はい、どうも。エニックス版の灼熱の竜騎兵を購入してしまい、田中芳樹の印税に貢献してしまった八木です。
新装版「灼熱の竜騎兵」は、本当に帯に書かれているように、「大幅な加筆修正」をしているのか? 自己満足のために前回に続き、文庫版2巻と新装版第2部の比較にいきたいと思います。
ところで富士見書房は、今となっては笑い話ですが「灼熱の竜騎兵」でメディアミックス展開を狙っていました。1巻・2巻が発売されてから、約1年後にはカセットブックが発売されています。
もしかしたら、アルスラーン戦記Ⅱ・サイレントメビウス2・風の大陸の3作品で公開された角川アニメNEO英雄伝説の中に、灼熱の竜騎兵が加わっていた可能性もあったわけです。まぁアルスラーンが決まっていたために、竜騎兵も入れると田中作品が2つになってしまいます。そのため例え連載が続いていても、難しかったかもしれませんが……。
風の大陸は、作品のストーリー的に幅広く受け入れられるのが難しく映画のみ。アルスラーンも9巻以降が長期間執筆されず、アニメはOVAに移行したものの、第1部が全て映像化されることなく終わりました。結局、富士見書房(と角川書店)のメディアミックス展開の成功は、神坂一の「スレイヤーズ」まで待たれることになります。
あぁ、富士見文庫の方では、OVAくりぃむレモンシリーズの一部をノベライズ化ということだから、ある意味メディアミックス展開といえるかな(笑)。
灼熱の竜騎兵PART2 惑星ザイオンの嵐
初版1989年10月20日 富士見書房 富士見ファンタジア文庫(以下=旧版)
灼熱の竜騎兵1 第二部 惑星ザイオンの嵐
初版2002年9月13日 エニックス EXノベルス (以下=新版)
第1章 報復のトランペット
<旧版>10P 1行目
西暦2405年にはいって、
<新版>170P 上段13行目
西暦2505年にはいって、
<旧版>17P 13行目
西暦2405年9月。
<新版>175P 上段12行目
西暦2505年9月。
<旧版>18P 1行目
この前年、2404年に、
<新版>175P 下段1行目
この前年、2504年に、
<旧版>23P 1行目
(前略)、2405年1月のことである。
<新版>179P 上段9行目
(前略)、2505年1月のことである。
<旧版>25P 10行目
ネッドたちが2404年9月まで所属していた「ザイオン青年党」は、
<新版>181P 上段9行目
ネッドたちが2504年9月まで所属していた「ザイオン青年党」は、
はい。年が100年分変更されただけです。コメントのしようがありません。
<旧版>31P 11~12行目
地球軍最高司令官デリンジャー元帥は、6500万キロ離れた司令部から、ザイオンにいる部下を叱咤した。一語ごとに200秒をこす時差があるので、(後略)
<新版>187P 上段5~7行目
地球軍最高司令官デリンジャー元帥は、3億キロ離れた司令部から、ザイオンにいる部下に叱咤した。一語ごとに20分をこす時差があるので、(後略)
地球-ザイオン間の距離が6500万キロから、3億キロに延びたことで、遠距離通信の時差が200秒から20分に変更されています。銀英伝と違い、まだまだリアルタイム通信にはなっていません。変なところは細かいですね。
<旧版>33P 3行目
「200秒以上も待たせて、(後略)」
<新版>188P 上段8行目
「20分以上も待たせて、(後略)」
ここも通信距離が延びたことによる時間の修正です。ちなみに指向性レーザー・ビーム通信だそうです。
<旧版>39P 14行目
2404年の「ザイオン百日事件」に際しても、(後略)
<新版>192P 下段4行目
2505年の「ザイオン1ヶ月紛争」に際しても、(後略)
本当にコメントしようがないですね。年月と紛争名の修正です。第1章の修正点はこれだけです。
第2章 赤と白の構図
<旧版>44P 1行目と4行目
2405年当時の惑星ザイオンがそうだった。
「2405年のザイオン」
<新版>198P 上段2行目と6行目
2505年当時の惑星ザイオンがそうだった。
「2505年のザイオン」
はい、年月の修正です。
<旧版>49P 5行目、52P 4行目、53P 12行目
880名の歩兵部隊をひきいて、
800名をこす兵力を
地球軍の戦死者59名、負傷者114名。これに対し、深紅党の戦死者ゼロ、負傷者17名。
<新版>202P 上段3行目、203P 上段16行目、204P 下段8~9行目
880人の歩兵部隊をひきいて、
800人をこす兵力を
地球軍の戦死者59人、負傷者114人。これに対し、深紅党の戦死者ゼロ、負傷者17人。
もの凄く細かい変更です。人数表記が「名」から「人」に変更されています。いったいなぜ、「名」から「人」に変更したのでしょうか? 私はどちらでもあまり変わらない気がするのですが……。さっぱり分かりません。田中芳樹よ、こんな小さなところを修正するぐらいなら、新作部分を書いてくれ。
<旧版>59P 10行目
「ザイオン百日事件」の際、
<新版>209P 上段11行目
「ザイオン1ヶ月紛争」の際、
<旧版>74P 12行目
6500万キロをへだてて、
<新版>221P 上段17行目
3億キロをへだてて、
はい。いつもの修正ですね。第2章の修正変更はこれだけです。修正だけで新作加筆はありませんね。
第3章 爆撃
<旧版>98P 9行目
連隊長クラス以上の高級士官40名を集めると、
<新版>240P 下段2行目
連隊長クラス以上の高級士官40人を集めると、
名でも人でも変わらないと思いますがね~。神経質ですね。第3章はここだけ。
第4章 陰謀の間奏曲
変更点はありませんでした。基本的に灼熱の竜騎兵の修正は、年月と設定変更に伴う修正がほとんどを占めています。ここは、それがなかったわけです。
第5章 急斜面のダンス
<旧版>143P 13行目
2、3日はおとなしくしているしかなさそうであった。
<新版>276P 下段14行目
しばらくはおとなしくしているしかなさそうであった。
「2、3日」が「しばらく」に変更になりました。この文は、大やけどをした陰謀家の少年が自嘲するシーンです。さすがに大やけどが2、3日では回復するはずがないので、しばらくに変更したのでしょうか。実際、少年は深紅党地下アジトに「しばらく」やっかいになっていますし(笑)。
<旧版>156P 3~9行目
宇宙港は軍の最大級の警備対象であったが、旧ZWA方面に主力が配置されたのと、彼らが戦闘員と武器をべつべつに運びこむという奇策を用いたこと、よくあることだが周囲ばかりかためてかえって中心部の守りがおろそかであったこと、などから、まんまと成功されてしまったのである。
この奇策を案出したのはネッドだった。武器は「軍政本部御用達」ということで、そのまま悠々と検問を通過し、ネッドとリュー・リンは先日入手したIDカードを偽造して軍人として宇宙港入りした。他のメンバーは作業員や旅客をよそおってはいった。
<新版>285P 下段14~16行目 286P 上段1~7行目
宇宙港は軍の最大級の警備対象であったが、旧ZWA方面に主力が配置されたのと、彼らが陽動部隊と実動部隊の動きを完璧に連動させたこと、よくあることだが周囲ばかりをかためてかえって中心部の守りがおろそかになったこと、などから、まんまと成功されてしまったのである。
この奇策を案出したのはネッドだった。陽動部隊は作業員や旅客をよそおって宇宙港にはいった。一方、ネッドとリュー・リンたち実動部隊は、地球軍が思いもよらない方法で宇宙港にはいりこんだ。
文庫第2巻部分において、唯一の加筆修正と言える部分ですね。1巻部分比べて減ったと言えますね。
まず、旧版にある「軍政本部御用達」が削除されたのは、地球軍が惑星ザイオンで製造された武器を使うはずがないからです。これまで読んだ限り、地球軍は地球製の武器を使っています。気位が高い地球人将兵が、ザイオン人が造った武器を使うことはないでしょう。
次に旧版で、ネッドとリュー・リンが地球軍の軍人に変装して宇宙港に入りこんだ部分です。これも旧版においての間違いの部分です。第6章で、宇宙港潜入について詳しく説明していますが、そこの説明だとネッドやリュー・リンたち実動部隊は、冷凍車に乗って潜入したとあるのです。冷凍車内部で極限環境防護服に身をつつみ、赤外線反射膜にくるまり、ドライアイスの山にひそみ監視網を突破しています。(旧版・新版ともに同じ) そのため新版の修正では、「思いもよらない方法で宇宙港に入りこんだ」と修正されているのです。
<旧版>157P 7行目、9行目
(前略)、60名の完全武装兵が(後略)
やがて60名の兵士の前に(後略)
<新版>286P 下段11行目、14行目
(前略)、60人の完全武装兵が(後略)
やがて60人の兵士の前に(後略)
<旧版>164P 9行目
不幸な地球軍兵士8名が(後略)
<新版>292P 上段8行目
不幸な地球軍兵士8人が(後略)
え~、「名」から「人」への変更です。ここまでくるとしつこいのか、几帳面なのか、なんで文庫版で「名」としたのか小一時間問い詰めたいですね。第5章はここまでです。
第6章 激流
<旧版>166P 1行目
西暦2404年10月は、
<新版>296P 上段1行目
西暦2504年10月は、
お馴染みの月日の修正です。
<旧版>184P 4行目
つい4、5日前には予想できるはずもなかった。
<新版>308P 下段14行目
ほんの一週間前には予想できるはずもなかった。
前章で「2、3日」を「しばらく」に修正していますが、今回は「4、5日」を「一週間」に修正しました。これは、予想できなかった事柄が起きた日と「予想もしなかった」と思った日を計算すると、4、5日前だと既に起きている可能性が高く、文章が成立しなくなります。そのための安全策として、1週間に延ばしたのだと思います。
<旧版>189P 9行目
2405年11月13日、
<新版>313P 上段2行目
2505年11月13日、
<旧版>192P 4行目
6500万キロの虚空をへだてた
<新版>315P 上段6行目
3億キロの虚空をへだてた
<旧版>196P 4行目
……西暦2405年11月。
<新版>317P 下段1行目
……西暦2505年11月。
最後の3個所の修正は、月日と距離でした。これで文庫2巻においての加筆修正は終わりです。
灼熱の竜騎兵において加筆修正・変更点は以上の通りです。私が2巻こそは、大幅な加筆修正があると信じていましたが、結果は月日と距離と単位の変更がほとんどでした。
実際のところ2巻においては、宇宙港に潜入する部分のみが新作の加筆です。ここは字数にして223字でした。あとは1文字単位になっていまうので今回は数える気がしません。
多分、文庫1・2巻の修正された部分の文字を全て合わせると、400字詰め原稿用紙3枚に収まるのではないかと思います。私は作家でも編集でもないので、どのくらいの分量が「大幅な加筆修正」にあたるのかは分かりません。しかし、出版社と田中芳樹の勝手な都合で設定を変えて、ほとんどの修正点が月日と距離。新惑星製造法が変わり、惑星の配置も変えたのに、完全新作の部分が無いに等しく、本編で活かせられていません。本当にシェーアードワールズ化のためだけの変更と言えます。それでよくも、「大幅な加筆修正」などどほざけたものだなぁと感心してしまいました。
作品への感想も書こうと思っていたのですが、何か気力がなくなってしまったので、次の機会に書きます。ルビなど細かい部分が旧版と新版で違っていましたので、その点も次回に書きます。
最後に。文庫3巻の修正変更点はもう調べる気力がありません。1・2巻分を調べた限りでは、期待がもてないからです。新書版・灼熱の竜騎兵の「3巻」が出ることがあれば行いたいと思います。今回はこのへんで!
いや、物凄い情熱、執念ですね。圧倒されました。
この研究は将来、田中芳樹文学が研究されていく上で貴重なデータになるのではないですか。
3巻についても期待しています(他力本願だなあ)
田中芳樹への批判というと、どうしても思想的な側に寄りがちではありますが、このような作家としての批判もとても重要だと思います。
細かい調査、おつかれさまです。
八木あつしさん、
私もアニメ銀英伝の間違い探しをしたり、人名の綴りを調べたりするのに熱中しますが、短期間にここまで集中的なチェックはできません。おそらく、あなたは、一度読んだ文章を忘れないのでしょうね。他人が書いたものをここまで綿密にチェックできるとは・・・。今年ご卒業とのことですが、もしかして弁護士のたまごですか?
ところで、田中芳樹氏は、どうも算数が苦手なのでしょうか?
>地球軍最高司令官デリンジャー元帥は、6500万キロ離れた司令部から、ザイオンにいる部下を叱咤した。一語ごとに200秒をこす時差があるので、
>地球軍最高司令官デリンジャー元帥は、3億キロ離れた司令部から、ザイオンにいる部下に叱咤した。一語ごとに20分をこす時差があるので、
距離が4.6倍になっているのに、時間は6倍のようですね。
>指向性レーザー・ビーム通信
ということは、真空中を秒速30万キロで走る光を利用した通信ですね。すると、6500万キロ先に届くのに216秒、3億キロ先では1000秒(=17分)ということになります。旧版は正しく新版は誤り、といいたいところですが、ここでいう「時差」が、
>「200秒以上も待たせて、(後略)」
>「20分以上も待たせて、(後略)」
というように、自分が話してから相手の応答を聞くまでの時間のことであるなら、通信波は両者を隔てる距離を往復する必要がありますから、旧版では512秒(=8分半)、新版では34分の「時差」を生じるはずです。もしも、「20分なら間に合うけど、34分では間に合わない」ような場面がストーリーにあれば、面白いですね。
ところで、太陽から地球までの距離の平均は1億5000万キロですから、新版ではザイオンを太陽を挟んだ反対側へ置いたことで、地球との距離が3億キロになったのでしょうね。すると「指向性レーザービーム」は太陽を貫通して相手に届くのかな?まさかそんなことはできないから、できるだけ太陽に近い位置に中継ステーションを置いているのでしょうね。でも、それでは「時差」はさらに大きくなりますね。
本当の「加筆修正」をするなら、こういう点を直してほしいですね。八木さんの前回の発言を読んだときも、「せっかく木星には、地球の15倍の質量の固体部分があるのだから、核融合で重金属を作った、などと訳の分からないことをいうよりも、固体部分を取り出して、15個の地球型惑星を作ればよいのに」と思いました。次回の加筆修正では、直してくれるのでしょうか?
どうも八木あつしでございます。
最近は時間がとれなくてこちらへの書き込みが出来ませんでした。
>IKさん
執念と言えば執念ですね(笑)。やはり新・旧を同時に読み進めていくのは辛かったです。見落としがないかどうか気になりました。
兵士の数を「名」から「人」に変更していたのは、最初は見逃していまして、いざ文章を書きこむぞ、という段階で気付きました。どうしても斜め読みになってしまいますから、危なかったですね。
3巻は……。タナウツで絶大な反響が起きたら考えます(笑)。
>管理人さん
どうもありがとうございます。
私もタナウツの住人として、銀英伝ネタ以外で何か田中批判の書き込みをしようと狙っていたわけでした。「灼熱の竜騎兵」を選んだのは、旧新の比較レスに書いたように「大幅な加筆修正」という部分が本当かどうか気になったのもあります。しかしこれなら旧新を読み比べるだけで資料も何も必要ないから、というところも大きいですね(笑)。
ただこれまでのタナウツを議論を見ると、「田中芳樹を撃つ!」というよりも「創竜伝を撃つ!」の方が近いのではないか?と思えてしまう時があります。そのため、それに対するアンチテーゼの部分も少しあります。
>Kenさん
ご無沙汰しております。無事にご出張から戻られたみたいですね。
Kenさんが考えているように、惑星ザイオンは地球から太陽を挟んで向かい側にあります。木星解体で造られた新惑星は、金星・地球・火星の公転軌道に等間隔で並んでいるので、直線で結べば6角形が出来ます。
私は、Kenさんが指摘された通信部分での距離と時間や時差の関係には気付きませんでした。(^^;;) さすがです。
この部分について本編を読んでいる私が、惑星間通信がどうなっているかお答えしときます。推論部分も含みますが。
え~、基本的に「灼熱の竜騎兵」世界における惑星間通信は、地球政府及び地球軍(軍の方が強い)の管理下にあります。これは地球だけでなく各惑星の通信機構も含めてです。作中の描写から、受信は受信機があれば苦労するもののどこでも受信ができます。しかし発信においては、通信施設が必要みたいです。ザイオン独立ゲリラも通信を行う為に、宇宙港を襲撃しました。
惑星ザイオンを地球軍が制圧後、独立ゲリラによって地球軍がかき回されていることは、軍が通信施設を抑えているため地球の軍本部以外は、他の惑星はもちろん地球人も知りませんでした。
また別の惑星ツァーレンで反地球暴動が発生したものの地球軍が通信を抑えたため、紛争中のザイオンには伝わっていません。
このことから指向性レーザー・ビーム通信網は、各惑星の公転軌道で6角形を描くように結ばれているのだと思います。他の軌道の惑星に通信を送る場合は、一番距離が近い惑星から惑星に繋いで送信するのではないかと。こうすれば、指向性の名前通りに直線的に通信が送れます。(辻褄が合うかどうか分かりませんが多分)
ちなみに指向性レーザー・ビーム通信ですが、新版2巻の設定資料だけに載っていたので確実に後付け設定です!(爆)
しかし、旧版では38個も惑星を造りましたがこれだけ惑星があると、どれか2~3個の惑星は常にどこかの惑星の影になってしまい、太陽の光を浴びることが出来ない惑星がありそうですね。どうするんでしょう?
しかし、それでも15個も惑星があれば、頻繁にグランドクロスが起きるなぁ(笑)。
それでは、今回はここまで! (^_^)/~~~
八木あつしさん、返事が遅れました。(と、いっても10日ですが。)
>このことから指向性レーザー・ビーム通信網は、各惑星の公転軌道で
>6角形を描くように結ばれているのだと思います。他の軌道の惑星
>に通信を送る場合は、一番距離が近い惑星から惑星に繋いで送信
>するのではないかと。こうすれば、指向性の名前通りに直線的に通信
>が送れます。(辻褄が合うかどうか分かりませんが多分)
おそらく「指向性レーザー・ビーム」が搬送波となるのは、地球上の発信基地から、ザイオン上の受信基地までで、ザイオンの受信基地からは、通常の電波放送が行われるのではないでしょうか。そうでないと、ザイオン上の地球軍が、地球(または最寄の中継惑星)からみて、惑星の反対側にいると、受信ができません。もちろん、受信基地自体もザイオンの自転に伴って(ザイオンにも昼夜はあるのでしょう?)、地球の視界から消え去るので、受信基地は複数必要です。
>しかし、旧版では38個も惑星を造りましたがこれだけ惑星があると、
>どれか2~3個の惑星は常にどこかの惑星の影になってしまい、
>太陽の光を浴びることが出来ない惑星がありそうですね。どうするんでしょう?
この点は、田中氏の記述で問題はないかと思います。おそらく八木さんは、日蝕のようなケースを想像されたのでしょうが、太陽よりはるかに小さい月が、太陽を覆い隠せるのは、圧倒的に近くにあるからです。例えば、金星の軌道を公転する地球大の惑星が、太陽と地球の間に来ても、地球から見れば太陽の直径の30分の1にしか見えません。逆に、金星軌道上の惑星が、地球から見ての皆既日蝕を起こそうとすると、直径40万キロ(地球の直径は1万3千キロ)のサイズが必要になります。