しつこくこの関連の話題を書かせてもらう。
推進派の意見を見ていて思ったのは、彼らは「表現の自由なんて踏みにじってかまわない」と思っているらしいことだ。
だって「自由」は目に見えないから。
「自由」は空気みたいなものだ。そこらじゅうに存在しているのに、漠然としていて、目に見えない。人はそれに支えられて生きているにもかかわらず、普段、そんなものの存在を意識していない。だから「ちょっとぐらい減っても生きていけるでしょ?」と勘違いする人間もいる。
空気と同じく、「自由」も欠乏したら窒息するということが、彼らには理解できていない。
だから「表現の自由」を錦の御旗として振りかざしても、その大切さが分からない人には、アピールしないんじゃないかと思うのである。
彼らにはもっと目に見えるものを突きつけなくちゃだめだ。
そこで、こんなアピールの方法を考えた。(一部、前に書いたことの繰り返しになるけど、ご了承いただきたい)
日本の少年マンガの中で、性的描写や暴力描写が頻出するようになったのは、1960年代末からである。その牽引役が永井豪氏であることは言うまでもない。もちろん他にも多くのマンガ家がいたのだが、最も有名で、当時の子供たちに最も影響力があったのは、この人だと思って間違いなかろう。
主要作品 連載期間
『ハレンチ学園』1968~72
『あばしり一家』1969~73
『デビルマン』1972~73
『マジンガーZ』1972~74
『キューティーハニー』1973~74
『バイオレンスジャック』(週刊少年マガジン版)1973~74
『イヤハヤ南友』1974~76
『けっこう仮面』1974~78
『へんちんポコイダー』1976~77
永井氏の人気の絶頂期が60年代末から70年代後半であったことが分かる。
その作品のどれも、未成年の全裸、セクハラ、下品なギャグ、暴力描写、残酷描写などがてんこ盛りである。正直、今の少年マンガのエロ(『To LOVEる』とか)なんて、永井豪作品に比べれば生ぬるいぐらいだ。もちろん当時、PTAなどに「有害だ」とさんざん叩かれた。
規制推進派によれば、こうした作品は「青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」ということになろう。つまり永井豪のようなマンガが増えることによって、青少年の性犯罪、自殺、殺人などが増加していたはずである。
実際はどうだったか。青少年によるレイプ、自殺、殺人の推移を見てみよう。
強姦被害者数
http://kangaeru.s59.xrea.com/G-youjyoRape.htm#G-youjyoR1-2
60年代後半から急降下している。
各年齢層10万人当たりの若者自殺率
http://kangaeru.s59.xrea.com/G-Jisatu.htm
1965年からほぼ横ばい。
未成年の殺人犯検挙人数
http://kangaeru.s59.xrea.com/G-Satujin.htm
60年代後半から、すごい勢いで急降下!
無論、大勢のレイプ犯の中には、永井豪作品に刺激されて犯行に走った者が何人かいた可能性は否定できない。だが、それは実証できない。
たとえ何人かそういう奴がいたとしても、この時代の急激な犯罪率低下の波に飲みこまれ、データからは見えなくなっている。
さらに、規制推進派の主張からすると、青少年向けマンガの表現規制が日本よりはるかにきびしいアメリカや韓国に比べ、日本の犯罪率は高いはずである。
現実はこうだ。
人口1000人当たりのレイプの件数
http://www.nationmaster.com/graph/cri_rap_percap-crime-rapes-per-capita
日本は65ヶ国中54位。アメリカ9位、韓国16位。
人口1000人当たりの殺人
http://www.nationmaster.com/graph/cri_mur_percap-crime-murders-per-capita
日本は62ヶ国中60位。アメリカ24位、韓国38位。
人口1000人当たりの若者による殺人
http://www.nationmaster.com/graph/cri_mur_com_by_you_per_cap-murders-committed-youths-per-capita
日本は57ヵ国中57位! アメリカ14位、韓国39位。
少ねー! 日本の犯罪、少ねー!
これは世界に誇るべきだ。日本はこれだけエロマンガやエロゲーが氾濫しているにもかかわらず、世界の中でも、とてつもなく犯罪の少ない国なんである。
さらにアメリカのデータを見てみよう。
アメコミ・ファンならご存知だろうが、アメリカでは1949年ごろから反コミックス運動が高まった。当時のコミックスには、残酷なシーンやセクシャルなシーン(斧で切断された首、目をナイフでえぐられようとしている女性、ムチで打たれている女性、きわどい衣裳で踊る女性、下着姿で縛られた女性などなど)が多く、それが青少年に悪影響を与えると騒がれたのである。出版社やニューススタンドには「俗悪なコミックスを売るな」という抗議が殺到。一部の地方では、大量のコミックスが学校の校庭などに集められて燃やされた。
1954年、合衆国議会の少年非行対策小委員会は「コミックブックと非行」と題するレポートを発表、青少年に悪影響を与える可能性のある表現を規制するよう、コミックス出版界に勧告した。
これを受け、全米コミック雑誌協会は「あらゆるコミュニケーション・メディアの中でもっとも堅苦しい」と彼ら自身によって評されたコミックス・コードを制定した。1954年8月26日のことである。
暴力表現や性的な表現にきびしい規制が設けられた結果、コミックス界全体から活力が失われた。そのため、読者の多くがコミックスを買わなくなった。コミックス・コード制定前、コミックス誌は650タイトルもあり、毎月1億5000万部も発行されていたのだが、ほんの数年で半減してしまった。多くの出版社がコミックスから撤退した。フィクション・ハウス社やベター社など、倒産した出版社もいくつもある。
その結果が上のグラフである。アメリカの指標犯罪(凶悪犯罪や窃盗犯)の件数をグラフにしたものだ。
まさに一目瞭然! コミックス・コードが施行された54年以降、アメリカの犯罪は減るどころか、急カーブを描いて上昇しており、1980年には3倍にもなっている!
ちなみにこのグラフは、前田雅英『少年犯罪』(東京大学出版会)という本から引用したものである。
そしてこの前田雅英氏こそ、今回の「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の改正案を出した東京都青少年問題協議会の専門部会長なのである。
どうなってるんだろうか。前田氏は自分の書いた本に載せたグラフの意味を理解していないのか。
つまり、マンガの表現と青少年の犯罪の間には、規制推進派が主張するような正の相関関係ではなく、負の相関関係(表現が過激になれば犯罪が減る)があるのだ。
無論、相関関係があるからといって因果関係があるとは断言できない。相関関係はあっても因果関係のない事例はいくらでもある。
だが、少なくとも、相関関係が存在しないところに因果関係を求めるのは無茶だということは、子供でも分かるだろう。
それに、もしかしたら本当に因果関係があるのかもしれない。海外では「ポルノが性犯罪を抑制している」という研究があることもつけ加えておく。
Porn: Good for us?
http://www.the-scientist.com/article/display/57169/
規制推進派の人たちはこうしたことを知らないのだろうか?
そんなことはない。彼らは知っている。第28期東京都青少年問題協議会議事録(第10回専門部会)には、こんなくだりがある。
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_28ki_menu.html
>○吉川委員 (中略)特に、答申案の46ページに、そうした図書が自由に流通していることによって、子どもたちがこのような性交をしても構わないという認識を青少年が持って、健全な性的判断能力が大きくゆがめられることになると言い切っていますが、ここについて、その根拠はどこかと言われたら、それあくまで我々としては、たぶんそうだろうという認識であるとしか言えなくて、私自身、別に過激な漫画、子どもポルノについて容認する立場では全くないのですが、こうした指摘に対しての見解案としては、少しピントがずれていると言われても仕方がないのかなと危惧しております。
「たぶんそうだろう」というのが根拠なのだそうだ。
>○吉川委員 私としては、性犯罪の減少も目的の一つであると言ってしまって、ただ、そうした創作物が性犯罪の発生と密接な因果関係があるかどうかを、必ずしも統計を示してまで立証する必要はなくて、逆に、関係がないという根拠もないわけなので、だから、統計的なデータがないから犯罪との因果関係がないとは別に言い切れないと突っぱねたらいいと思います。
立証する必要はないし、データがなくても「突っぱねたらいい」のだそうだ。
ふざけるな。
お分かりだろう。彼らは自分たちの主張を支持する根拠がないことを知っている。にもかかわらず、規制を主張するのだ。これはもう、「データなんかどうでもいい。俺たちは規制したいからするんだ」と自白しているようなものである。
まとめよう。
規制によるメリット
・表現を規制すれば青少年への悪影響が少なくなって犯罪が減る。
(ただし証明されていない。データは正反対の相関を示している)
規制によるデメリット
・表現を規制すれば逆に犯罪が増える可能性がある。
(因果関係は証明されていないが、相関関係はある)
・出版業界、アニメ業界、ゲーム業界が打撃を受け、多大な経済的損失が生じる可能性が高い。
・冤罪事件や言論弾圧に悪用される危険がある。
グラフを提示するとともに、「このメリットとデメリットを比較してください。あなたなら規制に賛成しますか?」と問いかけてみるというのはどうだろうか。
「表現の自由」という抽象的な概念に頼らなくても、これぐらい目に見える形で提示すれば、理解してくれる人は増えると思うのだが。
【この日記は全体に公開します。転載は自由です】
分かりやすくい記事でしたのでmixi内でリンク張らせていただきます。
Σ:)「外圧では?文化的土壌に対しての迫害みたいな。
転載させていただきます
当方の日記に転載させてもらいました。
私も紹介させてもらいます~
mixiの外(普通のブログ)にも転載して構わないでしょうか?
わたしもツイッターからたどってきました。
とてもわかりやすく大いに同感だと思いました。
転載させていただきますね。
物凄く分かりやすい文でいいですよ!!
私の日記の所にも転載させていただきます!!!
http://news.livedoor.com/article/detail/4660859/
ハレンチ学園は問題ないそうです。なにそれ。
すごーい!!これは良い記事ですね!!早速日記やblogに転載させて頂きます^^
参考までに使わせていただきます
早速、お借りします!
残り時間わずかですし、最後まで足掻きます。
ありがとうございます。
物凄く分かりやすい記事で簡単に理解できました、リンク張らせてもらいますね!
しかし、成長とともに、そうしたことを、おさえこむことは、不可能であり、人間の自然欲求であると考えるようになりました。そうしたものを、法的に規制しても、何の意味も無いばかりか、余計に抑圧された欲求のはけ口を求めて、よりよくない方向に進むことが考えられると思います。もちろん科学的因果関係は、「実験」ができない以上、調べることができませんし、予測の域を出ませんが、昔の実例としては、悪しき法律である、アメリカの「禁酒法」があり、それは、むしろ、犯罪を助長することになるのではないでしょうか。
原文の全てを読んだ訳ではないのですが、これでは、漫画・アニメ。ノベルスはもちろん、暴力シーンの現れてくる映画や、テレビドラマなども規制対象となるでしょう。(もちろん、規制の対象は、きわめて主観的ですが。) 暴力シーンや、銃、爆発物を使った映像まで禁止したら、今のドラマの半分以上は、成り立たなくなるでしょう。
この法令は(おもしろければよい)などという例外即は無いと思われるのですが、テレビ業界などは、反対していないのでしょうか。それとも「娯楽」マラよいのでしょうか・いずれにしても、きわめて主観的、恣意的な判断が可能な、法律は、法律としての、体をなしていないと思います。
僕も転載したんでこれがマイミクさんたちの目に届けばいいなと思います。
私も転載させていただきます。
ありがとうございます。
私も転載させていただきます
こんなに分かりやすいまとめをありがとうございます
転載させていただきます。
一人でも多くの人に見てもらえますように…
この問題について関心があるので、大変興味深く拝見させていただきました。
疑問なのですが、そこまでメリットが薄いと解りきっている条例案が、可決寸前まで上がったのは何故でしょうか?
確かに、とにかく規制したいという意志が伝わってきます。
そうすることの真の狙いはどこにあるのでしょうか?
規制事態には具体的なメリットはなく、規制を敷く事に何かしらの狙いがあるのではないかと思います。
(そうでなければ業界一つ潰すだけの投資を回収できない)
こんなことをそちらに聞くのは筋違いだとは思いますが、もし何か心当たりがあれば教えてください。
畏れながら転載させて頂きますm(__)m
ぜひ転載させてくださいませ…。
恐れ多いですが、mixi日記、ブログに転載させて頂きます…!
当方の日記と、ブログにの方に転載させていただきたく思います。
(o´-ω-)o)ペコッ
まだこのことを知らない世の中の人にちゃんとしたことを知ってもらいたいです・・
「イマイチよくわからない…」という人にわかってもらえますように・・・!
恐れながら転載させていただきます。
ありがとうございます!
Amy Adler."The Perverse Law Of Child Pornography"
http://cyber.law.harvard.edu/ilaw/Speech/Adler_full.html
Milton Diamond & Uchiyama Ayako. “Pornography, Rape and Sex Crimes in Japan”, International Journal of Law and Psychiatry, 1999.
http://www.hawaii.edu/PCSS/online_artcls/pornography/prngrphy_rape_jp.html
よろしく。
ちょうど私の日記でも、マイミクさんと「戦後の少年凶悪犯罪は(マンガ・アニメ・ゲームの流行と関係なく)減少傾向にあるんじゃないのか?」と話題になっていたので、今回の日記は非常に参考になりました。
私の日記にも有り難く転載させて頂きます。
マイミクさんの日記のリンクからやって来ました
わたしも一度書きましたが、よりわかりやすく、より伝わりやすい内容ですので、もう一度書くときに転載させていただきます
わたしも含め、まだ認識しきれていない方たちに伝わればと思います
こんな曖昧な内容のものを可決させたくありません
まだまだ足掻きたいと思います
事後承諾になり失礼とは思いましたが、うちの日記にも転載させてもらいました。
素晴らしい統計をありがとうございます。
知人のサイトの掲示板でもこの話題で盛り上がっておりまして、そこで描いているウチにちょっとイイかもしれない言葉を思いついたのでこちらにも転載します。
『表現の自由』とは『自分が好きなものを書いていい自由を認めること』ではなく、『他人が好きなものを書いていい自由を認めること』です。
こちらについてはヴォルテールの言葉「私は貴方の意見には反対だ。しかし、貴方がそれを言う権利を、私は命にかけて守る」をどうぞ。
では『読みたくない本』に対する正しいアプローチは何かと言えば、『買わない権利』を行使して商業的に抹殺していくことでしか資本主義社会における正義はありません。(出版社に「売れない雑誌を作るのはやめよう」と思わせる)
この《商業的抹殺》と今回の《公権力による検閲》には天地ほどの開きがあることをご理解いただけたらなあ、と思います。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1440477573&owner_id=25705836
こちらの日記を転載、リンクしました。
多くの人に読んでいただけるよう、分かりやすい日記タイトルを付けました。(はてなダイアリー)
【都条例反対】永井豪以降、強姦・未成年の殺人が減っている件【山本弘先生の日記】
一部、文字色を変え、文字を拡大、グラフ転載して分かりやすくしました。
http://d.hatena.ne.jp/matubahuki/20100319
曖昧だった賛成派の主張を見事に覆されていて、
すっきりしました。ありがとうございます。
こちらの日記をリンク貼らせていただきますね。
少しでも多くの方に読んでいただけたらいいと思います。
私も規制には反対の立場ですが、グラフや数字が、一人歩きしやしないかと、若干の危惧を覚えました。
山本弘さんがおっしゃるように、このグラフはあくまで相関関係っぽいものであって、必ずしも因果関係があきらかではありません。
> 無論、相関関係があるからといって因果関係があるとは断言できない。相関関係はあっても因果関係のない事例はいくらでもある。
ここのところに、もうちょっとオチっぽい感じで
「だが、こんな統計データを、根拠なしにつなげても意味はあまりない。太陽黒点の数や、惑星の配列でも、同じような“相関関係”を導き出すことは可能なのだ。」
みたいな感じになって強調されていると、良いような感じです。
僕としては、こうしたデータで規制推進派の中心人物たちを説得できるとは思っていません。彼らは最初からデータなど眼中にない人たち、論理など通用しない人たちですから。
しかし、この問題について詳しくない人たち、規制の効果に半信半疑の人たちを説得することは、十分に可能だと思っています。
ニコ動のアンケートでは、今回の条例案について「知っている」という人には反対が多く、「知らない」という人には賛成や「わからない」が多いという傾向が出ています。
http://www.nicovideo.jp/watch/nm10048937
TBSラジオの番組でも、番組の最初では「賛成18%、反対70%」だったのが、最後には「賛成15%、反対75%」になってます。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9990294
つまり、この問題をよく知らないとか、分かっていないから賛成する人がけっこういるんですね。知っている人ほど反対する。
アンケートでは反対意見が多いように見えますが、実際には、ニコ動のアカウントを持っている人や、こういうラジオ番組を聴く人は、もともとこの問題に興味があった人が多いでしょう。
日本人全体ではまだまだ知らない人が多く、よって、賛成派のパーセンテージはもっと多いでしょう。
そういう人たちを説得することにより、賛成派を少数派に追いこむことが必要だと思っています。「日本人の大半が反対している条例を、なぜ可決するんだ」と言えるわけですから。
>その上で、山本弘さんに申し上げるまでもないと思いますが、犯罪率というのは、様々な条件で決まります。経済や治安、逮捕基準の変化などですね。
>60年代から日本の犯罪率が減ったのは、単純に考えれば、経済が安定してきて治安がよくなったから、というのがまずある気がします。アメリカの犯罪率についても、様々な要素があるでしょう。国全体の景気はよくても、貧困層の家族の経済や子供の数がどうだったのか、等。
まったくその通りです。文中でも書きましたが、相関があるから因果関係があるとは言えません。
たとえば家庭用ゲーム機が増えてきた時期にAIDS患者が増えたからといって、「AIDSの原因はゲームだ」とは言えないわけです。
ですから、これだけのデータから「表現を規制すれば犯罪が増える」とは決して言えません。せいぜい「その可能性がある」ということぐらいしか。
大切なのは、「表現規制と犯罪の発生に正の相関は見当たらない」ということです。表現を規制したら犯罪が減ると考える根拠はない。
だからそこで、メリットとデメリットを比較する意味があるんです。「メリットがあるかどうか分からないけど、とりあえず規制した方がいいのでは」という考え方をする人がいるかもしれない。そういう人たちに対し、デメリットも同時に提示しなくては意味がありません。
上の上記2件の山本弘先生のコメントを、
「規制によるメリット」 「規制によるデメリット 」
と、共に、「目に見える形で反論を提示する」の紹介記事に追記掲載しましたので、報告します。
http://d.hatena.ne.jp/matubahuki/20100319
ほかの方のコメントの”グラフや数字が、一人歩きする危険”をかんじましたので・・・。
事後承諾、失礼いたしました。
明確で分かりやすい記事をありがとうございます。
恐れ多くも日記に転載させていただきます。
事後報告で失礼したします。わかりやすくて素晴らしい内容でしたので、
一部文章の引用を当日記で行い、リンクも貼らせていただきました。
私のマイミクの所でもちょっと話題になっていますので、転載させて頂きます。
でも推進派はこうやって具体例を見せても理解しない気がします…
とてもわかりやすい記事に感動しました。
私も日記にリンクはらせていただきます。
リンクを巡って辿りつきました。
素晴らしい記事でした!
他の人にも知らせたいのでリンクを貼らせていただきます。m(_ _)m
わかりやすい記事ありがとうございます。
日記に張らせていただこうと思います
わかりやすい上に具体的な資料ですね。
転載させていただきますね。
転載させていただきます。
転載させていただきます!!
わかりやすく説得力のある文章をありがとうございます!
まずは、なんでも知ることから始めなくては、と思います。
日記内に、リンクさせていただきます。
持っています)です(^^;)
今回の「東京都、ご乱心」問題でここに来ました。
実は、ミクシィやネットのまとめサイトでも、意外に抜けている点を
感じていまして・・・
それは、楽天やヤフーなどのネット企業なども反対している点です。
楽天のプレスリリース
http://corp.rakuten.co.jp/newsrelease/2010/0315.html
都が「青少年ケータイ」推奨・フィルタリング強化
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/12/news076.html
ネットビジネスイノベーション研究コンソーシアム意見
(連名で楽天やヤフーにグーグルの名前もあります)
http://nbi.sfc.keio.ac.jp/files/statement_20100312.pdf
(こちらでも「表現の自由」の侵害についての言及もあります)
正直、「表現の自由」という事がよくわかっていない人たちを今回の
改正案に反対してもらうには、彼らにも有名な「楽天」「ヤフー」や
「グーグル」だって反対しているんだぜ!!といった方がいいのかも
って考えました。(ひとつの手段ですが)また、こういった会社が
訴えているのは「検閲」「過度の介入」の危険性&憲法違反だと。
そして、「検閲」の怖さを戦前などの「歴史」と一緒に怖さを伝える
のが、あまり関心のない人にも伝わると・・・
実際、私の母親(60代)は最初、無関心だったけど、私が「実は・
」といって、「楽天」などの問題提起ですぐ「検閲の危険」に気が
つき、反対に理解しています。
一個人の思いつきですが、今回の件で少し気がついたことを書かせて
いただきました。長々とすみませんでした。
コミケコミュのトピにリンク貼らせていただきました
mixiで検索させて頂きました。
すごく判りやすくて、読んでいてなるほど!と思いました。
私のまわりにはいわゆる腐女子、オタクな友達が多いのですが、危機感が湧かないのか
「誰かがやってくれる」と思っているのか、傍観している人達ばかりで歯がゆく思っていました。
私の日記にも転載させてください。
みんなにももっと理解してほしいと思います。
ありがとうございました。
政治的なことは 個人的な音楽活動とは無縁でありたかったけど・・
でも もう無理。
ここまで 日本を無能にした ニッキョウソ ミンシュはゆるさない!
つうわけで、今後私の日記にも 明確に 旗揚げします。
こちらに秀逸な日記があると聞いて参りました。
いかに賛成派が無能なのかよく解る、お見事な内容でした。
私の日記にもリンクさせていただきます。
これは一人でも多く目にしてもらいたい内容だと思うので。
流し程度ですが、読ませていただきました。
ここを読んでいると、まさに規制派は自身のエゴが強い人種だということが、よく解ります。
エゴが強すぎる故に、目先だけで周りが見えないんですね。
こちらもここの日記のリンク、張らせて頂きます。
コミュのレスに転載されていたので拝見しました。
この日記をニュースに放送していただきたいくらい秀逸で筋の通った意見で感動しました。
全くと言っていいほどメディアに取り上げられないことが本当に怖いです。
に推進派の横暴さには怒りを通り越して呆れ果てます。
どうすればこんな馬鹿な法案を通さずに済むのでしょうか。
今回の改正案に賛成しているオタクです。
失礼ながら、若干の反論をさせて頂きます。
60年代からの犯罪率の推移、興味深いです。
しかし、漫画を規制し、表現の自由を制約する東京都の「青少年保護育成条例」は1964年に制定されています。
これは「表現規制と犯罪の発生に正の相関がある」と言えませんか?
この記事は、トンデモ科学の常套手段である、都合の良い相関を示して因果関係を主張している様に思えます。
表現の自由が侵害されると危惧されていますが、既に制限されています。
刑法175条(わいせつ物頒布)の松文館事件とか、現行の青少年保護育成条例に基づく過激ポルノコミックの18歳未満販売禁止とか。しかもその制限は合憲であるとの最高裁判例まであります。
公共の福祉の為に、表現の自由が制限されるのは已むを得ないと思います。
それに、既存の制限に異を唱えず、「非実在青少年」という言葉に過剰反応しているだけの様で、違和感を感じます。
ニーメラーで言えば、ユダヤ人攻撃には反撃するけど、ナチ党を認めている違和感でしょうか。
現行の青少年保護育成条例の規制を緩和せよとの動きがあるのなら、腑に落ちるのですが。
今回の条例改正は、過激な少女漫画・ボーイズラブ漫画を規制(ゾーニング)する為のモノと言われており、私はそれに賛成です。
現状の本屋さんには、男性向けの過激なSEX漫画は18禁規制がされた為に並んでいない一方、女性向けの過激なSEX漫画はほぼ無規制で大量に並んでいます。
このアンバランスは異様に思え、それを是正しうる条例改正に賛成なのです。
公権力による規制よりも、業界団体による自主規制で是正した方が、確かに好ましいと思います。
しかし、残念ながら成人女性向けの出版社・作家・ファンはそれを今まで怠ってきており、公権力による規制は已むを得ないと思います。
表現の自由はロリコン漫画でもボーイズ・ラブでも許されてるんです。
どうも,この手の規制は,独文院生さんという友人に聞いたところ,
「「架空のものにセクシャリティを帯びせること」に対して、西欧文化は嫌がる傾向があります。 」との事です。
つまりは西欧文化の流れで「非実在青少年」規制も考慮出来ます。
『ラリー・フリント』という映画で裁判でベトナム戦争の残虐死体写真を表示して「本当に猥褻なのはこれだ」というのがありました。
一度ラリー・フリントで検索すれば表現の自由についての事がわかります。
漫画文化を低俗なものと決めつけている人間には、こういった展開からの切り口が必要だと思います。
私の日記にも転載させて下さい。
> しかし、漫画を規制し、表現の自由を制約する東京都の「青少年保護育成条例」は1964年に制定されています。
あなたの年齢は分かりませんが、若い方なので当時のことをご存知ないのだと思います。
当時の少年マンガには、残虐シーンもエロシーンもまったくありませんでした。ですから、そんなものを規制するための条例が作られるはずもありません。この時代の「不健全図書」というのはマンガではなく、写真や小説が載っている大人向けのエロ本を指します。
>それに、既存の制限に異を唱えず、「非実在青少年」という言葉に過剰反応しているだけの様で、違和感を感じます。
なぜ「非実在青少年」が問題かというと、1999年に施行された児童ポルノ法は「実在する児童を虐待から守るため」という大義名分があったからです。そうした写真やビデオを撮影するために、本物の児童が虐待を受けているという事実がある。だからそういうものが規制されるのはしかたない。
「僕らは実在する未成年には手を出しません。虐待にも手を貸しません。架空のキャラクターで満足します」……というのが、エロを愛する者たちの共通認識だったわけですよ。
それなのに、いきなり「非実在青少年」もまかりならんと言われたら、そりゃ「話が違う!」とみんな怒るのは当然です。
>現状の本屋さんには、男性向けの過激なSEX漫画は18禁規制がされた為に並んでいない一方、女性向けの過激なSEX漫画はほぼ無規制で大量に並んでいます。
>このアンバランスは異様に思え、それを是正しうる条例改正に賛成なのです。
それは表現規制ではなく、ゾーニングを求めるのが筋ではないでしょうか?
>ニーメラーで言えば、ユダヤ人攻撃には反撃するけど、ナチ党を認めている違和感でしょうか。
なるほど、あなたの目には、ポルノコミックの作家や読者の側が「ナチ党」に見えるのですね。
「ナチス 焚書」で検索してみてください。その認識が正反対であることが分かるはずです。
「狭い了見でしか物事を考えられん癖に、自分の考えは正しいと思いこんじゅう!」
上記の台詞は土佐藩参政の吉田東洋が尊皇攘夷を唱える武市半平太に言い放ったものですが、今度の規制推進派にも同じ事が言えると思いました。現実を見据えずに独善的な理想論を語る癖に他人の意見には一切耳を貸さない所なんか特に。
はじめまして。
ゾーニング目的ならば、反対する人間はあまりいないと思います。
大半の反対派は、「今回の法案を作った人々はゾーニングに留めるつもりなどない。果てしなくエスカレートする」と思っているからこそ反対するのだと思います。少なくとも私はそうです。
今回の法案を作った人々が「エロ漫画を愛好する人は障害者」とか口走っているのを見ると、とてもゾーニングで済ませるとは思えないのです。
「過激な少女漫画をゾーニングするのが目的で作られた」と「言われている」そうですが、それは誰が言っているのか。石原慎太郎など、都の責任ある人物が言っているのか。
石原慎太郎は「条例は詳しく読んでない、覚えてない」そうですよ。
仮に言ったとして、「ゾーニングに留める」はこれからも守られ続けるのか。
まったく信じられない。
>山本弘さん
いつも日記など楽しく読ませていただいております。
失礼ながら、今回ヤビロさんが言っている「ナチス党を認めている」という例え話は「刑法のワイセツ罪を認めている」という意味だと思います。
ヤビロさんは「山本氏は、表現の自由を守るならワイセツ物頒布罪自体を否定するべきだ。それをやらずに今回の条例だけ反対するのはおかしい」と言っているのではないでしょうか。
仮にそうだとしても、ヤビロさんの言っていることは的外れですが。
「表現の自由が絶対的なもので、制限する必要がない」などと、山本さんは主張されていないわけですから。
言葉足らずな点もありましたので、再反論させて頂きます。
>山本弘様
>この時代の「不健全図書」というのはマンガではなく、写真や小説が載っている大人向けのエロ本を指します。
30代の若輩者なので、60年代について誤解があるかも知れません。
しかし「青少年保護育成条例」は50年代の「悪書追放運動」の所産であると言われており、当時の(エロくない)マンガをも「不健全図書」と想定してると思います。
少なくとも、表現の規制の強化と犯罪抑制には正の相関関係が示されると言えます。もちろん因果関係は不明ですが。
>それなのに、いきなり「非実在青少年」もまかりならんと言われたら、そりゃ「話が違う!」とみんな怒るのは当然です。
1999年の児童ポルノ法ではそうですね。
しかし、直接の被害者が居ないなら何をしても良いとは成りません。
ワイセツ物頒布罪には、「非実在」エロがずっと含まれています。(例、1957年チャタレー事件、2007年松文館裁判)
不健全図書指定には、男性向けエロマンガが指定され続けています。
「話が違う!」は、誤解による怒りと思います。
>>このアンバランスは異様に思え、それを是正しうる条例改正に賛成なのです。
>それは表現規制ではなく、ゾーニングを求めるのが筋ではないでしょうか?
最大の誤解は、ここです。
「青少年健全育成条例」は、正にそのゾーニングを求める条例です。
以前からある条例も、今回の条例改正案も、成人のエロを愛するオタク達を罰したり、エロ本の制作を禁ずるモノではありません。
ただ、エロ本等を「不健全指定図書」とし、18禁ラベルを付けさせ、
分けて陳列させ、18歳未満への販売・閲覧を禁止するだけです。
(参考 都都青少年・治安対策本部総合対策部総務課 http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/10_eiga_tosyo_ichiran/10_kaisetsu.pdf)
今回の条例改正案は、その「不健全指定図書」の範囲を拡げるモノに過ぎません。
成人同士が「非実在青少年」のエロ本を作成・売買・所持する事は、一切禁じていません。今までも、この改正案でも。
(ただし、今回の改正案では、実在青少年の児童ポルノを所持しない責務を都民に求めており、その点では児童ポルノ法よりも踏み込んでいます)
>>ニーメラーで言えば、ユダヤ人攻撃には反撃するけど、ナチ党を認めている違和感でしょうか。
>なるほど、あなたの目には、ポルノコミックの作家や読者の側が「ナチ党」に見えるのですね。
ニーメラーの件は、蛇足でした。
今回の反対運動の人々がニーメラー、ユダヤ人が今回の改正案、ナチ党が「表現の自由への規制」です。稚拙な文で申し訳ありません。
表現の自由を叫ぶなら、なぜワイセツ物頒布罪に反対しないのか? なぜ現行の青少年保護育成条例に反対しないのか? なぜ今回の改正案だけなのか?
その違和感を喩えたかったのです。
>ますだじゅん様
>「過激な少女漫画をゾーニングするのが目的で作られた」と「言われている」そうですが、それは誰が言っているのか。
過激な少女漫画をターゲットにしているというのは、憶測です。
ゾーニングが目的であるとは、都の報道発表資料です。
(http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/03/20k3i601.htm)
>「ゾーニングに留める」はこれからも守られ続けるのか。まったく信じられない。
今まで実施されてきた男性向けエロ漫画18禁規制を見るに、十分信用できると思います。
>ヤビロさんは「山本氏は、表現の自由を守るならワイセツ物頒布罪自体を否定するべきだ。それをやらずに今回の条例だけ反対するのはおかしい」と言っているのではないでしょうか。
ほぼ、その通りです。誤解を招く喩えで失礼しました。
ただ、おかしいとまでは思っておらず、違和感を感じている位です。
どの程度なら、表現の自由が制限されても良いと考えているのか?
そこに条例改正反対派と賛成派の妥協点があるように思えるのです。
>ゾーニングが目的であるとは、都の報道発表資料です。
第28期東京都青少年問題協議会の第7回専門部会で、新谷珠恵さん(東京都小学校PTA協議会会長)という方が次のような発言をしているんですね。
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_28ki_menu.html
>いろいろあるのですけれども、結局、雑誌・図書業界が売れないとか言っていましたけれども、雑誌・図書業界のためにも、きちんとした規制をしてあげることが、結局、悪質な業者、悪質も出版社が淘汰されていくということにもなるので、さっきの方たちに質問ではなくて言いたかったのですが、皆さんのために健全な業者、出版社を生かすために、どんどん悪質なものはペナルティーを科して消していくというような仕組みがかえって皆さんのためにもいいのではないかと思いました。(後略)
悪質なものを「消していく」のが目的だと、はっきり言っています。
これが「ゾーニングが目的」だとは解釈できないですね、僕には。
今回の条例に対して、僕も含めて多くの人が憤慨したのは、「非実在青少年」の件もあるけど、日本の未来を左右しかねない重大な条例が、ほとんどの人が知らないうちに決まりかけていた、ということです。だって、新聞でもまったく報道されませんでしたから。
僕がマイミクさんの日記でこの話を最初に知ったのは3月1日。その時は(何せソースが2ちゃんねるだったもので)「ネタじゃないの?」と半信半疑。笑いながら、「まあ、こんなもん通るわけないだろうな」……と、タカをくくっていたのです。
ところが3月7日に藤本由香里さんがmixi日記で「今の状況だとほぼ間違いなく、この法律は通ってしまう!」と警告を発したもので、一挙に危機感が高まって、大騒ぎに発展したわけです。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1430946730&owner_id=160185
> 2月24日に案が発表されて、都民が意見が言えるのは25日まで(つまり1日だけ)。
> 議会での質問が許されるのは3月4日(代表質問)・5日(一般質問)だけで、これも数日前には質問を提出していなければならない。(つまり議員でさえ、検討できるのは3日程度)
> で、18日の13:00の付託議案審査がもっとも重要で、今月末には投票、決定、ということになります。
このスケジュールに恐怖や不安を覚えない人がいるというのが、僕には信じられません。
「こんな大変なもん、こっそり決めるなよ!」
「大衆の意見、聞く気ないのかよ!?」
と、怒った人も多いはず。僕の場合、「お前らはヴォゴン人か!?」とツッコんでしまったんですが(笑)。
藤本さんの話によれば、こんな条例改正案が審議されているなんて、新聞記者でさえ知らない人が多かったとのこと。藤本さんが警告を発しなかったら、ほとんどの日本人が知らない間に、いつの間にか決まっていた……ということになっていたでしょう。
(廃案になったわけではなく、今も審理継続中で、決まってしまう可能性も大です)
ここはやっぱり、後悔しないためにも、声を上げるべきだった思います。「ちゃんと話し合え!」「僕らの意見も聞け!」と。
>“こちらは銀河系亜空間開発公団のプロステトニック・ヴォゴン・イェルツです”と、声は続けた。“たぶんご存じのことと思いますが、銀河系辺境区開発計画にもとづき、この太陽系内を通過する亜空間高速通路が建設されることになりました。お気の毒ですが、この惑星も取り壊し予定に入っております。撤去は地球時間で二分以内におこなわれます。以上”
(中略)
>“驚いたフリをしてもだめだ。企画書と撤去の命令書は、地球の測りかたで五十年ものあいだ、アルファ・ケンタウリの地方事務所に掲示してあったではないか。不服の申し立てをする時間は充分にあったはずだ。いまになって文句を言い出しても手後れだ”
――ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』(新潮文庫)より
これで本一冊、緊急出版してくれないかなあ。
ことは東京都だけの問題じゃない、と思うから。
コメントありがとうございます。
私も一人のオタクとして、大変共感できます。
しかし、それ故に意見する事をお許し下さい。
>悪質なものを「消していく」のが目的だと、はっきり言っています。
これが「ゾーニングが目的」だとは解釈できないですね、僕には。
お気持ちは解ります。私もこの新谷さんの発言は極めて不愉快です。
しかし、この発言は規制推進派の意見に過ぎません。
専門部会での議論の過程での一委員の発言と、都の正式な見解(≒報道発表資料)とは、峻別して捉える必要があると思います。
また、規制推進派の東京都小学校PTA協議会も、都条例の改正がゾーニングに過ぎない事は理解している様です。買いかぶりかも知れませんが。
(参考 PTA協議会「青少年健全育成条例改正案の成立に関する緊急要望」http://ptatokyo.jugem.jp/
>子どもを守るため、子どもが健やかに育つために、児童ポルノを根絶すること、
子どもを性的対象にする図書が青少年の目に触れないようにすること。
)
不愉快な感情的な文がすぐ後ろにきますが、“青少年の目に触れないようにすること”と述べるに留まっています。
>今回の条例に対して、僕も含めて多くの人が憤慨したのは、「非実在青少年」の件もあるけど、日本の未来を左右しかねない重大な条例が、ほとんどの人が知らないうちに決まりかけていた、ということです。
ここも誤解の面が大きいと思う点です。
今回の条例改正は、「不健全指定図書」の範囲を拡げるモノに過ぎないと都側が認識している表れだと思います。
条例の改正案は、指定の範囲は拡げますが、販売等の制限や罰則については変更しないので。
(参考 現行条例との比較付き改正案全文 http://fr-toen.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-cbc1.html)
日本の未来を左右しかねないと言われる重大な部分、つまり18歳未満への販売・閲覧制限や公権力が一部の創作物を有害と判定する事などは、1964年の制定当時からあるのです。
(参考 都青少年健全育成条例のあらまし 条例改正履歴など
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/01_shisaku_1_2_2.html
今回の条例改正は、重大な部分ではない。と考えれば、短いスケジュールも不思議では無いと思います。
今回の騒動は、「非実在青少年」というキャッチーな新語と、インターネットの高度情報化社会が生んだ、新しい大衆運動であり、私個人は大変評価し期待しています。
オタク達が、電撃的に行動を起こし、継続審議という勝利を掴んだ。
この行動力は本当に素晴らしいと思っています。
それ故に、その力を正しく使って欲しいのです。
緊急事態だった数週間は、多少の勘違いがあっても良いのですが、
じっくり議論するこれからの段階では、勘違いを正し、正面から議論して欲しい。
良い機会なので、とことんまで考えて欲しい。
表現の自由はどこで公共の福祉と折り合いをつけるのか?
今のままで良いのか? より規制緩和すべきなのか? 規制強化するのか? ゾーニングで良いのか? ゾーニングの範囲は誰が決めるのか?
そんな想いで、僭越にもコメントを書かせて頂きました。
よかったら皆さんもメールしてやって下さいませんか?
https://www.ytv.co.jp/ten/hashimoto/form.php
一件二件なら無視されたとしても、百件二百件とくれば無視はできないでしょうから。
あくまでも「自分の言葉で」紹介のほどをよろしくお願いいたします。
大阪府民なもので、さっそくメール送ってきました。(送信ボタンを押しても起動しなかったので、ten@ytv.co.jp宛てに送りました)
おそらく、規制反対派は「誤解している」わけではないと思います。
少なくとも「現状」を誤解しているわけではない。
未来への、想像力の問題なのです。
私は、今回の条例に罰金懲役のような罰則がないことを知っています。
東京都の職員が「弾圧ではなく、あくまで青少年に目に触れないようにするだけ」と言っていることを知っています。東京都職員は「性的な表現全てではなく、あくまで性交類似行為に的を絞って規制する」とも言っています。
しかし、これらの事を知った上で、私はこう不安に思うのです。
「嘘だろう。実際に運用を開始したら、どんどん厳しくなって罰則規定も作られるだろう。最初はヤングアニマルの成年指定程度だろうが、10年後には強制収容所だろう」
その「将来の不安」に対して反対しているんです。強制収容所が作られてから反対しても遅い、だからいま反対するのです。
「10年後は強制収容所」の根拠は、この改正案を作った人たちの「オタクは認知障害者だから根拠を示さずに法的処置を取りたい」などなどの発言です。
こういう思想の持ち主がゾーニングで満足するとは思えないのです。これは彼らの「最初の一歩」でしかない。
ゾーニング目的ならば、将来的にもゾーニング以外に濫用できないような制度にして欲しい。
しかも、東京都のトップである石原慎太郎は、「有害とされる漫画の実例は読んでない」にもかかわらず「青少年に害があるに決まっている」などという。
トップがこれだけ偏見を露わにしていたら、不安が強まるのは仕方ありません。
以上、これはあくまで私の考えであって、規制反対派がみんな同様の考えであるとは申しません。
それから、ヤビロさんのご質問にあった「どの程度なら表現の自由が制限されても良いと考えるか」ですが、
「犯罪の誘発など、明確な有害性、l因果関係が認められるなら、ある程度内容を規制されてもいい」と私は考えます。
「有害性は示せないが不快である、という類の人に対しては、彼らの目に触れないような場所的隔離をやっていい」と考えます。(エロビデオコーナーが隔離されているような感じで)
どうしても彼らがエロへの不快感を訴えるなら、極端な話、「ポルノ」は「書店ではなく、ポルノショップのみ」に隔離するのもありかと思います。「不快なものは見たくない」というのも立派な権利ですから、我々は配慮する義務がある。
でも現状では、規制推進派の人達は「有害である」と「不快である」を混同しているわけで、それじゃあ規制なんてまっぴらだ、ということになります。
説明が下手なので恐れ多くも転載させて
いただきたいと思います。
しかしそれは書店の事情と考え方の問題で、もし非難されるとすればその店舗であって
表現者や、表現自体に規制をかけられても、結局なにかもっと悪い形で差別や悪意が醸成されてしまうと思います。
現状でも、ゾーニングやレイティングは存在しています。
ですが、書店にとっては、まず、物理的に負担です。
まず、区分陳列のスペースが必要です。
ビニール掛けのスペースが必要です。
人手が必要であり、予算が必要です。
体力の有る、売り場や倉庫が広い書店なら、まだ良いでしょう。
必要最低限を置き、頻繁に回転させるコンビニも、まだ良いでしょう。
ですが、無数に存在する、家族経営の零細書店、或いはそれが少し大きくなった様な中小書店にとっては、大変なことです。
スペースも人手も、それを雇う予算も有りません。
年齢認証の手間についても同様かと。
「有害」指定された本を扱うことによるイメージダウンを気にする場合も有るようです。
ならば、書店にとって、選択肢は2つです。
最初から、面倒な、「有害」指定された本は、入れず、置かない。
或いは、ゾーニング等、さして気にせずに入荷し、陳列し、販売する。
前者は、事実上の発禁状態へと繋がります。
これはまた、書店(特に小さな書店)にとって、えろ方面の売り上げは命綱の様な物と考えられますので、そういう意味で、書店にとっても大変な打撃です。
後者は、それを見て眉を顰める皆さんが出る結果になります。
この上、尚、「非実在青少年」がどうとかで、「有害」指定される本を増やしますか。
それは、確実に、更なる流通規制に繋がります。
そして、表現を萎縮させ、或いは、書店を圧迫します。
ゾーニングが必要なら、それを徹底させるべく、然るべく書店を支援する仕組みを作るべきですが、そういう改正案ではありません。
現在出ている都条例改正案は、ゾーニングが目的ではなく、表現それ自体を抑圧する事が目的であると、断ぜざるを得ません。
1955年、「鉄腕アトム」を焚書した皆さんと、何も変わるものでは無いと考えます。
参考
『完全自殺マニュアル』規制騒動
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watarumovement/talks/waseda/prohibition.htm
・「有害」指定と自主規制
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watarumovement/talks/loftplusone-1/prohibition.htm
それぞれ、鶴見済氏の対談です。
「有害」指定が、流通規制に繋がり、そして事実上の発禁処分になる状況について、判り易く解説して下さっておいでです。
書店が、ゾーニングを徹底し、年齢認証も行って、尚、近隣住民が文句を付けたり、警官が監視したりで、書店が萎縮する様な事態も有る由ですね。
以下も勉強になりました。
・都青少年育成条例の“健全”度 シール包装 四苦八苦 (東京新聞)
http://www6.big.or.jp/~beyond/akutoku/news/2004/0621-2.html
シール貼りは、出版社の仕事だそうで。
こちらも、大変な手間の由です。
【出倫協は、都の指定を三回連続、あるいは年に五回受けた図書は、表紙に「十八歳未満には販売できない」とする帯紙をつけなければ取次店で扱わないとする自主ルールを定めている。】
・えふすくBlog 2ndSeason 「年通算5回の不健全図書指定」ってどこで数えてるんだろうという件
http://ccf-square.blogspot.com/2009/06/6589blog-vol.html
【「流通会社では年通算5回の不健全図書指定がされると帯紙指定、事実上の廃刊になる」ということはこの分野をみていると自然と聞くことになりますが、これは流通(取次)による自主ルールでして、東京都の指定を基準として流通に「帯紙指定」されても、雑誌自体の存続は出版社が決定することなので一概に「廃刊になる」とは言えません。
取次を通さないルート(出版社直営の通販とか)であれば、流通自体は可能になるはずです(ただ東京都で指定された以上、都内では区分陳列を義務付けられることになるので店頭でもそれに従った陳列をしなければならないはず)
ですが、日本の出版業界において流通に扱ってもらえない(こちらの観察ではAmazon.co.jpもダメっぽい)ことは発行部数の激減とそれにともなう広告の撤退などで雑誌の死を意味するのは間違いないので「事実上の廃刊」は間違っていないと思います。たぶん今のところ立ち直れた雑誌はないでしょうし。】
伊集院光が語る「成年マンガの表現規制」http://numbers2007.blog123.fc2.com/blog-entry-986.html
非実在青少年のはなし
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10134430