2007年10月27日、ヴィクトリアン・ホラー・アドベンチャーシリーズ1巻「月蝕島の魔物」の作者・田中芳樹およびイラストレーター・後藤啓介によるサイン会が、埼玉県さいたま市浦和区の紀伊国屋書店・浦和パルコ店にて行われました。
「月蝕島の魔物」関連のサイン会は2007年7月21日にも行われているのですが、その時は「高校生以下限定(小学生は保護者同伴)」という参加条件がついており、20代以上の大人の参加は大きく制限されたものだったんですよね。この時は「これで今年のサイン会は終わりか。次はいつになることやら」と考えていたのですが……。
で、何故急にこんな話を始めたのかというと、実は今回の田中芳樹&後藤啓介のサイン会は私も参加してきたんですよね。それも、サイン会参加に必要な「10月10日より店頭で配布する整理券」を、わざわざ「熊本から」電話予約し、かつ現地に上京してまで。
また、サイン会と同じ日の夜に、タナウツ初となるオフ会も行われました。どちらかといえば、上京した目的としてはこちらがメインだったような気もしますが(^^;;;)。
今回は、サイン会における私の視点から、田中芳樹&後藤啓介サイン会のレポートを行っていきたいと思います。
2007年10月27日(土)
この日、出発地の熊本は晴れだったのですが、東京・埼玉を含めた関東地方には台風20号が接近しており、その影響で大雨および強風が荒れ狂っていました。
熊本を出発して羽田空港に降り立ち、羽田空港から浦和へと向かう最中に大雨と強風はどんどん強くなっていき、目的地の浦和駅に到着した頃には「横殴りの大雨」が襲い掛かる状況となっていました。
この状況で何が一番困ったかというと、わざわざサイン会のために熊本から持ってきた「月蝕島の魔物」がズブ濡れになってしまう危険性があったということですね。今回のサイン会では「月蝕島の魔物」を持参するか、現地で購入した上でそれにサインを書き込むルールとなっていたのですが、大きな鞄とかは全部浦和駅のコインロッカーに預けていましたし、本を守るための防水アイテムとかは全く用意していませんでしたので、本の保護に必死にならざるをえなかったわけです(T_T)。
幸い、紀伊国屋書店・浦和パルコ店は、浦和駅から徒歩1分の距離で辿りつけるところにあったので、何とか事なきをえましたが。
そして紀伊国屋書店・浦和パルコ店到着後、店員さんに名前を名乗ってサイン会に必要となる整理券を受け取りました。
この整理券は、名前を書く欄「おなまえ」と住所を書く欄「おところ」、「著者へのメッセージ」という書き込み自由な欄の3つで構成されていて、私は「おなまえ」には自分の本名をそのまま、「おところ」には出身地の熊本県+市町村名まで、そして「著者へのメッセージ」には以下のような文章を書いておきました。
<Webサイト「田中芳樹を撃つ!」を閲覧したことはありますか?>
わざわざサイン会に来てこんなことを書く奴は自分以外にいないだろうな、と苦笑しつつ、サイン会で列を作る参加者に混ざって待つこと14時、ついに田中芳樹&後藤啓介サイン会は始まりました。
私は比較的早くから列に並んでいたので、だいたい10~15番目くらいで出番が回ってきました。例の整理券を受け取り&確認する係の人に整理券を渡して田中芳樹と対面。この時が、私と田中芳樹の初顔合わせとなったわけです。
で、その時の初やり取りはこれ↓
私:
「熊本から来ました~」
田中芳樹:
「あなたでしたか~」
その反応に、え? と一瞬戸惑ってしまった私。
それについては田中芳樹自身と、後で後述する理論社の人が教えてくれたのですが、今回のサイン会では、どうもわざわざ熊本からやってきた人というのが私一人だけだったようで、田中芳樹の耳にも「熊本からサイン会の予約をしてきた人がいる」という情報が入っていたらしいんですよね。私の出自も意外なところで意外な話題になっていたものです(苦笑)。
その後、終始にこやかな雰囲気で、持参してきた「月蝕島の魔物」に田中芳樹からサインと印鑑をもらい、握手を交わした後、後藤啓介からも同じようにサインをもらって握手を交わし、そこでサイン会における私の出番は終了。ちなみに、後藤啓介への対応は、あまり知らなかった人ということもあって、自分でもあからさまに感じたくらい淡白だった気がします(^^;;;)。
なお、以下がその戦利品となります(実際のサイン箇所をスキャナで取り込んだものです)↓
http://www.tanautsu.net/jpg/kousatsu21_03_aa.jpg
で、それで終わりなのもつまらないし、せっかくなのでサイン会というものについて少し情報収集を行ってみることにしました。
田中芳樹と後藤啓介の傍らに立っていた、スタッフとおぼしき人に質問。
私:
「このサイン会って、どのくらいの人が来ているのですか?」
その人は「月蝕島の魔物」を発行している出版社である理論社の人だったのですが、だいたい80人前後だろうと教えてくれました。この手のサイン会では、100人も集まれば大成功の部類に入り、今回の人数は成功といえるレベルとのこと。
この人にも「熊本からサイン会の予約をしてきた人がいる」という情報が入っていたようで、しばらくその話題で雑談。
サイン会参加者は全体的に見て女性の方が多かったですね。もっとも、その疑問を理論社の人にぶつけてみたところ、「後藤啓介だけのファン」も混じっているし、またサイン会の舞台となっている浦和パルコ自体が全体的に女性向けであることから、全てが田中芳樹のファンとは限らない、とのこと。
サイン会参加者の中には、「月蝕島の魔物」にサインを書き込んでもらった後、持参の色紙を持ち出したり、「月蝕島の魔物」を1冊追加で購入したりして、さらに追加でサインをしてもらう人もおりました。その様子を見ながら「今度機会があったら私も同じことをやってみようか」とひそかに考えていたり(^^;;)。
14時開始のサイン会が、参加者全員一巡したのは14時45分。その後はスタッフ相手に談笑したり、リップサービスなのかスタッフ向けにサインを書いたりして、サイン会全体が終了したのが14時51分。
その際、件の理論社の人が私に話しかけてきて「最終的なサイン会参加者は80人。直接サインした『月蝕島の魔物』は90冊で、ひとりで2冊持ってきた人が10人ほどいた」と改めて教えて頂きました。
で、こういうことを書いていることから分かるように、私はサイン会が終わって田中芳樹らが退場するまでサイン会会場にずっと居座っていたわけなのですが(苦笑)、その去り際、田中芳樹は私に対して
田中芳樹:
「気をつけて帰ってくださいね」
と声をかけて去っていきました。
それを見届けた後、私もホテルを予約していた東京に向かうため、浦和駅から15時20分頃、東京方面行きの列車に乗り込み、浦和を後にしました。
以上が、今回のサイン会における私の行動となります。自分で書いていて「ミーハーなファンだな~」と自分で思わなくもないのですが(苦笑)。
私が田中芳樹に直に会ってみて感じた第一印象は、「穏やかで人当たりの良い性格の人」というところですね。営業スマイルの側面もあったでしょうけど、私も含めたサイン会参加者ひとりひとりに丁寧かつにこやかに対応していましたし、すくなくとも「悪役(ヒール)」のようには見えませんでしたね。
サイン会における私の行動を振り返ってみると、「もう少し積極的にぶつかってみても良かったかな」という一言に尽きますね。思い切って「著者へのメッセージ」に書いた内容や、銀英伝パチンコ化問題等を口頭で直接主張したりすれば、もっと強烈なインパクトを残せたかもしれませんし。
まあ、それでサイン会の雰囲気をことさら険悪なものにするのは私の本意ではありませんし、今回の私の目的は「ファンとしてアンチとして田中芳樹に直接会って挨拶し、それなりのインパクトを与える」というものだったので、その点では当初目標は達成しているといえるわけですけどね。
悪天候の中お疲れ様でしたが、無事のご帰郷と収穫のあったご様子何よりです
> 私:
> 「熊本から来ました~」
>
> 田中芳樹:
> 「あなたでしたか~」
>
> 私が田中芳樹に直に会ってみて感じた第一印象は、「穏やかで人当たりの良い性格の人」というところですね。営業スマイルの側面もあったでしょうけど、私も含めたサイン会参加者ひとりひとりに丁寧かつにこやかに対応していましたし、すくなくとも「悪役(ヒール)」のようには見えませんでしたね。
和やかなのはいい事ですし、田中先生が「主義主張に関らない常識的善人」である事はありえてかつ喜ばしい事だと思います。
創竜伝の続ではありませんが「ギロチンにかけるまで正義を貫いた清廉の人ロベスピエール」では御本人を含め誰もが流石にたまらないでしょうし。
> サイン会における私の行動を振り返ってみると、「もう少し積極的にぶつかってみても良かったかな」という一言に尽きますね。思い切って「著者へのメッセージ」に書いた内容や、銀英伝パチンコ化問題等を口頭で直接主張したりすれば、もっと強烈なインパクトを残せたかもしれませんし。
いや、今回の冒険風ライダーさんの行動で最善だと思いますよ。
論を交わす手段は他にもありますし、何より冒険風ライダーさんご自身「ラエリアンムーブメントの集会で非カガク的論点を糾弾すると学会会長」的行動は「やってみよう」と考えるだけで頭痛がするのではないかと思うのですが。
<和やかなのはいい事ですし、田中先生が「主義主張に関らない
常識的善人」である事はありえてかつ喜ばしい事だと思います。
創竜伝の続ではありませんが「ギロチンにかけるまで正義を
貫いた清廉の人ロベスピエール」では御本人を含め誰もが流石に
たまらないでしょうし。>
でもああいう「穏やかで人当たりの良い」外見と性格でありながら、著書の中では偏向だらけの政治的主張をバリバリに展開してきますからね~(>_<)。
あと、あの第一印象からさらに思ったのは、「例の再販乱発やパチンコ問題等に象徴される金儲け主義は、田中芳樹以上に『らいとすたっふ』こそが実は主犯なのではないか?」ということですね。「らいとすたっふ」に対する私の信用は、5月の創竜伝14巻刊行無期限延期問題と9月のブログコメント欄閉鎖事件で、すでに相当な底辺レベルにまで落ち込んでいますし(-_-;;)。
<いや、今回の冒険風ライダーさんの行動で最善だと思いますよ。
論を交わす手段は他にもありますし、何より冒険風ライダーさん
ご自身「ラエリアンムーブメントの集会で非カガク的論点を糾弾
すると学会会長」的行動は「やってみよう」と考えるだけで頭痛が
するのではないかと思うのですが。>
まあそれに関しては、私も前の投稿で「それでサイン会の雰囲気をことさら険悪なものにするのは私の本意ではありませんし」と書いている通りですね。実は正直言うとすくなからぬ誘惑を感じなかったわけではなかったのですが(^^;;)、最終的には「アンチとしての主張」よりも「ファンとしての礼儀」を優先した、といったところでしょうか。
ただ、山本弘のその手の言動については、ラエリアン云々の件よりも、例の「陰口はかまわないが、本人の目の前で悪口を言ってはならない」というあのタワゴトの方が、私にとっては非常に馴染み深いものだったりするのですが(笑)。