものの、いまはそれが滅び去った砂漠の惑星にやってきた探査隊員。語り手は、遺跡の一室で、説明のつかない死体を見つける。死体は、天井にはりついた状態でミイラ化していた。出入り口は、閉ざされている。地球を遠くはなれた惑星で起きた密室殺人である……。
 第三の世界の語り手は、近未来の地球の青年。彼は、交通事故で入院していたのだが、退院したとき、自分の記憶が、現実と食い違っていることに気づく。宇宙進出計画の研究者である彼の恋人が姿を消してしまっていたのだが、だれも、そんな女性は知らないという。彼女が実在したことを示すさまざまな物的証拠も消えている。しかし、たしかに、青年には、恋人がいたはずなのだ。記憶と現実の齟齬に悩む青年を、何者かがつけねらう……。
 物語の進行とともに、三つの世界で起きた事件の謎は、解決されていきます。(砂漠の惑星の密室殺人のトリックは、作品世界のSF的設定なくしてはありえなかったでしょう。)そして、三つの世界は、ひとつにまとまります。

 こういうSF作品が、ひろく読まれる「横溝正史ミステリ大賞」を受賞したことは、よろこばしいかぎりです。電気仕かけの愛玩動物とか、記憶の捏造とかいう設定は、ディックが入っているな、という印象を受けました。人工の惑星とか、恒星間ラムジェット、星虹なんかのも出てきます。

 ・・・・・・さて、私の評価ですが。
 SFとしてはペケ! 巻末に選考委員の談話が記載されていますが、綾辻行人氏は、もしこの作品をSFの新人賞に出しても高い評価は得られなかっただろう、と述べています。同感です。
 さらに言ってしまいましょう――ミステリーとしてもペケです。(笑)。ネタばれになるので、くわしくは書きません。
 もしこの『風の歌、星の口笛』に興味をもたれたのなら、ご自分でお読みになった上、評価を下してください。ただし、お金を出して買うのはやめておいたほうがいいと思います。(笑)。図書館で借りるなりして、お読みになることをおすすめします。

No.21053 - 2004/09/11(Sat) 21:12 [ZM026236.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 定山渓秘宝館 [北海道] 引用

匿名希望様
>銃器職人(名前忘れました)は、最近登場しませんが、どうしたのでしょう。

デイブ=マッカートニーですね。
露骨な話になりますが、シナリオ(原案)担当の方が変わって
忘れられた設定の仲間入りしたのだと思われます。

No.21063 - 2004/09/12(Sun) 10:43 [YahooBB219168028004.bbtec.net]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 井上晃宏 [東海] 引用

「キャラクター小説の作り方」(大塚英志)
 マンガ原作者、マンガ雑誌編集者、小説家のすべてを経験した著者が「スニーカー文庫のような小説」を書くための手練手管をまとめたもの。基本的には小説家志望者のための専門学校で教えていたことがもとになっている。
 ここの掲示板で「二次元世界の日常」として書かれていることだけで十分なのだ、オリジナリティなんてパターンの順列組み合わせなのだという、ある種、身も蓋もない作家論が展開される。
 小説家志望でなくても十分おもしろい。キャラクターを生き生きと動かすための訓練としてTRPGは非常に役立つとか、過去の作品中にすでに存在していたが、今は忘れ去られているネタを発見して、自分のものにすれば、それでオリジナリティと言えるのだとか。

 小説なんて書いたことがない自分でも、ある水準の小説はかけてしまうような気にさせられてしまう著者の語り口はすばらしいと思う。専門学校の教師としては及第です。

 でも、現代で小説家になれるかどうかは、うまい文章、おもしろい話も大事だけれど、売り方が重要じゃないかと思うのですね。
 「皇国の守護者」(佐藤大輔)という小説があります。ネットで検索すればいくらでも感想文が出てくるので書きませんが、間違いなく傑作だと断言できます。ところが、全然売れてないんです。8巻まで出ていて、最初の巻が発売されてから5年以上たつのに、まだ1巻が1刷なんです。
 渋いカヴァーイラストはボトムズの塩山紀生氏で、オールドアニメファンへの訴求力は十分あると思いますし、小説の作風にも合ってます。
 著者の知名度、カヴァーイラスト、作風の三本がすべてそろって、ソフトカヴァーで中央公論新社が出版しても、初版しか売れてないのは不思議で仕方ありませんね。

No.21067 - 2004/09/12(Sun) 13:07 [YahooBB219054024049.bbtec.net]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / カルトむら [関東] 引用

>圖南さん
どうもはじめまして。
レスありがとうございます。

そうですね、せめて日本で放映されたTV番組のタイトルくらい邦題を調べて欲しいところですが、
まあ蛇足と言えばそうなので本気でクレームをつける気までは起きませんが。
全体的に観て、この手の本の中では読みやすい訳文だとも思いますし。
もっと読みづらい訳文の本はたくさんありますしね。

>内容について
そう言えばきちんと内容に関する感想を書いてませんでした(汗
遅ればせながら・・・
この本の中で一番驚いた記事は、
人食い人種と言ものが実はきちんと確認された存在ではないと言うものです。
(この場合は、文化人類学等で扱う民族、部族レベルでの人肉食いの習慣の事。個人ベルの猟奇的なものは除く)
ふつ~に人食い人種は確実に存在する(した)物だと信じて疑っていませんでした。
存在した派、しない派、どちらが正しくどちらがトンデモかはっきりしない話題なのですが、
自分が当たり前と思い込んでいたものに、
きちんとした理論を持った反論がなされていた事をはじめて知り、
非常に興味をそそられましたね。
これは相対性理論にトンデモさんが噛み付くのとは違う次元の話ですから。

No.21073 - 2004/09/12(Sun) 20:18 [proxy22.rdc1.kt.home.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / ぺいりあん(palien) [近畿] [ Mail ] 引用

カルトむらさん
>人食い人種と言ものが実はきちんと確認された存在ではないと言うものです。
~中略~
>ふつ~に人食い人種は確実に存在する(した)物だと信じて疑っていませんでした。

儂がテレビで見聞きした限りでは祭りのような形の「隣の部族との戦争(相手を皆殺しにはしない)」で殺した相手を食べるという習慣がある部族が東南アジアのジャングルの中やアフリカにあったという記憶があります。例の「縮小頭蓋」を作る部族もそうだったとか聞いた事があるのですが。

スピリチュアルな感覚で「力を身体に入れる」という為にするようです。
ようするに祭りのイベントとしての人肉食は広くあったと儂は思います。
現在でも毎年「死人が出る」と判っていて行われている「祭り」ありますよね。

以下は個人的妄想である事を予め、お断りしておきます。

直接的に食べなくても「人柱」や「神への生贄」などは集団として個人を食っているようなものでしょう。
つまり宗教が出来て個人の人肉食が禁じられても集団の欲求としての人肉食は永く続いた訳で・・・。

No.21076 - 2004/09/12(Sun) 21:05 [zaqd38721d7.zaq.ne.jp]

Re: デイブ=マッカートニー / 匿名希望 引用

 定山渓秘宝館様、ご教示ありがとうございます。

> デイブ=マッカートニーですね。

 おお、思い出しました。

> 露骨な話になりますが、シナリオ(原案)担当の方が変わって
> 忘れられた設定の仲間入りしたのだと思われます。

 そういえば、呉智英氏が批判の対象としている『一射一生』は、公募作品だそうです。(脚本大賞特別優秀賞を受賞。)



 余談ですが。
 私としましては、ペットボトルの水ロケットを使う呉智英氏案のほうが、和弓を使うもとの話より、漫画として面白いのではないかと思います。これを、呉智英氏が、脚本にしてみてはどうか、と。
 つまり・・・・・・。

 ゴルゴが日本のペットボトルロケット競技大会に参加し、子どもたちにまじって、ペットボトルロケットづくりの奥義を極める。ゴルゴがペットボトルの水ロケットを? 何のために? それは、不要になった軍事衛星を打ち落とすためだ。ゴルゴはスペースシャトルで宇宙空間へ行き、ペットボトルロケットを発射する。

 いかがなものでしょう?

No.21077 - 2004/09/12(Sun) 21:24 [ZF088146.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / ヨコヤマ [東海] 引用

定山渓秘宝館 様、匿名希望 様
> > 露骨な話になりますが、シナリオ(原案)担当の方が変わって
> > 忘れられた設定の仲間入りしたのだと思われます。
 あれ? 今コンビニに並んでいるヤツの最後のエピソードに出でくる馴染みの職人さんは、彼じゃないですか?

 しかし、今回のは、昔のエピソードの続編になっているものがあり、その意味では面白かったですね(女流推理小説家がゴルゴをネタにしようとするものの、中古のF-104に乗ったゴルゴに、たてこもった軍の基地ごと吹き飛ばされる話)。

No.21080 - 2004/09/12(Sun) 23:19 [cassiopeia.aitai.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / フェイズ 引用

井上晃宏  様:
売り方が重要、というのは賛成ですが、コマーシャルや販売戦略よりやはり作品でしょう。つまり売れるような話を出版するという方が大切です。あくまで売るためには。

> 「皇国の守護者」(佐藤大輔)という小説があります。ネットで検索すればいくらでも感想文が出てくるので書きませんが、間違いなく傑作だと断言できます。

あれは確かに傑作です。佐藤大輔の作品の中でも最高傑作ではないかと思います。
ですが、あまりにもマニアックなもの事実です。第1次大戦レベルの文明時代の戦争を描きながら舞台は異世界、龍族と人類が共存し、「大協約」という生命尊重条約が重視される故に異種族同士の戦い介入や大都市への軍の直接攻撃が禁じられているというこれでもかというくらいな設定が問題です。普通のライトノベル読みは複雑すぎてついていけず、架空戦記ファンにはファンタジーと思われて敬遠され、SFというには超兵器も宇宙人も出てこない。ヒロインは19歳の皇女なのはいいけれど萌え要素皆無、主人公は女の首を絞める趣味がある精神病質要素大の中年男ときては、よほどの趣味の人でないとのめり込めないでしょう。(私はハマッてますが)

> 著者の知名度、カヴァーイラスト、作風の三本がすべてそろって、ソフトカヴァーで中央公論新社が出版しても、初版しか売れてないのは不思議で仕方ありませんね。

本は、やはり一般(というのはちょっと違うか。本を買う人たちの中の一般かな)ウケする設定や話でないとヒットしないということではないでしょうか。マーケットリサーチでもやって、ウレセンを確認してから書くのが良いのかもしれません。OVAはもう実施しているみたいですし。ただそうするとパターンの粗製濫造になってしまうでしょうね。いやもうなっているか。でも電撃なんかはそのパターン破りに色々挑んでいるみたいですが。売れてるのかな。

それと、付け加えると佐藤大輔という実績がある作家だからこそああいう話を出版できたのだと思います。新人が持ち込んでもおそらく断られるでしょうね。出版社は商売でやってますから。でも、編集者はむしろチャレンジしたいと思っているのではないかなあ。大ヒットというのはパターン破りから生まれるみたいですし。

No.21086 - 2004/09/13(Mon) 00:46 [210-194-45-113.rev.home.ne.jp]

Re: 九月の読書その1 / gallery [中国] [ Home ] [ Mail ] 引用

 すみません。ちょっと路線が変わりまして

  『コイズム』メディアレブ(2001年発行)
 笑いました。1997~1999年くらいの、怖いもの知らずの時の小泉氏の言動を、支持率80%以上の絶頂期にまとめたものです。
 政治関連の話題はご法度ですから、小泉氏の判断や政治改革の是非・賛否に関しては触れません。

  ただまあ
・「まず変わるべきは永田町だ」とか
・「小選挙区比例代表並立制は亡国への道だ」とか
・「現行の憲法では、自衛隊の海外派遣はどう考えても無理がある」とか

 素晴らしい発言ですが笑える話、盛りだくさんでした。
 まあ、政治情勢というのは刻々と変化するものですし、政治家というのは元々嘘をつくのが職業ともいえますので、このテの本をトンデモというのは、ちょっと無理あるかもしれません。

 しかし、この本の特殊なのは、社会党が自民党と連立するという前代未聞の珍事を批判して
・「本音と建前の二枚舌を実に上手く使い分ける人たち・・・」
と発言する。更に出版社も調子に乗って、
「1997~1999年の発言と、総理大臣になってからのスタンスとに、全くブレがない」

 何と申しますか、自ら降りる梯子をわざわざ取り外しているのが更に素晴らしい。
 結論、「小泉純一郎は慧眼だった」のだと思います。あたかも未来の自分に対する批判しているようで。プチ予言書みたく、面白く読めました。

No.21089 - 2004/09/13(Mon) 01:13 [pc2273.chukai.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / カルトむら [関東] 引用

>ぺいりあんさん
レスありがとうございます。
>祭りのような形の「隣の部族との戦争(相手を皆殺しにはしない)」で殺した相手を食べるという習慣がある部族が東南アジアのジャングルの中やアフリカにあったという

えーと私もそのお話は知っておりまして、
事実として受け入れていたんです。
ところがきちんと追跡調査してみると…
と言うお話がこの本に載ってて、
ビックリしたと言う次第でして。

ただ上にも書きましたが、
この本の中でも結論は出ていませんけれど。

No.21091 - 2004/09/13(Mon) 04:09 [proxy22.rdc1.kt.home.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 井上晃宏 [東海] 引用

 女将軍だとか両性具有者だとか龍族だとか導術だとかいったファンタジー要素や、主人公が義姉と精神的には相姦関係にあって、姉の夫の義兄とは三角関係にあるというあたりとかで、私は萌えるんですが、それって一般的には受けないんでしょうか。
 例によって中断してる「地球連邦の興亡」よりは、はるかにとっつきやすいと思われますよ。

 なんにせよ、マーケットリサーチは絶対に必要だと思います。著者とコアなファンだけが「これ、おもろいで」とやっているだけでは商業出版にならないんですし。

 ドイルが「またホームズか」とぼやきながらもホームズシリーズを書き続けなくてはいけなかったように、一度ヒットしたシリーズをダラダラ書き延ばすのが一番効率がいいということになりかねませんけどね。佐藤大輔なら、レッドサンブラッククロスだけ書いてろ、とか。

No.21092 - 2004/09/13(Mon) 07:35 [YahooBB219054024049.bbtec.net]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 山本弘 [近畿] 引用

 圖南さん、こんにちは。

>「スター・トレック~次世代編」ってなによ?ネクスト・ジェネレーションでいいやん。

 それなんかまだましです! カール・セーガン『サイエンス・アドベンチャー』(新潮選書)では『スター・トレック』が『星移住』と訳されています!
 あと、「ダグラス・トランビルのSF映画『沈黙の走行』」なんてのも出てきます!
 1986年に訳された本だから、訳者だって『スター・トレック』の名ぐらい耳にしたことあるだろうと思うんですが。さらに不思議なことに、『わが赴くは星の群れ』『ふり出しに戻る』『破壊された男』『無頼の月』など、活字SFのタイトルはかなり正確に訳されてるんですよ。なぜ?
 SF関係以外の本でSF作品のタイトルが出てくると、変な訳されてることが多いんですよね。「映画『第3種接近遭遇』」なんて訳した本があったのには笑えましたね。

 クリープを入れないコーヒーなんてさん、こんにちは。

>『審判の日』で気になったところが…
>交差点に停車中の車のドライバーが消えたら、車はクリープ走行はじめませんか?

 すみません、自動車の運転やらないもんで、クリープ現象というものを知りませんでした!(^^;)
 えーと、みんなマニュアル車だったか、ギアをNに入れてたってことではだめ?

No.21096 - 2004/09/13(Mon) 14:49 [zaqdb72eccf.zaq.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 仕立屋雅楽 引用

「アニメがお仕事!」石田敦子

 マンガですみません。石田さんのお名前はマイトガインやジェイデッカーなどで存じ上げております。
 個人的には、アニメーターの方の描く線はあまり好きじゃなくて、今回も最初は少しもたつきました。

 新米動画担当アニメーターの女の子の日常を淡々と描いています。これといって、大きな事件が起きることもありません。(今のところね)真面目な真面目なマンガです。こういうマンガが、一般誌に掲載されるなんて、面白い時代になりましたなぁ。
 わたしなんかここの掲示板で、アニメに対して好き勝手なことを書かせてもらってますけど(笑)、今の日本のアニメの隆盛は、本当にこのマンガの主人公のような方々にささえられているんだなぁって、改めて実感しました。皆さんがんばってください。心から応援します。
 ただなんとなく、ネタは古いよねって、思います。作者の方の当時の体験がネタになっているんでしょうね。

 掲載誌が青年誌のせいか、主人公が意味もなく巨乳なのは、ご愛嬌。(笑)
あ、それと、主人公(イチ乃)の双子の弟の名前が、二太だなんて、西原理恵子さんのファンなのでしょうか。(笑)
 

No.21098 - 2004/09/13(Mon) 16:22 [P061198163193.ppp.prin.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / ものぐさ太郎 [東海] 引用

「矢追純一UFO機密ファイル」

ついつい買ってしまいました。コンビニ売りのマンガです。
今回は「第三の選択と火星の構築物」「枝からつるしたトムキャットと円盤(笑)」「MIB(ただ怖い存在として書かれていて、ゼリー事件等は出ていない)」などと続いて、最後は自らの若い頃のエピソード。
前回4月頃出たのですが、凄い絵は相変わらずです。
「登場する人物・団体・事象等が一部異なる場合があります」とあらかじめ書いてあるのはちょっとずるいなあ。
メキシコでは「よく昼間にUFOが現れるので交通渋滞が起きてしまう」「昼間にUFOを見ると『おーい、降りてきてみんなで遊ぼうよ』って呼びけたり」するそうです・・・なんかカゼッタさんに近くなってきたような気もいたします。

No.21102 - 2004/09/13(Mon) 21:18 [FLA1Aas157.szo.mesh.ad.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / フェイズ 引用

井上晃宏 様:
>  女将軍だとか両性具有者だとか龍族だとか導術だとかいったファンタジー要素や、主人公が義姉と精神的には相姦関係にあって、姉の夫の義兄とは三角関係にあるというあたりとかで、私は萌えるんですが、それって一般的には受けないんでしょうか。

一般的にはウケないんじゃないでしょうか(笑)。
ちなみに、私がシビレるのは種族生存戦略をもって行動する現実的な龍族やあくまで戦術・戦略的に可能な行動をとりつつ勝敗をはっきりさせる展開などです。皇国陸軍いいですねえ。龍がまったく意味のない魔法使ったり、ヤマトが70ノットで走ったり空飛んだり時空漂流したりするのはもうたくさんです(笑)。

>一度ヒットしたシリーズをダラダラ書き延ばすのが一番効率がいいということになりかねませんけどね。佐藤大輔なら、レッドサンブラッククロスだけ書いてろ、とか。

西村京太郎は、もう十津川警部しか書かせて貰えないらしいです。しかも年に一度編集者が西村邸に集合して、次の1年で西村がどんな本をどこに書くのか全部決めるそうです。作者はその計画に従って作品を生産するだけとか。

もちろん、西村京太郎自身がどこかで書いていたことなのでホラかもしれませんが、いかにもありそうなことです。固定ファンの望むものを作り続けるというのは商売として最適ですね。

ところで戦略戦術と萌えファンタジーの融合といえば、やはり「A君(17)の戦争」(富士見ファンタジア文庫 豪屋 大介)が旬です。設定ヲタクにも向いているんですが、あれ売れてるのかなあ。

No.21103 - 2004/09/13(Mon) 21:40 [210-194-45-113.rev.home.ne.jp]

Re: 九月の読書 / 奇異巣蝋魔 引用

●式貴士『虹のジプシー』角川文庫(絶版)

 ある時、地球の周囲に無数の月が出現。それは月ではなく、数十、いや数百の地球であった。数百の月!!「ガッチャマンのうた」を信じてきた者には大変なショックである。
 こんな基本設定だが、物語は日常から始まる。主人公、流水五道(つるみごどう)は無理心中。昇天しなかった彼はバリヤーを破り、特殊な空間に入り込んでしまう。そこで出会った謎の巨猿によって、脳に小型翻訳機を埋め込まれ、テレポートマシーンを授かった流水は、ジプシーの如く地球から別の地球へと放浪して行く。

 「ガリバー旅行記」的味わいの平行宇宙物の変形と言える作品。
 面白かったのが風俗、習慣、思考法、道徳観が地球と正反対の地球Ⅳ。この星の人々は日常生活・職場で贅沢な服装をし、冠婚葬祭では質素な服を着る。
 仕事・雑用に不自由な服装は避けるべきだが、人生の大半を占める時間は、自分の気に入った衣装を楽しむべき。逆に人に出会い祝ったり、悲しんだりする時こそ、本当の自分の人間性を示すべきであり、ゴテゴテ着飾って服装で相手を騙すべきではないというのだ。
 単なるネタなのか本気なのか知りませんが、妙に納得。他にも変な風習や法律が次々に出てきて楽しませてくれます。
 五道はテレポートを繰り返すうちに副作用で身体が縮んでゆき、最後には・・・。

 古本屋で見つけた、絶版のままではおしい傑作。と思ったら電子ブック版があるらしい。

No.21108 - 2004/09/14(Tue) 00:24 [ntokym013014.okym.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書 / 塩田多弾砲 [ Mail ] 引用

別冊映画秘宝「ヴァン・ヘルシング インサイダー」洋泉社MOOK

 映画「ヴァン・ヘルシング」のムックです。
 映画の内容と、それに付随した情報を載せた(各モンスターの過去の作品・ドラキュラの原作におけるのヘルシングの情報など)、映画ムックとしては普通に見られるものです。
 で、アニメ版、アメコミ版、そして第二弾の情報が載っていたので、つい買ってしまいました。
 これによると、アニメ版とアメコミ版は、どちらも映画の前日談で、ハイド氏を捕獲(もしくは殺す)する作戦が中心となってますね。
 アニメ版は、地下鉄を舞台にハイド氏と戦うヘルシングの活躍を描くもの。
 アメコミ版はハイド氏との戦いの途中で、地下下水道をアジトにしている「ドクター・グリフィン」と、彼が創造した透明モンスターと戦うヘルシングの活躍を描いたものだそうです(ベースは、「モルグ街の殺人事件)。
 これを紹介した岸川靖氏は「同人誌のストーリーのような感じもするが、この手が好きな人にはまずまずおススメ」とのこと。読んでみたいナー。

 で、続編は、ケーブルTVでのシリーズものになるそうで。
 映画から10年後、トライポッドに乗って攻めてきた火星人と、ヴァン・ヘルシングが戦うっつー内容になるそうで。なんかすごいなー。

 ともかく、ヴァンヘル好きな方だったら、このムックおススメかも。

No.21112 - 2004/09/14(Tue) 13:39 [p14250-adsau14honb7-acca.tokyo.ocn.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / いぎたなし [中国] [ Mail ] 引用

カルトむら さん、ぺいりあん(palien)さん、こんにちは
横レス、失礼します。

>人食い人種と言ものが実はきちんと確認された存在ではないと言うものです。

 えええっ?それならば、「クールー」はどうやって「伝達」したというんでしょう?

プリオン病について
>http://biotech.nikkeibp.co.jp/VUNIV/miyamoto/miyamot1.html

No.21119 - 2004/09/14(Tue) 23:07 [cthrsm004224.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書 / Keny 引用

塩田多弾砲様
> アニメ版は、地下鉄を舞台にハイド氏と戦うヘルシングの活躍を描くもの。
> で、続編は、ケーブルTVでのシリーズものになるそうで。

 ヘルシングは本編は未見なのですが。
 うわ、そりゃあリーグ・オブ・エクストラ・オーディナリー・ジェントルメンとかなりかぶってますねえ。
 リーグの方じゃ次の劇場版の原作になる第二部なんかまんまvsトライポッドの火星人ですよ。まあ、ヘルシングの方じゃ、さすがに火星のガリバーなんか出ないだろうけども。

 と、それだけではなんなので。

 今、綾辻行人「暗黒館の殺人」を読んでいるんですが、長い!新書版650ページ強・厚さにして3.5cm弱が上下二冊!
 その上、後編の1/3まで読んだ段階でやっと○人死んだだけ。いかにも作者らしい館や住人やいわく因縁の描写が少々濃すぎて、殺人事件がおきても妙にどうでもいい感が漂っていて、いつまで経っても前置きのような。
(ああ、これはいったい……)

No.21129 - 2004/09/15(Wed) 02:55 [EATcf-272p161.ppp15.odn.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 通り過ぎる人 引用

>>交差点に停車中の車のドライバーが消えたら、車はクリープ走行はじめませんか?

>えーと、みんなマニュアル車だったか、ギアをNに入れてたってことではだめ?

駄目です。
AT車で、車が動かないのはパーキング(P)のみです。
ニュートラルにしていてもクリープ現象は発生します。
「常識」です!!

参考までに
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=738448

No.21130 - 2004/09/15(Wed) 03:35 [p25013-ipadfx41marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp]

ニュートラルで停車して動きださない車なんてクリープの無いコーヒーだよ / TOSHI [関東] 引用

> 「常識」です!!

 参考までにと示されていたサイトを拝見すると、“常識”という訳ではないようですけど?
(質問者)「このことをみんなに話しても信じてもらえません。」
(回答者No.2)「ニュートラルではクリープ現象は起こらないというのが世の中の常識のようです」
回答者No.1の人が「常識です」と回答していますけど、質問者の方が「信じてもらえません」と書き込んでいるのを見落としたのかな……。

 私も知りませんでした。恥(^_^;)
 そうか、気をつけようφ(..)

No.21131 - 2004/09/15(Wed) 12:14 [167.58.111.219.dy.bbexcite.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / ぺいりあん(palien) [近畿] [ Mail ] 引用

ニュートラルでクリープ現象が起こる車・・・

もしかして「坂道停止機能」のついてる古い車だったのでは?
もしかしてギアが壊れていてニュートラル位置に入ってなかったのでは?
普通はニュートラル状態では動かないので、もしかしたら判らない
程の下り坂での話なのではとも思ったり。

横レス、スレ内違い失礼。

No.21133 - 2004/09/15(Wed) 14:27 [zaqd387207b.zaq.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / エージェント 引用

私は『幼年期の終わり』を読みました。
結論としてはまあ「上には上がいた」ということですな。

No.21135 - 2004/09/15(Wed) 17:49 [dhcp185-056.ztv.ne.jp]

Re: 九月の読書 副島隆彦氏のマンガ / 匿名希望 引用

 こんばんは。
 ついさっき、帰りに、今月発行の『属国日本史 幕末編』というマンガを、パラパラ立ち読みしてきました。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4907838220/qid=1095247350/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-0958395-6827559

 著者は、『人類の月面着陸は無かったろう論』(徳間書店)の副島隆彦氏です。画を担当しているのは、ロシナンテ青木という人です。以下、アマゾンから引用。

> レビュー

> 出版社/著者からの内容紹介
> 言論界の「異才」副島隆彦が、幕末の「作られた」ヒーロー伝説の「虚」を暴き、真 実を追究した劇画シリーズの第1弾。
> 幕末ファン、司馬遼太郎ファンからの反論必至。

 副島氏は、司馬遼太郎の歴史観に対して怒っているみたいです。
 このマンガには副島氏自身も登場するのですが・・・・・・。
 笑ったのは、ゴルゴ13や、島耕作、サラリーマン金太郎が登場すること。「人類の月面着陸はなかった!」とか「課長島耕作は、社長になれない。日本の大企業の上層部は血縁でかためられている!」とか「日系人がスナイパーになれるわけがない!」とかわめく副島氏を、ゴルゴ13、島耕作、サラリーマン金太郎がいっしょになってとりおさえるシーンです。副島氏は、ゴルゴに麻酔弾を撃ちこまれ、既知外として、監禁されてるんですが・・・・・・。

 この本は、歴史関係のコーナーにおいてあったので、マンガにもかかわらず、立ち読みできました。

 え? 買ったのかって? そんなもったいないことしません、いくら物好きの私でも。

No.21139 - 2004/09/15(Wed) 20:36 [ZE091003.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 圖南 [東海] 引用

>カルトむらさん

> そうですね、せめて日本で放映されたTV番組のタイトルくらい邦題を調べて欲しいところですが、
> まあ蛇足と言えばそうなので本気でクレームをつける気までは起きませんが。

はい、まったくそのとおりでして全くの蛇足であり、某番組のタイトルの件は分かりやすいので書いただけなのですが・・・
山本先生からもっと濃い例を多数教わってしまいました(笑)

蛇足ついでに個人的意見を書くと

> 全体的に観て、この手の本の中では読みやすい訳文だとも思いますし。

とおっしゃられているように、この手の本は、どれも読みにくい訳文が多いんですよね。
それなりに疑似科学検証本は買って読んでいるつもりですが、訳文が悪いとそれだけで読むのに疲れてしまいます。それでも興味を持っている人は読むのでしょうが、本来、もっと一般の人に広く読まれるべきなのに、これなんとかならんかなぁ、と思っているわけでして。
その点、と学会の活動はいいですよね。別に疑似科学糾弾が会の目的では無いはずなのに、結果的におもしろおかしく啓蒙できているように思います。

No.21164 - 2004/09/17(Fri) 07:08 [ntszok037048.szok.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 匿名希望 引用

『審判の日』読み終わりました。気になったのですが、あの世界では食料とか放射能とかの前に酸素がなくなってしまうと思うのですが、なんで頭のいい悟君がそのことを口に出さないのでしょう。

No.21167 - 2004/09/17(Fri) 10:14 [hcou108043.catv.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 山本弘 [近畿] 引用

匿名希望さん、こんにちは。

>『審判の日』読み終わりました。気になったのですが、あの世界では食料とか放射能とかの前に酸素がなくなってしまうと思うのですが、なんで頭のいい悟君がそのことを口に出さないのでしょう。

 酸素はそう簡単にはなくならないでしょう。火災が起きているのは地球上の全面積のごく一部であるのに対して、酸素は地球上の全表面に分布してるんですから。
 生きた植物がすべて消えている以上、酸素に比べて可燃物の量がまったく足りません。人間が呼吸で消費する酸素の量なんて、たかが知れていますし。

No.21169 - 2004/09/17(Fri) 17:45 [zaqdb72ea2e.zaq.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / JackD [甲信越] 引用

「審判の日」楽しかったです。
いわゆるパラノイア世界の短編集といった感じでこの手のものが
お好きな人にはたまらないですね。一気に読んでしまいました。
ホーガンの新刊はちっとも読み進められないのに…。

酸素が…といった話もありますがビタミンK不足が心配かな。
「アンドロメダ病原体」で身体の細菌を絶滅させたらどんな
影響がでるかわからないと書いてあったのを思い出しました。
姫さま、時間はあまりないようですぞ。

No.21187 - 2004/09/18(Sat) 11:42 [pd3f273.ngnont01.ap.so-net.ne.jp]

まあ、色々と某      / 十一郎 引用

>JackDさん
あのラストからだと、細菌がいなくなった悪影響と残り時間はさほど関係ないでしょう。

どちらかというとウイルスはどっち判断かな、という疑問があるかなあ・・・もし居たとしても、生命の絶対数が少なく、個々に別れて生活していれば大きな問題はないかな?
それに加えて、受精卵や胎児もどっち判断かも疑問。産もうとする親ならおそらくノーで問題無しでしょうが、中絶予定だったりすると空中から突然・・・(ぐわはあ)。まあ、中絶予定ならどちらにしても○○ですが・・・

No.21199 - 2004/09/19(Sun) 00:23 [user043.ehm.enjoy.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 優歌のファン 引用

このスレによると、原発が動いてても周りの火力発電所が止まれば、
電力ネットワークの構造上連鎖的に大停電になるらしいのですが、どうなんでしょう?
http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/movie/2264/1093923920/

あとモンティホールジレンマについても分かりやすく説明されてます
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Yasunari/5254/charis.html

No.2120? - 2004/09/19(Sun) 09:26 [K140170.ppp.dion.ne.jp]

Re: 九月の読書:第2スレッド / JackD [甲信越] 引用

優歌のファンさま。
原発稼動は主人公たちにインターネットやテレビ、ラジオを
使って異変の情報収集させる為の作品上の嘘と解釈してました
がいかがなもんでしょう。

No.21211 - 2004/09/19(Sun) 10:43 [pd3f273.ngnont01.ap.so-net.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 山本弘 [近畿] 引用

 9月19日午前9時26分の「優歌のファン」さんの発言は、ネタバレしているページへのリンクを含んでいたため、削除させていただきました。
 批判はかまわないのですが、発売されたばかりの作品のストーリーを結末まですべて書いてしまうという行為が、重大なマナー違反であることを自覚していただきたいです。当然、そうしたマナー違反をしているページへのリンクも慎んでください。

 発電所の問題については、ストーリーの都合上(世界がどうなっているのか、亜矢子たちに分からせなければならなかったので)、しばらく電気やインターネットは使えることにしました。しかし、実際にはあれだけ大きな火災が各所で起きたら、あちこちで断線して、もっと早くダメになる可能性が高いでしょうね。発電所もはたして人間なしでどこまで持つのか、疑問です。
 十一郎さんの指摘されていた胎児の問題は、執筆中に気がついてはいたのですが、えぐいことになりそうなので(子供が死ぬシーンは、生理的にあまり書きたくないです)、わざと触れないようにしました。
 あと、まだどなたも指摘されていないようですが、はたして「ぷしゅっ」という音はするのか、という問題。あれは狭い口から空気が抜ける時にする音で、人間大の真空が埋まる際にははたして「ぷしゅっ」なのか。
 真空が球状に近い場合、なだれこんだ空気が一点でぶつかり合って圧縮され、それが再び膨張する際に小さな爆発音が発生するはず。どちらと言えば「ぽん」じゃないだろうか。でも人体は縦に長いし、さらに服も着ているから、空気の流れは点対称や線対称にはならないだろうし……と、ずいぶん悩みました。実験するわけにもいきませんし。
 結局、「ぽん」よりも「ぷしゅっ」の方が語感として不気味だろうと考え、「ぷしゅっ」を選択しました。

No.21234 - 2004/09/20(Mon) 15:15 [zaqdb72eac6.zaq.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / エロの冒険者 [九州] [ Home ] [ Mail ] 引用

 皆様、こんにちは。
「暗黒館の殺人」読了しました。

Keny 様
 >今、綾辻行人「暗黒館の殺人」を読んでいるんですが、長い!>新書版650ページ強・厚さにして3.5cm弱が上下二冊!
 >その上、後編の1/3まで読んだ段階でやっと○人死んだだけ。>いかにも作者らしい館や住人やいわく因縁の描写が少々濃
>すぎて、殺人事件がおきても妙にどうでもいい感が漂っていて、いつまで経っても前置きのような。
>(ああ、これはいったい……)

 私には逆にそのぐたぐたした語り口がなんとも魅力に感じられたのです(笑)。それに今時○○○○○○なんて、そんな大時代な。こんなのが許されるのはアヤツジの館シリーズだけですね。

 ともあれ、ラストで明かされる大トリックに大感動。これは疑いもなく館シリーズの最高傑作であると同時に綾辻氏の代表作たりえるものだとおもいます(実は、私、大きな声じゃいえませんが、館シリーズの大ファンでって言うとるやないかい、氏が原作・原案・脚本・監修されたRPGゲーム 「YAKATA」をクリアしているほどです。戦闘システムはたるかったけど、怪しい建物の中をいつまでもいつまでもさまようのはなかなか気持ち良いものでした)。

 いってみれば山本 弘(様)にとっての「神は沈黙せず」西澤保彦にとっての「依存」小林信彦にとっての「世間知らず」(「背中あわせのハートブレイク」に改題)、戸梶圭太にとっての「溺れる魚」、江戸川乱歩にとっての「孤島の鬼」スティーブン・キングにとっての「イット」H・P・ラブクラフトにとっての「クトゥルーの呼び声」、ディーン・クーンツにとっての「ストレンジャーズ」、レイ・ブラッドベリにとっての「火星年代記」フレッド・アステアにとっての『トップハット』、ジュディ・ガーランドにとっての『イースター・パレード』ジーン・ケリーにとっての『パリのアメリカ人』、マルクス兄弟にとっての『我輩はカモである』ぐっと砕けてロジャー・コーマンにとっての『赤死病の仮面』、バート・I・ゴ-ドンにとっての『終末の兆し』、ポール・サイモンにとっての「グレイスランド」・・・(えんえん続くのですが、さすがに面倒くさくなったので割愛)にあたる作品ではないでしょうか。

 なんというか「黒猫館」以来えんえん待ちつづけてきた私のような人間にとって、「暗黒館の殺人」は綾辻氏からの途方もなく大きなご褒美のように思えるのです(笑)。

No.21239 - 2004/09/20(Mon) 17:53 [ntfkok011031.fkok.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 優歌のファン 引用

>批判はかまわないのですが、発売されたばかりの作品のストーリーを結末まですべて書いてしまうという行為が、重大なマナー違反であることを自覚していただきたいです。

これって批判する行為に制限を掛けることにつながりませんか?
疑問はありますが管理者の指示に従って直りんはやめます。

ところで当該のスレではチョルノブイリ原発の事故原因についても批判されてます。1986年の発表では規則違反が原因と発表されていますが、1991年の報告では1986年の発表の多くが誤りだったと訂正されているようです。山本先生はチョルノブイリ事故を人間の信じられない規則違反の結果と書いておられますが、この点どうなのでしょうか。

No.21240 - 2004/09/20(Mon) 17:55 [K140170.ppp.dion.ne.jp]

場合によりけり      / カルトむら [関東] 引用

>優歌のファンさん
どうもはじめまして。
> これって批判する行為に制限を掛けることにつながりませんか?
これについてなのですが、この場合はならないと思います。
「ネタバレのある批評はありとあらゆる場所で一切するな」
と言うなら確かに制限をかけた事になりますが、
今回の場合はそこまでおっしゃっていませんので。
普通ネタバレありの場合はその旨を表示し、
それでも良いと言う人のみが読めるようにしておくのがネットでのマナーですし、
雑誌などの批評・評論記事は、
読む側もネタバレがある可能性を承知で読むという暗黙の了解の元掲載されています。

まあたまに上記の例から外れる場合もあるのですが。
(映画紹介の「あの人」とか(笑))

No.21247 - 2004/09/20(Mon) 21:54 [proxy22.rdc1.kt.home.ne.jp]

Re: 九月の読書 / Keny 引用

 私めも「暗黒館の殺人」読了いたしました。
 何を書いてもネタバレになりそうな気がするので、一部伏字で失礼します。

 私の場合特に十角館と時計館が大好きですので、気持ち「殺人」押しのつもりで読んでしまったのですが。今作はどちらかと云うと「暗黒館」押し、状況や登場人物・殺人までひっくるめて館を取り巻く状況を立たせる話だったので、うん、そのつもりで読めばもう少し過程に感情移入できたかもしれない。
 最後の持って行き方は実に見事だと思いましたが、正直、あのネタであの文量はやっぱりちょっと長いかなあ。綾辻さんの話の場合○○のトリックは常道なので、「○は○か、○なら面白いか」を考えた時に漠然と大雑把なところが見えてきてしまって、それで長いと感じてしまったのかもしれません。

エロの冒険者様
> 「YAKATA」をクリアしているほどです。

 うわあ、すげえ!尊敬させていただいてよろしいでしょうか。すみません。私、どの辺りだかで見事に遭難しました。
 謎解きアドベンチャーゲームだと思っていたのがいけなかったんでしょうね。
 新本格RPG?舞台は現代(近過去?)の日本の奥地に建つ館なのに装備するのがショートソードでライトアーマー?敵が「樽」ってなんじゃあ!メルカトルって鮎?それ他所のキャラやん。鉄鼠の檻が敵!?
 綾辻さんは好きなんですが、これはもう、ついていけなくなっちゃいまして。挫折だよなあ。

No.21253 - 2004/09/21(Tue) 01:56 [EATcf-257p102.ppp15.odn.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 山本弘 [近畿] 引用

 優歌のファンさん、こんにちは。

>批判はかまわないのですが、発売されたばかりの作品のストーリーを結末まですべて書いてしまうという行為が、重大なマナー違反であることを自覚していただきたいです。

>これって批判する行為に制限を掛けることにつながりませんか?

 ネタバレについての僕の見解はこうです。
 ネタバレしていいのは、次のような場合に限定されると思います。

1.読者が事前に結末を知ることが、その作品の価値を下げない場合。
 たとえば悲恋物語で「2人は最後に心中するんだ」と知らされても、それで作品の価値は下がらない。それどころか、そういう話を読んでみたいと思う人も多いでしょう。
 しかし、ミステリ、SF、ホラーなどの場合、結末の意外性が作品の命である場合が多いのです。そうした作品では、結末を公開するのは作品の価値を下げることになります。未読の読者の楽しみを奪うことになるばかりか、作者にとっても大変に迷惑です。結末を知ってしまったために読む気が削がれた読者が増えれば、本の売上げがそれだけ落ちるんですから。

2.すでに古典となって、よく知られている物語。
 映画『猿の惑星』や『市民ケーン』の結末など、すでに多くの人に知られているので、今さらバラしてもどうということはないでしょう。

3.絶版などで入手困難な作品。
 その場合、読者が作品の実物を読むことはできないため、読者の楽しみを奪うことになりません。また、紹介したことによって本が売れなくなるということもなく(もう売ってないんですから)、作者に損害を与えない。また、「こういう作品があった」と紹介することに資料的価値がある場合もあります。
 しかし、これに該当するからといって、何でもかんでもネタバラシしていいってことにはなりません。ネタバレせずに紹介できるなら、それに越したことはないと考えます。

4.結末に触れないことには論じられない場合
 あなたがおっしゃっておられることは、これに該当すると思います。
 以前、『宝島30』で大森望氏が、島田荘司『眩暈』をネタバレしたうえで批判していたことがありました。トリックが論理的におかしいことを指摘するには、どうしてもそのトリックがどういうものであるかを解説しなくてはならなかったのです。確かにこういう場合はネタバレは許されるでしょう。
 しかし、繰り返しますが、ネタバレはしないに越したことはないのです。特に謎解き的要素の強い作品や、意外な結末の作品では。
 たとえば僕は、『トンデモ本の世界S』で、ロビン・クックの『アブダクション』についてこう書きました。

> あきれるのはラストのオチ。訳者は「見事なエンディング。よくできた落語の〈落ち〉にも似た痛快なドンデン返し」などと書いているが、実際は見事でも痛快でもなく、本当にただの落語である。伏線もないし。
> いちおう礼儀としてバラさないでおくが、「こんなすごい技術があるんなら、最初から殺人を阻止できるだろ」と思うのは僕だけではあるまい。

 ね? こういう書き方をすれば、ネタバレせずに批判することができるんですよ。
『アブダクション』は本当にひどい作品です。このオチもひどいと思います。それでも僕はかんじんな部分をバラしませんでした。「必要な場合以外、ネタバレは避ける」というのが、昔からこの世界のマナーだからです。
 僕の作品を批判する場合にも、当然、こういう書き方はできるはずです。
 ところが、あなたがリンクされたページでは、そのような配慮がまるで感じられませんでした。大森氏のような、批判目的のやむをえないネタバレではなく、面白半分のネタバレ、単なる嫌がらせとしか思えませんでした。
 実は『神は沈黙せず』の時も同じことをやられました。あの長い作品のストーリーを、最初から最後まで、こと細かに説明している掲示板があったんです。
 いったい、批判のためにストーリーを細部までバラす必要があるのですか? 批判のためにどうしても必要な部分のみネタバレさせればいいんじゃないですか?
 僕としてはそういう嫌がらせ目的のネタバレをする連中には強い嫌悪感を覚えます。彼らは批評する上でのマナーというものを知りません。ですから、そんなところにリンクなんかして欲しくないのです。
 お分かりいただけましたでしょうか。

No.21296 - 2004/09/22(Wed) 17:08 [zaqdb72e8d4.zaq.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 優歌のファン 引用

>山本先生
>ネタバレについての僕の見解はこうです。

あのサイトにリンクをはった行為について少し自己弁護をいたします。

ネタバレで損をするのは未読者なのですから未読者にネタバレを読むか読まないか選択する機会さえあれば問題ないと思っています。あえて損をしている人をあげれば、そのサイト自身でしょう。ネタバレをおそれる人は参加できないのですから。わたしはネタバレが作者に対する嫌がらせになるとは思っていませんから、山本先生への嫌がらせに協力するためにリンクをはったわけではありません。

神は沈黙せずでは作中でフェッセンデンの宇宙のネタバレが書かれていて特に注意を喚起するようなものもなかったのでそのまま読み進んでしまいました。わたしは作品をなるべく無垢な心で読みたいと思っているので、少々当惑しましたが、だからといって腹を立てたり嫌悪感を抱いたりはしません。これを読んでフェッセンデンの宇宙に興味を持つ人もいるでしょうし、フェッセンデンの宇宙とはこういう作品なのだとそれ以上の興味をなくす人もいるでしょう。全体としてはプラスマイナスゼロでたまたま自分は今回マイナスの側だったんだと思うだけです。

ネタバレを避けた批評は未読者も読むことができますからその努力は評価されるべきですが、かといって過剰にネタバレを拒絶することは批判や創作の足かせとなると思っています。またネタバレを理由に正当な批判が封殺される危惧も感じます。某マンガ家が著作権をたてに自分に対する否定的な本の著者を訴えた事件もありました。

しかし一読者のわたしとネタバレされている当事者の山本先生では事の深刻さが違うようなので、ここではリンクを書かないことにします。

No.21299 - 2004/09/22(Wed) 20:00 [K140039.ppp.dion.ne.jp]

ネタバレマナー私考     / ヨコヤマ [東海] 引用

優歌のファン様
> あのサイトにリンクをはった行為について少し自己弁護をいたします。
>
> ネタバレで損をするのは未読者なのですから未読者にネタバレを読むか読まないか選択する機会さえあれば問題ないと思っています。あえて損をしている人をあげれば、そのサイト自身でしょう。ネタバレをおそれる人は参加できないのですから。わたしはネタバレが作者に対する嫌がらせになるとは思っていませんから、山本先生への嫌がらせに協力するためにリンクをはったわけではありません。
>
 終息しつつあるのに油を注ぐようでなんですが、少しだけ。
 元発言を確認するために2chまでいってみました(w)
 残念ながら、優歌ファン様の自己弁護はいささか苦しいと思います。
 なぜなら、元発言にはリンク先に「短編ストーリーをほぼ全部さらす」という重大なマナー違反=ネタバレがあることを注意する言葉がなく、「読むか、読まないか」=「リンク先に行く、行かない」を選択する判断材料を十分に与えていません。これは、↑引用部分とは矛盾しています(無論、行ってからネタバレありと気づき、読むのを止めるという判断もありますが、うっかり読んでしまうという可能性もあります)。問題があると分かっているところへ誘導するのに、それに関する注意がないというのは、マナー的にかなり問題があると思いませんか?
「嫌がらせのためにリンクを貼ったわけではない」とも言ってますが、明確なネタバレ注意もなく、一般的な解説サイトでもない、むしろ悪意すら感じる批判的サイトにリンクを張ること自体、ケンカ売ってるだろ? と思いますし、未読者が飛んでしまった場合、決していい感情はもたないでしょう。そのサイト管理者だけではなく、誘導した あ な た にも。
 つまり、元発言には「嫌がらせ」に見られても仕方のない落ち度があったのですよ(どれほどの嫌がらせかと思うかは、人それぞれですが)。

 さらに、そこの自覚も謝罪もないまま、「これって批判する行為に制限を掛けることにつながりませんか?」と、一方的に批判するような発言をしては(ケンカ腰とも言う)「ああ、またアンチが来た」と受け取られてしまいますね。
 2chスレとか、ご自分のHPでしたら、別に問題ない(?)とは思いますが、よりによって作者本人のHP掲示板でやっていいことではないですね。批判チラシを玄関先に貼られて不愉快に思わない人はいませんよ(その批判の正しさとは関係なく)。

No.21312 - 2004/09/23(Thu) 11:45 [cassiopeia.aitai.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / ノリメ 引用

>ヨコヤマさん

横から失礼。

>「読むか、読まないか」=「リンク先に行く、行かない」

これはすり替えじゃないですか?リンク先にとんだからと入って
いきなりネタバレがあるわけではないですから。
スレッドのタイトルが『「審判の日」ネタバレスレ』なんですから、
まだ読まない選択をする機会はあるはず。

僅かな可能性や落ち度を理由にすればいくらでも批判をシャットアウト
できます。あとはその人がどれだけ不愉快さを我慢して
批判に対して真摯に耳を傾けられるかどうかの器量の問題でしょう。

No.21313 - 2004/09/23(Thu) 12:45 [h123.p057.iij4u.or.jp]

ネタバレマナー私考2     / ヨコヤマ [東海] 引用

ノリメ様
> まだ読まない選択をする機会はあるはず。
 ですから、「判断材料を十分に与えていません」としましたし、「うっかり読んでしまう可能性」に対する考慮が欠けていることも指摘しましたが?
 全般的にマナーというのは、「少しやりすぎ」くらいを意識すべきだと思います(具体的なサジ加減はケースバイケースですが。それに「無神経なヤツ」と思われるくらいなら、少々過剰なくらい丁寧にする方を選びますね)。知る範囲で言うなら、こういったネタバレに関して「以下(或いは、リンク先)、ネタバレあり」とか一言添えている人が多いようです(他にフォントを背景色にして見えなくするとか、「以下、ネタバレ」の下、ずっと改行してからとか、いろいろとありますね)。
 今回の件も、そう言った配慮があったれば、或いは……とも思います。

> 僅かな可能性や落ち度を理由にすればいくらでも批判をシャットアウト
 別にシャットアウトする気はないですよ。管理人でもないし。「TPOをわきまえた配慮をすべきだったろう?」と言っているのです。リンク先がどのようなモノで、それが本人やファンがどう感じるか想像くらいできるでしょう。その上で悪気がないのなら、それなりの配慮をキチンとみせるのが良識ある態度だと思います。
 その点に対する反省もなしに、「批判のシャットアウトだ」とヒステリックに反応するのは如何なものかと思いますがね。

 いい加減、スレ違いな話ですし、また火をつけてしまうのは本意ではありませんから、この件、まだ続けるようでしたら、どなたか別スレ立てて、やってください。

No.21317 - 2004/09/23(Thu) 16:48 [cassiopeia.aitai.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / エロの冒険者 [九州] [ Home ] [ Mail ] 引用

 皆様、こんにちは。

 Keny さま
>うわあ、すげえ!尊敬させていただいてよろしいでしょうか。すみません。私、どの辺りだかで見事に遭難しました。

 はい、どうぞ、尊敬してくださいませ(笑)。でもその私にしたって心中ひそかに「綾辻氏の原案・脚本・監修で、しかも館シリーズ本編を休止してまで作ってコレかい!」と思わざるを得ませんでしたが(笑)。

 

No.21320 - 2004/09/23(Thu) 18:12 [ntfkok011200.fkok.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / ノリメ 引用

>ヨコヤマさん

『ですから、「判断材料を十分に与えていません」としましたし、
「うっかり読んでしまう可能性」に対する考慮が欠けていることも
指摘しましたが?』

ですから、わたしは配慮は十分であると述べましたが?
スレタイトルに「ネタバレ」とあり、ネタバレしている各レス
ごとにも「○○ネタバレ」とあるんですから、これでうっかり
読んでしまう人には何を警告しても無駄でしょう。

『管理人でもないし。「TPOをわきまえた配慮をすべきだったろ
う?」と言っているのです。』

管理人でもないにしてはずいぶんと差し出がましい発言のです。
『ファンや本人がどう感じるか』の本人とは山本氏のことのですか?
この掲示板には他人の意見を代弁しないとルールにあると思います。ファンというのがあなた自身のことだとしても、山本氏の
ファンの中にはあなたがいうようなごく僅かな落ち度よりも
よい話も悪い話もひっくるめて山本氏の著作に関する見解を
知りたいと思う人もいるのではないですか。

リンク先を開いたらいきなり知りたくない「オチ」が書かれていた
ならいざしらず、2カ所も警告があるんですから常識的には警告は
十分だと思います。あなたがそれでも不足だと思うのは自由ですが、
それによって知りたがっているファンからも知る機会を奪うのは
バランスから考えておかしいでしょう。あなたの方がヒステリック
に拒否反応をしめしているとしか思えないですね。

『火をつけてしまうのは本意ではありませんから、』

あなたは最初の発言ですでにその可能性に言及していますね。
にもかかわらず発言を続けているのですから、いくら本意でないと
いっても「ああ、また火を付けて喜んでる人間がいる」と取られてもしかたないんじゃないですか。あなたが相手に要求している
過剰なマナーを自分にも当てはめてはいかがでしょう?

No.21323 - 2004/09/23(Thu) 19:30 [h155.p048.iij4u.or.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 珍奇郎 [東北] 引用

山本弘様

「オタク座談会」で岡田氏と一緒に「クラスメイトに自分が見た映画のネタバレをして面白がるネタ」で盛り上がっていた人の言うことじゃないと思いますが? 知ってる仲間内で盛り上がるんならともかく、その内容を伏字にもせずに出版するのは不特定多数に対する重大なネタバレになりませんか? あのくだりを読む限りでは、「嫌がらせ目的のネタバレをする連中」と同類のように思えましたが。
 山本様の考えでは、自分が守れないマナーを他人に守るように言うのは偽善者なんだからやりたくないんですよね?

 しかも山本様が立てた「悪魔の映画」スレの
>映画だって、前評判をまったく知らずに観に行って思いがけないダメージを受けるより、あらかじめダメージを受ける覚悟で行った方がいいはずです。僕自身、これまで覚悟なしに映画を観に行って、ダメージ受けたことが何度もありますから。(その逆に「つまらない」という前評判で観に行ったら、意外に面白かったということもありますけど)
 という発言とも矛盾してますが? 内容を知ってしまったために観る気がそがれてしまった客が増えれば、映画の売上がそれだけ落ちることになるんですから、映画制作者にとって大変迷惑なことをしてることになりませんか?

No.21328 - 2004/09/23(Thu) 23:03 [YahooBB219172012240.bbtec.net]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / アリスとテレス 引用

「ネタバレ」の話は別のところでやったほうがいいと思いますが、「歌詞のトンデモ」スレみたいに泥沼化せぬよう望みます。

No.21332 - 2004/09/23(Thu) 23:47 [tcn028126.tcn-catv.ne.jp]

Re: 九月の読書その1『第六大陸』小川一水      / 一言居士 引用

>映画だって、前評判をまったく知らずに観に行って思いがけないダメージを受けるより、あらかじめダメージを受ける覚悟で行った方がいいはずです。僕自身、これまで覚悟なしに映画を観に行って、ダメージ受けたことが何度もありますから。(その逆に「つまらない」という前評判で観に行ったら、意外に面白かったということもありますけど)
 という発言とも矛盾してますが? 内容を知ってしまったために観る気がそがれてしまった客が増えれば、映画の売上がそれだけ落ちることになるんですから、映画制作者にとって大変迷惑なことをしてることになりませんか?

その場限りの返事をしてるからおかしな発言がいっぱい(w

ほかにはこんなのもあるよな。

常日頃山本さんは
不愉快な相手には礼儀など必要ない!と公言して憚らない
なのに、
>彼らは批評する上でのマナーというものを知りません。
と、相手側にはマナーを要求している。

山本さんの言どおり「不愉快な相手には」礼儀を考える必要などない。
ならば、批判者の態度が礼儀知らずに見えるのは
批判者が「山本さんを不愉快に思って」いるのでは?と考えられる。
つまり批判者に対し「奴らはマナーも知らん!」と憤るよりも
まず先に考えるべきは「俺は彼らを不愉快にさせていたのか?」と
己自身を振り返ること!!

まぁ、いままでの数々の問題を見ている限り無理だろうな。

山本さんは「常に」相手の側に責任の所在を求めている。
自分の方こそが悪い。などとは露ほども思ってはいない。

No.21337 - 2004/09/24(Fri) 08:04 [p25013-ipadfx41marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp]



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