と学会の最新刊「とんでも本の世界R」の中で、小林よしのり氏の「戦争論」が切られておりました。以前どなたかが、山本弘氏について、「具体的な論拠を挙げずに戦争論を否定するとは…」てな内容の事を言ってたと思いましたが、これで安心ですね(笑)。
で、内容ですが、さすがに凡百の「戦争論」批判とは違い、あくまで記述内容の間違いと論理の破綻の指摘に留まっています。詳しくは本書を読んでいただくとして、総括的な部分を引用させてもらうと、「「欧米諸国は植民地から搾取した」「アメリカ軍は無差別攻撃をした」「イギリス軍は捕虜を虐待した」「イスラム過激派は民間人を殺傷した」……確かにそれらは全て事実である。しかし、「それに比べて日本はこんなに立派だった」と考えるのは誤りだ。日本人も同じことをやってきたのだから。」って事です。
で、思ったのですが、ここの部分って、ベクトルを逆転したらそのまま田中芳樹氏の評論に対する批判になる様な気がしません?(笑)。ぜひとも次の機会には、田中芳樹の本を取り上げて欲しいものです。
ちと遅すぎた感もありますが、紹介された内容から想像するに、精緻な批判のようですね。読んでから反発なり同感なりするとして、とりあえず一点だけ。
>「欧米諸国は植民地から搾取した」「アメリカ軍は無差別攻撃をした」「イギリス軍は捕虜を虐待した」「イスラム過激派は民間人を殺傷した」……確かにそれらは全て事実である。しかし、「それに比べて日本はこんなに立派だった」と考えるのは誤りだ。日本人も同じことをやってきたのだから。」って事です。
「欧米に比べて日本人がこんなに立派だった」ではなく、「日本人だけが一方的に悪の権化として語られるのは不公平だ。戦争は清濁併せ持つものであり、過去にさんざん語り尽くされた悪行とともに、こういう立派な側面も存在した」というのが「戦争論」の主張の立脚点であったと私は解釈しておりますので、これはと学会側の読み違えであると思います。
> で、思ったのですが、ここの部分って、ベクトルを逆転したらそのまま田中芳樹氏の評論に対する批判になる様な気がしません?(笑)。ぜひとも次の機会には、田中芳樹の本を取り上げて欲しいものです。
私もやって欲しいもんです。「おつきあいやしがらみで出来ない」てのなら、”学会”たりえる資格に疑問が生じてしまいます。その場合「トンデモ本研究会(と研)」て改称してはどうでしょう。ついでに、東京大空襲を「軍事都市だったのだから当然」と言ってのける市民団体や、原爆投下に対する本島元長崎市長の意見等もトンデモ認定希望。
> 「欧米に比べて日本人がこんなに立派だった」ではなく、「日本人だけが一方的に悪の権化として語られるのは不公平だ。戦争は清濁併せ持つものであり、過去にさんざん語り尽くされた悪行とともに、こういう立派な側面も存在した」というのが「戦争論」の主張の立脚点であったと私は解釈しておりますので、これはと学会側の読み違えであると思います。
いや、私も戦争論持ってますけど、やはり「日本人だけを悪し様に言うな」という主張が強すぎて「日本人はこんなに偉かったんだぞ」になっちゃってると思いますよ。
ちなみに私の戦争論への感想は、「太平洋戦争についての記述は一方的過ぎるが、根底に流れている思想には共感できるものがある」です。
> 私もやって欲しいもんです。「おつきあいやしがらみで出来ない」てのなら、”学会”たりえる資格に疑問が生じてしまいます。その場合「トンデモ本研究会(と研)」て改称してはどうでしょう。ついでに、東京大空襲を「軍事都市だったのだから当然」と言ってのける市民団体や、原爆投下に対する本島元長崎市長の意見等もトンデモ認定希望。
ま、学会と言っても、所詮は同人サークルに毛が生えた程度の物ですからね(笑)。権威がある訳でもなし、そのぐらいは大目に見ましょうよ。ちなみに、後半については同意。
戦争論は戦争論だけ読んでもだめなんです。
ゴーマニズム宣言と一緒に読まないと。
ただ、のどかな光景の写真を問答無用で嘘と決め付けたのはどうかなあと思いますが。
何の証拠もなしに日本側のものを嘘と決め付ける、
そういう態度を自虐って言うんですよ。
山本さんわかってるのかな。
> ただ、のどかな光景の写真を問答無用で嘘と決め付けたのはどうかなあと思いますが。
同感ですね。
イデオロギー批判を避けて、歴史的誤謬の指摘に徹するという基本姿勢は正しいと思うのですが、そこからはみ出てしまった部分には多少おかしいと思える部分がありますね。
自衛隊でパイロットになれば、戦争の時真っ先に逃げられると言うタクシー運転手を見て小林氏が、「まさにこれが平均的な若者の姿」「今の日本に祖国のために死ねる者などいない」と思うシーン。
山本氏の批判…いったいどんな統計を根拠に「平均的」と決めつけるのか? 今の日本にも祖国のために死ねる者は大勢いる。
私の感想…主観をぶつけ合ってるだけで、意味がありません。
②同上のシーン。
山本氏の批判…自衛官に対する侮辱である。自衛官が全員、戦争になったら逃げ出すと思っているのか?
私の感想…普通に読む限り、山本氏の言うような意図を小林氏が持っていない事は明らかだと思うのですが。これは山本氏の誤読では。
ちなみに、渓由葵夫の『奇想天外SF兵器』のところに、銀英伝が少し出ていましたね。山本氏が創竜伝も読んでいれば面白いのですが。
あまり長く続けるとボードの趣旨に外れそうですが…
> いや、私も戦争論持ってますけど、やはり「日本人だけを悪し様に言うな」という主張が強すぎて「日本人はこんなに偉かったんだぞ」になっちゃってると思いますよ。
> ちなみに私の戦争論への感想は、「太平洋戦争についての記述は一方的過ぎるが、根底に流れている思想には共感できるものがある」です。
これは「見解の相違」というより、「受け止め方の誤差」といったところでしょうか。クロイツェルさんの感想、私も頷かされます。
> ま、学会と言っても、所詮は同人サークルに毛が生えた程度の物ですからね(笑)。権威がある訳でもなし、そのぐらいは大目に見ましょうよ。ちなみに、後半については同意。
少なくとも、批判対象の実名・書名を挙げているという点において、田中芳樹よりはましであると言えるか。
ところで、山本弘が今回行った「記述内容の間違いと論理の破綻の指摘」ですが、なぜこれを無印「ゴーマニズム宣言」の頃に行わなかったのでしょうか。「記述内容の間違いと論理の破綻」は昔からのコト。読者に対する影響力も当事とさほど変化しているとは思えない。なのに今更取り上げたのは、結局山本弘の目にタカ派チックに映った「戦争論」が気に入らなかっただけなのでは。
『トンデモ本の世界R』ちらりと立ち読みしました。
左右の両巨頭ということで?
『戦争論』
と
『買ってはいけない』
が挙げられてますが、正直ネタとして取り上げるにはいずれも賞味期限切れという感は否めませんね。
> ちなみに、渓由葵夫の『奇想天外SF兵器』
関係ないけど、ワタシこの本を加藤直之の挿絵にダマされて買っちゃったんですよ。定価で(^^;;。
第10回大賞とのことですが、実はこれもそんなに新しい本ではないです。
ですが・・・
えー、一言で言ってここ10年これほどまでに愚劣な本は見たことがないです。
「『宇宙の戦士』の作者がアーサー・C・クラーク」
をはじめとするSF関係の間違いは各所でさんざん指摘されてますが、まあ、社会常識に関する記述もヒドイのなんのって。
「ガンダムは奥山プロデューサーによって映画化されたら馬鹿アタリ」
(松竹映画は全部奥山プロデュースだと思ってんのか!)
「原健三郎=議員生活50周年記念なんだな」
(この本が出る何年も前だぞソレ)
「戦艦大和はウィリアム・ハルゼー提督率いる航空機だけの攻撃によって海の藻屑となった」
(これはミッチャー提督の間違いでは?)
「コスモタイガーの部隊長加藤三郎は、もちろん加藤隼戦闘隊の撃墜王加藤三郎から採った名前だ」
(加藤隼戦闘隊の隊長が爆弾魔と同姓同名だったとは初めて知った)
「魏以前は700年以上も続いた漢帝国だったじゃないか」
(・・・・・・。)
とにかくココに挙げたのも「トンデモ~」に出てるのも氷山の一角で、ほとんど1ページに数箇所という感じで凄まじいまでのデタラメが撒き散らされているんですね。
さらにまたその文体が、勘違い野郎がよくやる
「高みに立って低能な製作者や愚かな日本人を冷笑する」
という芸風で書かれてるのがイタさと哀れさとブザマさを救いようの無いまでに増幅してます。
『宇宙戦艦ヤマト』を
「アタ○の不自由なヒトの一つおぼえアニメ」
などと言って笑ってますが、一番ア○マが不自由なのはこの著者であるのは誰が見ても明らかです。
ここまで全国的に笑いものにされた以上もはや同じ名前で本を出すのは不可能だと思いますが、まあ皆さんも古本屋で見かけたら立ち読みしてその低能ぶりを笑ってやってください。
間違っても
『買ってはいけない』。
> ところで、山本弘が今回行った「記述内容の間違いと論理の破綻の指摘」ですが、なぜこれを無印「ゴーマニズム宣言」の頃に行わなかったのでしょうか。「記述内容の間違いと論理の破綻」は昔からのコト。読者に対する影響力も当事とさほど変化しているとは思えない。なのに今更取り上げたのは、結局山本弘の目にタカ派チックに映った「戦争論」が気に入らなかっただけなのでは。
まあ、もちろんそれもあるんでしょうけど、紙面が限られている訳ですから、それなりに思い入れのある(笑)本しか書けないんでしょう。発表までのタイムラグも結構ありますから、連載ものは不適当、てのもあるでしょうしね。
> ちなみに、渓由葵夫の『奇想天外SF兵器』
渓氏の著作は何冊か持っているのですが、確かに兵器についての知識は賞賛に値しますが、それ以外については首を傾げざるを得ない部分が多々ありますね。
特に驚いたのは「奇想天外装備品 ニッポン自衛隊編」で真珠湾攻撃について南雲機動部隊が「真珠湾に入港して救助活動をするわけにはいかなかったのか」と書いていたことです。
どうも知識にバランスを欠いたところがあると思います。
初めまして、コッド少佐です。このサイトは、以前からROMしてました。
> > ちなみに、渓由葵夫の『奇想天外SF兵器』
> 関係ないけど、ワタシこの本を加藤直之の挿絵に
>ダマされて買っちゃったんですよ。定価で(^^;;。
その気持ちよく判ります。私も買いそうになりました。
> ですが・・・
> えー、一言で言ってここ10年これほどまでに
>愚劣な本は見たことがないです。
確かにそうですね。
実は、うちのサイトで《ここが変だよ、【奇想天外SF兵器】》書いてたんですが、あまりの間違いの多さに挫折しました。
取り合えず、〔エンタープライズ〕の項目に対する批判を書いたんですが、ほとんど全てのページに間違いがありました…。
〔イゼルローン〕要塞に対する突っ込み(批判)も、アニメ版と小説版を混同して批判しています。それをイラスト担当の加藤さんが、イラスト内で突っ込んでいます。
加藤さんも、渓氏の原稿のあまりの惨さに呆れかえって、仕事の意欲を無くしているようです。
> ここまで全国的に笑いものにされた以上もはや同じ名前で
>本を出すのは不可能だと思いますが、まあ皆さんも古本屋
>で見かけたら立ち読みしてその低能ぶりを笑ってやって
>ください。
渓氏は【Jウィング】と云う雑誌で《新・奇想天外兵器》を連載しています。でも、以前に出した本とネタがダブっているような気が…。
> 間違っても
> 『買ってはいけない』。
私は図書館で借りました。
> > ちなみに、渓由葵夫の『奇想天外SF兵器』
>
> 関係ないけど、ワタシこの本を加藤直之の挿絵にダマされて買っちゃったんですよ。定価で(^^;;。
> 第10回大賞とのことですが、実はこれもそんなに新しい本ではないです。
>
> ですが・・・
> えー、一言で言ってここ10年これほどまでに愚劣な本は見たことがないです。
私は書店で立ち読みして、あまりの酷さに唖然とした覚えがあります。資料をちょっとでも調べたなら、あそこまで酷い間違いはしないはずなんですけどねえ。まあ、事実誤認は百歩譲るとしても、その誤解をもとに制作者を批判すんなよ…。
> 間違っても
> 『買ってはいけない』。
どこかでこの本を、きちんと批判してませんかねえ?なんとなく、購入して徹底的に叩きたい、という欲求が生じてたり(笑)
前のレスを書いてから思い出したんですが、渓由葵夫氏、奇想天外兵器番付という本でも、変な事をやってましたね。この本、連合軍と枢軸軍の同コンセプトの珍兵器を、東と西の二分冊で紹介している本なんですが、それぞれ章のラストで各陣営の兵器同志を対決(比較して、どっちが上かを決める)させてるんですね。で、問題なのは…
同じ兵器を対決させてるのに、「東」と「西」で勝者が違う。つーか、その本に載ってる方が勝ってる。
…何の比較にもなってない。それも、全部の対決でこうなんですから。編集者は、変だと思わなかったんでしょうかねえ?
やはりというべきか、この本については皆さん呆れ果てているようですね。
>特に驚いたのは「奇想天外装備品 ニッポン自衛隊編」で真珠湾攻撃について南雲機動部隊が「真珠湾に入港して救助活動をするわけにはいかなかったのか」と書いていたことです。
常人では、いや、小学生でも思いつきそうにないあまりに斬新な発想ですね(笑)。
>取り合えず、〔エンタープライズ〕の項目に対する批判を書いたんですが、ほとんど全てのページに間違いがありました…。
最初のスタートレックの件からハデな間違いを連発しているようですね。
自分はトレッキーではないし、SF考証についてもわからないんですが、何せ初っ端からあの
「NASA」、「フォン・ブラウン」、「アポロ」
が飛び出してきますから。
> 〔イゼルローン〕要塞に対する突っ込み(批判)も、アニメ版と小説版を混同して批判しています。それをイラスト担当の加藤さんが、イラスト内で突っ込んでいます。
挿絵が本文にツッコミ入れてる本って(^^;;。
しかも当の本人が考えた設定だというのが(^^;;;。
> 加藤さんも、渓氏の原稿のあまりの惨さに呆れかえって、仕事の意欲を無くしているようです。
イラストもコメントも異様なまでに投げやりですね。
しかし、ヒドイと思ったのなら降りるなり訂正を要求するなりしなかったのでしょうか。
これを1600円で売ることを容認したとしたら正直加藤氏の良心まで疑われてきます・・・。
>どこかでこの本を、きちんと批判してませんかねえ?なんとなく、購入して徹底的に叩きたい、という欲求が生じてたり(笑)
タカヒロ・コッド少佐さんも仰ってる通り、「きちんと批判」しようにもあまりの膨大さの前に挫折しちゃうのでしょう(笑)。
『トンデモ本の世界R』のまえがきで山本氏は冗談半分(皮肉半分?)に
「どんなトンデモ本でも堂々と出版できる自由なわが国を誇りに思う」
なんて言ってるんですが、
「アポロの月着陸が1971年」
だの
「700年以上続いた漢帝国」
だの小学校の教科書レベル・知識以前の常識に問題がある人間が何冊も商業出版できてしまうというのはやはり何か面妖しい・・・。