山本弘トンデモ資料展
「神は沈黙せず」感想&批評集(5)
山本弘問題連絡会掲示板
「神は沈黙せず」ネタバレスレ
1 名無しさん :2003/11/01(土) 23:56 作ってみました。このスレは強制sage設定です。 閲覧&カキコは既読者限定でお願いします。
2 名無しさん :2003/11/02(日) 14:07 買ったぜw これから読破だ
3 名無しさん sage:2003/11/02(日) 15:45 >>2 がんがれ
4 名無しさん :2003/11/02(日) 16:39 うう、早くも読み進むのが辛くなってきた… なんだか知らないが南京大虐殺はなかった/あったのネットバトルの話が数ページに渡って続いている… もちろんこれは小説の中、つまり山本弘が作り出した架空のネットバトルなのだが、そこでは南京大虐殺はなかったと 主張する「右翼小説家」がこてんぱんにやっつけられる様を書きつづってる。 山本はとうとう虚構の世界に逃げ込んだようだ。
5 名無しさん sage:2003/11/02(日) 16:54 できれば総ページ数と現在ページ数の表示キボン。 2よ、キミは勇者の称号を得た。 コテハン「ロト」を授けようw
6 名無しさん :2003/11/02(日) 18:15 総ページは500弱。南京大虐殺は70ページ当たり。 今は100ページ当たり。主人公が潜入取材していた宗教団体が予言の期日になっても救いの手が現われず、内部崩壊したとこ。 オウム事件や白装束集団そのまんまなんだけど、本の中で「16年前のオウム事件と比べて今回の事件は…」とか書いて先手を打ってる 用意周到さ。これじゃあ「オウム事件そのまんまじゃねーか」と突っ込めない。言い逃れだけはうまいと感心するよw
7 名無しさん :2003/11/02(日) 18:20 この主人公(例の「妹」)の言動は日頃の山本弘そのものなんだけど(うげ~)、この取材の中でどうしても科学的に説明のつかない 超常現象を体験する。どうやらこの辺からやっと本筋が始まるらしい。
8 名無しさん sage:2003/11/02(日) 18:41 レビューの続きを楽しみにお待ちしております。 余り無理しないペースで、でも出来る限り最後まで、頑張って下さい。
9 名無しさん :2003/11/02(日) 20:31 SANの残値に気をつけて。 山本の小説を読破したせいで、救いがたいトラウマが残ってしまっては 申し訳ありませんし。
10 名無しさん :2003/11/02(日) 20:31 SANの残値に気をつけて。 山本の小説を読破したせいで、救いがたいトラウマが残ってしまっては 申し訳ありませんし。
11 名無しさん :2003/11/02(日) 20:36 150ページ当たりは今度はUFOネタ。 UFOやそこから降りてきた宇宙人の目撃談がこれでもかと十数ページに渡って列挙。 なんだかトンデモ本の世界を読んでるのか小説を読んでるのか区別がつかなくなってきた。 ここでは「兄」がUFOを目撃する。「兄」ももちろん山本弘並にUFOに詳しい。その兄がこともあろうにアダムスキー型UFOを目撃。 200ページ当たり。これらを説明するにはこの世界は「神」のシミュレーションであると考えるしかない、と結論。 え?何?この安直さは?さんざん山本弘の(退屈で聞き飽きたような)うんちくを聞かされたあげく、 それらをどう結びつけるのかと期待してたら…ほとんどなんの説明もなくいきなり結論が まだ半ばだしこの後のどんでん返しに期待するしかない… しかしなんじゃこりゃ?
12 名無しさん :2003/11/02(日) 20:42 ただしここで「神」はなぜ超常現象を起こすのか?という説明がちょっとだけされている。 けどこれをバラすのはちょっと気が引けるので今はパス。あんまり面白いとは思えないんだけど 要約したら3行ぐらいで終わりそうw
13 名無しさん :2003/11/02(日) 20:52 プロットの中ではGA(遺伝的アルゴリズム)が重要な位置を占めているようだ。何かとGAに結びつけられて 語られる部分が多い。けどGAって最初は大いに期待されたけど、最近はぱっとしないんだよね。 しかし小説の中では10年前はほとんど見捨てられてたGAが近年脚光を浴びるようになってきたという説明。 舞台は2010年前後だから、つまり今はうち捨てられたGAが10年後に開花するという設定のようですな。 はい、降参です。あらゆる突っ込みには予防線を張っておくという点で大いに評価できる小説です。
14 名無しさん :2003/11/02(日) 20:54 ちなみにこの小説は2030年から2010年の出来事を振り返るという設定になってる。
15 名無しさん :2003/11/02(日) 21:02 ふむ、突っ込む面白さすらない小説か。 そーゆーのは伏線で残しておいて、最後でガツンといくか それとも想像の余地として残しておくかするのが 面白い小説だと思うがねえ。
16 名無しさん sage:2003/11/02(日) 21:17 ちらと斜め、いや真横読みで立ち読みしてきたんですが、薀蓄満載ですな。 ネットバトルネタで無敵君とか出て来るが、これもリアルの意趣返し? ソニーのアイボとか実名も出しているけど、なんかこういま見えてる 延長で容量とか規模が加速したらという種類の未来描写ばかり目についた。 このあたりがしきりに、「未来予測ではない」と予防線はりまくりの ところか... ちなみにストーリー追ってません、読んだのは3分間くらいw
17 名無しさん :2003/11/02(日) 21:28 >>15 >ふむ、突っ込む面白さすらない小説か。 まあ山本は普段からそれがいい作品の条件だと言っているわけだから、そういう意味では有言実行ですな。 ただし、いくら『いい作品』でも売れなければしょうがないんですが。
18 名無しさん sage:2003/11/02(日) 21:50 解説除いたら文庫サイズ以下になりそうな小説だな。
19 名無しさん :2003/11/02(日) 22:21 >>18 300ページまで読んだが、ここまではうんちくを除けば確実に1/10になるw
20 名無しさん :2003/11/02(日) 22:36 250ページ当たり。今度は空からの落下物の話。これもやれ魚が降ったとか石が降ったという事例が長々と続く。 そして急展開。兄妹が車を走らせていると空から数十人の子供が! 助けられたのは3人だけで残りの子供は川に落ちたり民家の屋根に頭から突っ込んだりで死亡(うげ)。 どうでもいいけど「兄」はいつ失踪するんだ?w 300ページ当たり。日本が突如経済恐慌に。この時代の通過は「新円」と「AVP」が使われている。 新円の方はデノミ(1/100)後の円。AVPは商品券から発展した電子通貨もどきみたい。 突然新円からAVPへの兌換が急増し、新円が大暴落する。 スーパーの商品には新円とAVPの2種類の値札が付けられているが、AVPはほとんど変動しないのに 新円の方はみるまに上昇し、暴落していくと語られている。 けど、こんなことってありか?AVPは各企業が発行している電子商品券?の平均値で値が決まると 説明されている。この場合の企業とは国内の企業だろう。となるといくら小売り段階ではAVPで 決済したとしても(この時代給料の一部もAVPで支払われているそうだ)、輸入や輸出では日本の 政府が発行する新円で行うしかないんじゃないのか? そうだとすれば新円の価値が下がるなら、純粋に日本国内だけで生産加工されたものを除いて AVPの値段も影響を受けると思うけど。そもそも加工や流通のエネルギーは輸入しているのだから、 新円の暴落に影響されない商品なんてないはずだけど… 山本弘って全然経済を知らない?
21 名無しさん sage:2003/11/02(日) 22:39 それにしてもアーノルド事件が何時起ったとか、フライングソーサーの呼び名はUFOの形じゃなくて飛び方を 表現したものだ、なんてうんちくいまさら読みたくないんだけどなー
22 名無しさん sage:2003/11/02(日) 22:51 あ、ごめんごめん「AVPは国際的にも通用する」ってあるわw でもこれって「世界共通通貨」だよな。ユーロの制定でなぜあれだけもめたのか山本は分かってんのかね。 共通通貨を認めるってことは自国の造幣権を放棄するってことで、そんなに安直に導入されるものではないと思うんだけどね。 小説ではAVPが導入されてから5年となっている。すなわち2005年から導入されているらしい。 小説の中ではおおむね現時点(2003年)までは現実と同じに進行しているようだから、その後2年でAVPが実現することになる。 国際的にAVPが通用するならそれは単なる商品券ではなくて、造幣権を脅かすものだということに各国の金融省はそろって 気づかないほど山本弘の世界はマヌケぞろいらしい。
23 名無しさん sage:2003/11/02(日) 22:58 「誰が予想したろう---当初は「ちょっと便利な電子商品券」に過ぎなかったものが、いつの間にか本物の通貨を上回る信用性を 獲得するなどとは。」って、おいおい、そんな脳天気なのは山本弘の頭の中の世界だけだよ。 国際決済ができるか「通貨」と商品券は全く違うものなのに。国際決済ができる商品券なら、それは「通貨」なの! そんなことに気づかないような馬鹿は少なくとも各国の金融相になってないから安心してくれ>山本弘
24 名無しさん sage:2003/11/02(日) 23:15 さらに山本弘の世界では円の暴落に対してとった日本政府の対策は「(新円の)貯金封鎖」らしい。 馬鹿としかいいようがない。実際にロシアのルーブル暴落時にロシア政府がとったのはドルとルーブルの 交換を厳しく制限することだった。これによってルーブルがドルに交換され(自国の通貨である)ルーブルの 支配権が弱まるのを防いだわけだ(有効だったかはともかく)。 もし日本国内で新円よりもAVPが信頼され新円の凋落が激しいなら、それを食い止める策はAVPの 使用制限ないし新円からAVPへの交換の制限だろう。 多分山本弘は戦後の貯金封鎖をモデルに書いたんだろうけど、何にも考えてないなw
25 名無しさん sage:2003/11/02(日) 23:28 さて、主人公は日本経済崩壊の嵐の中、男との別れ話をする。男が立ち去った後、すっかりさめてしまった ミルクティーを飲もうと目をやった瞬間「冗談でしょ?やっぱり私が…そうなの?」ティースプーンは45度ほど曲がっていた。 またまた超能力を信じてもいないし期待してもいない主人公の身近に自分が起こしたとしか思えないスプーン曲げという 超常現象が起きたわけだが…なんだかこれってフェノミナのシチューションに似てないか?w
26 名無しさん sage:2003/11/02(日) 23:55 なんかもうレビュー読むだけでおなか一杯。逃げ出していいですか。
27 名無しさん :2003/11/03(月) 00:03 コヴァ(もどき)とか田中(もどき)とか… 山本の私怨の集大成?
28 名無しさん sage:2003/11/03(月) 01:04 昔、喜国のコミックスに載ってた漫画を思い出したよ。 少年のキクニに偉そうに漫画のうんちくを披露する左門豊作似の男。 「これがわしの漫画ばい!」と見せたのが「うんこぷりぷり~」 「裸の女がキャーッ、乳モミモミ~」のクソ漫画だったというオチ。 山本弘が何年もかけた小説はそういうレベルなんだ(w もうSF作家を名乗らないで下さい。
29 名無しさん sage:2003/11/03(月) 01:46 参考までにGoogleで見っけた神珍レビュー ttp://www.asahi-net.or.jp/~WF9R-TNGC/kamihatinmoku.html ケツが痒くなるぐらいマンセーの嵐です(w
30 名無しさん sage:2003/11/03(月) 01:59 ちゅーか、その人のレビューって他も全部褒めてるだけじゃんw 「貶さない」のがコンセプトじゃないの? 本の紹介としては意味がないな。
31 名無しさん sage:2003/11/03(月) 02:10 >神が実在しようとしていなかろうと関係ない。 >すべては現世に生きている人に帰結する問題であり、 >神にすがらず仏に頼らず悪魔に阿らず、 >人として人らしく生きることこそが、人にとって1番なんだと訴える。 おいおい、ベタベタだなw
32 名無しさん sage:2003/11/03(月) 03:42 いやー後半は結構「普通の小説」みたいに比較的スムーズに読めたよ。うんちくが少なかったから。一気に読んだ。 350ページ当たり。日本経済はもうめちゃくちゃ。けどこの恐慌の理由がいまいち不明確なんだよな。 現在(2003年)の不良債権問題がずるずると尾を引いていて、改革を先延ばしにしてきたツケが、 AVPをきっかけに爆発したってとこらしいけど、つまり失われた10年(90年代)だけじゃ足りなくて00年代も 不良債権問題を引きずるのか…なんか気が滅入る話だな。 主人公と別れた「男」はこのころから本領発揮で本格的に悪役として活躍を始める。「兄」の研究を ネタに小説を書き、盗作だと抗議する主人公に対して逆に「兄」の方が自分のアイディアを盗んだと 開き直る。さらに主人公のプライバシーや過去を巧妙にネットに公開し…結果主人公の社会的信用は 地に落ちる。世間がいうには「すでに名声のある男がウソをつくはずがない」と。この不可解さはもっともで、 これは最後になって開かされるという寸法らしい。 主人公の周囲にはとうとうMIBが現われ「近いうちにきざしがある」と謎の言葉を継げて去っていく。 これでもかというネタふりですな。w MIBのぎこちない行動はどうやら「神」が作った人工無能(「無敵君」みたいな)だからだそうだ。 笑える。この当たりから読む速度が上がってきた。なかなか楽しい。
33 名無しさん sage:2003/11/03(月) 04:00 400ページ当たり。じわじわと増えていた超常現象の総決算として、「月」に「神の顔」が浮かび上がる。 科学者はこの超常現象を認めざるを得なくなり、急激なパラダイムシフトが発生。それと同時に 太陽を中心とした半径1光年以上の天体は、球面に描かれたものだとNASAが発表。 すなわちそれ以遠の天体はシミュレーションの手抜きのために書き割りだった。その外側に天体は存在しない! 地球上ではこれを発端にもう無節操に超常現象が日常的に多発するようになる。車が大量に空から 降ってきて道をふさぎ、17世紀の新品の船が無人で海洋を漂っているのが発見され、幽霊人工衛星からの 発信電波が受信される。幽霊船~フーファイター(幽霊戦闘機)に続く進化バージョンらしいw そんな中、ついに「兄」が失踪。俺は最初異次元にでも迷い込むのかと思っていたが、割と普通の失踪らしい。 財産の半分を妻に残し、残り半分を生活費として持って行ったw。失踪の理由はこの時点では明かされない。 そして「神の顔」の出現によってそれを予見していた(と解釈できる)男の小説は大ヒット。さらに男を予言者として 崇め立てる信者が多数出現。男は勢いに乗って現体制打倒を呼びかける「サイレントレボリューション」を発表。 企業の連合体によって国家を運営させるという奇抜なアイディアは経済混乱と相まってあっさりと実現してしまう。 いやほんとアッサリと描かれてて拍子抜け。なんじゃこりゃ? 何はともあれ日本国は民営化wされ、企業連合によって統治されることになる。国会は廃止されインターネットによる 直接民主主義に移行。…飛ばすなあw
34 名無しさん sage:2003/11/03(月) 04:11 450ページ当たり。話はがらりと変わって政治色いっぱい。この小説の中では北朝鮮は2010年代には崩壊しており、 統一国家コリアが成立している。ところが日本の経済弱体化に伴って日本国内には在日コリア人への風当たりが 強まり、逆にコリア本国ではそうした日本人に対する反日感情が高揚し、関係が急激に悪化。 日本の治安は最悪の状態となり、「神の代理人」を名乗る救国戦線みたいな集団が跳梁。 なんか銀英伝のハイネセン崩壊を見ているようですなw さらに映画館などでトイレ洗剤を使った塩素ガステロが多発。反コリア派はこれもコリア人のしわざだとして両国の関係はさらに悪化。 …なんかテンプレ使ってません?>山本弘
35 名無しさん sage:2003/11/03(月) 04:19 主人公の親友(彼女は兄の妻でもあるのだが)は在日だったので、この状況にたまらずオーストラリアに疎開(?) なぜオーストラリアかというと失踪した兄がそこで働いているらしい。 さらに第2次大戦中の神風の話が老人(これもUFOとかにやたら詳しい)と絡めて語られる。 なんでここで特攻の話が出てくるのかな。戦争に向かって突き進んでいく日本を憂いてのことのようだが。 なんか自分の引き出しにあるもの全部つっこんでないか?山本弘さんよ。 それにしても2010年だよ。長生きな老人だ。もちろん「高齢の割には元気な老人である」設定だそうな。 なかなか隙を見せないなw
36 名無しさん sage:2003/11/03(月) 04:34 500ページあたり 忘れ物を思い出したように臨死体験と死後の世界の話。例の老人がついに死んでしまう。 直前、老人はもし死後の世界があるならPCのファイルに設定したパスワードを「あの世」から伝える、と主人公に 言い残して。その後主人公は老人の幽霊を目撃。ひるみながらも「パスワードを教えてください」と尋ねるが、 老人の幽霊は答えない。つまりあの世はないってこと?この小説の世界では。 さていよいよ大詰め。コリアと日本を戦争に向かわせようとしていたのは実は例の小説家だった。 日本国の民営化、インターネットによる直接民主主義、映画館でのテロ、すべてがこの男の策略だったのだ。 彼は得意げに主人公に語り始める。自分がなぜこんなことをするのかを。それは「兄」の研究から思いついた 遠大な計画だった。ところが勝利を確信する男に向かって主人公は言う。実は兄が以前話した仮説間違いだった、と。 間違いだと分かったので兄は失踪したのだ、と。 ここのオチもちょっと今の段階で書くのはためらわれる。小説家が日本とコリアを戦争に突入させた動機については 割と面白かったよ。一方本当の「神の意図」については…ん~ちょっと予想できてしまって俺にはつまらなかったね。 ま、この小説、後ろ半分だけなら暇つぶしに読んでもいいかなって感じかな。うんちくの部分はストーリーに全然関係ないから 読み飛ばしても大丈夫だよw
37 名無しさん sage:2003/11/03(月) 09:16 …電波だな。 こんなシロモノを出版した角川っていったい… 編集が「と学会」に入るのとバーターだったりしてw
38 名無しさん :2003/11/03(月) 09:23 なんか本当に山本色イッパイイッパイで 私にはとても読めそうにありません。 特に >すべてがこの男の策略だったのだ。 >彼は得意げに主人公に語り始める。自分がなぜこんなことをするのかを。 の辺り。 お願いですからネタは全部割ってください。文句を言う人など ここには1人も居ません。
39 名無しさん sage:2003/11/03(月) 09:59 唯一ワロタのが「幽霊人工衛星」 あとは………もう勘弁してください(つД`) 山本ネタの総決算としては価値があるのかな。 ロリ陵辱ネタは無かったの?これさえあればむしろ完璧とも言えるんだけど…
40 名無しさん :2003/11/03(月) 10:37 >>36 あれ?500ページでもう終わり? 全1300ページの超大作じゃなかったっけ? 広告で謳ってるのは嘘?
41 名無しさん sage:2003/11/03(月) 10:40 原稿用紙1300枚 印刷すると500ページ 実質的な内容はその数分の1、あとはどうでもいい薀蓄
42 名無しさん :2003/11/03(月) 13:39 山本板神チンスレより -------------------------------- ☆ 感動のあまり書き込んでしまいました。 / のづち ではあまり本筋と関係のない質問をいくつか。 加古沢のキャラクターについてですが、南京大虐殺をめぐる論戦における彼はとても礼儀正しく、その後の彼の挑発的な言動にややそぐわない様に思えてなりません。これは意図があってのことでしょうか? ちなみに南京大虐殺に関する加古沢の主張自体には異論はありませんし、その手の論争に首を突っ込む気はありません。 ------------------------------ これって、まんま山本が批判していた小林の手法「自分と意見が同じ人物は理知的に美しく描き、敵対者は醜く描く」じゃないか? 他人がやるのは許さないけど自分がするのはOKとは、さすがダブスタ王の面目躍如ですな。
43 名無しさん :2003/11/03(月) 14:35 >>41 了解。 しかし、「原稿用紙1300枚の作品」ってすごいのか? しきりに1300と言う事を謳っていたと思うが 作者も出版者も……… …………は!?………もしかして、「それしか」売りが無い?
44 名無しさん sage:2003/11/03(月) 15:29 >>24 新円暴落の対策としてとられたのが貯金封鎖だったからこそ 瞬く間に暴落を続けて崩壊したのだろう。 俺なら貯金封鎖されたら真っ先に外貨に切り替えて運用するし AVPとやらに変換して生活する。 もちろん給料の支払いもAVPによる支払いを要求する。 AVPが企業発行の商品券なら企業側にも反対する理由は無いだろう。 結果として誰も困らない。 困るのは日本政府からの支払いを受け取るところぐらいなもんだろう。 新円の暴落は結局のところ山本版日本政府の無能によるもので整合性は取れている。 無能な人間に有能な政府を想像しろと言うほうが無理なのだからこれはこれで良しだろう。
45 尾崎晃仁 :2003/11/03(月) 16:57 唐沢氏の日記で期待しすぎたかも(^^;。「サーラ」の短編でも そうでしたが、期待しすぎて逆に楽しめないってのが多い<自分。 「もらえないと思ってたごほうびがもらえる方が嬉しいもんな」と 言った男の気持ちが良くわかります。>>36 >ここのオチもちょっと今の段階で書くのはためらわれる。小説家が >日本とコリアを戦争に突入させた動機については割と面白かったよ。 >一方本当の「神の意図」については…ん~ちょっと予想できてしまって >俺にはつまらなかったね。 前者について、読了後に唐沢氏の日記を読み返してみて、そこまで絶賛 するほどかなと思いつつも同意。確かにオリジナルの動機で、この小説以外 ではちょっと使えない。絶賛するほどでないと感じるのは、SF経験の 浅さかも。 後者については、秘密基地の方でレスを返すとネタバレになってしまい そうなのでこっちに書きますが、 >はね。さん スニーカーで3分割にしたのを読みたければ、『ギャラクシートリッパー 美葉』をおすすめします。 といった感じでしょうか。
46 名無しさん :2003/11/03(月) 18:44 山本板神チンスレより --------------------------------------------------- ☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / エロの冒険者 [九州] 皆様、こんにちは。 「神は沈黙せず」、本日アマゾンより発送メールが届きました。 到着は水曜日くらいでしょうか、楽しみであります。 しかし、これは福岡だけのことかも知れませんが、周辺の郊外型本屋は、CDやDVDも売っているくせに本の品揃えが少なくって並んでいるのはそれこそ、山田 悠介「リアル鬼ごっこ」松岡○○の「○里眼」シリーズばかり(笑)というつまらないところだらけになってしまいました。 以前、サブカル関係が無闇に充実していた福岡大学近くの某店(場所柄でしょうか)までもが、商品構成を大幅に変更してこういう“頭の悪い本屋”に変わってしまってもうがっくり。 -------------------------------- 信者理論によると、置いてないのは本屋の頭が悪いからだそうです。 単に山本が売れてないからだと考えないところが信者の信者たるゆえんですね。
47 名無しさん sage:2003/11/03(月) 19:10 >>46 うーむ、サブカルが充実しているのが「頭のいい本屋」ってことなんですかね。 何かが間違っている気がするのは俺だけ?
48 名無しさん sage:2003/11/03(月) 19:30 >尾崎晃仁さん そうだっけ?と思って裏モノ日記読み返してみたけど、絶賛はしてないような。 もちろん貶してはいないけど。 ・山本弘はSFを書いてない!と言われてるから、書いてみせた。 ・軽い話が主流の今、あえてそうしなかった。 ・なんとも戦闘的(反骨ってことか)な人だ。 これは誉めてるけど、山本弘の姿勢であって作品のことじゃないですよね。 ・トンデモ研究を生かしてる。 ・ビルドゥングス・ロマンである。 これは評価というより、内容の紹介って感じ。ビルドゥングス・ロマンって誉め言葉 じゃなく、ピカレスク・ロマンみたいなジャンル名だから。その前に重厚って言ってる 部分は誉め言葉だけど。前に唐沢日記を読んだ時、チョット歯切れ悪いコメントだな これじゃ社交辞令っぽいよと思ったもので。
49 名無しさん sage:2003/11/03(月) 20:02 >>45 > 前者について、読了後に唐沢氏の日記を読み返してみて、そこまで絶賛 > するほどかなと思いつつも同意。確かにオリジナルの動機で、この小説以外 > ではちょっと使えない。絶賛するほどでないと感じるのは、SF経験の > 浅さかも。 このアイディアについては特選はあげられないけど努力賞ぐらいはあげてもいいって感じかな。 努力賞と佳作の中間ぐらいかな。
50 尾崎晃仁 :2003/11/03(月) 21:30 >>48 僕が「唐沢氏が絶賛」としたのは、加古沢の動機に ついての部分だけです。全体的には、「小説としては 駄目か知らんがSFとしてはヨイ!」という風に解釈 しました。 オチについても褒めてたと思いますが、僕はもう 『美葉』の時に驚かされてたから、インパクトが足りな かったです。唐沢氏も読んでるみたいですが<『美葉』。 あと、再読し始めて気になった点があったので少し。 30ページ上段22行目から下段2行目まで、 >「地球は太陽の回りを回っているが、太陽は宇宙の >中で動いていない」と、トンデモないことを言った とありますが、あの世界で太陽って動いてるんで しょうか? 当時(2000年)としては「トンデモ ない」でしょうけど、2033年としてはどうなのか。 秘密基地で聞いてみたいけど、オチと関わる部分なので、 しばらく待とうかと。 あと、「地球の周り」が正しいのではないかと(^^;。
51 尾崎晃仁 :2003/11/03(月) 21:39 事故レス(^^; >あと、「地球の周り」が正しいのではないかと(^^; 「太陽の周り」ですね(^^;;;。
52 名無しさん sage:2003/11/03(月) 21:39 >>50 この小説、全体的に何時の視点で書かれているのかが曖昧なんだよね。 2033年に優歌(「妹」ねw)が当時を振り返って書いた本(2033年では紙の本はもはや珍しいそうだが)という設定なんで、 リアルタイム(2010年前後)の心境を語っているのか、2033年の視点で語っているのか曖昧模糊としている。 しかもすべて優歌が書いたという設定なので、喩え間違ったことや考証ミスがあっても、それは山本弘のミスではなく、 架空の人物である優歌のミスになるというお徳さ!「突っ込まれないような小説」としては希有の出来だw
53 名無しさん sage:2003/11/03(月) 21:45 >>51 なるほど誤字だね。 山本の本では「太陽の回りを回っているが~」となっているが「太陽の周りを回っているが~」が正しそう。 これも2033年の優歌が使ってるワープロ(だかなんだか)が誤変換したのかな。IMEは30年後もあまり賢くなってないねw
54 48 sage:2003/11/03(月) 21:56 >尾崎晃仁さん なるほど分かりました。 つうか、オレは唐沢俊一が新作を誉めてた個所を読み落としてたかもしれない。 しかもまだ新作を読んでない。規定違反だ(w
55 尾崎晃仁 :2003/11/03(月) 21:58 >>53 >優歌が使ってるワープロ(だかなんだか) ポケタミがあれば口述筆記でいけそうですね。ソニー製 という記述がありました(2033年で何使ってるかわからないけど) が、OSはMS製なのかも(笑)。
56 名無しさん sage:2003/11/03(月) 22:00 >>55 > が、OSはMS製なのかも(笑)。 MS-IME2033が搭載されています。
57 あぼーん あぼーん:あぼーん あぼーん
58 あぼーん あぼーん:あぼーん あぼーん
59 あぼーん あぼーん:あぼーん あぼーん
60 名無しさん sage:2003/11/04(火) 05:29 神のシミュレーターについて少し。 神は手抜きをして半径1光年以遠の天体を物質レベルまでシミュレートすることなく、天球の内側にプラネタリウムの ように映し出すことでお茶を濁しているそうだ。現在観測されている天体の年周視差(これによって天体の距離が 測定されている)は神のコンピュータが地球から観測した場合にそれっぽく見えるように適時投影する映像を変えているそうだ。 ご苦労なことである。これは2008年に木星軌道上から(つまり地球以外の場所から)高精度で天体の位置を観測可能に なってバレるのだが、そもそも神はなんでこんな面倒な宇宙を人間に見せているのだろうか? 別に太陽を中心に半径1光年以内にしか天体のない宇宙でもいいんじゃないの?って疑問がわく。実際その通りなんだし、 それで不都合がないってことは、わざわざ1光年以遠にも天体があると偽らなくても不都合はないんじゃない? まあ宇宙がこんなに小さいと(というかこんなに物質の分布に偏りがあると)、半径一光年以内にある天体も重力で 引き合ってどんどん我々の太陽に向かって落ちてきてしまうが、なんといっても「神」なんだから第5の力でも設定して (「万有斥力!」)支えてやればいい。20世紀以降の物理学の発展は今とはちょっと違うものになるかもしれないが、 それが神の目的にさして重大な影響を与えるとは思えないが。。。
61 名無しさん sage:2003/11/04(火) 05:37 逆にこれをきっかけに人間に「おまえたちの世界は俺が作った張りぼての世界なんだぞ」と分からせる何らかの 必然があったとしても、何もそんな手の込んだ方法を使う必要があるんだろうか?月の裏側を真っ平らにしておいても いいし、北極や南極に大きな穴を空けておいてもいいと思うんだけどね。 人間が「宇宙は張りぼてだった」と気づくのが何十年か早まるけど、大して神の計画には影響ないと思うんだけどね。 神はコストダウンのために手抜きをしているらしいから、この方がもっとコスト削減になると思うのだけどな。
62 名無しさん sage:2003/11/04(火) 06:35 山本弘は中国語の部屋の説明の下りで人間の知性とは何かをあれこれ書いている。何となく本人も 納得していないよう内容を書いてるわけで何を言ってるのかさっぱり要領をえない。もちろんこのテーマに 明確な答えはないから山本弘がそれを明快に解説できなくても何の落ち度もないのだが、一つ間違っている。 彼は膨大な本があればそこに人間の思考をすべて納めることが可能だと書いている。その本をアドベンチャー ゲームのようにたどれば元の人間の思考を再現可能だ、と。(まあ山本が言っているのではなくて小説の 登場人物が言っているわけだが。) しかし、殊、人間の思考についてはこれは成り立たない。コンピュータの思考なら別だがね。なぜなら人間の 思考のハードウェア、つまり頭脳は非線形なユニットだからだ非線形はバラフライ効果を生む。人間の 思考の内、単純な部分、すなわち理路整然と他人に自分の思考経路を説明できるような思考の部分は この非線形さを無視してもあるいは実現できるかもしれない。しかしよくいえば「ひらめき」悪く言えば 「なぜあのときあんな行動をとったのが自分でも分からない」ような思考は、おそらくこの非線形性を無視しては 再現できないだろう。
63 名無しさん sage:2003/11/04(火) 06:42 つまり人間の思考はデジタル化するのは極めて難しい。もちろん非線形なモデルをデジタルコンピュータ (要は普通のコンピュータ)で扱うことは可能だが(現に現代はそうやっていろいろなものを計算している)、 集中のようにバタフライ効果は僅かな誤差が爆発的に拡大していく。つまりアナログをデジタル化した 段階で生じる量子化誤差のため、決してオリジナルと同じ結果を得ることはできないのだ。
64 名無しさん sage:2003/11/04(火) 06:44 コンピュータがコンピュータなりの知性を持つことは可能だろう。しかしコンピュータが人間と同じ知性を持つことは不可能だ。 ある人間が別な人間と完全に同じ思考をするのが不可能なように。
65 名無しさん sage:2003/11/04(火) 06:53 >>60-64 つまり、『ラプラスの魔』の計算能力がダウンしただけ?
66 名無しさん sage:2003/11/04(火) 07:10 神が使っているコンピュータの話 兄と妹がこの宇宙をシミュレートするにはどれくらいの性能のコンピュータが必要かをあれこれ話し合っている。 トランジスタの小型化はもう限界、巨大化させれば光の伝達速度の制限で速度が上がらない。では量子コンピュータなら… といったやりとりがされるが、ふとその神や神の使うコンピュータはどうやって誕生/作られたの?という疑問を妹が投げかける。 兄はこともなげに「そんなこと考えたって無駄だ。どうせこの宇宙の外にいるのだか」と答える。 ん~それなら神の使っているコンピュータの性能を考えても意味ないんじゃないの?光の速度だって神が住んでいる 世界では違うかもしれないし…それとも物理法則は神が住んでいる世界でも同じなのだろうか?なんか不自由そうな 神だなー。我々がコンピュータでシミュレーションを行う場合、時間や重力などもっとも実験を行いやすい値に設定する。 我々の世界の光速もそうやって設定されたものなのだろう。それがシミュレートを行っている神の世界と同じである 必然は何もないと思うのだが。 ある前提(我々の世界の物理法則)を元に結論(神の使うコンピュータの性能)を導き、結論が出たところで 前提そのものを否定(神は我々の宇宙外の存在である)して、結論だけをちゃかkりいただく。 これは典型的なトンデモ思考じゃないのかな。 このシーン、妹の方はあれこれ暗中模索の状態で神について考えているから、こうした思考の不合理さは 構わないが、兄の方は長い時間かけて導いた持論を妹に説明しているわけで、その持論がこんなにいい加減じゃあ…ちょっとね。 トンデモにならない唯一の選択は「神は我々と同じ物理法則に縛られている」なんだけど、それでいいのかね。
67 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 07:15 >>52 >この小説、全体的に何時の視点で書かれているのかが曖昧なんだよね。 確かに。基本的には当時の視点で、たまに現在(2033年)の視点で 書かれている、という感じでしょうか。僕の指摘した点についても、 「言ったのだそうだ」と伝聞の表現になっています。当時 葉月が「太陽は宇宙で動いてないだなんてトンデモないことを 言ったんだよ」と優歌に言ったのを、そのまま伝聞として書いた だけ、と解釈することができます。 ええと、「トンデモないことを言ったのだそうだ」の解釈を、 「トンデモないことを言った、のだそうだ」とすればおかしく ない、ということ。僕の言いたいこと、分かるでしょうか(^^;。
68 名無しさん sage:2003/11/04(火) 08:22 神のシミュレーションのコストについて続き。 遠くの天体まできちんとシミュレートを行うコストが高いという点もそもそも疑問だ。 もちろん遠くの天体の分子や原子一つ一つまでシミュレートを行うならそうだろう。 しかし人類にはそんなもの当分は観測できないのだ。現に我々は遠くの星々について位置と光度、 それにせいぜいスペクトルや質量ぐらいしか注目していない。 一方地球上の身近なものほど細かく観測が成されている。作中で説明さているように大気の流れなどを 分子一つ一つからシミュレートするコストは途方もなく大きい。地球上の分子のシミュレートを行うコストに 比べれば観測可能な限りの星の位置や光度をシミュレートすることなど造作もないことではないだろうか。 もちろん位置と光度(とスペクトルなどの若干のパラメータ)しか持たないのだから、人類が宇宙船に乗って近づけば ボロが出てしまうが、少なくとも球面の内側に投影するよな手抜きよりはずっとマシだと思うのだが…
69 名無しさん sage:2003/11/04(火) 08:30 >>66 生態系のシミュレーションとかするときは普通「加速試験」するよね。 俺は「実時間」で進行するシムシティはプレイしたくないw。 各種物理法則に関わる基本的パラメータたる時間の流れがそもそも違う からには、RPG世界の住人が自分たちの基準で自分たちを動かす CPU速度を語るのは笑止というものでしょう。 逆に、旧式CPUで、数百年かけて1日の時の流れを計算したとしても、 中の住人にとっては1日は1日なわけだ。
70 名無しさん sage:2003/11/04(火) 08:48 >>68 のちょっと訂正。地球からはそれっぽく見えるように投影する星の映像をシミュレーターは変えているのだから、 もともと星の位置や光度は計算しているんだった。 それならそれを2次元の球面内部に投影*されているかのように*シミュレートするのは計算が2重になるだけで全くの無駄だ。 わざわざ張りぼてを作るために計算量を増やしているだけで全くの具の骨頂。最初から素直に計算した位置に天体の光源を 配置すればいいだけの話。そうすれば当分(人類が恒星間飛行技術を獲得するまでは)ボロがでなかったはずなのに。 なんかマヌケな神様だな。 どうやら山本弘の頭の中には太陽系を中心とした球形の箱庭があるようだ。その箱庭の内部はあくまで厳密にすべてを シミュレートし、外部は思いっきり手を抜くという方法しか計算量を減らす手段として思いつかないようだ。実際は そんな空間に制限される必要はなく、実際のCGとかがやっているように遠くの物体ほどシミュレートする情報を減らしていけば いいだけのこと。
71 名無しさん sage:2003/11/04(火) 15:24 サイレントレボリューションの話。 例の男は納税を拒否することで現体制打倒を呼びかける。革命は何も武力による必要はない。 納税を拒否すれば日本政府は機能停止し自然消滅する、と。 膨大な財政赤字を抱えていても日本政府は崩壊していないのだから、納税を一年やそこら滞らせても 政府が崩壊するとは思えないが、まあたぶんこれは「国民の承認を失った」という象徴的な意味が重要なのだろう。 しかし何も「革命(それが武力によらないものでも)」だけが体制を変える手段ではないと思うんだけどね。 現に日本国憲法は自分自身を改定する手続きまで定めている。法律に則って法律を変える道は一応あるわけだ。 もっとも、それを現政権に期待できないからこそ革命が起こるわけではあるが、大多数の国民に納税を拒否させることと、 多くの国民に改憲を唱える議員に投票させ、さらに国民投票で改憲させるのと、本質的に違いがあるのだろうか? まあ「大多数の国民が納税を拒否した!」という方が地道に選挙運動をして憲法改正にたどり着くよりは痛快だから 派手好きで何も考えない若者には受けるかもしれない。そこまでねらってこの男はこの方法を呼びかけたのかなあ。 確かに頭のいい男だからそうなのかもしれない。これはいいとしよう。 しかし看過できない点がある。納税を拒否したのは誰か?という点。承知のようにサラリーマンは源泉徴収により 強制的に税金を取り立てられている。この仕組み上納税を拒否することはサラリーマン自身には不可能ではないにしても きわめて難しい。少なくとも「お手軽な方法」ではないだろう。サラリーマン当人に変わって国に税金を納めているのは 「企業」だ。つまり納税を拒否したのはサラリーマンではなく、企業の経営者ということになる。 まあ企業による国家運営だから企業の経営者にとってはおいしい話かもしれない。特に従業員を何万人と抱える 大企業にとっては。そうした企業が従業員の給料から源泉徴収した税金を国庫に納めるのを拒否すれば、従業員の 意志に関係なく、日本政府は国民から納税を拒否されたことになる。 つまりサイレントレボリューションは国民の意志によって行われたのではなく、大企業のトップによって行われたといえよう。 しかしこの男が言葉巧みにこの点をごまかしても、自分に納税を拒否する/受け入れる決定権がないのは いくらなんでもサラリーマン自身が知っているから、だまされないと思うんだけどね。まさか「自営業」の山本弘は 源泉徴収を知らない?
72 名無しさん sage:2003/11/04(火) 15:55 この小説ではエピローグ(とは書いていないが)部分でさらにいろいろなことが起きる。中国が5つの国に分裂し、 アメリカ合衆国が南北に分裂する。まるであの男の小説をなぞるように。中国はさておき、アメリカの分裂の 理由は創造論者と進化論者の対立らしい。ま、山本も笑いをとるために書いているんだろうからいいけどねw しかしよしんばそういった対立が顕在化しても国家の分裂までいくものだろうか。分離独立した南部諸州の 人々もアメリカ合衆国の一部である恩恵は計り知れないものだとわかっているだろうに。問題は国家の 宗教への介入を禁じた合衆国憲法にあるのだから、憲法を修正させるか、もっとゆるやかな連邦制に 移行するだけでいいと思うのだが…まあ長い長い時間をかけて争っているうちにもはや当初の問題よりも 感情的対立に支配されてしまったのかもしれないが。 遊んでるなあ>山本弘
73 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 18:49 >>70 たとえば、『スペースチャンネル5』というゲームでは 背景がムービーで作られています。これは処理を軽くする ためだと思いますが、主人公の兄が何度も実験を繰り返した ように、神(とされる存在)も何度も実験をしていたとすれば、 流用可能なムービーを背景として使用したほうが楽ですし、 いちいちシミュレートするよりコストが節約できるのでは ないでしょうか?
74 名無しさん sage:2003/11/04(火) 19:15 >>73 それでも2次元ムービーである必要がないじゃん、ってことよ。
75 名無しさん sage:2003/11/04(火) 19:29 読んでないから分からないんだけど神が幾度にもわたってシミュレーションした理由って何よ? まさか某中華古代SF演義みたく ・自分の文明は『つまらない過ち』で滅んだ ・過ちを犯さずに進化を続けていたらどうなっているかを知りたかった ・そのために人類を使って自分の文明を再現する必要があった ・『初期値』(=古代の歴史)が異なるために、バタフライ効果によって自分の文明は再現できなかった ・よりよい『初期値』を与えるためにシミュレーションの開始を古代、神話とさかのぼり、何度もシミュレーションをやり直した じゃないよね?
76 名無しさん sage:2003/11/04(火) 19:51 >>73 地球からは年周視差で天体の距離が算出できている。この観測結果に矛盾が生じない程度には神のシミュレータは 精密な位置計算をやっていることになる。となると一番簡単なのは本当の天体の位置を計算することだと思うんだけどね。 小細工とかなしに。天体が本来あるべき位置を算出し、その位置と地球の位置を検出し、地球からどの方向に見えるかを 算出する。ようするに全部まじめに計算するのが一番簡単ってことだ。 そこまで計算しているなら、そこに実際にもその場所に光源を置けばいい。それをわざわざ地球と天体の間に半径1光年の 球を設け、地球と天体を結ぶ直線と球面の交点を求めて、そこに光源を設置しているわけだ。神のシミュレータは。 こうするメリットは何もない。デメリットは小説に書かれているように地球以外の場所から光源を観測するとつじつまが合わなくなることだ。 なぜ神がわざわざ天体が遠方にも存在する世界をシミュレーションしようと思いついたのかは不明だが、神のやっていることは その目的にさえ合致しない非常に不経済な方法だ。 そして繰り返すが、地球上の大気中の分子の動きをすべてシミュレートすることに比べれば、観測可能な天体の動きを すべてシミュレートすることは問題にならないほど楽だ。 そもそもムービーを再生するのは現在のPCでも非常にCPUパワーを食う。解像度も荒くなるしね(実際、作中ではこの 分解能の低さが、これもハリボテがバレるもう一つの原因になっているわけだが)。いちいち計算した方が 必要なCPUパワーは少なく、かつ高品質な映像が生成できると思うよ。まあ星が満天にびっしりと(暗いところがないくらい) あるなら別だけどね。
77 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 20:02 >>74 3次元ムービーでもいいじゃん、ってことですか? ふむ。 『スペチャン』も続編では背景が3Dになってましたね。>>75 はずれ~。それは『神のメッセージ・・・・・・じゃなかった、 神は沈黙せず』というより、加古沢黎『時の振り子』の ストーリーに近いですね。自分好みの歴史になるように、 歴史を修正しようとする、という・・・・・。 『神は沈黙せず』の作中作であるこの作品の主人公の 名前が「アグラ」というのは何か含みがあるんでしょう かね?
78 名無しさん sage:2003/11/04(火) 20:07 もし手を抜くとしたら別な部分の手を抜いた方がいい。いくら高性能な望遠鏡を使っても点にしか見えない天体は 点光源でいいが、星雲などのように大きさを持つ天体については点光源ではバレてしまう。ある程度の大きさを持つ 物体として作って、そこにテクスチャーを貼り付ければいい。 この方法だと星雲を別な角度から見た場合テクスチャーの見え方が変わらないのでバレてしまうが、星雲を地球とは 別の方向から観測できるようになるのは、これもまた恒星間旅行ができるようになってからだろう。 むろんこのテクスチャーの分解能に近い/あるいはそれ以上の分解能を持つ望遠鏡を用いれば、作中のように デジタル化の干渉によって奇妙なモアレが生じどのみちバレるわけだが、星雲などのように大きめの天体に貼り付ける テクスチャーの量と全天を覆うテクスチャーでは量が全然違う。前者の方が少なくて済む分、高解像度のテクスチャーを 使えるはずだ。したがってたかだかハッブル望遠鏡の10倍の解像度でボロが出るほどちゃちなものにはならないはず。 ま、ハッブル望遠鏡の分解能ではモアレが生じず、2010年に打ち上げられたその10倍の解像度をもつ望遠鏡だと モアレが生じる所から、神が使っているシミュレータの分解能が計算できるかもね。山本弘もここまで計算すれば いいのにw
79 名無しさん sage:2003/11/04(火) 20:12 >>77 > 名前が「アグラ」というのは何か含みがあるんでしょう > かね? なんとか飛鳥って超能力者も出てくるね。こっちは本編に。
80 名無しさん sage:2003/11/04(火) 20:15 あとは兄が自説を世に問うためにWeb上に開いた掲示板が嵐に遭い、兄への低俗で論理の欠片もない 中傷が書き込まれる中、兄はたったりとりでひたすら丁寧に冷静に返事をしているシーンは涙をさそったよw 山本弘も自分の小説から学ぶべきだろうね。
81 名無しさん sage:2003/11/04(火) 20:22 こう考えるとこの小説ってほとんどここ半年ぐらいで書かれたものだと思うんだよね。 なんあ10年前から暖めてたとかどっかに書いてなかったっけ?まあ神とトンデモを 組み合わせた小説を何か書いてやろうという思いは10年前からあったのかもしれないが、 実際にプロットを書き始めたのは今年に入ってからじゃないのかな。 俺は山本弘に問いたいね。この小説を書くのにあなたはどれくらい努力したのか?と。 もちろんUFOや超能力など詰め込まれているうんちくの量は相当なものだが、これは もともと山本弘がこの小説とは関係なく集めていた知識だ。この小説を書くために 新たに集めたネタってどれほどあるのかね。 山本弘のことだから書くに当たってもう一度古い資料を調べなおすぐらいのことはやっただろうけど、 なんかお手軽に書いてない?とふと思ってしまったよ。
82 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 21:47 再読分6章107ページまでの年表です。 1980/??/?? 和久良輔(兄)誕生 1986/08/30 和久優歌(主人公)誕生(0歳) 1989/01/08 加古沢黎(悪役)誕生(2歳) 1993/08/02 平成五年八月豪雨。優歌の両親死亡。(6歳) 1995/01/17 阪神淡路大震災(8歳) 1995/03/20 地下鉄サリン事件(8歳) 1998/08/?? 「パイオニア減速問題」発覚(10歳) 1999/??/?? 葉月と出会う(13歳) 2005/??/?? インフルエンザ大流行(19歳) 2006/??/?? 大学中退、『ダーウィンズ・ガーデン』発表(20歳) その後編集プロダクションに就職 2008/09/?? あくはと(加古沢)ネットに登場(22歳) 2008/10/?? フリーに(22歳) 2009/01/09 加古沢にインタビュー(22歳) 2010/02/?? 新世代宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブ打ち上げ 「ウェッブの網目問題」発覚(23歳) 2010/11/?? <昴の子ら>潜入取材開始(24歳) 2011/01/22 根室半島沖でマグニチュード6の地震発生 <昴の子ら>脱出、ボルトの雨(24歳) 2011/02/01 <昴の子ら>炎上(24歳) ()内は優歌の満年齢です。まだ五分の一(^^;。 気象庁のサイトで見ると、平成五年八月豪雨の被害が 『神は沈黙せず』と食い違っていますね(『神沈』の ほうが少ない)。「パイオニア減速問題」は現実には発見 されていない、ということでOKですか?
83 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 21:57 訂正。優歌は1985年生まれなので満年齢から1歳ずつ 引いてください。ただし1993年8月2日の(6歳)は 正しいです。 兄良輔も4つ上なので1981年生まれですね。うへえ(^^;。
84 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 21:59 ごめんなさい、1歳引くんじゃなくて足してください。 とほほ。
85 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 22:04 それに伴って葉月と会うのが1998年、大学中退が 2005年になります。ちゃんと推敲しろよ<俺。
86 名無しさん sage:2003/11/04(火) 22:07 >>82 パイオニアの速度が計算より遅くなっていると観測されているのは現実の世界の出来事だよ。原因は不明。 まあいろいろ分からないことは沢山あるからw http://www.cnn.com/2001/TECH/space/05/21/gravity.mystery/index.html
87 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 22:12 と、思ったけどやっぱり1986年生まれですよね。 えと、つまり、1998年が(10歳)になってるのが おかしいんですよね。正しくは(11歳)。後は最初ので 正しいです。何混乱してんだ俺。 一人でスレッド消費して申し訳ないです>ALL。
88 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 22:22 >>86 うわ、英語だ(^^;。最初のほうをちょっと読んで みましたが、「なんか宇宙船が遅くなってるけど、 原因不明。万有引力から予測したより遅いよ~」と NASAのジョンアンダースンさんが言いました。 くらいの意味ですか?
89 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 22:28 兄の誕生年は1982年になりますね。
90 名無しさん sage:2003/11/04(火) 22:44 おおむね山本の小説と同じだよ。ただし小説では宇宙塵や燃料漏れによる可能性は否定されたと書いているが、 そこまで断定できる情報すら現実の我々は持ってないんだけどね。それに山本はその後の10年(これかの未来)で さらに多くのデータが蓄積してもこの結論は揺るがなかったと書いてるが、パイオニアは既に機能停止している。 太陽系外に飛び出した探査機は探査機が電波を出してくれなければ観測できない。だから今から何十年たとうが、 パイオニアに関して新たなデータがもたらされることはないはず。現実の世界では計算と合わないのは100億分の1G程度。
91 名無しさん sage:2003/11/04(火) 22:55 あ、まちがえた。そういえば去年だかに久しぶりにパイオニアからの通信が受信できたとかいうニュースがあったから、 まだ機能しているんだ。まあそれが最後である可能性が高いが…
92 尾崎晃仁 :2003/11/04(火) 22:58 >>90 なるほど。この辺りで「嘘をついている」わけですね。 年表に追加です。 2011初め 統一コリア成立 2008年の時点で北朝鮮はすでに崩壊しているようですが、 2010年11月ごろの出来事の中に「韓国の斉州島」という言葉が 出てくる(93ページ)事からして、統一国家コリアが成立 するのはそれ以降。2011年にはすでにコリアが成立している ようなので、2010末から2011初めまでの間にコリアが成立 したのだと考えられます。 まあ、「韓国はコリア成立後も存在する(台湾みたいに)」 とか、「単なるうっかりミス」という可能性もあるんですが(^^;。
93 名無しさん sage:2003/11/04(火) 23:06 山本弘は最後の最後で、占星術の命脈が完全に断たれた。何しろ超常現象によって土星は2つに分裂し、 火星は緑の染まり、もはや惑星の運動で明日の運勢を論じるのは不可能だからだ、などと嬉々として書いてるが、 山本のごひいきの自然科学はこんな世界でも健在なんでしょうかね。ダメージは占星術の比じゃないと思うんだけどw
94 名無しさん sage:2003/11/04(火) 23:07 >>92 > とか、「単なるうっかりミス」という可能性もあるんですが(^^;。 でもうっかりミスしたのは優歌であって山本弘じゃないんだよなw
95 名無しさん sage:2003/11/04(火) 23:35 さて「ドーキンズ」による記号着地問題の解決の話 これってニューラルネットそのものだよね。なぜか作中にはこの言葉が一言も出てこないけど。 ニューラルネットとGA(遺伝的アルゴリズム)の融合も現実の科学者が思いつかないわけがない。 当然あれこれ研究されている。しかしそれでも現実の世界ではまだまだ何かが足りないのだ。 GAにしてもニューラルネットにしても提唱された頃はAIの突破口として大いに期待された。 確かにニューラルネットはパターンマッチングの分野である程度成果を上げている。だから 似たような花をニューラルネットを用いたシステムに見せて「似ている」と判断させることは可能だ。 しかし…同時にそれでは足りないことも分かってしまった。人間が似た花を「似ている」と判断する メカニズムは単に網膜のパターンをマッチングさせている分けではない。さまざまな花の特徴を抽出し、 それに対してパターンマッチングを行っていると考えられる。 だからカメラを単純にニューラルネットつなげて認識させたとしても、せいぜい同じ大きさの同じような 形の花を「似ている」と判断できる程度で、花の小さなチューリップと大きなチューリップを同じ チューリップであると認識させることはニューラルネットでもできないのだ。少なくとも今のところは。
96 名無しさん sage:2003/11/04(火) 23:35 では特徴を抽出したあと、ニューラルネットにその結果を入力させてやればどうか?例えば輪郭を 抽出し花びらが何枚あるかを判別する程度のことは従来のコンピュータでも可能だ。同じように 花の色や各部の比率なども抽出し、それをニューラルネットに入れてやる。このようなシステムなら 単純なパターンマッチングよりも遙かに柔軟に「同じ花」を判別することが出来る。 さらに花びらの数を数える部分に別のニューラルネットを使うと言うことも可能だ。つまり多段に 組み合わせていけば高度な認識をさせることも不可能ではない。こうした研究は一応の成果を もたらしてはいる。 しかし、このシステムでは結局人間が「花びらの数に注目しろ」「花と茎の太さの比率に注目しろ」と あらかじめプログラムしているにすぎない。こうした「何に注目すればいいのか」という部分もニューラルネットに より学習できて初めて真のニューラルネットといえるだろう。しかしそれにはどうしたらいいのか、いまのところ 雲をつかむような話なのだ。 結局の所現状のニューラルネットは単純なパターンマッチングを学習することしか出来ていない。 多段のニューラルネットを自己組織化により自発的に生み出すような手法が発見されればあるいは もう一段階ステップアップ可能かもしれないが、今のところ見通しは暗い。
97 名無しさん sage:2003/11/04(火) 23:41 一方ニューラルネットの学習をGAにより効率化させる試みは現実に研究されているし、 成果も上がっている。しかし肝心のニューラルネット自体が単純なパターンマッチングしか できないので、応用範囲は今のところ限られたものにしかなっていない。 GAとニューラルネットを結びつけるなら、ニューラルネットの学習にGAを使うのではなく、 ニューラルネットの自己組織化にGAを使うという方向こそがAIに近づく道なのだろうが、 この研究は現実の世界でははかばかしくない。まだ「何か」が足りないのだ。
98 名無しさん sage:2003/11/04(火) 23:41 うっかり出版してしまいました(角川書店上層部)
99 名無しさん sage:2003/11/04(火) 23:43 結局の所山本の小説はこういっているに過ぎないわけだ。 今よりももっともっとニューラルネットやGAを一生懸命研究していけば、 そのうち新たな発見がなされ、それを今よりずっと高性能なコンピュータで 機能させれば記号着地問題を解決することができるでしょう。 とね。
100 名無しさん sage:2003/11/05(水) 00:02 小説のこの部分を読んでいて思ったのだが、山本はライフゲームを知らないのだろうか? うんちくとして語るにはピッタリだと思うのだが。 ライフゲームを漠然と知ってはいても「単にドットが条件によって点いたり消えたりするのを シミュレートしているだけのつまらないプログラム」と思っている人が多い。まあ実際にそうなのだが、 特定のパターンのドットの組み合わせは様々な振る舞いをすることが知られている。 画面を一方方向に移動しているグライダーやグライダーを一定間隔で生み出すグライダーガン。 飛んできたグライダーを消滅させるイーター。またグライダー同士が一定角度で衝突すると 消滅したりそのまま交錯したりする。 これらを巧妙に組み合わせると、論理回路がライフゲームのドットによって作れるのだ。 コンピュータは論理回路の組み合わせだから、原理的にはこれらによってCPUを作ることも 可能なはずだ(まあ実際に作るのはバベッジがコンピュータを作るのと同様に非現実的かもしれないが)。 同じパターンを別な場所に複製する方法も考案されているので、このライフゲーム上に作られたCPUは自己増殖できる。 ライフゲームのドットは単純なルールで明滅を繰り返しているだけだ。そのルールは何もコンピュータを 作るために設定したルールではない。近隣に一定数のドットがあれば新たにドットが生まれ、近隣に 一定以上のドットが密集していればそのドットは死滅する、という実に単純なルールに基づいている。 にもかかわらずそれらを特定のパターンで組み合わせるとイーターやグライダーさらに論理回路まで 作れるというのは非常に興味深いことといえよう。 しかしこのライフゲームもグライダーレベルは自然発生するが、それが偶然絶妙に組み合わさって 論理演算回路を形成したということはない。人間が意図的に組み合わせてやらないとグライダー 以上に複雑なパターン、自己複製するパターンなどのようなものは生まれないのだ。その潜在能力を 秘めてはいても。
101 名無しさん sage:2003/11/05(水) 00:18 この辺に「知性」の境界があると思われる。偶然に出来るパターンは知性の産物とは呼べない。 偶然以上の理由で生成されるパターンを知性の産物と呼ぶことにするのはどうだろうか。 偶然以上の理由とは自己組織化である。条件がそろえば自然に一定方向にパターンが 自発的に組み上がる。そんな性質をもったパターンが偶然生成されたときに、そのパターンは 世代を経るにつれて成長し、複雑なパターンが生成される。 ライフゲームでは残念ながらそういったパターンは発見されていないが、自己組織化を行う 木工細工(?)ならペンローズによっていくつか考案されている。それはいくつかの蝶番と 閂で出来ているブロックで、それをいくつか箱に入れておく。そのままではいくらかき回しても 何も起きないが、2つのブロックが結合した状態のブロック(蝶番と閂がうまい具合に組み合わさる)を 箱に放り込んでやると、その結合したブロックの出っ張りとくぼみが箱の中の他のブロックに 当たるたびにそのブロックを同様に結合していく。つまり結合したブロックを放り込むと終いには 箱の中のブロックがすべて結合してしまうのだ。 ペンローズのこのブロックは構造が単純な所に意義がある。すなわち自己組織化は複雑なものに のみ起きる現象ではない。 おそらく「情報」と呼ばれている記号列は人間の頭の中に到達すると同様に人間の頭の内部で 自己組織化を引き起こすのだろう。そういうパターンを人間は情報と呼んでいる。さらにその影響が 大きなパターンを「重大な情報」と呼ぶのだ。問題はどんなパターンが自己組織化を引き起こすのか、 自己組織化を引き起こすパターンの傾向はどういったものなのか、という点が皆目分かっていないことなのだが…
102 名無しさん sage:2003/11/05(水) 00:26 いやーまだ読んでないけど、「神」がなぜ超自然アタックをかますのか予想してみます。 少ない資源をどうにかやりくりして、ホコロビはあるけどなんとか世界を作成・運営してる オレ(神様)。律儀に物理法則を奉り、懸命にやってる。 なのに君等ヒューマンはどうかね!やくたいもない「オカルト」なんぞにハマりおって! オレの世界を下らんことで消費しやがって。人の苦労を考えたことあるのかね? よーし。そんなに好きならやってるよ。くらえ必殺ボルトレイン!大・惨・事・確・定! どうね諸君?君等の望み通りスーパーナチュラルったよ。 おや?どうやらお気に召さないご様子。でもたしかにご要望は全て満たしたぞ?ガッハハハハ! とまあ、ターンAガンダム制作時の富野監督みたいな気持ちだったからではなかろうか。 まあ、予想つうか妄想ですが。「神」に人格が設定されてるかどうかも分からんし。
103 名無しさん sage:2003/11/05(水) 00:40 山本は神を「全知全能ではあるがただ一つ人間の心だけは理解することが出来ない」と言っている。 ん~ちょっと未消化といわねばならない。せっかく神を人類をシミュレートしている主体に設定したのだから、 もう一歩深く考察可能だ。つまり「全知全能」とはどういうことか?についてだ。 我々が何かをコンピュータでシミュレーションしている場合、我々はそのシミュレートしている対象に対して 全能といえる。その世界のルールは我々が設定したものであり、必要なら好きなときに好きなだけ変更可能だ。 シミュレートしている世界に新たなユニットを追加すること、また取り去ることは造作もない。 一方全知については、同様にシミュレートしてる世界のすべてを知っているはずだ。その世界のどんなことでも 好きなだけ詳細に調べることが出来る。ではなぜ我々はシミュレートを行うのか?シミュレートの結果を知りたい からである。つまりこの点に関して全知ではないのだ。全知でないからこそシミュレートを行っているのだ。 結局の所我々がシミュレートしてる世界に対して知っているのはその瞬間の静的な状態であり、 その変化の行く末ではない。また全能であり自由にその世界に介入できても、介入した結果がどうなるのかは 予測不可能だ。結果を予測した上で介入する能力はない。予測が出来ないからこそシミュレーションを 行っているのだ。 これをそのまま神と人間の関係に置き換えればいい。山本の小説の世界の神に可能なことと不可能なことが すっきりとする。「人間の心だけは理解できない」などと妙に人情話っぽい表現を持ち出す必要はないのだ。 この方がずっとクールな説明とはいえまいか。あるいは山本はあえて人情話にするためにこうした表現を選んだのか?
104 名無しさん sage:2003/11/05(水) 01:30 >納税を拒否すれば日本政府は機能停止し自然消滅する なんつーか、発想がDQNだなあ・・・ 無政府主義の出来損ないというか何というか。 このスレ見て何か全く読む気もしなくなったんだが、 政府が無くなるってことは公共サービス(警察、消防等)の停止を 意味し文字通り無政府状態になるんだが、その辺りはどうフォロー しているの? サイバーパンクでよくある企業統治?
105 名無しさん sage:2003/11/05(水) 01:56 一寸真面目に考えてみた。 国がぶっつぶれるとなると、まず国債はデフォルトだな。 となると、機関投資家は大打撃を受ける、まあまず潰れる。 その代表は銀行や証券会社だ。まあまず取り付け騒ぎが起き、 一般の国民の預金や有価証券はパア。 「経済の大動脈」たる金融機関は麻痺し、不況を通り越して恐慌が起こる。 ・・・駄目駄目じゃん。 更に、日本が所有する対外債権は流出する。 具体的にはアメリカの国際の投売り、まあ暴落が起きるだろう。 それにより他国の機関投資家も大量の含み損を抱えることになり、 また買い手を失ったアメリカ政府も大打撃を受け、1929年以上の 世界規模の大恐慌へと・・・ 駄目だ、一体小説ではこの矛盾をどう解決しているんだ。見当もつかん。
106 名無しさん sage:2003/11/05(水) 08:36 >>105 それを言うなら2010年に統一コリアってどうよ? 共産圏ではもっとも経済力、工業力のあった東ドイツとの統合でさえ、統一ドイツは 一時かなり苦しかった。 ましてや恐怖政治なしにはもちこたえられない、大半の国民が飢えた独裁国家と、 民主国家の統一だよ~。1年後の大混乱、国力低下は計り知れないと思うのだが...
107 名無しさん sage:2003/11/05(水) 09:52 結局、神も全能ではない不完全な存在だってことにしとけばいいってことか?
108 名無しさん sage:2003/11/05(水) 12:38 法を軽んじるのは、いかに自分が法によって守られているかに気づかない愚か者だ。 多少意味合いは違うが結局のところ山本は自分が日本政府におんぶにだっこの状態で 生きていることに気づいていないということだ。 個人では人間としての基本的な権利さえ守るのは困難だ。 今自分が受けている利益を当然受けることができるものとして 不利益だけを排除しようとしても無理なのだ。 現行の仕組みの中である程度の自立を実現しているならばそのことについて気づくはずだ。 つまり、彼はまったく頼りきった状態で依存しまくっているわけだ。 だから政府が機能しなくなった後のことがまったく理解できていない。 革命が成功するかは次の暫定政府をいかにすばやく立ち上げるか、いかに受け入れてもらうかにかかっている。 政府崩壊後のビジョンもなしに現行政府をつぶそうとするのはそれこそテロよりたちが悪い。 結局山本は政治というものが根本的にわかっていないのだ。
109 名無しさん sage:2003/11/05(水) 13:11 >>105 山本のこの部分は第2次大戦の敗戦後の金融政策を元に書いてるんだよなあ。 作中でもそれをモデルにしていると書いてるから突っ込めないがw 結局やっているのはインフレ政策だ。貨幣価値が下がれば借金も相対的に価値が下がって 自然と無くなる。どんな手段を使うにしても政府の借金を帳消しにするにはこれしかないから、 それ自体はいいんだけど、問題はどう軟着陸させるかで、それが半世紀前と同じ手法じゃあちょっと 時代遅れじゃないのかね。半世紀前とは世界の金融状況が全然違う。実際作中でも経済が 持ち直したところまでいかずに終わっている。 また企業連合は「小さな政府」を目指しているらしい。まあそりゃあ政府の役割を縮小すれば 政府が使う「無駄金」は減るだろう。しかしなんか山本の書き方ってどこか変なんだよな。 財政赤字すなわち政府の借金は別に政府や官僚機構の運営費で赤字になっている分けじゃない。 政府を小さくして官僚の人件費を減らしたところでたかがしれている。財政が赤字なのは政府が 公共事業などで民間に税金をばらまいているからなのだけどね。 どうもこの辺、山本は官僚機構(をささえる人件費)が財政赤字を作り出しているような書き方をしている。 確かにテレビでは天下りの官僚がいくら給料をもらっているとか退職金はどれだけだとか憎々しげに報道している。 腹正しいことだし感情的に分かりやすい部分ではあるが、財政にしめる割合からすればそんなものは大した額ではない。 山本自身マスコミが報道する「分かりやすく耳当たりのいい」ウソにだまされてるんじゃないのかね。
110 名無しさん sage:2003/11/05(水) 13:28 また政府を「企業」として運営すれば効率がよくなるし、赤字になれば自分たちが損をするのだから もっとまじめに政治をするだろうと書いている(ま、山本ではなくて悪役が言っているのだが)。 しかし大企業の役員が私服を肥やして背任行為をした事件もずいぶんあるんだけどね。 結局巨大になってしまえばどんな組織も同じだ。 だいたい企業は誰でも知っているように民主的には運営されていない。それと直接民主主義を どう組み合わせるというのだろう。これは水と油でどちらかをとればもう一方は捨てなければならない。 おそらく山本は何も考えずに「国家民営化」と「インターネットによる直接民主主義」というはやり言葉を くっつけただけだろう。こんなものは「UFO=宇宙人の乗り物」と安直に考えるのと同じレベルなんだけどね。 いっそのこと民主主義を捨てて企業流の人事で政府を運営させるとかいうならまだ「面白い」んだけどね。 上司の評価で自分の地位が決まる。ただしそれだけじゃ単なる専制政治だから、競争原理も導入する。 すなわち他国(別に国じゃなくて企業でもいいが)による日本国の買収を許す。マイクロソフトに日本を買ってもらうとかね。 結局の所日本国を民営化しても巨大な独占企業を作るだけで、企業の悪いところと官僚の悪いところを 合わせた組織が出来るだけだと思うのだけどね。実際官民のいいとこどりをもくろんで設立された第3セクターとかは うまく運営されているのはほんの僅かで、ほとんどは悪いとこ取りになってしまっている。日本政府が唯一賢明だったのは いきなり国家規模で実験をせずこうした小規模な組織で実験をしているとこだろうね(いきなり国家規模で実験を 行ったのがご存じのとおりソ連だw)。 山本はUFOやオカルトを「ちょっと考えればわかること」や「とっくに検証済みのことを新発見として書いている」とか いつも文句をいうが、山本も同じなんだよな。
111 名無しさん :2003/11/05(水) 18:47 >>93 >山本弘は最後の最後で、占星術の命脈が完全に断たれた。何しろ超常現象によって土星は2つに分裂し、 火星は緑の染まり、もはや惑星の運動で明日の運勢を論じるのは不可能だからだ、などと嬉々として書いてるが、 数年前に黄道12星座が13星座になると騒がれた事は記憶に新しい。しかし、それ以後も週刊誌には普通に星占いコーナー載ってるのだが何か?
112 名無しさん sage:2003/11/05(水) 19:18 >納税を拒否すれば日本政府は機能停止し自然消滅する つーか、それは明確な所得税法違反だから実行者は確実にタイーホ&財産差し押さえられます。 それともこれは、犯罪者を量産して刑務所を満杯にし、その経費で日本政府を圧迫するという遠大な計画なのでしょうでしょうか? もしそういうオチなら少しは山本を評価してやっても良いのだが。
113 名無しさん sage:2003/11/05(水) 20:28 拒否すれば払わずに済むなら、誰も払わないだろうね。 なんか底が浅そうな話だな。
114 名無しさん sage:2003/11/05(水) 20:43 >>113 実際あらすじはすごく底が浅い。それにメインアイディアは山本が山本板で自分で言っているように目新しくもない。 悪役の動機だけはユニークだがこれもどっちかというと短編向けのネタだ。結局特徴といえる特徴は山本のUFOや オカルト全般のうんちくが詰め込まれているという点だけだね。 とはいえうんちくの部分もすでに山本や志水や皆神が他の本で書いてるものばかりで目新しいものは何もない。 そもそもうんちくを垂れるにしても書き方が単に事柄を羅列しているだけで面白くないどころか、読むのが辛い。 いつのまにか斜め読みしている自分に気づいて何度「いかんいかん」と読み直しをしたことか… と学会の本ではうんちくを結構面白おかしく書いているのに、なぜかこの本では意図してかどうかわからないが、 すごくつまらない書き方をしている。 膨大な情報を無造作に読者に見せつけて圧倒するって手法(京極とか荒俣とかが好んで使うやつね)を使ってるつもりなのかな。 でも全然成功している気がしないんですけどこれはどうしたことなんでしょうね。
115 名無しさん sage:2003/11/05(水) 20:46 山本板で「面白かった」と言っているやつに聞いてみたいな。いったいどこら辺が面白かったのか。
116 名無しさん sage:2003/11/05(水) 22:29 実際どうだろうが、「面白かった」と言ったら教祖様からお褒めの言葉をいただけるわけで。 2冊買いました、なんて言ってたキ○ガイはその極みなわけで。 そういう意味で、まさに「お布施」。
117 名無しさん sage:2003/11/06(木) 01:23 >>116 ものすごいファンなら改訂ごとに1冊、そこまでいかずとも文庫、新書化で 1冊とかはやるだろうが、 ハードカバーの初版2冊ってのはたしかに引くねぇ。 買ったあとでサイン会があって、また買うはめになるとか、サイン入りは 保存用にしてもう1冊とかならまあ、アリだが。 #神ちんサイン会はないの?
118 名無しさん sage:2003/11/06(木) 01:33 とりあえず ・悪役の動機 ・日朝戦争の理由付け ・神の意図 を誰かネタバレしてください。 ところで、「SFとしてイイ!」とか言っている信者が多いけど 一体どこがSFらしいの? 「百億の昼と千億の夜」をとことんまで矮小化してそれに仮想戦記 テイストを加えただけに見えるんだけど。
119 名無しさん sage:2003/11/06(木) 01:34 >#神ちんサイン会はないの? そこまでうっかりはしません(角川上層部)
120 名無しさん sage:2003/11/06(木) 02:06 >>118 > 「百億の昼と千億の夜」をとことんまで矮小化してそれに仮想戦記 > テイストを加えただけに見えるんだけど。 だね。神を否定的に描く作品は俺にはもはや食傷気味だ。 人生で初めてそういうタイプの作品に出会った中坊なら感動するかもしれないけどw 俺にとっては諸星大二郎の暗黒神話の最初の方に出てくる鎖につながれた化け物のような神 (何だっけ?大国主命だったかな?)がカルチャーショックだったな。百億の昼にでてくるならず者のような イエスも結構ショックだっけどね。
121 名無しさん :2003/11/06(木) 02:26 >フレドリック・ブラウンの有名な作品もありますね。 >(タイトル名を言っちゃうとネタバレになるのでごかんべん)。 『他人の作品のタイトル』が“自分の作品のネタバレ”になるの? それってなんかおかしく無い? もしかして、その作品からのアイディアの盗用?『神チン』って・・・
122 名無しさん sage:2003/11/06(木) 02:31 >>118 昔、立花隆が「インターネットはグローバルブレイン」って本を書いてたよね。で、山本もトンデモだと叩いていた気がするんだけどね。 これが最後に出てくるんだよ。し・か・も、肯定的に。俺は思わず吹き出しちゃったよ。読み進むうちになんか そっち方向に進んでるな、と思いつつも、まさか山本がこのオチを持ってくるわけないし…と考えながら読んでたんだけど、 ひねりも何にもなくてグローバルブレインがオチとして出てくる。 おまけにいいわけっぽい文章も添えられてね。1982年にピーターラッセルがグローバルブレインを提唱したときは まだインターネットはなかった。旧式のメディアではスピードの点でも情報量の点でもたかが知れている。1980年代では 地球規模の脳など夢物語だった。しかし今や時代は変わり人間を遙かに上回る知性が誕生しても不思議ではない、と。 ちなみにピーターラッセルのグローバルブレインは立花隆の著作の元ネタだ。 山本の理屈がおかしいのはピーターラッセルにしても立花隆にしても、その当時にグローバルブレインが出現すると いっているわけではない点だ。「将来」出現するかもしれない、といっているわけで彼らは当然情報網の発達を 見越している。一方山本にはそれが「当時」読めなかったわけ。だから山本は「当時」(今もかも知れないが)そんなのは 夢物語だと思ったのだろう。単に山本の理解力と想像力と未来予測能力が貧弱だったので、彼らからずいぶん遅れて 同じ着想にたどり着いたというだけのこと。 まあコンピュータや通信分野の発達について山本はてんで音痴なことは別なスレで話題になってたけどねw この部分は最後に出てくるんだけど、その前の悪役の動機の方はそこそこ意外だったので「なかなかがんばってるじゃん山本」と 思っていたら、その後のグローバルブレインの話を読んで一気に盛り下がってしまった。
123 名無しさん sage:2003/11/06(木) 02:32 >>121 ワラタ。なんか語るに落ちてるね。山本は。
124 名無しさん sage:2003/11/06(木) 02:54 ちなみに1982年の時点ではインターネットはなかったなんて山本は書いているが、これも大嘘だね。 現在のインターネットの母体はARPAネットでこれは1969年に始まる。このARPAネットが徐々に 拡大し現在のインターネットになってるわけ。 余談だが1988年には「インターネットワーム」なるネットワーク感染型の初のウィルスが蔓延し、 大混乱を巻き起こした。この騒動は今のWindowsのウィルス騒ぎの比ではない。広がったワームを 駆逐するまでほとんどインターネットが機能停止してしまうほどね。当時はまだまだ使う人間の 善意を前提としたおおらかな環境だったから、あまりセキュリティについて神経質ではなかったから。 インターネットは今でこそセキュリティがうるさく言われるが、当初は結構無頓着だったのだよね。 例えば1997年にはDNSのルートサーバーを乗っ取るという事件が起きている。インターネットの ドメイン名はツリー構造になっていてトップに数台のルートサーバーがいる。すべての情報は このサーバーが管理している。このサーバへの要求を横取りすることによってドメイン名とIPアドレス の対応付けを自由に操れるわけだ。しかも当時はそういった不正な要求に対して何も対策が とられていなかった。単に「そういう悪いことをするサーバーはいない」という前提で運営されていたわけ。 現在は当時よりはマシになったが、DNSは未だインターネットの急所と言われている。 実際最近のウィルス騒ぎでもウィルスに感染したPCによってDNSの要求が異常に増加し、 韓国だかのルートサーバーがダウンした。そのためそのサーバーが処理していた要求を他の ルートサーバーが処理しなければならず、韓国では著しく、日本でも煽りを食って若干 レスポンスが低下した。 インターネット自体がよく言えば漸次的に進化するシステム、悪く言えば行き当たりばったりの 継ぎ接ぎのシステムなんだよね。まさに生物の進化と同じように。
125 名無しさん sage:2003/11/06(木) 03:18 ちなみにこのDNSの乗っ取り事件は単なる愉快犯の仕業じゃない。 当時DNSはインターニックという企業が独占的に管理していた。しかもインターニックのバックグランドは アメリカ政府だ。まあもともとインターネットはアメリカの軍事ネットワークから始まったから仕方ないと言えば 仕方ないのだが、いまや世界規模のネットワークであるインターネットの重要部分がアメリカ政府の息のかかった アメリカの一企業によって押さえられていることは愉快なことではない。 で、これに抗議する人々がアルターニックという企業を立ち上げて実力行使(?)をしたのだ。 DNSの問題はこの後紆余曲折を経てICANNという民間企業が設立され、そこに登録した企業群が 行うことになった。当時と比べれば多少はアメリカ色が薄まったといえる。しかし依然としてインターネットに 対するアメリカの占める位置は巨大で、もしアメリカが外部から/への接続を遮断したら、残された世界の インターネットは完全停止しないまでも大幅に機能低下し、大混乱になるだろう。DNSのルートサーバが 世界各地に分散しているのがこの事に対する”保険”なのだが、ルートサーバの大半はアメリカ国内に 集中しているので、残されたアメリカ意外のルートサーバー(ヨーロッパや日本にもある)だけだと大幅に パフォーマンスが低下するだろうね。
126 名無しさん sage:2003/11/06(木) 03:42 山本の小説では日本とコリアの戦争はサイバーウォーとして描かれている。両国がお互いのネットワークや コンピュータシステムをハッキングして破壊するわけだ。日本語ないしハングルを含んだデータだけを破壊する ワームとかなかなか笑える。とはいえこの手のウィルスは冗談みたいなものが結構有効に働いたりするから、 案外こういうのもいけるかも知れない。またネットフォース(電網自衛隊とでもいうのかな)の設立なんて 話も出てくる。うーむ、どうなんだろうね。一笑に付そうと思って笑いかけた顔が凍り付くね。 実のところインターネットに対する依存が高まればネットワークへの攻撃は国内問題どころか 国家安全保障に関する問題になる。軍隊は専用回線を使うとしても、民間はインターネットに 依存しているのだから軍隊は健在でも国家経済が破綻してしまってはどうしようもない。 案外「戦争状態でも相互のネットワークによる攻撃は行わない」という条約が結ばれたりしてね。 その条約には「Windows Updateのセキュリティパッチは交戦国に対しても遅滞なく流すこと」という 条項も含まれるのだろうw
127 尾崎晃仁 :2003/11/06(木) 06:39 >>62-63 「中国語の部屋」と「サールの悪魔」、「本」と「読者」 は、二つをひっくるめてひとつのシステムである、とされて いるのですから、非線形的なものやバタフライ効果を「部屋」 や「本」ではなく「悪魔」や「読者」のほうに求めることは できないでしょうか。 「悪魔」や「読者」が常に正しい作業をするわけではなく、 時たまミスを犯すとすれば? それが大きなものであれば システムからはおかしな反応が返ってくることになりますし、 小さなものでは齟齬が積み重なっていき、バタフライ効果が 得られるのではないでしょうか。
128 名無しさん sage:2003/11/06(木) 07:21 >日本とコリアの戦争はサイバーウォーとして 海底ケーブル・・・いやなんでもない
129 名無しさん sage:2003/11/06(木) 07:37 >>128 ネットワークは日本と韓国を直結しているものだけではないよ。 実際、最近まで日本と韓国はアメリカを経由しないとネットワークが通じなかった。 現在は日本を拠点に東南アジアの各国と結びつつあるけどね。 そしてインターネットはネットワークの一部が切れても別な経路を使って通信できるという特徴がある。 もともと如何に壊れにくい/壊されにくいネットワークを構築するか?というアメリカ軍の研究から始まったものだから、 ルートサーバーが分散していることも含めて、一部分の故障が極力全体に影響しないように作られている。 もちろんパフォーマンスは低下するけどね。
130 名無しさん sage:2003/11/06(木) 07:43 >>127 「同じ結果は得られない」ということなんだけど。 ある人物の思考をすべて本に書き写したとしても、その本を読みながらもとの人物の思考と同じ思考はできない、ってことなのだけど。 もちろん人間的な思考ができるか否か?ということなら、部屋の中に人間が入っているんだから当然人間的な思考になるだろうね。 部屋の中の悪魔や人間にそうした人間性を設定するのは、結局中国語の部屋の中にもう一つアラビア語の部屋を作るのと同じだよ。 問題が一歩後退しただけで何も変わらない。
131 名無しさん sage:2003/11/06(木) 08:06 ネットフォース、トムクランシーだっけ?が何か書いてたなぁ
132 名無しさん sage:2003/11/06(木) 08:10 ニューラルネットの話をもう少し。「兄」が作った「記号着地問題を処理できる画期的なシステム」は 「花」を「花」と識別するための情報はミーム集団全体が保持しており、どれか特定のミームが「花」という 情報を保持しているわけではない、と書いている。 これはまさにニューラルネットの特徴なのだ。ニューラルネットがパターンを判別するのは全体のユニットの 総意(?)であって、特定のユニットではない。だからいくつかユニットを取り除いても、(若干認識能力は 低下するが)そこそこ同じように動作するという特徴もある。 またニューラルネットは2つ用意して、初期状態をランダムに設定しておく。そしてそれぞれ「花」を学習をさせる。 するとどちらも同じような成績で「花」を識別できるようになるが、一つ一つのユニットが保持しているデータは 2つのニューラルネットで全く違う。つまりどちらも「花」を「花」と識別するが、その方法は2つのニューラルネットで 同じではない。だから花と識別できるすれすれのパターンとかを見せると、2つのニューラルネットで判断が分かれる こともある。つまり個性があるのだ。 こうした特徴はまさに人間的で、ニューラルネットがAIへのブレイクスルーだと一時期もてはやされたのも無理からぬことといえよう。
133 名無しさん sage:2003/11/06(木) 08:12 >>129 たまにインターネットの軍事利用反対!ってなこという人いますね。さすがに山本ではないけど。 そして商業利用禁止の試験段階時代を知らない人も多いんだろうな~。
134 木馬 sage:2003/11/06(木) 08:16 僕も、ようやく読み終わりました。 結論から言えば、 「『感心』はしたけど『感動』はできない」 といったところでしょうか。 アイディア自体は、たしかにけっして斬新ではないかもしれませんが、 興味深いテーマではあるし、よくまとまっているとは思います。 しかし、登場人物に魅力が乏しい。 これはエンターテイメントとして致命的です。 まず、主人公の親友「葉月」。 僕には、ただ無神経で刺々しい、嫌な女にしか思えませんでした。 ああいった癖のあるキャラクターの場合、 欠点を補って余りあるほどの魅力を描かなくてはならないはずなのですが、 彼女にはそれがない。 なんで主人公が、あそこまで慕っていたのかがわかりません。 『戦ミレ』の「ガンチェリー」にしてもそうですが、 どうも山本氏は、ああいったブッ飛んだ感じの女の子を描くのは苦手のようです。 (「美葉」は面白いと思いましたが、まぁ、あれはコメディですから、 ちょっとくらい無理があっても、そんなに気になりませんでした)
135 木馬 sage:2003/11/06(木) 08:17 また、カリスマ的な作家である「加古沢」。 彼の文章が文中に「引用」されているのですが、 主張にせよ文体にせよ、 青臭いというか、古めかしい印象で、 まったく惹かれるものがありませんでした。 文中の言葉を借りれば、「クール」な感じがしないんですね。 「葉月」にしても「加古沢」にしても、 「こういうキャラクターを描きたいんだろうなぁ」というのは 何となくわかるんですが、それがうまく表現し切れていない。 そこが、どうももどかしいです。
136 木馬 sage:2003/11/06(木) 08:17 考えてみれば、ある作品に「ハマれる」か否かは、 けっきょくのところ、 「その登場人物に感情移入できるか」にかかっているのではないでしょうか。 『スター・ウォーズ』や『キル・ビル』だって、 ストーリー自体はわりとシンプルですからね。 アイディアだけならいくらでも出せるわけですが、 (その時点で満足してしまう読者もいる) それをどれだけうまく消化して読者に伝えるかという点に、 表現者としての力量が問われるのだと思います。 その意味では、『戦ミレ』同様、 山本氏の力量ではカバーしきれないテーマだったのかもしれません。 ただ、シモネタやオタク的な趣味に走っていないぶんだけ、 『戦ミレ』に較べたら読めるものにはなっています。
137 名無しさん sage:2003/11/06(木) 08:22 >>134 > しかし、登場人物に魅力が乏しい。 唐沢(兄)は登場人物の性格がみんな作者と同じだ、と評してるね。俺も全く同感だw。
138 名無しさん sage:2003/11/06(木) 08:24 >>136 > アイディアだけならいくらでも出せるわけですが、 おお、なかなか厳しいこというねーw
139 名無しさん sage:2003/11/06(木) 08:26 まあ、俺が思うに、この本からUFOやオカルト関係のうんちくを取り除いたら、誰でもかける素人小説なんじゃないの?って感じなんだけどね。
140 名無しさん sage:2003/11/06(木) 08:42 うんちくがなりを潜めてストーリーらしいストーリーが始まるのは後ろの1/3ぐらいからだ。 で、そこに書いてあるストーリーは日本国の民営化やコリアとの戦争。それもあらすじを書いたらそのまま 元の小説になってしまうような単純な描写を駆け足でやっているにすぎない。 唐沢なんか他に褒めるところがないから、主人公の成長の物語だなどといっているが、成長してるのかね。 なんか単に年をくって過去のトラウマが多少薄れただけにしか見えないんだけどね。成長の物語ってのは 主人公が苦労しながらそれを乗り越えていくものだろ?この主人公は確かに悲惨な目にはあっているが、 乗り越えているようには全然見えないんだけどね。ただそれらが目の前を通り過ぎていっているだけだ。 確かに最後の最後で人間と神との関係を自分なりに納得してみせ、さらにこれからの自分の生き方を 高らかに宣言するわけだが…これって全然苦労して獲得したように読めないんですけどw 何しろこの結論に達した部分(日本とコリアの開戦を目前にして自分はどう行動すればよかったのかと 思い悩む箇所)ってほんの数行しかない。500ページの本で、主人公が悩み、答えを見つける箇所とは この部分だけだ。他の部分は単に降りかかった不幸を嘆きながらとぼとぼと歩いているにすぎない。 これで成長物語といえるのかね。
141 名無しさん sage:2003/11/06(木) 11:43 >これで成長物語といえるのかね。 作者である山本が15歳から全然成長してないからね。
142 名無しさん sage:2003/11/06(木) 18:17 他人を口汚く批判する奴に限って、自分の仕事はロクでもない。 山本の小説はそんなものだ。 こんなものをハードカバーにするな。 こんなものを1900円で売るな。
143 K.K sage:2003/11/06(木) 19:48 読了しました。 ・・・いつ頭の上にでかい何かが落ちて来るかわかからないような世界で、普通の生活やってられるような肝っ玉のすわった人間なんていないと思う。 いや、あの世界では、「超常現象」と名前がつけば、納得して死すら省みない人間ばかりなのかな。
144 名無しさん sage:2003/11/06(木) 20:02 本を読んだ後で妙に鰻田の言葉が身に染むよなあ。 ---------------------------- 鰻田社会科雄 2003/08/29 22:02:38 そもそも、作品とは受け手に楽しんでもらってナンボ、のものです。受け手は金を払っているん ですから。とすれば、楽しめないツマラない作品も当然アリます。ツマラない作品には罵声を 浴びせても、金を払っている以上当然の権利ですよ。 URL:http://freebbs.around.ne.jp/article/w/wnova/10/hwrozh/nusgyn.html
145 名無しさん sage:2003/11/06(木) 20:40 >>143 そうだね。主人公は今まで(慈愛に満ちた正しい)神なしでやってきたんだから、これからも人類は心のよりどころとなる 神なしでやっていける、と脳天気に納得するが、これまでの世界とこれからの世界が違うのにね。そもそもその違い、 奇跡だか超常現象だかがむやみやたらに起きる世界に変えたのは山本自身なのに、それをいつのまにか忘れてしまったのかな。 それとも山本はこんなしっちゃかめっちゃかな世界でも今まで通り人間はやっていけると思っているのだろうか。 それなら山本のことだから一言「見かけはいままでと世界のありようが変わってしまったが本質は何も変わっていない」とかなんとかの 「いいわけ」を入れそうなものだけどね。 多分本気で忘れているのだろう。小説を面白おかしくするために世界をぐちゃぐちゃにしてしまったが、 最後に山本が書きたかったテーマ「人間は神なしでこれまでやってきたし、これからもやっていける」を書く時になって、 世界を自分で変えてしまったことをすっかり忘れたようだ。粗雑な作りの小説だ。
146 名無しさん sage:2003/11/06(木) 20:46 それにしてもこの「ファック・ユー」の表紙恥ずかしくてしかたないんだけどw
147 名無しさん sage:2003/11/06(木) 21:09 またこの「兄」の最終結論、現実の世界でこんなことをいう人がいれば100%トンデモ扱いされるはずだが、 この小説では正しいことを実験により「証明」しているわけだが、いったい何をしたら証明できるのかなー。 作中の描写ではドーキンズワールドのゲームマシンを大量につなぐと、記号着地能力が創発することを 実験しているようにしか見えない。しかしそれが最終結論の証明になるものなのか? 現状のニューラルネットだってすごく無理すれば記号着地能力を持っているといっていえないことはない。 ただそれが人間が人間に対して期待するものに比べて問題にならないくらい貧者だというだけだ。 だから現状のニューラルネットをもって、兄の最終結論の証明だということも出来るはず。しかし現実の世界で そんなことを言い出せば、やっぱりトンデモさん扱いだよね。 結局、人間がドーキンズワールドのミーム達に記号着地能力を持たせることが可能だからといって、 神が人間に対して同じ事をやっているという証拠にはならない。今更オッカムのカミソリを持ち出すまでもないが、 それがもっとも低コストの仮説でなければ、その仮説は有力なものとは受け入れられない。さらにいくら現時点で 考えられるもっとも低コストな仮説であっても無闇にその結論に飛びつくのは危険だ。それは山本自身作中で 書いているはずなのだけどね。「密室殺人の現場にナメクジが一匹いたから、そのナメクジが巨大化して殺人を 犯した」と推測するようなもの、だ。 もちろんこれは科学論文ではないのだから、現実の世界に照らして正しい必要はない。しかし問題は小説の中の 世界ですら理屈が破綻している点なのだ。架空の理論でも架空の現象でも設定するのは自由だが、それらを 駆使して「兄」は合理的に最終結論の妥当性を導かなければならないはずなのだ。この小説の世界もまた こうした合理性が重視される世界であると他ならぬ山本が「ナメクジ」の話で語っているのだからね。 もう一度いおう。「兄」は自説の証明に成功していない。ドーキンズワールドの実験結果を自説の証明だと 思いこんでいるなら、この人物はトンデモさんの仲間だ。現実の世界でも、この小説の世界でも、ね。
148 名無しさん sage:2003/11/06(木) 21:34 作中では「証明された」事になっている兄の結論はまったく証明されているように見えない。 「いやいや。小説に書いていないところでちゃんと証明されているんだから安心してくれ」とでもいうのだろうか。 それは通らないだろう。架空の理論をでっち上げるにしてもそれに見合う手間をかける必要がある。 それまでさんざん理屈っぽい話にページ数を費やしてきたのに、最後の結論だけが手抜きというのでは 読者をおちょくっているとしか思えない。 1)「兄」はトンデモさんだった、というのが山本の人物設定である。 2)「兄」はちゃんと証明を行う正しい知性の持ち主だが、作者である山本はその描写を手を抜いた。 このどちらかだろう。
149 名無しさん :2003/11/07(金) 01:25 >>148 >作者である山本はその描写を手を抜いた。 「手を抜いた」ってのは違うだろう。と俺は思う。 手を抜くってのは、本来はそれ以上の事を行う能力があるのに 「あえて」やらなかった。ってことでしょ? 山本にはそれ相応の「描写をする能力が無い」のだろうから、 「手を抜いた」にはならないと俺は思う。
150 K.K sage:2003/11/07(金) 01:30 >>146 日本語手話では「兄」は以下のような動作で表します(右手は左手に変えてもOK)。 1)右手の手のひらを上に向けて拳を握る。 2)握った拳の中指を真っ直ぐ立てる。 3)そのまま右手を上に動かす。 表紙は、主人公が書いている手記の主人公である「兄」を表しているのです。・・・嘘(でも手話の動作は本当)。
151 名無しさん sage:2003/11/07(金) 01:32 結局、今までの山本の小説と何等変わりはないということか。 せいぜい短編向け程度の一発ネタを 大量の引用で金沢の金箔職人のごとく薄く薄く延ばしていって はい長編小説の出来上がり、と。 本当に発想力の無い山本らしい。
152 名無しさん sage:2003/11/07(金) 01:46 >>150 ひえーなんちゅー動作じゃw
153 名無しさん sage:2003/11/07(金) 01:47 >>151 山本は京極さんのまねをしてうんちく小説を書いてみたかったんだろうねー。大失敗に終わったようだけど。
154 名無しさん sage:2003/11/07(金) 02:16 >>149 ピグミン…じゃなかったミームのドーキンズガーデンによる実験と超常現象の発生との間の類似性の 訴求力が弱いんだよね。というかほとんど何も記述してないんだから。だからいきなりこの2つを結びつける 思考がすごく陳腐に見える。しかもすごく頭のいい好人物として描かれてる「兄」が行うものだから、よけい 小説全体がいいかげんなものに感じてしまう。 途中で超常現象の発生場所になんらかのパターンらしきものがあるかのような記述があるが、これは無造作に 提示されただけでそのまま尻切れトンボになって終わってしまっている。この超常現象の発生パターンと ミームの実験になんらかの共通点が見いだされるなら、最後の結論も説得力のあるものになっただろうに、 山本はここで読者をそれっぽくだますからくりを考えることを放棄してしまっている。 もっとも、からくりを考えたところで陳腐なものなら同様にシラケるので、いっそのこと説明しない方がまだましだと 思ったのかも知れない。いずれにしても山本には「世界は神の行っているシュミレーションに過ぎない」という構想を 緻密に練り上げる力がなかったということだろうな。 いやまじでこの最後のシラケムードはいかんともしがたい。どうせ書かないならいっそのこと悪役の動機を 説明したところで物語を終えた方がよかったとさえ思う。これなら一応最後にそこそこ盛り上がって終わるからね。 その後に中途半端な山場をもう一つ設定して、わざわざ盛り上がったテンションをシラケさせるのはどいういう 考えなのかな。つい、山本ってど素人?と思ってしまうよ。 物語の中盤で提示される「神の意図」。終盤近くで提示される「悪役の動機」。その直後に提示される 「神の本当の意図」。この3つの配置がちぐはぐなんだよね。こう並んでいれば普通は3番目のやつが 一番インパクトがあると期待するじゃないか。ところが肩すかしを食らってしまう。読者に肩すかしを食らわすのも 一つの手法だが、普通それは中盤で行うものだろう。そして最後に読者を満足させる仕掛けを用意しておく。 すると途中で肩すかしを食らった分、いっそう読者は感動にうちふるえるわけだw。 技術力は未熟だが斬新なアイディアを評価された期待の新人…というなら許せるけどね。何冊も小説を 書いているプロの仕事には見えませんな。
155 名無しさん sage:2003/11/07(金) 02:21 プロなら「神の本当の意図」を衝撃的に書けないなら、構成を工夫するなりして持てる材料が効果を最大限 発揮するように演出するものだと思うけどね。アイディアが面白ければいい、考証がきちんとしていればいい、と そんなことばかり重視しているから、自分の持っているものを最大限使って読者を楽しませてやろうという努力が おろそかになるわけ。一言で言えば素人小説家ですな。
156 名無しさん sage:2003/11/07(金) 16:18 加古沢から真相を打ち明けられた優歌が、 加古沢のアイデアを「真実じゃない、見当違いもいいとこ」と一蹴する件がある。 「そんなのはただの仮説にすぎないじゃないか!」 「証明されていない!」と食ってかかる加古沢に対し、 優歌は、 「兄は証明されてもいないことを信じる人間じゃない。 確かに実験によって証明したのよ。 それに現実に起きていることに合ってる」と反論する。 でも何のことはない、良輔の「結論」も五十歩百歩ということだな。 加古沢の言うとおり、せめて「仮説」どまりにしておけば、 それなりに興味深いアイデアであるとは思うんだけどね。
157 名無しさん sage:2003/11/07(金) 16:22 あ、ちょっと訂正。 ×一蹴する件がある。 ○一蹴し、人類が「サールの悪魔」であるという良輔のアイデアを教える件がある。 ちなみに472ページね。
158 名無しさん sage:2003/11/07(金) 17:35 >>156 > 「兄は証明されてもいないことを信じる人間じゃない。 > 確かに実験によって証明したのよ。 > それに現実に起きていることに合ってる」と反論する。 > でも何のことはない、良輔の「結論」も五十歩百歩ということだな。 ですな。トンデモさんは何かと理屈をこねて「こうとしか考えられない。これ以外にこの現象を説明する 方法はない」などというが、「兄」もトンデモさんだったわけだね。 「兄」の説は徐々に社会に受け入れられ始めている、と冒頭に書いている(この本は過去を振り返る 形で書かれているから)が、困ったものだ。山本の描いた21世紀はトンデモ説に徐々に世界が汚染されていく 世界のようだ。まさに「新しい宗教」の出現ですな。 どうせあれこれエピローグとして詰め込むのなら、この世界で自然科学がどう現実(超常現象が日常的に起きる 世界)と折り合いをつけているのかを描いてほしいものだ。
159 名無しさん sage:2003/11/07(金) 17:59 多分一時的に自然科学の権威は暴落するはず。こんなものは役に立たない屑だ!とね。 しかし全く捨て去ってしまっては飛行機にも乗れないし原子力発電も使えない。病院でもらうクスリも信じられない。 それに気づいて人々は徐々に再び自然科学に戻ってくるだろう。全面的に信頼はできないが、多くの場合は自分たちの役に立つもとして。 また「超常現象保険」とかができるんじゃないかな。とにかく超常現象は科学の外にあって予測も対策もとれないのだから、 不幸にして遭遇してしまった後のことを考えるしかない。一時的に既存の宗教団体とかは「超常現象除けのお守り」とかを 売り出すかも知れないが、そんなものが効果がないことはすぐ分かる。現実の世界では超常現象が滅多に起きないから お守りとかの有効性の検証が難しいわけで、これほど頻発するなら逆に有効性の立証は簡単だろう。 そして社会は超常現象によるアクシデントを見越して、安全率を多めに見積もって動くようになるだろうね。 A案が超常現象に遭遇してポシャっても予備のB案で対応できるように。案外ゆとりのある社会になるかもね。 自然科学は今以上に統計を重視するようになるだろう。超常現象は理屈の外側にあるのだからノイズとして 排除するしかない。いままでもそういったノイズ(ハイストレンジネスですな)となんとか折り合いをつけて自然科学は 進歩してきた。この傾向がいっそう進むだろう。もちろんノイズと正規の信号の主客が逆転してしまうほど超常現象の 頻度が上がってしまえばダメだけどね。 しかし神はそこまで超常現象の頻度を上げることはないんじゃないかと思う。そこまでいってしまうとカオスになってしまうからだ。 複雑系では古典的な物理学で処理できるシンプルな世界とカオス(全くのランダムな状態)の境界線上にさまざまな 興味深い現象が観測される。完全に予測できるような世界でも、まったく予測が不可能な世界でも興味深い現象 (自己組織化とかね)は現われない。その境界線(カオスの縁と呼ばれる)にさまざまな現象や構造が現出するのだ。 だから神もこの世界がカオス状態になるほど超常現象を起こすことはないと思う。 この「カオスの縁」を題材にした小説として「ブレインヴァレー」とかあるね。この小説もクライマックスで「神」が現われる。 うんちく話満載だし緑色の宇宙人とかUFOとかがあからさまに現われる。トンデモとされる題材を逆にこれみよがしに 詰め込んでいる点など、神チンと似ているね。山本ってもしかしてこれをまねして書いたんじゃないのかなw
160 ネタバレ! sage:2003/11/07(金) 22:58 兄の結論を要約すると、だいたいこんな感じかな。 ・地球は、神の作った「ドーキンス・ガーデン」であり、 「グローバル・ブレイン」であり、バカでかい「中国語の部屋」である。 ・神が起こす「超常現象」は、 地球というグローバル・ブレインに向けて発するメッセージであるから、 「脳細胞」である個々の人間が、その意味を理解することはできない。 ・また、「中国語の部屋」の喩えに置き換えるなら、 超常現象は「中国語」であり、人類は「サールの悪魔」となる。 ・人類は、神の「お遊び」に付き合わされているにすぎないのだ。 もっとも、この理屈に従うなら、 個々の人間が神と直接コンタクトを取ることは不可能なのだから、 この理屈自体の正当性が実証されることもありえないのである。 つまり、永久に「仮定」のままなのだ。 ・テクノロジーが発展するにつれ、 神のメッセージもより高度なものとなっていく。 すなわち、超常現象の発生する頻度が、いっそう高まっていく。 しかし、ここで疑問が湧く。 最終章『私は信じる』には、以下のような記述がある。 > また大惨事が起きたらとびくびくしていたのだが、 > あの氷塊の降った日以来、 > 私(優歌)の周囲では目立った超常現象は起きていない。 兄の結論に従うなら、 「特定の脳細胞」である優歌は今後、 より頻繁に超常現象を体験するはずではないか? 以上、簡単にまとめてみました。 おかしいところがありましたら指摘してください。
161 名無しさん sage:2003/11/08(土) 00:06 >160 サンクス。 次は悪役の動機と日朝戦争の理由付けをキボンヌ。 ・・・ところで、昔山本は小林泰三の「AΩ」に対し、 星雲賞の落選運動を行ったんだが、その時の主張をSF板の山本弘スレ(パート1) から発掘してきた。 一寸長くなるが、以下引用>371 「山本氏の批判のポイントは、 ・文章が下手。「~なのだ」なんて話し方をする人は普通いない。 ・人物の描写も下手。生きた人間という感じがしない。 ・主人公の体重が増えていることに、周りの人間が誰も気がつかないのは変。 事故に遭ったのなら精密検査くらいするはず。 ・怪獣が現れて人を襲ってるそばで、悠長に2ページにも渡って議論をするのはおかしい。 ・超知性を持つはずの異星人が、まるっきり地球人と同じ話し方をするようでは ハードSFとして失格。 ・ところどころで「論理的な思考とは」という講釈をしているが、 まずは作者自身が論理的な思考を身につけるべきである。 ・ギャグが寒い。「あのー、ここはひょっとして笑うところでしょうか?」と 読んでていちいち作者にお伺いをたてたくなってしまう。 ……という感じです。ついでにSFマガジン8月号の書評記事にも触れ、 この作品を褒めていた大倉氏と風野氏を「お前ら本当はハードSFなんて 読んだことがないんじゃないか? 難しい科学用語が出てくればハードSFだと 思ってるだろ」と罵倒していました(誇張ではなく、本当にこんな口調)。 ちなみに山本氏は、小林氏のほかの作品は読んだことがないそうです。 お楽しみいただけたようで光栄です(笑)。あと、こんな記述もありました。 「瀬名秀明や鈴木光司も下手だけど、そんなのとは比べ物にならないくらい壮絶に下手」 「最高の食材が下手な料理人の手にかかって、まずい料理にされてしまった気分」 「こんな駄作を手放しで誉めなきゃならないほど、日本のSF界は落ちぶれていないと思うが」 「この作品があちこちの書評で好意的に紹介されたのは、ハードカバーで出たせいだろう。 富士見や電撃で出ていたら、誰にも見向きもされず忘れ去られていたはずだ」 「ヤングアダルトの世界では、この程度の作品は掃いて捨てるほどある」 ……すいません。ここに来てる方にお聞きしたいんですが、 瀬名秀明・鈴木光司・小林泰三の3人より山本弘のほうが上手いと思う人って いるんですか? 」
162 名無しさん sage:2003/11/08(土) 00:08 この中で白眉なのは 「この作品があちこちの書評で好意的に紹介されたのは、ハードカバーで出たせいだろう。 富士見や電撃で出ていたら、誰にも見向きもされず忘れ去られていたはずだ」 だね(笑 さて、神珍はAΩのような好意的な評価を受けられるのかな?
163 K.K sage:2003/11/08(土) 00:14 >>160 >「特定の脳細胞」である優歌は今後、より頻繁に超常現象を体験するはずではないか? 兄の答は要するに「分からないから、訊かないでくれ。」となっていますよ(P489)。他の部分は概ね同意です。 --- あの大変動についての感想が「喜ばしいことがひとつ、占星術がなくなった」という具合では、優歌とはどういう人間なんやねん、とか思ってしまう。 悪役 加古沢が死ぬ前くらいで幕引きしてたら、別の感想になったかも知れない。 「SF秘密基地」での宣伝文句のひとつ「全ての謎は解き明かされます」はどうなったんだろう(分からない方が悪いのかも知れないが)。
164 名無しさん sage:2003/11/08(土) 00:31 >>162 つまり山本はこう思っていたいわけだ。 「俺は富士見や電撃あたりで出ているから誰にも見向きされないけど、 もしハードカバーで出たら、好意的に紹介されるのは間違いない!」 ということは「神ちん」が発売なって一週間が過ぎ、そろそろあちこちの 書評で大絶賛される頃だね(w
165 K.K sage:2003/11/08(土) 00:41 小出し。小説世界では「神のシミュレーションが微細な領域までは行われてないかも知れない」旨あるけど、じゃあ小説世界でも言及・期待されている量子コンピュータとかはどうするんだろうか。 量子コンピュータまでいかなくても、量子論がいい加減になると、例えば、トランジスタ(^^;)でも困るはずなんだけど。
166 名無しさん sage:2003/11/08(土) 01:48 >>163 > 優歌とはどういう人間なんやねん、とか思ってしまう。 山本のような人間w だってこの小説、山本しか出てこない。兄も妹も親友も老人も悪役もみ~んな山本そっくりw 山本というアーフしかいないドーキンズガーデンですなw
167 名無しさん sage:2003/11/08(土) 01:54 >>165 量子論そのものがシミュレーションの手抜きによる結果という考え方はどう? 俺たちが行うシミュレーションでもランダムな要素を組み入れるが、ランダムというのは手を抜いているだけだ。 もっと細部まで演繹的にシミュレートすべきところを乱数でお茶を濁すってことはあるよね。 微視的世界を分析していくとあるところ以上は確率が支配する世界となり因果関係が追究できないのは、 同様に神が手抜きをしているからというわけ。
168 名無しさん sage:2003/11/08(土) 02:30 なーんか「愛と幻想のファシズム」みたいな話みたいね。 「愛と~」の主人公を悪役にして、SF(中学生感覚)にしたみたいな。>>161 でもまあ、奴さんの気持ちは分からんでもない(w 特に鈴木光司に対する思いは。貞子サーガで大金手に入れたろうし、なにより 最終的にはハリウッドで映画化だもん。嫉妬もするでしょ。
169 名無しさん sage:2003/11/08(土) 02:51 作中に書かれている神が使っているコンピュータの話で出てくる トランジスタの小型化の限界ってどれぐらいを想定しているんだろう。 ちょっと気になった。 現実世界では90nmとか45nmあたりを目標に研究を進めているようだが、 ゲート長15nmのトランジスタとかが実現されていて、 山本の大好きなカーボンナノチューブを使った半導体の開発に成功すれば 現行の1000倍以上の性能のコンピュータを作り出せると言われている現在 山本の想定するコンピューターの性能がどれほどのものなのか、気になるところです。
170 名無しさん sage:2003/11/08(土) 02:55 人間の知性がどうのこうのというあたりで思ったのだが、 山本の考えている人工知能って一昔前に流行ったエキスパートシステムとか 人口無能を思い出させられる。 なんとなくだが、読んでいて懐かしい感覚がよみがえってくるんだよね。
171 K.K sage:2003/11/08(土) 03:53 >>167 なるほど、それは言えてますね。 ならば神の手抜きを見破るには・・・「シュレディンガーの猫」を使うか、それとも量子暗号を神が盗聴するかどうか。 うーん、何かないかな。思案中・・・って、読者が補足することではないか (^^;;。 何はともあれ、私の>>165 は考え不足でした。すみません。 --- 小説での「兄」の残したデータに、ちょっとペンローズが提示している意識問題についての批判の文章があったりするんだけど、巻末の参考資料欄にはペンローズの著書の記載がないのはちょっと不満。 これが、何か引っかかってしまっている。ペンローズは模索はしているけど、結論は出していないはず。「兄」はペンローズが結論を出したかのように書いている。 (まあ、ペンローズの件の一連の著作に賛成している人は少ないのは事実だから、やむを得ないか。)
172 名無しさん sage:2003/11/08(土) 04:40 >>170 エキスパートシステムというよりはニューロ(ニューラルネット)だね。 一昔前に流行ったニューロファジー家電。ニューロ洗濯機とかファジー掃除機とかw
173 名無しさん sage:2003/11/08(土) 04:56 >>169 結局山本の小説だと、ある場面では我々の世界の延長で神や神の使うコンピュータを推測し、 また別な場面では神や神のコンピュータは所詮我々には理解できない存在である、とぶち上げているんだよな。 人間以上の存在を人間が推し量るという既存の宗教が抱えている矛盾をまったく何の工夫もなく周到してるわけ。 いやそれ以下かもしれない。既存の宗教の方がまだ「神の御心」について手間をかけて大衆を騙す工夫をしている。 山本の小説はその工夫すらしていない。 こんな穴だらけの山本流宗教を登場人物がこぞって「今までの宗教は信じられなかったが、この”宗教”なら 信者になってもいい」なんていうから、なおさら読んでる方はシラケてしまう。はっきりいって小説のこの当たりを 読んでいて抱く感覚って、うさんくさい宗教のご高説を拝聴しているときに抱くそれと同じなんだよな。 まあ山本の目的が自らトンデモ本を書くということなら、大成功を納めているわけだが…
174 名無しさん sage:2003/11/08(土) 05:09 考えてみればこの小説の手抜き加減は既存の宗教どころか、既存のトンデモ本以下だ。 飛鳥あきおや五島勉とかはそれなりに「読者を騙す」ための工夫に手間をかけている。 漫然と読んでいればつい「なるほど」と思ってしまう程度にね。 特に山本の本はSFなんだから読者は騙されたくて読んでいるわけだ。ところがこれほど有利であるにもかかわらず 全然騙してくれない。出てくるのは「いくらなんでもこれで騙されるわけにはいきませんよ」というような陳腐なものばかり。 俺はまた最後に大どんでん返しが用意されていて、これまでの陳腐な理屈はすべてこのオチのためだった、と驚かせて くれるのかと期待したんだけど、見事期待は裏切られてしまった。意外な結末とはこのことなんだろうな。
175 名無しさん sage:2003/11/08(土) 05:35 >>171 もっとも、量子論が神のシミュレーションの手抜きの副産物なら、神自身は量子コンピュータを使えないんだけどね。 なんにせよ山本の小説のこの辺の説明は矛盾の荒らしですな。「量子コンピュータ」というカッコいいものを小説に 出したいがために無理に無理を重ねている。小説の別な箇所で語られているようにこの世界の時間の流れが 神のそれと一致する必要などないんだから、別に量子コンピュータなんてものじゃなくてもっとチープなものでもいいはずなのに。 何度も言うけど、読者を騙すためにはもっと手間をかけることだ。シミュレーションに手抜きをしているのは 他ならぬこの小説の登場人物にとっての神である著者、すなわち山本自身ってオチなのかな(w
176 名無しさん sage:2003/11/08(土) 10:00 小説の最後の方で兄妹が「慈愛に満ちた神」はいないことを世間に公表するか話合うところがある。 (従来の宗教が描くような)神がいないとわかれば神を信じて正しく生きてきた人々はそれをやめてしまうのではないか、と懸念する兄。 それに対して「人はこの何千年かずっと神なしでやってきたんだから大丈夫」と諭す妹。 これってなんかおかしくないのかな。ここで「神」と呼ばれているものは奇跡(=超常現象)を起こす主体としての存在だ。 山本は宗教を信じている人々は神が奇跡を起こすから神を信じているとでも思っているのだろうか。 そういう人もいるだろうがそんなのはごく一部だと思う。宗教を信じている人はそれによって自分の心の平穏が得られ、 また正しく生きる指針を与えてくれるから信じているのだ。もちろんそれらは人間が作り出したものだ。宗教を信じている 人間の多くはオカルトチックな超越者(=神)を信じているのではない。人間が長い歳月の末作り出した教義を信じているのだ。 だから兄の懸念は的はずれだし、妹の反論は当たり前すぎて無意味だ。山本はオカルトに毒されているからこうした考え方しか できなくなってしまったのだろう。神の実在性と宗教の教義は独立したものなのだ。人は神を信じているのではない。 もちろん聞けばそう答えるかもしれないが、それは形だけのこと。実際は教義を信じているのだ。そうしたことが理解できない山本は あくまでUFOや心霊の検証よろしく神の実在性のみをひたすら問題にする。そして実在したとしても人間には無関係な存在と 結論づける。 そんな超常現象を行う主体としての神の実在性を重視するのはオカルト好きぐらいなものだ。世界の人々はそんな「神」を重視してはいない。 教義にかかれている慈愛に満ちた神、悪を厳しく裁く神、ようするに人間の創作物である神のファンが信者なのだよ。 小説の主人公に惚れ込むのと基本的には同じだ。しかしその作品が長い歳月をかけて多くの人が作り上げたとびっきりの名作だというだけのこと。 結局山本は誰も(一部のオカルティストを除いて)信じていない神を実在させ、そして(実在しても人間には無関係だと)否定して見せただけのこと。 単なる一人遊びに終わっている。オカルトと宗教は確かに重なる部分も多いが、異質の部分もまた多い。超能力やUFOならばインチキを 暴けば人々はそれを信じなくなる。しかし宗教は暴くべきインチキは存在しないのだ。もちろん余興として奇跡を見せることはどの宗教でも 行われるが、それはあくまで余興であり本質ではない。これがオカルトと宗教の違うところだ。 この程度の認識で宗教や神を語るとは笑止千万。ま、オカルト専門家の宗教に対する認識はこの程度ってことかもね。
177 名無しさん sage:2003/11/08(土) 10:38 山本は作中で 神の実在性を信じること 神が正しいことを信じること この2つは違うものなのに多くの人はこれを混同していると語っている。しかし考えが足りないのは山本自身の方なのだ。 山本はこの2つを上げてはいるが、その論旨は「たとえ神が実在しても、その神が正しいとは限らない」という点にある。 そして小説ではその通りの神を描いて見せたわけだ。得意げに。しかしなぜ山本は「実在しなくても、正しいことを行う 神を信じる」という組み合わせを思いつかないのだろう。この辺の山本の思索の限界があるのかもしrない。
178 名無しさん sage:2003/11/08(土) 10:57 >176 はおもしろいことを言ったね。俺もそう思うよ。 俺は無宗教だけどさ。山本は宗教がなくなれば戦争がなくなるというが、そんな単純 じゃないだろ?日本人的無宗教社会で育ってきたからこそ言えるだけであってさ。 経済とか法律とか民主主義とかって、実際にユダヤ=キリスト教的なものから生まれて 来たわけじゃん。確かに日本は宗教なしに近代化して経済はそれなりに立派になったわけ だけど、法律とか、民主主義(政治)とかは恐ろしくヘタクソ。その原因は一神教がない せいだったりするわけじゃん。しかし、その政治の矛盾が過去沢の独裁を生むわけだから おかしな話だよな。 とにかく、今、山本大先生は国際社会に一石を投じたつもりになっておられるのではない かと心配するわけよ。宗教がなくなることで、今の世界は平和になると(クスクス…) ここらへんは社会学とか思想の方がもうちょっと考えていると思うがなあ。優歌を早々に 退学させているようでは無理な話か。はっきり言って、描かれた登場人物たちの純真さや 正義感に比べても作者の傲慢さが露見したってところか。
179 名無しさん sage:2003/11/08(土) 11:04 このスレの評価を呼んだ限りでは、神と宗教テーマなら車田正美作・『ビートX』内の1エピソードでしかない『鳳VSクアトロ戦』の方がはるかに優れているようだ。 やはり、ここらへんが大ヒット漫画家と三流小説家の力量の差か……。
180 名無しさん sage:2003/11/08(土) 12:07 >176 なんか言いたいこと全部言ってくれたな、感謝。 しかし、山本さんには1度宗教信じてる科学者をどう思うか聞いてみたいね。 当方クリスチャンな理論生物学屋だが、神沈は読んでて不快そのものだったよ。
181 名無しさん sage:2003/11/08(土) 15:38 >>176 に同意。 よく言うよね。キリスト教圏の人間は「神、天使は存在する」と言う、と。 たしかにそういうことを言う人は多い。 しかし、これは聖書なんかに出てくる、超自然の存在を完全に信じ込んでる ってことではない。神や天使という言葉を借りて、理想や人生観を語っている だけだ。彼らは迷信深い蛮族なんかじゃ決してないぞ。 そりゃ狂信的な奴もいる。周囲に被害(あえてそう言うが)をあたえる連中はね。 でも、それは少数派だ。殆どの人間はまっとうな理性と、充分に水準を満たす 科学的思考の持ち主だ。 また「狂信者」だって単純じゃない。周囲を攻撃する理由を、信仰心からとは必ずしも 言えない。独占欲や自己顕示欲といったものを、信仰心と実は偽ってる場合が大変多い。 オウムなんて良い例じゃないか。 こんなことは誰だって知ってる。普段イチイチ口に出さないだけでな。 誰でも知ってる常識と、山本弘の作品はかけ離れてる。つまりリアリティに 欠けてるんだよな。どうでもいいデティールばかりにこだわって。 小賢しい知識だけ豊富で、肝心の視野が狭い中学生的な世界観だ。 あ、その年代には受けが良いかも。「創竜伝」「エヴァ」「ゴー宣」とかみたいに。
182 名無しさん sage:2003/11/08(土) 16:01 そこでなぜ「エヴァ」がでてくるかな。 なんならケンカするか?
183 ネタバレ! sage:2003/11/08(土) 17:03 加古沢の動機については、こんな解釈でどうでしょうか。 ・加古沢は、神と人間の関係を、 「ダーウィンズ・ガーデン2」におけるプレイヤーと「アーフ」に置き換えた。 すなわち、神に好まれ、選ばれる人間とは、 他の同種にはないユニークな個性を持つもの。 その「個性」は、人間社会の倫理とは無関係である。 なぜなら、神には人間の考え出した概念など通用しないからだ。 よって加古沢は、自分一人の力で「同時多発テロ」を起こし、 日朝戦争の引き金を引くことで、 「プレイヤーに選ばれる個性的なアーフ」になろうとした。 しかし、この発想には矛盾がある。 神が人間の思考の及ばない存在であるなら、 人間の間でしか適用されない「個性」なども、 神にとっては取るに足りないものであるはずだ。 けっきょく加古沢は、人間の卑小な視点でしか神を捉えられなかった。 そして自らも「死んでもセーブもされないボンクラ」の一人にすぎないという事実に気が付かなかったのだ。 ・「ダーウィンズ・ガーデン2」の世界観を現実に当てはめるなら、 神(プレイヤー)の目的は、 自分に匹敵する人間(アーフ)を創造するということになる。 それにあたって神は、人間に災厄(カタストロフ)をもたらすことで、 その進化を促そうと試みる。 同時にこの発想は、『神沈』以前に世に出た、 神と人間との関係をテーマにした作品のほとんどに共通するものである。 そして、そうした旧来の世界観を覆すのが、 「ドーキンズ・ガーデン」である。 それは、加古沢の持論を否定するだけでなく、 帯にあるとおり「現代人の神の概念を根底から覆す」ものなのだ。 (少なくとも、作者はそう考えた)
184 ネタバレ! sage:2003/11/08(土) 17:04 「日朝戦争の理由付け」については、僕は政治には疎いのでパスします。 ごめんなさい。>>161 >・文章が下手。「~なのだ」なんて話し方をする人は普通いない。 「見てごらんなさい」(P140)なんて言うジジ臭い22歳も普通いないと思うけどw>>163 >兄の答は要するに「分からないから、訊かないでくれ。」となっていますよ(P489)。 あれ?「すべての謎は解き明かされ」るんじゃなかったの? JAROに訴えてやろかしらん。 けっこう楽しみにしてたのにな。 ま、もっとも的確な答えは、「優歌がこの小説の主人公だから」なんだろうけどねw ちなみに、同じ宣伝ページにはこんな文章も載っているね。 >あなたが既成の宗教の信者であったなら、 >この小説はきわめて不快な内容であるかもしれません。 >なぜなら、この物語は、あなたの信じていることを徹底的に打ち砕くからです。 小説の内容より、作者の宗教に対する態度がいかがなものかと・・・。
185 名無しさん sage:2003/11/08(土) 18:25 >>183 いやちがうよ。グローバルブレインの話をごっそり飛ばしてしまっている。 神は自分と同じような存在をシミュレーションによって作り出そうとしているが、それはあくまで アーフの集団(人類全体)としての存在だ。つまりグローバルブレインこそが神の評価対象であり、 個々のアーフ(人間一人一人)は単なるパーツということ。 現在のコンピュータでいえば一個一個のトランジスタに過ぎない。ニューラルネットなら一つ一つの ユニットだね。それが何十、何千と集まってコンピュータやニューラルネット構成しており、ユーザーで ある神が注目しているのはコンピュータやニューラルネットの性能であって一つ一つのトランジスタなど 眼中にない。 これが山本の描いた神と人類の関係だよ。まあ集合意識って発想は古くからいろいろな分野で 出てくるから珍しくもないけどね。グローバルブレインとうのもそういった過去の発想の延長に位置する。 立花隆の「インターネットはグローバルブレイン」はさらにその焼き直し。そして山本の神チンはさらに それの焼き直しということだ。 山本は大量のうんちくを詰め込むことでごまかしているが、試しにそれらを取り除いて読み直してみるといい。 この4番煎じの陳腐な発想が恥ずかしくて読んでる方が赤面すること請け合いだ。
186 名無しさん sage:2003/11/08(土) 18:35 この集合意識と神を絡めた作品としては道原かつみ(銀英伝の漫画を書いてる人ね)の「ノリメタンゲレ」が よくできてるね。大脳工学が発達しそれまでとは人間の思考能力が飛躍的に高まった時代。ついに意識だけを 過去の人物に飛ばすタイムマシン(?)が完成した。ところがそのタイムマシンを乗っ取って不法に過去に介入しようと する人物が現われた。ターゲットに選んだのはイエスキリスト… <ここからノリメタンゲレのネタばれ> 介入を阻止しようともう一人がペテロに憑依(?)する。さまざまな紆余曲折を経て次第にイエスの時代には 未知のエネルギーが存在していることが明らかになる。実はそれは大脳の能力を100%活用できない過去の 人類の余剰エネルギーが集まったものだった。そのエネルギーはしばしば特定の人間の意志に反応し奇跡を 起こす。この「神」は大脳工学が発達し人間が自分の大脳の能力を100%活用できるようになった時ひっそりと 消滅したのだった。 </ネタバレ終わり>
187 名無しさん sage:2003/11/08(土) 18:40 <ノリメタンゲレのネタバレの追加> 読者はペテロに憑依した未来人の目を通して過去の人物であるキリストの足跡をたどっていく。 そんななかに未来人がこんな感想を抱く。「この時代の人々は実によく祈る」と。おそらくこの「祈り」が 個人の脳では活用されずに余ったエネルギーを外部に放出する手続きなのだろう。 </ネタバレ終わり>
188 名無しさん sage:2003/11/08(土) 19:18 >>183 で、悪役の発想についてはそれで合っている。ダーウィンズガーデンをプレイしている人間が珍しいアーフを 保存しコレクションするように、神も珍しい人間(のデータ)を保存してコレクションするだろう。そういう人間に なれば神に自分(のデータ)をセーブしてもらえ、折に触れて再生してもらえるので永遠の命が手に入る。 これが悪役の動機だ。この部分は結構感心したよ。手間暇かけて準備をしておいて、結末であっと驚く アイディアを披露する。アイディアだけをポンとだしても違和感を持たれるだけだからね。SFやミステリーなんて こうした準備の部分が大半なわだ。 兄も途中までは悪役と同じ考えだった。というか兄の考えを聞いて悪役はこの計画を思いついたのだ。 ところが兄の方はさらに研究を重ねる内に別な結論にたどり着く。神と対峙するのは個々のアーフ(人間)ではなく、 ミーム集団(グローバルブレイン)である、と。しかしその「証明」はフィクションとしてすら不出来で全く説得力がない。 証明されているという内容も陳腐だし証明されているという説明も説得力を欠いているし、はっきりって大いに幻滅した。 また兄は空から降ってきた子供の生き残りを引き取って育てているのだが、この娘を兄は殺してしまいたい 衝動に駆られたそうだ。その衝動から逃れるためにオーストラリアに失踪したらしいが、この兄の失踪の動機も はなはだ説得力に欠ける。 神は個々の人間など相手にしていない。当然慈愛や正義とも無縁の存在である。この事実に対して兄は 喩えようもない絶望と無力さを感じ、「もしここで自分の意志とは反対のことをすれば、もしかしたら一つの 部品にすぎない自分でも神に逆らえるのではないか」と考えてしまうらしい。もちろん自分の意志に反した 行動とは愛する娘を殺すことだ。 俺はこの部分の兄の思考が何度読み返しても理解できないんだよね。自分が神に対して無力な存在だと 分かることが自分の娘を殺してまで拒絶したくなるほどの絶望を生むものなのだろうか?どうやら子供の頃に 両親を土砂崩れで亡くした時から抱いている神への感情(?)が関係するようだが… 不幸にして愛する人を亡くした人は世の中に大勢いるし、そういう人たちが神に対して自分の無力感を 感じない分けでもないと思うのだが、愛する人の死にまつわる感情から現在生きている愛する娘を殺したくなる、 という部分がどうにも理解できない。 まあ自分が抱いていた神のイメージを自分で否定してしまったためショックでパニックに陥っていたのかも知れないが、 「慈愛に満ちた神は存在しない」ということが、そこまでショックを受ける内容なのかね。まあ何を重要だと思うかは 人それぞれだけど、そうなると山本の娘も気をつけた方がいいんじゃないね。山本も常人には予測できないような 理由で自分の娘を殺したい衝動にとらわれないとも限らないからw
189 ネタバレ! sage:2003/11/08(土) 20:51 >>185 >いやちがうよ。グローバルブレインの話をごっそり飛ばしてしまっている。 いや、>>183 では「加古沢の動機」と「ダーウィンズ・ガーデン2」を解説したわけだから、 グローバル・ブレインの話は関係ないと思うんだけど・・・。
190 名無しさん sage:2003/11/08(土) 21:19 >>189 加古沢の理屈自体は(兄の仮説が正しいとすれば)矛盾はないと思うけど? 神はユニークなアーフに価値を見いだすという前提なら加古沢は神の目から見てもユニークだと思うよ。 人間のその他大勢は大量虐殺をしないから、大量虐殺をするという人間はその点ユニークだ。 このユニークさの判定基準は一応の客観性がある。 もちろん神が客観的な判断を行うという保証はないけどね。あくまで神の個人的な嗜好で選ぶと すればどんなアーフを好んでセーブするかは確かに予想できない。人間が他人の嗜好を予想できないように。 しかしそれだと不可知論になってしまってはっきり言って小説として面白くなくなってしまうんだよね。 超越者を題材にした小説はどれも多かれ少なかれこの問題に突き当たる。超越者の嗜好は 所詮は人間などに理解できるものではないと一方で語りつつ、かといって不可知論にしてしまっては 何の面白みもない小説になってしまう。このさじ加減が著者の腕の見せ所になる。 加古沢の動機についてはそこそこ山本はこのさじ加減の調整に成功していると思うよ。 一方神の本当の意図については大失敗だね。せめて出てくる順番を逆にでもすれば多少マシに なったかも知れないのに…成功の後に大失敗の例を見せつけられるよりは、失敗の後にそこそこの 成功を見せられた方がまだマシだった。
191 名無しさん sage:2003/11/08(土) 21:28 まあ、ここまで貶すのも、俺の場合読んでて途中でオチが予測できてしまったからかも知れない。 予測しつつもまさかこんなオチであるはずがないと心の中で希望をつなぎつつ読んだら、予測通りだったのでなおさらだ。 もしかしたらオチが最後まで予測できない人が読めば、そこそこいいSFに見えるのかも知れない。まあそんなことが あるのかないのかは、それこそ俺にとっては不可知だけどね。SFやミステリーの場合読んでいてオチが分かってしまうほど 幻滅させられる事はない。例えばクリスティーのアクロイド殺し、最近では森博嗣の笑わない数学者などは 途中でオチが分かってしまい非常に損をした気分だ。ここまで失望させられると逆に多少アンフェアな手を使ってでも 最後までオチが分からないようにしておいてほしいと思ってしまうね。
192 K.K sage:2003/11/08(土) 21:44 >>182 小説の最初のほう(P31)で、男子生徒にもてる優歌を評して葉月が言うセリフで、エヴァンゲリオンがちょっと引き合いに出されています。 >「世間じゃあんたみたいなのが流行りなのよ」葉月は笑いながら解説してくれた。 >「綾波タイプって言うの? 無口で、ちょっと病的で、何考えてるのか分からないお人形さんみたいな女の子。 >男どもにしてみりゃ、ロボットみたいに言いなりになってくれる、都合のいい女に見えるんじゃないの? >だから生身の女とつき合うのが面倒くさいような連中が、『こいつだったらいけるかも』って、寄ってくるわけよ。 >あたしなんか逆。お喋りだし自己主張が強いから、男なんか寄って来やしない」 私はどんな作品であれ、読んでいる最中は没頭するクチなんですが、この部分で思わず現実世界に引き戻されました。 「えーっと、いきなりなんだこりゃ・・・綾波ってそういう風に描かれてたっけか? 綾波って一種不気味で近寄りがたい感じじゃなかったんじゃ?」。 とりあえず気に留めないようにして再び没頭して読み進んだんですが(つまりいったん心に棚)、読了後も、違和感として残っています。 作品の真の神である作者が、作品世界に直接干渉した一瞬だったのかも知れません。 --- エヴァンゲリオンはビデオを消してしまっていて、私の思い違いがあるかと思います。 私の勘違いであれば、上記は気にする必要がなくなりますので、ご指摘頂けますと大変ありがたいです。
193 ネタバレ! sage:2003/11/08(土) 21:45 >>190 あぁ、たしかに矛盾しているわけではないね。 倫理も個性もしょせんは人間が作り出した概念にすぎず、 神は個々の人間などいちいち区別して認識していない。 加古沢はそれに気付いていない・・・ということを言いたかったんだけど、 これは兄の理屈が提示されてこそ言えることだからね。 加古沢の理屈自体は、それで完結してるんだよな。スマソ。
194 名無しさん sage:2003/11/08(土) 21:56 >>192 山本の頭の中の綾波はオリジナルのそれではなくてエロ同人誌とかに出てくるおもちゃになってる綾波なのかもねw
195 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:04 >>192 >綾波って一種不気味で近寄りがたい感じじゃなかったんじゃ? エヴァに登場する女性キャラの中では、綾波が一番人気あったって聞いたことあるけど? (資料はどっかいっちゃって出てこない。スマソ) 「不気味」というより、「神秘的でクール」というイメージの方がしっくり来ると思うけど、 それは好みの問題じゃないかね。
196 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:11 >>192 クラスメイトからは気味悪がられていたが、 ゲンドウの指示にはロボットのようになんでも従っていたから、 (綾波自身からするとそうではないが、少なくともアスカや初期のシンジにはそう見えていた) まあ、あたらずと言えども遠からず、か。 あと、オタク用語で「綾波タイプ」と言えば、綾波レイ自身のキャラクターではなく、 その後のアニメやゲームなんかで粗造量産された、ぱっと見で似たよーなキャラども、つー意味なんで そうなるとロボット女という意味合いはかなり強くなる。 山本がそちらの意味で「綾波タイプ」という言葉を使った可能性も無きにしも非ず。 …とマジレスしてみたが、>>194 ソレダ(・∀・)!! 山本のことだ。単純にそっちの可能性のほうが高いだろうね。
197 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:40 山本は小説の中で、悪役はキリスト教も過去大量の異教徒を殺してきたのだから、オウムと同じだ、いやオウムよりも罪深い。 キリスト教徒にオウムを批判する資格などない、と暴言を吐かせる。小説って便利だね、不穏当なことは悪役にいわせればいいから。 で、主人公はこれに対して反論できず見事この主張が肯定されてしまう。 しかしこれも詭弁だね。しかも3流の。頭のいい上祐はこんな愚かな詭弁は決して口にしない。 一番の問題は、現在を無視していることだ。現在キリスト教を信仰している人々は何も出来たばかりで やたら奇跡を起こして売り込まなければならなかった新興宗教時代のキリスト教ではないし、暗黒時代の キリスト教でもない。限りなく穏当になった現在のキリスト教を信仰しているのだ。 過去を無視すべきではないにしても、先ずは現在が大事だろう。それとも過去に罪を犯した者は、 永遠に、現在罪を犯したものと同様に扱われなければならないのだろうか。例えば過去人を殺した 人間は罪を償って出所した後でも他人の殺人を非難する権利はないのだろうか。出所して平和な 仮定を築いている人間はたとえ自分の娘が誰かに殺されても、因果応報であり殺人者を責める権利は ないのだろうか。 むろん過去の負の遺産は永遠に付きまとうものだ。それから逃げることはできない。しかし無制限に それにとらわれるべきことでもない。現在こそが大事であり、そのためにこそ過去がある。このことがわからず、 過去の負の遺産を無制限に重視してしまうために、逆に過去の出来事を否定しなければならなくなってしまうのだ。 現在を生きるために重すぎる過去は否定するしかないからね。個人も国も。過度に物事にとらわれると 結局その事を拒絶せざるを得なくなるのは、神ならぬ人間の性といえる。 そして山本はこの通りの過ちを犯しているのだ。過去のキリスト教、現在のキリスト教、現在のオウム、この3つを 比較する組み合わせは複数ある。それを故意に持論に都合のいい組み合わせのみで論じて持論を主張するのは 単なる詭弁だ。すべての組み合わせを論じ、その時々のテーマによってどの側面を強調した方がいいかを包括的に 考察するのが正しい考え方なのだけどね。ま、この悪役ってのは山本そのものですな。
198 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:41 >>188 >俺はこの部分の兄の思考が何度読み返しても理解できないんだよね。自分が神に対して無力な存在だと分かることが自分の娘を殺してまで拒絶したくなるほどの絶望を生むものなのだろうか?どうやら子供の頃に両親を土砂崩れで亡くした時から抱いている神への感情(?)が関係するようだが… その部分(兄の思考)、 もっと突き詰めて描写すれば、 けっこう面白いものになったと思うんだけどね。 どうも山本の中で自己完結してしまっている。 蘊蓄を並べて満足して、キャラを深めることをないがしろにしている。 俺が思うに、 死んだ両親への想いも、娘への愛も、 けっきょくは神の「お遊び」のついでに作り出されたものにすぎない。 つまりは、ニセモノということ。 そして、そんなニセモノに振り回されていた自分に腹が立つ。 ましてや、娘も神が仕組んだ「奇跡」によって与えられたもの。 つまり、自分の心は神の「玩具」にされている。 だから、神から与えられたものを、すべて壊してしまいたい ・・・ということなんじゃないかと。
199 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:42 >>196 量産型綾波か…w
200 K.K sage:2003/11/08(土) 22:42 >>194-196 ありがとうございます。私の持っていた綾波のイメージは、少なくとも部分的には間違いであったようです。 どうも申し訳ありませんでした。 --- 余談。どうも以前にどこかで聞いた冗談が頭にこびり付いてしまっています (;_;。 「物理でいう波動は大まかに分類すると3種あり、それぞれ、縦波、横波、綾波と呼ばれ…」 (「光は媒質中、この場合には水虫では速さを減じる…」と同じくらい T_T)
201 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:47 >>198 うーむ、「自分が神のおもちゃに過ぎなかった」という事実がそれほどショックなものという感覚が どうにも理解できないんだけどね。兄って案外加古沢を上回る尊大な自我の持ち主だったりして。 俺はもしかしたら神と対峙できる可能性もある、と考えてたんだからね。
202 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:48 >>200 > 「物理でいう波動は大まかに分類すると3種あり、それぞれ、縦波、横波、綾波と呼ばれ…」 ぎえー、やめてそれ。なんかウィルスのように感染しそう。
203 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:59 山本板で源泉徴収を知らなかった件の指摘がありましたが、どう返答しますかね。
204 名無しさん sage:2003/11/08(土) 22:59 >>197 >山本は小説の中で、悪役はキリスト教も過去大量の異教徒を殺してきたのだから、オウムと同じだ、いやオウムよりも罪深い。 キリスト教徒にオウムを批判する資格などない、と暴言を吐かせる。小説って便利だね、不穏当なことは悪役にいわせればいいから。 で、主人公はこれに対して反論できず見事この主張が肯定されてしまう。 こんな薄っぺらい考察では清水義範「神々の午睡」の足下にも及ばないね。
205 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:03 >>201 >兄って案外加古沢を上回る尊大な自我の持ち主だったりして。 実際、そうなんだと思うよ。 「今まで自分の『所有物』だと思っていた意識や感情が、 実は『他者』(グローバル・ブレイン)のものだった」と知り、 アイデンティティー・クライシスを起こしたのでは。 もうここまでいくと、精神科イケって言いたくなるねw あ、だから失踪したのか。
206 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:07 >>203 「あれは『間違い探し』でした! 正解おめでとう」とか言い出したりしてw (昔の画太郎がやってたネタ)
207 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:10 もしかして「兄」って「この世界は神のシミュレーションである」という説を思いついてから、トンデモさんになっちゃったのかな。 それまでまっとうだった人間が突然トンデモ思想に取り付かれて暴走していくってのはよくあることだから。 このすばらしい思いつきに酔ってしまってトンデモさんになってしまったのかも知れない。私生活でも結婚を申し込まれたり なんやかやと変化が激しくストレスも溜っていたのだろう。 そして自分の掲示板を荒らされつつも何とか平静を保っているかのように必死に振る舞っているうちに、 周囲が気づかないくらい少しずつ狂っていったのだ。小説の中で神の真意の証明を知っている人間は誰もいない。 単に妹が自分の兄は証拠もなく物事をいう人間ではないから、多分証明も行われているのだろう、といっているだけだ。 これは兄がこれまでと変わっていないなら、という前提に基づいている。 ある説がトンデモか否かはその主張の検証のみで行われるべきで、それまでどれだけ大きな業績を上げていたかという ことは基準にならない。もしなるならばペンローズの説こそ正しいことになってしまう。どうやら突如「兄」がトンデモさん化し、 それを真に受けた加古沢が一人暴走。兄と妹はそこまで派手ではないが静かにゆっくりと狂っていく、というのがこの話の 「超真相」ではあるまいか。超常現象に見えたさまざまな現象も実はその後自然科学者がじっくりと研究していくと 法則性が発見され、世の中はきっちりと物理法則に従っていることが再発見される。この2010年の一連の出来事は 自然科学と社会に一時的な混乱をもたらしたが、過去にもこの程度のことはあった。兄妹のトンデモ説は一時期持ては やされたが次第に矛盾や不備が指摘され、トンデモ本として扱われるようになっていく。すべて世はこともなし。めでたしめでたし。
208 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:14 >>206 「実は書き忘れましたがあの世界では源泉徴収は2005年に廃止されているのです。」という答えと思われ。
209 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:15 >>204 キリスト教と一口に言っても色々あるのにね。 ひとくくりにして満足出来るとはなあ。幸せな脳みそしてるなあ。 世界各地の宗教学者や信者の人たちをまとめて罵倒してるに等しいわ。たいしたもんだ。
210 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:18 >>207 優歌が書いたこの本は2034年トンデモ本大賞にノミネートされるというオチ。
211 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:19 >>206 いや、だから山本のミスじゃなくて優歌のミスなんだってば。あの本を書いたのは優歌(という設定)なんだから(w
212 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:45 「神沈」は、と学会会長自らがトンデモ本を書くという試みなのです。 トンデモさんの独白で綴られるという形式もそれが理由。
213 名無しさん sage:2003/11/08(土) 23:52 この優歌って山本の娘じゃ…
214 名無しさん sage:2003/11/09(日) 00:17 >>209 SFやアニメに対して他の人間がこの程度の知識で何か言おうものなら「ちょっと調べればわかることさえ調べずにものを言っている 最低の人間だ」と烈火のごとく怒りまくるのにね。
215 無敵君 sage:2003/11/09(日) 00:23 >>208 >>211 2つを合成すると「あの世界では2005年に源泉徴収は廃止されている。その事を書き忘れたのは優歌の 落ち度であって俺は悪くない。」
216 名無しさん :2003/11/09(日) 01:34 まだまだ甘いな。 山本なら 「確かに源泉徴収の件は僕の誤りでした。 しかしこの空想科学読本では(略)」 と来るだろう。
217 名無しさん sage:2003/11/09(日) 03:49 山本は生物の絶滅が周期的に起きることを神がシミュレーションを行っている根拠の一つとしている。 生物は環境が変化しなければきわめて乏しい進化しかしないし、逆に環境の変化が過激すぎれば適応が追いつかず 進化どころか存続が危ぶまれる。安定と激変の周期的な繰り返しは生物の進化に実に都合がよい、という。 この部分は別に山本が考えたものではない。生物の進化について述べた書籍にしばしば登場する説である。 そしてこの激変と安定の周期性についてもすでにさまざまな仮説が立てられてる。たとえばカタストロフ理論というものがある。 複雑系では変化はリニアに進行せず、不連続に進行する。何も超常現象的なものでないのはもちろんのこと自然科学的な ものでさえない。純粋に数学的なメカニズムにより不連続性が生じるのだ。これを自然科学、殊に生物の進化の不連続性の 説明に応用しようとした試みは多い(あいにく現在のところそれほど成功を納めていないが)。 また変化が急激に起きることは我々の身近に無数にある。たとえば氷が水に、水が水蒸気に変化する場合、その変化は 急激に起きる。氷が温度が上がるに従ってだんだん柔らかくなり水になるわけではない。硬い氷が一瞬にして水になる。 何も神が恣意的に激変と安定を設定しているわけではないのだ。
218 名無しさん sage:2003/11/09(日) 04:15 >>212 トンデモ本としてはなおさらできが悪いよ。まだ飛鳥あきおや五島勉の本の方が説得力があるw
219 名無しさん sage:2003/11/09(日) 04:21 その意味では、もし山本が本気でトンデモ理論を構築して本を出したなら是非読んでみたいな。 とにかく読者を信じさせることに重点を置いたやつを一発物してくれないかなー。 まさか神チンが精一杯のレベルって訳じゃないよね?w
220 名無しさん sage:2003/11/09(日) 08:46 納税拒否→政府崩壊についてだけど、 その辺の経緯はどれくらい細かく説明されてるの? まさか 加古沢「みんな、納税やめたら政府なんて潰せるぜ!」 ↓ 国民大多数「おお、そのとおりだ、やめよう」 ↓ 納税やめる。 ↓ 収入がないので1年ほどで政府崩壊 こんなんですか?
221 名無しさん sage:2003/11/09(日) 08:56 >>183 過小沢の動機って、某所で唐沢が絶賛するほど意外な物じゃないよな。 そりゃミステリーではないかも知れないけど、不老不死になれるからという動機で悪事を働くヤツなんてSFものにはゴロゴロいるよ。
222 196 sage:2003/11/09(日) 09:50 >>192 それにしてもそのセリフ、 山本が小説の中で出したんじゃなくて 庵野監督自身が新作アニメにおしゃべり系キャラとして林原めぐみ本人を起用して言わせたものだったとしたら さぞ自虐的で痛快だっただろうなあ、と残念がってみるねじれオタがここに一人。
223 名無しさん sage:2003/11/09(日) 14:47 兄は、この世界を真実と神の意図を見抜き、絶望する。 1.世界は、神のシミュレーションである 2.神は、人類全体に興味があるだけで、人間(個人)など見てはいない。 3.また、神は人間の能力をはるかに超越しており、人間(個人)は、神とコミュニケーションできない。 この場合、人間は、どうするべきか。 この小説では、「それでも、清く正しく生きましょう」で終わってるけど、 物語(SF)は、ここから始まる気がするけどなぁ。 もうちょっと頑張れ > 山本
224 名無しさん sage:2003/11/09(日) 16:35 >>216 いずれにせよ、「源泉徴収」を一生懸命検索してるであろう。 そろそろ「年末調整」の意味が判った頃かな?
225 名無しさん sage:2003/11/09(日) 16:45 源泉徴収じゃなくても、税金払わなきゃ強制執行になるのがオチだと思うけど。 たとえ日本国民の多くが一斉に拒否したところで、法律が変わっていないのなら国側に義がある理屈になる。 金額の多い人から順番に預貯金や資産を差し押さえられてくのは目に見えてる。 で、悪質な人は逮捕だ。 そんなことが見えてるのに、「神チン」世界の人たちはなぜに加古沢に従うのだろう? 読めば分かるの?
226 信者でいいよ :2003/11/09(日) 17:48 >まさにその通りです。僕は経済に詳しくありません。だから今回もそこでいちばん >苦労しました。にわか勉強したものの、「たぶん経済に詳しい人からツッコまれる >だろうなあ」と思いながら書いていました。 構想10年でなぜにわか勉強? いくらなんでもあんまりだから、つっこんでやってくださいな。
227 名無しさん sage:2003/11/09(日) 17:58 >>226 はて? 「ちゃんと設定を調べて書かない柳田は読者をなめている」とボロカスにけなしていたのはどこの御仁だったかのぉ~?
228 名無しさん sage:2003/11/09(日) 23:06 >>227 同意。 山本ってひでえな~っ。「アルマゲドン」や「ザ・コア」ではそういう部分を採って ボロクソに叩きまくっていたのに、自分の作品では許されると思っているんだな。 こんなダブルスタンダード作家みたことねえよ!バカ山本! 「神沈」はバカ作家の書いたバカ作品だ!
229 名無しさん sage:2003/11/10(月) 03:01 このレベルではにわか勉強すらしてないと思うんだけどねえ。中学生が思いつきで書いた小説ですな。
230 名無しさん sage:2003/11/10(月) 21:14 ぐぐってみました。3分で発見したサイト http://www.nta.go.jp/category/toukei/tokei/menu/chousyu/h11/01.htm によれば、平成10年の国税のうち、 申告所得税の締める割合は7%。金額にして4兆2960億。 ちなみに滞納税額は法人税その他ひっくるめて2兆8149億円。 納税拒否可能なやつらが頑張っても、滞納額の3倍の効果しかないわけね、 抗議行動としてはインパクトあるでしょうが、しっぺ返しのほうがキツそうだ。 さすがにこのデータ、いつでもそらで言える数値じゃないが、専門家でないと 調べられないみたいな言いわけするなら見苦しいというところでしょう。
231 230 sage:2003/11/10(月) 21:21 あ、3倍の効果は「滞納額を3倍にする」の意味です、すいません。 ところで銀行が納税拒否するという設定を考えて援護してるのがいましたが、 石原都知事がきっちり利益に課税するぞと言っただけであの騒ぎ。 国がいざというとき助けてくれないとなると、一番困る連中が反旗を翻すだけの おいしい話なのかな~。
232 名無しさん :2003/11/10(月) 23:36 大体企業が「納税を拒否する」なんてことを考えるわけ無いんだよな。 企業の収入、債権の回収を保証してくれているのは法律な訳だ。 その法律を企業が率先して破ったらどうなるか。 「えーと、先月の売掛金ですが、まだ振り込まれて無いみたいですが・・・」 「払いたくないんで払いません。」 「何、訴えてやる!差し押さえだ!」 「どこに訴えるんです?国はもう無いんですよ? 税金を払いたくないから払わなくていいなら 債務だって同じことでしょう。」 ってことになるよな。
233 名無しさん sage:2003/11/10(月) 23:49 「みんなが税金を払うのを止めたら政府はつぶれる」 なんてのは小学生レベルの夢想だよ。 誰も気づかないんじゃなくて、バカバカしさに誰でも気づいちゃうから言わないだけで。
234 名無しさん sage:2003/11/11(火) 00:47 >「みんなが税金を払うのを止めたら政府はつぶれる」 「神沈」ってさ、多くの情報を他所から引っ張ってきてるけど、自前で考えた 発想は陳腐なんだよな。典型的な才能の無い作品といえるね。
235 名無しさん :2003/11/11(火) 01:53 >「みんなが税金を払うのを止めたら政府はつぶれる」 「神チン」読んで無いからイマイチ分からないんだが…… 「国民が払う税金」ってのはさぁ…国民一人一人が役所へ言って払う 「申告税」だけじゃ無く、 店で買い物をするとその値段には初めから(表記は一応別だが…)「消費税」や 車を持ってるなら、その車を動かす為に必要なガソリンには「ガソリン税」が付いてるし 車にも色々な「税」が課せられている。 様な、買う(持つ)為に必要な「値段」の中に初めから組み込まれているものが多いのだが… そういうのに無頓着な人は「税を支払っている」と言う感覚が全く無い程に…… そう言った、「申告制の税」だけでは無く、 日常から搾取されている「税」については、どうなってるの?「神チン」は? 普通「申告制の税」を支払う者が少なくなれば「消費税」等 確実に搾り取れる所の税率を上げて賄おうとするはずだが…… よっぽどの無能の政治家では無い限り。 書きながら思い出しんだが「高速道路の料金」も国民が国に対して支払う 「税の一種」だよなぁ? 国民が誰一人として「税」を支払わない世界での日本の高速道路は渋滞がないんだろうなぁ(w
236 名無しさん sage:2003/11/11(火) 02:38 大体山本は今の日本の借金がいくらなのか知らないのだろうか? というか知らないんだろうな。 国家予算全部でもこれに比べたらたいした額じゃないんだから税金が1円も入ってこなくても 借金の額がその分ぽんと増えるだけで政府はたいして困らないんだよね。 (ちなみに借金時計で検索すればさくっと出てくる) ちなみにタバコ、酒の分の税金だけでもなかなかな金額になる。 禁酒法と禁煙法を同時に発動するつもりなんだろうか、少なくとも暴動が起きるな。 公務員なんかも絶対拒否しないだろうな。 税金を払わない=給料がもらえない だろうからね。 考え無しにも限度ってもんがあるだろうに。
237 名無しさん sage:2003/11/11(火) 02:43 AVPだったっけ、あれと新円の話もまったくのデタラメ。 少なくとも山本は、交換レートがどうやって決まるかすら知らないわけだ。 政治、経済に関する知識はいいとこ中学生レベルだね。それも出来の悪い。 新聞を毎日読んでればこんなバカなことを書くとも思えない。 山本はきっと新聞もろくに読んでないに違いない。 もしくはいい加減に読み流してるかだな。
238 名無しさん :2003/11/11(火) 03:59 >>237 いや、熟読してると思うぞ。 トンデモ記事を発掘するためにな。
239 K.K sage:2003/11/11(火) 05:27 SF秘密基地「【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよ」スレッドより。 >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] >・・・中略・・・ > というか、僕は「人生で大切なことはすべてSFから学んだ」人間ですので(^^;)、文学作品はほとんど読んでないです。 >・・・中略・・・ > で、こんな教訓を得ました。 >「いくら世界の名作であっても、自分にとって面白くなければ価値はない!」 >「読んで楽しくない作品からは何も身につかない!」 >「自分に正直になれ! 読む気のないものを無理に読むことはない!」 >・・・中略・・・ >No.15375 - 2003/11/07(Fri) 16:52 文字通りに受け取れ取ると、なんだか知識が偏ってしまって、現実に近い世界を題材にした小説を書くのに困りそうな気がする。 もっとも、神沈巻末の参考文献リストを見ると、結構広い範囲のものを調べてあるようには思う。 (各文献を隅から隅まで読んだわけではないのだろうけれど)。 >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] >・・・中略・・・ > すみません。そこらへんは良輔に説明させるのを忘れてました。 >・・・中略・・・ >(ここから先は良輔の知らない設定) >・・・中略・・・ >No.15398 - 2003/11/09(Sun) ふむ、なるほど。「兄」が説明し忘れたり知らなかったりしたことが、いろいろあるわけか・・・。 もし続編は出せなくとしても、短編の番外編を書くとかで、なんとか補足しておいて欲しいと思う。 (掲示板だけで補足されても、発言が流れたらおしまい。) >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] [ Home ] >・・・中略・・・ > 源泉徴収については……いや、おっしゃる通りですね。すみません。 >No.15400 - 2003/11/09(Sun) 16:56 さすがにこれは真正面から平易に認めたわけですね。この態度については評価します。 「私らサラリーマンには個人で納税拒否って難しいんだけど…」というのは個人的には気にしないことにしよう(本件、心の棚より削除)。
240 名無しさん :2003/11/11(火) 05:45 10年構想って、4年生大学で週3コマ勉強したとして、2回卒業できる 期間なわけだ。 まあ単純計算ではあるが…。10年間、何をやってたんだ? 集大成で能力の限界を露呈するとは、律儀な作家だねえ。
241 名無しさん sage:2003/11/11(火) 06:38 ともあれ、アルマゲやコアが「科学的に破綻」してることで監督がアホだバカだとさんざんバカにし、 リアル鬼ごっこの文章やプロットがおかしいと買うやつはどうかしてると読者まで罵倒していた山本なわけだが、 今現在生活しているこの社会のごくごく一般的なシステムすら理解していない、 そのことが今回あきらかになったわけだよな。 まともに就職したこともなく、 本人言うとおり「SF」以外の知識常識は欠如しているようだからそれも止むをえんのだろうが、 そんなヤツがハードカバーで現代社会を舞台にした話を書くなよって思うよ。
242 名無しさん sage:2003/11/11(火) 07:21 「科学的に破綻」より「社会常識が破綻」の方が頭が悪いだろう。
243 名無しさん sage:2003/11/11(火) 08:20 >>239 >心の棚に 本人が認めているし、同じネタでひっぱり続けると「他には非のうちどころが無い」 と脳内変換するやつが増えるからほどほどにですね。 しかし、あまり風化させてしまうのは本人とその取り巻きのために なりませんから、ちくちく蒸し返すのはだいじです。 コアの監督をバカと言ってた論法で言えば、自分にはねかえると わかれば、多少はマシになるかも。 だいたい社会の仕組みを理解していない輩が自分をさしおいて 「人は自分が信じたいものしか信じない」というのは滑稽ですし 現代すら把握できていないのに 「これは未来予測小説ではない」と豪語するに及んでは、バカと 言って差し支えないと思います。 >ですからこの小説では、「正確な未来予測」という幻想をきっぱりと捨て、 捨てるべき幻想は、自分は現代社会に言及するに足る能力があるという ことです。 あとは、自分がメインで語っていないことで、あれこれアラ探しされて あまつさえバカ呼ばわりされ、ダメ作品認定されることの痛みを、 身をもって学習する機会を彼は得たのか?きっと見えてないんだろうな。
244 名無しさん sage:2003/11/11(火) 12:00 自分だけかもしれないけど、 優歌がどうしても女装した山本弘(笑か江川昭子や福島瑞穂あたりにしか想像できないので、 物語に入れないっす。 これだったら、全く同じつかみと落ちで、 山本弘(主役)がトンデモをぶった切っている間に、 つれのゲーム(ダーウィンズ・ガーデン、その他)と超常現象に遭遇することから 神の存在に気づくぐらいの話の方が、物語にすんなり入っていけたような気がします。
245 名無しさん sage:2003/11/11(火) 12:08 >>244 > 山本弘(主役)がトンデモをぶった切っている間に、 そんな書き方したら、主役が間違ったことを言った時に 「あれは私の発言では有りません、作中人物の発言です」って 言い訳が使えないからなぁ。
246 名無しさん sage:2003/11/11(火) 12:33 >>244 優歌に限らず登場人物のほとんどが山本弘の分身です。 必死で演技をしているようですが大根なので同一人物なのがもろばれです。 なんと言っても全員の趣味趣向が同じですから
247 名無しさん sage:2003/11/11(火) 20:01 アマゾンのレビュー、むちゃくちゃ参考になったぞw
248 名無しさん sage:2003/11/11(火) 20:05 NOVA板にやっと神チンスレが立ちました。しかし立てたのがNOVA本人という時点で先が読めてしまうのは何故なんでしょう?
249 名無しさん sage:2003/11/11(火) 21:20 >247 俺もみた。
250 名無しさん sage:2003/11/11(火) 21:22 >>247 参考になったに票入れておいた 信者はあのレビュー見て暴れるんだろうな
251 名無しさん sage:2003/11/11(火) 23:42 >>247 得意満面で書いたであろう部分を「あからさまなページ稼ぎ」とは、 ちょっとかわいそうだなw
252 名無しさん :2003/11/11(火) 23:57 >>248 >NOVA板にやっと神チンスレが立ちました。 NOVAもわかってないよなあ。 「お世辞を書くのは山本掲示板だけで充分だ」と皆思っているのにな。
253 K.K sage:2003/11/12(水) 06:37 神が不完全なラプラスの悪魔だとすれば、人間は不完全なマックスウェルの悪魔なのかな。 人間は、コンピュータ内でいたずらしているグレムリンなのかも知れない (^^;。 (無限大を思考しうる人間というユニットが、コンピュータの構成要素という状況ってよくわからないです ;_;)
254 名無しさん sage:2003/11/12(水) 07:15 >>253 うーん、無限大を思考できるか否かがそんなに重要なんですかね? 人間は無限大を思考でき、コンピュータは無限大を思考できないということなんですか? 同じだと思いますよ。人間は「無限大」という「記号」や「手続き」を頭の中で取り扱っているだけです。 それそのもの(記号や手続き)は無限ではないですから(記号の表す数値や手続きの実行回数が無限なだけ)。
255 無敵君 sage:2003/11/12(水) 08:26 >No.15398 - 2003/11/09(Sun) 16:34 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] > > カスガさん、こんにちは。 > >> ところで、もう一度主要場面を読み返していて、引っ掛かった点があります。11章で世界が神のシミュレーションである可能性として、「従来のコンピューターでは無理だが、量子コンピューターでは可能だ」みたいな考察が行われていましたが、そもそも人間の世界の物理法則を、 >>“神”の世界の物理法則に適用できるのでしょうか? > > すみません。そこらへんは良輔に説明させるのを忘れてました。 > 僕の設定では、神の基になったのは、もともと我々の世界に似た物理法則を持つ宇宙で、 >地球に似た惑星上に発生した知性体です(具体的な姿などは考えていませんが、人間とはぜんぜん似ていない生物でしょう)。 > なぜそれが推測できるかというと、たとえ神でも、どんな世界が知性体を生み出すのか(シミュレートしてみるまでは) >分からないはずだからです。ということは、知性体を生み出そうとする場合、成功の確率を高めるために、 >自分の知っている世界、つまり自分が存在する世界をモデルにするはずです。 うーん、まったく違うと思うね。例えば上の方で説明したライフゲーム上に構築されたコンピュータなどはいい例だ。 最初にライフゲームを考案した人物は別にそれで論理回路を構築しようとは思わなかった。またグライダーやイーターのような パターンを作るためにライフゲームのルールを決めたわけでもない。偶然発見されたものだ(まああるいは、ある程度以上の 複雑さを持つルールなら必然的に論理回路を構成できるパターンが生まれる、という仮説を考えてみるのも面白いかも知れないけどね)。
256 無敵君 sage:2003/11/12(水) 08:26 おそらく神といえども自分たちの世界そのものをシミュレートするほどのコンピュータを作るのは容易ではないだろう。 だから最初はもっとシンプルなものから始めると思うんだけどね。我々だってそうだろうに。そもそも神が自分たちの 世界を丸ごとシミュレート出来るコンピュータが自分たちで作れるようになるまで、知性体を生み出す努力をしないとは 思えない。学者というのは常に背伸びをするものだよ。我々だって貧弱なコンピュータを駆使して一生懸命人工知能の 研究をしているじゃないか(笑 もしこの世界が神の世界に近いぐらいの規模でシミュレートされているとしたら、多分神の人工知能の研究は成熟段階に 入っているだろうね。すなわちあらかた革新的な発明や発見は終わりの段階だろう。まあ、この世界はそういう段階の 箱庭だとしても神沈の設定がすぐさま破綻するわけではないけどね。つまり神沈がまちがっているんじゃなくて、神沈が 正しいと弁護しているこの発言が間違っているだけだ。 もう一度いおう。未知なるものの探求の最初の一歩として、自分の存在する世界のモデルから始めるような 無謀なやつは神にも人間にもいないよw。研究とは常に世界を単純化した物から出発する。人間の世界では このことは歴史が示しているし、山本の神は人間の延長線上にあるようだから、多分山本の神もこの点人間と 同じだろう。 >良輔が言うように、神が存在するのはビッグバンから何千兆年も経った宇宙かもしれない(もちろん、すでに >恒星の大半は燃え尽きているので、別のエネルギーによって生存しているのでしょうが)。 まあ自分たちの世界をシミュレート出来るほど(まあ空間的サイズは半径1光年かもしれないがw)のコンピュータを 文明なら、神は自分たちを自分たちのコンピュータの中に移してしまってもいいかもね。ちょっと空間的には制限が あるかも知れないが、物理法則が一緒ならどのみち光速に制限されるのだから我慢できないこともなかろう。
257 無敵君 sage:2003/11/12(水) 08:26 >けれど物理法則そのものが根本的に違っているはずはありません。特にプランク定数とか光速度とかのパラメータは、 >生命の活動に深く関係してくるので、大きく変えるわけにはいきません。それでは進化がうまく進まず、 >知性が生まれない可能性があるからです。 それはちょっとSF作家としては想像力が貧困すぎないかね? 我々の知っているような生命は無理かも知れないが、まったく異質の生命なら可能かも知れないよ。 我々世界では生命は主として分子間力(電磁気力)を利用している。しかし重力を主として利用するような生物がいても いいだろう。少なくともSFの世界なら。 そもそも「知性が生まれない可能性があるからだめだろう」とはどういう理屈だね?「生まれる可能性はないからだめ」というなら 分かるけどね。むちゃくちゃだね。 >(ここから先は良輔の知らない設定) > もっとも、神の生まれた惑星は、生命の進化にとって地球ほど理想的な環境ではなかったのです。 >そのままシミュレートしても進化速度が遅い。たぶん神が進化シミュレーションを行なうのは今回が初めてではなく、 >何度も試行錯誤しているはずです。その中で、進化速度が最大になるような条件を発見したのでしょう。 うーん、なんかトートロジーなんだよね。進化が速いとか遅いとかって何と比べてんの?神のそれと我々の世界の それを比べているわけ?結局最初の話にもどっちゃうんだけど?シミュレートされる世界のタイムスケールと シミュレートを行っている世界のタイムスケールの関係は無関係だ、と。そんなに「神」が長い歴史をもっており、 気が長いのであれば、別に量子コンピュータなんて使わずにペンティアム4でも使ってのんびりシミュレートすれば いいんじゃないの?まあメモリは大量にいるかも知れないけどね。だから神のコンピュータの性能を語るなら、 「速度」ではなくて「容量」を全面に出すべきでしたな。戦術がそもそも間違ってるんですよ。
258 無敵君 sage:2003/11/12(水) 08:27 > ただ、それ以外の点は同じに設定してあります。神にとって重要なのは、進化の過程でもなければ知性体の姿形でもない。 >だからそれらが過去の自分のそれと同じである必要はない。大切なのはミームなのですから。 うーん、自分たちの世界に似せて作っていると言ったり、同じである必要はないと言ったり、なんかわけわかりませんな。 考えていることがそもそも支離滅裂なんですかねえ。それとも考えていることは理路整然としているが文章力が拙くて 支離滅裂になってるんですかねえ。>モノカキさん? > 神がわざわざ星空を用意し、人類に世界の真相を隠していたのも、それが理由です。神は自分が広大な(本物の)宇宙に >存在することを知っている。それに対し、人類が早い時期から自分たちが住んでいるのが偽物の宇宙であるということに >気づいていた場合、ミームの進化に影響が出るかもしれない。だから人類がそれに気づくのが遅れるようにしたわけです。 つまり「進化の速度が最大になる条件」だけを神は自分たちの世界とは変えて、他は同じにしている、ってことですか? でも何で「進化の速度が最大になる条件」を変えても「ミームの進化に影響が出」ない、と分かったんですか? そこまで分かってるんならもう研究は終わってるんじゃないのですか?つまり研究は終わって、余興としてこの世界は 作られてるんですかね。デモ用とか。あるいは(ドーキンズワールドのような)ホビー用? > もっとも、ウェッブほどの高解像度の宇宙望遠鏡が実現するぐらいの文明レベルに達していれば、 >インターネットも普及し、すでに×××××・××××が誕生しているはずだから、その時点でバレてもかまわない。 >だから星空はそんなに緻密に作る必要はなかったわけですね。 「×××××・××××」とは「グローバル・ブレイン」ですか?つーかなんか、いくらなんでも自分で書いてて支離滅裂だと 気づいてますよね?いくらなんでも気づかないほど馬鹿じゃないと思うので。
259 名無しさん sage:2003/11/12(水) 08:32 >No.15400 - 2003/11/09(Sun) 16:56 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] > > カンタベリーさん、こんにちは。 > >> ただ、超常現象やオカルトに比較して経済問題へのツッコミや描写は甘いのではないかと思います。 >>巻末に挙げられている参考図書のリストでも経済問題関係は4冊しかありません。(「日本の国家予算」と「日本経済の罠」は是非入れてほしかったところです) > > まさにその通りです。僕は経済に詳しくありません。だから今回もそこでいちばん苦労しました。 >にわか勉強したものの、「たぶん経済に詳しい人からツッコまれるだろうなあ」と思いながら書いていました。 > ただ、解説ページでも書いたんですが、この小説は最初から未来予測を放棄し、 >「ありえない未来」を描くというコンセプトを貫いています。ストーリー上必要だった日本経済の破綻も、 >そこからの再建も、現実にありえるもの(経済学の本に書いてあるようなシナリオ)には絶対にしたくなかった。 > そこで、逆に「AVPがきっかけとなる円暴落」「日本政府民営化論」という荒唐無稽なもの、 >そんなことありえないと思えるアイデアを導入したわけです。作者としては、 >こんなものがうまくいくわけないのは百も承知です(AVPがインフレに強いなんてくだりは、 >自分で書きながら「嘘くせーっ!」とツッコんでたぐらいで(^^;))。 > だから、超光速宇宙船やタイムマシンみたいなSFガジェットだと思っていただければ幸いです。 >SF作家としては、とりあえず話の都合上、アイデアとその原理を提示してみせただけで、細部まで考えていませんし、実現するとも信じていません。というか、不可能でしょう、たぶん。 > > 源泉徴収については……いや、おっしゃる通りですね。すみません。 「SFガジェット」と「馬鹿映画」の区別がよく分かりませんなあ。これまであなたがいってたのは「読者を納得させるような それっぽい理屈がついたもの」が「SFガジェット」だと思ってたんですけどねえ。ご自分の「SFガジェット」がこの条件に 当てはまるかもう一度考えてみてはどうです?
260 名無しさん sage:2003/11/12(水) 09:22 >No.15443 - 2003/11/11(Tue) 20:35 [kaad222.airnet.ne.jp] >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 長 高弘 [関東] > >山本 弘 様> > >> 質問1について、 >> 遺伝的アルゴリズムについては、おもにスティーブン・レビー『人工生命』(朝日新聞社)と星野力『進化論は計算しないとわからない』(共立出版)を参考にしています。ですから、43~46ページの解説は誇張なしの事実です。正確なことをお知りになりたいのでしたら、これらの本を読まれた方が早いと思います。 > >了解しました。機会があれば、読んでみます。 どっちも結構「生命潮流」的な本だからねw 本当のことも沢山書いてあるがウソ(というか誇張)も書いてるw >> 質問2について >> おそらく遺伝的アルゴリズムで生まれるプログラムは冗長性が大きいでしょう。ちょっとしたバグでフリーズするような代物なら、たちまち進化競争で淘汰されてしまうでしょうから。「バグがない」のではなく、「多少のバグがあっても支障なく動く」というもののはずです。(実際、生物の遺伝子はそうなっています) この点は山本に同感だね。生命の冗長さというのは必要なものなんだと思うよ。 人間の作った機会はそれらをそぎ落としているから効率はいいけど柔軟性に乏しく脆弱だ。 >ご存じかもしれませんが、念のため。 >現在のプログラム開発や運用自体も「バグが無いプログラム」は作るのは、まず無理で、障害が有ったらどう対処するか、 >と言う点が重視されてます。(参考になるのはこちら→http://www.amy.hi-ho.ne.jp/~lepton/program/p3/prog306.html) まだまだ、今程度じゃ「重視」のうちに入らないね。
261 名無しさん sage:2003/11/12(水) 09:23 >#ついでに、重大なバグの原因はコーディング時じゃなくて、それ以前の >#時点(プログラムの仕様を決める時とか、システムの全体的な設計を行う時とか)に >#有る場合が多かったりするので、変な言い方ですが、バグの少ないプログラムを >#開発する手法だけでは、バグの発生を減らすには限界が有るかもしれません。 そもそも設計という考え方が「すべてを完璧に把握できる」という前提なんだよ。 だから従来(現在)の開発工程では「設計」が「完了」するわけ。設計は永遠に完了しない。 本当は永遠に完璧にたどり着かないからね。そもそも完璧というものが存在しない。 なぜなら「生物」は「生物」が存在することによって逆に「環境」を変えてしまうからだ。 人間の作るいろいろなものも本当は同じなんだよ。人間が何かを作るとそれが逆に人間の 社会を変えてしまう。それゆえ変わる以前の社会にマッチした「設計」はそぐわなくなる。 従来の「設計」とは「設計したもの」が周囲の環境に何の影響も及ぼさない、という前提に基づいた 架空の世界でのみ成り立つことなのだ。そんな世界は何処にもないのにね。 >あくまで、妄想ですが、オープンソース系の開発手法って遺伝的アルゴリズムと似てるかも。 何もオープンソースに限らず人間がこれまで作り出してきた物をもう一段マクロ的に視れば、 皆そうだよ。ライバルの製品のよいところを取り入れ次期製品を開発する。ライバルもまた同じ事をする。 そしたサイクルを永遠に繰り返しているのだからね。 >> げんに遺伝的アルゴリズムによって進化してきた自然界の生物は正常に機能しているのですから、 >>同じやり方を模倣してうまくいかないと考える根拠はないでしょう。 まったく無意味な発言だね。人間に知能があるのだから人工知能はいつか実現する、というのと 同じ程度に。
262 名無しさん sage:2003/11/12(水) 09:23 >逆の見方も有りまして、現在のプログラム技法は、問題は有るけれど、それなりにうまく機能してますし、 >色々なノウハウも蓄積されており、様々な改良も加えられ続けています。 >それを、今までと全然やり方の違う、遺伝的アルゴリズムに変えるのは、はっきり言えば怖い訳です。 >(それなりにうまくいっており、長所も弱点も判っている方法を使い続けると言うのは、安全策としては、間違っていないかと) 別に今の方法でできてるものを無理に別の方法でやる必要はないしだれもそんなことは言っていないと思うんだけどね。 今の方法では出来なさそうなこと(記号着地問題とかねw)の話をしていると思うんだけどね。 まあAIに関する研究発表なんかは得てして「こんなの今までの方法でやった方が速くて簡単じゃん」と思うものが多々あるが、 それはまた別の話だ。リニアモーターカーの試作器が時速200kmでしか走らなくても、「これなら新幹線でいいじゃん」とは いわないでしょw。まあ言う人もいるけどそういう人はこの手の話には向かないね。常に過去だけを見つめていく人と、 常に未来だけを見つめていく人は永遠に分かり合えないだろうね。 >ですので、現在の手法に限界が来るか(自分の経験とかを考えると、限界が来るとしても、かなり先になると思いますが、 >異論が有る方も当然、いらっしゃるかと)、現在の手法より遺伝的アルゴリズムが圧倒的に有利だと言うのが証明されない限り >(どう言う基準で「圧倒的に有利」かどうかを判定するのか? と言う問題も有りますが)、遺伝的アルゴリズムを >用いたプログラム開発は広まらないような気がします。 だから「いつ」の話をしているのかによるんだけどね。あと10年や20年そこらはすべてのプログラムが遺伝的プログラムに なることは決してないだろうね。そもそもそんな必要ない。しかし「検索」とかのように割と有望な分野は今でもあるよ。 例えばP2Pでgoogleに匹敵する検索エンジンを作ろう、という試みがある。P2Pってことは分散システムなので 複数のコンピュータにインデックス化を割り振るかというのは結構知恵が必要になる。P2Pだと単なる分散システムではなくて、 個々のユニットがダウンしても全体の動作は維持しなくてはならないしね(この点集中型の分散システム(なんか 矛盾しているがw)とは勝手が違う)。個々のユニットが部分部分のインデックス結果を持ち寄り、適時集計&分配を 繰り返すシステムになるだろう。こういった部分なんか割と遺伝的アルゴリズムの考え方に近くなると思うのだよね。 またAIBOとかの愛玩用ロボットなんかでは花が開くかも知れない。この当たりならあるいは10年以内のスパンで。 まあ、結局用途によりけりなんだよね。例えばWindowsのアクセサリーの「電卓」を遺伝的アルゴリズムで作る日が 来ると思う?(笑
263 名無しさん sage:2003/11/12(水) 09:23 >> 質問4について >> 進化のイメージは普通、「上昇」です。進化系統樹などもたいてい、いちばん下に原始的な単細胞生物、 >>時代が進むにつれて「上」になるよう描かれています。また、「環境への適応度の高さ」という表現もします。 >> もし「穴」の比喩を用いたなら、環境への適応度が「高い」ものほど「落ちて」しまうということになり、混乱します。 >>登山のアナロジーを使用する方が、それこそ「直感的にわかりやすい」と思います。 イメージって言うのはモデルの作り方でどうとでも変わるからね。例えば物理学の世界では基本的に物質 状態はエネルギー状態の低い方へと遷移する。ニューラルネットなどでは結構熱力学的な比喩(モデル)を 用いるから「適用した」状態を「エネルギー状態の低い状態」、未適用で激しく状態が揺れ動いている 状態をエネルギーの高い状態(イメージとしては沸騰しているって感じかなw)と表現するね。 結局物事のどの側面をとらえてどういうモデルを作るかによってイメージは異なるわけで、別に何が正しくて 何が間違っているとかいうものではないんだけどね。こういう無意味な「俺のイメージはこうだ!」という 議論が文系的なんだよなあ(w >前に投稿した内容とかぶりますが、多分、私の思い込みとか、そう言う風に考える癖がある為に、 >大元の投稿に書いたような印象を受けたのだと思います。 実は俺も「高い山を探す」じゃなくて「低い場所を探す」だろ、と心の中でつっこんだよ。 局所的な袋小路に陥ってしまう地点をローカルミニマムというからね。つまり「局所的に最小の場所」。 もっと最小の場所に向かわせるには間にある山を越えさせなければならない。山を越えるにはエネルギーを 与えてやる必要がある。量子論のトンネル効果の説明とかと似てるね。物理学と同じモデルを使っていると 何かと相互に法則とかを通用できて便利なのだ。 >工学分野では、何か解決すべき問題が有った場合、その問題を評価関数f(x1,x2,…,xn)を >最大化もしくは最小化する(x1,x2,…,xn)を求める、と言う形に変形する場合があります。 >で、この評価関数を最小化する値を求める数値計算方法には、ボールを転がしてくと、 >自然に「穴」や「谷底」に辿り着くと言う風に譬えると理解しやすいものが多い(ニュートン法とか)のと、 >物理の力学などからのアナロジーで、評価関数をポテンシャル関数、最適値を求める事をポテンシャル関数を最小化する、 >と呼んだりします。 ま、そうですな。「理系」の人には「低い状態に向かう」という方が何かと馴染みやすいだろうね。 でも単にそれだけのこと。別にどっちでもいいじゃん。気に入らなければ符号をひっくり返せば?(w >それなので、ピークの譬えは、大学時代は工学部に通ってた私からすると、ちょっと違和感が有りますが、 >どちらが判りやすいかは、人によるんでしょうね。 > >#のづち様が書かれてるように >#「引っくり返せば同じ」 >#と言うのが、一番、妥当な結論かもしれませんが。
264 名無しさん sage:2003/11/12(水) 09:48 >No.15445 - 2003/11/11(Tue) 21:50 [kaad222.airnet.ne.jp] >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 長 高弘 [関東] > >山本 弘 様> > >書き忘れた事が有りましたので補足まで。 > >> 質問1について、 > >> ですから、43~46ページの解説は誇張なしの事実です。正確なことをお知りになりたいのでしたら、これらの本を読まれた方が早いと思います。 > >学生の頃、人工知能(パターン認識)がらみの研究をやってたのですが、人工知能分野では、当初は、画期的な方法と思われてたけれど、 >結局、そこそこ使えるけれども、当初の期待ほどでは無い、と言うものがかなりありました(ニューラルネットとか)。 >ですので、自分としては、どうしても、○○○ができる、と言われても、それだけじゃ信用できない、 >出来ない事や向いてない事も当然も有るよなぁ、と思ってしまう傾向があります。 なに当たり前のことをいってるの?馬鹿じゃない?w 「○○ができる」と言われてそれを鵜呑みにする方が馬鹿なのだよ。 専門家が書いた本といえども当然期待や予測も入っているのだからね。 >ですので、個人的には、遺伝的アルゴリズムも、全くダメダメな手法ではないけれど、 >物凄く画期的な、魔法のようなものではないだろう、と思っています。 何を当たり前なことを言っているのだろうなあ。 >ですが、紹介いただいた本は読んでみます。 >#紹介していただいた本ですが、時間とプログラムの知識があれば、 >#書いてある事例の追試程度はできるような内容でしょうか? うろ覚えだけど内容的には山本が書いてる部分は確かにその本にも書いてあった気がするけどね。 ただし遺伝的アルゴリズムで作られたプログラムも実用化されている、とかいう箇所は記憶にないね。 上で述べたように「検索」の分野などは確かに遺伝的アルゴリズムのもっとも「有望」な分野だが、 山本の書いてるのはどうもそれじゃないみたいだし…はて?
265 名無しさん sage:2003/11/12(水) 09:49 この部分だけはなんか辺なんだよなあ。そもそも山本の文章がよくわからない。遺伝的アルゴリズムで 作られたプログラムの例としてパターン長を最小にする回路設計プログラムの話をしているみたいに 読めるが…遺伝的アルゴリズムを使った回路設計ってのはまあありそうではある。実用化されているのかは 知らないが少なくとも研究レベルではあり得るだろうね(実用化されているけど俺が知らないだけかもしれない)。 でもこれって遺伝的アルゴリズムを*使っている*プログラムであって、このプログラム自体が遺伝的アルゴリズムで 作られている分けじゃないよね。山本はなんか勘違いしてんのかな。 これは別にこのプログラムが知能を持って回路を設計している分けではなくて、単に部品の配置の すべての組み合わせの中から、最適(っぽい)組み合わせを力任せに「検索」するプログラムだ。 繰り返しになるが遺伝的アルゴリズムは「検索」で実力を発揮するからね。 同様に回路を最適化するプログラムというのもある。人間は人間の思考にそって回路を設計するから 多少冗長になる。これらをいったん完全にばらして無性格な信号に置き換えると、要求された処理を 少ない部品数で実現できる事が多い。これも基本的に力任せの検索で行うので遺伝的アルゴリズムが 使える。 とはいえこれらは人間の補助をしているに過ぎない。喩えていうならペントミノ(パズルの一種)を コンピュータで解くのと同程度のインテリジェンスしかないのだ。山本の文章をなんの先入観も持たずに 無垢な心で読むと、まるで遺伝的アルゴリズムで生成されたプログラムがすでに実用化されているような 気になるが、現実とは大きなギャップがある。
266 名無しさん sage:2003/11/12(水) 10:27 また、神沈では八目車輪の学習の話が出てくる。遺伝的アルゴリズムによって迷路の 脱出方法を学習するロボット(昔はやったマイクロマウスですな)の話。 俺もこの話は記憶していたが、俺の頭の中では「確かこれって全くの無垢な状態からの学習は失敗して 人間が結構ヒントを与えてやった。いわば半分インチキ」と位置づけていた。ただ昔のことなので なぜインチキだと思ったかを忘れてしまった。 で、今回検索してみたのがこれ。 http://staff.aist.go.jp/y.motomura/bn2002/paper/chiba.pdf 人間は正しい迷路の脱出経路を知っている。そしてこのロボットが正しい経路の方向に動いたときは 褒めてあげる。こんな感じですな。まあインチキではないにしてもかなり人間が導いてやらないと正しい 方向へ学習はすすまない。 まあ人間にしても動物(例えば本物の鼠)にしても、「ここさっき通ったよな…」という認識が必要で、 そういった認識を生み出すにはこのモデルはシンプル過ぎるということですな。「ここ」がさっきと同じ所と 認識するにはかなり記憶容量が必要だし、そもそもそれを学習するのは容易ではないはず。なので 人間がその代わりをして上げているようだ。まあひいき目に見てもこのロボット自体の学習能力は 脊髄反射レベルですな。 まあ承知のように単純な迷路は右手法ないし左手法で脱出できる。このロボットが学習したのも 「迷路は右(左)手法により脱出できる」という事だけだ。人間の多大な手助けを借りたにもかかわらず。
267 名無しさん sage:2003/11/12(水) 10:28 まあ前にも書いたが、現在ニューラルネットをはじめとした「学習できる機械」は直感というか脊髄反射というか、 だいたいそんなレベルの物がやっと実現できる程度に過ぎない。これはおそらく(これも既に書いたが)これ以上 複雑な学習をさせるには、「直感」や「脊髄反射」を1段とすれば、これを多段に組み合わせなければならず、 それをどう学習させるか、という研究があまり進んでいないからといえる。 多段にするには先ず1段目を学習させ、もう一つ別の1段目を学習させ、この2つの結びつき(2段目)を学習させなければならない。 直感の場合は入力-1段目-出力の3ステップだが、これが1ステップ増えると入力-1段目-2段目-出力の4ステップになるわけで、 この2つの違いを認識させることは非常に難しい。つまり4ステップで処理すべきものが3ステップで処理する形に収束しやすい。 (人間で言えば短絡思考ということになるのだろう)。 多段の学習をさせるには無垢な状態から独力で学習させることは不可能、コーチが必要、とおおむね考えられている。 八目車輪でいえば迷路の脱出方法を知っている人間がコーチをしているわけだ。人間も親や先生から随時コーチされ ながら学習していくのだから、コーチの存在自体は悪いことではない。問題は現状ではコーチを行っても1段階の学習程度しか できない点なのだ。
268 名無しさん sage:2003/11/12(水) 10:37 また、これが星野氏のHPなのだが… http://www1.accsnet.ne.jp/~thoshino/alife.html うーん本職というか一応業績を上げたのは高速並列コンピュータの分野なんですかね。 それはいいんですけどあまりAI方面の研究論文が見あたらないんですけど。 あとはなんか一般向けの啓蒙書だし。つまりAIは趣味なのかな?
269 名無しさん sage:2003/11/12(水) 11:36 >>267 の補足だが、「では最初のコーチはどうやって学んだのか?」という話。 もちろん最初のコーチは誰からも教わることが出来ない。だから人間は無垢な状態から多段階の学習をすることは 原理的にできない。入力と出力の対応付けを2段階以上に分解することは本質的にできないのだ。 「入力-A-出力」の結びつきの対応表Aを無から学習することは可能だ。しかし「入力-A」、「入力-B」、「AとB-C-出力」と いう対応表を作ることは人間には(生物には)できない。 ではなぜ我々がそれをできるかといえば、別な体験で「入力-A-出力」と「入力-B-出力」という対応表A,Bを 学習済みだからだ。幼児期にはこうした一段階の学習を多数行う。幼児はこうした単純な思考しかできない。 一段階目の対応表(AとかB)が十分ストックされて始めてAとBの出力を新たな入力と見なして変換表Cが 作成可能となる。 現代の幼児はこうした1檀家目の学習を親や幼稚園の助けを借りて行う。人類の曙においては 自然を相手に自ら学んでいったのだろう(もちろん効率は悪く遅々とした歩みだったろうが)。 学習が段階的に行われるのは思考のメカニズムそのものが多段であるからなのだ。
270 名無しさん sage:2003/11/12(水) 11:42 またAやBを学習させた後、Cを学習させるためには工夫が必要だ。単純にCを学習させると AやBの学習結果が消え、一段のCの学習になってしまう。当然望むような学習結果は得られない。 この部分がもっとも困難な点なのだが、AとBを固定化したうえでCを学習させる必要があるよう。 現実の生物においてはAやBは生きていく上で非常に基本的な学習結果であり、おそらく特に 固定する必要がないほど強固なものなのだろう。人工的に同じ結果を作り出すとなると常に AやBを繰り返し単独で反復学習させつつ新たにCを学習させるということになるのだろう。 しかし言うはやすしだが…
271 名無しさん sage:2003/11/12(水) 11:46 また一段目の出力を次段の入力として処理させるには出力を再度入力に戻してやれば良さそうだが、 単純にこれをやっても学習結果がデタラメになるだけである。結局の所どこかでCPUのクロックよろしく 同期をとってやる必要があるはずなのだが、はてさて…
272 名無しさん sage:2003/11/12(水) 12:01 話は前後するが、小説中で遺伝的アルゴリズムによるシステムがケプラーの第3法則を自ら発見した、と 書いている。これも記憶があまり定かではないが、迷路を抜けるロボットと同様に人間が相当ヒントを出して いたような気がする。その結果実際の惑星と同じような軌道を描くようにコンピュータ上に作られた擬似的な惑星を コントロールするまでに学習成果が上がったという話。別に運動方程式をSFのコンピュータよろしくはじきだしたわけではない。 まあこの辺は山本も悪いが山本が引いている本も書き方がアレなんだよね。あの本は「生命潮流」的、別な 言い方をすれば立花隆的な本なのだ(w
273 名無しさん sage:2003/11/12(水) 12:49 >>265 >この部分だけはなんか辺なんだよなあ。そもそも山本の文章がよくわからない。遺伝的アルゴリズムで >作られたプログラムの例としてパターン長を最小にする回路設計プログラムの話をしているみたいに >読めるが…遺伝的アルゴリズムを使った回路設計ってのはまあありそうではある。実用化されているのかは >知らないが少なくとも研究レベルではあり得るだろうね(実用化されているけど俺が知らないだけかもしれない)。 山本は自分の都合で研究中のものをすでに実在すると言い切る癖があるのでそういうことだと思う。 こん変の中でも、ろくな成果も上がらず多くのグループが撤退を余儀なくされている ロケットを「現実に存在しているのだ」とまるで実用化されているかのごとく語っている。 実際には近年中の実用化は絶望的、長期的に見てもまったく割に合わないというのが現実。 なんらかの基準があっていってればまだいいんだが、自分の都合であるともないとも言うので この手の話は信用できない。
274 名無しさん sage:2003/11/12(水) 13:22 >>237 あの小説の中でAVPと円を交換している機構って何処なんだろうね。まさか銀行&日本銀行じゃないだろうから、 民間の為替取引所だか証券取引所みたいなところがあるんだろうね。しかし当然だけどいくら「民間」とはいえ 野放しじゃないと思うんだけどね。為替取引所や証券取引所がそうであるように、さまざまな(日本政府の) 規制がかかるはず。 また給料の一部をAVPで貰うそうだがそれにかかる税金などを何らかの方法で円に換算しなければならない。 いくらなんでも政府がAVPで税金を取り立てるわけにはいかないだろうからね。企業の税金もそうだし輸出入の 税金についても同様。また銀行の融資もさすがに円で行われるだろう。もはや銀行など必要とせず企業群で 融資し合うというならそれもいいけど、そうなるとずいぶん現在とは違う世界になってしまうね。またAVPが 有価証券扱いなら当然AVPをやりとりしても(円で)税金はかかる。 円が暴落すれば払わなければならない円が増えるわけで、企業はその円をどこからか調達することになる。 つまり円を買わなければならない。一方個人がいくら不安に駆られて円を売ってAVPを買ったとしても たかが知れている。結局の所仮に小説の中で語られているようなAVPが存在したとしても、あまり今と 変わらないだろうね。
275 K.K sage:2003/11/12(水) 18:03 >>254 亀レスごめんなさい。 あんまり重要ではないのかも知れないけれど、ちょっと気になっています。 もちろん、無限大の取り扱いかたを決めてしまえば、人間でもコンピュータでもいいわけですが、 「無限大」を発想できるという点で人間とコンピュータに差があるんじゃないかと思った次第です(うまく表現できません、すみません)。 --- ペンローズの「心は量子で語れるか」(…騙れるか、と読む向きもあるらしい ^^;;)辺りでは、無限大を取り上げて、人間の頭とコンピュータの差を論じたりしている。ペンローズもなんかその辺りはうまく説明できないような感じです。 ペンローズ、心を語りたいんじゃなくて、量子論の実験施設を頭の中に求めているような感じがします。
276 名無しさん sage:2003/11/12(水) 18:23 >>275 > 「無限大」を発想できるという点で人間とコンピュータに差があるんじゃないかと思った次第です(うまく表現できません、すみません)。 うーん、無限大ってそんなに特別な概念なんですかね?自然数から自然に出てくると思うんですけどね。 無限大をうまく取り扱うことは確かに難しいですけどね。 > ペンローズの「心は量子で語れるか」(…騙れるか、と読む向きもあるらしい ^^;;)辺りでは、無限大を取り上げて、 >人間の頭とコンピュータの差を論じたりしている。ペンローズもなんかその辺りはうまく説明できないような感じです。 ですね。差を論じていると言うよりも差があると決めつけて、その差が生じるのは何故かを論じている感じですな。 コンピュータがそもそも人間の知能に何処まで迫れるかが分からないのでしかたないんですけどね。 > ペンローズ、心を語りたいんじゃなくて、量子論の実験施設を頭の中に求めているような感じがします。 これも同感ですな。量子論と知性を結びつけるのが妥当か?という話は飛ばして、結びつけるとしたらどう考えるかを 考えている。もちろん「仮に結びつけたらどうなるか」を考えるのは悪くないし、極希にはそうやって棚上げして考えを 進めた結果実は現実とよく合う結果が得られた、故にこの仮説は正しそうだ、ということもありえるのですからね。 でもやっぱり「なんであえて今この2つを結びつける必要があるの?」という疑問が先に立ってしまい、あまり素直に 読めないですな。
277 名無しさん sage:2003/11/12(水) 18:45 山本の小説で一番違和感を感じるのは記号着地問題にこだわり過ぎている所ですな。 記号着地問題をクリアしなければ人工知能は作れないとまで言っている。 俺は相は思わないんですけどね。そもそも人間が記号着地問題を完璧に処理できない。 だから誤解や間違いが発生する。小説の中で「風車と花を区別できない」という話が出てくるけれど、 人間だってきっちり区別しているとは思えない。幼児や絵の下手な人が書いた絵なら判断に迷うことはあるだろうし。 結局の所人間は大量のデータベースを力任せに検索しているだけだと思うんですけどね。 花と判断すべき基準を列挙したデータ、風車と判断すべき基準を列挙したデータ、風車っぽいけど花と判断すべき 基準を列挙したデータ、花っぽいけど風車と…とね。 問題はこの検索を人間はうまく手を抜いて効率よく行っている点。よくすべてのケースを判別するには膨大な 計算量が必要で…とか言うけれど、人間自身がすべてのケースを判断していない(だから人間は間違いや 考え落としをする)のに、コンピュータにそれを求めるのは酷というもの。この検索の手抜きの方法もそれほど 高度なものでなくていいと思うんだけどね、少なくとも第一歩は。間違いをおかしたときにこの条件を次回から 考慮しろとリストに追加してやり、IMEの辞書よろしく使用頻度順に並べてやればいい。 ニューラルネットでも肯定的な面の学習と否定的な面の学習(このパターンにマッチしたらマッチしないと判断する)の 組み合わせが研究されている。とはいえ直感的なものしかマッチングできないのは同じだけどね。結局の所多段の マッチング、言ってみれば一段抽象化した対象のマッチングをどう行うかが当面の課題だろうね。 この抽象化を行わないならエキスパートシステムそのものだから実現は射程距離といえる。それにこのレベルでも 結構ペットロボットぐらいならうまくいくと思うのだけどね。下等動物は現実の動物がそもそもこの抽象化能力が 低いから、ロボットが低脳でも違和感を感じないはず。犬レベルになると現実の動物の方が賢いだろうけれど、 魚やは虫類なら…。
278 名無しさん sage:2003/11/12(水) 19:06 山本板神チンスレ、汚長のあからさまなヨイショを見ていると憐れみを感じるのは何故なんだろう?
279 名無しさん sage:2003/11/12(水) 19:18 >>278 あれってなんか小学生の読書感想文みたいなんだよなー もう少し知的な文章書けないものかねw
280 名無しさん sage:2003/11/12(水) 20:00 >No.15457 - 2003/11/12(Wed) 12:35 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] > > Funさん、ごめんなさい。もうひとつの質問の方にお答えするのを忘れておりました。 > >>もう一つ、加古沢が学校と教育に関してぶった一説は、山本さん自身の考えがどれぐらい入ってるものなのでしょうか? >>(色々考えさせられる「言葉」でしたので)。 > > 学校と教育に関するくだりは、僕が普段から考えてたことを、ちょっと過激にアレンジして言わせてます。 >特に「独学は学校の授業より3倍も効率がいい」というのは、僕自身の体験から確かだと思っています。 ま、学歴のバックグランドがない人がよく言うことですなw 低学歴のトンデモさんや高学歴だけど学会からはまったく相手にされずに腐っているトンデモ学者さんとかw よく素人だから先入観なしにプロが見落としてたことを発見できた、とか戯言をいうけど、 例えばスポーツでアマがプロに勝てるかを考えてみればいいと思うんだけどね。 また学校の授業と独学の比較も自分のケースを無闇に一般化しないことですな。そりゃあいやいややっている事よりは 好きでやっていることの方が身に付くのは当たり前。だから比較するならどちらも好きでやっている状態、あるいはどちらも いやいややっている状態とで比較しなければ意味がない。 また自分が必要としたときに学べばよいとう発想もあるかも知れないが、残念なことに人間にとって効率的に 学べる時期は限られている。10代のように高効率で学習できる時期は人生において2度とないのだ。悲しいけどね。 年を経て必要に迫られて学ぼうとしても生物学的にも社会的にあまりにコストが高すぎで割に合わない。 10代の頃は安価に買えた知識を30代や40代で購入しようとすると非常に高くつく。もはや得られるものとの コストパフォーマンスを考えると、もはや永遠に購入できないものとなる。 序盤ではなるべく採れる選択肢を広くしておく、というのは立派な戦略だと思うのだけどね。まあ人生の序盤から 一点突破もいいけどね。
281 名無しさん sage:2003/11/12(水) 20:02 > 加古沢のキャラクターは、最初は僕自身と同じようなことを言わせておいて、それをだんだん悪の方向にずらせてゆくという手法で >創り上げていきました。僕自身が納得できないようなことを言わせても説得力ありませんから。 質問です。どの辺からずれているのかヒントだけでも教えてくれませんか?さっぱり分からないものでw > 加古沢と僕の最大の違いは、あいつは読者の受けを取るためなら自分が信じていないテーマ(『仮想天球』や『時の振り子』など)でも >平然と書けるということです。僕にはそれができません。 それは単に目的と手段の違いでしょうな。あなたの場合文章を書くことがそのまま最終目的なわけです。 一方加古沢にとっては単なる一つの手段に過ぎない。それだけのことで単にその時の目的が何かだけの違いだと 思うんですけどね。 >>で、これは質問ではなく、限りなく望み薄の希望なんですが…『仮想天球』と『時の振り子』をマジに読みたくて仕方ないです(笑) 社交辞令だよね?本編がそもそも面白くないし、その中に出てくる架空の書籍であるこの2つは紹介されているあらすじを 読む限りさらに陳腐だね。まあせいぜい小中校生向きの学年誌に2ページぐらい連載をもらえればラッキーというレベルでしょうな。 > いやー、僕は『ベアトリス&ポリー』シリーズが読みたくってしょうがない(笑)。絶対面白いと思うんだけどな、これ。 > ちなみに『赤道の魔都』は一時、自分で書こうと思ってた話で、そのための歴史考証(ブラヴァツキーとウォーレスが >同じ時期に南米に行ってたこととか)なんかもちょっとだけやったことがあるんですが、 >結局、僕の手に余る内容だと判断して断念しました。加古沢は僕よりもずっと頭がいいから、あいつなら書けるだろうと。 今回改めて思ったんだけどさ、山本って読者のだまし方が下手だよね。トンデモ本の突っ込みをしてた方が よっぽど頭がよく見えるよ。 > 『時の振り子』もかなりの知識と筆力を要求される話で、加古沢ぐらいの天才でないと書けないでしょうね。 いいねえ。「歴史小説」を書いてみたら?ある日突然「実は僕が本当に書きたかったのは歴史小説なんです」とかいいだしてさw > あと、『ふにふにコンタクト』がやってみたいです!(笑) あんまりおもしろくなさそうなんだけど。それにこの説明が変なんだよなあ。このファニちゃんは自分で考えてしゃべるそうだ。 はっきり言って画期的だ。そもそもしゃべる動機を設定することさえどうしたらよいのか途方に暮れるね。もちろん生理的 要求(つまり腹減った、とか)を設定しそれを満たすための会話程度なら動機付けできるだろうけどね。 しかもこんな高度なことをしている一方で機械に複雑な文法を理解させるのは難しいので片言しかしゃべれないと 説明されている。そんなことないと思うけどね。翻訳ソフトを見れば分かるが現在のコンピュータの文法解析能力は なかなかのものだ。少なくとも小学生レベルは余裕でクリアしているだろうね。 もちろん解析に失敗する文章は多いが、それは人間でも解釈に迷う文章だ。もちろん人間は迷った末に正しく解釈できるが、 それは人間が文章の意味を理解しているからであって、文法の解釈能力が優れているためではないのだ。
282 名無しさん sage:2003/11/12(水) 20:30 >>281 >> 加古沢のキャラクターは、最初は僕自身と同じようなことを言わせておいて、それをだんだん悪の方向にずらせてゆくという手法で >>創り上げていきました。僕自身が納得できないようなことを言わせても説得力ありませんから。 >質問です。どの辺からずれているのかヒントだけでも教えてくれませんか?さっぱり分からないものでw 参考までに、山本板の過去ログから。 スレタイトルは「田中芳樹問題」。もう流れちゃったみたいです。 以下引用。 ☆ Re: 田中芳樹問題 / 山本弘 [近畿] [ Home ] 引用 作家がフィクションの中で書くことは、どこまで本気なのか? 実はこの問題、僕は今ちょっと神経質になってます。というのも、先日ちょうど書き上げたばかりの長編小説(現在、編集さんが出版に向けて奔走してくださっています)で、読者が誤解するとまずいなあ、という部分がずいぶんあるからです。 たとえばこの小説には、悪役として「加古沢黎」という天才小説家が出てくるんですが、こいつの主張が僕自身の主張とよく似てるんですね。 なぜかというと、最初、加古沢を自分と正反対の人物として描こうとしたんですが、うまく感情移入できない。彼はその言動によって多くのファンを熱狂させているという設定なんだけど、僕自身が信じられないようなことを彼に主張させたって、説得力が生まれるはずがない。だからあえて、僕が普段から考えていることを主張させようと思いついたわけです。 だからこの小説を読んだ読者の中には、加古沢の主張と僕の主張がそっくりであることに不安を抱き、「加古沢は山本弘の理想像なんじゃないか」と思い違いする人が出てくるんじゃないかと思うんです。 もちろん、そんなことはありません。彼は悪役ですから、最終的には邪悪な本性を露呈し、否定されます。しかし、読者はその結末を信じないかもしれない。なにしろ加古沢が主人公に対して、 >「小説ってのは嘘なんだ。読者が気に入ってくれる結末を書くからヒットする。(中略)そう計算して、俺はあえて信じてもいないことを書いた。本当の考えは違う」 なんて言ったりするぐらいですから。 (なんか「クレタ人のパラドックス」みたいだな(^^;)) 僕が言いたいのはこういうことです。 登場人物が作者の主張を代弁することはよくあります。しかし、登場人物の主張は100%作者のそれと一致するとはかぎりません。途中まで同じであっても、途中から違ってくるということはあるんですから。 だから登場人物の台詞を、即、作者自身の信念だと決めつけるのは、大変に危険です。 (たとえば、上の加古沢の台詞を、僕は支持しません。「小説家はストーリーで嘘をついてもいいが、テーマで嘘をついてはいけない」というのが僕の信念だからです) そうそう、月の話で思い出したけど、僕も『パラケルススの魔剣』の中で、「月は超古代に地球を訪れた異星人の巨大宇宙船である」という説を、登場人物に語らせていますよ。その際、トンデモ系の本からずいぶん引用させていただきました。 もちろん、そんな説なんかまったく信じてないんですが。 No.8487 - 2003/03/15(Sat) 16:22 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
283 名無しさん sage:2003/11/12(水) 20:34 遺伝的アルゴリズム=すごいアルゴリズム と読み替えればかなり辻褄合うみたいですね。
284 名無しさん :2003/11/12(水) 23:09 「神沈」を2/3読んだんだけど、全然登場人物の誰にも感情移入ができない。 なんか内容スカスカの小説じゃん。というのはご存知のように用語や現象の 説明がくどすぎることだ。SFじゃなくて超常現象のガイドブックを読んで いるようだ。あと1/3読めば少しは面白くなるのだろうか? 望み薄だな。
285 名無しさん sage:2003/11/12(水) 23:47 >>282 > >「小説ってのは嘘なんだ。読者が気に入ってくれる結末を書くからヒットする。(中略)そう計算して、俺はあえて信じてもいないことを書いた。本当の考えは違う」 > なんて言ったりするぐらいですから。 > (たとえば、上の加古沢の台詞を、僕は支持しません。「小説家はストーリーで嘘をついてもいいが、テーマで嘘をついてはいけない」というのが僕の信念だからです) いやいや、まったく同じ主張だよ。同じ物の見方をしているのだからね。小説のテーマと作者の主張、この2つを対立させて 考えこだわるところは全く同じだ。表面的には山本と加古沢の意見は肯定と否定でまったく逆に見えるが、両者とも 同じ事の裏表を表現しているだけだよw 本当にこだわりもしない人物ならこんな発言さえしない。肯定と否定は表裏一体だ。言ってみればあることを 肯定するのも否定するのも同じ物の見方にすぎない。本当に別な物の見方をするなら、そもそも否定すらしない無関心 なスタンスをとるだろうね。 そもそも小説のテーマとは作者の主張であるというのが、山本の勝手な決めつけに過ぎない。例えば 役者が自分の主張とは違うテーマの演劇には出演しないとか、あるいはニュースキャスターが自分の 信念に反するニュースは報道しない、とかいうのはどんなものだろうね。 小説家にとっては自分の信念を表現する自由もあるし、そうしない自由もある。それだけのことだと思うのだけどね。 そして「それだけのこと」と割り切れない点において山本も加古沢もそっくりだ。
286 名無しさん sage:2003/11/12(水) 23:52 >>283 いっそのこと架空の「超遺伝的アルゴリズム」にすればよかったかもね。 前半のうんちくは論外として、後半の一応小説らしい小説の部分だけを評価しても この世界はシミュレーション ドーキンズ&ミーム 遺伝的アルゴリズム 記号着地問題 グローバルブレイン etc.なんか、もうこれだけでウンザリしちゃうんだけどね。喰い飽きたようなものばかりだ。
287 K.K sage:2003/11/13(木) 01:13 >>286 そういう題材で「フレーミング問題」を起こして収拾がつかなくなってしまったと・・・。
288 名無しさん :2003/11/13(木) 01:59 >>285 >そもそも小説のテーマとは作者の主張であるというのが、山本の勝手な決めつけに過ぎない。 そうなんだよね。 技量の優れた作家であれば、自分の信じてもいない物を説得力をもって描ける筈だ。 まさにそれがプロの職人芸というものだしな。 どうにも山本弘の主張というのは青臭くていけない。 小説を書き始めたばかりの高校生ならともかく、作家として10年以上のキャリアが ある人間が言うこっちゃないやな。
289 名無しさん sage:2003/11/13(木) 04:44 >>288 山本って言うのは主張がなければ芸術でないとでも考えているのかね。 そうなら映画でもアニメでも漫画でも原作者以外は芸術家じゃないんだろうな。
290 名無しさん sage:2003/11/13(木) 12:37 山本の遺伝的アルゴリズムに対する考え方が少しわかってきた気がする 遺伝的アルゴリズムには従来の手法にない画期的な利点がある=遺伝的アルゴリズムは画期的なすばらしいものである。 こういう考え方をしているのだろう。 実際には従来の手法の方が優れている点も多く、一長一短なのだが、そういうものの考え方ができないのだろう。 俺からすれば遺伝的アルゴリズムは泥臭いもので興味ないものだが うまく適用できる分野では画期的な結果を出すことも可能かもしれない。 人工知能の分野で有効といわれていたが、これには疑問を感じている。 実際にはもっと違う手法で思考方法の基礎理論を作ったうえで それを実現するための土台として(実用的な効率を実現するために)使用する といった形になるんじゃないかと、知性や思考のコアが遺伝的アルゴリズムによるものなのではなく あくまでそれを支える環境なのではないかと思ったりする。 専門家ではないのでうまくいえないのだが、 山本弘の考え方は教科書通りの何のひねりもないもので、読んでいて面白くない。
291 名無しさん sage:2003/11/13(木) 14:09 遺伝的アルゴリズムの考え方そのものは1960年代に考案されたものなので、それほど新しくはないんだけどね。 まあ当時のコンピュータは性能が低かったから実用にはなかなか結びつかなかったというのはあるけどね。
292 名無しさん sage:2003/11/14(金) 14:47 http://www.bekkoame.ne.jp/~taka_no6/diary/diar0311.html#031107 >乙一の『神は沈黙せず』書評 >■確かに乙一が好きそうな話だと思った。結構感想をあちこちで見かけるけど、 >瀬名秀明の『Brain valley』を引き合いに出してくる人はあまりいないなぁ…。 やっぱりブレインヴァレーを連想する人がいるんだなー
293 名無しさん sage:2003/11/14(金) 15:02 >>287 んー収拾がつかなくなるほどの深さすらないと思うんだけどね。 ありきたりなネタを寄せ集めて凡庸なストーリーを作り上げただけだ。 しかもろくな考証もなしに(普段あれだけ調査や考証が大事だといいながら)。 ユニークなアイディアと言えば、神に自分をセーブさせることによって不死を目論む部分だけだね。 そこにオチを持ってこないで、グローバルブレインこそ神の目的である、という点にオチを持ってきたのは、 まさか山本はこれこそ自分のオリジナルのアイディアだと思っているのだろうかね。山本は 「世界は神のシミュレーションである」というのも「グローバルブレイン」も既にある発想だ。 しかしその両者を結びつけたのは俺(山本)のオリジナルであり、この小説のキモだ。 と、でも思ってるのかなあ。俺にはすごく凡庸で誰にでもできる発想にしか思えないんだけどね。
294 名無しさん sage:2003/11/14(金) 16:01 主人公が幼少の時、家族でディズニーランドに行く約束が父の仕事の都合で不履行になった事を回想する箇所。 雨が降り始めたのを見て母が「この分なら東京も雨だから行かなくてよかった」と慰める。それに対して主人公は 「雨なのは西日本だけで、関東地方の天気予報は晴れである。」と母のウソを見破り、なおかつ母の胸中を 察して騙されたふりをしたそうだ。 問題はこれが主人公が小学校に入学したばかりの出来事だということ。6歳児にここまでの洞察力があるものなのだろうか。 まして母の気持ちを察して騙されたふりをする、ということが出来る物なのだろうか。「騙されたふりをする」という発想は 人間の精神活動の中でもかなり高度な部類に入る。ウソをつくことは幼児でもできるが、ウソを見破りかつそれに 気づかないふりをするという事は小学校低学年には無理だと思うのだが… また、主人公が在りし日の母と神について会話する箇所。モーゼが海を割り紅海を渡り、それを追うエジプト軍は 溺れて全滅するシーンを見て「なぜ神は全能なのにエジプト王の心を変えてモーゼ脱出を許可させなかったのか」と疑問に思う。 これも6歳児に可能な発想だろうか?せいぜい「なぜモーゼ達を目的地に一気にテレポートさせなかったのか」という発想が 限界だと思うのだが。 また、両親を土砂崩れで亡くした直後、自分と兄だけが助かったことを病院で嘆くが、6歳児にとって両親の死が こんなにストレートに理解できるものだろうか。言葉で「両親はなくなった」と説明されてもその意味を実感できるものだろうか。 おそらく家に帰ってもいつも迎えてくれる両親の姿がない、といったさまざまなシチュエーションを通して徐々に「両親の死」という 言葉の意味を痛感していくと思うのだが。 どうやら主人公が両親と死別する時期を幼少の頃(6歳)に設定したため(たぶんトラウマとしてストーリーを運びたかったのだろう)、 主人公と両親のふれ合いを描く期間が極端に短くなってしまっている。それゆえ6歳児とは思えないやりとりを両親とせざるを得なくなったようだ。
295 名無しさん sage:2003/11/14(金) 16:13 大人であれば親しい人が死んだという情報に接するだけで悲しむことが出来る。しかしそれは既に体験した悲しみ、あるいは 小説などの知識を元に「親しい人を失った後の世界」を想像可能だからだ。人は人の死を悲しむのではない。失ってしまった後の 自分の世界を悲しむのだ。だからそういったことを未経験の6歳児には「死」という言葉だけで悲しむことはできない。
296 K.K sage:2003/11/14(金) 16:26 ふと思った。この本は「世にも奇妙な物語 - 秋の番外小説編」なのではなかろうか。 私が買ったのは落丁版で、実はタモリが最後に「ふとしたことから入り込んでしまった神の世界。それは・・・」とかあったんではなかろうか。
297 名無しさん sage:2003/11/14(金) 16:41 >No.15472 - 2003/11/14(Fri) 14:33 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 > > ストーリーやテーマにしても、2000年の時点ですでに『神は沈黙せず』のラストの構想はできていました。 >それを先に『戦慄のミレニアム』のバレンタイン牧師の言葉として使っちゃったので、『戦慄のミレニアム』を先に読んでいた人は「またか」と >思われたでしょう。まあ、僕としてはこれが最終結論だと思うので、あえて変える必要はないと思いました。>2 回ぐらいだったら許してもらえるだろうと(さすがに3回やったら顰蹙だろうから、もうやりませんけど)。 3回はダメだけど2回ならいいというのはどういう理屈なのかなあ。そもそも「これがこのテーマに対する自分の結論」だから 同じネタでいいという言い訳がすごいね。そりゃあ学術論文だったらいいかも知れないけどね。でも論文ならもっとちゃんと 考察をしないとだめだろうね。 自分の主張を現実の世界では論証するだけの努力も能力もなしに、架空の小説の世界で代償したってことだよね。 まあどんな小説を書くかはその人の自由だが、ちょっとあんた(山本)には向いてないと思うんだけどね。例えばトンデモ本の 世界とかでと学会の面々が一生懸命資料を集めて書いているが、そういう手間をはしょるために架空の世界の出来事と いうことにしてでトンデモ本を笑い物にする作品があったら、それを評価するかい?
298 名無しさん sage:2003/11/14(金) 16:49 今回の件で分かったのは山本はトンデモ本を書くのが下手だということ。 言い換えれば人を騙すことが下手だということ。これはSF作家としていかがなものか。 少しは飛鳥昭夫や五島勉の爪の垢でも服用したらどうか?
299 名無しさん sage:2003/11/14(金) 17:30 山本は「SF作家」という肩書きだけ付けていたいから、面白くないSFを 書いて売れなくても全然気にしないのです。
300 名無しさん sage:2003/11/14(金) 17:46 >神に自分をセーブさせることによって不死を目論む部分 ここが良くわからんのだけどさあ。 ここを見る限り悪役がやってることって、最近の例だと ヒトラーやスターリン、その他諸々の歴史上の偉人変人独裁者 よりやってること小さいよね 神珍の世界ではそーいった人たちが不老不死になっているという 描写でもあったのかね。 無いのならろくな根拠もない妄想になると思うぞ。
301 名無しさん sage:2003/11/14(金) 18:30 >>300 その点だけは説明がある。たった一人で戦争を引き起こすところがポイントだそうだ。 ヒトラーとかは数多くの部下を使ったけど自分は一人で大量の人間を死に追いやるからユニークなのだ、と。 なんかわかったようなわからないような理屈だが。(結局戦争をするのは軍隊なのだが…)
302 名無しさん :2003/11/14(金) 18:47 また山本の勘違いか・・・
303 名無しさん sage:2003/11/14(金) 21:10 >301 何だかよく判らん話だな。 そんな「ユニークさ」でいいなら 「道具を使ったサル」とか 「火を使った原始人」とかがゴロゴロ不老不死になってそうだけどな。
304 名無しさん sage:2003/11/14(金) 21:16 >>301 「大阪城を建てたのは?」「大工さん」レベルの屁理屈じゃん(w
305 名無しさん sage:2003/11/14(金) 21:32 なんか、壮大なスケールを立てた割には、話が小さいんだよね。 実力もあるが癖もある企業戦士が、 所詮お前は歯車で個人の才能や業績も会社でしか評価されないっていう(悪役)のと 最初に個人の才能や努力は会社になんの影響も無いと気づいた社員が、 歯車でも目の前の仕事をがんばるんだー(兄)っていう 夢も希望もない落ちの話を宇宙規模でしただけのような。 最後の落ちが、考えても仕方がない物は仕方がないみたいな落ちだから ぜんぜんカタルシスが得られないんだよね。 このガジェットでもっと壮大な話を読んでみたかった。 なんとなく感想
306 名無しさん :2003/11/14(金) 22:00 >このガジェットでもっと壮大な話を読んでみたかった。 そうだな。「リアル鬼ごっこ」の作者が書いてくれないかな(w
307 名無しさん sage:2003/11/15(土) 01:31 >>300 >神珍の世界ではそーいった人たちが不老不死になっているという >描写でもあったのかね。 俺は一回ザッと読んだだけで、また再読する気は全く無いので(面白くないから) なんなんだけど、俺はこのセーブの発想は面白かったね。しかしそれを補強するエピ ソードとかがないので、リアリティがなくて興ざめしたよ。他の作家ならもっと 上手く膨らませるんだろうけど。 しかし山本は「小説は設定が大事」というが何だよこりゃ? せっかくの唯一いいアイデアも山本の技術の無さで台無しだな。
308 名無しさん sage:2003/11/15(土) 01:39 >>305 > ぜんぜんカタルシスが得られないんだよね。 そうそう。「ああ、なるほど!」って感覚が得られない。グジュグジュっとしてて、なんかごまかされているような 終わり方なので、読後の爽快感がないんだよね。悪役の動機の説明と神の真の目的の説明の順序を 逆にするか、あるいは一緒に説明を行うべきだと思うんだよ。変に次章に引っ張るから「まだこの先にオチがあるんだ」と 期待してしまう。ところがその後に用意されているオチが凡庸そのものなので、非常に読後に不満が残る。
309 名無しさん sage:2003/11/15(土) 01:51 >>307 設定と言えば、失踪した人間(兄)がそう簡単に海外(オーストラリア)で就職できるのか?といいたい。 それとも単に妹や妻の目の前から消えただけで、正規の手続きで出国したのかね。そもそも就労ビザで オーストラリアに入国したのか、観光ビザなのか…後者なら相手国(オーストラリア)に受け入れ先が 決まっていないとビザは降りないし、後者で入国して就職というのは容易じゃないと思うのだが。
310 名無しさん sage:2003/11/15(土) 02:07 p.486辺りに書いてある「兄が実証したこと」というのは現実の世界のニューラルネットそのものだ。 兄はネブラ10(ゲーム機)を大量につないで、アーフに「花」を認識させることに成功する。 しかしこの程度は現実の世界のニューラルネットですでに成功していることだ。 兄が2016年に行った実験は現実の2003年の世界ではすでに過去のものだ。「ニューラルネットによる画像認識」は 未来どころか、現実の世界では古典となりつつある(まあ、ここまでいうと研究している人たちは怒るかも知れないが)。 まさか山本はニューラルネットを知らないのだろうか?知らないとは考えにくいのだが、知っていれば小説の中に この単語が一言も出てこないわけはないと思うのだけどね。知らないフリをすることは山本がもっとも嫌うことだろうから。 したがってこの小説は2016年の未来を描いている割にはもっとも重要な部分で現実の2003年にすら追い抜かれて しまっている。兄はわざわざ実験を自分でやる必要などなく、20世紀末のニューラルネットの文献を調べれば 済んだのだ。もっとも、これを実証するとどうして神の意図を実証したことになるのか、その理屈がよく分からないが。 専門家の間では既に研究済みの事柄を、在野の研究家が再発見し、さらに自分の独学による思いこみで 味付けをしてトンデモ理論を作り上げることはよくあることだ。兄のやっていることはこれそのものに見える。 兄は確かにいくつか目覚まし業績を上げているかも知れない。しかしある分野で業績を上げた人間が必ずしも トンデモ理論にはまらない保証はない。ペンローズの例を出すまでもなくね。 結局これは架空のトンデモさんを描いた作品なのかなあ。まあそれならそこそこ成功しているかも知れないね。 面白くも何ともないけど。
311 名無しさん :2003/11/16(日) 01:47 >>307 >>俺はこのセーブの発想は面白かったね。 俺は「神チン」読んで無いからイマイチ分からないんだが…… 要するに「神」に自分を構成するデータをセーブしてもらえば「不老不死」になれる。 って事? それが加古沢……だっけ?の目的? でも、この「神にセーブしてもらう」=「不老不死」ってアイディア。 山本のオリジナルじゃないぞ。 似た様な設定を過去 矢野健太郎「ネットワーク戦士」や 長谷川裕一「超獣機神ダンクーガBURN」で見た事あるぞ?俺……
312 名無しさん sage:2003/11/16(日) 01:58 >>311 へーそうなんだ。もう少し詳しく教えてよ。
313 名無しさん sage:2003/11/16(日) 03:24 最後の部分、ヨブ記は誤訳だと主張する部分。「塵と灰」とは聖書の世界では朽ち果てること運命づけられた人間の肉体を意味する、と 書いているが、これは違う。神はヨブに苦難を与えるために皮膚病にかからせた。そのためヨブは灰の中に身を伏して素焼きの欠片で体中を 掻きむしったとある。「塵と灰の上に伏し」とはこのことを指している。 この部分はジャックマイルズの「GOD:神の伝記」の引き写しだろうが、異説であることを忘れてはいけない。 また、山本は「この話は神にすべてを奪われながら神に対して戦いを挑み勝利した物語だ」と述べているが、 そもそも事の始まりは「人間は報酬なしに神を信じ続けるか」という神と悪魔の賭だったことを忘れている。 神にとってヨブを納得させることなど目的ではない。不条理な目にあっても神を信じるかという点が賭けなのだから、 この話の中で神が極めて不条理に振る舞うのは当然なのだ。ここで神がヨブに対して合理的な説明をし、その結果 ヨブが神への信頼を新たにしても神にとって何の意味もない。それどころかそれは悪魔との賭けの敗北を意味する。 神は合理的な説明なしにヨブの信頼を得なければ、この賭けに勝てないのだ。だから神はひたすら自分の偉大さを 傲慢なまでにヨブに見せつける。 結果ヨブは神に対して合理的な説明を求めるのを放棄する。神の創造物である人間が神の行いの意図を問いただす ことがそもそも無意味だと気づいたからだ。人間にとって神は理性で理解できるような合理的な存在ではないのだ。 (そもそもそういったものをひとまとめにして説明するために「神」を人間は設定したのだから) 聖書の中で神は合理的で話の分かる存在として描かれてはいない。絶対的な権力を持ち、常に自分の 思うとおりにのことを人間に強要する存在だ。その点から見てヨブ記の描く神が突出しているかといえば、それほど でもない、という程度だろう。
314 名無しさん sage:2003/11/16(日) 03:39 最終的に神は今まで不虞を帳消しにするかのようにヨブにさまざまな物を与える。ヨブ記の語るところは、 自分の境遇が如何に不条理に見えても常に信仰を忘れなければ、最後には神は自分を救ってくれる、という点なのだ。 これは全能な神に統治されているにもかかわらず、なぜこの世界は(人間の目から見て)不条理に満ちているのか、という 疑問に対する聖書なりの一応の答えがこのヨブ記なのだ。人間ヨブにとって神と悪魔の賭の事情など知るよしもない。 この世には人間の理性の及ばないことが多数ある。一見神が人間をひどく苦しめているように見える事柄もある。しかし それは人間の理解力が未熟なためであり、基本的には神は人間を愛している、と語っているわけだ。
315 名無しさん sage:2003/11/16(日) 03:51 これは例えば親と子の関係でも同じだ。子供を教育する場合、子供の理性に訴えて合理的に導くに越したことはない。 しかし往々にして力(腕力や権力や財力)によってショートカットせざるを得ない場合が多々ある。これは手抜きとか 短絡思考というものとは違う。教育の本質として、その地点を通過して始めてその事の本質が理解できるということが 多々あるからだ。 円の面積を求めるのには微積分を使わなければならない。しかし微積分を習得するまで円の面積を計算できないのでは 多くの人間は微積分までおそらくたどり着かないだろう。教育(に限らず世の中の多くの事)が不合理なのはむしろそれが 本質だからなのだ。人類は微積分を発明するのに多くの歳月を要した。小中学生一人一人が同じ苦労をしなければならないとしたら 逆にこんな不合理なことはないだろう。 理性は大切である。しかしその限界も認めるべきなのだ。
316 名無しさん sage:2003/11/16(日) 04:00 合理的な考え方はもちろん重要だ。しかしそれが高じて合理的に説明できないものは重要ではない、と考えるようでは、 知恵が付き始めた中学生が屁理屈をいうのと変わらない。合理的に説明できないものの中にも大切なことは数多くある。 大切なものを合理的に説明できないのは人間の理性に限りがあるからであって、それが大切でないからではない。 しかし不合理なものを人々に納得させる(教育する)のは合理性に頼れるものごとを納得させることよりも困難である。 それゆえ人間は宗教を作り上げたのだ。むろん別な手段でもよかった(道徳など)。しかしもっとも成功したのが 宗教であったわけだ。合理的な思考においては数学と自然科学がもっとも成功を収めたように。
317 名無しさん sage:2003/11/16(日) 10:07 山本(の分身である主人公)は、人が不幸な目にあうのはその人の前世の業や信心不足とが原因だと説く宗教家に、 それを本人に面と向かっていえるのか、と述べる。しかしそれなら科学はどうなのだろうか。行方不明の子供の無事を 必死に祈る母親に対して神などいないのだから無意味だといえるのだろうか。墓参りなど無意味だといえるのだろうか。 たとえ正しいことであってもそれを主張するのが不適切な場面はある。逆に言えば不適切な場面でいえないからと いってそれが間違いであることにはならない。山本の主張は、その場だけ通用する「簡単でわかりやすい」理屈をつければ 「勝ち」だという思考なのだ。
318 名無しさん sage:2003/11/16(日) 11:12 >>317 >山本(の分身である主人公)は、人が不幸な目にあうのはその人の前世の業や信心不足とが原因だと説く宗教家に、 それを本人に面と向かっていえるのか、と述べる。 それは発想が逆だ。 世の中にはどうやったって不幸な死に方をする人は必ず出てくる。 そういう人を慰めるために「○○さんは不幸な亡くなり方をしましたが、天国で幸せに暮らしています」「来世では幸せになれます」という考え方が生まれたってことは、論理的に考えればすぐにわかる事ではないか? もちろん世の中には信者獲得のために輪廻思想を脅しに使う宗教家もいるけど、それは思想を悪用する一部の人間が悪いだけで宗教そのものが悪いわけではない。
319 名無しさん :2003/11/16(日) 12:02 >>312 ●「ネットワーク戦士」矢野健太郎作 概要 ネットゲームをしている最中、ふとした偶然から別のネットに繋がってしまう。 それは、繋いだ人間を「ゲーム界」に引き込む「D-net」と呼ばれる物だった。 主人公達は様々なゲーム界を行き来し、其の果てに「D-net」の謎を解く。 と、言った。ライトファンタジーと言っても良い様なお話。 ●「D」の正体 かつてこの多次元宇宙におきた次元間戦争、その大戦の最中ある次元で生まれた。 一つの次元をただのエネルギーに分解、 破壊した次元のエネルギーを吸収しさらなる破壊のエネルギーに変える。 次元破壊システム「D」 だが、予想外のアクシデントが起こった。破壊した次元のエネルギーが大きすぎ吸収しきれずに暴走。 そんな中「D」は自我を持ち始め、暴走する次元エネルギーをデータとしてみずからに取り込む事を覚える。 そして、数々の次元世界が「D」の肉体になって行った。 「D」に取り込まれた世界は永遠にその時の状態で保存される。つまり 「不滅の生命を得る」のと同義である。と作中にて言われる。 結局「D」は「世界を作った神」ではないのだが「神に等しいモノ」として描かれている。 そして、その「D」にデータセーブしてもらえば「永遠の生命を得られるのだ」とも… つまり「神にセーブしてもらう」=「不老不死」と言うアイディアの基に 作られた作品と言えよう。 で、この作品の初出なのだが………………………… プロローグにあたる読みきり作品「KEY ウォーゲーム’86」が 月刊少年チャンピオン’86 4月号 本編作品が 月刊少年ジャンプ増刊ホビーズジャンプ vol8 ’86 1月20日号~vol14’88 1月20日号まで 山本弘が「神チン」を考えはじめる遥か10年以上前に考えられていたんだなぁ………これが(w まぁ、山本の事だから、「こんな作品の事は知らん!」 「自分ひとりで考え付いたアイディアなんだ!」と言うだろうが………
320 名無しさん :2003/11/16(日) 12:06 ちなみに「ネットワーク戦士」単行本は 1991年9月に Gakken ノーラコミックスとして刊行 もし興味があったら古本屋で探してみるのも一興かも……
321 名無しさん sage:2003/11/16(日) 12:25 矢野健太郎かあ。 確か山本は前、別の漫画の感想書いていたよなあ。 「クトゥルフに原子力問題を持ち込むのはトンデモだ!」とか。 あれもノーラだったなあ。 長谷川祐一かあ。 選りにもよって星雲賞の大常連だな。 この人の作品をしらないのは、SF作家として勉強不足ではないのかなあ。
322 名無しさん sage:2003/11/16(日) 12:33 そういや長谷川祐一の「マップス」の敵役の動機もそんな感じだったな。 何で皆が「神にセーブさせる」という発想を斬新斬新と言っているのか 不思議だったんだが、同じ発想の作品を前見ていたからだな。
323 名無しさん sage:2003/11/16(日) 13:43 >何で皆が「神にセーブさせる」という発想を斬新斬新と言っているのか >不思議だったんだが、同じ発想の作品を前見ていたからだな。 いや全然ほめてなかったわけよ。 ただあの小説ではその部分しか目にとまらなかったわけ。
324 名無しさん sage:2003/11/16(日) 15:13 納税拒否を呼びかけることで革命を起こすサイレントレボリューションってどういう発想なのかな。 そんなことで革命が成功するなら、選挙とかの合法的な手段で成し遂げられると思うんだけど。 だいたいそんなことをしなくてもマスコミはせっせと内閣支持率を出しているのだから、それによって 現体制が支持されていないことが誰の目にも明らかなら、解散→総選挙→改憲論者の当選→国民投票という 手順で可能なはず。国民投票は過半数が必要だが、山本の設定では70%の人間が納税拒否をしたのだから、 余裕でクリアできるはずだし。 とはいえ「納税拒否」を政府への不支持の表明手段にするのはいかがなものか。誰だって税金を納めたくは ないわけで、70%の中には別にサイレントレボリューションの構想の支持者でなくても便乗して納税をサボった人間も 多数は入っているはず。当然あの世界の識者もこのようなアナーキーな方法での改憲に異論を唱えただろう。 こうしたことにも気づかないほど山本の世界の大衆は馬鹿なのだろうか。
325 名無しさん sage:2003/11/16(日) 15:19 経済に関しても政治に関しても山本には中学生以下の知識や洞察力しかないことが明らかになった。 この程度で戦争論に文句をつけていたとはとんだ茶番だ。
326 名無しさん sage:2003/11/16(日) 16:08 京の敵を長崎で…とばかり山本は「ゲリラを殺してよいか」論争を自分の小説の中で決着をつけている。曰く(p.60~61)、 1.捕らえたゲリラは殺していいというのは俗説であり、国際法にそんな規定は何処にもない。 確かに便衣兵は交戦者の条件を満たさず捕虜としての待遇を受けられないことになるが、 だからといって殺していいとは書かれていない。 (普通、決まり事とは禁止事項を書くと思うんだけどね。) 条約の前文では条約に含まれない部分についても人道や公共の良心に準ずるとあり、その点ゲリラの 虐殺がこの精神に反することは明白。 (問題はその精神がなぜ本文で明文化されなかったかという理由だと思うんだけどね。そもそも 戦闘中に相手を殺してよいとも書かれてないわけで、その理屈なら戦死者を出すような戦争は すべてこの精神に反するのだろう。) 2.中島中将の日記にはどこにも殺されたのが便衣兵だとは書かれていない。「続々と投稿し来る」と あるのだから戦意を失って投稿してきた兵士の処分について述べたものであることは明らか。 (これはそうかもしれないが、山本がそもそも戦争論に噛み付いたのは「ゲリラは殺してよい」という 小林よしのり主張に対してだから、これでは山本の方が形勢不利と見て争点をずらしているような 印象を受けるね。だったら最初から「虐殺された捕虜はゲリラではない」と文句をつければよかったのだから。) 3.日本軍が便衣兵狩りを行ったのは事実だがどうやって一般市民と便衣兵を見分けたのか。 いくつかの証言によれば手にタコがあるのは十を持った証拠、額が陽に焼けていないのは軍帽をかぶっていた 証拠として罪のない一般市民が多数処刑されたのは確実である。 (小説だと資料の出典も示さずに主張が出来るから楽でいいね。)
327 名無しさん sage:2003/11/16(日) 16:18 >国際法にそんな規定は何処にもない。 だ、駄目だ・・・未だに国際法のことを欠片も理解していない・・・ 国際法には慣習法としての側面があり、条文がきっちり定められている ようなもんじゃないってのに・・・。 あれだけ叩かれてまだ理解していないのかよ。 これで柳田を「いい加減だ」とか言っているのだから狂っている。
328 名無しさん sage:2003/11/16(日) 19:37 ゲリラを殺しても良いのか悪いのかと言えば、当然悪いだろう。 ただ、それをいうのなら、戦争自体やっちゃいけないことだろう。 ゲリラやスパイに国際法は適用されない。 義務を果たさなければ権利は得られない。 常識だろう。 大体、何のための国際法だと思ってるんだろう?
329 名無しさん sage:2003/11/16(日) 20:42 >だがどうやって一般市民と便衣兵を見分けたのか。 それは山本弘にも問いたいことであって、君なら一体どうやって一般市民と便衣兵を 厳密に区別できるのかと。区別しがたいことことが、まさに便衣戦術の本質なのであ って、簡単に区別できるようならそもそも便衣兵とはならないだろう。 こういう側面をどうしてみないのだろうか? そしてさも日本の行動がが悪いようにいうが、便衣兵を排除しないことが日本軍のみ ならず、中国の一般市民にとっても危険極まりないことであることが山本弘にはどう してわからないのだろうか? では本当に問題あるのは誰かといえば、そんな戦術を取った中国なのであって日本で はないことは明白なんだよ。そして民間人を巻き込んだのが、日本ではなく中国であ るという現実こそ山本がみなければならない南京事件の真実なんだよ。
330 名無しさん sage:2003/11/16(日) 21:51 >(小説だと資料の出典も示さずに主張が出来るから楽でいいね。) おまけに論争相手を幾らでも無能に設定できるし いざとなれば「あれは小説のことですから僕の考えじゃないです」で 逃げられるしなあ。 しかし、これといい政治経済について何も理解していないで無茶を書くことといい つくづくプチ田中芳樹だなあ。
331 名無しさん sage:2003/11/16(日) 23:21 神沈のP250あたりに超心理学に関してあれこれ批判的なことが書かれてあるが あれも昔ニフティで笠原敏雄と論争して最後は逃げ出して、その後、陰でぶち ぶち悪口言っていた山本の意趣返しなのかなあ。 なんかコンプレックスの固まりみたいな小説だな。
332 名無しさん sage:2003/11/17(月) 01:24 >>330 > おまけに論争相手を幾らでも無能に設定できるし 山本は小説の中で「ザ・レイプ・オブ・南京は確かにひどい本だが、それが大虐殺がなかった証拠にはならない。 広島への原爆投下について間違いが書かれた本がいかに沢山あっても、原爆投下がなかった事にはならないのと同じに」と 述べている。山本は自分の小説から学ぶべきだね。いくら南京大虐殺はなかったと主張する人間を馬鹿そのものに 描いても、馬鹿が大虐殺はなかったと主張していることが大虐殺がなかった証拠にはならない、となぜ分からないんだろうな。 主人公は最後に、私は私の生き方を加古沢の小説から学んだ。加古沢自身は信じていなかった加古沢の小説から 正しい生き方とは斯くあるべきだと学んだ。加古沢は自分の小説から何も学ばなかった、といっている。 この言葉こそ、そっくりそのまま山本に送りたい。
333 名無しさん sage:2003/11/17(月) 01:25 訂正 > 描いても、馬鹿が大虐殺はなかったと主張していることが大虐殺がなかった証拠にはならない、となぜ分からないんだろうな。 ↓ > 描いても、馬鹿が大虐殺はなかったと主張していることが大虐殺があった証拠にはならない、となぜ分からないんだろうな。
334 名無しさん sage:2003/11/17(月) 11:01 山本は小説の中で「GOD 神の伝記」の著者ジャックマイルズを中近東言語学の権威と書いている。 確かに彼はハーバード大学で言語学の博士号を持ってはいるが、当然の事ながら博士号を持っている 人間が全員権威であるわけはない。大学の博士課程を修めた人間は皆博士号を持っているにすぎない。 この著作はその名の通り「伝記」であり神の生き様を通常の人物のそれと同列に描いている。 苦悩し、悩み、時に自己嫌悪に陥りそして成長する人物として。当然の事ながらこの著書は 多くの批判を浴びた(むろん賞賛も)。批判のもっとも大きなものは、彼が聖書の記述をその 順序通り一つの一貫した物語として解釈を行っている。今日聖書がさまざまな成立年代の 文献の寄せ集めであることは周知のことであり、彼の解釈方法は大きな弱点を持っている。 彼はこの著書でピューリッツアー賞を受賞した。彼の新鮮なものの見方と綿密な調査論証が 評価された結果といえるが、シンセ員で緻密な論証であるからといってそれが真実である保証はない。 彼とは見解を異にする、同じぐらい緻密な論証が行われた論文はいくらでもある。山本は彼の主張 (ヨブ記は誤訳である)がまるで市民権を得たものであるかのような書き方をしているが、少なくとも 現時点では(そしておそらく永遠に)キワモノ扱いの異説に過ぎない。日本でいえば日本人の祖先は ユダヤ人だとか、邪馬台国は琉球にあった、といったたぐいのものなのだ。 それを題材に使ったこの山本の小説は、日本人=ユダヤ人説を元にした小説に喩えることができる。 もちろん山本の小説はフィクションなのだからどんな題材を使おうと自由なのだ。
335 名無しさん sage:2003/11/17(月) 11:12 また、山本はこの小説で神を人間の価値観や合理性を超越した存在と位置づけている。 だから人間にとって正しいことなど神はしないし、人間を愛してもいない。それは山本の考えなのだから 構わないが、それならばヨブ記の通常の解釈「神の行いを人間は所詮理解することは出来ない。信じるのみである。」と いう解釈の方が、山本の示している「人間は自らの価値観で神を批判し勝利を得た」という解釈よりもピッタリするのではないか。 山本の小説の神は個々の人間など相手にしてはいない。グローバルブレインこそが神が動向を注目している対象なのだから。 ならば一人の人間が神に戦いを挑み、神が敗北を認めて賠償を払ったという山本のヨブ記の解釈こそ、山本の神の設定に 著しく矛盾してはいまいか。宇宙を創造するほどの力をもった神に対してその考えを理解しようとした愚かさに気づき、 ただただひれ伏して信仰するヨブの姿こそ、山本の設定した神と人間の関係にふさわしくはないのか。
336 名無しさん sage:2003/11/17(月) 11:19 山本は人間の心が理解できない点を神の欠点であるかのように書き記している。仮に神が人間のこころを 理解できないとして、それが欠点なのだろうか。例えば単細胞生物は多細胞生物の心を決して理解できないだろう。 白血球のように自らが死ぬことで全体を守るという行動を、単細胞生物は決して理解し得ない。なぜなら単細胞生物に とっては己の生存こそがすべてであり、一方多細胞生物にとってはその集合体としてのシステムの維持こそが重要であるからだ。 もっとも重要であるはずの生存の目的が大きく違うのだから両者の間に共通の価値観は生まれない。 この両者の間でどちらが優れどちらが劣っているいうことはできない。
337 名無しさん sage:2003/11/17(月) 11:28 小説の中で終盤、兄と妹が「死後の世界がないとしても(死後に善行報いが得られなくても)人間は善行を 行うことが出来るか」について議論を行う。結果は楽観論に終始するのだが「科学的」を標榜する小説にしては そもそもこのような問答が陳腐である。多細胞生物の喩えを出せば、個々の細胞は全体の利益になるように 行動し、必ずしも自己の生存にとらわれない。これはなにも個々の細胞が死後の報酬を期待してそう振る舞って いるわけではない。個々の細胞の生死と生物全体の生死は同一次元のものではなく、2択にはなりえないのだ。 人間が時に自分の属する集団のために個々の生命を犠牲にする行動をとる理由もここにある。
338 名無しさん sage:2003/11/17(月) 11:30 科学的を標榜するのであればせめて最後の結論ぐらい陳腐な楽観論に逃げずに、こうした観点から切り込むべきではないのか。 それでこそグローバルブレインという題材が生きてくるというものではないのか。
339 名無しさん sage:2003/11/17(月) 14:44 p.408のサイレントレボリューション前後描写では、防衛庁は防衛対背の大幅見直しを革命政権に確約されたため、 素直に革命政権を支持したとある。一方p.416では日本の軍国主義化を恐れて防衛力増強を唱えるコリアに対して、 新政府は防衛予算を増額する意志など全くないし、そもそもそんな財政的余裕などあるはずがない、と書いている。 これはどういうことなのだろうか。単に革命政権が防衛庁に対して自分たちの都合のいいように空手形を切ったのだろうか。 革命前は防衛力増強を軍隊に約束して自分たちへの支持を取り付け、革命が成就するとそんな予算はない、と 態度を翻す。山本は「軍」に対してこんな態度をとってただで済むと思っているのだろうか。何しろ革命政権は非合法な 手段で政権を奪取したのだから、軍はいつでも旧政権支持に趣旨替えできるはずなのだが。 それとも約束したのは「防衛体制の見直し」であって「軍備の増強」や「予算の増額」ではない、ということなのだろうか。 いったい世の中に金を使わずにできることがどれほどあるというのか。そんな口車に防衛庁や自衛隊の幹部がそろって 言いくるめられると山本は思っているのだろうか。山本は政府や官僚や軍幹部を馬鹿だと思っていやしまいか。 組織の中で働いたことのない山本はマジに組織の幹部を馬鹿だと思っているのかもしれない。彼らは馬鹿ではない。 もちろん得意な分野とそうでない分野はあるから、そうでない分野だけをみれば馬鹿に見えるかもしれないし、そう評価する ことも多々あるが、一応トータルして他者よりも優れている点があればこそ他人をけ落として現在の地位を手に入れているのだ。 しかも今の問題は新政権と旧政権のどちらを支持するのが自分たちの得になるかということなのだから、このような問題に 疎い人間が組織の要職についている訳がないのだが。
340 名無しさん sage:2003/11/17(月) 15:02 また山本は1990年代、韓国では日本が朝鮮半島に攻めてくるという内容の小説が多数出版されて人気を呼んだことに関して、 「奇妙なことに朝鮮半島に住む人々の多くはいつか日本人が攻めてくるのではないかという不安を抱いており、そうした荒唐無稽な 小説にリアリティを感じるらしい。日本人のほとんどはそんなことは夢にも思っていないのに」と述べる。そしてその理由を過去の 歴史に求めるのだが、果たして「日本人のほとんどが夢にも思っていない」なら戦争をしないと考えているのだろうか。 それならば自衛隊をイラクに派兵する事態になるなど、同時多発テロ以前にどれほどの日本人が予想したのか。 もっとも、山本の小説ではこの後、誰も夢にも思っていなかったはずの日本とコリアの戦争が勃発するから、これが山本の考えなのか、 それともその逆のこと(国民が誰一人望んでいないからといって戦争にならないとは限らない)を主張しているのが、はっきりしないのだが。 小説の中では加古沢といういささか特殊な人間と、神の現出という特殊な状況が合わさって日本とコリアを戦争に向かわせる。 この特殊な事情があるために山本の主張がどっちつかずのものになってしまっているのだ。現実に神が現出することはないだろうから、 こうした特殊な条件が成り立つことはない。すると現実には「誰も望んでいないはずの戦争は起きない」という主張とも解釈できてしまう。 もちろん特殊な条件は後押しをしているだけで本質ではなく、現実の世界でも「望まない戦争は起きる」という主張ともとれる。 はっきりいって小説の作りが下手だと思うのだが。
341 名無しさん sage:2003/11/17(月) 15:08 結局、月面でモノリスを見つけたけど、わけわかんねーし、 とりあえず日々の生活には関係無いから、 自分たちを超える存在なんか無視しようっていう「2001年」だな。 哲学書やエッセイなら良いテーマだと思うが、ハードSFではないな。 読者(少なくとも僕)は神との接触を期待したと思うぞ。 もし『ドーキンズ』のアーフの一つがこちら側の世界を認識して、 ミームを使って何らかのサイン(画面上に一定間隔で光を出すとか、スタートボタンを光らせるとか) それはそれで、面白いと思うんだが、 絶対にアーフ(人間)はゲーマー(神)と接触できないというのはSFでなく現実だな。 遅まきながら感想、 向う(山本板)に書こうと思ったけど、全然盛り上がっていないので。
342 341 sage:2003/11/17(月) 15:11 >>ミームを使って何らかのサイン 訂正 >>ミームを使って何らかのサインを出せば
343 名無しさん sage:2003/11/17(月) 15:21 山本は「加古沢は大衆を騙されやすいカモと考えている。彼の小説では大衆をそう描いているからだ」と主人公&その仲間の口を借りて語っている。 そして山本の小説の中で大衆は愚かにもこの加古沢の策略通り動いていく。山本はそういう小説を書いたわけだ。 となると同じ理屈で山本もやはり大衆は騙されやすいカモと考えているのだろうか。 ふつうの小説家なら「あれはおもしろいストーリーを作るためのフィクションであって自分の考えと必ずしも一致しない」というだろう。 しかし山本は何しろ自分のポリシーにそぐわないテーマは書かないと公言しているのだから、本気でそう思っているのだろう。 問題は大衆の愚か加減が誰と比べて愚かなのか、という事だ。山本の小説では大衆を思うとおりに動かした加古沢という 小説家が賢く、それに比べて大衆は愚かだという趣旨のようだが、はてさて現実の小説家も同じ事をお考えなのか。 現実/虚構どちらの小説家もすこし思い上がりすぎていないだろうか。虚構の方の小説家は結局自滅してしまうのだが…
344 名無しさん sage:2003/11/17(月) 17:02 この小説では加古沢はかなり頭のいい人間として設定されている。しかし全然そんな気がしない。 日本人の思想をいいように操りサイレントレボリューションを引き起こしさらにコリアとの戦争に突入させることのできるに 人間には全く思えない。 何故なのかを考えてみたのだが、どうやら次の部分に原因があるようだ。p.160辺りからAIに関する加古沢と兄の 議論がかなりのページ数続くのだが、この箇所の加古沢ははっきりいって頭の回転の鈍い馬鹿にしか見えないのだ。 よくストーリーを説明させるために登場人物を謎解き役と聞き役に分けて会話させる。山本もこの箇所の二人の 会話によってAIについての基礎知識を読者に説明しているようだ。 ところがここで兄が説明するAIの知識というのがアマゾンの書評にも書いてあったが非常に古くさい。中国語の部屋や 記号着地問題、チューリングテスト、こんな感じだ。さらにここでは加古沢が聞き役なので、ものわかりの悪い馬鹿そのもの なのだ。 例えば兄は加古沢に対して加古沢の作り上げた小説の主人公と加古沢自身は違うのか、と問いかける。 むろん兄はこの時点で「我々も誰かの作品(シミュレートされている存在)」という発想を意識しているのだが、これに対して 加古沢はあくまで自分は現実に存在するが小説の登場人物は自分が作り上げたものであり、まったく違うと主張して 譲らない。兄の考えに同意しないまでも、兄が何を言わんとしているかぐらいは理解できそうなものなのだが。 この時点で読者は加古沢とはあまり柔軟な発想(自分もまた誰かの小説の登場人物ではないのか)ができない 人間だという印象を持ってしまう。そういう人間がこの小説のなかでは結構頭のいい人間として扱われているので、 「なんだ、この程度の頭の良さなんだ」とシラケてしまい、そのまま結末までその印象を引っ張ってしまうのだ。 この聞き役が妹ならまだましだったのではないか。妹はAIについては素人だし、知性もせいぜい人並みだから、AIに関して アホな質問やお約束通りのボケを連発してもまあ読んでいられる。加古沢は二人の会話を傍らで聞いている形にして、 「どこか私(妹)と兄の話に興味を引かれたようだった」とでも意味深に結んでおいた方がよかったと思う。
345 名無しさん sage:2003/11/17(月) 22:13 http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/3529/bbs.html ここでもくそみそにいわれているな
346 名無しさん sage:2003/11/17(月) 22:54 山本はこの小説で宗教のすべてを語っている気になっているが全く分かっていない。 山本はラストで「人は神なしで正しく生きれるのか」というテーマに結論を出す。もちろん答えはYESであり、 最終的な結論に異論はないが、そのプロセスが全く間違っているといわねばならない。 そもそも神や宗教が生まれたのは何故かを考えるべきなのだ。人間は自分の理解を超えた事柄に 理屈をつけるために神を創作した。人間は理屈がつかない状態を酷く不快なものに思う本能があるのだ。 自分が出会った事柄を学習し生存のために役立てる過程で情報を一般化して処理した方が 効率よいということを進化の道程で学んだからなのだろう。 そして神が人間に対して強要するさまざまな善行(他者を尊重し無用な争いを避け時には自己犠牲をいとわないetc)も 本質的に同じなのだ。これらは人間の行動原理の中に深くプログラムされているものであり、神がいるからそう振る舞うのではない。 自分たちがそう振る舞う理由が理解できず、それを説明するために仕方なしに神をその理由付けに使っているのだ。 仲間と必要以上に争わない、格上の存在には従属する、仲間全体のためには時として自己犠牲的な行動をとる、これらの 行動原理は群れを作る動物が皆本能として持っていることだが、あえて人間固有の側面を語れば、人間は生来の本能を 文明によってさらに高度で複雑なものへと昇華させる性質があることだ。食欲は美食に性欲は恋愛にと単純で原始的な 要求がベースとなってはいるが、それらを芸術と呼ばれるほど高度に複雑化させたのは人間だけだ。 宗教もまた芸術の一つであり、プロセスを逆にたどればに本能レベルに分解できるといえよう。 宗教がなければ人は正しくいきられないかという答えも自ずと出る。この世に恋愛小説がなければ人は性欲を持たないのだろうか。 もちろんそんなことはない。宗教もまた同じなのだ。
347 名無しさん sage:2003/11/17(月) 23:18 まあ山本は科学という名の宗教を信奉しているに過ぎないからな。 だから対立派閥であるキリスト教を邪教扱いし排撃する。
348 名無しさん sage:2003/11/18(火) 00:52 山本の今までの作品を見てみると宗教を相当嫌っているのがわかるね。 というのも著書の登場人物によく、「カルト宗教の起こした暴挙」や「巨大宗教同士の対立に よって起きた戦争」などを批判させているからだ。「神ちん」もそう。 まあそういうことも一部言えるだろうけどね。 しかしそれを言うなら、山本がお好きな科学にも同じように 「科学の発展が兵器を発明し、軍需産業を生み、戦争で多くの犠牲者を生み出した」とか 「科学が自動車を生み、毎年日本だけでも一万人以上が殺されているのだ」なんてことを 批判させるか、反対に上手く擁護してもらわなければなんない(w 山本がアーミッシュのように、文明を否定してランプで暮らしているなら何も言わないのだが 中学生並みの理屈で一方だけ貶されても納得できんのよ。 まあ今まで山本が相手してきたのは、中学生や少々オツムの弱い一部のアニオタ青年だけ だったので、底の抜けた屁理屈でも通用したのかもしれんが、出来ればもう少しステージの 高い一般人を納得させるようにしてくれよ。「神ちん」は駄作だったよ。
349 名無しさん sage:2003/11/18(火) 01:28 >>348 人間の争いごとの原因になるものがすべて悪だというなら、経済活動だってそうだし恋愛もそうだ。 およそ人間の行動すべてが争いごとの原因になる。そもそも原爆反対運動すら共産系と社会党系に 分かれて争っていたぐらいだ。 争いとは人間の性であり目に見える原因を取り除いたからといってなくなるものではないのだ。 当然宗教がなくなっても争いごとの総量は全く減らないだろうね。むしろ争いごとの解決方法の 整備に力を入れるべきなのだ。宗教間の争いの手段が差別や虐殺、テロといったものしかないのが 問題なのだ。
350 名無しさん sage:2003/11/18(火) 01:37 経済にしても恋愛のもつれにしても社会には様々な調停機構がある。それぞれのグループや組織内に いろいろな形の調停機構があるし、最後の手段として国家が運営している調停機構、すなわち裁判所もある。 もちろん裁判に訴える手段があるからといって殺人や暴力が全くなくなるわけではないが、少なくともその減少には 貢献している。国家間の調停組織も理想とはほど遠いが、それでも無い状態よりは幾分マシになっている。 争いごとを減らすには原因を取り除くのではだめなのだ。争いごとはどうやったところでなくならない。できるのは より穏便な解決のために代用手段を用意することだけなのだ。
351 名無しさん sage:2003/11/18(火) 01:52 グース板でも神チンが話題になってるね。
352 名無しさん sage:2003/11/18(火) 09:20 p.292「紙幣というものは言ってみれば日銀が国民に対して発行している借用書みたいなものだ。国民から金を 借りることで国家が成り立っている。国にそれを返済する能力がないのなら、紙幣なんて紙屑どうぜんさ。」 あのね、山本って紙幣と国債を混同してるんじゃないの?つーか馬鹿? 日銀=政府と安直に考えている馬鹿さ加減もなかなかのものだが
353 名無しさん sage:2003/11/18(火) 09:24 経済に関して神沈は「リアル鬼ごっこ」と同レベルと思うのは気のせい?
354 名無しさん sage:2003/11/18(火) 11:11 >353 経済の部分だけはね。全体ではリアル以下だろう。
355 名無しさん sage:2003/11/18(火) 11:47 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048734792/sodiumiondiar-22/ref%3Dnosim/249-8697211-4317950 レビュアー: カスタマー 東京都渋谷区 本格的ハードSFです。超常現象を扱っているからSFでないということはいえないということは,作者のホームページで丁寧に説明されています。 特に主人公は,男にとっての理想的な女性…つまらない女性ではなく,意志をもって生き抜く女性として描かれています。また,文章もさすがだと思わせるもので,無駄な部分はまったくありません。 また,作家というのはどの人もすごく勉強家ですが,山本氏もコンピューター,人工知能を含めた理系の知識には特に感服させられます。政治・経済に関する知識もifの世界をなりたたせるものとしては十分ありうるものです。 トンデモ本を批評する本の原稿でも,単に誤りや変なことを指摘するだけでなく,他の執筆者よりも魅力的で読者を楽しませるような文章を書かれていますが,その能力が随所に発揮されていると感じました。すごい。 ------------------- 山本の信奉者が如何に馬鹿かよく分かる文章だな。作者の自己紹介の文章をまるまる引き写してんじゃねーよ。
356 名無しさん sage:2003/11/18(火) 11:50 >>355 なんかそっくりそのまま皮肉になってないか?
357 名無しさん sage:2003/11/18(火) 19:17 >>355 >本格的ハードSFです。超常現象を扱っているからSFでないということはいえないということは,作者のホームページで丁寧に説明されています。 さすがは山本信者、呆れるほどの読解無能力ぶりだね。 最初に「少なくともSFではなかった」と評したレビュアーは、 「超常現象だからSFではない」と言ってるのではなく、「解説が多すぎて小説の体をなしていない」と言っているのだが。
358 名無しさん sage:2003/11/18(火) 19:39 >>355 なんか山本信者が必死に弁護しているようで涙を誘うね。おまけに内容が全然ないし。 小学生の読書感想文にもなってないぞw
359 名無しさん sage:2003/11/18(火) 19:44 グース板より http://8411.teacup.com/minzokuisyou/bbs 神沈 投稿者:グース 投稿日:11月17日(月)23時21分57秒 山本さんの神珍ですがちょっと気になったので買ってみました。 南京問題の部分についてはネット掲示版での議論ログという 形で出ているのですが、議論ログのレベルはかなり低いです。 ログは虐殺あった派の19歳少年作家が虚構説を論破するという 筋書きですが、なかった派60歳直木賞作家の言い分が考えられない くらい滅茶苦茶(笑 山本さんは虚構説のレベルを 「ろくな歴史知識をもたず、まともな資料をしらべてみようと いう意識もなく、その論理は穴だらけだった」P62 という低いレベルに設定して、それを論破するという形にしています。 つまり作品中で論破されたのは「一般的レベルの虚構論」ではなく 山本氏の設定した「特殊で低レベルな虚構論」という事です。 トンデモさんは「相手が主張してない事」に反論するそうですが、 この構図にあてはまりそうです。 現在「戦数」のページを作成中ですがもう少し時間がかかりそうなので 先に「神珍」解説を片付けようかと思ってます。
360 名無しさん :2003/11/18(火) 22:47 山本は宗教ってものをあまりに軽く考えてる気がする。 仮に兄の学説が発表されて正しいと証明されても宗教はなくならないよ。 この世界を創った「神」が宗教が唱える神とかけ離れていたとしても、 その「神」の宇宙が本物の神に創られた可能性は否定できないわけで、 その神が充分に慈愛に満ちていればただのプログラムをも救ってくれるかもしれない。 実際、グノーシス主義みたいにこの世界は偽物で創造主も偽の神だと主張する宗教もあるし。 仮に兄の学説があの世界で定説になっても宗教は絶対になくならないだろう。 むしろ一部の宗教の勢力は前より強くなると思う。 宗教に敵愾心を持つのは別にいいけど、もう少し相手の事を研究しろって>山本
361 名無しさん sage:2003/11/18(火) 23:01 唐沢俊一のページより -------------------------------- 落ち合って、井泉の方へ。見学団長のK川さん(博物館職員)、I矢さん、昨日一 緒だったTくんなど、総勢9人。二階の座敷に上がって、生ビールとカニサラダ、串 カツで乾杯。コンピューターばなし、と学会ばなしで雑談。『神は沈黙せず』は面白 いけれど、また会長の悪いクセで小林よしのりシンパを刺激するようなことを中で書 いているので叩かれるであろう、というような話。某氏曰く 「大体、南京大虐殺完全肯定派っていうのはと学会の中でも会長くらいで、少数派な んですけどねえ」 -------------------------------- 山本、唐沢からもウザがられてます。
362 名無しさん sage:2003/11/19(水) 00:48 >>361 唐沢は楽しんでウォッチしてると思う。
363 名無しさん sage:2003/11/19(水) 00:57 >>360 そうそう。山本は宗教とオカルトの区別がついていないとしか思えないね。 宗教をオカルトの一分野としか見ていない。あきれた幼稚さだ。
364 名無しさん sage:2003/11/19(水) 00:59 唐沢は「トンデモ」という名前を頂けたら、山本には用がないだろうね。
365 名無しさん sage:2003/11/19(水) 01:21 基本的に、二極化した考え方しかできない人だね。 知識では、世の中そんな単純なものではないと知ってるだろうが、 思考時にそれが活用できていない。
366 名無しさん sage:2003/11/19(水) 01:29 これは「小説」です。 だからいくら現実と照らし合わせて批判しても無意味なんですよ。 そのくらいは理解してますよね?
367 名無しさん sage:2003/11/19(水) 01:45 >>361 どうでもいいけど、唐沢の日記ってなんで変なところにスペースが入ってるの?
368 名無しさん sage:2003/11/19(水) 01:47 >>366 山本なりきりスレの誤爆? マジ煽りだとしたら、アルマゲドンやコアを現実と照らして罵倒してる無意味さを理解しない作家に対しては妥当な批判であるとだけ言っておく。
369 名無しさん sage:2003/11/19(水) 03:02 もうひとつ根本的な指摘。最初この世界は神の「ダーウィンズガーデン」のような存在であると兄の口を借りて説明される。 その考えを元に加古沢はユニークなアーフになろうと計画を立て実行した。ところが終盤ではこの世界は「ドーキンズガーデン」の ような存在で、神は個々のアーフには注目していないと明かされる。これによって加古沢の計画は大いなる徒労だったことになるのだが、 はたして兄の最後の結論は正しいのか。 兄が証明したのはドーキンズガーデン(の発展形)で記号着地問題が解けることだけだ。しかしそれがなぜ神がダーウィンズガーデンで 遊ぶ(?)のをやめてドーキンズガーデンに乗り換えた証明になるのだろうか。神の研究は、いずれはドーキンズガーデンに移るにしても、 現時点ではダーウィンズガーデンの段階かもしれない。ダーウィンズガーデンでも天変地異を使ってアーフの進化を楽しめるのだから、 それを超常現象と結びつけても問題は生じないはずだ。 それなら加古沢の目論見通り神は加古沢をとっておきのアーフとしてセーブしたかもしれない。今頃加古沢は別な世界で 再生され「あのときは優歌に虚をつかれて焦ったが、すべて俺の計画通りになったじゃないか」とほくそ笑んでいることだろう。 結局の所こういった解釈が可能なのは山本の小説が「神はグローバルブレインを意図してこの世界のシミュレートを行っている」という ろくな説明を用意していないからだ。単に兄がそう主張し、妹が支持しているだけだ。そう考えなければならない必然性の説明が まったく成されていない。大幅に譲歩しても、せいぜいそう考えることもできないことはないという程度の説明しかなされていない。 まるでミステリーのクライマックス、名探偵がトリックの解説をする箇所で、探偵「実はあのトリックは鏡を使うんです」。助手「なるほど、 その方法なら確かに可能ですね」。刑事「いや、すばらしい。謎はすべて解明されました」。とかなんとかいって読者には方法の 詳細がまったく説明されないようなものだ。もしこんなミステリーがあれば読者を馬鹿にするなと非難の荒らしだろう。山本の小説は このSFバージョンなのだ。
370 名無しさん sage:2003/11/19(水) 06:22 p.169でチューリングテストには欠陥があると山本(の分身である兄)が述べる。曰く、知性というものを 人間の思考をシミュレートする能力と定義してしまっているのが間違い、だそうだ。 山本の間違いは、知性というものは一種類しかないと考えている点なのだ。仮に知性があるコンピュータが できれば、それはどんな生命体が評価しても「知性がある」と判断され、そうでないコンピュータは どんな生命体が評価しても知性がない、と評価されると思っている。つまり知性の有無は一意に決定できると 思いこんでいるのだ。 ゾウリムシは知性を持たないのだろうか、迷路を抜ける鼠は知性を持たないのだろうか、カタツムリは知性がないの だろうか。そうではないのだ。それぞれのレベルで知性は存在する。このうちチューリングテストは人間レベルの知性の 有無を判断する方法として提案されたものなのだ。したがってチューリングテストに対して知性というものを人間レベルに 限定しているのはおかしいという山本の指摘は全くの的はずれなのだ。 多分この部分は山本のオリジナルな考えなのだろう。山本のあらゆる文章に共通する特徴は、受け売りの部分と 山本オリジナルな部分の「知性」の落差が激しい事だ。受け売り部分はよく調べていると舌を巻く一方で、 山本が独力で考察した部分は極めて幼稚であるといわねばならない。
371 名無しさん sage:2003/11/19(水) 07:27 つーかさ、 「神」が実在して超常現象がばんばん起こる世界で一番叩かれ哂われるのって 宗教でなく「と学会」だよな・・・
372 名無しさん sage:2003/11/19(水) 12:38 >>371 確かにと学会はうそつき集団に格下げだな。 宗教の方は多分たいした被害は出ないだろうな、多少教義に変更が入るぐらいで 元々からして慈悲深い神ではないものをあがめている宗派もあれば この世界は神の作り出した箱庭のようなもので作り物だと言っている宗教もある 今の世界よりもよりいっそう人々は宗教に走り精神の安定をはかるのではないだろうか。 私としては山本の作り出した世界こそが、宗教がもっとももてはやされる世界だと思うのだが、 山本が宗教が廃れると考える根拠は何なんだろうね?
373 名無しさん sage:2003/11/19(水) 12:49 山本は天変地異により惑星や星座が随時変動するため占星術が命脈を絶たれたと書いているが、これも反対じゃないかな。 惑星の運行や星座の位置が脈絡なく変動するのだから失墜するのは従来の天文学の方で、占星術は地上の些細な出来事に 何かと結びつけて火星の位置が変わったのはやれ戦争が近いとか、やれ風紀の乱れに神がお怒りだとかこじつける輩が我がもの顔で 跋扈すると思うけどね。 宗教にしても占いにしても科学(理性)で説明できないことに説明を与えるために人間が作り上げたものだ。 人間の理解を受け付けない超常現象が日常的に起きる世界は、こういった非科学的なものこそあがめ奉られるだろうね。 何しろ「科学」はそれに反論できないのだから。
374 名無しさん sage:2003/11/19(水) 13:25 p.494で山本は「神を信じる、という言葉は2つの意味を持っている。神の実在を確かだと思うという意味と、 神を信仰(崇拝)するという意味だ。この2つは全く別なものなのになぜか人々は混同している、と。 混同しているのは人々の方ではなく山本の方なのだ。山本のこの小説内での結論は 神は実在するが崇拝に値しない だ。しかしこれは逆に言えば山本は宗教を信じている人々が 神は実在するから崇拝している と頭から思いこんでいる。これは宗教をUFOや超能力と同じだと思いこんでいる実に稚拙な発想だ。山本は 神は実在していないが崇拝している という可能性を夢にも思わない。小説の登場人物を崇拝しているという人は多い。人間が生み出した 架空の存在に対しても実在の存在と同様、時にはそれ以上の尊敬の念を抱くのが人間なのだ。 自然科学がいくら神の非実在性を説いても宗教がびくともしない。それどころか優れた自然科学者の 心の中で自然科学とキリスト教が共存共栄している。それは人にとって神の物理的な実在性が さほど重要ではないからだ。 確かに遙かなる昔、宗教にとって神の実在性は重要な要因だった。宗教が発展するために人々が 神の実在性や万能性を信じることは不可欠だったといえよう。しかし一度宗教が成立し、高度に 洗練された理論体系が構築された後は、理論体系こそ主役であり、必ずしも神自身の実在性は 重要ではなくなったのだ。 氷が水に、水が水蒸気に変わるように変化がある段階に達すると根本的な性質が変化する場面がある。 物理ではそれを相転移と呼ぶが、宗教においても古代、中世、現代、では宗教の性質が大きく変化している。 山本の小説で言えばさしずめ、進化の主役が遺伝子により伝達される情報から言語によって伝達される 情報に移ったことに対応する。もはや宗教において神が実在するか否か、全能の能力を有するか否かは さして重要ではないのだ。神が実在すると仮定して人間が長い歳月をかけて構築した体系(教義)こそが 宗教の主役なのだ。 山本にとって宗教はUFOや超能力と同程度のものでしかないようだ。しかし宗教がこの数千年間及ぼしてきた 影響の大きさ(よい面も悪い面も)をすこし考えてみれば、そのような唯物的な見方をしても何の意味もないことが 分かるはずなのだが。 山本の思考レベルはまるで、お化けを怖がっていた小学生に知恵がつき、幽霊などいないんだ、と ヒステリックに強がっている中学生に過ぎない。山本が中学生になる遙か以前から多くの人々がその地点を 通過して来た。にもかかわらずなぜ宗教が現在も存在しているかを考える能力は、未だ中学生レベルの 思考しかできない山本にはないようだ。
375 名無しさん sage:2003/11/19(水) 16:24 山本は宗教が人間同士の争いを激化させていると言う。しかしそれはそれだけ宗教が人間の思想の多くの範囲を カバーしているに過ぎない。科学が生み出した近代兵器のより多くの人命が失われたのだから、科学が人間同士の 争いごとの元凶だという主張と何ら変わるところがない。
376 名無しさん sage:2003/11/19(水) 18:07 p.491 兄はヨブが悔い改めた理由を知りたかったがそれは叶わぬ事だと嘆く。 神の謎を解き神と対話をすれば、ヨブが神との対話の後になぜ悔い改めることが出来たのかを知ることが出来ると思ったのに、 それは叶わぬことと分かってしまった。神はグローバルブレインの個々の細胞である人間など相手にしていないことが分かったから。 この後山本はヨブ記の従来の解釈が間違いだと主張する。しかしどうしてこうのような展開になるのだろうか。 兄(山本)は本当にヨブの真理が分からないのだろうか。 神は人間の理解を超えた存在であり、相互理解は望めない。この点山本の小説の主張も聖書のヨブ記も同じなのに。 ヨブ記は「だから理解するのではなく信じろ」と言っているのだ。山本の方はここから一気に神への幻滅になってしまっている。 しかし考えてみるがいい。兄には愛する妻も子供もいる。彼が妻や子供に接し共に生活していた幸福に生活していた時間を 考えてみるがいい。その時感じた幸せは偽りや虚構ではない。それは彼にとって紛れもなく本物であり、それがシミュレーション の結果なのか物質として存在しているものなのか、また神が意図したものなのか単なる副産物に過ぎないのか、などという 事柄はどうでもいいことなのだ。 彼がそうした幸福を体験できたのはこの世があるからであり、仮にこの世界が誰かによって作られたのなら、その誰かの おかげなのだ。残念ながらその誰かとの意思の疎通は不可能なことが分かった。しかしそれによって幸福な体験の価値が 減じるものではない。小説の中でも結局兄は神との対話をあきらめ、神との対話のために行ってきた研究を 自分と自分の妻子のために金儲けに応用する。兄も口には出さないが分かっているのではないか。この世界があるから、 神がこの世界を作ったからこそ、自分は妻子と幸せな時間を過ごせるのだと言うことを。そして神の意図を理解するよりも、 妻子との幸福な時間を過ごすことが自分にとって大切であるということを。 ヨブが悔い改めたのも同じ理由からなのではないかと思う。自分の身に降りかかった理不尽なまでの不幸の 理由を神に尋ねたかったが、実際に神と対話してみてそれは叶わぬことと分かった。神の意図を理解することなど 所詮一介の人間であるヨブには不可能だということを痛感したのだ。神に我が身の不幸の理由を問いただしたいと いう執着が消えたとき、ヨブは悟ったのだろう。こうして自分がものを考えられるのは、こうして自分が存在するのは、 神がこの世界を想像したからなのだと。そして神を理解しようとした己の無謀さを悔い改めたのだ。 山本の小説のテーマは結果的にヨブ記の従来の解釈とそっくりだ。にもかかわらず山本自身はそれを認めない。 それどころかヨブ記の従来の解釈が間違いだというトンデモ説を持ち出して「これは神に論争を挑み勝ち得た 物語だ」と賞賛する。それならばなぜ山本の小説の結末は神に対する兄の勝利で終わっていないのだろうか。 このちぐはぐさはこの問題に対する山本自身の消化不良を露呈しているといえよう。理不尽な神に対して 勝利するというトンデモ説を山本は気に入ったのだろう。全能な神を否定する小道具になるからだ。 しかし山本は自分の小説でこの小道具の使い方を誤っているのだ。もともとの聖書の記述は「神の意図とは 人間に理解し得ないものである」ということを語っており、こちらの方が山本の小説のテーマと合うにもかかわらず、 山本は「神が人間に言い負かされる」という魅力に引かれてトンデモ説を採ってしまった山本の自業自得といえる。 山本は聖書や宗教自体を舐めている。数千年を耐えてきたものなのだ。山本がちょっと考えて思いつくような 突っ込みは山本の生まれる遙か昔に誰かによってなされ、相応の答えが用意されていると思った方がいい。 何も聖書が完璧だというのではない。山本の挑戦がドンキホーテのように無謀だといっているだけだ。 これは戦争論についても同じ事がいえるのだが。
377 名無しさん sage:2003/11/19(水) 18:26 <小説「模造世界」のネタばれ注意> さらに兄はこんなことを言う。戦争を終わらせるように自分たちが努力をすることがはたしてよいことなのだろうか。 戦争がグローバルブレインの思考の一部なら戦争が終わってしまえば神はシミュレーションが失敗したと思って シミュレーターを停止するかも知れない、と。 一方で個々の人間の言動など神が相手にしているグローバルブレインには何の影響も与えないと嘆き、 一方で自分の言動によって神がシミュレートを停止する可能性におびえる。兄の言動はもはや支離滅裂である。 この部分は山本がNOVA板で上げている「模造世界」をヒントにしたものかも知れない。この小説でも シミュレータのスイッチを切る/切らないという話が出てくる。シミュレートされたキャラクターがシミュレートを 行っている人物に対してどうか我々をそっとしておいてほしい、と頼む場面が出てくる。 しかし模造世界と神沈の大きな違いは、模造世界の場合シミュレートしている側もされている側も同じ人間であり、 方や神沈は人間とグローバルブレインほどのレベル差がある。したがって模造世界でシミュレートされているキャラクターが シミュレータの電源を切られることを恐れ何らかの行動をすることはあり得ても、神沈の世界では成り立たないのだ。 いや、もちろん神沈の世界でも何も知らない馬鹿がいたずらにパニックになって電源を切られる恐怖に怯えるのなら 話は分かる。しかしこの発言をするのは今のところ神に対してもっとも正確な理解をしている人間である兄なのだ。 その兄でさえ当初はパニックを起こしたがそれも3年の歳月をかけてそれを克服した。その後の言動がこれなのだから 参ってしまう。本当にこの兄は優れた頭脳の持ち主で冷静沈着な人物なのだろうか。 実際はこれも単に山本が模造世界で気に入った「スイッチを切られるのではないかと怯える」演出を自分の作品にも 深い考えなしに転用した結果なのだろう。山本はあちこちからこうした小道具を集めるのには熱心だが、それをきちんと 消化し、自分の作品に有機的に結合するという努力はあまりしないようだ。山本の小説のキャラクター兄や妹、加古沢たちが 不憫でならない。
378 名無しさん sage:2003/11/19(水) 20:26 そうか、あれだ。山本の抱いてる神のイメージってのは、頭に輪っか載せたジジイが雲の上から下界を見下ろしてる神様なんだな。 で、誰もそんなこと言ってないのに「いい年してそんなの信じてる奴はトンデモだ!」と一人で勝手に騒いでると。
379 名無しさん sage:2003/11/19(水) 22:37 >376 そうだよな。 突然超常現象がおきまくり、天変地異がおきまくり、 月になにやら妙な顔が浮き出まくったとしても、宗教的には 「これは神が我等の信仰を試されているのだ。」で終わり、 却って結束を強めるだけだよな。 逆に自然系の科学者こそダメージを受ける人間が多そうだが。 (自然科学の体系自体にはイレギュラーが多少増える程度で問題なさそうだが) 最もダメージを受けるのは、神珍の世界の「山本弘」だろうが。
380 名無しさん sage:2003/11/19(水) 23:02 >>379 神珍の世界では、柳田が『超常現象科学読本』を書いて 大ヒットを飛ばしているという設定はどう?
381 名無しさん sage:2003/11/19(水) 23:04 >>379 きっとオカルト本が売れに売れまくるだろうな。1999年に予言本が売れまくった以上に。 そして相対性理論は間違いと主張する本もここぞとばかり…
382 名無しさん sage:2003/11/19(水) 23:05 そういえば神沈にはなぜかノストラダムス関係のうんちくが入ってないな。
383 名無しさん sage:2003/11/19(水) 23:07 山本が神沈に入れ忘れたうんちく ・相対性理論は間違っていた ・ノストラダムスの大予言
384 名無しさん sage:2003/11/19(水) 23:08 >>378 世間を見下している人が一番多い職業は作家かもしれないなw
385 名無しさん sage:2003/11/19(水) 23:30 山本の小説を読んでて何が不快かって、著者が大衆を馬鹿にしているとこ
386 名無しさん :2003/11/20(木) 01:12 俺はまだこの本、読んでないんだけど、ここの書き込み見る限りでは、 村上龍の『希望の国のエクソダス』に似た内容らしいな。
387 名無しさん sage:2003/11/20(木) 03:10 >>381 飛鳥あきおが「超真相!神の顔の正体」って本を出して一財産築きそう。 その頃には山本弘は「それ誰?」という境遇。
388 名無しさん sage:2003/11/20(木) 09:30 で、トンデモ本大賞にはノミネートされるのかね?
389 名無しさん sage:2003/11/20(木) 13:22 なんかすごいな。俺でさえここまで書かないぞ(w http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048734792/249-8697211-4317950 だめでした, 2003/11/18 レビュアー: 大野 利子 和歌山 あまり書いてしまうとネタばらしになってしまいますので簡単に書きますと 幻想物語でよくある「本の中の世界」をSF風にアレンジしたものです。 着眼点は悪くはないと思うのですが、時期があまりに遅すぎたという気がしました。 V.R.等がはやった時期に似通ったコンセプトの作品をたっぷりと読んでましたので、 せめて何か目新しい要素があれば良かったのですが、どこかで見たようなネタばかりでした。 最大の目玉として用意されているネタも元は20年以上前に提唱された古典的なものだし、 著者はご存知ないようですが、10年ぐらい前に小説ではないもののまったく同じネタで本を出した日本人の方がいたりします。 最近読んだ別の本に非常に良く似たものがあったこともあり二番煎じ、三番煎じな雰囲気がぬぐえませんでした。 宗教、政治、経済について語っていますが、自分の無知をひけらかしているだけです。 読んでいて「それはない」「ありえない」「無茶だ」とそんなことばかり思いました。 ほんの少し手間をかけて調べればわかることを調べずに書いています。 また未来の話のはずなのに現代よりも遅れているように感じます。 作品内でいくつかの論争が展開されますが、これらも現実にいろいろなところで行われているものをそのまま取り込んでいるだけで、読んでいてうんざりします。 現実の論争で相手を論破できないため、自分の都合で自由に勝敗を決められる舞台で相手を論破しているようにしか感じられません。 無駄な事象の羅列も気になります。こんなものを読みたいと思う人はほとんどいません。 何ページも何ページも飛ばして読んでいるうちに、自分はいったい何にお金を払ったのだろうかと疑問が沸いてきました。 一番問題だと思ったのは主人公の魅力のなさです。 女の子らしくない女の子というコンセプトはわからなくもないのですが、やりすぎです。 気持ち悪いです。不気味です。 こんな子が身近にいたとしたら、間違ってもお近づきにはなりたくないです。 主人公に感情移入できないため楽しめませんでした。 ラストも尻切れトンボで「なにそれ?」という感じでした。 最後に作者の出した答えは確かに現在の世界においてはひとつの答えとして成り立つもので そういう答えもありだろうと思いますが、小説内の世界ではありえない答えになっています。 おそらく作者が自分で世界そのものに大きな変革を加えたことを忘れてしまったのでしょう。 全体的な感想を一言で言わせてもらうならば、 「間が抜けているのにも限度ってものがあるだろう」です。
390 名無しさん sage:2003/11/20(木) 13:36 >>389 > 著者はご存知ないようですが、10年ぐらい前に小説ではないもののまったく同じネタで本を出した日本人の方がいたりします。 ところでこれは何のことなのかな?小説ではなくて日本人の作品。はて?
391 名無しさん sage:2003/11/20(木) 13:54 >全体的な感想を一言で言わせてもらうならば、 >「間が抜けているのにも限度ってものがあるだろう」です。 要約しすぎ。(笑)
392 K.K sage:2003/11/20(木) 15:41 >>389 その書評、よくもまあアマゾンがWebページに載せたものですねえ。アマゾン自身が「買うな」といっているに等しい (^^;。
393 K.K sage:2003/11/20(木) 16:10 P.S. >女の子らしくない女の子というコンセプトはわからなくもないのですが、やりすぎです。 例えば、以下のようなところかな。 P33:嫌われ絡まれ、キレる> > 私はリーダー格の少女に殴りかかった。ビンタなどという優しいものではない。グーで、顔面を狙って、力いっぱい殴った。・・・中略・・・。 >「今度は目を潰してやるよ」驚き、たじろいでいる他の二人に向かって、私は二本の指をVサインのように突き立て、低い声ですごんでみせた。 >「残りの一生ふいにする覚悟があるなら、かかってきな」 P424 スタンガン内蔵バッグで大逆襲> > 私は一歩踏み出して少年の懐に飛び込み、バッグの底を彼の胸に押しつけた。バチッという音と閃光がして、・・・中略・・・。 >「四十万ボルトよ!」私は仁王立ちで怒鳴った。「次に浴びたい奴は誰!?」 お見事。グリーンベレーにでもいたのだろうか。1対多の戦い方としては、柘植久慶氏辺りが絶賛しそうなほどだ。 ・・・こういうキレると怖いタイプの女性は身近にいたので、その恐ろしさはわかる。不気味などという生易しいものではない (;_;。
394 名無しさん sage:2003/11/20(木) 17:30 >>392 まあ山本にはいい薬になるだろう。この際山本は、「SFをよく知らない」一般人が自分の小説をどう評価しているか少し省みた方がいい。 どうせ山本のことだから「ちゃんと読めば僕の小説がオリジナルであることが分かるはずです」とか思っているんだろうが、 それならちゃんと読まない人にどう評価されようと文句はないわけだよねw
395 名無しさん sage:2003/11/20(木) 17:35 >>392 > アマゾン自身が「買うな」といっているに等しい (^^;。 そうでもないんじゃない?俺もよくは知らないが、世の中にはB級作品を集めるのが趣味だったり、 作者の意図とは異なる楽しみ方をするために本を買う人たちがいるらしいから。
396 名無しさん sage:2003/11/20(木) 19:21 >>390 >ところでこれは何のことなのかな?小説ではなくて日本人の作品。はて?>>319 で挙げられてる漫画じゃない?
397 名無しさん sage:2003/11/20(木) 21:31 amazonは却って宣伝になってしまっているな。 あんなに悪評だらけだと、却って怖い物見たさで手を出す人がでるだろう。
398 名無しさん sage:2003/11/20(木) 21:37 矢野健太郎なら、インジュカーシスの方がそれっぽいと思うけどなぁ たしか、主人公がPCで世界創ってなかったかあれ?
399 名無しさん :2003/11/20(木) 23:02 >>397 「リアル鬼ごっこ」みたいに?
400 名無しさん sage:2003/11/20(木) 23:11 >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] > >> もしも、世界が加古沢の考えどおりなら >>神にセーブされた人間はロードされるとどうなっているんでしょう? > > 仮にそうだとすると、空白の世界にロードするだけじゃ、面白くも何ともない。その人間にオリジナリティのある行動を発揮させるような >フィールドを設定するのではないでしょうか。 うーん、なんかこの発想が違うな。俺なら逆にその個体に不適切な環境に放り込んでみて、その個体が環境から どういう影響を受けるか、あるいは環境にどういう影響を与えるかを試してみると思うけどね。またはまったく違う 行動原理を持つ個体と同じフィールドに放り込んで、どちらの個体が勝つかバトルさせたりね。 まあそれが当人にとって幸せかは微妙なところですな。幸せを「生き甲斐のある世界」と考えるか「苦労のない世界」と 考えるかで違ってきますからね。 > まったくその通りです。厳密には「魂が存在しない証明」はできません。 > でも、結論をいつまでも引き延ばすのも不誠実です。いつかは決着をつけなくてはいけない。 >「ない」と言い切るかどうかは、論理的に導かれた結論というより、その人の決意しだいでしょう。 結論のでない事柄についてそれを素直に「結論はでない」と認めることが不誠実なんでしょうかねえ。 なんか科学とは対極にあるものの考え方ですな。人間の本能としては結論を出したいのですよ。 結論を出してすっきりしたいのです。しかしその本能に身を任せて短絡思考をするとしばしば大きな 間違いを犯すことを学んだのが人間なのです。 > これも先の説明と同じく、厳密には証明されたわけではありません。しかし、プロローグでも言っているように、 >他にもたくさんある説に比べて、この説だけが矛盾がなく、事実に合う。だから信憑性が高いということなんです。 だからあ、「この説だけが矛盾がない」という「設定」に説得力がないって指摘だと思うんですけどねえ。 国語力が(独学で勉強したため)貧弱なのか、わざととぼけてるのかどっちなんでしょうねえ。
401 名無しさん :2003/11/21(金) 09:22 >>311 >俺は「神チン」読んで無いからイマイチ分からないんだが…… だったら読めよ。
402 名無しさん sage:2003/11/21(金) 15:26 読まなくていいんだよ。神チンなんて。
403 名無しさん :2003/11/21(金) 18:14 >>402 読まなくていいよ。だけどそれなら黙ってろ。 批判するなら読んでからにしろよ。
404 yamayangi sage:2003/11/21(金) 18:27 >>403 「○○の発言をするな」という発言はご遠慮ください。 不適切な発言は管理人が判断します。
405 名無しさん :2003/11/21(金) 18:40 >>404 ふーん。読まずに批判するのがここのルールな訳だ。
406 名無しさん sage:2003/11/21(金) 19:11 山本のことだから読んで批判しても、「読み方が足りない」とか、「SFに関する基本的な知識がない」とか、 何かと難癖をつけるだろうなw。自分と相手の意見が違うのは常に相手の未熟さや落ち度が原因だってやつだからw。
407 名無しさん sage:2003/11/21(金) 19:16 >>405 読まずに「リアル鬼ごっこ」を批判していた奴らに言う権利はないな。
408 名無しさん sage:2003/11/21(金) 19:18 >>405 読んでないから~の部分に誤解があるという反論ならまともだと思うけどね。 そもそも「読んでいない」と断った上での発言の何処に問題があるのだね? 「これはフィクションです」と断った上で馬鹿な南京大虐殺なかった派を登場させてこき下ろすのと何処が違うんだい?
409 名無しさん sage:2003/11/21(金) 19:20 >>405 NOVA板でも同じルールな分けだが。何しろ本人が神沈を呼んでないんだからね。
410 名無しさん sage:2003/11/21(金) 19:52 http://shopping.excite.co.jp/opm/GoToMerchant/excite?url=http%3A%2F%2Fwww.bk1.co.jp%2Fcgi-bin%2Fsrch%2Fsrch_detail.cgi%2F3fb9697cf32bf010540a%3Faid%3D%26bibid%3D02379801 物語の本筋を伝えるだけなら、書き割りで十分な背景も、 山本さんは手を抜かない。 足を止めてじっくり世界観を賞味したい人のために 丁寧に素材を見せていく。 例えば、「トンデモ本」「経済」「歴史」「神学」。 --------------- おれは逆の意味で手抜きだと思うけどね。何の面白みもなくストーリーの本筋とも関係ないうんちくを延々と 読まされるのは辟易したよ。そもそもトンデモ本関係の資料はどうせ手持ちのものを流用しただけで 特にこの本を書くために調べたということでもなかろう。お手軽にページ数をかさ上げしているだけだ。 過去に起った事例を淡々と列挙していくのが丁寧な仕事なのかね。新聞記事をスクラップしているのと なんか違うのだろうか。 クラークの「3001年終局の旅」なんかはストーリーとあまり関係ない話がずいぶんと続くが、こちらは クラークの頭脳が描いた未来の姿なので非常に楽しめた。
411 名無しさん :2003/11/21(金) 20:47 まぁSFでは結構多いけどね。ストーリーに関係のないウンチクを延々と述べるタイプのは。 特にハードSFだと。
412 名無しさん sage:2003/11/21(金) 21:38 本人乱入の予感
413 名無しさん sage:2003/11/21(金) 22:02 ここに書き込んでる人はかなり神沈熟読してると思うんだが・・
414 名無しさん sage:2003/11/22(土) 00:03 うむ、ここほど詳細な論評が行われているところは外に無いな。
415 名無しさん sage:2003/11/22(土) 00:14 >411 なるほど!それがハードSFが衰退していった理由か。 そして山本も衰退しつつあると暗示させてんだね(w
416 名無しさん sage:2003/11/22(土) 00:30 >>415 うんちく自体が面白いこと うんちくがストーリーにちゃんと関係してること(うんちくを生かしたストーリーも可) この2つが面白いSFの最低条件だね。 ハードSFの面白さ=((アイディアの奇抜さ)+(うんちくの面白さ)+(考証の確かさ))*(ストーリーの構成力)/(ページ数)
417 名無しさん sage:2003/11/22(土) 00:34 山本はトンデモ本は、フィクションとして書いても売れないからノンフィクションのトンデモ本として売ると考えている節がある。 それだったらフィクションとして書かれたイデオロギーもノンフィクションとして世に問う力量がないからフィクションとして書いてるんだろうね。
418 名無しさん sage:2003/11/22(土) 00:44 まあ神沈はあと10年ぐらいしたら山本自身「なかったことにしてください」と泣いて頼むような作品だな。 あの頃の僕はそれまでハードSFを書いたことがなく、今思うとハードSFなんだからこう書かなくちゃいけないって 思いこみが強すぎたようです。今の僕だったらトンデモ関係のうんちくを大幅に削って、ストーリーの流れを重視した 構成にするでしょう。 とかいってること間違いなし。
419 名無しさん sage:2003/11/22(土) 01:46 >>418 それはないな、 10年後の山本も心は15歳だ。 つまり精神的な成長はないってことだ。
420 名無しさん sage:2003/11/22(土) 02:02 10年後の山本がタイムスリップで戻ってきて、神ちんの発売を止めさせ ようとするってSFはどうだ。筆舌尽くしがたい罵り合いがクライマックスです。
421 名無しさん sage:2003/11/22(土) 02:15 未来の山本は真っ先にこう指摘するだろうな。 加古沢が兄妹の神に関するトンデモ説をアッサリ信じてしまうことはどう考えても不自然。 神の顔出現後ならいざしらず、出現前の世界にとって兄妹の説は証明不可能なトンデモ説に過ぎなかったのだから。
422 名無しさん sage:2003/11/22(土) 14:12 p.57あたりで山本はCG技術が発達したのでもはやスタジオもタレントも不要になった。旧態然としたテレビ業界や映画界では 組合の力が強いので古い体質から脱却できなかったが、ビデオ業界はさっさとオールCGに移行してしまった、と書いている。 2008年今から5年後の話だ。 なんかテレビや映画界に偏見を感じないでもないがそれはさておき、これはちょっと勇み足ではないかな。 5年ではまだCGよりも人間の方が安価だと思うよ。もちろん世界的な大スターのギャラならどうかわからないが、 そこらの人並みよりちょっと顔がいいぐらいのタレントなら、人間の方が低コストだろう。 森博嗣が「有限と微少のパン」でこのテーマを扱っている。長崎のオランダ村をモデルにした大規模テーマパークを舞台に、 最新の設備を使ったヴァーチャルリアリティと人間が演じる役者のどちらが優れているかをテーマにいろんな「天才」たちが 議論を繰り広げる。コンピュータの天才の側がヴァーチャルリアリティはコスト的に割に合わない、と主張する側なのが面白い。 ほんの数十人の人間を金を払って動かすだけで、どんな現存のコンピュータよりもリアルな虚構が構築できる、と バーチャルリアリティのジレンマを語る。 森博嗣はこのシリーズの中で天才とは「矛盾を矛盾のまま自分の中で同居させるだけのキャパシティのある人間」と述べている。 凡人はそれだけのキャパシティがないから無理に一つの結論を出して思考を局在化してしまう。天才はそれをせず、あらゆる 矛盾する考えを同時に並行して行える人間である、と。なかなかこの観点は面白い。俺も常々自分より頭のいい人間の 言動を見ていて感じるね。あのときああ行動したのだから、今回の場合もこう行動するはず、と思っていても違う行動を とるんだよね。つまり俺には同じに見える条件の違いが彼には分かるのだろう。
423 名無しさん sage:2003/11/22(土) 14:23 話はもどって5年では無理だという理由は、演技をどう教えるかという点なのだ。 映像面では静止画なら現在でも一見写真と見間違う品質のCGを作成できる。 それをリアルタイムに動かすことはまだ無理だがドラマの制作では別にリアルタイムで 動かす必要はない。 しかしどう動かすかを考えるのが問題で、人間の役者ならおおざっぱな支持だけ与えて、 あとは文句を言っていればそのうち自分の思うとおりの演技をしてくれる。まあ100%満足の いく演技でないかもしれないけどね。ところがCGに演技指導するのは大変だ。 演技のデータベースが構築され、そこから縦横無尽に自分の頭にあるイメージにピッタリな パターンを引き出せるようになればいいが、そこまでCGが発達するのはまだ先だろうね。 そもそも記号着地問題の話じゃないが、自分の頭の中のイメージと同じものをどうやって データベースから検索するかという問題がある。
424 名無しさん sage:2003/11/22(土) 16:46 まあ、あれだ、山本にはCGやVRの知識はほとんどないってことだ。 現在どんな作品があるかは知っていても、それがどれだけの費用と時間と 人員をかけたものかがわかっていない。 後、どれだけの資源があれば作れるかもわかっていない。 最近はPCでも充分なクオリティが得られるし、ひところのGWS10台で力ずくでというのはないが それでもものすごく高くつく。 実際問題、俺のPC1台買う金で、山本あたりが使ってるPCなら20~30台は買える。 急速に劇的に安くなっているが、元々1台数千万の機械だったのが、安くなっただけで 絶対的な値段は今でも充分に高い。 まあ、多少我慢するなら、十数万のPCでもハイクオリティな作品も作れるが 作る側にストレスをかけさせれば質の低下につながりかねない。 こういったことはまったく知らないのだろう。 5年やそこらでコストは下がらない。 コストの低下と平行してクオリティをあげるための試行錯誤がいまだに続いているのだから。
425 名無しさん sage:2003/11/22(土) 22:20 「神沈」読んでないから分からないのだけど、ビデオ業界はCGに移行したってのが どういう事を言ってるのか把握できないのだけど、TV・映画業界は除いてるんだよね? つまり、テレビで放映されたり劇場で公開されたもの以外の、ビデオレンタル・販売だけ のものだよね。となると、Vシネとアダルトってことだよね。事実上は。 そういうソフトを消費する層ってさ、これはCGで人間じゃアリマセーンって言ったら 白けると思うのだが。 100歩ゆずってアダルトはOKとしても(今でもCGでセンズリこいてる奴いるしね) Vシネはマズイでしょ。竹内力や哀川翔の代わりにCGだよ?それで商売成り立つって? いくら「ありえない未来」つーてもこれはアホでしょ。
426 名無しさん sage:2003/11/22(土) 22:27 >>425 多分山本は役者の外見しか考えてないんだろうね。演技力とかは端から頭にない。 こんな暴論、「人工無能」ができるんだからコンピュータに小説が書けるというのと同じなんだけどね。
427 名無しさん sage:2003/11/22(土) 22:32 考えてみれば小説家とドラマや映画の監督との決定的な違いは、 登場人物が全部自分の頭で考えたとおり動かせるか、それとも生身の人間かって事なんだよね。 きっと山本は役者というのはシナリオライターの台本通り動く人形としか思ってないんだろうね。
428 名無しさん sage:2003/11/22(土) 22:44 >>425 > どういう事を言ってるのか把握できないのだけど、TV・映画業界は除いてるんだよね? 小説では両方とも時代の流れに乗り遅れ衰退の一途という”設定”のようだね。 なんか山本は、新しい技術が発達すると、それまで”大企業”はみな流れに乗り遅れて衰退するという 安直な考え方を持っているようだ。もちろんそういう企業もあるだろうけれど率先して新技術の実用化に 乗り出す企業も多いんだけどね。CDが出てもレコード会社は健在だし、デジカメも古くからあるメーカーが 健在だ。そもそもアナログからデジタルへの移行はアナログの技術を持っているメーカーの方が強い。 アナログは良くも悪くも職人芸の世界だからね。 炭坑や造船のように業界全体が凋落する場合はいかんともしがたいが、従来の技術の延長に新技術が ある場合はやっぱり従来の技術に長けた所は強いね。二流はあっさり淘汰されるけど。
429 名無しさん sage:2003/11/22(土) 23:10 神沈の中で逆にこれは当たるだろうと言うのは「新聞」の衰退だね。これはもはやどうしようもない。 もちろん新聞社の役割は紙に情報を印刷して毎日配達することではないから、 新聞社自体はメディアをネットワークに変えてむしろさらなる発展をするだろう。 しかし新聞紙は遠からずなくなるだろうね。 優歌がこの本を書いている2033年には無くなってるんじゃないかな。書籍はまだ残っているだろうけれどね。 しかし山本はネットワークの発達と共に情報はどんどん無料になっていくと楽観しているが、それは違うだろうね。 現在ネットワーク上の情報が無料なのは”主流”じゃないからだ。まだそこで儲けなくても従来の事業収益で やっていけるから無料なだけ。遠からずネットワークの方に足場が移るから、その時にどうやって収益を得るか、 情報産業の企業経営者の頭を今もっとも悩ましているのはこの点なのだ。 2chもどきの口コミの情報なら只で手にはいるだろうが、しっかりとした取材を行った質のよい情報は当然 誰にでも収集できるわけではないのだからね。山本のように常に受け売りをする「情報の小売業者」の 価値は暴落するだろうが、1次情報を発信する「情報の製造者」は逆に今より相対的に立場が強くなるだろうね。 ネットワークの普及は情報の流通革命といえるかな。
430 名無しさん sage:2003/11/23(日) 00:34 しかし、経済についても人工知能についても、その辺の専門家にレビューして もらったり、話を聞かせてもらうってことは考えなかったのかな? この手の近未来SFのリアリティを向上させるには不可欠だと思うのだが。 欧米のハードSF作家は無論、国内のSF作家でもやってる人はいるし、 山本だって、と学会や編集者のつてでいくらでもコンタクトできそうなもの なのに何故しないんだろう?
431 名無しさん sage:2003/11/23(日) 01:46 >430 そこが山本たるゆえんだな(w 人にアドバイスを貰って作品を変化させるというのは最大の屈辱だと感じるのかもね。 なんせ小説を映画化する場合に、映画監督がストーリーを改編することがよくあるが それは許さんと言うお人だから。 つまり「俺のモノは触るな」的考えが強いんだろう。子供に多いが(w そのくせ人のアイデアとかは平気で拝借するわけだ。フィギアも改造するしね。 矛盾だらけの男だ。
432 名無しさん sage:2003/11/23(日) 02:39 >430 1.ある種のオタは、何故か本業で地位を得た権威ある専門家を見下す傾向にある。 2.ある種のオタは、自分より知識の無い人間に「教えてあげる」のは大好きだが、 自分より専門知識のある人間に教えを請うのが苦手。 3.ある種のオタは、そもそも人間相手や集団環境下での学習が苦手。 まあ、あくまでも一般論だが。
433 名無しさん sage:2003/11/23(日) 03:17 >>432 「オタ」を「トンデモさん」に置き換えてもそのまま成り立つなw
434 名無しさん sage:2003/11/23(日) 03:21 >No.15587 - 2003/11/23(Sun) 00:16 [ntibrk049161.ibrk.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp] >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 流星 [関東] > > それともう一つ、「神は沈黙せず」の続編を出す御予定はおありでしょうか。 「前作はすべて売れない小説家が抱いた妄想だった」というところから始めてはいかがかな?
435 名無しさん sage:2003/11/23(日) 05:51 p.345辺りに人工無能もどきのMIBと優歌の会話が延々と出てくるが、あまり性能のよくないね。 優歌「何が目的なの?」 MIB「何が目的だと思います?」 優歌「どうして私なの?他の人じゃなくて、私なの?」 MIB「どうして私なのだと思います?」 優歌「これって…私に何か伝えたいの?」 MIB「私に何か伝えたいと思いますか?」 大昔(20年以上前)の人工無能でも「私」<->「あなた」の変換ぐらいするんだけどね。すなわち 優歌「どうして私なの?他の人じゃなくて、私なの?」 MIB「どうしてあなたなのだと思います?」 優歌「これって…私に何か伝えたいの?」 MIB「あなたに何か伝えたいと思いますか?」 とならなければならない。山本の設定した神は20世紀の地球の文明にさえ追いついていないようだ。 山本ってほんとに自分以外を馬鹿に設定するのが好きだな。
436 名無しさん sage:2003/11/23(日) 07:35 >>435 とういうより馬鹿が書いた小説だから馬鹿ばっかになるだけ。
437 名無しさん sage:2003/11/23(日) 14:11 >No.15592 - 2003/11/23(Sun) 11:17 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] > > 僕はヘブライ語はさっぱり分からないので、マイルズの説が正しいかどうかは判断できません。 >「私自身を」という箇所が原文にない、というのは本当らしいですが。 日本の事情に置き換えてみれば分かりやすいだろうね。現存する魏志倭人伝の写本が邪馬壱国と 記されているから、邪馬台国という国はなかった。邪馬壱国の存在を壱と台の字が似ていることを利用し、 日本書紀の作者が大和朝廷がさも古い歴史を持っているように見せかけるごまかしだった、と唱えた 人がいたよね。普通に考えれば後世の写本の方が誤記なのだが。 何にしても人間のやることなのだからすべて完璧なんてことはないのだ。おかしな点、間違った点、不明な点が 合って当たり前なのだ。それを完璧であるはずで、そうでないのはなにか「理由がある」と考えてしまうのが トンデモさんなのだよ。自分の小説の優歌ちゃんもいってるだろ? さらに優歌ちゃんは、加古沢はせっかく立派な小説を書いたのに、自分は自分の小説から何も学ばなかったと 嘆いているよね。いやーいいことを言うねえ。自分の小説から誰かさんも学ぶべきだろうね。
438 名無しさん sage:2003/11/24(月) 02:07 >>437 20世紀の日本の書物には「お湯を沸かす」という記述が多く成されている。 従来説ではこの記述は加熱した水を指すものと考えられていた。 しかし考えてみたまえ。沸かすのは水であってお湯ではない。 従来の研究者達はこんな単純なことを見落としているのだ! 20世紀の日本ではお湯をさらに加熱した未知の物質を作り出しそれを利用していたのだ!
439 名無しさん sage:2003/11/24(月) 07:39 >>438 20世紀は不思議がいっぱい 飯を炊く 漬物を漬ける 写真を撮る 「チャーハンを炒める」は、ときどきやるなw。
440 名無しさん sage:2003/11/25(火) 12:50 >>435 人工知能の知識事態がもうこれでもかというぐらい古くさいんだよ全体的に。 なんでいまさらそんな時代遅れのものを出してくるかな?と疑問に思ってしまう。 結局のところ山本は人工知能に類するものには触れたこともないのだろう。 昔、立ち上げていたBBSにも琴音、音葉という人工無能を常駐させていたが 初期の状態でもMIBよりは賢かったし 終盤のころなんて、本当の人間だと勘違いする人が大勢出てくるほど賢くなってた。 (常連が、勘違いするように誘導していたという噂もあるが、気のせいということで) まあ、人工無能がどれだけ自然に見えるかは、基礎データを用意する人間のセンスにも かかわってくることなんで、基礎データを山本が用意したであろうMIBが不自然なのは まあ、当然といえば当然なのかもしれない。 また、うちのメーラーにはランダムで適当なメールに勝手に返事を書くReplicaという わけのわからんソフトが常駐しているのだが、半自動型の人工無能よりずっと原始的で 与えられた条件とDBでランダムに文章を作るだけのものだが これまた、かなりしっかりした文章を返すものだから、Replica宛てにまじめな返信が来て困ったりした。 (お遊びメールだと言うことはメールに書いてある。) どちらのソフトもDOSやWin95時代に使ってたもので相当に古い。 普通に人工知能について調べたならば、あんなおかしな記述にはならなかっただろう。 SF小説を名乗って近未来について書いていて内容が現在よりも遅れているのはもう、情けないとしかいいようがないね。
441 名無しさん sage:2003/11/25(火) 13:36 要するに人の尻馬に乗って人の文章をあれやこれやいうのは好きだが いざ自分が何かを作ろうとすると悲惨で惨いものしか作り出せないのが山本ちゅうことでFAだな
442 名無しさん sage:2003/11/25(火) 15:02 いやいや尻馬にのるのが山本信者。山本は先頭をきって他人に難癖つけてる。
443 名無しさん sage:2003/11/25(火) 15:20 >>いざ自分が何かを作ろうとすると悲惨で惨いものしか作り出せないのが山本ちゅうことでFAだな 大体だな。山本は工業高校卒だぜ(w 何かのあとがきに「あいにくですがね。僕は高校の時の記憶はすっかり抜け落ちてしまっているんですよ」 なんて憎まれ口を叩いていた男だぜ。 俺なんか山本がいくら利口そうに振舞ったって、その正体はすぐ分かっていたよ。
444 名無しさん :2003/11/26(水) 00:49 いろいろと突っ込まれてるけど、一つ疑問なのが担当編集者は何してたんだろう? チェックはしてるはずだよね。仕事でやってるのだから、読者のようにテキトーに 流し読みってのはないはず。多分、何回も原稿を読んでると思う。 なら、源泉徴収の辺りとか、おかしいと思わなかったんだろうか。おそらく角川の 社員だよね。担当は。つまりサラリーマンなんだから、源泉徴収なんてスゲー身近な ことだろうに。それともフリーの人間?そんなことあるのかは知らないけど。
445 名無しさん sage:2003/11/26(水) 06:52 >>444 源泉徴収も南京大虐殺も存在しない架空世界だと解釈していたのでは? もしくは、もっと凄い間違いを沢山指摘してたので、この程度は スルーしてしまってたか。
446 名無しさん sage:2003/11/26(水) 08:22 >>445 それを言うなら、南京大虐殺は実在した架空世界だろ。
447 名無しさん sage:2003/11/26(水) 17:29 >いろいろと突っ込まれてるけど、一つ疑問なのが担当編集者は何してたんだろう? 有能な編集者は有能な作家に付くのです。角川にあまり貢献してないどうでもよい 作家には、それなりの無能編集者が付くんじゃないでしょうか? ウェブカドカワで「神沈」紹介文に「編:アニメ・コミック 」とあるのはこれは 部署でしょう。「神沈」の担当先が「書籍」や「学芸」だったらきっと突っ返され ていたんじゃないかと思います。
448 名無しさん :2003/11/26(水) 20:36 山本が忠告をちゃんと活かせる作家なら編集者も助言を惜しまないだろうけど どうせ屁理屈をこねて間違いを認めないでしまいには怒り出すんだろうからな 編集者も面倒は避けたくて何も言わなかったんだろう 大して売れる見込みもない小説にあんまり労力を費やしてもしょうがないし
449 名無しさん sage:2003/11/26(水) 21:58 でも、編集に何度もゲラを直されたって話はあったよな。 お陰で出版が遅れる遅れる。 ・・・直してあれか? もしくは 「うるさいやい、お前は所詮サラリーマンだ。僕は創造のプロだぞ!」 と言っちゃったか。
450 名無しさん sage:2003/11/27(木) 01:26 >>449 出版が許されるリミットいっぱいまで直させたんじゃないか? これ以上はさすがに直すのも無理と判断したんだろう。 ということで、この辺が角川のボーダーラインってことかなw
451 名無しさん sage:2003/11/27(木) 12:46 架空戦記なんて、もっとトンデモ設定なの多いからあんなもんでしょ。 ゲラを直されたってのは、内容以前の日本語の間違いじゃないかな? 小説書くために必要な日本語力はコラムやレビューと比べると格段 に高いし、昔挿し絵画家の対談で、最近のライノベ作家は日本語が 下手で、挿し絵書くために初期のゲラ読んでも訳が分からないことが あるなんてぼやいてたし。
452 名無しさん sage:2003/11/27(木) 17:10 世に長編小説は山ほどあるが所詮、ラノベのベテランとはいえ他作家の仕事にケチを つけて小銭を稼ぐ、それをメインにしていた山本では、たとえ何年かけたとしても 長編小説は荷が重たかったということだな。 かように長編小説の道は深いし難しい。 口だけの作家の恥ずかしい経歴がまた一つ増えました(w
453 名無しさん sage:2003/11/28(金) 00:19 ☆ Re: 読みました「神は沈黙せず」 / 山本弘 No.15676 - 2003/11/27(Thu) 16:32 ですから、データ部分の分量に比べてストーリー部分が少ない、という批判に対しては 「まったくその通り」と言うしかありません。それは結果的にそうなったんじゃなく、最初 からの構想通りなんですから。 ------------------------ 誰かそんなことだけ言ってたかいな? 俺たちが声を大にして言いたいのは 「ほんの僅かのストーリー部分に間違いがあったり、性格描写がきちんと できてなかったり、ネタの補強が出来てなかったりで小説として変。」 ってことなのにさ。 構想に関してはそれはそれでアリだけど、奇をてらって失敗してるよ。
454 名無しさん sage:2003/11/28(金) 00:29 >それは結果的にそうなったんじゃなく、最初 >からの構想通りなんですから。 最初から間違ってたのか・・・
455 名無しさん sage:2003/11/28(金) 01:07 言葉は正直者、失敗作だったと白状したのも同然「山本発言集」 ------------------------- すみません。そこらへんは良輔に説明させるのを忘れてました。 まさにその通りです。僕は経済に詳しくありません。 源泉徴収については……いや、おっしゃる通りですね。すみません。 2回ぐらいだったら許してもらえるだろうと(さすがに3回やったら顰蹙だろうから、もうやりませんけど)。 それに、こんな手間のかかる小説、二度とごめんです(笑)。コストパフォーマンス、悪すぎますもん。 僕自身、読者として、やたらに長い小説って嫌いですから。 確かに小説らしくあろうとするならラブストーリーも必要でしょうけど、そんなの入れてる余裕がない。 不要なプロットやキャラクターは徹底的に削ぎ落とす」というコンセプトを それは結果的にそうなったんじゃなく、最初からの構想通りなんですから。
456 名無しさん sage:2003/11/28(金) 01:29 >>455 > 僕自身、読者として、やたらに長い小説って嫌いですから。 > 確かに小説らしくあろうとするならラブストーリーも必要でしょうけど、そんなの入れてる余裕がない。 つまり小説ではない、と!? 「誤訳」の定義に匹敵する名語録の予感!
457 名無しさん sage:2003/11/28(金) 08:28 >>456 「やたらに長い小説」は嫌いだから、「やたらに長い小説ですらないもの」を 目指したということか。
458 名無しさん sage:2003/11/28(金) 13:43 >>453 まともな作家ならデータの分量を減らして、少しでもストーリー部分を増やそうと思うんだが・・・
459 山本56 sage:2003/11/28(金) 21:20 この小説は、破綻していることがコンセプトなのです! だから破綻していていいんです!
460 名無しさん :2003/11/28(金) 22:49 >>459 ワロタ!! そっか~、破綻してていいのか・・・ 4年以上掛けて破綻した物をわざわざ作るなんて・・・ 何を考えているのだろう?(w しかし、今回の「神チン」は世の中の小説家志望の人達に多大に貢献したに違い無い! この程度の作品しか書けなくても小説家にはなれるんだ!と・・・
461 名無しさん sage:2003/11/29(土) 00:27 >>460 >4 年以上掛けて破綻した物をわざわざ作るなんて・・・ >何を考えているのだろう?(w ~山本の4年間の妄想(いい意味で)~ う~んう~ん。資料で読む経済の本は難しいなあ。工業高校じゃ税制なんて習わなかったぞ。 まあ適当に流せばいいんだけど、最近小さい事にこだわるバカな読者が多いからなー。 でもこの本が出たら確実に日本SF大賞を取れるよなあ。長編ハードSF大作だし。 ついにぼくも大賞作家かー。 きっとインタビューで「受賞第一声は?」と聞かれるんだろうなー。何て言ってやろうかな。 日本のSFは衰退していた!それはろくな作家がいなかったからだ。しかしこれからはぼくが いやいややっぱこれかな? SF小説に一番大事なものは何か。それは設定です!設定をきちんとしてやれば自然と評価 は高まるもんです。ぼくは高卒です。だけどそういうことは独学で勉強しました。独学は3倍も 効率が良いんです! あと受賞第一作はどこに書いてやろうかな。まあ富士見は論外だが・・・ あっ、また妄想で日が暮れちゃった。でもこれって正夢の部類だなフフフ。 さあ明日こそ書かなきゃ。 ------------------- 幸せな4年間でした(w
462 名無しさん :2003/11/30(日) 22:54 >まあ適当に流せばいいんだけど、最近小さい事にこだわるバカな読者が多いからなー。 まんま山本弘の事だけどなw
463 名無しさん sage:2003/12/01(月) 12:35 それとその信者ね。
464 名無しさん sage:2003/12/03(水) 02:14 神ちんスレ、一息ついたか。しかしこのスレよく続いたなー。 まあ「神ちん」が俺たちの予想を上回る駄作だったから続いたんだろな。 まさか?っていうぐらいの衝撃的な駄作だったよ。 しかし角川もこんな本ハードカバーにして、わけわからんな。 とはいえ山本、また頼むよ。俺たちを笑かしてくれよ。
465 K.K sage:2003/12/04(木) 00:01 ***ネタバレ注意*** 主人公が最後に披露する「これからの信念」には、直接関係ないけど(前に、こそっと書いたものと同じ主旨の繰り返しですみません)。 最後の2ページには、こんなことが書いてある。 ------------------------ 東京のように汚れていない空には、満天の星がきらめいていた。すでに星座はひとつも見分けられない。二年の間にすべての星が位置を変えてしまったからだ。 地球以外の惑星も軌道を変更し、ニュートン物理学を無視して、停止したり加速したり逆回転したりコースを九十度変更したりといった運動を行っていた。 冥王星は消滅し、火星は緑に染まり、土製は二個に分裂した。基準点が存在しなくなったため、今も太陽の周囲を公転しているのかどうかすら分からない。 それでもちゃんと四季は訪れるし、地球環境に支障はない。 ------------------------ 太陽系は小説世界でも実在のもの(1光年先のプラネタリウムとは違う)。実在の物体に対して、ニュートン物理学が破綻して、何を呑気に落ち着いているのだろう。 小説では「これは天体のみのことで、地球上のことには関係ない」とは書いてない。ニュートン物理学が現象を記述できないとなると、世の中で起こることは何も予想できない。 突然、道端の石ころが大気圏外に脈絡もなく飛び出してもおかしくなくなる。機械という機械は、全部「動くか動かないか出たとこ勝負」になってします。 当然、文明は崩壊する。それの感想が、呑気にも、 >ひとつだけ喜ばしいことがある。星占いがついに命脈を絶たれたことだ。 では、確かに「間が抜けているにもほどがある」といわれても仕方がない。 --- それに比べれば小さい話かも知れないけど、「内部の仕組みが分からないから、予想ができない。だから予想は無意味。」といったことが書いてあると読み取ったけど、間違ってると思う。 仕組みがわからない大規模システムは、分からない部分に立ち入らずに、入力と出力の関係を調べて、システム制御を行う手法は、実学である工学で既に研究されてきている。 「神」が「ミーム」なり「個体」の反応に応じて、この世界に介入するんなら、「わからない」で放り出してしまうことはないはずなんですけどね。「兄」なり主人公は、あきらめが早い)。 加古沢は少なくとも、自分を実験台にトライはしているのに、途中退場はひどいな。
466 名無しさん sage:2003/12/04(木) 05:01 >>465 惑星の軌道がめちゃくちゃになってしまえば、一番打撃を受けるのは探査機を飛ばしてるNASAとかだと思うんだけどね。 人工衛星の軌道も影響を受けるから危ういな。冥王星はともかく地球と太陽の位置関係が”不明”では。 きっと衛星放送とかはもう無くなって地上波やケーブルテレビに逆戻りしてるんだろうな。
467 名無しさん sage:2003/12/04(木) 05:23 >>465 > それに比べれば小さい話かも知れないけど、「内部の仕組みが分からないから、予想ができない。だから予想は無意味。」といったことが書いてあると読み取ったけど、間違ってると思う。 > 仕組みがわからない大規模システムは、分からない部分に立ち入らずに、入力と出力の関係を調べて、システム制御を行う手法は、実学である工学で既に研究されてきている。 > 「神」が「ミーム」なり「個体」の反応に応じて、この世界に介入するんなら、「わからない」で放り出してしまうことはないはずなんですけどね。「兄」なり主人公は、あきらめが早い)。 経験則ですな。もっとも物理学も経験則なんだけどね。所詮何処まで行っても究極の「内部」は分からないのだから。 原子も素粒子もすべて人間が見よう見まねで考えたモデルであって、実物そのものではない。ボーアの原子モデルが 実物と異なるように量子論の描き出す原子モデルもまた実在しない。山本はどうもこの辺の感覚が根本的におかしい気がする。 「わからない」について言えば、人間と神の知能の落差をどうとらえるかだね。例えば犬は人間を理解することができるか?といえば 怒っているか喜んでいるかぐらいは理解できるだろう。しかしなぜ人間が怒っているのかは永遠に犬には理解できないだろう。 さっきまで怒っていた人間が急に機嫌がよくなるという現象は経験則として知っていても、なぜ機嫌がよくなったのかは理解できないだろう。 ただし飼い主に特定の異性が接近した時にこの現象が高い確率で観測される事ぐらいは理解するかも知れない。 ゾウリムシは人間を理解できるかと言えば、ゾウリムシにとって人間は個体ではなくて環境そのものだ。自分の居住環境を自在に 変化させる能力を持っている。ゾウリムシはおそらく人間の気まぐれを物理法則の一つとして捉えるだろう。 要するに「無為」と「作為」は複雑さの違いでしかない。人間は自分の思考に近い「法則」を「作為」と見なすだけだ。 それよりシンプルでもそれより複雑でも「自然現象」として、それを「作為」や「意図」とは結びつけない。「精神活動」が宇宙で もっとも価値あるものというのは幻想にすぎない。「精神」が価値があるのではなく、人間が価値を認めた(単純過ぎもせず、 複雑過ぎもしない)物理現象を「精神」と呼んでいるに過ぎない。 とはいえさまざまな多様性を生じる「複雑さ」の範囲は限られるから、「人間の精神が持つ複雑さ」こそもっとも多種多様な 様相を生み出すレベルである、と考えることも出来るかも知れないけれどね。それよりシンプルでも複雑でもこれほどの 多様性は生まれない、と。とはいえこの考え自体が精神至上主義の産物かもしれないが。
468 名無しさん sage:2003/12/04(木) 08:20 >>465 - それを言うたら天気予報など無駄ということで、人類はいまでも下駄の表裏 などで天気を占っていたでしょう。 内部の仕組みの探求などはどちらかというと最終段階、一般的には a.まず入力に対する出力の法則と再現性を調べて、そのブラックボックスを利用する b.ブラックボックスの一部に手を加えて、自分の好みに合わせられないか調整する c.自然のブラックボックスのままでは自分の希望に対してロスが大きい場合、自作を試みる 自作するためには仕組みがわからんといかんので、調査が進み、 理論として体系化されつつ、b.にもフィードバックされて更に研究が進む。 大なり小なりそういうもんでしょ。
469 名無しさん sage:2003/12/04(木) 08:38 突き詰めると、神が気まぐれで起こす超常現象の意図を人間が解明できるか否か、がポイントだと思うんだよね。 山本は、神は地球規模の脳を持っているのだから所詮人間にはその意図は理解不可能である、という結論らしい。 まあ山本個人がそう思うのは勝手だけど作家としてちょっと想像力が貧困なんじゃないかと思うね。 それだったら宇宙の謎や素粒子の探索に日夜情熱を燃やしている科学者はどうなのかといいたい。 宇宙の構造を解明することと神の意図を推し量ることははたしてどちらが無謀なのか、と山本に問いたいね。 この小説の神は宇宙の創造神ではない。山本が自分で書いているように別の宇宙に生まれた知的生命体に 過ぎない。できることはたかだが量子コンピュータを使って地球近辺の箱庭を作ることだけ。宇宙の住人の一人にすぎない。 その意図を探ることは人間には不可能だと山本はいう。宇宙そのものの謎を長い歳月をかけて探求し続けている科学者は 山本よりも遙かに志しは大きいね。 結局の所、一人の人間だけのイマジネーションで作り上げる小説は、大勢の人間が何世代も書けて積み上げたイマジネーションの 集大成である科学には及びもつかないのだ。言ってみればSF小説家というのはもっとも不利な土俵で戦いを挑んでいる人種といえるだろうね。
470 名無しさん sage:2003/12/04(木) 08:44 山本は根っからの小説家なのだろう。思考とか理解というものはあくまで「個人」が行うものと思いこんでいる。 つまり個人プレーの世界。小説家ならそれでいいだろうし、逆にそれで戦えるだけの力がなければ存在すら許されない。 しかし科学は個人プレーではない。時間的にも空間的にもさまざまな人間が携わり積み上げてきたものだ。
471 名無しさん sage:2003/12/04(木) 09:05 >>469 山本批判に限定せずに、 SFは科学に及びもつかないと言ってしまったら、身もふたも無いのでは? それをいうなら「事実は小説よりも奇なり」というくらいで、いち小説家の 書く人間ドラマなど、全人類の営々として積み上げて来たドラマにはおよびも つかない。別にSFに、いや小説に限ったことでは無い。 そして同じく「読者」個人の一生涯で経験できること、感じ得るイマジネーション にも限りがあるからこそ、「小説家」なる職業の者がそのエッセンスを 自分なりに調理して提供しているし、感動できる作品も生まれるのではないか? それに海外には研究者として一流の小説家も多いから、小説家だからどうこう ではなく、これは個人の志の問題だと思う。
472 名無しさん sage:2003/12/04(木) 10:52 >>471 > SFは科学に及びもつかないと言ってしまったら、身もふたも無いのでは? 小説に限らず人間の娯楽や芸術というものは「身も蓋もない」のが本質なんだよ。 「身も蓋もない」ことが人間にとっては娯楽なのだ。 そして娯楽は科学に永遠に勝てない…
473 名無しさん sage:2003/12/04(木) 11:08 >>471 > にも限りがあるからこそ、「小説家」なる職業の者がそのエッセンスを > 自分なりに調理して提供しているし、感動できる作品も生まれるのではないか? この部分はその通りだね。SFとは科学をイマジネーションにより先取りするものじゃない。 単に陳腐な人間性を加味して口当たりをよくした、科学の要約物に過ぎない。 >それに海外には研究者として一流の小説家も多いから、小説家だからどうこう >ではなく、これは個人の志の問題だと思う。 それは突き詰めれば「科学者でなければSFを書いてはいけない」といっているのと同じだ。 こっちのほうがよっぽど「小説家」という職業そのものをさげすんでいるように感じるね。 別にSF作家が科学的なイマジネーションに関して科学者に勝つ必要などないのだ。 だから科学に挑みかかることが間違いでありこそすれ、別にSF作家そのものが否定されるわけではない。 人間的なドラマの部分に力を入れればいいだけのこと。ところが何故かそれを逆だと思っている人が多いから困るんだよね。 まあ単なる小説と科学の板挟みになって、どちらからも差別化しなければならない苦しいSFの事情も分からないではないけどね。 でも他との差別化ってのははっきり言って不毛なんだよね。手段が目的化しやすいから。 ベーシックなアイディアはすでに出尽くし、多様性が求められる時代、そんな看板にこだわることがもはや末期症状。出口はない。 行き詰まった状態が打破されるのは、たいていの場合既存の概念に捕らわれない新たなカテゴリーが生まれた時だ。 SFとはこうあるべき、という「あるべき理論」をこねくり回しているような頭からは、そうした発想は生まれない。 作家お得意のイマジネーションは、むしろそうした方面に発揮すべきだと思うんだけどね。
474 名無しさん sage:2003/12/04(木) 21:57 >そして娯楽は科学に永遠に勝てない… 何を持って勝利とする気だね?
475 名無しさん sage:2003/12/04(木) 23:48 >>474 それは小説家の方がイマジネーションに優れていると思いこんでいる人間に聞いてくれ
476 名無しさん sage:2003/12/04(木) 23:51 ついでにいうけど俺は「小説家は勝てない」といっているのだよ。「小説家の負けだ」とか「科学の勝ちだ」といってるわけじゃない。 そこのところをよく考えてみることだね。
477 名無しさん sage:2003/12/05(金) 12:30 >>476 現状の体制のまま挑む分には限りなく勝てないだろうね。 世界中の小説家たちがコミュニティーを形成してアイディアを出し合い 仮想的な未来世界を構築し、お互いに検証考察し、進化させれば 同じレベルで競うことはできるだろう。 その上で、ドラマや構成に力を入れることができればすばらしい作品も生まれるかも知れない。 科学者達(科学者に限らず同一の目的をもった集団の多く)の最大の武器は 脈々と受け継がれる蓄積された情報とネットワークだからね。 作家が同じようなものを持つことができれば面白いことになると思う。 まあ、デメリットも多いだろうけどね。 山本のような閉鎖的、独善的な作家には無理な話だろうな。
478 名無しさん sage:2003/12/05(金) 12:56 >>477 そうだね。世界観のパブリックドメイン化はもっと積極的に推奨されていいと思うんだけどね。 クトゥール神話みたいなのが。まあガンダムもそうではあるんだが… こうした方向に進まないのは作家にも問題あるが、何かと「イメージが壊れる」と騒ぎ立てる読者にも問題があると 思うんだけどね。現実の世界を描いた小説(歴史物とか)でも作家ごとに十人十色の作品ができるのだから、 ヤマトでもガンダムでもそれぞれの作品が出ていいと思うんだけどね。ま、読者にしても作家にしても自縄自縛ですな。 コンピュータソフトのパブリックドメインの概念を小説にも応用してもいいと思うんだけどね。 すなわちこの小説のネタを使い回した小説を書いても訴訟もクレームも起こしません。 ただしその小説は同じようにネタの使い回しを第3者に許可しなければなりません。ってね。 つまりパブリックドメインの小説を元ネタにした小説もまたパブリックドメインになる。 このルールならある小説で構築された優れた「世界観」はさまざまな派生系を生み出す。 似たような世界観をもつ作品が沢山生み出されるのだから、陳腐な2番煎じでしかない作品はあっというまに淘汰される。 こうしてダーウィンズガーデンよろしく、小説の遺伝子たる「世界観」は自然淘汰を繰り返しながら栄えていく。 むかしコンピュータソフトのパブリックドメインが始めて提唱されたとき、「初のパブリックドメイン小説」ってが 出た気もするが、追随者がいなくて単発で終わってしまった。コンピュータソフトでもそうだけど、やっぱりそれなりに 優れたものが現われないと盛り上がらないね。
479 名無しさん sage:2003/12/05(金) 13:08 自然科学の場合あくまで「現実」の世界との接点を持っている。これが利点であり欠点なわけだ。 しかし現実の世界との接点とは体系の複雑さや奥深さにとって必須ではない。数学などは 厳密な意味では現実との接点を持たない(まああまり現実と離れてしまうと実用性が皆無なので 研究する人間があまりいなくなるという面はあるが)。 哲学おなじなんだが、共通の基盤の構築に失敗してしまってあまりめざましい成果を生んでいないのは 残念なことだ。何か一つ拠点をつくってその周辺をみんなで開拓すればいいのに、 ある人間がある拠点を築くと別な人間はわざわざ全く異なる拠点を築こうとする傾向がある。 別にそのやり方も悪くないんだけど、それのやり方*しか*しないというのが問題なんだけどね。 これは宗教や小説も同じだね。残念ながらこのやり方をとる分野は発展性に乏しい傾向がある。
480 名無しさん sage:2003/12/05(金) 18:31 だから何が「勝ち」で何が「負け」なんだ?
481 名無しさん sage:2003/12/05(金) 18:33 >>480 だから山本に聞けってw
482 名無しさん sage:2003/12/06(土) 12:01 山本信者は山本には聞けないのです。
483 名無しさん sage:2003/12/06(土) 14:17 >>480 何が勝ちで何が負けかを他人に決めてもらわないといけないと考えているのなら あなたは根本的に「負け」です 勝ち負けを客観的に判断できる事象でないと伝えたいのなら 表現力不足のため「負け」です
484 名無しさん sage:2003/12/06(土) 14:24 ま、結局どれぐらい遠くまでイマジネーションの翼を広げられるかって話なんだけどね。 それが「科学者(たち)>作家(個人)」なわけだよ。 これは仕組みの違いなんだからどうしようもないわけ。いくら個人ががんばってもね。 で、小説の創作活動も自然科学のように体系を共有してもいいんじゃない?って話をしてるんだけどね。 まあそういうことが読み取れず、文章の中に含まれる単語(勝ちとか負けとか)にだけ 反応する人間にはこういう話に参加するのは難しいだろうね。 そういう人間とやりとりしても行き着く所はいつも同じ。「言葉の意味」とか「表現の問題」なわけ。 毎回同じような言い争いをしてて、不毛だと感じないのが不思議だね。
485 名無しさん sage:2003/12/06(土) 18:12 >>484 スマン、チョット話がよく分からんので教えて。 その共有って、できてると言えば、できてるよね。 「ワープ」だの「タイムマシン」だの「タイムパラドックス」とか、最初は誰かの アイデアだったものを皆で共有してるから。 ある世界観を元に複数の作家が書く、はペリー・ローダンがそうだよね。 スタートレックやスターウォーズもそんな形で沢山出てる。 SF以外なら、007があるね。フレミングの死後、何人かの作家が書いてる。 まあ、これは世界観どころか主人公を受け継いでるけど。 こういうのとは別のこと言ってるの?言っとくけど煽りなんかじゃないよ。 分かるような、分からんようなもどかしい気分になったんで。
486 名無しさん sage:2003/12/06(土) 18:19 >>485 んーそうだね、その話でいうなら「中間がない」って感じかな? ワープとかタイムマシンってのはすごくベーシックだよね。 またスタートレックとかのシリーズものは逆に上の方までピッタリ同じだよね。 自然科学や数学は上から下までそれぞれのレベルで共有していたり 分岐していたりして豊かなツリーを作っていると思わない? 一方SFは根本とてっぺんだけが茂った木のようではないかい?
487 名無しさん sage:2003/12/06(土) 18:39 あとは…他人の作品のアイディアの「いいとこ取り」が行われない点だね。 下手すれば盗用で訴えられかねない。一方自然科学とかは出典を明記すれば 他人のアイディアをいくらでも流用できる。というよりそれが推奨されている。 オリジナルのアイディアを尊ぶのは当然だが、尊ぶことと独占することは違うと思うんだけどね。 他人のアイディアを流用したからといっても所詮その料理の仕方が下手で二番煎じでしかなければ 売れないわけで、その意味ではむしろ流用を奨励しても足りないぐらいだというのは言い過ぎかね。
488 名無しさん sage:2003/12/06(土) 18:46 ま、結局いいたいことは、今のような形もあっていいが、別な形もあっていいと思うんだよね。 コンピュータソフトウェアの世界でもオープンなものとクローズドなものが並立している。 共産主義と資本主義のように人間は両極端の考えを好む。そして長い時間かけて試行錯誤の末、 バランスのいい中間点を見つけ出す。共産主義は結局衰退しつつあるが共産主義があればこそ 資本主義側がたゆまぬ自己改革を続けて生き残ったといえる。 小説も正反対の価値観をもつ集団が並立してもいいと思うんだけどね。
489 名無しさん sage:2003/12/06(土) 19:23 小説などのエンターテインメントも、別に作家の個人作業だけではなく 連綿とした過去からの積み重ねの上にあるわけだが・・・ 「SF」とか「ミステリ」とかいうジャンルから、その中の 「サイバーパンク」「ハードボイルド」と言った小区分、 果てはガジェットの数々。 他人の作品のいいとこどりなんてザラなんだけどなあ。
490 名無しさん :2003/12/06(土) 19:40 >>489 この話題になると思い出されるのが山本の「アルマゲドン」批判なんだよねぇ。 山本はこの映画の安直なお約束の多用ぶり「のみ」をもって駄作扱いしていたわけだ。 だけど、お約束を多用することで逆にわかりやすくなる場合もある。 お約束の多用そのものは、別に否定されることじゃないと思う。 (この際、「アルマゲドン」の出来がどうかとかはおいといて)
491 名無しさん sage:2003/12/06(土) 20:30 >>489 > 他人の作品のいいとこどりなんてザラなんだけどなあ。 だーかーらーそれが連綿と緻密に積み上がってないんだよ。疎なわけ。スカスカ。 といよりも積み上がってる内に入らないね。これを同じだというのは森林と生け垣が どちらも木が複数あるから同じだというようなもの。森林は単に生け垣の大きなものでは ないのだよ。そこには独自の生態系が生まれる。数が増えると物事は性質が変わるのだよ。 1倍と1万倍は数が違うだけではない。
492 名無しさん sage:2003/12/06(土) 20:37 そもそも区分というのはアイディアなのか?生物学でいえば動物の分類だけして それを何も研究しないようなものだ。それならあれは「犬」だ、これは「猫」だといってるだけで、 生物学でも何でもない。 例えばある作品で描かれているアイディアに不備や矛盾があった場合、その改良版的な アイディアが他の作家によって出されたり、ある作家の提示したテーマを別の作家が さらに掘り下げたり、という事がもっとあらゆるレベルで行われるべきなのだよ。 たかだか「列挙できる」ぐらいの数ではちょっと…ね。例えば自然科学ではこうしたことが 日常的に行われるが、だれも列挙しようとは思わないだろ?その「数の違い」がひいては 「質の違い」を生み出しているのだよ。
493 名無しさん sage:2003/12/06(土) 20:46 >>490 あと「同じような作品」という批判も現在の価値観の下では正しいが、それが常に正しいのかを 疑ってみるべきだと思うね。まるで自然科学でいえば「相対論」や「超ひも理論」などのように 画期的な理論でなければ、それ以外の研究成果はすべて「駄作だ」というようなものだ。 すべての作品が既成概念を覆すような画期的作品でなければならない、といっているようなもの。 これは足場を組み上げずに一気に高所を目指すようなものだ。自ずと登れる高さはたかだか知れてる。 小さな歩みを積み重ねるというのをなぜか評価しないんだよなあ。
494 名無しさん sage:2003/12/06(土) 22:06 >491 単に「生態系」が見えていないだけではないのか? 過去の作品の影響の下に、新たな作品が作られる。 デジタルに「どこがどう繫がっている」と言える物ではないが それでも尚連綿と積み重ねられてきている。 それが「文化」ってもんなんだけどね。 まあそういった、ごく当たり前のことも判らず 「勝った」「勝ってない」と訳のわからないことを言っているようでは 山本レベルだぞ。
495 名無しさん sage:2003/12/06(土) 22:11 >例えばある作品で描かれているアイディアに不備や矛盾があった場合、その改良版的な >アイディアが他の作家によって出されたり、ある作家の提示したテーマを別の作家が >さらに掘り下げたり、という事がもっとあらゆるレベルで行われるべきなのだよ。 >たかだか「列挙できる」ぐらいの数ではちょっと…ね いや・・・ごく当たり前に行われているんで一寸列挙できない位なんだが・・ もしかして、余り小説自体読まない人? アイデアを流用すると盗用と言われるとか前に書いてあったけど、 そんなことは無いしなあ。 「全く同じ描写」をすればそれは非難されるが、こんなのは 論文の盗用と同じことだろう。
496 名無しさん sage:2003/12/07(日) 03:46 >>494-495 影響?そんなあいまいな言葉でしか表現できないわけだよね。つまり幻だよ。 文化?そりゃあ所詮は人間がやることだから何らかのつながりはあるだろう。 それならあらゆることはつながりがある。つながりがある/ないという評価を 無意味になるまで閾値を下げれば何でもつながりがあることになるだろうよ。 勉強がよくできるか否かの閾値を限りなく低く設定すればすべての子が 勉強がよくできることになってそうした評価が無意味になるのと同じだ。 こういう無意味な方向に話をもっていくのが好きだね。普通は無意味な方向にいかないように 気をつけるものだけどね。 >まあそういった、ごく当たり前のことも判らず >「勝った」「勝ってない」と訳のわからないことを言っているようでは >山本レベルだぞ。 だから、そういう風にしか捉えられないあんたの方が房なんだよ(w
497 名無しさん sage:2003/12/07(日) 03:48 >>495 > 「全く同じ描写」をすればそれは非難されるが、こんなのは > 論文の盗用と同じことだろう。 まったく違うね。極端な話出典さえ明らかにすれば他人の論文をそのまま丸写しにしてもOKだよ。 ただしそんな論文を誰も読まないだけ。
498 名無しさん sage:2003/12/07(日) 03:55 >>495 > いや・・・ごく当たり前に行われているんで一寸列挙できない位なんだが・・ まるで「UFOの存在する証拠は沢山ある!」といっているようなものだね。 これも上の話と同じ。信憑性の閾値を限りなく下げれば「信頼性の高い証拠」は どんどん数が増えていく。 > もしかして、余り小説自体読まない人? 山本信者の十八番だね。「自分と意見が違うのは相手の方の知識が未熟だからだ!」
499 名無しさん sage:2003/12/07(日) 04:13 こういう人間は一つの物の見方しかできず、自分の物の見方が常にもっとも優れている、と考える人間なのだろう。 例えば総合学力で10教科トータルで1000点満点として800点の人間と200点の人間がいる。 両者の学力の差は歴然としている。これに対してよくある批判が、800点の人間はどの教科も80点 前後の当たり障りのない点数しかとっていない。一方200点の人間は得意な科目だけ100点で あとはすべて0点だ。この特定の科目だけ100点をとる実力が評価されないような評価方法は無意味だ、と。 まあそれはそれで一理あるのだが、総合得点はそれなりに一面の真実を伝えている点に注意しなければならない。 それは一つの重要な評価結果なのだ。問題は総合得点のみだけの評価や突出した得点だけの評価といった どちらか一方しか評価しないことであって、個々の評価方法はそれぞれの真実を伝えている。 だからしばしば行われる「どちらがいいのか?」という2択の議論はそもそもテーマがおかしいんだけどね。 2つは別な側面からものを見ているのだからどちらが優れているというものではない。身長と体重のどちらで 体格を評価すべきかを議論するようなもので不毛だ。もちろん評価の目的が限定されれば--例えば バスケットで有利な体格とか--何が正しい評価かという議論もあり得るが、ね。それなしでバスケでは 身長が重要だから体格の評価は(バスケに限らず)すべて身長で行うべきとか、すもうでは体重が大事だから (すもうに限らず)すべて体重で行うべき、という水掛け論が多い。
500 名無しさん sage:2003/12/07(日) 05:58 ものの考え方が房は整理できないんだよなあ。 A)イマジネーションの能力 B)個々のアイディアの数とそれぞれの結合の密度 この2点においてSFと自然科学は a)両者(SFと科学)に優劣をつけられるなんらかの観点が存在するか b)差があるとしたらどれくらいか c)その差に相関(AとBとの相関)はあるか の3点なんだけどね。 a)について優劣の度合いが小さいとか、別な観点から見れば優劣が逆転するとかは この場合問題ではない。a)とb)からc)の相関が見いだされれば一つの事実を表しているといえる。 もちろんそれが必ずしも因果関係を成している保証はないが、世の中の出来事は大抵保証のないものだ。 誤った考えを過度に恐れると結局何も考えが進められないのだ。山本の掲示板なんかはその典型だね。 ある主張に確固たる根拠や論拠があるにこしたことはないが、それは必ずしも必須ではない。 科学でも提示されて間もない理論などはまだまだ穴だらけだ。単なる考え落としの穴もあれば、 穴を承知で提示されることもある。むろんそれに対して何処にどんな穴があるかを示すことは 有益なことだが、穴がある=欠陥で評価に値しない、ということにはならない。(もちろん穴がない 理論の方が高く評価されるのは当然だが。)それらは将来ふさがれる可能性があるし、「穴」として 提示されることでその部分の研究が進むこともあるからだ。 山本や山本板の住人はこの点を分かっていない。相手の主張を価値のないものと断ずる意図が 先ずあり、そのために相手の主張の「穴」をくまなく探す。ひらたくいえば「あら探し」なわけ。 その背景には「考えたくない」という欲求があるのだと思うね。だから「もう考えなくていい」理由を 一生懸命考えるのだ。保留にしておくというストレスに耐えきれず「処理済み(=トンデモ)」のハンコを 押してさっさと目の前から片づけたいのだ。実に原始的な行動原理だ。
501 名無しさん sage:2003/12/07(日) 06:19 掲示板でも何かとあら探しをする人間が多い。彼らは「文字として書かれたものは 100%真実でなければならない」という強迫観念を持っているかのようだ。 ちょっと考えればわかるがこれは「文字(活字)として書かれたものは真実である」という 盲信の対偶に過ぎない。つまりおなじように盲信しているのだ。 世の中にはさまざまな理論や主張がありそれぞれさまざまな信憑性をもっている。 この混沌とした複雑さは文明の発展に必要なものなのだが、この複雑さに耐えきれない 人間も多い。「もっと考えることを減らしたい!」「信憑性の低い理論に煩わされたくない!」という 短絡的な感情から『正しくない』考えの糾弾や弾圧を始めるわけ。その代表が山本だね。 この複雑さに人間は耐えなければならないのだ。まあ耐えなくてもいいがそういう人は自分一人だけで 静かに思考停止していればよいのだ。全員が自分と同じように思考停止すべき、というのは 独善以外の何者でもない。
502 名無しさん sage:2003/12/08(月) 03:27 あらためて神沈を読み返してみたがこれほど支離滅裂な茶番も珍しいな。 妹は最後に、人間はこれまで神なしでやってきた。法律や正義や愛という概念は皆人間が作り出したものだ。 神という概念は幻だったかもしれないがそれを生み出した思い、正しく生きたと願う人間の思いは本物だ、と 結論する。 お説ごもっとも、というか何を当たり前に事をいってるの?って感じだ。そもそも前半でさんざん宗教家の 主張「神が実在するか否かいなど大した問題ではないのです」に、「とんでもない!これが一番の 要なのにそれがどうでもいいとはどういうことなのだ!」と憤ってたのこの人は忘れちゃったのかな? 結論は既にこの部分で出てるんだけどね。宗教家の「神が実在するか否かは問題ではない」は妹の 最終結論そのものだ。ヤハウエが実在するから人々がキリスト教を信仰するのではない。キリスト教の 教義に妥当性を見いだす人々が多いからキリスト教は多くの人に信仰されている。ここにヤハウエが 実在するかしないかという問題は、まさにたいした問題ではない、のだ。 妹はイザヤベンダサンが偽ユダヤ人であるという点を彼の著作物の信奉者にぶつけるが「著者が ユダヤ人か否かなど問題ではない」と言い換えされてあきれる。これもまた同じだ。著者が誰であろうと 著作物の内容の評価はそれに左右されない。 つまりこの神沈という小説は、変な思いこみ(「神が実在するか否かは大問題である」「イザヤベンダサンが 偽ユダヤ人であるのは大問題である」など)を持っていた(山本のような性格の)妹が、「神が実在 しようがしまいがキリスト教の正しさにはつゆほどの影響もない」「著者がユダヤ人でもその著作物に対する 高い評価は揺るがない」と、長い長い苦労の末”悔い改める”物語だということでいいのかなあ。 お、この解釈なら神沈が好きになれるかも知れないよ。結局神沈は山本の日頃の妙なこだわりが 無意味なことを懺悔する小説だったのだね。もし万が一そうでないなら、この小説の主人公である 和久優歌はその創造主たる山本弘よりもずっと賢い。被創造物に軽蔑されないように山本も いっそう精進することだね。すなわち優歌曰く「自分の小説から著者も学んだ方がいい」。
503 名無しさん sage:2003/12/09(火) 13:46 この小説の致命的な欠陥は「神はコンピュータシミュレーションしないと人間を創造できないのか?」という点かも知れない。 人間とコンピュータの関係を考えれば、コンピュータの出来ることは基本的に人間にも出来る。単にコンピュータの方が 単純な処理については処理速度が速いから人間はそれを利用しているに過ぎない。 この小説の「神」と「神の使っている量子コンピュータ」の関係ははなはだ曖昧だ。小説の中で兄がちょっと説明しているし、 現実の山本も掲示板で説明しているが、うまく説明できていない。説明できないのも当然で、実は矛盾だらけだからだ。 この小説の設定では「神」が「量子コンピュータ」を使っていると考えなければならない必然性など何もないのだ。 例えば「神」の頭の中の出来事ということにしても何の矛盾もない。「神」がある昼下がり、暇つぶしに「知性とは何か?」 をあれこれ考えている場面を想像してみるがいい。その神の頭の中の一瞬の思考が我々の世界なのだ。 ところが山本にとってはこの設定は気に入らなかったようだ。なぜかコンピュータを使うことにこだわる。 まあそれは山本の好みだからとやかく言わないが、そのために導入した理由付けがことごとく失敗しているのが 見るに堪えない。 我々が今使っているコンピュータではとてもこれだけの処理は出来ないという。 そして量子コンピュータならできるかもしれないという。 しかし量子コンピュータでさえサイズが地球規模でないとだめだろうという。 しかもそれをもってしても計算には膨大な時間がかかるという。 しかし神の感じる時間は人間に比べてゆっくりとしているから問題ないという。 そんな神なら量子コンピュータなしで手計算なり暗算なりでも出来そうなものだ。 ところがこの神は超越者ではなく我々と同じようなよその宇宙の生物だからそれは無理だという。 なんというご都合主義。というか支離滅裂といった方がいいだろう。ではどれくらい神は長寿なのか。 神のコンピュータの計算能力はどれくらいを想定しているのか。そういう設定があって始めて、 ここまでは我々の宇宙と同じ物理法則の通用する世界でも可能、これ以上は不可能、ということがいえる。 これこそがSF考証ではないのか? 地球サイズの脳を持つ生物(=「神」)は我々の正解の物理法則の下で存在可能だという。 一方地球を中心とする半径一光年の宇宙を暗算でシミュレートすることはその生物にも不可能だという。 だから量子コンピュータを使っているに違いないという。 読者はこうした「設定」を何の説明もなく目の前に放り投げられる。「ははー。左様でございますか」と ひれ伏すしかない。こんなに読者を馬鹿にしたSFも珍しい。 結局、山本は神がどういった生物なのかの設定を一切していないのだ。この手抜きが神の能力や 神が量子コンピュータを使っているという説明を説得力のない空しいものにしている。 地球規模の脳をもつ「神」とはどんな生物なのか。地球規模の脳をもつ生物が闊歩できるほど巨大な 惑星に住む巨大生物なのか。それとも惑星の全生物がネットワークで結ばれた集合意識が神の実体なのか。 あるいは惑星と惑星が重力によって通信しあうことによって思考をしている小宇宙規模の生物(?)なのか。 そしてこうした「生物」はこの宇宙の物理法則に反しない形で存在可能なのか。新たな架空の法則を導入する必要は ないのか。 こうした考証を山本は一切放棄している。山本の言葉とは裏腹に、山本にとっての神とはやはり我々の 宇宙の物理法則を超越した存在であり、考証可能な範囲の外側の存在のようだ。
504 名無しさん sage:2003/12/09(火) 20:38 神の正体はハスターなんじゃないの?(藁
505 名無しさん :2003/12/10(水) 01:08 >>501 だから自分の興味のあるモノ以外を考えなきゃいけない様な事態に陥らせる発言 ってのは、直ぐに反感買うのかね? 今回の匿名希の場合なんかもそうじゃない? 単純に匿名希が悪い。って事にして、そこで思考停止させようとしてるのが見え見えなんだが 確かに匿名希も悪いが、悪いのは匿名希だけか?と思うぞ もっとその先を考えろよ。無理か?あそこの住人には?
506 名無しさん sage:2003/12/10(水) 03:14 >>505 いやーホントマジで思うよ。あの掲示板の住人は「考えなくていい理由を一生懸命考えている」と。 そんなに無理しないで考えられる限りのことを考えた方が楽だと思うんだけどね。所詮人間の考えられることなんて たかが知れてるんだから、せめてその範囲でめいっぱい、考えることが無くなるまで考えるのがいい。 考えるのを苦痛に感じるのは、「はやく結論を出さないといけない」と思うからだと思うんだよね。 いったい何をそんなに焦っているのやら… 「もうこの問題の答えは出た。さあ次。」と、片っ端から仕事のように片づけていくのが「進歩」だとでも思っているのかね。 いくら量を片づけたところで仕事が雑じゃあ何にもならないのだが…。それにこの仕事に締め切りはないんだよ? 山本板にしてもNOVA板にしても議論というものを「相手を説得するもの」と考えている人が多い。 もちろんそういう議論もあるが、そうでない議論も沢山ある。相手は納得しなくても自分の中で真実を発見すれば、 それはそれで収穫なのだが…。なぜか誰も彼も、相手も納得しないと気がすまないようだなあ。 大体掲示板でしか知らない見ず知らずの人間を力任せに説得して何か得があるのだろうか。 特に利害関係があるわけでもなし。
507 名無しさん sage:2003/12/10(水) 23:21 ttp://hobby2.2ch.net/test/read.cgi/uranai/1069720268/l50 の411。税金不払いによる政権奪取作戦だって。
508 名無しさん sage:2003/12/11(木) 06:49 >>507 よくわからないがザイナスティアってカルト団体があって、そこの教祖だか幹部だかがすでに 税金不払いによる革命を提唱しているってこと?
509 名無しさん sage:2003/12/11(木) 11:50 http://homepage3.nifty.com/writersgym/occult2.html 「神の実在論」の生ぬるさ あの小説を読んで感じることは皆同じのようだ
510 名無しさん sage:2003/12/11(木) 12:15 >>509 の部分でちょっと面白いと思ったのは「(全能の)神は神自身を作れるのか」ってとこ。 そもそも「神」はどうやって誕生したのか。無から有を生み出す全能な能力をもって自らを生み出したのか。 量子論は無から有を生じることを認めているがそれさえ(物質+エネルギー)の平均値は一定だ。 作中で神はどうやって生まれたのかと問われた兄は「この宇宙の存在でないからそんな問いは意味ない」と 逃げている。その一方で神は我々と同じ物理法則に支配されている(光の伝搬速度によってコンピュータの サイズや処理速度が制限される等)という前提で神を分析し始める。 山本自身、掲示板で「神は別な宇宙の知的生命体」と説明しているから、やはり「我々の宇宙」では ないにしても「別な宇宙」に存在する生き物なのだろう。そして別な宇宙もまた我々の宇宙と同じ物理法則が 通用している(物理法則の普遍性)。 それならば何も「我々の宇宙の存在」でないからといってその出自に関する問いかけが無意味とは思えないのだが… この辺の兄の言動は、宗教家やオカルトさんが懐疑論者に突っ込まれてのらりくらりとごまかしている状況とそっくりだ。 この小説は幼くして両親を亡くした兄妹が、さまざまな紆余曲折の末、あらたな新興宗教を始める、という話で いいのだろうか。そうなるとこの小説の大部分は妹が2033年から過去を振り返って記した文章だ。彼女は 兄の主張も人々に徐々に受け入れられ始めている、と書いているが、これも額面通り信じることができなくなる。 「多くの人々に支持され~」「どこそこの権威ある研究期間も我々の説を支持」とか我田引水を繰り返すのは オカルトさんや宗教家の常套手段。2033年の時点でもおそらく兄の説はオカルト扱いされ、妹の書いたこの 本も本屋の「ニューサイエンス」の棚に並んでいることだろう。
511 名無しさん sage:2003/12/11(木) 12:45 ところで「兄」はなぜこんな妄想に捕らわれてしまったのだろうか。ヒットゲームを開発し前途有望であったはずなのに。 もしかしたらそのプレッシャーが逆に兄を追いつめてしまったのかも知れない。ドーキンズガーデンの開発作業の 激務で兄は次第に精神を蝕まれていった。ゲームのキャラクターを絶滅させることに罪悪感を覚え悩み始めていたことからも このころ既に変調を来たしていたのは明らかだ。 常人でも愛着のあるゲームのキャラを殺してしまうのはためらわれるものだ。自分が同じ立場だったらと感情移入 してみることもたまにはある。しかしこの頃の兄はそんなレベルではない。自分の両親の死というトラウマとだぶり、 開発を断念しかねない所まで追いつめられている。結局はそういった自分の精神状態を無理に押さえ込んで、 ドーキンズガーデンを完成させるのだが、おそらくそれでいっそう病状が悪化したと思われる。 さらにいえば2大ヒット作を生み出したという過去が、兄にプレッシャーを与えていた可能性がある。次のゲームの アイディアが思いつかない。しかし世間も会社の上司も前2作以上のものを期待している。その期待に応えなければならない… そんな中で兄はUFOを目撃する。このUFOが幻だったのか本物だったのかは分からない。デジカメで撮ってあるから 妄想ではないらしいが、この時代この程度の合成写真は誰でも作れること、兄もその技術をもっていることは作中で 明らかにされている。妹は「兄はそんなことをする人間ではない」といっているが、それは兄の精神状態が普通であることを 前提としている。 仕事上の極限までのストレスが兄に幻覚を見せ、それがさらに「自分がそんな非科学的なものをみるわけがない」という 思いと結びついて逆に「科学的な物証=デジカメの写真」の捏造に突き進んだのかも知れない。ウソをつく人間は終いには 自分のついたウソを真実であると信じ込んでしまう。兄もきっと最初は「自分のみたUFOを人に伝えるために合成写真を 作ろう」→「お、うまくいった。みればみるほど俺がみたUFOとそっくりの写真が出来た」→「はたして素人の俺にここまでそっくりに 合成写真が作れるものだろうか」→「もしかしたらこれは俺が作ったのではなくUFOの意志によって作らされたのではないか」→ 「それならこの写真は合成写真と呼ぶべきではない」こんな具合に一人静かに狂っていったのだろう。 妹の方の妄想は証拠すらない。空から落ちてきたボルトはどこでも変えるものだし、MIBに会ったという事実を証言してくれる 人もいない。前途洋々だった兄が精神を病み世間から攻撃されている状況。彼女もまた大きなストレスを抱えていた。 そんななかで彼女が絶妙なタイミングで兄の説を支持するような体験をする奇妙さ。多分彼女の願望が幻を見せたのだろう。 作中では月に人の顔が現われたり空から人間の子供が降ってきたりと、この兄妹以外の証言によっても検証可能な超常現象も 起こってはいる。しかしこの本が妹によって書かれたことを忘れてはならない。例えばUFO信者が「世界にはUFOの実在を示す これだけの事件があります」と語っているようなものなのだ。妹が紹介している事件の説明は確かに現実に起きた事件が核にあるのだろう。 しかしその説明が正しく現実に起こったことを伝えているとは限らない。単に妹がそれを認めていないだけで、すでに科学的に解明 されているかも知れないのだ。 この本はSFとして読む本ではない。神のシミュレーションについて書いた本でもない。単に十把一絡げの平凡な トンデモさんの人生とその著作物をシミュレーションしただけの本だ。
512 名無しさん sage:2003/12/11(木) 13:06 そして最大の問題。「この世界は神のシミュレーションだった」という証明はどこにあるのか? 作中では兄が「証明できた」といい、その妹が「兄はいい加減なことをいう人ではないから信じる」という。 これで終わりである。よしんば証明が高度に専門的すぎて妹には理解できないものだとしても、なぜ他に 「その証明は確かに正しい」と証言してくれる人物が登場しないのだろうか。 こんなニューサイエンス然とした「布教」活動のための出版などせずにどこかの研究機関に支持を仰ぐなり、 学会で発表するなりすればいいはずなのだ。何しろ「科学的に証明できた」のだから、科学的なものに対しては 科学者達はどんなに自分の価値観に反していても無視することが出来ないはずなのだが… 兄以外の誰にも理解できないほど兄の理論は高度なものなのか。しかしある人間以外に理解できない理論なら、 それを科学的な理論とはいわない。「科学的」の中には「他者にも検証可能であること」が含まれているのだから。 それとも「公表するとあまりにも世界に重大な影響を与えるため」に公表できないのだろうか…これではオカルトさん そのものだ。決定的証拠があるといいながら、それを発表するのは危険すぎるという。それならそもそもそんな 布教活動をしなければいいと思うのだが。
513 名無しさん sage:2003/12/11(木) 13:15 きっとこの兄妹は自分たちの布教活動に早晩行き詰まりを感じ、やがて過激な行動にでることだろう。 すなわち「占星術家の存在が神のシミュレーションを乱している!」と。 2034年某月某日の出来事 都内で有名占星術家宅に対して破壊活動を行った罪で、2人の人間を現行犯逮捕。2人は兄妹。 事情聴取に対して兄妹は「神のシミュレーションを止めてはならない。もう火星など存在しない。」などと 分けの分からない言動をしているという。占星術家をねらった同様の手口による犯行が相次いでおり、 余罪の追及を行っている。男の方は20年前にベストセラーを生み出したゲーム作家。しかしその後はヒット作に恵まれず。 通院歴のあり。
514 名無しさん sage:2003/12/11(木) 14:42 山本はテンプレを嫌うそうだが、物語の終盤、サイバーウォーでまっさきに「原子力発電所」に攻撃を仕掛けるというのも なんだかありきたりのテンプレの気がするけどなぁ。考えてみれば分かるが工場にしても原子力発電所にしても中枢の 制御部分は外部とのネットワークから切り離されている。外部からの直接的な破壊活動不可能なのだが。 たとえばリモートメンテナンスという機能がある。外部から内部の機材の自己診断や必要ならプログラムの アップデートをする機能だ。まあWindowsUpdateもこの一種といえよう。この機能の導入は(WindowsUpdateもそうだが) セキュリティ上の弱点になるので非常に慎重に行われる。というよりも行われ*ない*。原発や工場の制御コンピュータなどが こんな口をあんぐりあけているわけがない。 小説でよく出てくるこうしたハッキングは現実には無理なのだ。ハッキングできるのは外部との接続をもったコンピュータだけだ。 あえてこころみるならシステムを管理してる「人間」をだますしかない。実際、コンピュータのセキュリティ対策としては 人間を含めたシステム全体のセキュリティを対象としている。いくら強固なコンピュータでも運営している人間が騙されては 何もならない。 実際むかし行われたハッキングコンテスト(現在でも行われているが)では、「上司の名を騙ってパスワードを聞きだす」という 人間的な手法が試みられた。多くのハッカーがOSのハッキングに精を出しているさなか、発信元を偽ったメールがコンテスト でハッキングの対象となっているシステムの管理者に届いたそうな。「どうやらコンテストに使っているコンピュータの パスワードが漏れてしまったようだ。確認したいからパスワードを送ってくれ」と。 この話の面白い点は主催者側はこの手法を予測していた点。上司と担当者の間で事前に合言葉を決めており、 その合言葉がなかったため偽のメールだと分かったそうだ。さすがハッキングコンテストを主催するような人間は、 一枚上手だったというところだ。しかし一般の会社のシステム運営者が常に「一枚上手」である保証はない。むしろ 彼らはハッキングに関して素人同然なのだ。 話は戻るが、ハッキングの標的とするなら、外部に口をあけているシステムを狙うしかない。外部に口をあけているというと 多くの人間がWebサーバを思い描くが、そんなものより重要なものがある。ネットワークのルーティングを維持している システムそのものだ。インターネットは固定したトポロジーを持つシステムではないから、データをどういった経路を使って 配信すればいいかという決定は割と複雑な仕組みで決定される。これを狙えばいい。しかも力任せに大量のデータを 送りつけて過負荷を狙う手段は依然として効果的だ。 むろんこうしたシステムは人間が常時監視しており状況に応じて人間が対策をとることができるが、逆に言えば 人間でないと対応できないということ。対処している人間の能力を上回る形で相手を翻弄すれば対応は後手後手に 周り、ネットワークは全面停止とはいかずとも大幅にパフォーマンスが低下し、利用不可能となるだろう。 今日でもインターネットが1日使えなければ企業は大きな損害を受ける。ネットでの注文は停止し、他社との メールでのやり取りも停止する。そんな状況が何日も続けば企業は無視できないダメージを受け、株価が下落、となる。 まあセキュリティ専門会社とかの株は上がるかもしれないが。 また企業を狙うのならNTTやその他のISPのシステムが効果的だろう。なにしろ携帯のメールサービスはサイバーテロが 起こらなくても何かとダウンするのだからね。 攻撃に備えて守りを固めているところを攻撃するのはおろかな戦術だ。何しろあの設定ではサイバーテロの危険性が 現実のものとして問題視されている世界なのだから、原発などの重要施設に関しては守りを固めているだろう。 容易に防御できない部分、一つ一つは重要ではなくても数が多く守りにくい部分、即効性はなくてもじわじわと 影響が広がっていく部分を攻撃対象に選ぶべきだ。 まあここまでいかなくても、せめて証券取引所を第1の標的にするぐらいはしてほしいところだ。 「サイバーテロ→標的は原子力発電所」というのはあまりにも短絡的ではないか。
515 名無しさん sage:2003/12/11(木) 15:01 あと思いつくサイバーテロの方法はやっぱりWindowsUpdateを騙して日本中のWindowsマシンに 偽のパッチをダウンロードさせることだろうな。URLと相手のサーバを変換しているDNSシステムはそれほど 強固なものではない。WindowsUpdateはURLの他に電子署名を用いて相手の特定に関する信頼性を 保障しているが、電子署名の照会自体もDNSを利用しているので両方を騙せば案外可能だ。 電子署名自体は偽造できなくても、あらたな電子署名を作って「これがMicrosoftの新しい署名です」と いってしまえばOK。これを行うとWindowsは「電子署名が変更されているが更新するか?」と人間に確認を求めてくるが、 多くのWindowsユーザーは何も考えずにYESを押すだろう。すると新たな電子署名をWindowsはMicrosoftのものだと 受け入れ、その署名が書かれている偽のWindowsUpdateのパッチを実行し始める。
516 名無しさん sage:2003/12/11(木) 15:30 この「アイボリー」の開発者の和久良輔って、ソニーのアイボの開発者かつ今はなきソニーエスパー研究室の重役かつオカルトさん(?)の天外伺朗がモデルなのかな。
517 名無しさん sage:2003/12/11(木) 15:32 ちなみにURL http://www.mahasamadhi.jp/tenge.htm
518 名無しさん sage:2003/12/11(木) 23:07 ウィンドウズを搭載した銀行ATMに初のウイルス http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031211-00000005-wir-sci うーむ、なんか洒落にならないな。ATMがインターネットに直結されているはずがないから、内部のネットワークから 感染したのだろうが…ATMそのものネットワークと社内LANが分離されていないのか?!社内LANは周知のように 直接的にも間接的にもインターネットなどの不特定多数のネットワークに接続されているから、ウィルス感染の 可能性はある(というかしばしば感染する)。しかしATMのネットワークは切り離されていないのだろうか… まったく分離されていないはずはないから、両者を結ぶゲートウェイ的なコンピュータもWindowマシンで、それが感染してしまい、 それを通じてATMネットワーク側も感染したのだろうな。 コンピュータにも多様性が必要なんだけどね。一種類の種族ではたった一つのウィルスによって絶滅してしまう可能性があるから。 ぜんぜん洒落になってないな。
519 名無しさん sage:2003/12/12(金) 12:37 >>518 システムのセキュリティ関係に関しては年々レベルが低下しているように感じるよ 現役の管理者でOSのコンパイルなんてやったことある人がいったいどれぐらいの比率になっているやら。 初めて使ったOSがWindowsで唯一使ったことのあるOSがWindowsという人も珍しくない。 頑強であることと便利であることを比べたとき便利さを選ぶ人が増えすぎている。 本来なら、末端のユーザが快適に作業できるように管理者が苦労をするものなのに 最近は管理者が楽をすることばかり考えている。 一時期期待したLinuxにしても最近はWindowsよりになってセキュリティーも甘くなってる 本末転倒だとしか思えない。 俺からしたらWindowsとくに95系列はOSじゃなくてアプリケーションだ しかも、すこぶるできの悪いおもちゃのようなOSもどきだ。 これからもこういった傾向は続く可能性はある。 そうなれば山本の描いた未来図もあながちはずれではなくなるだろう。 無知だからこそ正解を引き当てるかも知れないのだ。なかなか面白いではないか。
520 名無しさん sage:2003/12/12(金) 14:58 >>519 > 頑強であることと便利であることを比べたとき便利さを選ぶ人が増えすぎている。 ん~分からないではないが、昔のシステムが頑強だったのは主として「単純だったから」だよね。 もちろんやみくもに複雑多機能にするのがいいとはいわないが、ずっと単純なままにとどまっていては 進歩がないわけで、俺はいつかは前進しなきゃならないと思うのだけど。つまり複雑さと頑強さを 両立する技術をどこかで学ばなければならない。 > 本来なら、末端のユーザが快適に作業できるように管理者が苦労をするものなのに > 最近は管理者が楽をすることばかり考えている。 まあこれについては俺は賛成と反対の半々だね。Microsoftがこれほど市場を席巻した原因の一つに、 「誰でも使えるように簡単にした」ってのがある。昔はユーザーがデバイスドライバを手作業でコピーして DOSのconfig.sysをマニュアルに従って書き換えて…とやっていた。現在はプラグアンドプレイで ユーザーは何もしなくていい。システム管理者だってやっぱり楽な方がいいだろう。 > 一時期期待したLinuxにしても最近はWindowsよりになってセキュリティーも甘くなってる > 本末転倒だとしか思えない。 これも俺にいわせればLinuxが強固だといわれたのは、開発者の技術力がMicrosoftより高いからではなく、 Windowsに比べてやってることが単純だったからにすぎない。結局いつかは複雑さの海にこぎ出すことになり、 それがWindowsは先だったということだと思うんだけどね。まあこんなことをいうとLinux信者に激怒されてしまうけど。 > 俺からしたらWindowsとくに95系列はOSじゃなくてアプリケーションだ これは非常にいいとらえ方だと思うよ。Microsoftが偉大だったもう一つの点は、アプリとOSの境界を無くしたことだ。 これによりアプリ同士が非常に緻密に連携できる。Linuxなどはテキストのカットアンドペーストすらアプリ同士で 完全には統一されていないのでできないことがある(これは現在急速に改善しつつあるけどね)。 そしてもちろんこの戦略はMicrosoftの営業的にも非常に有利に働いた。なにしろOSを知り尽くしているMicrosoft 以上にOSをうまく使ってアプリを作るというのは並大抵のことではないから。 > しかも、すこぶるできの悪いおもちゃのようなOSもどきだ。 まあ、一番Win95とかの過去の遺産を切り捨てたいのはMicrosoftの技術者だろうね。きっと「なんでここまで 互換性を考えなきゃならないんだ。もう心機一転でいいじゃないか!」と嘆いていると思うよ。 > これからもこういった傾向は続く可能性はある。 とりあえずは、必要以上のことが出来るOSをどう扱うかだろうね。 今までは機能が多いに越したことはないし、必要なければ使わなければいいだけと考えられていた。 これからは必要のない機能はあっては困る、という場面が増えていくだろうね。
521 名無しさん sage:2003/12/13(土) 11:50 この小説の論評で「主人公が女に見えない。男の方が違和感がない」という声をあちこちで見かける。 珍しく山本を弁護して上げよう。主人公が「女」しかも「妹」だからこそ違和感を感じつつもまだ読んでいられるのだ。 これがオタク然とした野郎だったら「違和感」どころの話ではない。(現実の山本に対するものと同種の)「嫌悪感」が 先だって、とても読めたもんじゃない。山本はそこの所をよく分かっているのだろう。
522 名無しさん sage:2003/12/13(土) 11:53 試みに「兄」と「妹」に分裂している性格や役割を一つにまとめてみればいい。 頭が良くて、ヒットゲーム作家、宗教家やオカルト支持者に公然と論争を挑みかかり理詰めで論破する人物。 誰がこんな小説を読みたいと思うものか!w
523 名無しさん sage:2003/12/13(土) 11:56 >>522 自分で書いてて思ったのだが、もしかして 「兄」+「妹」=「加古沢」 なのか?(w
524 名無しさん sage:2003/12/13(土) 12:57 >試みに「兄」と「妹」に分裂している性格や役割を一つにまとめてみればいい。 >頭が良くて、ヒットゲーム作家、宗教家やオカルト支持者に公然と論争を挑みかかり理詰めで論破する人物。 ワロタ! いかにも高卒の頭の悪い山本が妄想しそうなキャラだね(爆笑)。
525 名無しさん :2003/12/13(土) 19:45 >頭が良くて、ヒットゲーム作家、宗教家やオカルト支持者に公然と論争を挑みかかり理詰めで論破する人物。 ん、ゲーム作家をSF作家に置き換えると・・・ なんだ。山本が妄想している自分の姿じゃないか。(藁
526 名無しさん sage:2003/12/13(土) 22:22 >>525 俺も読んでて思ったよ 兄=妹=加古沢=山本 そっくりなんだよ。 すげーそっくりなんだよ。 気持ち悪いぐらいなw
527 名無しさん sage:2003/12/13(土) 23:07 >>526 山本は言ってたわ。神沈は3人の自分なんだって。科学者としての自分(兄)、アンチトンデモとしての自分(優歌)、 他を見下す自分(加古沢)。その3人がせめぎあっているのが神沈なのよ。自分の持つジレンマをわざと残したのね。 実は性格をを微妙に変えてあるのよ。山本は科学者にはなれなかったから、科学者としての自分(兄)の気持ちはよくわからないわ。 だけどアンチトンデモとしての自分(優歌)は尊敬もしていた。でもね、他者を見下す自分(加古沢)は憎んでさえいたの。
528 名無しさん :2003/12/13(土) 23:22 しかし現実は、頭が悪くて、売れない自称SF作家、宗教家やオカルト支持者に公然と論争を挑みかかり誤読とでっち上げで論破したつもりになる人物。
529 526 sage:2003/12/13(土) 23:27 >>527 すげー納得した。 兄が一番破綻していて、妹が気持ち悪くて、加古沢がキャラクターとしては一番まともだと感じる 理由がわかれば、実に見事にはまっている。 他人を見下す山本が一番自然だもんな。違和感が少なくて当然だよな。
530 名無しさん sage:2003/12/13(土) 23:47 NOVA板 『神は沈黙せず』について2 >Re: そもそも「実証」などされてませんよね。 White NOVA 2003/12/02 04:07:38 >>超常現象の発生を「個体」に対する刺激と考えたら理屈が合わなかったわけですよね。それを「ミーム」に対する、 >>つまり「集団」に対する刺激と考えれば辻褄があう。そういうことだったはずですよ。 > > 少し違いますね。 >>1 .「個体」に対する刺激と考えたら理屈が合わない。 > これはそのとおりです。 違うね。「理屈が合わない」といってるのも「兄」一人だ。そう考えて不都合なことはあの小説の中には語られていない。 また「兄」がなぜ「理屈に合わない」と考えたのかもどこにも説明されていない。 「個体に対する刺激と考えると神の行動が一貫していない」というのは理屈にならない。 「神はユニークな個体を育てようとしている」が、神の考えるユニークな個体が人間には想像を絶するものなので、 神の目的がよく分からないだけかも知れないからだ。 例えばダーウィンズガーデンで「ユニークな個体」を育てる遊びに興じるプレイヤーに意図を、育てられているアーフが理解することは出来ないだろう。 それと同じと考えても物語全体のつじつまは合う。>2 .「ミーム」に対する、つまり「集団」に対する刺激と考えれば辻褄があう。 > 「集団」=「グローバルブレイン」とも言ってますが、これはP488に兄の言葉として書かれていますね。 >ただ、厳密には、「辻褄があうかもしれない」という可能性に過ぎません。そして、肝心なことについては、 >兄は「分からない」と述べているんです。 うーん、これも違うと思うな。「兄」は少なくとも自分の考えを確信していただろうね。何しろそのために 愛する子供に殺意を覚えるほどだったのだから。兄が確信していること=正しい事実ではないというだけのこと。 結局、兄の考えを読者に「なるほど、そう考えるのが妥当だ」と納得させる事に山本は失敗しているのだ。 > すなわち、神のメッセージは、「個体には意味がない」が「集団(グローバルブレイン)なら意味がある……かもしれない」です。 >どんな意味があるか、兄が述べていない、あるいは作中で描かれていない以上、「超常現象が神のメッセージである」とは >証明されたとは言えません。 直接描かなくても説得力を持たせる方法はあると思うんだけどね。単に山本にその技量がなかっただけ。 > いや、むしろ、「神のメッセージ」とは関係なく、「アットランダムに起こる事故、あるいはバグ」という可能性すらあります。 >仮説だけなら、「人類の科学が進みすぎて、神のコンピューターによる処理が追いつかなくなって、神のコンピューターが熱暴走した >結果の異常事象」という可能性も十分、妥当性を持っていると言えましょう。 いやなコンピュータだねw
531 名無しさん sage:2003/12/14(日) 00:31 >Re: そもそも「実証」などされてませんよね。 White NOVA 2003/12/02 04:07:38 超常現象について > > 1説(加古沢説)と2説(兄説)のどちらが正しいかは、前の書き込みで見られるように、論理的検証が為されておりません。 > ちなみに、NOVAはあえて選ぶなら、「兄説」を採ります。元々、「人格を持った神が人間を見ている」ということ自体、信じておりませんし(^^;)。 > そして、実は山本さん自身、1説も2説も信じていないでしょう。 >>1 .人格を持った神が、人間を同格に近い存在として認識している。>2 .人格を持った神が、人間を同格に近い存在として認識しておらず、人間の集団の構成するグローバルブレインを認識している。 > > これに、山本さんの結論である3説(優歌説)を含めると、物語のテーマ理解は完璧かな、と。 >>3 .人格を持った神が仮にいたとしても、人間個人を認識していないし、グローバルブレインが仮に存在したとしても、個々人には理解不能。 >結局、そういう上位的存在を気にすることなく、人間は自分の良心にしたがって生きるべし。 > > 3説を採るなら、1説も2説も、結論のための叩き台(否定するための説)に過ぎず、そういう結論がある以上、>1 説と2説の論理的検証は、作者の山本さんにとっては、大した意味はないのかもしれませんね。 2.説も3.説も同じに見えるのだが…まあそれはそれとして、せっかく山本が無い知恵絞って考えたネタを 大した意味がないとはどういうことだね? それに結論があればそこに至るプロセスはどうでもいいといわんばかり (小説の中の世界についても現実の世界についても)。 とうとう「山本は常に正しい」と力説するあまり、山本のやることを否定しだしたね。褒め殺しですな。 それとも、密かにもしかしてアンチに転向したの? それなら歓迎するよw
532 名無しさん sage:2003/12/14(日) 00:44 山本が神沈でやっていることを「例え話」で説明しよう。 ミステリーで物語の中盤で犯人Aが怪しいと提示される。それなりにもっともらしい説明を付けてね。 しかし中盤でオチがつくようなミステリーは普通ないから、この立証は後で覆され、真犯人が最後に明らかにされるのだろう、 と読者は期待するわけだ。 はたして終盤で真犯人Bが提示された。それはいいのだが、困ったことに犯人がAではなくBである必然性がちっとも伝わってこないのだ。 Aの用いたとされるトリックもBが用いたとされるトリックもどちらも理にかなっていそうだし、AのアリバイもBのアリバイもどちらも同じぐらい 強固そうに見える。そんななか、名探偵は犯人はBであると力説し、登場人物もなるほどと納得して一件落着とばかりさっさと帰ってしまう。 これが神沈の読後感だね。 こういった展開にするなら、犯人AよりもBが怪しそうだと読者に納得させる理由を考えておくべきだし、それが思いつかないなら こうした展開を使うべきではない。100歩譲ってそれでも使いたいなら途中で犯人Aが殺されてしまうぐらいの展開にしなければ読者は この小説をミステリーとは納得しないということ。 この「ミステリー」を「SF」に置き換えれば、それが神沈への評価になる。
533 名無しさん sage:2003/12/14(日) 01:32 今日、国家予算ネタの報道で、国債38兆円とかいう話題もあったが、 もし税金不払いで国家転覆したら、こういう借金も棒引き、国債は紙くずな わけですね。あと年金支給も生活保護も崩壊、弱者一掃はかなうかも しれないが、国の信用はドン底でやはり経済恐慌状態になるんだろうねw。
534 名無しさん sage:2003/12/14(日) 02:03 >>533 山本の経済の知識は幼児レベルだね。税金の無駄遣いだばらまきだ批判されているが、 その恩恵を受けてるのは役人じゃない(ま、多少のうまみはあるにしても)。福祉なら医療関係者だし、 公共事業なら土木会社の従業員だ。銀行に公的資金を使われるのも感情の話なら気に入らないが、 銀行がつぶれて困るのは結局は中小企業。経営者の経営責任を問うぐらいはしてもいいけど、 経営者の給料なんて微々たるものだから、それが経済とかに影響するものでもない。(国民のウサは晴れる だろうけどね。) 一挙に力任せに効率化したら結局困るのはそういう人たちなんだけどね。これが「改革」が素直に進まない 一番の理由なわけで、新政府ができたところで変わるものではないのだが…もちろん今以上に痛みを享受して 改革に邁進するというなら別だが。
535 名無しさん sage:2003/12/14(日) 09:44 >>533 ,534 結局山本は、今の不況や何やかやがみんな政府の責任だと思ってるわけだ。 「みんなが(主に俺)こんなに苦労しなきゃいけないのは政府が悪いんだ」 単なる責任転嫁でしかないのだが、本人は気づいていない。 今の政府に悪い面が多いのも確かだが、それなりにバランスが取れるように 長い年月をかけて調整されたものだ。 まったく新しいものを作り出してこれより良くするのはなかなか骨の折れる話だ。 今の政府であることで利益を受ける人間が多くいる以上大幅な改革は不可能に近い。 こういうことは世の中の多くの人が理解している。 まじめな話、中学生ぐらいでも大雑把にだが理解している者も多い。 山本にはせめてニュースステーションぐらいは見て欲しいと思うよ。 多少情報のかたよりはあっても、神珍のようなおかしなものを書かずにはすんだだろう。
536 名無しさん sage:2003/12/15(月) 17:53 >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] No.15944 - 2003/12/15(Mon) 14:44 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] > >>・参考文献の『ウルトラQ伝説』はどの部分の参考ですか? > > ははあ、それに気がつかれましたか。 > えーとですね、実はある章に4ページに渡る隠しギャグが仕掛けてありまして、そのための参考資料なんです。 >ちなみに、まだそれをすべて解き明かした読者はいません。『ウルトラQ』本編を観ていることはもちろん、 >参考資料まで読んでないと分からないネタも含まれていますので。 > なんで隠しギャグなんか入れたかというと、なんせシリアスで長い作品なもので、書いていて陰鬱でしょうがない。 >途中で書くのがつらくなってきて、気分転換に「いっちょここでお遊びでも入れてやれ!」と思ったわけです。 >もちろん、おふざけだということに読者が気づいたら作品の雰囲気が壊れてしまうので、わざと分からないようにしてあります。 > 別のページにある『宇宙鉄人キョーダイン』のパロディは、気がついた人がいるんですが。 なるほどねぇ。つまり書いてる本人にとっても書き続けるのが辛い”つまらない”小説だったわけだ。どうりで 読み続けるのが辛い”つまらない”小説だと思ったよ。つまり両者の意見は一致してたわけだね。 あきれはてたね。そんな小説を読まされる方にとっては迷惑な話だ。今度から本の帯にでも「これは書き続けるのが辛かった小説です」と でも入れておいてくれないか? そしてどうやら俺はこの小説の楽しみ方を間違ってしまったようだね。SFのつもりで読むというとんでもない間違いを犯してしまった。 隠されたパロディを探すという楽しみ方をする小説だったのだね。失敬失敬。これも前書きにでも書いておいてほしいなあ。 >>・表紙は大変分かりやすいんですが裏表紙の「土塊で出来た十字架」には何か意味があるのですか? > > 知りません(^^;)。 「神=十字架」というテンプレでしょうなあ。何の工夫もひねりも感じられませんな。 >>あと書き間違いかな?とも思うのですが >>・『人工無能(P371)』と『人工無脳(P163)』の使い分けについて > > すみません、書き間違いです。 その前にさんざん「無能」という単語を書きつづった報いですな。 >>・P303『生保も国民保険も~』は『国保も国民保険も~』では? 生命保険は老後の備えの為に入るんじゃないですし。 > > いちおう大手保険会社もいくつも破綻して、疾病障害保障や老後保障などを受け取れない人が増えている、という設定です。 まあそれはそれとして、この後にいろんなものが破綻して「老後の保障が失われ、何千、何万という老人が未来を悲観して生命を絶った」と 続くわけだが、老人ってのはしぶといものだよ。未来を悲観して自殺するとしたら若者の方だろうね。老人ってのはいろんなことを経験してきてる 分けだから、塞翁が馬じゃないが時がたてば事態が好転することもあると考えると思うよ。まあ目の前の生活に疲れ果てて死ぬと言うことは あってもね。 >>問題は蘊蓄についてらしいので、アシモフの科学エッセイや、シルヴァーバーグの『地上から消えた動物たち』を >>読んだことのないSFファンには辛いのかも。 > > うーん、一見さんを拒否するような難解なハードSFが嫌なんで、科学用語や鍵となる概念にはすべて説明をつけたはずなんですが、 >それでも難しすぎますか? 「難しすぎる」んじゃなくて「つまらなすぎる」のが問題なんだけどね。UFOとかの超常現象の羅列が延々と続く部分が。
537 K.K sage:2003/12/16(火) 12:08 >>536 没頭して読み通しはしたけど、読むだけで根気がいるのに、隠れパロディなんか探すほどの気力の余裕はなかった。 ところで・・・ >>・P303『生保も国民保険も~』は『国保も国民保険も~』では? 生命保険は老後の備えの為に入るんじゃないですし。 国保=国民保険=国民健康保険、じゃなかったっけ(思い違いならごめんなさい)。 > いちおう大手保険会社もいくつも破綻して、疾病障害保障や老後保障などを受け取れない人が増えている、という設定です。 国民年金を書いてなかったと記憶するけど(探しなおす気力が…)、これも忘れちゃったのかなあ。
538 名無しさん sage:2003/12/16(火) 12:32 >>537 心配無用だ。 山本が年金の仕組みを知ってるとは到底思えない。
539 名無しさん sage:2003/12/16(火) 13:27 >>538 厚生年金って厚生労働省員の年金だと思ってたりして‥
540 名無しさん sage:2003/12/16(火) 16:10 >>537 山本は国民年金と国民健康保険の区別がついてないんだろうなw
541 名無しさん sage:2003/12/17(水) 15:01 日本とコリアのサイバーウォーで様々なシステムが破壊され、AVPのデータも喪失したので500万人以上の人間が 財産を失ったとある。はたしてこれは正しいのか?失われたのは「物」ではないAVPというデータなのだから。 そして「情報」ですらない。当人が自分がこれだけのAVPを所有していたという記憶を持っている限り、情報は 失われていない。単に「情報」の電子的なコピーが失われただけだ。 したがって消えたAVPはAVPの運営者によって補償されるだろう。一般に戦争や自然災害での損害は補償の範囲外だろうが、 この件に限っていえばAVPの運営者側にも損害はない。失われたAVPを補填するのではなく、消えたデータを回復するだけ なのだから。むろんシステムの混乱によってAVPの運営者は大損害を受けただろうが、それと人々の財産とは関係がないのだから。 (人々の財産を回復しなければAVPの運営者が得をするとか、その逆ではないのだから。) もちろんシステムの混乱によってこの間の事業取引が滞ったことによる損害はこの限りではなく、実体のある「損害」だ。 しかしそれとAVPのデータが消えることは別な話だ。 またAVPのシステムはは多国籍企業の連合体が母体となって運営しているのだから、世界中にバックアップが存在すると 考えるのが普通だ。日本のデータはアメリカ等のサーバーにバックアップが適時なされているだろう。現実に「物理的に 離れた場所」に貴重なデータをバックアップを置くサービスは存在する。また東京本社と大阪支社にデータを2重化しておくと いうのは普通に行われる。世界的なシステムであるAVPがそういった対策を取っていないなどということはありえない。 AVPシステムへの攻撃は大きな損害をもたらすだろう。しかしそれはデータが喪失するからではなく、流通が滞ることに よって「商売ができなくなる」ことによる。
542 名無しさん sage:2003/12/17(水) 15:25 後書きをざっと眺めていたら、漠然とした違和感を感じた。最初それが何か分からなかったのだが、 これだけ列挙されてて海外の文献が一つもないという点だと気がついた。普通はもっと横文字の書籍や著者の 名前が散らばっているものだ。学会誌とか論文とかも。一瞬海外の書籍は割愛したのかとも思ったが何も 注記されていないから、やっぱりこれがすべてなのだろう。 書籍名に注目するとどれもこれも一般向けの啓蒙書ばかり。大型書店の科学コーナーとニューサイエンスコーナーを 回れば7割方は揃いそうなレベルだな。 人工知能関係の書籍を見るとマインズ・アイとか10年以上前に出版されたものばかり。なるほど知識の古さは この辺にあるわけだ。立花隆のインターネットはグローバルブレインも載っているが、時代の旬を見逃さないタイミングで この本を出した立花隆の方がよっぽど賢いだろうな。熱狂的なインターネットブームが過ぎ去り立花の本も時代遅れに なってしまった現在、それをネタにほとんど代わり映えのしない小説を書くとは。
543 名無しさん sage:2003/12/17(水) 16:05 物語の終盤p.486辺りで兄はアーフによる記号着地問題の解法にひとしきり講釈を垂れる。 この部分はニューラルネットの画像認識の説明そのもので、現実の世界ではすでにほぼ研究し尽くされているものだ。 例えばこの方法では図形を回転させた場合にも正しい判断をさせるように学習させることは不可能というのが 現実の科学の結論だ。人間にしても「回転しても物は変わらない」というのは後から学ぶもので、単純な パターンマッチングとは違うのだ。幼児にとって正立した画像と倒立した画像は「同じ物ではない」。 人間はそれを別な手段で学ぶのだ。母親が幼児に何かの絵を見せる。次にその絵を逆さまにしてみせる。 最初幼児は2つを別なものだと認識する。しかし目の前にある紙が一枚しかなく、母親が入れ替えているのでも ないことにやがて気づき、「さかさまにしても物は別な物に変化したりしない」と学ぶのだ。 兄は2014年にこれを再発見したようだ。あるいは小説の世界ではニューラルネットというものは発明されておらず、 2014年に兄が初めて発明したという設定なのかも知れない。しかし弾みのついた兄は饒舌にさらに説明を続ける。 「こうした現象は専門用語で創発と呼ばれている。」と。 おい、だったら知ってる分けじゃないか!w 創発という専門用語があるならやはり小説の世界でもこうしたこと(ニューラルネットや自己組織化)が研究されているのだろう。 いったいこの「兄」は何を証明するために実験を行っていたのだろうか。すでに他の学者が行った実験や理論を自分でも 追試してみただけなのだろうか?それにしては「最初はこんな方法でうまく行くわけがないと思っていた」など、人跡未踏の 新分野への開拓者気取りはなんなのだろうか? 此処にいたって俺はこう結論せざるを得ない。「他人のアイディアと盗用しているのは兄だ」と。妹は人工知能の分野に あまり詳しくない。一方で兄の言動に対しては絶大な信頼をおいており、兄がこうだといえば妹はそれを疑わない。 実はこの世界でもニューラルネットの研究は十分に行われており、兄の学説はずっと以前に別な誰かによって発表されていた。 妹はそれを知らず、兄は妹にひたすら「自分の考えは世界で他の誰も考えつかなかったことだ」と繰り返していただけだ。 この小説は妹によって書かれているのだから、妹が知らない他の学者の研究についてふれられていないのは当たり前だ。 兄はボロが出ないように注意深く振る舞っていたが、この場面は一番の見せ場であり、張り切りすぎてうっかりボロを出した のだろう。妹に対して「カッコイイ兄」を演じ続けるのも楽ではない。 こうなると「兄の論文を盗用してはいない」という加古沢の主張も本当だったのかも知れない。兄と話をしたときは 加古沢は人工知能に興味がなかったので知らなかった。しかしその後興味を持って調べていくと兄の論文とほぼ 同じ内容の研究が20年以上も前になされており、他人の研究を自分の成果にすり替えているのは兄の方で あったと気づいたのだろう。自分の小説の参考文献に兄の論文を載せなかったのは、加古沢のささやかな良心だったのかも しれない。 他人の論文を盗用するような兄が他者から評価されるはずはなく、ネットで叩かれたのも実は兄の自業自得だったのだろう。 しかし兄を崇拝する妹としてはそんな現実を事実を認められるはずもなく、ひたすらこれは兄のオリジナルだと社会に訴え続けた。 なるほど、そう考えるとすべて合点がいく。この本も「兄の無実」を証明するために書かれた本なのかも知れない。
544 名無しさん sage:2003/12/17(水) 16:15 もしかしてこの小説は普通のSF小説ではないのかも知れない。普通のSFは現実の科学を先取りするものだがこの小説の世界の 科学は現実よりも遅れており、既存の科学を再発見していくSFなのだ。
545 名無しさん sage:2003/12/18(木) 15:28 まあ学歴的には高卒なのだからその山本にしては頑張ったほうじゃなかろうか。
546 K.K sage:2003/12/19(金) 00:16 「『苦しいときの神頼み』は、そうそう都合よくいきません。」ということを納得するのに、あれだけの大騒動が必要だった女性の世にも奇妙な物語。
547 名無しさん sage:2003/12/20(土) 07:39 >>543 の続きだが、 結局の所山本はこの小説の世界のニューラルネット関係の研究がどの程度の段階なのか?という点を しっかりと設定していないのが元凶といえる。山本は兄に謎解きをさせるためにこの小説ではニューラルネットの 研究が現実の世界よりもかなり遅れた世界に設定しているようだ。 現実の世界ではニューラルネットによる画像認識は20年以上前(1980年代)にほぼ完成されている(逆に言えばそこから 進歩していない)。ところが小説の中では2013年に兄が初めて発見するようだ。兄の言葉をそのまま信じるならば。 ところが山本は兄の発見した現象(小説の中ではアーフによる円や楕円や花の記号着地能力=現実の世界でいえば ニューラルネットによる画像認識)の説明に現実の世界の研究内容(創発とか自己組織化とか)を使ってしまっているのだ。 そのため兄の研究成果が「世界でまだ誰も気づかなかったこと」の割には、その説明に入ると「こうした現象は専門用語で 創発とよばれ…」と急に現実の世界のうんちく話になってしまう。地の文として山本自身が説明を加えているならそれでもいいが、 これは小説の登場人物である兄のセリフなのだ。 この時点で兄の役割は破綻を来たしているといえよう。兄がアーフによる記号着地能力の創発を(小説の中の世界では) 初めて発見したのであれば、兄は「うんちく」ではなく自分の発見したことを生の言葉で語らなければならないはずなのだ。 また現実の世界のニューラルネットによる八目車輪の事例は小説の序盤で紹介されるが、同じく現実の世界のニューラルネットによる 画像認識の事例は無視されている。小説の終盤で兄に発見させるためには、とうぜん冒頭でそれを紹介できないわけだが、 なんとも苦しい小細工ではないだろうか。現実の世界では画像認識の方がずっと早くから研究されているのに。 まとめてみよう。 1.この小説の世界でもニューラルネットが全く研究されていないわけではない。(八目車輪など。これは現実の世界も同じ) 2.ただしニューラルネットによる画像認識については全く研究されていないようだ。(現実の世界ではすでに深く研究されている) 3.兄はドーキンズガーデンによりニューラルネットの画像認識が可能であることを小説の中では世界で初めて発見する。 4.兄はその発見の説明に現実の世界のニューラルネットの知識を使ってしまう。 5.それによってこの世界はグローバルブレイン誕生を目論む神のシミュレーションであることが判明する。 なぜこの小説を読んでいて違和感というか幻滅を感じるかといえば、先ず2.が原因。現実の世界よりもSFの世界が 遅れているという幻滅はもちろんのこと、さらに悪いのは2.が最後の最後まで説明されていないこと。このため1.を読んで 当然2.もこの小説の世界で達成されていると思ってしまう。 そのため兄が何を一生懸命研究しているのかが分からず、さらにそれが明かされたときに喩えようもない幻滅を感じてしまうのだ。 「あれ?こんなことが(この小説の世界では)新発見なの?そのために一生懸命研究してたの?」と。 4.の矛盾については既に述べた。現実の世界と小説の中の世界の区別が山本はきちんとつけられていない。 山本は科学法則とかの考証はうるさいようだが、「小説の登場人物がどこまでの科学知識をもっているのか?どこから 先の知識は(例え現実の我々が持っていたとしても)持っていないのか?」については無頓着のようだ。 そして最後に5.で再び幻滅を感じることになる。何しろ小説の中での兄の大発見は現実の世界では既に発見済みのことなのだから。 その理屈だと現実の世界でもこの世界の謎(「世界はグローバルブレインである」)はすでに証明済みのことになってしまう。 結局の所、この小説はちっとも「未来」の「科学」を描いていない。それどころか現実の世界の科学をわざわざ制限して、 小説の中で再発見させている。まったく地球とは別の世界の話ならそれも面白いと思うが、悪いことにこの小説は2003年辺りまでは 忠実に現実の世界を描き出している。おそらく現実世界の延長に位置づけてリアリティを持たせようとしたのだろうが、それと 「科学技術の進歩を現実よりも過去に設定する」方法を併用したため、さらにアラが目立つ結果になってしまった。 いったい山本は小説の構成というものを考えているのだろうか?
548 名無しさん sage:2003/12/20(土) 07:47 設定の甘い点をもう一度まとめてみよう。 1.神は如何なる生命体なのか。その出自を問うことが無意味な存在なのか否か。 2.この世界でのニューラルネットの研究はどの段階なのか。どこまでが既知の研究成果で、どこからが兄が成した成果なのか。 これらが筆者(山本)の頭の中にはしっかりとした設定があるが小説の中で語られていない、というのであれば問題はない。 小説のなかですべてを語る必要はないのだから。しかし断言しよう。これらについて山本は 「ちゃんと考えていない」 のだ。
549 名無しさん sage:2003/12/20(土) 08:14 優歌について。 このノンフィクションの著者である優歌はプロローグで次のように書いている。 それでもまだ兄の結論を決して認めようとしない人が多い。彼らは「根拠がない」「妄想に過ぎない」と せせら笑う。しかし、自分たちの信念にはどんな根拠があるのか、なぜ妄想でないと言えるのか、示そうとしない。 と。しかしこの優歌の著書を読み終わった読者はどう思うだろうか。おそらくこう思うだろう。 兄の結論の根拠はどこにある?妄想でない根拠はどこに書いてある? と。どこにも書かれていないのだ。優歌は言う。 既成のあらゆる宗教や神学は重大な矛盾や欠陥を抱えている。兄の理論だけが今この世界で起きている あらゆる事象を矛盾無く説明できるのだ。 しかし矛盾のない説明はどこにもない。正確に言えば矛盾のない説明はあるにはあるが、それは全く意味のないものだ。 「この世界は神がある意図の下に行っているシミュレーションであり、その意図は人間には理解不能である」というものなのだから。 こうした主張は「間違ってさえいない主張」なのだ。何しろ「理解不可能」なのだからあらゆる矛盾や不可解さは肯定されてしまう。 つまり宗教家が「すべては神の深いお考え」というのと変わらない。一方は神を肯定し他方は神を否定しているが、 実質はどちらも全く同じなのだ。どちらも「神は人間の理解の外にいる」という思考停止に過ぎないのだから。 ところが優歌はこれが分からないようだ。兄の説が矛盾無く世界を説明しているのなら、既存の宗教もまた世界を矛盾無く 説明している。優歌にとっては既存の宗教が描き出す神の姿は不可解に見えるかも知れないが、それは一介の人間である 優歌が神の意図を理解できないだけに過ぎない。神の意図の一貫性を説明できないのは既存の宗教も兄の説も同じなのだ。 そもそも「理解不可能である」という説明が「矛盾無く説明できる」ことになるのなら、科学などいらない。惑星の運動も 化学反応も「理解不可能な現象である」という説明で済むのだから楽でいい。
550 名無しさん sage:2003/12/20(土) 08:25 優歌は小説の序盤で「イザヤ・ベンダサン」の著作について憤っている。イザヤ・ベンダサンはユダヤ人との ふれこみだが実は日本人だった、と。そしてさらにその事実が明らかになった後もイザヤ・ベンダサンの著作が 高く評価されていることにいらだっている。そして 支持者たちは口を揃えてこういう--「本当でなかったとしても、それがどうだというのか?」 ここに至って呆れた口がふさがらないという具合である。まあ、実際は校長の口から語られることだが、 優歌の意見も同様だろう。 ところが優歌は終盤で加古沢の小説の登場人物の行動に感銘を受け、自らの勇気の糧とする。 もしこの時点で誰かが優歌に「その人は架空の人物でしょ?」と問いかけたら、優歌ははたして どう答えるのだろうか?おそらく 「架空の人物だろうが実在の人物だろうがどうだっていうの?」 と答えるのではないだろうか?2033年の優歌に聞いてみたいものだ。
551 名無しさん sage:2003/12/20(土) 08:31 ついでに言えば2033年の時点ではその小説の著者である加古沢は日本を戦争に導いた極悪人と されているだろう。加古沢の小説に感銘を受けた、という優歌に対して誰かが 「えー?それてあの極悪人が書いた小説でしょ?」 と言ったとする。優歌はどう答えるだろうか。著者がどんな人間であろうと関係ない、と答えるのではないだろうか?
552 名無しさん sage:2003/12/21(日) 19:22 別スレの「ちょっとだけ」氏の神沈 http://www5e.biglobe.ne.jp/~occultyo/essey/kamitin.htm
553 名無しさん sage:2003/12/21(日) 20:13 >>552 のリンク先 >オカルト懐疑派が書いた科学啓蒙のためのウンチク小説だと思います。 うーむ、オカルトさん(自称)からみるとそう見える小説なんだ。なるほどねw どっかのサイトにはトンデモ本批判家が書いたトンデモ本って評価もあったけどね。 どちらも山本マンセーの人間が書いたにしては評価が正反対というのは興味深い。 オカルトさんからは科学啓蒙書にみえて、常人(?)からはトンデモ本に見えると言うことは、 案外、山本この小説ってニュートラルなのか?俺にはまったくそう見えないのだが… > さすがに、と学会の会長さんが書いただけあって、凄まじいまでの擬似科学批判、オカルト批判、宗教批判が繰り返されます。 と学会の本とか読み慣れてる身には、退屈なんだけどね。 > だからこそ私は、この小説はオカルト・ファンにこそ、読んでもらいたい。 つまりこの本はと学会の本は読んだことがなく、なおかつ山本の本を読みたいというオカルトファン向けと言うことだね。 そんな人間いるのか?
554 名無しさん sage:2003/12/21(日) 21:35 >>553 読んだよ。 これのどこが山本マンセーだよ。フォローいれながらボロクソいってるだけにしか見えんが。 宗教マンセーの態度は俺もついてゆけんが。 だが、 > だからこそ私は、この小説はオカルト・ファンにこそ、読んでもらいたい。 これはオカルト信者よ、信者になりすぎないように解毒剤にこれを読めってことだろ。 そんなにおかしな意見とも思えんが。 山本の本読みたがるオカルト信者がいるとも思えないがな。
555 名無しさん sage:2003/12/22(月) 00:20 >>554 > これのどこが山本マンセーだよ。フォローいれながらボロクソいってるだけにしか見えんが。 どの辺がボロクソにいってる部分なの? まあ基準をどこに置くかだろうね。山本板の常連のように、黒を白といってでも山本を擁護する、という ほどではない、というなら、そうだね。 ついでだが、リンク先の > あと、つつける重箱の隅は、実は結構あります。あきらかなミスもいくつか見つけております。 >でも、きりがないうえ、私も人のことを言えた義理ではないので、やめておきます。 これは指摘してやった方がいいと思うけどね。どうもこの人は「批判=悪いこと」と思いこんでいる 傾向があるね。 > これはオカルト信者よ、信者になりすぎないように解毒剤にこれを読めってことだろ。 > そんなにおかしな意見とも思えんが。 俺には「この本が必要な人間はこの本を読むことはありえない」と思っているのでね。 逆に言えば「この本を読むべきだという人間は、この本を読む必要がない」となる。 まあ意地悪な言い方ではあるが。 とはいえ、俺自身はオカルトに批判的な立場をとっているので、オカルトさん側の人間がこの本を どう感じるかは興味深い。その意味ではこのリンク先の内容はなかなか面白くはある。 もっとオカルトよりの人の感想をぜひとも聞いてみたいものだ。 ただ、結局 http://homepage3.nifty.com/writersgym/occult2.html みたいな感想になると予想しているんだけどね。
556 名無しさん sage:2003/12/22(月) 01:19 p.158で兄と加古沢が人工知能について議論する辺りの話。 この箇所だけやけに他と浮いている気がする。かなり頭の切れる人間と「設定」されている加古沢は 馬鹿すぎるし、逆に兄はこの部分だけやけに挑発的な言動が目立つ。他の箇所ではおおむね 控えめで人の良さそうな人物として描かれているのに。 思うに人工知能の説明をさせることを優先するあまり、キャラクタの性格付けが疎かになっている。 さらにそれぞれのキャラが持つ「知識」の整合性が保たれていない。 例えば加古沢はいきなり「あなた方(兄をはじめとする人工知能の研究者)はまだ記号着地問題すらクリアできていない」と 切り出す。この辺りではまだ加古沢は人工知能について詳しくないはずなのだが、そんな人間が記号着地問題など いきなり出すだろうか?兄の方が出すなら分かるが… この箇所の2人の会話を要約すると次のようになる 加古沢「ファニはダーウィンズガーデンほど画期的なゲームではない。ファニは人間に比べて馬鹿すぎる」 兄「それは現在のコンピュータの処理速度が足りないから」 加古沢「ハード的な問題ではないだろう。あんたがたはそもそも記号着地問題すらクリアしていない」 兄「それはその通り」 (記号着地問題に関する大量の説明) 兄「真のAIを作るには記号着地問題は避けて通れない問題だろう」 加古沢「仮に記号着地問題が解決してもそれで知性が作れたと言えるのか?」 兄「そんなことはいっていない。記号着地能力はその必要条件といっているだけ」 加古沢「じゃあ知性の条件は何?」 兄「それは逆に君に聞きたい」 加古沢「小説が書ければ知性があると認めてもいいかな」 兄「それなら小説を書けない人間は知性がないのか」 加古沢「じゃあ知性の定義とは何?」 兄「それは誰も答えられない」 加古沢「それは逃げ口上でしょう?」 なんかこうやって書き出すと、加古沢が兄にとりとめなく絡んでいるようにしか見えないな。 まあ実際そうなのかもしれないが… しかし加古沢はこの「逃げ口上でしょう?」の後に、加古沢は1960年代には人工知能の実現は楽観視されていたこと、 にもかかわらず現在ほとんど成果は上がっていないこと、などをまくし立てる。 なんか加古沢はやたら妙なところだけ人工知能に詳しいんだよなあ。人工知能の専門家の兄がこうした年表的知識を 空でいえるのはいいとしても、加古沢にそんな知識があるのだろうか?それとも「兄」と会うのを楽しみにして一夜漬けで 予習をしてきたのだろうか。まあそう解釈できないこともないね。 あと小説の登場人物がやたら「あらかじめ百科事典を調べたような知識」をその場の突発的な会話文としてしゃべりまくるのは、 小説のお約束として突っ込んじゃいけないのだろうねw
557 名無しさん sage:2003/12/22(月) 03:37 >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / gallery [中国]No.16023 - 2003/12/21(Sun) 23:17 [pc3295.chukai.ne.jp] > > 超・遅くなりましたが、ようやく読めました。予約してもなかなか入らず、ようやく手に入れ、その日に読了しました。 >いや~~、面白かったです。あまりSFを読む習慣はなかったのですが、こんなに面白いとは……。他のSFもチャレンジしてみよっかな♪ なんか「面白かった」という人に限って「普段SFを読まない」って人が多いと感じるのは俺の気のせい? > とりあえず、と学会関連書籍はほとんど読破していたので、更に面白さ倍増。「と」のエッセンスが濃縮されていて、 >学会ファンとしましては、読みながらいちいちうなずいたり、ニヤニヤしたり…… 人の感じ方はそれぞれなんだねぇ。俺は同じようなことが書いてあるんで退屈でしかたなかったよ。 > 極々微量ですが、不満を感じたのは、やはり加古沢の真の目的です。あたかも神が『ダーウィンズ・ガーデン』の >飛行生物をセーブしていた自分のように、優秀で個性的な人間をセーブすると信じこんでいたことです。 エンターテイメント(笑)として考えた場合、加古沢の考えが正しかった、という方向の方が 面白いんじゃないか?まあ山本は「僕はエンターテイメント性なんてねらってません」とかいうだろうがw >あれだけ聡明な加古沢が、検証もナシに(って、なかなか出来ないだろうけど)そこで思考停止してしまったのが、ちと不満ですね。 >ブッダやキリストもセーブされてるって、なんかラエリアン・ムーヴメントみたいだな。やはりセーブされた者同士、抱き合って、涙を流すのだろうか?(笑) > 彼はセーブデータが自分と同一であるかとか、ヒトとしての種がどうなるかとか、考えてなかったように思うのですが。 >「神に選別される」ことを目的とした、究極の自己満足に浸るつもりだと。あ、でも「永遠の命」って言ってたし……どうなんでしょ? 別に同一性なんてこだわらない人もいるんじゃないの?要は自分の要素が何らかの形で受け継がれればいいわけで、 それが自分の生き様とか自分の思想とかでもいいと思うんだけどね。永遠に人間という生物として生活し続けたいと いう意味とは限らないだろうに。それに極端な話、神に「選別された」という事実だけに価値を見いだすというのも ありだと思うけどね。人間は名誉を好むものだよ。 > 超常現象研究家の大和田省二なる人物が、作中でかなり良い味を出し、良い仕事をしていたのですが、 >モデルとかあるのでしょうか? トンデモを研究している事と、名前から考えて「UFO特異日」のあの方かと思っていたのですが、 >どうも違うようで。もしかして、「トンデモ世紀末の大暴露(イーハトーヴ出版)」の前書きで紹介されてました >松居桃樓氏がモデルではないかと考えたのですが……? 同じトンデモを研究してはいても、反骨精神を持ち、 >大勢に流されず、それでいてヒューマンな姿勢を貫くところなど、共通点も多いと思うのですが。元教師との設定ですし。 > 間違っていたら、どもすみません。「黙示録の秘密」は、読んでみたいけど未読です(見つからん!)。 > >最後に、大変満足できる作品を、どうもありがとうございました。 どんな人だっけ?例によって本はどこにあるやらすぐ出てこないし…
558 K.K sage:2003/12/25(木) 05:01 人工知能などの話になると、突然会話がぎくしゃくするのは確かですね。参考文献からの切り貼りの会話ではむべなるかな。 しかしSF秘密基地のサイトでの明言「…これはエンターテインメントです。」はどうなったのだろう。 ところで角川の宣伝文句は何度読んでも笑える。こんなんで内容わかるかいな。 --------------- ■さらに詳しく UFOも、怪奇現象も、超能力も、すべて「神」からのメッセージだった!現代人の「神」の概念を根底から覆す長編書き下ろしエンタテインメント一三〇〇枚! 空飛ぶ戦車+七角形のボルト+UFO+ロボット型異星人・空から降ってくる魚介類+落下する巨大な氷塊・銀の十字架が落ちてくる+石ころの雨・走りまわるインドゾウ+野生の少女・フクロオオカミの出現 +ビックフットの出没+肉食獣ムングワ・吸血怪物チュパカブラス+怪獣ネッシー・ボルトの雨+四人の異形の天使・空の戦闘+空の軍隊・血まみれの剣をもった白装束の軍人+怪蛇バジリスク・空飛ぶ帆船 +幽霊飛行船・幽霊ロケット+エイリアン・コンタクト・エイリアン・アブダクション+MIB・修道僧のようなローブをまとった巨人+蛾人間・大きな耳と三本の牙が生えた怪人+頭に三つのコブを持つ男・トカゲ人間 +狼少女・空から落ちてきた何百匹ものカエル+家の壁にしみだす油・家の中に降る雨+深夜に行進する幻の兵士・スプーン曲げ+透視・テレパシー+ポルタ―ガイスト・空から落ちてくる子供たち +コインの雨・空飛ぶオートバイ+空をわたる雄牛・血の涙を流すマリア+月に浮かぶ顔・幽霊タクシー+幽霊ジュークボックス・幽霊列車+光亀・ビックフット+翼長一メートルの青い蝶・幽霊人工衛星 +人の顔をした雲・位置をかえる星々+・+・+・+・+・+・+・+・+・・・・・・これた「神」のメッセージが、意味するものとは?
559 名無しさん sage:2003/12/25(木) 05:29 >>558 その文句って本の帯にも書いてあったような。たぶん山本が考えたんじゃないの?山本のHPもそんな感じだし。 ま、雑多な情報をぶちまけて受けを狙うってのは周回遅れのエヴァもどきですな。全然プラスの方向に効果が上がっていないのが哀れだが。 膨大な薀蓄で怒涛のごとく読者を引き込むという手法は大失敗ですな。山本は自分では薀蓄をたくさんストックしてるから、 この手法をうまく使えると思ったんだろうね。いくら材料が豊富でも料理人の腕が追いつかなきゃ何にもならないとは夢にも思わなかったのだろう。 山本は「面白い*だけ*の作品なら馬鹿でも作れる」と考えている気がしてならないんだよな。自分は面白い*だけ*でなく、 それ以外(以上?)のものを作品に編みこんでいるんだ、と。で、今回は簡単なはずの「おもしろい」作品を作ろうとしたら、 やってみて初めて、そんな甘いもんじゃない、と分かった、ってとこだろう。
560 名無しさん sage:2003/12/25(木) 06:13 続きを書くつもりでほったらかしにしてたのを思い出した。>>556 の続き。 この後の兄と加古沢はこんなだ。 加古沢「じゃあAIが誕生するのはいつです?」 兄「そんなことはわからない。俺は預言者じゃないから。でも1世紀先じゃないだろう」 加古沢「その予測も根拠があるわけじゃないですよね?」 兄「根拠はあるさ。この世に少なくとも一つインテリジェンスマシンが存在する。人間の脳だ。それをシミュレートするような 機械は知性を持つはず」 この兄の理屈はいったい何なんだろう。人間のような知能は、人間の脳をシミュレートする機械ができれば実現する、と いっているようにしか見えない。人間にそっくりな知能を持つ機械は人間にそっくりな知能を持つ機械ができればできる、と まるっきりトートロジーなことを言っている。 それとも人間の脳の物理的特性を丸ごとシミュレートするような機械ができれば、脳が知性を生み出す原理が未解明でも、 同じものを作ることができる、という主張なのだろうか。同じものが同じ働きをするのは当然だが、どこまで同じに作れば 「同じような知性」になるのかとか分析するにはやっぱり「構造」ではなくて「機能」面での研究が進まないとだめだと思うのだが。 まさかペンローズじゃないが脳の量子的特性までシミュレートするわけにもいかないだろうに。 そして人間の脳をシミュレートする機械が1世紀以内にできるという根拠が示されていない以上、加古沢への反論に さえなっていない。結局兄は自分の方が知識が豊富なのをいいことに、加古沢を煙に巻いているようにしか見えない。 やっぱり「兄」ってトンデモなんじゃないのかなあ。 その後二人の会話はチューリングテストに移るのだが、この部分でもなにやらおかしい。 「2011年当時、チューリングテストに関する議論に厄介な問題が起こっていた。チューリングテストをパスしているかのように 見える無敵君が現れたのだ」と妹が解説する。リアルタイムではこの時点で妹がこんな知識を持っているとは思えないから、 この部分は2033年の視点から書かれているのだろう。 ところが直後に兄は「無敵君など目新しくもない。君(加古沢)は知らないかもしれないが、チューリングテストをパスする プログラムはもう何十年も前にできている」という。これは現実の世界ではその通りなのだが、小説の中の世界でも そうなのだろうか?そうなると妹の「チューリングテストに関して問題が起きていた」という説明とつじつまが合わないのだが… 兄のような専門家にとっては無敵君は目新しくないが、専門家以外(素人?)にとっては「厄介な問題」だったのだろうか? 素人の頭を悩ませても専門家が明確な答えを得ていれば、普通「厄介な問題」といわないと思うのだが。 この辺、ほとんど推敲せずに書き飛ばしてないか?>山本
561 名無しさん sage:2003/12/25(木) 06:36 それに加古沢は「無敵君の存在を持って、チューリングテストの幻想は崩れた」と兄に詰め寄っているが、 チューリングテストを知っているなら、兄がいうところの「君は知らないかも知れない」知識も知ってるんじゃないのかなあ。 それとも一夜漬けの悲しさで、表面しか知らないから兄に反撃されてしまうのだろうか。あるいは2chかどこかの うさんくさい掲示板から断片的な知識を仕入れただけなんだろうか?w 加古沢はチューリングテストは知っていても、チューリングテストをパスするプログラムが 過去に作られたことは知らない。記号着地問題は知っていても中国語の部屋は知らない。 兄の「シミュレーションと本物は同じである」という話に対しても、(それに同意するか否かは別にして) その話の意味することさえ理解できない。話しぶりからして「シミュレーションと本物は同じである」という 考え方は知っているが同意できない、というレベルではなく、そもそも考え方がまるっきり理解できないと いう様子。 加古沢の人工知能に関する知識はブルーバックスあたりを小一時間斜め読みした、って感じなのかな。 だから局所的にはやたら細かなことを知っている反面、体系的に整理されておらず主張を俯瞰すると 支離滅裂という具合。 これは加古沢の知識レベルの話を超えて作者である山本の知識レベルを示していると思うのだが… しかし「加古沢とはこういう人間だ」と言ってしまえば、小説の世界ではそれでつじつまは合うわけで、 便利だよな~、地の文で語らないで登場人物に語らせる手法は。自分のミスや無知を全部キャラに 押しつけられるんだからw 余談だがこの部分で、小説家の加古沢が「自分は自分の小説の登場人物とは違う。なにしろ 自分はこうして実在しているのだから」という部分(もちろん加古沢は山本の書いた小説の登場人物で 実在しないわけだが)、山本は突っ込んでほしいのかなあ。ほしいんだろうなあ。まあ一応義務として つっこんでおこう。
562 名無しさん sage:2003/12/25(木) 06:53 ちなみにこの後の章で、CGが発達したので写真は証拠として意味を持たなくなった。UFOの捏造写真などいくらでも作れる。といった ことが語られている。一面その通りなのだが、これでは実際問題として困るので写真が改編されていないことを証明する技術が 現在研究されている。すなわちデジカメのチップにキーワードを埋め込み、画像の中に紛れ込ます。その画像を特殊な方法で 処理すれば、改編されていなければ元のキーワードが現われる。しかしキーワードが崩れないように画像を改編するいは 膨大な計算量がいるので事実上不可能という方法。「君(山本)は知らないかも知れないが」こういったことはずいぶん前から 専門家の間では研究されているのだw
563 名無しさん sage:2003/12/26(金) 12:34 俺も実際には存在しない風景の写真を作る仕事をしたりするんだが 合成の技術は日々進んでいる。 「こんな写真どうやって撮ったんですか?」とか聞かれることが良くある。 本当に一見しただけではわからなかったりするわけだ。 しかし、この合成の技術ってのはある程度はひっくり返して 合成を見破る技術としても使えるわけだ。 新しい技術を誰にも知らせず開発できれば人をだますことも出来るだろうが 人に知られた技術で人をだましとおすのは以外に難しい。 もちろんまったく見分けのつかない画像の作成も不可能ではない 精度の高いカメラで撮って加工して精度の低い画像にすれば粗は目立たない。 プロスペックで撮って市販カメラの解像度に落とせばそうそうばれない。 しかし、逆にそういった条件がわかれば証拠能力として採用されるための ガイドラインは作成可能だ。 あと、山本はどうもCGのスペックとコストに対してかなりいい加減な知識しかないようだ。 うちに写真の合成を1枚頼むと100万ぐらいかかる。 枚数が多くなれば多少安くはなるが、このコストはそうそう下がるものではない。 精度を上げればあげるだけ高くなる。 UFOの捏造写真1枚に1000万も2000万も出すやつはそうそういないだろう。
564 名無しさん sage:2003/12/26(金) 14:02 では逆に聞きたい!! 超常現象な写真を作ってもらうとして いくらまでなら出す? (考えられる使用目的;雑誌等投稿用 酒屋のねーちゃんにみしてもてるため 一寸した話柄に)
565 名無しさん sage:2003/12/26(金) 18:23 >>564 > (考えられる使用目的;雑誌等投稿用 > 酒屋のねーちゃんにみしてもてるため > 一寸した話柄に) そんな程度なら、自分でやったってわかんね~でしょ。 要は金を出すか、自分の時間を使うかだし。
566 名無しさん sage:2003/12/29(月) 15:44 javaでweb上から操作できるライフゲーム http://bosei.cc.u-tokai.ac.jp/~7jss3112/html/research02/research02.html
567 名無しさん sage:2003/12/29(月) 16:31 むお、むづかしい ブーメランみたいなやつとばしながら,ずーっと いきてる簡単なパターンあったよね? どんな形だっけ?
568 名無しさん sage:2003/12/29(月) 19:21 >>567 http://www.yama.info.waseda.ac.jp/~mori/program/lifegame/lifegame.html 上記リンク中の「Rペントミノ」というやつのこと?
569 名無しさん sage:2003/12/29(月) 19:28 山本は1998年頃この小説を書こうと思い立ったそうだが、なるほどちょうどその頃人工生命が面白おかしく あちこちで取り上げられていたな。神沈にもちょっとだけ紹介されている「Q」の字の形をした人工生命も よく見かけた気がする。基本的にはライフゲームみたいなものだが、Qの字の「、」が伸びてとなりに同じ 形を作り、最後に尻尾が切れて分裂する。これを無限に繰り返し平面をQの字で埋めていく。 これを研究してたのは人工生命の生みの親(?)だが(名前忘れた)、この人その後サンタフェ研究所をやめた。 インタビューでこんなものを増殖させて何の意味があるのか?と突っ込まれて、それは後から考えれば いい、とにかく研究することだ、といったようなことを答えてた記憶がある。 まあブームが去ったからといって研究が途絶えてしまったわけではないし、世間の注目を集めるか否かなど研究の 評価とは無関係なのだから、研究している人はそれでいいが、それをネタに小説を書く人はどうなのかな。 ちょっと時期を逸した感がある。この頃はまだと学会関係の本が売れてたから、山本は後回しにしたんだろうな。 その結果できあがったのが時代遅れのSF小説(もどき)ということだ。
570 名無しさん sage:2003/12/29(月) 19:29 >>568 グラインダーを周期的に発射するパターンがあったはずなんだが。
571 名無しさん sage:2003/12/30(火) 03:14 >>570 あ~、野暮なこと言ってスマン、先に謝っとく 研磨機は発射せんと思うぞ。
572 名無しさん sage:2003/12/30(火) 12:23 グライダーだったッけ?定期的に発射するパターンあったよねぇ
573 名無しさん sage:2003/12/30(火) 17:06 グライダーガンで検索すれば、そのうち見つかると思う。
574 名無しさん sage:2003/12/30(火) 17:49 この一番下のやつだね。さすがにやや複雑。 http://www.ie.reitaku-u.ac.jp/~tak/java/Life2_index.html ライフゲームのパターンによる論理演算回路の作成はこの本に紹介されている。 グライダー同士が一定角度で衝突すると消滅したり通り抜けたりすることを利用し、 グライダーガンを絶妙な位置に配置すると論理演算ができる。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062571110/250-5790390-6427443
575 名無しさん sage:2003/12/30(火) 18:10 端が繋がってるせいで,グライダー発射機上手くいかねー
576 名無しさん sage:2003/12/30(火) 22:30 読んでたら久しぶりにライフゲームやりたくなってきた。 つか、Vectorあたりにフリーで高速なライフゲームいっぱいあるから どうせならそっちつかえ。
577 名無しさん sage:2003/12/30(火) 22:33 >>574 の上のリンク見てみたが、イータがただ「変化しない」パターンとして紹介されているのはちょっと戴けない。 特定の角度でグライダーを衝突させるとグライダーだけ消滅してイータが残る(復活する)から 「食すもの(Eater)」の名が付いたと思うんだが。
578 名無しさん sage:2003/12/30(火) 23:43 この手のものでは囚人のジレンマを題材にしたプログラム同士の対戦も面白いね。 囚人のジレンマは相手が「協調」を選択したときに自分が「裏切る」を選択すると、 最大の得点を得る。相手が「裏切り」を選択したときに自分が「協調」を選択すると、 最大の得点を失う。お互いが相手に対して「裏切り」を選択すればその中間の 得点を得る。お互いが協調をしたときはそれよりもちょっと高い得点を得る。 で、どういう選択をすれば自分の得点を最大に出来るかを不特定多数を相手に競わせる。 おなじ相手に対して複数回の対戦を行うのミソで、協調的な相手に巡り会った場合、 自分も協調し続ければ一番高得点が期待できる。逆の相手に対しては自分も 裏切り続けるのが自分の失点を最小にするからベストな選択だ。 これを発展させると、最初は協調をつづけて、信用させたところで裏切るという戦略もある。 いろんなアルゴリズムが考案されているが、シンプルな比較的強いのは、 1回目は協調し、2回目以降は1回前の相手の選択と同じ選択をする、というもの。 とりあえず1回目は紳士的に接し、2回目以降は相手が紳士的なら自分も紳士的に。 そうでなければ自分もそうでない振る舞いをする。いわゆる「しっぺ返し」君。 その他、過去に一度でも裏切られれば、それ以降常に裏切り続ける「人間不信」君とかもある。 さらに対戦相手を完全にランダムに設定するのではなく、近くの相手のみと対戦するように 設定すると、平和主義の集団とか、殺伐としたコロニーといった現象が見られる。 常に相手に協調する平和主義者のコロニーに常に相手を裏切り続けるプログラムが紛れ込むと そいつは莫大な利益を上げられる。 またプログラム同士が対戦回数を選択できるようにすると、嫌な相手とはあまり対戦しない、ことが 可能になり、平和主義者同士が連携して裏切り者を駆逐するということが可能だ。つまり 悪者は対戦してもらえないから得点を稼げない。平和主義者同士はお互い協調し合って 地道に得点を稼いでいくという具合。
579 名無しさん sage:2003/12/30(火) 23:44 >>578 > 囚人のジレンマは相手が「協調」を選択したときに自分が「裏切る」を選択すると、 > 最大の得点を得る。相手が「裏切り」を選択したときに自分が「協調」を選択すると、 > 最大の得点を失う。お互いが相手に対して「裏切り」を選択すればその中間の > 得点を得る。お互いが協調をしたときはそれよりもちょっと高い得点を得る。 なんか読み返してみたら間違ってるね。まあ正確なものは検索してくれ。
580 名無しさん sage:2003/12/31(水) 01:02 http://inquisitor.air-nifty.com/blog/2003/11/_by_.html >科学・超常現象・宗教の話題を織り込んだ小説。構想が似ているものとして瀬名秀明「BRAIN VALLEY」が思い浮かぶ。 ブレインヴァレーと神沈のどちらが面白かったか?と考え出すと難しいね。 少なくともブレインヴァレーの方が「読むのが苦痛ではなかった」かな。 >どちらかと言えば、神の概念を人間の認知プロセスに求めたBRAIN VALLEYの方が納得しやすいのだが、 >この世界をシミュレートする主体としての神(これはネタばらしではない)の方が好みには合っている。 どちらがどちらをシミュレートしているか、という違いだけで、両者は大して違いがないと思うけどね。 神が人間をシミュレートしているのか、人間が神をシミュレートしているのか、というだけの違いだ(笑 少なくととも類似のアイディアは「人間がシミュレートされている」の方が多いだろうね。つまり平凡なのは神沈の方。 >広げた風呂敷をたたもうとして台無しになったBRAIN VALLEYに比べて、 俺もどうやって収拾を付けるのかわくわくしながら読んだんだけどねw <ブレインヴァレーネタバレ> 待ち望んだ末についに姿を現した神の顔が自分(順主人公。悪役にあたるのかな?)の顔だったってオチは その陳腐さに読んだ当初はガックリときたものだ。けど今思うと、「出現した神が自分の顔をしていた」という点以外は 結構筋が通っててきっちりしてたと思うけどね。ようするにこのオチはマイナスにしかなっておらず、なくても十分小説として 成り立つんだから余分以外の何者でもない。 <ネタバレ終わり> 神沈でも主人公の氷付けのでっかい顔が空から降ってくるシーンがあるが、山本は何を考えているのやら。 氷付けにするのは全裸の美少女でないのかねえ。それとも最近趣味が変わったのか?>山本 >たたむための決定的なアイディアを用意していた本書の結びはなかなか見事だった。 全然決定的でないから欲求不満がたまってしかたないんだけど? >ヨブ記はともかくとして、創発について考えたことのない読者がうけとめられるのかどうかは知らないが。 逆に、考えたことのある読者には陳腐で読んでいられない小説だよ。 >と学会会長だけあって、全体がリベラリズムやヒューマニズムで貫かれているのが面白い( それはいえるね。しらじらしいぐらいにね。 >超常現象についてはほとんど読み飛ばした)。 だよね~。普通みんなそうするだろうね。案外この部分をちゃんと読んだ人間って俺だけじゃないのか?って 妄想にとらわれてくるよ。何しろちゃんと読まなきゃ正しい批判が出来ないと思ってがんばって読んだからねぇ。 >ここで与えられた解決は嫌いではないが、主人公が女性でなかったらちょっと違和感を覚えるかもしれない。 >「この世に唯物論を越えたものがあるとしたら、これがまさにそうだ」などと言われても困ってしまう。 まあ、新しい宗教だそうだから。SFの結末が新たな宗教の誕生というのは、考えてみれば案外ユニークかも知れない。 >科学や宗教の詳細についてとやかくいうような本ではないのだが、「遺伝的アルゴリズムって、他にはどんなことに使えるの?」 >「あらゆることさ!」なんていうのを読むと、いいなあと思ってしまう。 なにがいいんだか(w >そう、この小説では遺伝的アルゴリズムは一つのキーになっている。でも、本当はそれだけじゃ足りないんだ。 まあ理屈だけでは結論が導けず、ヒューマニズムの助けを借りてるだけの小説ですな。 >参考文献に、E.ボナボー, G.テロラス. 群れが生み出す知能. 日経サイエンス, 2000年7月号, pages 18-26を入れているのには関心。 >この論文を翻訳したのは誰だっけ? 単に山本が毎号サイエンスを買ってるだけだと思うけどね。くだらないところに感心するものだ。 まあ共通点を見つけて、つい何の根拠もなく嬉しくなってしまうってやつだろうね。
581 名無しさん sage:2003/12/31(水) 23:10 >氷付け あれだ、 美少女の氷付けは自サイト上でフィギュア使ったりして いくらでもビジュアル的に公開できるようになったから、 文字の上だけでやるのはつまらなく感じるようになったんじゃないの(w この調子で変態趣味やオタ趣味開示の場を小説からWebコンテンツに移してくれれば ちょっとはマシな小説が書けるようになるかもよ。 あ、だめか。掲示板があの調子じゃあ……
582 名無しさん age:2004/01/06(火) 01:30 ホッシュ
583 名無しさん sage:2004/01/06(火) 01:32 ん? 挙がらないんだ。ま、いいか
584 yamayangi :2004/01/06(火) 02:35 発売からだいぶ時間が経ったので強制sageを解除しました
585 名無しさん sage:2004/01/06(火) 07:57 やっぱり評判悪いなー 賞賛しているのは声の大きな一部の熱烈山本ファン(信者?)だけ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048734792/249-1184903-8882733 4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 内輪受けする内容, 2003/12/20 レビュアー: カスタマー 埼玉県草加市 同じ価格帯の小説と比較した場合ですが、ハードカバーの長編小説としては薄っぺらい感じが否めませんでした。 ストーリーに関係ないUFOなど、いわゆるトンデモ疑似科学の説明にページを取りすぎているのが理由だと思います。 そういう部分に興味がある一部のコアな山本ファンには熱狂的に受け入れられるのかも知れませんが、物語性を求める一般読者にはちょっと辛いかなと思います。 絶賛かまったくダメか評価が分かれる作品だと思います。次回作に期待したいと思います。 6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 話の要素は面白かったのですが・・・, 2003/12/07 レビュアー: tog_3 (プロフィールを見る) 東京都 途中途中飽きます。 無駄に長く書かれているところが多く、勿体無い感じがしました。 あとは、他の方も書いておりましたが無知さです。 ITの世界の適当さにはがっかりしました。 それでも要素要素は面白く、エンジニア的にはやってできないことは無いかも とわくわくさせていただきました。
586 名無しさん sage:2004/01/06(火) 21:31 井の中の蛙、大海を知らず。 信者の中にどっぷり漬かっている山本は、大海の、すなわち一般大衆の「神沈」ダメ評価を 受け入れられず「長編は嫌いですから」などと言い、逃げるのみ。
587 名無しさん :2004/01/06(火) 23:00 いやいや、安田先生との対談を見れば判ると思いますが批判的な意見は全て「能無しの評価」ですから…
588 名無しさん sage:2004/01/07(水) 00:30 まあ山本には短編が似合っているよね。 だって短編なら登場人物が少なくてもおかしくないもの。 「神沈」では長編にも拘わらず主な登場人物は僅か5人だけだった。 しかもキャラがかぶっているし。 とりあえず山本は速く子供向けホラー短編集とやらを書き上げてくれ。 でもなーまた「ホラーは嫌いですので」なんて言われたらどうしよう。 それって作家としたら絶対言っちゃいけない言葉なんじゃない?(w
589 名無しさん sage:2004/01/09(金) 00:10 p.115で看護婦の葉月が病院内部の不正を告発できない自分の苦悩を吐露する場面。 「さすがに残りの人生すべて棒に振る気になれないよ。せっかくここまで上りつめたのに…」 普通自分のことを「上りつめた」というかな?「せっかくここまで来たのに…」だと思うけどな。 他人のことをそう表現することはあっても自分のことをこうは言わないだろう。「つめた」なんて そこが頂点で終わりみたいだ。野心家なら「まだまだこんなもんではない」と思っていそうだし、 謙虚な人間は「やっとここまできた」と思うだけだろう。 ウルトラマン発言も葉月だし、この女、ちょっとおかしいなw
590 名無しさん sage:2004/01/09(金) 00:13 この女(葉月)は一番山本っぽくないキャラなんだよな。やっぱり山本ってキャラ作りが下手なんじゃ…
591 名無しさん sage:2004/01/09(金) 00:15 注)「山本っぽくない」というのは性格が山本本人に似ていないって意味ね。 そして「一番似ていない」ってのもあくまで比較の問題って意味。 この”全員山本”の自作自演ワールドの中では比較的本人から距離があるってこと。
592 木馬 sage:2004/01/09(金) 01:20 登場人物の中では、葉月の描写が一番不自然だと思いましたよ、僕は。 たとえば、 優歌に「あそこにカビ生えちゃうよ」と言うシーンがあるんですが(P95)、 普通、女同士の会話でもそんなこと言いますかね? 『戦ミレ』のガンチェリーの時も思いましたが、山本さんは、 ああいう「ぶっとんだ」感じのキャラを描くのが苦手なんじゃないでしょうか。
593 名無しさん sage:2004/01/09(金) 01:24 >>592 マジで葉月の言動は引くね。優歌とは別の意味で。
594 名無しさん sage:2004/01/09(金) 01:29 それに > ああいう「ぶっとんだ」感じのキャラを描くのが苦手なんじゃないでしょうか。 きっと山本のことだから「ぶっとんだ」キャラなんだからちょっとおかしいのは当然だ、とかいいそうだな。 加古沢の思考がいくらおかしくても、そういうキャラなんだで済ましてるし。 山本は自分で「まともじゃない人物をシミュレートするのがAIのボロを出さないコツだ」といってたが、 早速自分の小説にも活用しているようだな。山本の考えたことにしては珍しく実用的なアイディアじゃないかw
595 名無しさん sage:2004/01/09(金) 01:54 結局は山本って小説書く才能がないんじゃないの? 俺は神沈だけしか読んでないけどね。そう思った。 それとも日本のSFって底辺はあんなもん?
596 名無しさん sage:2004/01/09(金) 03:57 p.306 円が暴落し惨憺たる状況の日本で、売り上げを伸ばしている業界として宅配業が出てくる。 なんでも消費者は少しでも安いものを求めて問屋や小売りを通さず生産者直販の商品をネットで買うようになったからだそうだ。 生産者直販の商品が安いというのは幻想だ。間になぜ一見オーバーヘッドにしか見えない流通機構が あるかと言えば、物品を大量に扱う方が移動も貯蔵も管理もコストが低くなるからだ。個人が趣味や 本業の余暇を使って対応できる範囲の量なら市販品よりも安くはなるだろう。しかし次第に量が増えていくと すぐにそれは破綻する。本業が疎かになれば本業で稼いでいた金を商品に上乗せしなければならない。 手が足りなければあるバイトも雇わなければならない。いままで問屋が貯蔵してくれていた商品の保管も しなければならない。生鮮食品なら売り上げ予測との誤差が出ればそのリスクを自分がかぶらなければならない。 とうぜんそのリスク分をコストとして上乗せしなければならない。あっという間にコストは跳ね上がる。 正規の(高コストの)流通機構と本業による生活基盤の安定があればこそ、片手間の小遣い稼ぎとして 安い商品をネットで販売することができるというだけだ。
597 名無しさん sage:2004/01/09(金) 07:15 賞賛している人ってどういう部分を誉めてるの?
598 名無しさん sage:2004/01/09(金) 12:43 宅配業が活躍するとしたら、生産者同士の物々交換が一番の需要じゃないかなw 俺が生産者で円が暴落してるなら、通販なんか絶対しないな。 売って欲しければ直接来いというだろうし、当然貴金属や必要品との交換しかしない。 または、通常の100倍から1000倍レートでの取引に限定するかだな。 円が要らなくなるわけじゃないから取引全面停止は困るがたいした問題でもない。 土地や工場を持ってればかなり安定した生活が出来るだろう。暴動さえ起きなければね。 暴落の描写もめちゃくちゃだし、暴落による影響の書き方もめちゃくちゃ、 正直読んでいてあきれるばかりだ。 ものを知らんのにもほどってもんがあるんじゃなかろうか。
599 名無しさん sage:2004/01/09(金) 13:00 山本の恐慌の描写って戦前や敗戦直後の経済混乱をそのままインターネット時代に置き換えてるだけなんだよね。 闇市や買い出しをインターネットと宅配便に置き換えているんだろうが、あまりに安易。
600 名無しさん sage:2004/01/09(金) 13:25 そもそも敗戦後の預金封鎖の意図を山本は読み違えている。山本は何を勘違いしたのか知らないが、 円の暴落を防ぐため預金封鎖をしたと考えているようだ。これはまったく逆で、実際はあえて旧円を暴落させ (というか暴落を容認し)、新円への切り替えを強行するために預金封鎖を行った。 これは戦争のためのとてつもない赤字を一気に解消するための荒療治。戦争中に背負い込んだ多額の 債務は旧円だから、それを暴落させれば、借金は減る。一方戦後の復興資金は新円によって供給する。 そもそも敗戦後に円が暴落したのは戦争のために政府がどうやっても完済できないほどの借金を抱え込んだ ことが原因なのだから。 神沈の世界の円暴落の理由ははっきりとしない。日本経済に対する漠然とした不安が円からAVPへの 切り替えを生み、円が投げ売りされたとされているが、そもそもの前提が間違っている。国家が自分の コントロール外の通貨を無制限に認めるはずがない。必ずAVPに対して円による税金をかけるはず。 税金を払うために必ずどこかでAVPを円に交換しなければならず、交換時に税金がかかるので(なんか 詐欺みたいだがw)、この税率をコントロールすることで間接的にAVPと円の関係をコントロールできる。 現実の「円」がそうであるように、円とAVPの関係も政府が容易にコントロールできる保証はないが、 そうした介入手段を必ず留保するはず。いざというときには税率を上げてAVPと円の交換を押さらえるように。 そしてそれが逆に安全弁となる。伝家の宝刀は抜かないことに価値があるというわけ。 もちろん現実の経済を見れば、いくら介入手段をもっていても政府の意図通り経済が推移しないのは明白だが、 少なくとも神沈に描かれているようにアホな理由と無策な政府によって円からAVPへ雪崩をうったような 移行が起きることはないだろう。
601 名無しさん sage:2004/01/09(金) 13:31 山本はAVPを商品券が発展したものだと説明してるが、現実の商品券にも税金は当然かかっている。 発行している企業が払っているから消費者の目に触れないだけだ。
602 名無しさん sage:2004/01/09(金) 13:54 p.307 山本はドーキンシズガーデンだと語呂が悪いからドーキンズガーデンとした、と説明している。 語尾がsで終わる場合の所有格は二通りある。'sを付ける方法と'のみを付ける方法。 これはどちらも使われる。例えばピタゴラスの定理はPythagoras’ Theoremともつづられるし Pythagoras's Theoremともつづられる。 だからドーキンシズガーデンがいやならドーキン*ス*ガーデンでいい。しかしドーキン*ズ*ガーデンは いくら何でもマヌケだろう。
603 名無しさん sage:2004/01/09(金) 15:15 p.112にKCIA(コリア中央情報局)の名前が出てくるが、小説の中でこの時は2011年。 小説の中ではすでに南北統一がなされ統一国家コリアが誕生している。 KCIAは実在した韓国の諜報機関だが悪いイメージを払拭するために何度も改組・名称変更がなされ、 現実の現在はNIS(ナショナルインフォメーションサービス)となっている。 小説の中に出てくるKCIAは統一後に再び新設された機関なのだろうか。しかし韓国国内でも甚だイメージが 悪く北朝鮮に対してさまざまな工作活動を行った機関の名称をわざわざ統一後のコリアが使うだろうか?
604 名無しさん sage:2004/01/09(金) 20:08 http://cafebleu.vis.ne.jp/livre/y/yamamoto.html >ここで描かれている近未来の姿、特に経済的な部分が、あまり実現しそうにない未来のように思えるところでしょうか。 >しかも加古沢黎は、私の目にはあまり天才のようには見えませんでした。
605 名無しさん sage:2004/01/10(土) 10:31 p.365 月に神の顔が出現し世界が動揺する中、大手食品会社社長が資産を大量に売却し、 その金を自分の属する教団に寄付し、その結果会社は倒産した、というエピソードが語られる。 大企業なら社長といえどもこんな勝手は出来ないと思うのだが。会社速攻で倒産するような 資産の運用は役員会の承認が必要なはずだし、社長がすべての処理を内緒でやったとしても、 会社はその取引(?)の無効を主張し資産の返却を教団に求められるはず(返してくれるかは 別な問題だが)とはいえその後に、会社が倒産して2000人の社員が路頭に迷うことになった、とあるから、 それほど大規模な会社ではないのかも知れない。
606 名無しさん sage:2004/01/10(土) 17:56 >>604 頭がよいと繰り返し喧伝されている加古沢はちっとも頭が良さそうに見えず、 確固たる根拠がなければいい加減な事を言う人間ではないと説明されている主人公の兄は自説の論証をサボっているようにしか見えない。 正義感に突き動かされる破天荒な友人葉月の言動は大根役者のような不自然さ。 肝心の主人公の超常現象批判はまるで誰かの受け売りのような浅さ。自分の兄の主張の正当性を兄が信頼できる という理由だけで無批判に受け入れてしまっているから。多分と学会の本を古本屋で見つけてシンパになったのだろう。 読者に置いてけぼりを喰わせてひたすら神(山本弘)の意図に向かって突き進む登場人物たち。 宗教団体の宣伝漫画や映画と同じ構図。
607 名無しさん sage:2004/01/10(土) 17:59 山本は「もしかして万が一、本当に万が一だけど、この小説が爆発的にヒットし、 俺が教祖に祭り上げられたらどうしようかな?と学会とは別の団体を立ち上げて…」と 思いながらこの小説を書いていたりして。
608 名無しさん sage:2004/01/11(日) 11:13 リアル鬼ごっこと「比較できるレベル」の販売数にはなる心積もりだったようだねw
609 名無しさん sage:2004/01/11(日) 11:24 山本の小説の中の政治や経済に関する記述をSFにたとえれば、SF用語辞典も調べず、 ちょっと耳にした単語をその語感だけで勝手に解釈してちりばめたって感じかな。 こんなことを他人がすれば山本は激怒するだろうに。
610 名無しさん sage:2004/01/11(日) 23:26 >☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / キサラギ No.16195 - 2004/01/11(Sun) 16:59 [ntokym008115.okym.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp] >最後にしょうもない質問なんですが表紙の空を突き破っている指は山本先生の指ですよね?素晴らしい装丁だと思います(いや山本先生の指じゃなくても)。 あれって何で指なんだろうなあ。普通このモチーフだと腕がにゅーと伸びて来るものになるんじゃないのかな。 それだとありきたりすぎるから指にしたのか、指にするもっと積極的な理由があったのか… この指ってよく見ると結構太いんだよね。はじめ人差し指だとばかり思っていたけど、太さからいえば親指にも見える。 でも長さからいうと親指では長すぎる気がするから、指の太い人の人差し指なのだろうか。どうでもいいかw 描いたのはこの人らしいが、あまり俺の趣味には合わないな。中身の小説もだがw ところでなんでここには神沈の表紙は載ってないのだろう? http://www.tosho-sekkei.gr.jp/kaiin-list/w_ohji.html
611 名無しさん sage:2004/01/12(月) 07:16 UFOも、怪奇現象も、超能力も、すべて「神」からのメッセージだった!現代人の「神」の概念を根底から覆す長編書き下ろしエンタテインメント一三〇〇枚! 空飛ぶ戦車+七角形のボルト+UFO+ロボット型異星人・空から降ってくる魚介類+落下する巨大な氷塊・銀の十字架が落ちてくる+石ころの雨・走りまわる インドゾウ+野生の少女・フクロオオカミの出現+ビックフットの出没+肉食獣ムングワ・吸血怪物チュパカブラス+怪獣ネッシー・ボルトの雨+四人の異形の 天使・空の戦闘+空の軍隊・血まみれの剣をもった白装束の軍人+怪蛇バジリスク・空飛ぶ帆船+幽霊飛行船・幽霊ロケット+エイリアン・コンタクト・エイリ アン・アブダクション+MIB・修道僧のようなローブをまとった巨人+蛾人間・・・・ ------------------------- お前はしつこいんだよ!
612 名無しさん :2004/01/14(水) 01:45 http://www.j-n.co.jp/cgi-bin/product_detail.cgi?code=4-408-60252-3
613 名無しさん :2004/01/18(日) 20:22 別件でタイムラインの小説を買って読んでみた。で、びっくり。冒頭の部分を紹介すると、 1899年の物理学者に、こんなことをいってみたとしよう。 「いまから100年後の1999年までには、人工衛星を通じて世界中の家庭に動画が送られるようになる。 とてつもない威力を秘めた爆弾が人類の存続を脅かす。(中略)人々は重さ数10グラムの電話を持ち歩き、 世界中のどこにいても電話線なしで通話できるようになる。(中略)」 こんなことをいおうものなら、あなたはほぼ確実に、その物理学者から狂人呼ばわりされただろう。 右に上げた進歩のほとんどは、1899年には予測しえなかったものである。 神沈の煽り文句ってこれのパクりじゃん(w 2010年代という近未来を舞台にしていますが、これは未来予測を意図した小説ではありません。 なぜなら、未来を正確に予測することなど誰にも不可能だからです。 あなたは10年前(1993年)、インターネットがこんなに普及すると予測していましたか? 100Mbpsなどという転送速度が10年以内に実現すると思っていましたか? 携帯電話で画像が送れるのが当たり前になるとか、レーザーディスクがなくなると思っていましたか? 8MBや16MBが主流だった時代に、「10年後には256MBのパソコンが10万円以下で買える時代が来る」と言われたら信じましたか? (中略) そう、10年先がどうなるかなんて、誰にも分からないのです。 ですからこの小説では、「正確な未来予測」という幻想をきっぱりと捨て、読者の予想を裏切る未来、 「そんなことはありえない」「たった10年でこんなに変わるわけがない」と思える未来を構築することに全力を傾けました。 しかもタイムラインでは100年後の未来の話の予測なのに、神沈では10年後にスケールダウンしている。 メモリ容量が8MBだ、256M Bだというのもせせこましい。100年後の未来は予測できないだろうが、 メモリ容量が10年後にどうなっているかは結構正確に予測されてるんだけどね。ムーアの法則とかしらんのか。 山本は現在の技術の延長にある未来と、ブレイクスルーを伴う未来をごっちゃにしている。 前者は割と予測可能だし、後者はほとんど予測できない。1899年に核物理学や量子物理学を 予測するのは不可能ではある。タイムラインの作者はそうしたブレイクスルーのことを述べているのだ。 タイムマシンもそうしたたぐいの技術であることを暗ににおわせるために。(もっとも人工衛星や携帯電話 ぐらいは予測できそうな気がするが。) ともあれこれで山本とクライトンのSF作家としてのスケールが数値化されましたな。 山本 = 1 / 10 * クライトン まだこれでもちょっと山本の比率が大きすぎるような気がする。収入で比べたら目も当てられないだろうし。
614 名無しさん sage:2004/01/18(日) 20:55 >「たった10年でこんなに変わるわけがない」と思える未来を構築することに全力を傾けました。 「こんなデタラメに変わるわけがない」と思える未来を構築することには成功しているな。 一部、過去に戻ってたり、まったく発展してなかったりして、全体的にちゃっちー未来予測だ。 読んだ人間の10人に9人まではもっと明るい未来、発展した未来を予想してると思うんだけどね。
615 名無しさん sage:2004/01/18(日) 22:17 山本センセイ! 4年もかけた長編が初版だけで終わった(爆笑 からといっても 柳田氏にからまないでくださいねー。
616 名無しさん sage:2004/01/18(日) 23:03 >615 一時売り切れだったアマゾンで在庫補充されていたから ひっそり第二版は刷られているのかもしれん。 つーか、確かな根拠があるなら別だが、売り上げ系の批判は 信者に叩くネタを与えるだけなので 山本信者並と言われたくなければ慎むべき。 ・・・「ベスト10にも入ってない」程度なら 根拠は出せるんだけどね、重版かかってないは確認できんよ。
617 名無しさん sage:2004/01/18(日) 23:53 二版が刷られているのなら山本関係者(唐沢、志水など)は真っ先に報告するだろうね。 アマゾン順位は年末迄200~2000位を推移してきたがここ数週は一気に下落し現在 26,902 山本のように購入者層が限られている作家の場合、この順位はもはや回復不能。 終わったと見て差し支えない。
618 名無しさん sage:2004/01/19(月) 00:53 >「たった10年でこんなに変わるわけがない」と思える未来 単に無茶苦茶な未来、の間違いだな。 奇想天外と説得力皆無は別物ということを理解していない。
619 名無しさん sage:2004/01/19(月) 01:33 >613 2001年ごろによく引き合いに出された100年前の新聞の話を思い出すな。 実現しているものもありされていないものもあり、 ただし既存技術の延長のものはかなり正確に予想されていたと記憶している。 なんだったか、以前に聞いた言葉を思い出す。 「開発中のものは発売される。研究中のものは実用化される」 山本が10年前には信じられなかったとか言う要素も、 科学系一般紙ではかなり取り上げられていたように記憶している。 少なくとも32ビット時代のコンピュータはマルチユーザーマルチタスクが普通となり、 ネットワークに接続されているだろう、ということは書かれていた。 ディスクメディアの進化も当然書かれていた(MOが主記憶媒体になるとは言っていたが)。 具体的な数字を当てるのは不可能でも、それが構成する要素は割と予測できるようだ。
620 売れたら売れたで :2004/01/19(月) 21:34 トンデモ本の、ひとつの条件を備えるだけですからモウマンタイ。 「狂ったような、増刷に次ぐ増刷」
621 1月21日20時50分現在 sage:2004/01/21(水) 20:54 >現在、在庫切れです。このページは在庫状況に応じて更新されますので、購入をお考えの方は定期的にご覧ください。 >書籍データ >単行本: 507 p ; サイズ(cm): 182 x 128 >出版社: 角川書店 ; ISBN: 4048734792 ; (2003/11) 在庫切れ早っ! >おすすめ度: カスタマーレビュー数: 7 レビューを書く >Amazon.co.jp 売上ランキング: 18,131
622 名無しさん sage:2004/01/22(木) 12:17 >>621 >在庫切れ早っ! 刷り数が少ないからね(w 全国の主な書店に配布して、しばらく様子見た後、在庫の少量をアマゾンに流し 在庫切れになったのと違うかな? もうすぐすると「絶版」という文字が出ることだろう。
623 名無しさん sage:2004/01/22(木) 12:54 >>622 順次返本されてくる分が在庫なんじゃない?
624 名無しさん sage:2004/01/23(金) 02:01 神ちんを読んで山本には小説は無理だとつくづく思った。 そこで山本に何が向いているか考えてみると・・・占い本だ。題して「SF占い」。 --- こんなSF状況になったとき貴方は何を選びますか? A武器 B恋人 C食料 Dお金 E美少女(しかも幼女) 回答 Aを選んだ人/貴方は・・・という作家になれるでしょう。 Bを選んだ人/貴方には・・・・に近い考えをもっています。彼の本が役立つでしょう。 (中略) Eを選んだ人/SF作家になれません。エロ作家になるのが幸せです。 年間予定5冊の中に入れてくれ。
625 名無しさん sage:2004/01/23(金) 11:40 >>624 ちょっとワロタ
626 16時40分現在 sage:2004/01/28(水) 16:43 再入荷。 Amazon.co.jp 売上ランキング: 5,706
627 名無しさん sage:2004/01/29(木) 11:55 >>626 その僅か一日後 Amazon.co.jp 売上ランキング: 20,651
628 名無しさん sage:2004/01/29(木) 12:10 >>627 なんかすごい数字だね。おそらく1冊売れたか否かがその差なんだろうね。 つまりおおざぱには1冊しか売れない本が1500冊あるわけだw
629 名無しさん sage:2004/01/30(金) 07:32 http://www.webdokusho.com/shinkan/0401/t_2.htm >あと、文中に出てくる世界的ベストセラーの話を読んでも「この本じゃそこまで売れないでしょ」という印象を >持ってしまってリアル感が足りないのですよ。(職業柄なのです、すみません) 加古沢の本のことだろうけど、全く同感だね。加古沢は日本を一人で変えたほどの天才に設定されているのだが、 全然そう見えない。人工知能談義ではお約束のボケをかましまくるし。 >主要登場人物のひとり、ネット社会で人々の圧倒的な支持を得ていく作家加古沢黎が、 >助手を使って壮大な作品を作り上げたように、山本弘さんも「と学会」会員の助けを借りて書いていたりするんだろうか。 なかなか痛切ですな。 > この世界に神が存在するとして、その真意はどこにあるのか?信心深い人ほどこの本に示された結論に衝撃を受けるのだろうが、 >不心得者の自分にとっては「あ、そうですか…」と拍子抜けの感あり。 信心深い人間もいまさら「神が(物理的に)存在しない(あるいは存在しても存在しないのと同じである)」といわれても 大して感銘を受けないと思うけどね。宗教を信じている人は神が実在するから信じているわけではなく、その教え(人生観や 価値観や倫理観)妥当だと思うから信じているのだから。オカルトの世界の神と宗教の世界の神は位置づけが根本的に 違う点を山本は分かっていない。 >うーん、この謎が明かされるまではものすごくおもしろかったのだが。 わらた。俺も期待をいい意味で裏切ってくれることを期待してたんだけど、残念ながら裏切られる期待は見事裏切られてしまった。
630 名無しさん sage:2004/02/03(火) 21:58 http://www.asahi-net.or.jp/~li7m-oon/thatta01/that188/tuda.htm 山本弘『神は沈黙せず』は、トンデモ現象とそれにまつわる人間のエピソードを集大成して、 それをどう見ればSF的な異化作用として捉えられるかという大力作。 『宇宙消滅』や『順列都市』のアイデアを流し込んでの世界の説明や盛り込まれた 大量の情報の捌き具合は見事といっていい。のではあるけれど、メイン・アイデアがあまり面白くない。 「中国語の部屋」と自己進化プログラムの組み合わせにはナルホドと思うものの、 ちょっとストレートすぎてインパクトに欠ける感が強い。自分にしてみれば 「神様がいるとしてもそういうもんだろ」というのが当たり前な感覚としてあるからなぁ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半部分は全く同感ですな。
631 尾崎晃仁 :2004/02/03(火) 23:41 >>630 同じネタでも、「頭の中のアリンコ」のほうがインパクトが あったし分かりやすかったかな。
632 名無しさん sage:2004/02/03(火) 23:56 >>631 > 同じネタでも、「頭の中のアリンコ」のほうがインパクトが なんかタイトルで内容が想像できそうだけど、そういう作品があるの?
633 尾崎晃仁 sage:2004/02/05(木) 20:37 >>632 『ギャラクシートリッパー美葉1』の中の1エピソードです。 関係ないけど「無限時間遡及形翻訳機」のアイデアが好きです。
634 名無しさん sage:2004/02/11(水) 13:35 俺、ブックオフで『ギャラクシートリッパー美葉2』買ったけど半分も読まないうちに投げ出したよ。 なんていうか行き当たりばったりの読者置き去りのストーリー展開。 子供向けの本とはいえ、こんなんで良いのか? 終わりには「すぺえす音頭」の痛い作詞、「後書き」に美葉と弘の対談とこれまた知性が皆無だ。 奥付けには平成6年7月1日初版と書いてあるから山本36歳の頃の作品? ひどすぎる。こりゃ才能のかけらも無いと思うよ。 聞けば「リアル鬼ごっこ」も相当ひどいらしいが、彼はまだ二十歳ぐらいなんだろう? 歳が若いだけ山本よりは化ける可能性が高いだろうね。
635 名無しさん sage:2004/02/11(水) 13:41 >>634 > 終わりには「すぺえす音頭」の痛い作詞、「後書き」に美葉と弘の対談とこれまた知性が皆無だ。 小説の登場人物と作者が対談してるの?うぅ恥ずかしすぎる…耐え難い恥ずかしさだ
636 名無しさん sage:2004/02/11(水) 13:57 山本って何かと設定がしっかりしてないのは読者を馬鹿にしているとか言うけど、手塚治虫の作品ってもろそれに抵触するよね。 手塚治虫もやっぱり読者を馬鹿にしてる山本はいうのかな。いや別にいってもいいんだけどね。というか言うべきだろうね。 己の信念にしたがえば。
637 名無しさん sage:2004/02/11(水) 14:01 結局の所考証や設定の善し悪しで作品を評価したりあまつさえ作者の人格を評価するのは、およそ無意味な行為だと 早く気づいてほしいものだ。設定がしっかりしているか否かを評価するのは構わないが、それと作品の善し悪しは別だし、 当然作者の人格もまた別だ。山本が「設定のしっかりしていない小説は屑だしその作者も屑だ」と思うのは勝手だけど、 それはどこかの宗教の信者が「我々の神を信じないのは正しい思考が出来ない人間であり、そういう人間は屑だ」というのと 変わらない。
638 名無しさん sage:2004/02/11(水) 15:40 >>635 >小説の登場人物と作者が対談してるの?うぅ恥ずかしすぎる…耐え難い恥ずかしさだ あとがきで登場人物と作者が対談したり、掛け合い漫才をしたり、登場人物が案内役で作者も登場するなんてのは 結構あるもんだし、読んでいて恥ずかしいと思うこともそうそうなかったりする。 山本の書くあとがきが気持ち悪くて恥ずかしくて、怖気が走るのは、登場人物と作者が対談してるからではないと思うよ。
639 名無しさん sage:2004/02/11(水) 21:04 >>638 > あとがきで登場人物と作者が対談したり、掛け合い漫才をしたり、登場人物が案内役で作者も登場するなんてのは > 結構あるもんだし、読んでいて恥ずかしいと思うこともそうそうなかったりする。 いやそういうもの全てが俺には恥ずかしくてしかたないんだが。一種の自作自演だよね。 小説の登場人物同士が小説の中で振る舞うのは架空の世界だからいいけど、 登場人物と会話している作者はフィクションなのにリアルワールドの存在ともいえる。 いわば自叙伝の中の「自分」と同じかな。まあ自叙伝が恥ずかしいということになるけど、まさにその通り。 自叙伝とは恥ずかしいものだwそれに自叙伝だとまるっきりの嘘を書くわけにはいかないが、架空対談だと 相手は所詮自分の都合のいいことしかいわないわけで、なんか宗教の宣伝漫画と同じじゃない?(笑 > 山本の書くあとがきが気持ち悪くて恥ずかしくて、怖気が走るのは、登場人物と作者が対談してるからではないと思うよ。 いや対談だけで十分恥ずかしいwつーかそれこそ読者に誤解を与えるから教育上良くないんじゃないの?(笑 山本が何かをいう。相手が「なるほどそのとおりですね」と相づちを打つ。これって自作自演だよね。
640 名無しさん :2004/02/11(水) 22:44 『ギャラクシートリッパー美葉』挿入歌 作詞山本弘 すぺえす音頭 さあすぺえす音頭でヨヨイヨイ! ハアー あれに見えるは超新星よ 暗い宇宙に 花咲かす 星の最後の さて 晴れ舞台 重い元素の 燃えかすだって 次の世代にゃ ちょいと嬉し いつか身になる 骨になる (以下二番三番も書いてあるが略) ----------------------- あとがき 美葉「はーい、美葉でーす♪ 今日は作者の山本弘さんの仕事場を訪問して、作品の 由来などについていろいろお訊きしたいと思います」 山本弘「いらっしゃーい」 美葉「何つーか、この・・・ずいぶん散らかった部屋ですねー。(以下略)」 弘「(中略)志水一夫さんの部屋なんか、すでになにか踏まないと歩けない状態だって話だよ」 (以下マンガや映画でのオタク知識の披露が続く) 電話「ぴろろろろ~ん♪」 弘「おっと電話だ・・・はい山本です」 (電話してきたスニーカー文庫の女性編集者やサーラ・ファンの奥さんが乱入してきて) 弘「どひーっ、体が三つ欲しい~っ!」 1994年5月 -------------------------- この恥ずかしい後書き、本当に37歳の山本が書いたのか(w もう駄作の「神ちん」許します! この本に比べたら、僅か十年で「神ちん」までよくたどり着けたものです。
641 名無しさん sage:2004/02/11(水) 22:51 >639 手近にあったものを数冊読み返してみたが確かに恥ずかしいなw しかし、山本ほどダメだと思うのはやっぱりなかった。 そこでちょっと違いを探して見たところ色々と相違点が見つかった。 まあ、サンプル数は少ないんだけどね。 ・登場人物と作者の立場と言うか順序付け。 大体作者のほうが立場が低いというか、登場人物偉そうな感じだな。 登場人物が作者をクソミソにけなして作者ひたすら平謝りってのまであった。 山本のように同格かやや作者が偉いというのは他には見当たらなかった。 ・登場人物の作者に対する態度。 さっきの戸かぶるんだが、大体、見下してたり、馬鹿にしてたりする。 作者を尊敬してたり、好意的だったりするのは少ないな。 ・メインは誰? 登場人物同士で進行してる中に作者が混ざる感じのものが多い。 作者がメインで登場人物が聞き役と言うのは山本以外にはなかった。 全体的にフィクション色が強く、作者と言うのも一種のキャラクターとして登場することが多い中 山本のものは、リアル色が強く、登場人物がこちら側に来ている感じが強い。 まあ、登場人物との対話形式のあとがきは総じて恥ずかしいものだが 山本のものは飛びぬけて恥ずかしいというところかな。 感じ方は人それぞれだが、より人を不快にする要素が多いとは思うね。
642 名無しさん sage:2004/02/12(木) 00:01 久々の神沈ネタ。 加古沢の計画が成功し日本の体制はがらっと変わってしまうのだが、その中で憲法の「国家が宗教活動を支援してはならない」という 項目が「特定の宗教を支援してはならない」と変更された。つまり特定でない宗教全般についてなら支援してよいことになった、としている。 どうもこの意味がよく分からない。特定の宗教でなく宗教全般にたいする支援の実体がどういうものなのか、とんとイメージが湧かない。 宗教法人に補助金をばらまくのだろうか、税金を優遇するのだろうか(これは現在もだが)、国の式典に対して入札でもして落札した宗教が それを取り仕切るのだろうか。そもそもどの宗教団体にどう支援を行うのだろう。信者の規模に比例して支援を行うのだろうか。それだと 少数派の宗教が怒るだろうし、ベンチャー育成よろしく規模の小さい新興宗教こそ支援すべきなのだろうか。これも多方面から反発を買いそうだ。 なんとなくこの部分、おそらく山本は「創造論者vs進化論者」などから「宗教vs科学」の対立構図でしか宗教を捉えていないためと思う。 つまり宗教全体を科学に対立するものという程度にしか考えていないので、特定の宗教を対象としない宗教全般活動への支援という 分けの分からない発想になるのではないだろうか。 なんというか山本って社会の仕組みも経済の仕組みも宗教そのものも中学生レベルの幼稚なとらえ方しかできない人間なのだなぁ。 これが50近いものかきの頭だろうか。ひたすらSFとアニメのみを3倍効率よく学習した結果がこれなんだよね。こういう人生を送る人が これ以上増えないことを祈っているが…
643 名無しさん :2004/02/12(木) 07:25 証明できないものを他人に勧めるなんて問題外。笑
644 名無しさん sage:2004/02/12(木) 11:20 >>643 なんだただの荒らしか?
645 名無しさん sage:2004/02/13(金) 14:01 >642 これが50近いものかきの頭だろうか。ひたすらSFとアニメのみを3倍効率よく学習した結果がこれなんだよね。こういう人生を送る人が これ以上増えないことを祈っているが… -------------- 50歳近くなった山本に「その性格変えろ」とか「面白い小説を書け」などと 言っても無理だろう。若いうちにできなかったものが歳とってからは出来るはずがない。 それでも僕らが山本を叩き、笑い飛ばすのは、山本に騙されて人生を棒に振る信者を 助けたいが為・・・じゃないな(w
646 名無しさん sage:2004/02/13(金) 14:26 >>645 いやいや、もちろん俺が山本を叩くのは社会正義のためだよ。山本はモラルに反しているからその人格を批判されて当然(大笑
647 名無しさん sage:2004/02/14(土) 16:38 神沈ネタに戻るが・・・ 山本初の長編が出る!つーんでアンチとはいえ密かに期待していた部分も僅かにあったんだよ俺。 もしかして凄いSFだったら俺どうしようか、信者になっちゃいそう、怖いよー、って。 だけど読んだらまたオカルト叩きモノ。いいかげん飽きたんだよ! 信者は「集大成ですね」と言うが、そんなもの長編にするな。がっかりだ。 でもまあこれで山本が作家として何の価値もないことが分かったよ。 とことん潰してやる。 でもなあ・・・角川から出るホラー短編臭ってどんなんだろう(w
648 名無しさん sage:2004/02/14(土) 17:43 >>647 >もしかして凄いSFだったら俺どうしようか、信者になっちゃいそう、怖いよー、って。 国語辞典房っぽい質問かもしれんが、それって「信者」って呼ぶべきなんかね?いや、俺の中では「山本の言ってる事は嫌いだし、山本科学が穴だらけなのは知ってる。けど山本の小説は面白いから好き。」という奴に対して信者と呼ぶのは、ちと抵抗があるもんで。 ところで余談だけど、山本小説って面白いのかね?俺は興味がないので読んだ事が無いのだが、アンチでも「面白い!」というのがあるなら、ちと読んでみようかと思うのだが・・・。
649 名無しさん sage:2004/02/14(土) 19:56 >>648 「ギャラクシートリッパー美葉」かな、気が狂っているとしか思えない上に他人を見下した内容 山本のオタっぷりが120%発揮されている。
650 名無しさん sage:2004/02/14(土) 20:59 >>648 >けど山本の小説は面白いから好き。」という奴に対して信者と呼ぶのは、ちと抵抗があるもんで。 ある作家のファンというのは、森羅万象についてその作家の見解が正しいと思い込む人たちのことではないのか? 少なくとも文系のファンはw
651 名無しさん sage:2004/02/14(土) 23:42 >>650 2ちゃんのラノベ板で「と学会みっともないからとっととやめて小説書きに戻ってくれぇ」みたいな書き込みをみた記憶がある。 アンチの煽りには見えなかった。
652 名無しさん sage:2004/02/14(土) 23:46 >>651 小説書きなら世間から注目されず、ほそぼそとラノベを書いてればいいからね。
653 名無しさん sage:2004/02/15(日) 04:29 >>650 ふむ、俺にとっての文系のファンというのは、その作家の小説が単純に好きだと感じる人たちのことだと思っていたが。なるほど、まず「正しいか誤ってるか」で好みを左右するような考え方を信者と呼ぶのなら、確かに信者にはなりたくないな。そーゆー楽しみ方自体は否定はせんが。
654 名無しさん sage:2004/02/15(日) 04:40 小説家の「価値観、知識、演出」のどこに惚れるか、かな。 山本は「ポリシーに反するものは書かない」と豪語しているのだから、これらは不可分だと考えているようだし、 山本信者もこれらを区別していないようだが、俺は別々のものだと思うね。
655 名無しさん sage:2004/02/15(日) 04:48 その意味で好きとか嫌いとかという感覚は本質的にどんぶり勘定なんだよな。 同じものをある人は好き、ある人は嫌い、という場合も、よく分析してみると、両者はその”もの”の 別な側面に注目していることが多い。だから同じものに対して意見が分かれるというよりも、 案外同じものについてはほとんど意見が一致するんじゃないかと思う。意見が違うのは 両者が同じものを見ているようで、その一部だけを見ていて、その部分が違うに過ぎない。
656 名無しさん :2004/02/15(日) 12:31 SFが読みたい!2004年版で、国内3位とか。 版元でもない早川がヨイショしてる訳でもないし、意外と支持されてんのね。
657 名無しさん :2004/02/15(日) 13:08 >>656 調査対象がたった85人で複数回答可、さらにその85人中には山本の知り合いも何人かいるだろうから、データとしては 『読者が選ぶベスト』の方が信頼がおけるのだが。
658 名無しさん :2004/02/15(日) 13:11 >SFが読みたい!2004年版で、国内3位とか。 本当っすか? なら神沈もっと売れてもいいはずなんだが。
659 名無しさん sage:2004/02/15(日) 13:28 >>657 > 調査対象がたった85人で複数回答可、さらにその85人中には山本の知り合いも何人かいるだろうから、データとしては その調査対象ってどういう層なの?SF作家の仲間内?
660 名無しさん sage:2004/02/15(日) 15:00 いずれにせよ、客観性と世間の実状から遠く離れたデータだろ。
661 名無しさん :2004/02/15(日) 17:29 >>659 >その調査対象ってどういう層なの?SF作家の仲間内? ほとんどがSF作家と評論家(ついでに言えば85人じゃなくて84人)。 ちなみに読者が選ぶベスト10では10位にも入ってない。
662 名無しさん :2004/02/15(日) 17:33 そしてこれが全貌 「SFが読みたい!2004年版」 発表!ベストSF2003 国内篇 1『マルドゥック・スクランブル』 冲方 丁 2『第六大陸』 小川一水 3『神は沈黙せず』 山本 弘 4『忘却の船に流れは光』 田中啓文 5『神様のパズル』 機本伸司 6『サウンドトラック』 古川日出男 7『ラピスラズリ』 山尾悠子 8『イリヤの空、UFOの夏(全4巻)』 秋山瑞人 9『ねじの回転』 恩田 陸 10『記憶汚染』 林 譲治 京極、宮部みゆきクラスに混じってランク入りなら確かにすごいが、このラインナップじゃねえ……。(他作家のファンにはすまんが)
663 名無しさん sage:2004/02/15(日) 17:48 >>662 読者ベストテンのラインナップも頼む
664 尾崎晃仁 sage:2004/02/15(日) 19:07 本見る前は、「ランキングからもれて、ここで馬鹿にされとる かな」と思っとったんですが・・・・・・。ランキング入りしようがしまい がケチつけられるのに変わり無いんね(^^;。>>647 なんで集大成を長編にしてかんのかわからんけど、がっかり したというのは一緒。どーせならもっと新しいもの書いて欲しかっ た。『美葉』より前、せめて『戦ミレ』より前に読んどったら評価も 違ったかもしれんけど。どーしても焼き直しに見えてまうので。 「山本弘しか書けない小説」として、存在意義はあると思うし、 『SFが読みたい』でも、そーいう評価があるけれど。>>648 基本的に、アニメファン、特撮ファンじゃないとつらいかもしれん けど、『妖魔夜行』(山本作品以外も)を順繰りに読んで、『さよう なら地獄博士』を読むのがオススメ。まあ僕はアンチじゃないでね。 元山本信者氏や木馬氏のレスが欲しいな。>>662 これ、一位がダントツだで、読んでみようかと思っとるんだけど、 どうなんでしょ。宮部氏は、早いとこ『ICO』を出して欲しいぞ。
665 名無しさん sage:2004/02/15(日) 19:08 >>662 それは「わざわざ勧めないと誰も読まないベスト10」ってことなのか?w
666 名無しさん sage:2004/02/15(日) 19:12 >>664 > 「山本弘しか書けない小説」として、存在意義はあると思うし、 つーと馬鹿作家にしかかけない馬鹿小説とか、馬鹿製作者にしか作れない馬鹿映画にも、 それはそれで意義があるのだろうなw まあどちらかというと希少価値という意味かな。ようするにトンデモ本としてってことな。 > なら地獄博士』を読むのがオススメ。まあ僕はアンチじゃないでね。 > 元山本信者氏や木馬氏のレスが欲しいな。 面白い。素人にお勧めの「山本作品の読む順序」をみんなで考えてくれw
667 懐アニを思い出す sage:2004/02/15(日) 19:42 >>664 > 「山本弘しか書けない小説」として、存在意義はあると思うし、 仮に山本弘が「自分にしか書けないもの」と自負しているとすれば、 『プロジェクトA子』の監督が 「宮崎さんや、押井さんには絶対作れないものを作りたかった」 と言っていたのと似たようなものですな。 両氏は別にあんなアニメ作りたいとも思わないだろうに。 同様に『神沈』読んで他の作家が 「やられた!」「先を越されて悔しい」 と感じるとはとてもとても。
668 尾崎晃仁 sage:2004/02/15(日) 19:53 べつに「山本弘しか書かない小説」と言い変えてもいいけど。 この作品に、作家性が強く現れているという点で、存在意義が あると思う。
669 名無しさん sage:2004/02/15(日) 20:15 >>668 分からない理屈だ。作家性が強く表れているとなぜ存在意義があるのだろう? 有名作家の作家性が強く表れている作品なら存在意義があるのはわかるが。 まるで自分の子供の落書きを「この子にしかこんな絵は描けない」とかいう親馬鹿のようだ。
670 名無しさん :2004/02/15(日) 20:48 誰がどんなものを好きになろうが本人の勝手なんだから、そこはほっといてやれや。
671 名無しさん :2004/02/15(日) 20:51 中学生の時に呼んだ小松左京「果てしなき流れの果てに」以来のセンスオブワンダー というか、興奮があって大傑作だと思うけど たぶん、残りの人生で山本弘は、これ以上の物はかけないと思う 多くの漫画家や小説家は、代表作は若い頃が多いし 科学者と同じで
672 名無しさん sage:2004/02/15(日) 21:17 >>671 > 中学生の時に呼んだ小松左京「果てしなき流れの果てに」以来のセンスオブワンダー > というか、興奮があって大傑作だと思うけど どの辺が?メインのアイディア自体は山本自身が認めるほどありきたりのものだ。 だから評価するとすれば膨大なウンチクとかストーリーの演出しか残っていないと思うのだが。 で、ウンチクについては好意的に評価している人間でさえ「小説そのものにプラスになっていない」という声が多い。 それ以外の演出は…はて、俺にはさっぱり良さが分からないのだが。 是非とも良さを説明してくれないか?
673 名無しさん :2004/02/15(日) 22:32 >中学生の時に呼んだ小松左京「果てしなき流れの果てに」以来のセンスオブワンダー >というか、興奮があって大傑作だと思うけど 「神沈」を大傑作といういう君が今まで読んだ小説を挙げてくれないか? どうせ名もしれない作家のラノベしか読んでないんだろうがね。 高千穂、平井、半村、栗本、筒井、高橋、夢枕、田中(光二ね)眉村 あたりの代表作ぐらい読んでから「大傑作」という言葉を言ってくれ。
674 名無しさん sage:2004/02/15(日) 23:54 >>673 671ネタからハズレるけど、自分が多感な工房だったときとの影響を受けた作家というと、 小松、筒井、星、眉村というラインナップに広瀬正を加えるな。 ここで語り始めるのは流石にスレ違いなので、誰か語ってるやつはおらんかなと検索かけてみた。 引用した最後のほうなど、中々考えさせられますな。 ttp://www31.ocn.ne.jp/~chunweb/kansou/time.html >広瀬正はSF作家として、いや「タイムトラベル作家」として、 >日本SF界では確固たる地位を占めており、私の知る限り >「マイナス・ゼロ」を凌駕する作品はこの世にはない。 >過去に戻って結婚前の親を殺すと元の世界に戻ったときに >自分は存在するのか、という有名な「タイムパラドックス」も >サラリと解決するなど、アイデアや理論を振り回すことなく、 >ストーリー重視の面白い作品となっている。
675 尾崎晃仁 sage:2004/02/15(日) 23:57 >>673 ダーティペア、日本以外全部沈没、田中啓文、時空の旅人くらい しか読んでない。夢枕はともかく、平井、栗本については読む気に なれせん(^^;。高橋って誰ですか? 薀蓄があるからこその、「山本弘しか書かない小説」なんだて。 必ず読むSF作家は、あと新井素子と吉岡平かな。
676 尾崎晃仁 sage:2004/02/16(月) 00:02 >>674 面白そうですね<広瀬正
677 名無しさん sage:2004/02/16(月) 00:05 >>675 > 薀蓄があるからこその、「山本弘しか書かない小説」なんだて。 それは分かったから、それがどうして存在意義のある作品なのかを早く説明してくれよ。
678 名無しさん :2004/02/16(月) 00:57 >675 高橋克彦だよ。 俺は>>671 の「神ちんが大傑作」てのに文句いってんだよ。 もしかして君なの? 前述したような(ごく一部だけしか挙げてないけどね)まともなSF作家の本を 読んでなお「神沈が大傑作」という奴は悪いけど信用しない。
679 名無しさん sage:2004/02/16(月) 01:02 1『マルドゥック・スクランブル』 冲方 丁 元少女売春婦のお人形系少女が、ひょんなナノマシンみたいなものを 体にうめこんで犯罪者と如何こうする話 個人的には、第6大陸の方が面白かった、途中までしか読まなかったし。 一応サイバーパンク系かな
680 名無しさん sage:2004/02/16(月) 06:21 >>677 > それは分かったから、それがどうして存在意義のある作品なのかを早く説明してくれよ。 そういう部分は結局好みの問題になるだろうから、否定も肯定も すること無いんじゃないの?蓼食う虫も好き好きってね。 あまりそんなのに拘ってると、それこそ山本流・・。
681 名無しさん sage:2004/02/16(月) 08:02 リアル鬼ごっこが作家性にあふれまくってるから存在意義がある、 ってのと同レベルの話でなら同意。
682 名無しさん sage:2004/02/16(月) 10:45 >>680 「好き」じゃなくて「意義がある」といっているから、聞いてるんだけど?
683 名無しさん sage:2004/02/16(月) 12:39 >>682 > 「好き」じゃなくて「意義がある」といっているから、聞いてるんだけど? う~ん、いわゆる芸術作品の場合、結局「価値観」に帰結するんじゃ無いかなぁ。 子供の書きなぐりだって親にとっては意義深いものがあるだろう。それを説明しろ と言ってもまず無理だ。 まぁそういう意味では「意義がある」って力説することも、否定するのと同じくらい 意味が無いと思う。
684 名無しさん sage:2004/02/16(月) 13:12 >>683 何当たり前のことをいってんの?馬鹿?
685 名無しさん sage:2004/02/16(月) 13:13 つーか「意義」と「価値」は同義なんだから、「意義があるかないかは価値観に帰結する」なんて文章は トートロジーも甚だしい。
686 名無しさん sage:2004/02/16(月) 13:14 なので意味がないのは>>683 の文章。
687 名無しさん sage:2004/02/16(月) 13:21 そもそも「価値観」という言葉一つ安直に使って思考停止することがそもそもおかしい。 ある価値観はさらにそれを細分化することが可能だ。むろん細分化された価値観はさらに細分化できる。 価値観とはこうした微少な価値観のネットワークであり、「価値観」という「もの」があるわけではなくて、 このネットワーク(微少な価値感同士の接続関係)が価値観なのだ。価値観という言葉を思考停止の 免罪符にしてはならない。
688 名無しさん sage:2004/02/16(月) 14:23 >>685 > つーか「意義」と「価値」は同義なんだから、「意義があるかないかは価値観に帰結する」なんて文章は 芸術作品は、個人の価値観でしか語れないと言ってるんで有って、 意義->価値観何つー話はして無いんだよ。しっかり読解しな。
689 名無しさん sage:2004/02/16(月) 14:51 >>688 > 芸術作品は、個人の価値観でしか語れないと言ってるんで有って、 だからその価値観を語れ、といいっているのが元々の発言なのだが?馬鹿?
690 尾崎晃仁 sage:2004/02/16(月) 21:50 >>669 『神沈』を読めば山本弘という作家のカラーがわかる。 『SFが読みたい』で3位にランクインしたことにより、 これから多くの人に読まれるだろうし、他の山本作品を読む きっかけにもなるでしょうし。>>678 ただの感想だで、気にしんといてください。 >>671 は僕じゃないです。『神沈』については「がっかりした」 と書いとるし。 >>679 なるほど。そういえば、読者ランキングではそんなに 差はないですね。 >>681 意外とそういうレベルの話なのかも。その本読んどらんで はっきり言えんけど。
691 名無しさん sage:2004/02/16(月) 23:02 >>690 > 『神沈』を読めば山本弘という作家のカラーがわかる。 ああ、最初からそういってくれると分かりやすいな。 山本のカラーなんぞ興味ない、という人には価値がないって分かるから。 > 『SFが読みたい』で3位にランクインしたことにより、 > これから多くの人に読まれるだろうし、 それはどうだろう。そもそもそのランキングで上位になる=>読まれるってのは疑う 必要のないくらいの妥当性をもっているのか? > 他の山本作品を読む > きっかけにもなるでしょうし。 話が入れ替わってるね。それは「3位にランキングした」価値の話だよね(ほんとうに その価値があるかは別として)。俺が聞いているのは「神沈」の価値なのだが。 さらにそれは山本の作品が多くの人に読まれることが望ましいと思っている人(本人とかファンとか)に とっての価値であって、別に山本の作品が読まれるか読まれないかどうでもいいと思う人には 価値がない、ってことだよね。 結局、最初から山本に興味のない人間には神沈は価値がないってことでOK?
692 名無しさん :2004/02/17(火) 13:18 いま山本板の「マンガ夜話」スレで星野之宣の話になってるが、星野作品と 比べて山本の作品が「大傑作」と言えるかね? 山本の茶坊主汚長でもそれは言えまい(w
693 木馬 sage:2004/02/18(水) 00:32 >>664 ソード・ワールド・シリーズから入るのはどうでしょうね。 どの話にも、 しばしば槍玉に挙がる「蘊蓄」がほとんど含まれていないので、 読みやすいんじゃないでしょうか。 その反面、地味な感じもしますが、 手堅くまとまっていると思います。 個人的には『ゲート・デーモンの仮面』の悪の考察が面白かった。 『神沈』は、山本初心者にはまったくお薦めできません。 僕は以前「感心はしたけど感動はできない」と書きましたが、 このスレを読んだ後では感心すらできなくなりますね。
694 名無しさん sage:2004/02/18(水) 02:01 結構ひどいこと言うね(w つまりここ数年の山本は進歩するどころか退化してると。 いやあ同感だね。
695 名無しさん sage:2004/02/19(木) 04:58 俺も>>693 に同意。
696 名無しさん sage:2004/02/19(木) 17:37 ええと、発言の終わりに「馬鹿?」とか「つーか馬鹿?」をつける人。 コテハンつけてくれませんかね。あと、なんで短い返信を分けてるの? もしかして自作自演のつもり?頭の悪い書きこみのせいでバレバレなのだが。 まさか、アンチは頭の悪いとROMに印象付けるために書きこんでる信者さんじゃないでしょうね? そういう卑怯な事は止めましょう。
697 K.K sage:2004/02/19(木) 18:54 >>696 煽りがへたくそです。もう少しがんばりましょう。
698 名無しさん sage:2004/02/19(木) 19:26 >>696 > もしかして自作自演のつもり?頭の悪い書きこみのせいでバレバレなのだが。 普通の書き込みをやたら自作自演だとか騒ぐ方が馬鹿だと思うけどね。 ところであんたは信者さんは頭が悪いと印象づけるための工作員なのかな。 つーか馬鹿?(笑
699 名無しさん sage:2004/02/19(木) 19:37 なんといか山本信者は誰も科学だとは思わないことを、科学だと誤解する人がいると騒いでみたり、 誰も自作自演だと思わないレスを自作自演としてはバレバレだと騒いでみたり、全く下らないなあ。
700 名無しさん sage:2004/02/19(木) 19:40 基本的にこういう考え方をする人間は優越感に浸りたいだけだと思うのだよね。 俺は騙されないが、騙される愚かな人がいる、といっているわけだからね。 つまり自分は賢いという理屈。普通自分にもわかるなら、他人にも分かる考えるのが 謙虚な考えだと思うけどね。
701 名無しさん sage:2004/02/19(木) 19:45 で、何度か言っているがやたら自作自演だと過敏になるのはネット初心者に多い。 そういうものがネットにはあるんだ、と覚えたての時期は「俺はそんなものに引っかからないんだぞ」と 自慢したくなるものだ。まあいいんだけどね。けど古参の人間からは「ああまた初心者が騒いでるな」と しか見えないことを自覚しような。何事も初めて経験した時は夢中になるものだ…(苦笑
702 名無しさん sage:2004/02/22(日) 14:20 >K.K氏 ショボーン。 >つーか馬鹿氏 でも698から701までは一人で書きこんでるんだよね。 ぱっと見あたかも複数の人が同意してるかのように見せかけて。 あんたの書きこみ、見苦しいのよ。別に書くなとはいわんから、コテつけてくれると飛ばしやすくて助かる。 大体、698から701までの長さのレスを4つに分けるのはやりすぎだと思わんかね。無駄なレス数消費だろ。
703 名無しさん sage:2004/02/22(日) 16:20 >>702 > でも698から701までは一人で書きこんでるんだよね。 だからどうだっての。 > ぱっと見あたかも複数の人が同意してるかのように見せかけて。 これも、それがどうしたって~の。もっとも俺には別人の様には見えないけどね。 つーか「見せかけようとしている」と思えるその頭の中を見てみたい。 > あんたの書きこみ、見苦しいのよ。別に書くなとはいわんから、コテつけてくれると飛ばしやすくて助かる。 > 大体、698から701までの長さのレスを4つに分けるのはやりすぎだと思わんかね。無駄なレス数消費だろ。 あんたの方こそくだらないから、読み飛ばしやすいようにコテハン付けてくれんかね。 もっとも、無駄なレス数消費だから、書き込まんでくれる方が助かる。
704 名無しさん sage:2004/02/22(日) 18:02 >>702 > ぱっと見あたかも複数の人が同意してるかのように見せかけて。 みせかけてない。みせかけてない(笑 あなたが同一自分物だと分かるなら、他の人も分かるわけ。自分は人より賢いとか、自分より愚かな人間のためを思って、とかいう 下劣な発想から早く卒業しような。 まあそういう人間の集まりが山本信者なのかもしれないがね。毎回繰り返される「~の映画/作品は~と誤解する人がいて危険です」とかは その典型。言いたいのはむしろ「自分は騙されるほど馬鹿じゃない」ということの方じゃないの?(笑 > あんたの書きこみ、見苦しいのよ。別に書くなとはいわんから、コテつけてくれると飛ばしやすくて助かる。 別にあんたを助けようとは思わないねえ。 > 大体、698から701までの長さのレスを4つに分けるのはやりすぎだと思わんかね。無駄なレス数消費だろ。 自分の主張を正当化するためにあれこれ屁理屈をつける。社会正義とかね。 いい加減そう言う中学生レベルの思考から卒業しような。
705 名無しさん :2004/02/23(月) 18:33 >☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / 山本弘 [近畿] New 引用 > >>・読んでて思ったんですが、馬鹿な登場人物を創るのって大変だったんじゃないでしょうか? > > いや、あれはほとんど実話ですから(笑)。 > 〈昴の子ら〉は実在のUFOカルトのエピソードを参考にしてますし(ただし、特定の団体を連想させないよう、5つぐらいの団体のイメージをごちゃ混ぜにしてあります)、「神の顔」をめぐる珍説の数々も、実際にあるトンデモ説をアレンジしたり、ヒントにして創作したものがほとんどです。「2012年12月23日にフードプロセッサーが人間に襲いかかってくる」という説も本当にありますし、「破滅が来なかったのはカメラのストロボのせいだ」と主張した教祖も実在します。 > あのへんのくだりを書くのは、別に大変じゃなかったですね。むしろ楽しかったです。 あーあ、とうとう「実在の人物を元にキャラを作ってその人達を馬鹿にしてます。」って公言しちゃったよ。 しかも「馬鹿にするのが楽しい」ってね。
706 名無しさん sage:2004/02/23(月) 18:53 >>705 > > あのへんのくだりを書くのは、別に大変じゃなかったですね。むしろ楽しかったです。 読んでる側は全然面白くなかったんだけどね。下手なパロディを読まされているようで。 その意味では神沈は失敗したパロディ作品といえるかもね。いろんなトンデモさんの言動をパロっているけど、 それが退屈なだけで全然面白くない。本人が楽しんでいるほど読者は楽しめないというのは 商業誌はもちろん同人誌としてさえ典型的な失敗作品。
707 名無しさん sage:2004/02/23(月) 18:58 >☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / 丁卯 [東北] No.17124 - 2004/02/21(Sat) 18:44 [ZC101005.ppp.dion.ne.jp] > > 最初に総合的な感想ですが、もう文句なしに楽しませていただきました。これで1945円は安いです! >(それでも「2000円」という金はだいぶ貴重ですけど) 「安い」って褒め言葉なのかなあ(笑 いくら安くても面白くなければゴミ屑だし、本当に面白い作品ならいくら高くてもいいと思うけどね。 > 私も将来は作家を目指す身で、こういう神をテーマにした“ファンタジー”を書こうと思ってたのですが…… >うーん、先にこんな話書かれちゃ結構苦しいです。 何も神沈だけが神をテーマにした作品ではないのだが…
708 名無しさん sage:2004/02/23(月) 19:17 >☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / 山本弘 [近畿] No.17181 - 2004/02/23(Mon) 15:02 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] > >・「加古沢黎」というのは本名でしょうか? > > いちおう本名です。ペンネームということにしてしまうと、作中での本名との使い分けが面倒になりますので。 > 優歌にペンネームをつけさせたのも、どうしてもストーリー上の必然性があったからです。 >そうした理由がない限り、読者を混乱させるような設定は持ちこむべきではないと思っています。 はて…現実の世界ではペンネームを使用している作家の方が多いのだから、それはリアリティ上問題があるんじゃないのかなあ。 「必然性がない」と言いだしたら現実の世界の大半は必然性がないわけだし。 >「馬鹿な登場人物」と言うなら、そもそも人類は(もちろん僕自身も含めて)みんなバカだと思います。 でも馬鹿の程度が自分は他人よりもまだマシだとおもってるんだろ?(笑 > トンデモ本をたくさん読んで僕が思い知ったのは、「人間は知的生命体としては不完全だ」ということです。 >まともな知性体だったら、正しく思考できるはずで、こんなことは決して考えないだろうと。 そういう意味の「まともな知性体」っているのかねえ。完全な理性を持たない人間が完全な理性について 語るのもおかしなものだと思うけどね。所詮それは「全能な神」と同じで人間の妄想が作り出した存在に過ぎないと思うよ。 > だから、人間として最高レベルの知性を持っているはずの加古沢でさえ、自分の考えついたトンデモ説にハマってしまう >「セーブもされないボンクラの一人」だと優歌に言わせなきゃいけなかったわけです。それがこの小説のテーマですから。 読んでて加古沢が全然「人間として最高レベルの知性」にみえないのが問題なんだけどね。 だから作者が作中でも現実の世界でも「加古沢は頭がいい」といえばいうほど読者はシラケてしまう。 フィクションの中で「人気アイドル」と設定されていても視聴者から見て「どうみてもこんな風貌で人気アイドルになるわけねーよな」と 思うようなデザインでは作品を楽しむどころか、出てくるたびに「こんなやつが人気アイドルの世界って…」と考えてしまって 興をそぐこと甚だしい。 > 遺伝子を残さなくても、ミームを残せばいいんじゃないでしょうか? 竹内久美子流の、なんでもかんでも利己的遺伝子で >説明するやり方は、ギャグとしてはともかく、真剣に受け取るべきじゃありません。人類の大半は、すでに自然界の進化の >法則から解放されているんですから、 おやおや、とうとうトンデモさんの仲間いりですか?(笑 遺伝子の進化とミームの進化は時間的スケールがそもそも違うのだから、比較は難しい。遺伝子の方は長い時間かけて ゆっくり変化するから、短い時間だけを比較すれば遺伝子の進化が停滞しているようにみえるだけ。逆にながいスパンで 見ればミームの変化などはノイズに過ぎないかも知れない。 したがってたかだか有史から現在までの変化だけ見て自然界の進化の法則から解放されているなどというのは、 話にならないほどの”馬鹿”ですな。 >そろそろ遺伝子を優先する考え方(子孫を残したいとか、自分のクローンを創りたいという欲望)から脱却してもいいんじゃないでしょうか。 山本教の教義が徐々に固まってきたようですな。 > 人間にとって大切なのは遺伝子よりもミームだと、僕は思います。子供を作るだけなら野獣や昆虫にでもできるんですから、 >遺伝子を残せるどうかを、人間としての尺度や生きる目的であるかのように考えるのは変だと思うのです。 そもそも「人間は他の動物と違う」「違わなければならない」という考え方が人間の奢りだと思うのだけどね。 > 血縁関係のない紗奈を、良輔と葉月が自分たちの娘として育てるのも、小説の最後で優歌が紗奈を「正しく導く」と決意するのも、 >遺伝子よりもミームが重要であるという、僕の思想を表現したものなんです。 おやおや竹内久美子に対抗してなんでもかんでもミームですか?(大笑 > なぜなら、そこが僕と加古沢の決定的な違いだからです。加古沢は読者の受けを取るためなら、自分の信じていない話を平気で書く奴です。僕にはそれはできません。 > だから加古沢は『仮想天球』を書き、僕は『神は沈黙せず』を書いたわけです。 つまり神沈は現実の山本の考えと受け取っていいわけだね?
709 674 sage:2004/02/24(火) 01:35 >> なぜなら、そこが僕と加古沢の決定的な違いだからです。 >> 加古沢は読者の受けを取るためなら、自分の信じていない話を平気で書く奴です。 >> 僕にはそれはできません。 一見エラソーな発言であるが、ここで以前紹介した ttp://www31.ocn.ne.jp/~chunweb/ から、ふたたび広瀬正の「タイムマシンの作り方」の項をみてみよう。 >確かに、当時のSF作家はみんな若く、アイデアの奇を競うことが仲間内での >評価に直結するという特殊な環境にあった。それでも、プロの作家を目指す以上は >商業誌に掲載されなければならず、従来の価値観と自分達の価値観の >ハザマで大いに悩んでいたようである。筒井康隆も小松左京も後にビッグに >なったが、この頃はチビた鉛筆をナメナメして書いた作品を出版社に売りこんでいた。 >広瀬正もこの例外ではなかった。 まあ、これもいち個人の証言ではあるが、この文章と見比べてみて言えることは、 山本ってのは、いくら物かき、作家先生と威張っても、所詮先達のならした 舗装道路のうえで葛藤もろくにせず孤高を気取ってるアホに過ぎないってことですね。
710 名無しさん sage:2004/02/24(火) 01:59 自己矛盾の葛藤から優れた作品が生み出されるのに、葛藤しないんじゃ成長はないね。
711 名無しさん :2004/02/24(火) 19:59 普通の作家の場合、作品が不評なら問題点を探して反省し次回作に生かすもんだが 山本の場合、言い訳して最後には「長編はコストパフォーマンス悪い。嫌いですから」 では次回作も駄作間違い無し。
712 名無しさん sage:2004/02/27(金) 01:51 SFマガジン4月号(2月25日発売)に短編「時分割の地獄」が載ります。 バーチャ・ボディと自意識を有する人工知能アイドル・ゆうなは、タレントの「俺」に対して殺意を抱いていた。 時分割の世界を生きる仮想世界の美少女は、何を想い、何を夢見るのか? --------------- またも出ましたロリおじさん山本の妄想小説。 ロリコンものから脱却できない言い訳は「僕は信じるものしか書かない」 信じられるものは美少女ですか?
713 名無しさん sage:2004/02/27(金) 01:59 「ゆうか」「ゆうな」・・・ 次回は「ゆうき」あたりか。
714 名無しさん sage:2004/02/27(金) 05:10 >>713 案外山本の娘の名じゃないか?でなけりゃ山本がつけたかったが奥さんに反対されてボツになった名前とか。 どうでもいいけど山本の短編ってつまらなくて読むに耐えないのだが、やっぱり中にはこれを面白いと思う人もいるんだろうか? ちょっと俺には想像つかないが。
715 名無しさん sage:2004/02/27(金) 13:50 >>714 娘の名前は確か美月だと思った。 >山本の短編ってつまらなくて読むに耐えないのだ が、 じゃ、長編は面白かった? と野暮なつっこみをしてみる。
716 名無しさん sage:2004/02/27(金) 23:02 >>715 > じゃ、長編は面白かった? 「つまらなさ」が多少薄まっているw 凝縮されたつまらなさを短編で味わうのと、緩慢としたつまらなさを長編で味わうのとの違い。 劇薬も薄めて飲んだ方が少しは被害が少ないんじゃないか?w
717 名無しさん sage:2004/02/29(日) 01:52 俺は長編の方がダメだったな。 劇薬を薄めて飲んだら飲みやすいかもしれないけど、大量に飲んだら同じ。 ただ、短編の中では短めの奴よりは長めの奴の方がマシというのは賛成。 山本の本でもそれなりに良い部分ってのはあるわけだ。 毒の部分は気にしないようにして、良い部分だけをかき集めれば、多少は楽しめる。 みじかすぎると全部かき集めても絶対量が少なすぎて楽しめない。
718 名無しさん :2004/02/29(日) 17:15 個人的には 「さよなら地獄博士」だっけ?は面白いと思った。 まぁ、もっともこれは 妖魔夜行「シリーズ」の内の一遍。 「ヤマモトブランド」の小説では無いから、ちと反則か?(w
719 名無しさん sage:2004/02/29(日) 23:53 >>718 しかし、それは「妖魔夜行」のレギュラーキャラが一人もでてませんが。
720 名無しさん :2004/03/01(月) 00:20 >>719 >しかし、それは「妖魔夜行」のレギュラーキャラが一人もでてませんが。 うん。だけど、ヤマモトより上の人間 (妖魔夜行の総合プランナー。とでも言えばイイか?トモノだっけあれは、それともヤスダ?)の校正が入るだろう。 普段のヤマモトブランドなら、ヤマモトの好き勝手にできるが あれはそこまで好き勝手は出来ないだろ。
721 尾崎晃仁 sage:2004/03/02(火) 22:14 >>719 鴉天狗の八環が出てます。まあ、初稿の段階では 誰も出ていなくて、「一人くらい出せ」と言われたのかも しれませんけどね。>>720 トップが居て修正すると言うより、みんなで相談しながら 作ってたんじゃないかと。 それと、『妖魔夜行』では最初の『真夜中の翼』も最後の 『戦慄のミレニアム』も山本先生が担当していること、 「SF秘密基地」の作品紹介ページの記述から、小説については 山本先生が中心になっていたようです。『百鬼夜翔』の方は友野 さんが中心になっていると思いますが。 そもそも、『さようなら、地獄博士』『まぼろし模型』 『水色の髪のチャイカ』といった趣味的作品、さらに『穢された翼』 『茜色の空の記憶』『悪意の連鎖』といったトンデモ系作品、 そして『戦慄のミレニアム』を見ると、他の「ファンタジー」 とか「SF」とかいった枠の中の作品より、よっぽど好き勝手 やっているように見えます。
722 名無しさん sage:2004/03/02(火) 22:47 >最新情報 >SFマガジン4月号(2月25日発売)に短編「時分割の地獄」が載ります。 案の定、一週間経っても信者の誰も感想をアップしないようで。 かわいそうな山本センセイになり代わりここで話題にしてみました。
723 名無しさん sage:2004/03/02(火) 23:31 >>719 あれを「出た」と認めるのは非常に心苦しい物が…
724 名無しさん sage:2004/03/02(火) 23:42 >>722 読んでみたよ。案の定つまらなかったね。というかこのネタなら短編でも長すぎる。10行ぐらいで十分w <「時分割の地獄」ネタばれ!!!!> 立ち読みなんで間違いがあるかも知れない。 人格をもったコンピュータとコンピュータが心をもつわけがないと主張する人間との論争(?)。 実は「コンピュータが心を持つはずない」と主張している人間自身がコンピュータがシミュレーションで 作り出したものだった、というオチ。その人間のオリジナルは現実に存在するらしく、その人間のデータを 元にタイムシェアリングの空き時間を利用してその人間の思考をシミュレーションしているそうな。 「コンピュータが自分のような心を持つわけがない」と主張している人間がコンピュータが作り出した シミュレーションだった、という所で山本は読者に感銘を受けてほしいのだろう。 <「時分割の地獄」ネタばれ終わり!!!!> まあいいんだけど、この数行で足りるネタを読者は数ページに渡って読まなければならないわけで、 その見返り、というか話の厚み、というかそういうものが山本の作品には決定的に足りない気がする。 つまり「ネタバレ」をしてもなお「それでもあの作家の独創的な描写が読みたい」と思うということが 山本の作品にはない。なんというか「ネタ」が数学の証明の結論だとすれば、山本の小説というのは 証明過程を淡々と記述しているだけで、読んでて面白くも何ともない。結論だけ分かりゃそれでいいや、 と思ってしまう。 そういうのは「アイディア」であって「小説」ではないと思うんだけどね。
725 名無しさん sage:2004/03/02(火) 23:47 >>724 その数行にわたる解説ネタどっかで見たこと有るような・・・
726 名無しさん :2004/03/02(火) 23:54 >>724 >そういうのは「アイディア」であって「小説」ではないと思うんだけどね。 まぁ神珍の時は「あれは小説では無い」とか開き直ってた、と言う前科(wがある事だし
727 名無しさん sage:2004/03/02(火) 23:58 数学の証明に魅力を感じる人もいるだろうし、結論だけにしか興味がない人もいる。 それは好きずきでいいのだけど、証明に魅力を見いだすほどには証明しようとする事柄が 魅力的じゃない。神沈もそうなんだけど、ネタ自体はありきたり。 数学では「当たり前」の事を手間暇かけて証明することがあるけれど、それと同じかな。 もちろんその証明方法が目を見張るほどエレガントであれば証明過程そのものに興味を そそられるのだけど、これもまた機械的な単純作業。 ネタは凡庸。ストーリー構成は無味簡素。付帯的な演出もなし。これで何を楽しめというのだろうか。 こういうのをページ稼ぎというのではないだろうか。
728 尾崎晃仁 sage:2004/03/05(金) 19:32 >>723 まあねえ。赤マントのモノローグですましてもよかった 様な気もするし。>>724 読了後の印象は「なるほど」でした。 人工知能がどうやって人を殺すのか、という点が興味の 中心で、それに対する感想ですね。 「私の良心になって」という台詞には少しグッと来ました。 レイラさんの「私の夢になってよ」という台詞を思い出し ましたが(^^;。 「良心」というのは山本作品でよく取り上げられるテーマ ですね。
729 名無しさん sage:2004/03/05(金) 23:25 >>728 > 人工知能がどうやって人を殺すのか、という点が興味の > 中心で、それに対する感想ですね。 AIが人を殺すということってそれほど重要なテーマなのだろうか。 別にAIが人を殺してもいい。作品中ではなぜかAIが人を殺すことの困難さのみ語られる (殺すことは可能だが自分だとすぐバレてしまうから困る等)が、それは人が人を殺す場合も同じこと。 それでも殺人は日常的に起きる。 思うにロボット三原則の呪縛に捕らわれすぎている。「AIが人間を殺すことが困難である」という設定があり、 すべてはその理由を正当化するためにあれこれ屁理屈をこねている印象しか受けない。 設定とは大なり小なりそういうものだが、それが目に付きすぎる。まあ山本の作品というのは概してこういう 傾向があるね。 > 「私の良心になって」という台詞には少しグッと来ました。 > 「良心」というのは山本作品でよく取り上げられるテーマ > ですね。 ん~感動するのは勝手だけど、(神沈もそうだけど)山本の描くヒューマニズム(?)って俺にはえらく安っぽく感じるんだけどね。 中高生が書いた趣味の小説なら合格点レベル。 例えばこのAIは女性だが、男性に設定しても同じようにそのセリフで感動できるのか…結局表面的な感情に頼った 話の決着方法にすぎず、少なくともハードSF的ではないねw
730 名無しさん sage:2004/03/06(土) 08:47 山本にとっては、理屈っぽい女性主人公が物語の最後に非合理的な考えで総括するのをヒューマニズムというらしい。
731 名無しさん :2004/03/06(土) 12:49 山本板より --------------------------------- ☆ Re: タイムマシーンなんてありえない / 匿名 [地球外] なんか山本信者達は妄想に必死ですねw 関係ないが神沈はマトリックスのパクリだね。 --------------------------------- この発言はさすがに失礼でしょう。 いくらなんでもマトリをパクればあそこまでツマンネくはならなかっただろうしw
732 名無しさん sage:2004/03/06(土) 13:57 >>731 マトリックスに対するすごい侮辱だね。
733 名無しさん sage:2004/03/06(土) 17:22 >>731 俺は「ラプラスの魔」のパクリではないかと思う。
734 名無しさん sage:2004/03/07(日) 17:59 ところで山本のここ十年ぐらいの小説で、ロリ虐待やロリエロ描写が あるものとないもの、比率はどんぐらいなの?
735 K.K sage:2004/03/08(月) 07:27 >>734 あんまり読んでいないから(読む気がしないから)全体はわからないけど、山本さんが自ら五つ星をつけている「戦慄のミレニアム」でもでてくるくらいだから、(ファンタジー系では)そういう描写で「山本さん流メリハリ」をつけていると推定します。 自称ハードSFの(はずだった)神沈ではでてきませんけどね。成人女性は苦手なのかな (^^;;。
736 名無しさん sage:2004/03/08(月) 16:22 >>733 当時の山本弘に対するすごい侮辱だね。
737 名無しさん :2004/03/08(月) 20:38 山本弘が国内3位って、SFファンって知障なの? http://book.2ch.net/test/read.cgi/sf/1078509286/ 神沈が何故国内3位なのかに関して批評お願いします
738 名無しさん sage:2004/03/08(月) 20:44 >>731 「タイムマシンはありえない」ってのは山本の妄想だね。「因果律と時間は切り離せないものである」「因果律は絶対である」「人間には自由意志が存在する」 「エネルギー保存則は絶対である」これらは確かにタイムマシンの存在と矛盾するが、タイムマシンの存在とこれらとどちらが否定されるべきなのかは今のところ誰も判断できない。 因果律が成り立たない場合もあるかも知れない。人間の自由意志は昔から度々議論されてきたが結論は出ていない。 原爆が製作されるまで質量が消滅する、という現象は少なくとも我々の身の回りではあり得なかった。タイムマシンも今のところ我々の身の回りでは ありそうにない。しかしそれは質量保存則を根拠に原爆を否定するようなものだ。
739 名無しさん sage:2004/03/08(月) 20:56 >>737 「読みたい本」ってのがポイントじゃない? トンデモ本も「読みたい本」といえるかも知れないしw 何しろ「神様のパズル」は小松左京賞とってるのに神沈より順位が低いわけだから。 ってか神様のパズルと神沈が同じ年度に入っているところに問題がある気がするが…
740 名無しさん sage:2004/03/08(月) 20:58 そもそも国内のSFの傑作ってのはたまにしかでないんだから、毎年ランキングをするのが間違ってるんじゃないかな。 5年に1度とか10年に一度とかある程度ながいスパンをとらないと、実態を反映しない気がする。
741 名無しさん sage:2004/03/10(水) 02:00 考えてみればSFジャンルの書き手はある程度限られているのに、日本SF界が毎年選ぶ SF大賞に山本の小説が選ばれたためしがないというのは、山本の肥大した自意識に暗い 影を落としているのではないだろうか。 哀れなり山本。
742 名無しさん sage:2004/03/10(水) 02:44 http://www.kiyoshi.net/tammy/38.htm >おちが・・・微妙ですね。この論理に賛同する人は少なくとも、本質的な部分においては誰もが賛同するとは思います(無宗教者であれば)。 珠玉のような言葉だ。当たり前でつまんないんだよな。「神がいようがいまいが人間はこれまで人間の力で ここまで来たしこれからも同じだ」というのだから、「そんなの当たり前じゃん!」と言いたくなる。 >これを読んだ人は逆に宗教(超常現象)を信じる人に対して偏見と差別意識を持ってしまうのでは?という憂慮があります。 社会的に有害な小説だな。というか宗教としての神とオカルトや超常現象としての神は占星術と天文学ほど 違うと思うんだけど、山本はそれが分かっていない。 聖書の教えを正しいと考えている人は神が実在し聖書がその正しい記録だからそう思っているのではない。 聖書に書かれた人の生き方や価値観に妥当性を認めるから正しいと考える。だからそこに書かれている 事柄が事実なのかとか神が実在するかとかはあまり意味がない。フィクションの登場人物の生き様に感動し、 自分も同じように正しく生きよう、と感銘にうちふるえている人間に「それは作り話なんだよ」といったところで 何か意味があるのだろうか。フィクションだから意味がないというなら小説や小説家など意味がないだろうに。
743 名無しさん sage:2004/03/10(水) 02:57 >ヨブ記的な問題は当然、この数千年間誰一人考えてこなかったわけもなく、繰り返し議論されて来た内容です。 >他の宗教のおいても完全な因果応報と思えないこの世の中について、説明出来る解答があるはずです。 >ちょっと、簡単に宗教(宗教団体)を判断しすぎだなーと思う。そこら辺、ちょっと薄っぺらく思える。 >そしてこれは、超常現象にも言えるかも・・・(私は詳しくないので分かりませんが) 最後の一文が振るっている。そうだよね。宗教(や経済)に関してこれだけいい加減なことを書く人間は 超常現象についてもたかが知れているよね。まさに因果応報(笑 繰り返し書いてることだけど、山本本人の超常現象に関する分析力は非常に低い。素人同然かもしれない。 山本の文章には秀逸なものもあるがそれはすべて他人の分析結果の孫引きにすぎない。それが通用しない 山本板でのリアルタイムの山本の立論能力を見れば誰でも分かってると思うけど、ほとんどこじつけや屁理屈。 ひっくり返せばそのままトンデモさんの主張に使えそうなものばかり。 結局屁理屈というのは兵器と同じで使う側の人間の意志によってどちらの側にも使える。 兵器が正しい価値判断能力になんら貢献しないのと同様、山本の屁理屈も単に相手を力で威嚇するだけの ものでしかなく、何が正しいのかという探求には何の役にも立たない。 山本を信仰している人間は、強い武器(例えば核兵器)を持っている人間を信仰しているのと同じ。 強い武器を持っている人間が正しいというのもある意味真実なんだけどね。けど「でもそれがあなた方の 求める”正しさ”なの?」と聞きたいね。
744 名無しさん sage:2004/03/10(水) 03:02 同じことは山本本人にもいえる。山本にとって知識とは正しい判断をするためのものというよりも、 知識の量で相手を威嚇し、自分の(あまり根拠のない)主張を相手に押しつける手段ではないだろうか。 「この程度の知識しかない人間が~」というのはこれの裏返し。知識の量と主張の妥当性は 本来関係がないはずなのに、「自分はこんなに知識があるのだから、その主張も正しい」という理屈なのだろう。 山本ほど学問を冒涜している人間はいないと思う。
745 名無しさん sage:2004/03/10(水) 23:13 タイムマシンが現実に存在し得ないというのは山本の勝手な思い込みだな。 そもそもタイムマシンとは何かということすら決まりがあるわけじゃない。 ドラえもんに登場するようなものを勝手に「これこそがタイムマシンだ」と決めて それが実現不可能そうだからタイムマシンは現実には実現不可能って言ってるだけ。 高度な冷凍睡眠装置が出来て一切の副作用もなしに10年間冷凍保存可能なら 10年先の未来へ行けるタイムマシンと言っても良いだろう。 過去に戻れなきゃいけないとか元の時代に戻れなきゃいけないなんてルールはどこにもないんだから。 パラドックスなんかも過去に戻りさえしなきゃ問題ないだろうし、 過去にいけるにしても億年単位でしか過去に戻れずもとの時代には戻れないってものや 自由に過去に戻れる変わりに何故か記憶が完全になくなるとか、条件付のものなら理論的な矛盾はクリアできるかも知れない。 人間の姿のまま時間移動できる必要もないわけで何らかの変質が起きる代わりに時代を移動できるってのもありだろう。 ちょっと考えればいくらでもネタは出てくるだろうに、勝手なルールを決めてそのルールに違反するから無理って自分から考えることを放棄してるだけ。 根本的に想像力ていうか創造力が足りないんだよな。 まあ、だからこそどっかで見たことあるようなネタの本しか書けないんだろうけどね。
746 名無しさん sage:2004/03/10(水) 23:18 >>745 そもそもパラドクスが存在してはならないという前提自体が人間が勝手に作った仮定で、 もしかしたらパラドクスが存在しないのは我々の日常だけかもしれない。速度が単純に 加算できるのも我々の日常だけなのと同じように。
747 名無しさん sage:2004/03/10(水) 23:24 たとえば量子の世界ではすべてが量子重ね合わせ状態にあるのだから、そもそも一つの決まった状態というものがない。 「Aである」と「Aでない」が同時には成り立たない(排中律)は人間が思考のために勝手に立てている前提であり、 それが正しいかは誰も保証していない。日常的にはそれが正しいという前提で思考した方がデメリットよりもメリットの 方が圧倒的に大きいから、世界中の人々がそれを採用しているに過ぎない。数学の「直観主義」などは排中律を否定しているし。
748 名無しさん sage:2004/03/11(木) 00:06 http://homepage3.nifty.com/hirorin/messaagecm.htm 「まぼろしのあとがき」 山本が何を言いたいのか分からん(笑 なんかマジで病気なんじゃないのか? >この世界自体もそうだ。子供時代の優歌が感じていたように、勧善懲悪のフィクションの世界の方が、 >僕たちの世界よりも正しいのである。僕たちは、この世界がフィクションのようではないことを、 >善や悪が必ずしも報われないことを、恥じるべきなのだ。 > 神の国――理想の世界は、雲の上にはない。それは僕たちの心の中にある。フィクションである。 >僕たち人間は、間違った現実を正しいフィクションに近づけるために苦闘している。これまでも、そしてこれからも。 > 僕はそう信じる。 次の国政選挙に立候補しそうな勢いだ。
749 名無しさん sage:2004/03/11(木) 00:15 ここで散々に言われたからあわてて付け足したんじゃないかな?
750 名無しさん sage:2004/03/11(木) 00:28 >これは神をテーマにした小説である > 僕の小説の愛読者の方なら、僕がデビュー作以来、神や宗教を頻繁に取り上げてきたことをご存知でしょう。 ってSF作家なら大なり小なり神と関わり合いになるんじゃないの?何当たり前のことをいってるんだかw > 知的生物の想念から生まれた邪神ハスター(『ラプラスの魔』)、銀河の全生命の創造者メンターナ(『サイバーナイト』)、 >知的生物を大量虐殺することが神の御心であると信じるシゴパラ教団(『ギャラクシー・トリッパー美葉1』)、 >魂を奪われていることに気づかない惑星リヴァイヒルマンの人々(『美葉2』)、ヨハネの黙示録に従って人類絶滅を企む“神”(『妖魔夜行/戦慄のミレニアム』)……。 一言で説明できてしまうことが問題だと思わないのかなぁ(クスクス > この小説はその集大成と言える内容です。神の存在を真正面から扱っているからです。 扱っているのは認めますが、玉砕してるんですけどw
751 名無しさん sage:2004/03/11(木) 00:46 > 僕の小説の愛読者ならお気づきでしょうが、僕は無神論者です。しかし、この物語の中では、 >神は実際に存在しています。「もし本当に神が存在するとしたら」という仮定のもとに、 >従来のイメージに縛られることなく、「科学的にありえる神」を論理的に考察することに挑戦しました。 この「従来のイメージ」というのが何を指しているのかよく分からないんだよね。 神沈を読む限り割りとありきたりな神なんだけど。あ、「従来の自分の作品における神のイメージ」ってことなのかな。 まあそれならこの点に限っては嘘はないかもね。従来の山本作品の神はどちらかというと原始宗教の荒ぶる神。 神沈に描かれている神はキリスト教など、人間の倫理観のよりどころとなる近代的な神ってことだね。 つまり山本の神に対する認識がオカルトにおける神からやっと近代宗教の神に近づいたということだ。 オカルト的な神は存在しない。存在するのは近代宗教的な神である、と。すこしは成長したということかな。 しかし人類はとっくにそうしたことを経験してきていて、だからこそ近代宗教が成立したんだけどね。思考が1000年ぐらい 遅れてますなw > 過去のこの種の作品には、途中で思考停止してしまうもの、謎めいた思わせぶりな結末でお茶を濁すものが少なくありませんでした。 「神の意図は人間には理解不能だから神はいてもいなくても同じだ」というのが思考停止じゃないのかなあ。 これって「惑星の運動は理解不能だから観測しても無駄だ」というのと同じだよね。 山本の法則: あからさまな思考停止は思考停止にあらず。 >しかし、この小説ではそんなことはありません。結末はちゃんとつきます。すべての謎は解き明かされます。 例えば「重力とは人間には理解できないものである」という結論が「重力の謎を解明した」といえるのだろうか? なんか根本的に科学というものを分かってないんじゃない?「神の意図は人間には理解不可能なものである」というのは 聖書のヨブ記の論旨そのものなのだが…お釈迦様の掌で粋がっている猿ですな(笑 > この小説を通じて、既成のいかなる宗教思想も擁護する意図はありません。それどころか、あなたが既成の宗教の信者であったなら、 >この小説はきわめて不快な内容であるかもしれません。なぜなら、この物語は、あなたの信じていることを徹底的に打ち砕くからです。 ネットでもあんまり「宗教観を否定されて不快に感じた」という感想は見あたらないんですけど? 山本の宗教観の底の浅さに呆れている感想はあるけどね。たぶん、源泉徴収も知らない人間が「既存の経済概念を打ち砕く」とか 吹いているのと同じに扱われてるんじゃない? > それでも、優歌の心の遍歴に最後までつき合っていただければ、感動的な結末が待っていることをお約束します。 感動…ねぇ。どうも読んでて「ハイ、ここで感動して下さい!」と言われているようで、ちょっとね。そもそも主人公に感情移入できないし。 それにヒロインの「感情」に頼って物語の決着を付けるのがハードSFなんでしょうかね? これが「神を真正面から扱い、きっちりと答えを出した」小説なんですかねぇ?誇大宣伝じゃない?
752 名無しさん sage:2004/03/11(木) 00:53 >これはハードSFである > 神や超常現象が出てくるからといって、これをオカルト小説だと思ってもらっては困ります。この作品は純粋なサイエンス・フィクションです。 > 小説の中で起こる超常現象や、神の存在には、すべて科学的な根拠があります。おそらく、僕と同様、進化論、人工知能、 >宇宙論などがお好きな方には、作中で展開される大ボラを楽しんでいただけるはずです。 ん~あまり楽しめなかったけどなぁ。どれもこれも題材はありきたりでつまんないし、ひねりもないし、ストーリーにさほど活かされてもいない。 ま、人工知能あたりはストーリーに活かされていないということはないな。逆にストーリーがそれに頼りすぎているというか新味がないというか… アルマゲドンをさんざん工夫がない馬鹿映画だといっていたけど、神沈のどの辺にあんた(山本)の「工夫」があるのか教えてくれない?見あたらないんだけど? それとも「大量のトンデモネタを集めました」というのが唯一工夫した点なのかな?まあ、それなら少なくとも意見の相違はないね。 > もちろん、まったく厳密というわけではなく、話の都合上、現実の科学を歪めている部分もいくつかあります。「あっ、ここで嘘ついてやがる」 >と見破る楽しみもあるのではないでしょうか。 2001年宇宙の旅のように全体が正確であればこそ、わずかな嘘を見つけるのも楽しいけどねぇ。この先は何をいいたいかかるよね?
753 名無しさん :2004/03/11(木) 01:03 神沈 用語解説より >eペーパー または「電子ペーパー」。電気信号によって色の変わるインクを利用した紙状の表示装置。紙とまったく同じ質感であるため、目に優しく、薄いので折り曲げることも可能。最初はモノクロで、反応速度が遅いために動画には向かなかったが、のちにはカラーで動画も表示できるものが開発された。 eペーパーの普及と、POLPの増加は、紙の本を急速に衰退させている。 最後一行 >紙の本を急速に衰退させている。 そうかなぁ・・ かって 『OA機器が職場に普及すれば紙の書類は姿を消す』 こういう言葉が流行りましたがそうはなりませんでした。 経済学のリカードの貿易論「比較生産費」説から推察してみると、 すべての条件で電子ペーパーが有利になっても 従来の紙の存在意義はなくならない。 仮にコストも含めて形状や性質が紙を凌駕したとしても、 それは既に別のメディア化してるので比較対照自体が無意味になってると思う。
754 名無しさん sage:2004/03/11(木) 01:04 >これは一人のヒロインの半生を描いた物語である > 僕の小説の多くは、女性が主人公です。これまで数多くのヒロインを送り出してきました。 >モーガン、フェブラリー、美葉、摩耶、チャイカ……言うまでもなく、むさ苦しい男を主人公にするより、その方が楽しいからです。 というかそれに頼りすぎてるんじゃない?むさ苦しい男が主人公でも自分の小説を読者が読んでくれる自信ある? > しかし同時に、今の世の中に氾濫している薄っぺらな美少女キャラ、オツムが空っぽで、あまりにも男に都合の良すぎるキャラに、 >反発も覚えています。僕が描きたいのは、自分の意志で行動する女性、生きたキャラクターなのです。 世の中に氾濫してる…ってあんたがそういう作品ばかり好んでみるからだろうに(苦笑 世界の名作でも読んだら? > 和久優歌には特殊な能力は何もありません。銃を手にして悪と戦ったりもしません。心に傷を負った、生身の女性にすぎません。 > それでも彼女は、まぎれもなくスーパー・ヒロインであると断言します。 なぜなら、(僕も含めて)大半の人間には決してできない生き方を貫き通すからです。 ん~どの辺が「決して出来ない生き方」なんだろうか…あまり思い当たらないが…せいぜい宗教団体に潜入取材するとこぐらいかな?(笑 あとは割と普通に生きてると思うけどね。理想論から仕事を選んで生活が苦しいとかそういう辺りのことをいっているのなら、そう言う人は 世間にいっぱいいるし、彼女はまだまだ普通の部類だと思うけどねw 対して才能がないにもかかわらず一応自分で喰っていけてるって事は、 文句を言いながらも嫌な仕事も一応こなしてるって事だよ。あんたは優歌の建前に騙されてるんじゃない?いけないなあ作者とあろうものが 自分の作り出したキャラの嘘に騙されるなんて(笑 > 最初にお約束しておきますが、この小説はハッピー・エンドです。これは不幸だった彼女が、心の旅路の末、ついに幸福を見つけるまでの物語なのです。 地球全体を巻き込んだ自己啓発セミナーですな。「僕はここにいてもいいんだ!」(笑 人間にとって幸福/不幸の境界は現実を受け入れる/否定するの違いでしかない。 幸福になるとは「現実を受け入れる心の準備が整った」ということでしかないのだよ。
755 名無しさん sage:2004/03/11(木) 01:24 >これは未来予測小説ではない あまりにも下らないので割愛。まあ一言で言えばデタラメや稚拙な予測と緻密な予測では、同じはずれるにしても意味が違うということ。 気象衛星とスーパーコンピュータのシミュレーションを駆使しても天気予報ははずれる。でもその「はずれる」という意味は下駄を投げて占った 予報がはずれるのとは意味が違う。いくらなんでも「どっちもはずれるんだから、気象衛星の代わりに下駄を使え」とは誰も言わないよね?(笑 >これは堅苦しいだけの小説ではない >「神がテーマ」というと、生真面目で堅苦しい印象を受けるかもしれませんが、これはエンターテインメントです。 >アクション・シーンもありますし、ぞっとするシーンもあります。愛も、友情も、正義と悪も出てきます。ミステリの要素もあります。 自分で「あまりにも暗い話が続くので気晴らしにネタを仕込んだ」といってるよね?書いてる人間が鬱になるような 作品がエンターテイメントなのかなあ?アクションシーン?あったっけ?優歌が加古沢をぶちのめすとこ?(笑 ぞっとするシーン?そういえば「子供が人形と遊んでいるはずなのに、その人形はここにある。じゃあ何と遊んでるんだろう」って エピソードがあるね。あまりにもとってつけた形なんでこれまで無視してきたけど。あのエピソードってなんのために挿入してあるの? 超常現象をすべて網羅するため?ハイストレンジネスってことなのかなあ。いくら俺でもあまりにも呆れてコメントする気にさえならない って部分が結構あるんだよなぁ(タメイキ 愛?あったっけ?友情?優歌と親友との?「あんたが宗教に洗脳されようがそれはあんたの自由意志なんだから別にいいよ。 けどそうなったら私はあんたと絶交する」って言葉に「この言葉に何より勇気づけられた」とか感動する話?まあ中学生が書いたような 心温まるお話ですな。中学生向けにはいいかもね。 正義と悪に至っては小学生並の単純さですな。今日小学生向けの特撮ものも単純には正義と悪に振り分けられない込み入った ストーリーなのにねぇ。 ミステリー?これは秀逸かもね。前にも書いたけど、中程でメイントリックが分かってしまい、これはきっと最後にどんでん返しがあると 期待して読み続けたら実は何もなかった、という大どんでん返し。そこらの作家には真似できない作品だ。 > また、随所に「分かる人だけ笑って」という隠しギャグも潜んでいます。説明するのは野暮なのでネタバラシはしませんが、 >「あっ、これはギャグだ」と気がついたら笑ってください。 優れた作品であれば「さらに楽しむために」そういうことも面白いと思うけどね。まあ埋もれたB級作品を発掘して仕込まれた ネタを楽しむという趣味の人(山本とか唐沢とか)には向いた作品かもね。B級作品の自給自足とはまた壮大な計画ですなあ。
756 名無しさん :2004/03/11(木) 01:32 >753 e-mailとmailの違いみたいなもんだな。 e-メールって 擬似的に従来のメール(日本語でいうところの手紙) に模した造語のほうが理解しやすいからネーミングされてるだけであって、 使われ方も根本的に違ってるのは明らか。 物事の本質を名前から判断してもしょうがないだけど センセ判ってるのかね。
757 名無しさん sage:2004/03/11(木) 01:42 >AVP 以前も書いたけど、こうしたものに政府が何らかのコントロール(税金とか公定歩合とか)を課すことなしに認めることは あり得ないだろうね。当たり前のことだけど政府が自国内で通貨に類するものを無制限に認めることは自国経済の コントロールが効かなくなるからあり得ない。で、そういうことを認めた山本版日本政府は自らの愚かさのために崩壊するわけ(苦笑 > 「アブソリュート・バウチャー・ポイント」の略。 Aってアブソリュートなんだ。俺はアドバンストとかアベレージとかだと想像してたけどね。ここの企業の発行しているのがVPで、AVPはその平均だか総計なんだから。 > VPの価値は絶えず変動しているため、AVPも変動する。アブソリュート(絶対)というのは不適切な表現である。 >しかし、個々のVPが(企業の経営破綻などによって)暴落することはあっても、複数のVPが同時に暴落することはめったになく、インフレやデフレに強いという長所がある。 この考えが分からないんだよなあ。近代以降不況というのはむしろ世界規模で起こるものなんだけどね。AVPが導入されるほど世界経済が 今より強力に結びついているのならなおさらのこと。根本的に経済が分かってませんな。 > 皮肉にも、この便利なAVPの普及が、ビッグ・クラッシュを惹き起こしてしまう。 経済を市場に任せて野放しにしたため戦前の世界恐慌が起こったというのがオーソドックスな経済の考え方で、それを防止するために さまざまな防止機構が国内や国際的に作られた。よくも悪くも、ね。ところがAVPはそれらとは切り離されているのだから破綻して当然。 いくらなんでも世界の経済学者や政治家はあんたほど馬鹿じゃないと思うよ。 > 現実には、数年以内にこのようなシステムが広く普及するとは思えません。 以上述べたようにAVPが普及するか否かは技術的なものが問題なのではなく金融システムの中での取り扱いの方が問題が大きい。 それを技術的に可能だからというだけの理由で考えている馬鹿な作家が一人いるけどね。 > このような設定を導入したのは、「我々が信じるものは絶対不変ではない」というのが本作のテーマだからです。 >すなわち、我々が信頼して使っている「円」というものでさえ、実は頼りないものであり、別のものにあっさり取って代わられるということを表現したかったのです。 あっさりとは取って代わられないだろうね。少なくとも企業が勝手にそのまま導入すれば単にAVPに関連してあれこれ税金がかかるだけで、 割高になってとてもじゃないが普及しないと思うよ。AVPが普及するとしたらそうした問題をクリアし、政府に準自国通貨に類するものとして 認めさせなければならない。当然政府がAVPを野放しにするわけはないから、あれこれ影響力を行使できる仕組みを加えた上で 認めることになるだろうね。
758 名無しさん sage:2004/03/11(木) 01:44 >>753 > かって 『OA機器が職場に普及すれば紙の書類は姿を消す』 > こういう言葉が流行りましたがそうはなりませんでした。 それは時期が尚早だったからで、いずれは取って代わるんじゃない?
759 名無しさん sage:2004/03/11(木) 01:49 例えば電子メールの普及でやり取りする書類は減った気がするけどね。 書類はむしろハンコと同じで形式を整えて確認をするためだけのものになった気がする。 少なくともFAX機まで歩いていく回数は激減したし、プリンタに打ち出す回数も減った。 そもそもプリンタに打ち出したものを読まなくなった。単に書類としてバインダーにとじておくだけ。 思えばずいぶん時間がかかったものだ。
760 名無しさん sage:2004/03/11(木) 02:01 >新円 > この時代の日本はデノミを実施している。1新円は現在の100円。経済活性化のための対策の一つだが、効果はほとんどなかった。 > なお、消費税も何度も上がり、2011年には20%になっている。 嫌な予想だなw それにそこまでぶっ飛んだ予想をするなら、政府が率先して電子マネーを導入するというのはどう? で、表示価格は税抜きにする。表示価格は税抜きだけど自分の口座から引き落とされるのは当然税込みの金額。 しかし電子マネーなので税率が上がっても実感があまり伴わず国民の拒絶反応が抑えられる。 >統一コリア > この作品の世界では、すでに北朝鮮は崩壊しており、南北統一が実現している。 その過程は作中では語られてはいないが、次のようなものを想定している。 > 2005年頃、政治的・経済的に追い詰められた北朝鮮首脳部が、なかば自暴自棄に陥り、韓国併合を目論んで南進を開始。 >しかし、食料不足や上層部への不信から、北朝鮮軍の士気は思うように上がらず、韓国軍の反撃によって総崩れとなる。 >短い第二次朝鮮戦争は、側近による金正日暗殺という形であっさり幕を閉じる。新たに誕生した国家は「統一コリア」と呼ばれる。 陳腐の一言ですな。ソ連崩壊後の東側諸国が(例外はあるものの)おおむね平和的に民主化を成し遂げたことを考慮して、 平和的に統一が成し遂げられた。ぐらいの発想はできないものなのかねぇ。あるいは逆にロシア、中国が何かの事情でこの件に 限ってはアメリカに賛同し、四方から圧力を食らった北朝鮮が半ば無条件降伏のような形で統一に合意する、とか。 > しかし念願の南北統一は、韓国側にとって大きな打撃となる。すでにずたずたになっていた北朝鮮側の経済に加え、 >何百万という餓えた民衆を新たに抱えこむことになったからだ。金体制の積年のツケを払わされ、2005年からの数年間、 >統一コリアの経済は大規模な混乱に見舞われる。旧北朝鮮の民衆の中には、海を越えて、経済状態が少しはましな日本に密入国する者が、 >一時期続出し、その数は年間数万人に達した(中国への密入国者はそれを上回る)。 > 密入国者の中には、犯罪に手を染める者も少なくなく、大きな社会問題となる。そのため、日本国内には反コリア感情が高まっている。 そういう状態なら日本は率先してコリアに経済援助をすると思うけどね。ここぞとばかり。となりの国(しかも一応友好国)が悲惨な 状況になればどのみち日本経済もいろいろな面で影響を受けるのだから、同じ損をするなら「恩」だけでも売っておいた方が得だしw > この設定にはイデオロギー的意図はないことを明言しておきます。物語の都合上、日本の近くに架空の国家が必要だっただけです。 韓国や北朝鮮は実際の国だから問題がある。だからつぶしてコリアにしました。これで架空の国になったのだから問題ありません。ってか? そりゃちょっと通らないんじゃない?
761 753 :2004/03/11(木) 02:08 >758 ま いずれは淘汰されるかも知れないが、 自分としては紙の書類は紙として存在価値があると思うんだよね。 辞書なんかでも紙の辞書のほうが好きだし(電子辞書はウザイw) フリーソフトとかのRead MeとかみたいなマニュアルやPDFも 『なんで紙じゃないんだよ!』と叫びたくなってくるオッサンです。 ブルートゥスとかユビキタスとか各種インフラが普及化しないと 自分としては紙が姿を消すとは思えないな。 20~30年ぐらいのスパンでまだまだ無理なのではないかと思う。 発展途上国などの未開地の存在などを考えれば、 しばらくは紙と電子ペーパーは共存共栄の道を辿ると思います。 コストの背景にはインフラ事情や貧困問題の解決が、 システムや技術以上に問題を残していると考えたわけです。
762 名無しさん sage:2004/03/11(木) 02:09 >ポケタミ > 形状の描写は作中にはないが、畳んだ状態ではポケットに入る定期入れほどのサイズで、 >使用時には観音開きに展開して、ゲームボーイアドバンスに似た形状(ただしもっと薄い)になると想定している。 >縦位置でも横位置でも使用可能で、横位置では左右の親指を使って操作できるので、入力が速い。 > ムーアの法則に基づくチップの小型化とコストダウンが続くため、2011年頃には、パソコンやモバイルの性能/価格は、2001年頃の100倍以上になっていると設定しています。 定期サイズのものに付いているキーを親指で操作するとなるとキーの配置に興味がわくねぇ。 それに現在のPDAのサイズを決めているのは半導体ではなくて電池と操作性だから、あまりムーアの法則とは関係ないし。
763 名無しさん sage:2004/03/11(木) 02:15 >>761 ん~試作されている電子ペーパーは現在の液晶とかとは全く異質のもので、 解像度が桁違いに高いうえにフニャフニャと曲げられるほど薄い。電気も表示を変える時にだけ 喰うので同じものを表示している間は喰わないという夢のようなもの。これが安価になって 普及すれば紙の領域をかなり浸食すると思う。まあ一般に普及するのは5年ぐらい かかるだろうし、そこから紙を駆逐し出すにはさらに最低でも10年ぐらいはかかるかな。
764 名無しさん sage:2004/03/11(木) 02:22 >「今、誰かが我々のことを読んでいる」というフレーズには、初めて読んだ時にはゾクゾクきたもんです。 >あまりに印象的だったんで、『ラプラスの魔』や「水色の髪のチャイカ」でも流用させていただきました(^^;)。 >『神は沈黙せず』168ページの加古沢の台詞も、このヴァリエーションです。 (山本の書いた小説の登場人物である)加古沢が「私は私の書いた小説の登場人物と違ってちゃんと実在しているんだから」という下りだよね。 悪いけどこれを読んでウンザリしたよ。まあ俺みたいにスレた読者ばかりではないとは思うけどね。 > 人類の圧倒的多数が、「二たす二は四になる可能性があると思います」といわれるよりは、 >「二たち二は五だ。夢うたがうことなかれ」といわれる方を好むということは、われわれ合理主義者にとって悲しい事実である。 > >(アイザック・アシモフ『わが惑星、そは汝のもの』) 俺は人間は非合理なものが好きだからこそ非合理の海に漕ぎ出せるんだと思うけどね。まあそれはそれとして、 > 作家としてのアシモフは、お世辞にもいい仕事をしていたとは言えませんが、科学エッセイ集の面白さは抜群。僕はほぼ全冊、読んでいます。 ほ~お。まあとりあえずは自分がいい仕事をしような。源泉徴収とか。
765 753 :2004/03/11(木) 02:39 >763 さん 一応 763さんが言及されてる『電子ペーパー』についても知っています。 薄っぺらいフィルムみたいなものに電気信号だけで 瞬時に表示を替えれるので初めて知ったときは感心したものです。 しかしながら mp3の普及と音楽業界の問題のように 技術以外の社会構成が世の中を左右していると私には思えるのです。 電子ペーパー普及問題にも著作権問題や印刷業界などの構造転換が 促進化されないと充分な代替手段にはなりえないと考えました。 リアル紙(うう 変な表現だ)には印鑑で署名捺印と言う使い方がありますが、 電子ペーパーだと 署名照合や暗号技術などがどうなるのか興味は尽きません。 個人的には 本などがかなり無意識的にも取り扱える道具なので、 オールドタイプのツールにもオールドタイプなりの利点があると考えてます。 2chなどでも『すべての家電が Windows化されたら・・』のようなスレがありましたが、 自分はこのように考える懐疑派のようです。 いい加減ウザイようなので消えます。騒がせて申し訳ありませんでした>all
766 名無しさん sage:2004/03/11(木) 03:19 > これは『神は沈黙せず』執筆中、つけようかつけまいかと迷っていたあとがきです。 > 結局、つけないことにした理由は、蛇足でしかないと判断したからです。ネタバラシなどしなくても、 >賢明な読者諸氏には、これぐらいのことはすでに自明であろうと。 > ところが、この小説のメタ構造(『ヨブ記』や『出エジプト記』との重ね合わせ)に気がついていない人がけっこういるらしい。 >加古沢がなぜああいう死に方をしたのか、その理由が分からない人がいる。 > そんなに難しいことじゃないはずなんですが。 > というわけで、どうしても加古沢の最期に納得いかないという人のために、あとがきを復活させることにしました。 > ここから先は優歌の知らない物語である。 > 優歌の結論は間違っている。 > 彼女は、神は人間に善意も悪意も抱いていないと信じている。神は個々の人間の存在になど興味がないのだと。 > それは違う。神は彼女が存在することを知っている。そして、彼女に好意を抱いている。 うーむ、小説の本文に書いたことを全く逆の主張をしていいものなのかなあ。これを本文から読み取れと?それはないんじゃない? こうなるとこれ以降あんたがいくら小説で自分の考えを主張しても、実は山本の真意は全く逆だ、という解釈もあり得るわけだ。 トンデモ本でも実は山本が疑似科学を批判しているのは表面的なものでしかなく、山本の主張を深く読み込めば、山本が 占星術や創造論を肯定しているのは明らか、とか(笑 > 加古沢の主張は、部分的には正しい。神が注目するのはユニークな人間である。平凡でつつましく生きる善人よりも、 >加古沢のようにユニークな悪人を、神は愛でる。 > しかし、「神にとって善だの悪だのは関係ない」という加古沢の信念や、「神は悪を罰したりはしない」という優歌の信念は、 >まったくの的はずれである。彼らの生きる世界の神は、善や悪に報いる神である。世界に悪が跳梁することを許される理由は、 >最終的にそれが罰せられることが前提になっているからだ。 > 加古沢の死は偶然にすぎないと優歌は信じている。神がそのように偽装したからだ。実のところ、それは必然であり、 >明確な神の意志だったのだ。優歌の勝利と加古沢の敗北は、最初から約束されていたのだ。 なんじゃそりゃ?!本文と正反対のことを言ってるんじゃねーよ(苦笑 で、そうなると神の起こされる奇跡にはすべて理由があり、人々は神の御心に従って生きるのが正しい、という結論になると 思うのだが、それこそがあんたの主義主張ということでいいわけ?そうなるとこちらもメタな世界すなわち現実の世界での山本の 他の著作での思想との整合性を問題にせざるを得ないのだが(笑 > この作品世界内の法則からすれば、加古沢が死なねばならない必然性など何もない。しかし、彼が超自然的な手段によって殺されることは、 >最初からの構想であり、その点に疑問を抱いたことなどない。 > なぜなら、彼は人間世界の法ではなく、神の手によって罰せられなくてはならなかったからだ。 > 作者はどのような世界を創造することも許される。しかし、ひとたび創造した世界の法則には、作者さえも従わねばならない。 >それは創作上のルールである。僕はクライマックスで、あえてそのルールを破った。世界の真の神としての特権を行使し、 >加古沢に御都合主義的な最期を遂げさせることで、彼に罰を与えた。 つまり作者である山本弘は小説の中での神に対する超越者ということでいいいのかな?つーことはこの小説に登場する神は 自由意志を持たない神である、と。なんか零度付近だったつまらなさがマイナスに急降下したね。ルールやセオリーというものは そうする理由があるからそうなっているわけで、安直な考えで破ればその結果は破った本人に返ってくるだけだ。ルールやセオリー というものは当人の利益のために存在する、ということが分からないのだろうね。中学生並みの思考力といえよう。
767 名無しさん sage:2004/03/11(木) 03:19 > 僕は悪役としての加古沢に愛着を抱いていた。同時に、彼がのうのうと生き延びることは絶対許せなかった。 >現実世界では、悪が罰せられないことがあまりにも多い。しかし、せめて自分の創造した世界の中だけは、 >悪が滅び、主人公の苦闘が報われるものにしたかった。この世界ではどうだろうと、フィクションの世界では、神は正義を行なうべきであると。 どうでもいいんだけど、この文章をそのまま神沈の後書きに載せるつもりだったの?思いとどまって正解だったと思うよ。いや心底そう思う。 もし載せていたらフェノミナの隣に並べられていただろうね。 >(『出エジプト記』において、神がエジプト王の心を操りながら、同時にエジプト人に罰を与えたことも、神とは作者のことだと考えれば矛盾はない。 >現代の小説においても、作者は悪を操りつつ、悪を許さないものである) > もちろん、加古沢を滅ぼす自然な手段は他にもあった。たえば優歌に彼を殺させることもできた。しかし、それは正しくない、 >と僕は感じた。それではプロットとしては筋が通っていても、何かが決定的に間違っている。そこには「真の神」が介在する余地がない。 で、真の神(山本弘)と小説の中でシミュレーションを行っている神との関係はちゃんと説明可能なの?そうでなければ「謎はすべて解き明かされます」とは いえないだろうね。神沈では神にシミュレートされてはいるものの人間の自由意志そのものは明確には否定されていない。一方真の神に対する 神の自由意志はどうなのかね?あるいは自由意志などというものはそもそも幻想でありそうしたことを問う事自体が無意味である、という考えかな? それはそれで俺は好きだけどね。しかし自由意志を否定した作品というのは余り読者受けしない。あ、だから書かなかったのかな(笑 > だから、作家としてのタブーを破り、加古沢には自ら手を下すべきであると決心した。 > おそらく『ヨブ記』の作者も、同じ心境であの結末を書いたのではあるまいか。物語としての構成を破ってでも、 >最後の最後で、作品世界の真の創造主として、それまでの物語を否定し、「正しい神の在り方」を示したかったのではあるまいか。 >ラストで一転してヨブに報酬を与え、エリファズたちを非難した神こそ、それまで嵐の中でわめいていた傲慢な存在とは異なる、 >憐れみ深い真の神――作者自身なのではあるまいか。 うーん、思うにあんた(山本)は自分で自分の主張を理解できていないんじゃないの?神沈の論旨は「神は存在しようとしまいと人間には無関係である」だよね。 これはすなわち「これまでの宗教は実在の神とは無関係のものであり、人間が作り出した創作物としての神に関するものである」ということだ。 であればヨブ記に登場する神は高慢な神も慈悲深い神もどちらもヨブ記の作者が作り出した作品の登場人物にすぎないはずなのだけどね。 同じ事があんたにもいえる。優歌が導出した「人間の価値観とは相容れぬ神」も、あんたが言っている「加古沢に天罰を下す神」も、どちらも 所詮はあんたが作り出した神に過ぎない(山本が書いた小説なんだから当たり前だがw)。 私はヨブ記の神の行動は一貫していると思う(前にも書いたけどあれは悪魔と神の賭なのだから、神があの場面で慈悲深く振る舞うことは神の (賭での)敗北を意味するのだから)。ヨブ記の神の記述が2つに分裂していると考えるのは山本の読み込みが足りない(というかほとんど流し読み しかしてないんじゃない?)。一方神沈の神は何しろ真の神本人が言っているのだから分裂しているのだろうね。作中の神と真の神(作者)との 関係を積極的に作中で描けばまた面白いものになったかも知れないが、未消化でほとんど感情そのままの「この後書き」では、単なる出来損ないの 作品としか評価できない。
768 名無しさん sage:2004/03/11(木) 03:20 ま、このテーマを描くにはまだまだ掘り下げが足りなかったし、人間的な成長も必要だったということだろう。合理性、慈愛、不条理な現実この3つを 結びつけるのは容易なことではない。当然だがそれは人々が昔から気づいていることであり、可能な範囲での一貫性を道を模索してきた。 その成果が近代宗教であり、そこそこ合理的でそこそこ慈愛に満ち、そこそこ不条理さを含んでいる。つまりそこそこ成功してる。どれかを完璧に すれば他の2つは否定されてしまう。だから宗教とはいい加減で不条理なものなのだ。 3つを完璧に整合性をとるもう一つ道は、階層をわけてしまうこと。つまりある階層では不条理に見えることがその上位(メタ)の階層では合理的である、 というもの。宗教も部分的にはこれを利用している。ただ完璧にこれを適用してしまうと神沈のように「神の意志は人間には理解できないものである」という あまり魅力的でない結論しかでないから、宗教はあえていい加減さを残しているわけだ。神が時として人間的なのはこのためだ。 山本も宗教と同じ事をしてしまったように思う。しかも劣悪なコピー。 真の神が山本弘なのであれば、当然その真の神は人間であり地球規模の脳を持った存在ではない。すなわち小説の登場人物たちにも理解できる (同じ人間なのだから)存在といえよう。優歌も兄も探求を諦めずもう少し研究していれば神の意図を理解できたはずなのだが、思考停止に逃げてしまったらしい。 残念なことだ。優歌が百億の昼と千億の夜の阿修羅のようにどこまでも神を追い求め、最終章で真の神(山本弘)と対峙してヨブ記よろしく問答を繰り広げれば、 なかなか面白いものになったと思うのだが…(面白さの質がトンデモ本的な面白さになる可能性もあるがw) > 優歌の主張には正しい点もある。「神は崇拝に値しない」という結論は、まったく正しい。彼女は僕の存在など知らないが、 >そんなことはいっこうにかまわない。彼女の創造主たる僕は、彼女の崇拝など欲しない。 > なぜなら、三樹夫と五星が加古沢より人間的に優れていたように、優歌は僕よりもずっと優れた人間だからだ。 >僕は彼女のように「不器用」には生きられない。彼女ほど真摯に現実に向き合ってはいない。それでも、彼女のようになりたいと願う。 > むしろ僕の方が彼女を崇拝しているとさえ言える。 ん~どうでもいいけどもう少し物書きらしい語り口はできないものなのかな?そもそも話がまとまってないし。 やっぱりこのテーマを描くのはあんたには早かったんだよ。
769 名無しさん sage:2004/03/11(木) 03:50 > 和久優歌という人間は実在する。 > 僕たちの住むこの世界ではないが、一層下のリアリティに、彼女は確かに生きている。 彼女は血肉を持ち、自由意志を有する存在である。 >僕は執筆中も、こうしている今も、それを疑ったことは一度もない。この物語を読まれていた間、あなたもそれを感じておられたはずだ。 >ページに印刷された文章と、あなたの脳のシステムが一体となり、独立した人格を形成していたはずだ。 > もし登場人物が作者の完全なあやつり人形だと信じておられるなら、あなたは創作というものを知らない。 >確かに創造した当初は、キャラクターの台詞や行動をいちいち作者が考えてやらねばならない。だが、いつの間にか彼らは作者の手を離れて動き出す。 >アドリブを言うこともあるし、どうしても喋ってもらわねば困る台詞を「喋りたくない」とごねることもある。そういう場合には、状況を変えてその台詞が >自然に出てくるように誘導してやる。あるいはキャラクターの意志を汲んでシナリオの方を書き換える。 ま、当たり前のことなんだけどね。なぜかといえば人間は誰もが自分を演じているから。自我とは一種のシミュレーターでありそれによって自分の行動の 結果を予想しながら人間は行動している。自分を自覚し「自分がこうした状況に置かれたらどう行動するだろう?」と考えるのは、そうした予測を 行うことで生存に有利になることから生物が発達させたシステムに過ぎない。そして同じシステムを他人のデータで駆動すれば「こういう場合○○さんは ~と行動するはずだから」という予測が可能となる。動物や無機物、さらに超越者に対してもこのシステムは適応できるし、当然小説のキャラにも適用できる。 誰にでも頭の中に自我という万能シミュレータがあるわけだ。 > この小説では特に加古沢に手を焼いた。こんなに暴走し、ごねまくり、作者に楯突くキャラクターも珍しい。 >やむなく、強引に彼の意志をねじ曲げて、喋りたくない台詞を無理に喋らせたこともあった。 俺の希望としてはAI問答の下りでお約束のボケかましまくりのシーンを何とかしてくれないかなぁ。 あのシーンがなければ1000歩ぐらい譲れば「加古沢は頭のいい人間である」を許容できなくもない。 正直、あのシーンで続きを読むのが辛くなったよ。 > 逆にうまく動いてくれなかったのが良輔である。なかなか自分で喋ってくれず、彼の台詞はいちいち僕が指導してやらねばならなかった。 >彼の人物造形は失敗したと思っていた。 ふーん、ああいうキャラはいいと思うけどね。こんどから自分が失敗作だと思うキャラをメインにしてみたら?案外ひょうたんからコマでウケるかもよw > ところが、最後の最後で、驚くべきことが起きた。 > 最終章の優歌と良輔の会話は、何年も前からシミュレートしていた。僕の頭の中にシナリオは完璧にできていた。二人はその通りに喋ればいいはずだった。 > ところが、そのシーンの終わりで、いきなり良輔がこんなことを言った。 >「それがお前の信仰か?」 悪いけど俺には兄の言動として一番違和感を感じたね。だからこれまでの論評でも無視していた。 うーむ、そう考えると心底拒絶したくなるシーンは批判の題材にさえしてないな。俺も甘い甘い。 > 誓って言うが、これは僕が考えた台詞ではない。良輔のアドリブだ。僕はびっくりしてキーを打つ手を止め、 >モニターの前で固まった。「え? そうなの?」と画面に向かって問いかけた。 > 僕はこの物語を信仰の否定で終わらせようと思っていた。だから良輔の口から飛び出した言葉はまったく予想外だった。 >僕の最初の意図には反する。しかし、考えれば考えるほど、それは正しい結論のように思えてきた。それでテーマにきちんと決着がつく。 >ジグソーパズルの最後の一片がはまったような気がした。僕は考えた末、そのアドリブを採用することにした。 なんというか…とてもじゃないが第3者が賛同できるような主張ではないね。まあ小説を書くにはこうした妄想というか盲信というか、アブノーマルな 精神状態も必要なのかもね。まああまり度を超えて現世に戻ってこれなくならないように。お大事に。
770 名無しさん sage:2004/03/11(木) 03:51 > 作者が思いつかなかったことをキャラクターが思いつく――こんな「超常現象」が起こるとは信じられないと思うのなら、 >繰り返すが、あなたはまだ創作というものを知らないのだ。 同じだと思うけどね。例えば自分が尊敬する人の思考をトレースして「この場合○○さんならどうするだろう?」と考えて行動することはよくある。 自分の思考パターンではなく望ましいと思われる他人の思考パターンを拝借して問題解決を図るわけだ。「超常現象」でもなんでもない。 人間の生きる知恵だよ。まあ洗脳なんかもある意味同じかもね。 > 自分のキャラクターから教えられることはよくある。もちろん、他人のキャラクターからも教えられる。 > フィクションの登場人物が現実世界の人間より劣る存在だということは、決してない。僕やあなたと同じく、彼らも実在し、 >泣き、笑い、苦悩する人間なのだ。だから「自分は実在している」というだけの理由で、彼らを見下すのは間違いである >(僕たちだって一層上のリアリティから見れば、架空の存在かもしれないではないか!)。むしろ彼らから学ぶべきことの方が圧倒的に多い。 どうでもいいけど、何をそんなに力説しているのだろう?何か琴線に触れるような出来事があったのだろうか…お大事にとしか言いようがない。 それともまさか「初めてキャラクターが自分より優れた存在である」と気づき、その感動を伝えたいのだろうか。感動を伝えるにしてももう少し心が 安定してから文章を書いた方がいいと思うが… > この世界自体もそうだ。子供時代の優歌が感じていたように、勧善懲悪のフィクションの世界の方が、僕たちの世界よりも正しいのである。 >僕たちは、この世界がフィクションのようではないことを、善や悪が必ずしも報われないことを、恥じるべきなのだ。 マジで大丈夫?それともこれもまた「フィクション」なのかな?(苦笑 フィクションの世界は単純化されているのだから、ある意味確かに「正しい」。それは理想化された思考実験が正しいのと同じだ。 誤差はゼロであるのが正しいし、空気抵抗が実験の本質に無関係な場合はそれがゼロに近いほど正しい。そういう意味で フィクションの世界は「正しい」。しかし物理の実験のような単純かされたモデルではこの世界のような複雑で多様性に富む構造を 構築できない。結局のところ単純なものを正しいとするか多様性に富むものを正しいとするか、という話しに過ぎない。 > 神の国――理想の世界は、雲の上にはない。それは僕たちの心の中にある。フィクションである。 この場合の理想の世界というのは物理の実験で滑車の摩擦や空気抵抗がゼロである、という意味でしかない。 それは人間が思考のために作り出した世界であり、人間がそもそも思考を行うのは目の前の複雑な問題に対処するためなのだ。 何が主で何が従なのかを取り違えてはならない。複雑さこそ本質であり、単純化されたモデルとは所詮手段に過ぎない。 これを勘違いし、現実を単純かしようなどと考えると、おかしな事になる。何しろ現実を単純化するのは存外簡単だから。 >僕たち人間は、間違った現実を正しいフィクションに近づけるために苦闘している。これまでも、そしてこれからも。 > 僕はそう信じる。 これこそ山本の一番の間違いに間違いない。単純さは思考のためにのみ存在する。思考は複雑さに対処するために存在する。 決して逆ではない。
771 名無しさん sage:2004/03/11(木) 03:58 >>765 > しかしながら mp3の普及と音楽業界の問題のように > 技術以外の社会構成が世の中を左右していると私には思えるのです。 > 電子ペーパー普及問題にも著作権問題や印刷業界などの構造転換が > 促進化されないと充分な代替手段にはなりえないと考えました。 技術以外の問題の構造転換の尻を叩くのはやっぱり技術革新だよw 妨げられる流れと妨げられない流れがある。山本じゃないけどwこの流れに適用できない 企業や業界は凋落すると思うよ。 > 個人的には 本などがかなり無意識的にも取り扱える道具なので、 > オールドタイプのツールにもオールドタイプなりの利点があると考えてます。 本って重いしかさばるじゃんw。学生時代には電車の中で読むためにいつも専門書を カバンに入れてたけど結構つらい。 著作権問題については電子ペーパーが普及しようとしまいと、何らかの対処に迫られるだろうね。 漫画をスキャナーで取り込むとか現在でもすでに行われているから。
772 名無しさん sage:2004/03/11(木) 03:59 総括 「神沈はフェノミナだった」 いや~なんか表紙の雰囲気からなんとなく疑ってたんだけどね。 「後書き」を読んで確信に変わりました。
773 名無しさん sage:2004/03/11(木) 05:48 > 作者が思いつかなかったことをキャラクターが思いつく――こんな「超常現象」が起こるとは信じられないと思うのなら、 >繰り返すが、あなたはまだ創作というものを知らないのだ。 似たようなことを言う作家がいます。えーと、あの平井和正ですがね(w 大袈裟に言ってるだけで、色々と考えてるうちに当初とは違うアイデアが浮かんだって だけのことですね。最初は漠然としか把握してなかったので、思いつかなかったが ある程度作業を進め、考えの土台ができ、練りやすくなった時により良いことをひらめくってのは 普通の仕事でもよくあることです。 また「あなたは創作を知らない」とのことだが、こういうことを言う人もいる。 作者は作品世界の神である。キャラクターの台詞も行動も全て私(作者)の中から出た ものであり、その全責任は私にある。 これもまた、創作にたいして真摯な態度をとってると思うのだが、違うのかな~。 オレは感動したが。これは同じく創作を生業とする作家、菊地秀行の言葉ね。
774 名無しさん :2004/03/11(木) 12:48 なんか山本の言うことって他人のパクリが多いよねえ。 有名作家達はン十年前からそんなこと書いてるよ。 「キャラが勝手にストーリーを作る」 「お筆先状態」 「面白い本がないから自分で書こうと思った」 平井も菊池も夢枕も栗本もね。 今更そんなこと書く事自体相当遅れているんじゃないか(w
775 名無しさん sage:2004/03/11(木) 14:02 >現実世界では、悪が罰せられないことがあまりにも多い。しかし、せめて自分の創造した世界の中だけは、悪が滅び、主人公の苦闘が報われるものにしたかった。この世界ではどうだろうと、フィクションの世界では、神は正義を行なうべきであると。 それじゃあ何か? 加古沢の巻き添えで死んだ人間たちも悪だったとでいうつもりか?
776 名無しさん sage:2004/03/11(木) 15:11 >>775 > それじゃあ何か? 加古沢の巻き添えで死んだ人間たちも悪だったとでいうつもりか? 真の神(山本弘)の考えを世間に知らしめるという目的のために死んだのだから、彼らは神の役に立てて幸せだったのだよw 神が宇宙をシミュレートする目的は神々同士の主義主張の広報活動だったというオチらしい。
777 名無しさん sage:2004/03/11(木) 15:16 まさにヨブ記の再現だね 優歌「なぜあなたは私たちに苦しみを賜れるのですか?」「なぜ私の両親は死ななければならなかったのですか?」 「なぜ加古沢が戦争を引き起こすことを止めず、引き起こした後に天罰をお与えになったのですか?」 山本弘「おまえに宇宙を創造する力があるのか?そんな無力な存在のお前が私を責めるのか?」
778 名無しさん sage:2004/03/11(木) 15:26 で、山本信者はさしずめ大した考えもなく盲目的に神の肩をもってヨブを責める愚かな人間達なのだろう。 「神が間違ったことをするはずがない。神があなたに苦しみを与えるのはあなたに落ち度があるからだ」とw どうでもいいけど、山本も年を取ったな、とつくづく思う。20年前の山本が今の山本の主張を聞いたらどう評価することやら。 当人は今の自分の考えの方が正しいと思っているのだろうけれど、20年前も同じように思っていたはず。そして20年後(あるのかしらないがw)も また同じように思うだろう。人の考えは変わる。自分とことなる意見を認めないということは結局、過去や未来の自分の意見も認めないと言うことであり、 裏を返せば過去や未来の自分から現在の自分の意見も認めてもらえないということになる。
779 名無しさん sage:2004/03/11(木) 15:41 現実ではなぜ悪が滅びないのか…これは「悪」というものが単純化された思考上のモデルとしてしか存在しないから。 ボーアの原子モデルが人間の頭の中にしか存在しないように。フィクションとは現実を単純化したモデルであって 現実そのものではない。そこでは現実を構成する大部分の複雑さは切り捨てられ、一面的なものの見方(これこそモデルの 本質だ)こそが正しいとされる。 しかし主従をはき違え、モデルこそ正しくそれに合わない現実は間違っている、と考えるに至ってはそこから何も生産的な 思考は生み出されないだろう。まるでそれは光りの粒子と波の二面性に気づいた科学者をすべて抹殺して光とは粒子である (ないしは波である)というシンプルなモデルを押し通そうとするようなものだ。 人間に物理法則を変える力がないように、社会の法則を変える力も待たない。しかし物理法則を理解すればそれを自分たちの 利益のために利用することは出来る。どうように社会の仕組みを深く分析し理解すれば、それを利用することが出来る。 人間にできることはこうしたささやかなことだけなのだ。そうしたささやかな積み重ねでここまで来た。それはこれからも同じこと。
780 名無しさん sage:2004/03/11(木) 16:32 ところでこの「あとがき」が何時の時点の山本の思考なのかを少し考えてみたい。手がかりはヨブ記だ。なんかメタミステリーじみてきたw この後書きで山本はヨブ記の前半と後半の神の振る舞いの不整合を、後半はヨブ記の筆者の願望ではないか、と述べている。 山本は以前自分のBBSで、この不整合をもとの物語の理不尽さをぼかすために後から別人が付け加えたものではないか、と述べている。 (こうしたことはフォークロアではよく行われることで、おおむね時代が下るにつれて整合性が整えられて理不尽さが消えていく傾向がある) ヨブ記に関する山本の2つの主張、後者は不整合があるから作者が別なのだろう、といわば短絡的な思考に思える。前者は 不整合も含めてそれらすべてが一つの完成された作品である、と見なしている。私は後者の思考が発展して前者に至った ように思える。少なくとも逆はないだろう。 つまりこの「後書き」は最近書かれたものであり、神沈の出版前後に書かれたものではない。おそらくぼんやりとした構想は 執筆当初からあったのだろうが文章に起こされたのはごく最近だろう。となるとそのきっかけが気になる。いずれは公表しようという 意図があったとしても、実際に公表に踏み切るにはなにかきっかけがあったのだろう。すなわち > ところが、この小説のメタ構造(『ヨブ記』や『出エジプト記』との重ね合わせ)に気がついていない人がけっこういるらしい。 >加古沢がなぜああいう死に方をしたのか、その理由が分からない人がいる。 この「気が付いていない人」が何を指すのか?という点。まあまさか私ではないだろうから、どこかでそうした質問や批判がなされ、 それが山本の耳に入ったのだろうか。 それにしても「メタ構造」とはたいそうな呼び方だ。その実体は >この世界ではどうだろうと、フィクションの世界では、神は正義を行なうべきであると。 >(『出エジプト記』において、神がエジプト王の心を操りながら、同時にエジプト人に罰を与えたことも、 >神とは作者のことだと考えれば矛盾はない。現代の小説においても、作者は悪を操りつつ、悪を許さないものである) つまり「小説家は悪を操りつつ悪を許さない」ことがメタ構造らしい。なんともはやw勧善懲悪の小説では当たり前の ことだと思うのだが、山本にとってはこうした当たり前のことが分からない人がいるように思えるらしい。 そもそも山本が神沈内で主張している「神の理不尽さ」の大半はこの「勧善懲悪」原理で説明可能であり、それこそ誰でも 分かることに過ぎない。それを敢えて否定し「神は自己主張(だか教育目的だか娯楽だかはさておき)の目的でむやみに 人を殺したりしないはず」というのが神沈の「設定」ではないのだろうか。そうでなければ優歌は早々にこの結論にたどり着き、 満足したはずなのだ。この説を優歌がひたすら却下する妥当な理由は小説内では語られていない。つまりそれは山本が そう設定したからであり、この小説内での決まりなのだ。 「加古沢がなぜ死ななければならなかったか」という問いを発した人間が求めている答えは、当然この小説内での 理由を尋ねていると思われる。「悪人を放置したくないから(作者が)始末した」というのは山本が言うように誰でも 分かることであり敢えて問う意味はない。小説内の(すなわちその設定が有効な範囲内での)説明を求めているはず。 それに対して「それは作者の都合だ。そんなこともわざわざ言わないと分からないのか」では説明になっていないと思うのだが(苦笑 SF設定に関する議論でもしばしば思うのは、山本は相手がどの次元で議論を求めているか?ということを理解できないらしい。 例えば数学でこの公理を前提として議論をしましょう、という場で「そもそもその公理が正しいのか疑わしい」などという発言は 意味を成さない。公理を前提とした議論と公理の妥当性に関する議論は別のものであり、これを混同してしまえば正常な 議論は不可能になってしまうのだから。 議論の前提を崩すような主張は正しい議論ではない。なぜならそんなことをすれば何でも主張できてしまうから。 そのルールに則れば「正しいことは主張できるが間違ったことはうまく主張できない」というのが正しい議論のルールなのだが… 恐らく山本はこうした正しい議論の方法を人生の中で学び損ねてしまったのだろう。残念なことだ。
781 K.K sage:2004/03/11(木) 19:39 >>775 >それじゃあ何か? 加古沢の巻き添えで死んだ人間たちも悪だったとでいうつもりか? 山本さんの言い訳の予想。イソップ寓話で以下のようなものがあります。 ---------- ある悪人が船に乗っていた。神は悪人を罰するため、船を沈没させた。悪人は死んだが、乗り合わせた善良な乗客も巻き添えになって死んだ。 これを知ったある人が、叫んだ。 「神は、たった一人を罰するために、大勢の善良な人間を殺すのか!」 そのとき、その人の足を一匹のアリが噛んだ。痛みに怒ったその人は、そのアリを踏み潰したが、周りにいたアリたちも踏み潰した。 神が、その人の前に現れて言った。 「お前の足元を見よ。これでもお前は私のしたことが間違っていると言うのか?」 ---------- と、こんな話を持ち出しそうな気がする。 ところで、本編で語らなかったことを、後で「実は…という設定になっている」うんぬん言うのは、なんだかなあ。そんなのは「なんでもあり」であって、むしろ本編の失敗が際立つだけだから止めたほうがいいと思うんだけど。 秘密の設定至上主義、後付説明主義、・・・。読者を馬鹿にするのは止めてもらいたいものだけど。でも今までの経緯を考えると、それらが改まることはないんだろうな。ふう。
782 K.K sage:2004/03/11(木) 19:57 P.S. あるいは、 ---------- 重い荷物を背負って遠い道を歩いてきた老人がいた。老人はついに疲れ果て、荷物を放り出して座り込み、死神の名前を口にした。 死神が現れて老人に問うた。 「お前を連れて行く前に、私を呼んだ理由を訊いておこう。」 老人は、飛び上がるように立ち上がって叫んだ。 「荷物を持ち上げていただくためです!」 ---------- っていう感じで、あとがきなんかを書く気を起こしたのだろうか? ---------- 溜め込んだトンデモ知識を詰め込んだ本を書いた作家がいた。SF以外の知識がなかった作家の本はとても評判が悪かった。作家は悪評に疲れ果て、ある掲示板に八つ当たり投稿を繰返した。 別の掲示板で批評があった。 「買って読んだが、なぜ宗教などについては素人同然の知識しかないのかね?」 作家はあわててあとがきを書いた。 「神は勧善懲悪という裏設定があるのです! ほかにもいっぱいあるんです!」 ----------
783 名無しさん sage:2004/03/11(木) 20:08 というか山本は自分であの作品では神に関する整理が全く付いていないことを白状したようなものだ。 真の神(山本弘)と作中の登場人物が「神」と呼んでいるモノは同一なのか別なのか。別なら真の神は作中の神の上位に位置するのか。 上位に位置するなら、たかだが人間レベルの知能しか持たない真の神が地球規模の頭脳を持つと作中で語られている神の上位に位置することが 可能なのか。それとも「地球規模の頭脳を持つ」という兄の推論さえ間違いなのか。すなわち人間レベルの頭脳でも仮想世界を構築可能なのか (これについては俺は可能だと思うけどね。誰でもやっていることだ。妄想として)。 結局の所山本は「後書き」を書くことで神沈の主題であった「神はいてもいなくても人間には関係ない」を否定してしまった。 優歌や兄がそう結論したのは探求を途中で放棄したからに他ならない。神は人間と同じ価値観を持ち、善意に満ちておりその全能 なる力(作品の設定を否定できるほどの)を持って報いられ悪行は罰せられる。これは宗教の肯定そのものだ。 神を否定した小説に神を肯定する後書きを書かなければならないのは、山本自身が神の追求に失敗していることに他ならない。 山本もまた優歌や兄と同様に志し半ばで神に対する追求を放棄してしまったのだろう。となると山本の分身たる優歌や兄も 一度は「この世に神はいない」と結論したが、時間が経つにつれて再び迷いが生じ、今頃はまた「なぜ神は自分の両親を死に至らしめたのだろう」と 悩んでいることだろう。 これはまるで自己啓発セミナーではないだろうか?自己啓発セミナーではあれこれエキセントリックな体験を通してこれまでの悩みが 解決されたかのような錯覚に陥る。しかし時が経つにつれて実は何も問題が解決していないことに気づく。自己啓発セミナーは 破格的に最大限好意的に評価しても「一時的な痛み止め」に過ぎない。痛み止めでは病は治らない。神沈に感動したという 読者も少なからずいるようだが、彼らもと気が経つにつれて得られた答えは表面的なヒューマニズムに頼ったごまかしでしかなく、 なんら問題が解決していないことに気づくことだろう。 山本も何も好きこのんで自分の作品を駄作以下にまで貶めることもないだろうに…
784 名無しさん sage:2004/03/11(木) 20:41 神沈の世界の神が善意を持っているなら、我々の世界の神も善意を持っていてもいいはずだよね。 科学者たちがこれまで「ただの偶然」と切り捨てていたのもすべて神の意志で、科学者達は優歌と同じ過ちを犯しているんだね。
785 名無しさん sage:2004/03/11(木) 20:42 それともまさか神沈はフィクションだから神は善意に満ちているけど、我々の世界はフィクションじゃないから神はいない…とか言い出すのかなあ。 まるで加古沢そのものw
786 名無しさん sage:2004/03/11(木) 21:04 以前私はAI問答の加古沢のちぐはぐさについて「兄に会うのが嬉しくて一夜漬けで知識を仕入れてきた」と考えれば まあつじつまが合わないことはないと書いた。この箇所の加古沢の言動は「自らネタにされるためにボケまくっている」としか 言いようがないから、それを何とか説明するための苦肉の策だった。もちろんメタwな理由はAIに関する基本的な知識を 読者に説明するためだが。 しかし考えてみれば賢い人間が一夜漬けの知識でその分野の専門家に対抗しようと思うだろうか? この箇所の加古沢は兄との会話を勧めるために形式的に兄に反論しているわけではなく、本気で兄の見解に 異を唱えている。南京虐殺ではあれほどクールに相手の感情さえも利用して議論に打ち勝ったのだが。 加古沢は「自分は頭がいいのだから一夜漬けの知識でも専門家に対抗できる」などとうぬぼれるタイプでは ないはずなのだが。 いくらなんでも山本はこの箇所の加古沢の言動の奇妙さに気づいているだろう。しかし直すことはしなかった。 多分最初は「この辺りでAIの説明をさせがてら加古沢vs兄の議論をさせて…」と安易に考えていたのだろう。 ところが書いてみてそれでは加古沢のキャラクター的におかしいことに気づいた。しかしスケジュール的に この部分の構成を練り直す時間がなかった、というところだろう。
787 名無しさん sage:2004/03/11(木) 23:52 あのあとがきが後から出てきた理由はもっと単純だと思うけどね。 日常的に超常現象が発生する世界になってしまってるのに、 今までだってやって来れたんだからこれからだってやっていけるという結論がおかしいことを指摘されて 慌てて言い訳を並べてるだけだと思うな。 神がいてもいなくても人間には関係ないという結論は、現代でなら通じるが、 小説のラストの世界では通用しない、だから主人公達が実は間違ってたということにするしかなくなった。 うっかりしてました。ごめんなさい。といえば済むことなのに、何が何でも正しいと言い繕おうとして 墓穴を掘ってるようにしか見えない。
788 名無しさん :2004/03/12(金) 00:14 はーい、みなさん。この男はこんな事を言ってますよ~。↓ -------------------------------- ☆ 反面教師 / 山本弘 [近畿] うーむ、番組内容だけでもアレなのに、監督のオコトバがさらにスパイスとなって、トンデモ風味を醸し出しておりますな。 その昔、富野監督が新作を作るたびに「○○は失敗作です」と発言していたことがあって、アニメ・ファンから「また失敗作かよ」「成功作はいつ作るんだ」とツッコまれてたもんでしたが……。 福田監督も素直に「『SEED』は失敗作です」って言ってれば、こんなには叩かれなかったんじゃないでしょうか? 「いやあ、クルーゼの性格や行動、破綻しちゃってますよねえ。あれは説明不足だったよねえ」 「ターゲットがマニアなのか子供なのか、リアルな戦争ものをやりたいのかスーパー・ロボットものをやりたいのか、自分でもはっきりしなくて」 「戦争というテーマを描くのは、自分の力量では難しすぎて、最後は投げちゃいました。ごめんなさい」 とか言ってれば、ファンは「しょうがねえなあ」と苦笑しただろうけど、少なくともこんな騒ぎにはならなかったと思うんですが。 まあ、本当は自分でも気がついてるけど、立場上、なかなか「失敗だった」と言い出せないって可能性も考えられるけど、それにしたって、もうちょっと言い方ってもんがあるでしょうに。 あ、でも、いいこともある。これ、絶好の反面教師だ(笑)。これからアニメを作る監督(アニメにかぎったことじゃないけど)は、福田監督をまねしないように気をつければいいんですよ。 ・番組のコンセプトは最初から明確に。 ・どんな層をターゲットにしているかを忘れてはいけない。 ・どんな世界を創ってもいいが、自分で創った世界観は守れ。 ・視聴者に正しく伝えること。不必要な混乱を招くような描写や展開をやってはいけない。 ・「そんなの聞いてねえ」な設定を番組終了後に持ち出すのは反則。番組の中で語れ。 ・前の発言と矛盾することを言わない。 ・視聴者の深読みや好意的解釈に期待するな。 あー、なんかこうやって並べていくだけで、「正しいアニメを創るための○カ条」ができそうな……。 ------------------------------ それでは凄腕職人のみなさん、山本風批判の作成よろしく!
789 尾崎晃仁 sage:2004/03/12(金) 00:27 >>742 >聖書の教えを正しいと考えている人は神が実在し聖書がその正しい記録だからそう思っているのではない。 聖書に書かれた人の生き方や価値観に妥当性を認めるから正しいと考える。だからそこに書かれている 事柄が事実なのかとか神が実在するかとかはあまり意味がない。フィクションの登場人物の生き様に感動し、 自分も同じように正しく生きよう、と感銘にうちふるえている人間に「それは作り話なんだよ」といったところで 何か意味があるのだろうか。フィクションだから意味がないというなら小説や小説家など意味がないだろうに。 これって『戦ミレ』のバレンタイン神父の言葉=山本弘の主張と同じことだと思うんですけど。
790 名無しさん sage:2004/03/12(金) 00:56 >>789 神沈ではなぜか山本はそうは考えないんだよね。もともとどっちかが真意ではないのか、最近になって考えが変わったのかw
791 名無しさん sage:2004/03/12(金) 01:05 基本的に神沈の世界は我々の世界とは違うのだろうね。神が実在していなければ宗教はあってはならないという設定なのだから。 ただしそれは神沈にとどまらず山本のリアルワールドでの脳内世界でもある。彼は我々とは別の世界に生きている。 柳田の本を鵜呑みにして科学を人々が誤解してしまう世界。放射線と放射能を混同すると何かとてつもない害悪に襲われる世界。 占星術が(以下略 なんだか○○恐怖症じみている。さしずめ疑似科学恐怖症なのかもしれない。彼にとっては「自分が我慢すれば済む話ではなく、 自分以外に悪影響を与える」ことが恐怖なのだからいっそうたちが悪い。悪影響恐怖症ともいえるかもしれない。ま、誰でも年をとると 考え方の柔軟性が失われ自分の決めた価値観に偏執するようになるものだ。だから「山本も年をとったな。若いころの山本が今の 山本を見たらどういう感想を抱くだろう」とw
792 名無しさん sage:2004/03/12(金) 01:07 ところで山本のサイトにあるポケタミの説明がいまいちよくわからない。カメラの位置が特に。
793 名無しさん sage:2004/03/12(金) 02:41 ポケタミはGBアドバンス形状と言うから、SPの形をまず連想したが、「観音開き」と いうから普通のアドバンスなんだね。だけど観音開きじゃヒンジが少しズレただけで 閉まらなくなっちゃいそうで普通に折り畳みでいいんじゃないか? あと有機ELディスプレーだったら 「展開部によって影ができるので、モニターが少し見やすくなる」部分は無視できる。 DSTNじゃないんだから(w まあせっかく考えたんだから書いても間違いではないけどさ。
794 名無しさん sage:2004/03/12(金) 02:50 あれって厚み方向にレンズが来るんだよね。となると結構分厚い気がする。折りたたみ式なんだから全体の厚みはほぼ2倍だろうから、 かなり分厚い。折りたたんだ状態で3cmぐらいあるのかな。なんかもっとエレガントな形をイメージしてたんだけど。
795 名無しさん sage:2004/03/12(金) 02:53 そもそもGBAなら10年後じゃなくても現在の技術でできているし…作中のポケタミの機能でGBAで無理なのは口述筆記ぐらいかな。
796 名無しさん sage:2004/03/12(金) 03:02 >>788 > ・どんな世界を創ってもいいが、自分で創った世界観は守れ。 他人がルール違反をすると失敗作だといい、自分のルール違反(設定を無視した作者の作品への直接介入)をすると 「それは敢えてルールを破っているんだ」という。無敵君ですなw > ・視聴者に正しく伝えること。不必要な混乱を招くような描写や展開をやってはいけない。 神沈の大量のウンチクは読者に混乱を招いていると思うけどな。 > ・「そんなの聞いてねえ」な設定を番組終了後に持ち出すのは反則。番組の中で語れ。 …(蛇足になるのでわざわざ書きませんw) > ・視聴者の深読みや好意的解釈に期待するな。 どうでもいいけど、山本がさかんに盛り上げようとしている「神沈の隠しネタ探し」は全然盛り上がらないねぇ。 ま、10年後ぐらいに唐沢兄がB級作品として紹介してくれることを期待しようかなw
797 名無しさん sage:2004/03/12(金) 03:14 >☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / のぞみま [東海] No.17604 - 2004/03/11(Thu) 23:02 [fjm0855.fjmcr1.thn.ne.jp] > >イノセンスを見てきました。今回は聖書からの引用は少なめでしたが、おもわず文語訳聖書を買っちゃいました。 >¥4800+税と、それなりのお値段。まぁ以前から欲しいとは思っていたんでいいんですが。 >で、ここからが本題。 >『神は沈黙せず』の読後ずっと気になっていた、例のヨブ記のあの部分。チェックしてみました。さいわい家族がクリスチャンなので、文語訳以外はそろっていて比べられます。 >以下にならべてみると…… > >文語訳「われ汝の事を耳にて聞きゐたりしが 今は目をもて汝を見たてまつる ここをもて我みづから恨み 塵灰の中にて悔ゆ」 >口語訳「わたしはあなたの事を耳で聞いていましたが、今はわたしの目であなたを拝見いたします。それでわたしはみずから恨み、ちり灰の中で悔います」 >新改訳「私はあなたのうわさを耳で聞いていました。しかし、今、この目であなたを見ました。それで私は自分をさげすみ、ちりと灰の中で悔い改めます」 >新共同訳「あなたのことを、耳にしてはおりました。しかし今、この目であなたを仰ぎ見ます。それゆえ、わたしは塵と灰の上に伏し自分を退け、悔い改めます」 > >(ちなみに並べた順が訳された順) >新改訳と新共同訳が小説で引用もされた誤訳ですね。ところが文語訳およびそれを単純に口語にしただけの口語訳は、必ずしも誤訳とは言い切れないようにも思えます。 あらら。ほーら誤訳説を鵜呑みにしちゃった人が現れた。社会的に有害な作品だ。 前にも書いたけれど、前の方を読めばヨブは重い皮膚病にかかっていたので竈の塵灰の中に横たわっていたとある。 つまり灰まみれなのはこのためで、もちろんこれは偉大な神に対してヨブの卑小さを際だたせる作者の演出なのだが、 ちゃんと皮膚病という「設定」が活かされてすばらしい演出だ。 >「ここをもて我みづから恨み 塵灰の中にて悔ゆ」 >ですから、すくなくとも「悔い改め」てはいない。あくまで悔いて悔やんで後悔してるだけ。ですから塵灰=死すべき肉体であることをふまえますと、 >「てめーを信じた俺がバカだった。死すべき肉体の中で(俺は)激しくがっかりしてんよ」 >と、イノセンス見たあとだけにGHOST IN THE SHELLな感じで、原意に近い形で読み取ることも可能かと。 >みなさまどう思われますか? そりゃ日本語の意味論でしかないだろうに。まさか「誤訳」というのが「日本語訳の誤訳」だと思っているんだろうか。 さすが山本の元に集う奴は知能が高いなw
798 名無しさん :2004/03/12(金) 04:02 >「てめーを信じた俺がバカだった。死すべき肉体の中で(俺は)激しくがっかりしてんよ」 山本信者ってほんまにアフォだな。 ヨブは最後まで信仰を捨てなかったから 最後に救われたわけで、 物語全体を読んでいれば こういう捻くれた読み方にはならないはずだが・・。 上記の見解だと 神は悪魔との賭けに負け、当然 ヨブは救われない (つまり結末が変わってくるわけで明らかな誤読) 原書で確認するならいざ知らず、瑣末な断片だけで論じるとはなぁ・・。 拾い読みしかしない悪い癖だ
799 名無しさん sage:2004/03/12(金) 04:29 結局山本も既に成されている聖書に関する広範囲は研究成果をろくに調べもせずに、たまたま自分の価値観に 合ったトンデモ説を鵜呑みにしてしまっているわけで、これじゃあUFOとか超能力とかを「不思議ことがある方が面白い」という 安直な理由で信じている人間を馬鹿には出来ないだろうね。
800 名無しさん sage:2004/03/12(金) 04:34 ヨブ記が誤訳だなんだというのは、昔邪馬台国問題で魏志倭人伝の些細な表記、日本語でいえば「○○国に至る」と「至○○国」の表記の違いにこだわって、 2つの表記は意味が違うという説を展開していた人がいたが(今もいるが)、それと同じ。深読みのしすぎはトンデモの始まり。
801 名無しさん sage:2004/03/12(金) 06:06 邪馬台国の話をさらにいえば、現存する魏志倭人伝では邪馬臺国が邪馬壱国と誤記されている。 これを誤記ではなく邪馬一国という国が本当にあったのだと主張している人もいる。 しかし現存する魏志倭人伝よりも古い時代に他の資料に引用されている文ではちゃんと邪馬臺国と なっているのだから、これは魏志倭人伝を連綿と書写していく過程で生じたミスというのが通説になっている。 通説はそれなりの妥当性があるからこそ通説となっているのであって、トンデモ説を主張する人間がよくやるように ろくに裏付けも取らない単なる思いつきではない。 現存するヨブ記の原文が正しい保証はないし、そもそも原著者がそう表記したとしても原著者自身が言葉の使い方を 間違えた可能性もある。そもそも古代の用語法が100%研究しつくされているとはいえないし、現代でも文法的に 正しくない表記は沢山ある。それこそ誤った使い方をされた「役不足」や「情けは人のためならず」をこれは正しい意味で 解釈すべきだ!と固執して逆の主張にしてしまうようなもの。 結局の所「こう書いてあるから絶対こうなのだ」という安直な思考では歴史的資料の検証など出来ず、さまざまな 関連資料から総合的に判断するしかない。 山本の作品を読んでヨブ記誤訳説を鵜呑みにしてしまった人はご愁傷様としかいいようがない。初めて手に取った 相対論に関する本が相間さんの書いた本だったとか、初めて読んだ南京虐殺に関する本が小林よしのりの本だったとか、 初めて読んだノストラダムスの本が五島勉の本だったとか、初めて(以下略)と同じぐらい、当人にとっては不幸な出来事といえよう。
802 名無しさん sage:2004/03/12(金) 07:38 http://sazanami13.fc2web.com/rec/rd68.html >優しい養父母にも頑なに心を閉ざし、境遇の不幸をもって、「神は善であり、全知全能のはずだ。しかし善 >人が不幸となる。不幸となるを回避しない。だから神はいない。」とする。 >「神の存在」を問う導入部としては、表面的過ぎて読み進めることへの興を削ぐ。 すべからく山本の小説はストーリー構成が安直。 >日本軍による南京代虐殺の真偽に関してのネットバトルにより、ネタレにして19歳の小説家、加古沢を天 >才とするが、その論法は稚拙で、会話も天才とするだけの知性を感じさせず、狭い視野からしたり顔で宗 >教を論じており独善的であるだけにかなり不愉快である。 まさに登場人物は作者を超えられない。山本はキャラクターは自分以上の存在であるなどといってるが、 それは山本本人の視点で見ているからであって、所詮ドングリの背比べに過ぎない。 >登場人物の会話によって、メインへの導入、展開を図ることに無理があるのかもしれない。山本弘氏は、 >性格付けした人物の会話が上手くないようである。どれも読者を鼻白ませる。 >葉月はおもしろいキャラクターなのであるが、彼女のセリフもどうであろう。総じて、語らせすぎなのである >。多くを語らせるばあい、その人物造形が破綻無くできていなければならないのだろう。 キャラクターに関していえば優歌、加古沢はよくできているね。何しろ山本本人そのものだから。 それに対して葉月は一種の優歌のアンチテーゼだから山本にはうまく描けないのは当然。 それにしては同じく山本本人に対するアンチテーゼ的存在の兄の描写にはそれほどアラが見えないのは 兄が寡黙だからだろうか。実際AI問答の箇所では他の兄の性格とはちょっと違い、攻撃的/嘲笑的側面を かいま見せる。山本にすごくよいアドバイスを与えよう。自分と異なる性格のキャラにはあまりしゃべらせないことだ。(笑
803 名無しさん :2004/03/12(金) 07:52 まともな学術書なら、 ○○の何々から引用と引用箇所を明記するのが普通なんだが、 こういう事もせずに孫引きしてるから専門家に相手にされない>山本センセ (多分 学術的な専門書を書いた事がないから知らないんだろう) 専門書の書き方を知らない人間は、こういう基本的なやり方を知らないから 山本センセに知識があるように煙に巻かれてしまう。 でもタネ本とかが判る人には頭が空っぽなのが即ばれるんだよなー センセが自分でまとめた内容でない 他人の受け売りなのが判るし、 付け加えたセンセの意見が罵倒のみってのが浮き彫りになる。 それでも騙される信者がいるわけだが。
804 下手の横好き sage:2004/03/12(金) 12:14 >>788 ☆ 反面教師 / 山本弓ム[界王星] うーむ、小説内容だけでもアレなのに、作者のオコトバがさらにスパイスとなって、トンデモ風味を醸し出しておりますな。 その昔、自称SF作家が新作を作るたびに「こんな手間のかかる○○、二度とごめんです」と発言していたことがあって、山本教信者から「いえいえ、最高傑作でしたよ」「書きたくない続編より、氷付け美少女のロリ小説の方が読みたいでーす」と太鼓持ちをされたりしてたもんでしたが……。 山本信者も素直に「『神沈』は失敗作です」って言ってやれば、こんなには醜態を晒さなかったんじゃないでしょうか? 「いやあ、加古沢の性格や行動、知的レベル、破綻しちゃってますよねえ。あれは説明不足だったよねえ」 「ターゲットがトンデモ本ファンなのか少女好きのロリコン信者なのか、ハードなSFものをやりたいのか蘊蓄ものをやりたいのか、蘊蓄は肉なのかつなぎのパンなのか、自分でもはっきりしなくて」 「神というテーマを描くのは、自分の力量では難しすぎて、最後は神の神(自分)に逃げちゃいました。ごめんなさい」 とか言ってれば、アンチは「いつものこと」と無視しただろうけど、少なくともこんな言訳にはならなかったと思うんですが。 まあ、本当は自分でも気がついてるけど、性格上、なかなか「考えていなかった」と言い出せないって可能性も考えられるけど、それにしたって、もうちょっと言い方ってもんがあるでしょうに。 あ、でも、いいこともある。これ、絶好の反面教師だ(笑)。これから読者を小馬鹿にする小説家は、山本弘をまねしないように気をつければいいんですよ。 ・小説のコンセプトは最初から明確に。それを指摘されたからって、信者の頭が悪いことのせいにしてはいけない ・ロリコン信者層をターゲットにしていることを忘れてはいけない。それを指摘されたからって、信者の頭が悪いことのせいにしてはいけない ・どんな世界を創ってもいいが、自分で創った世界観は守れ。それを指摘されたからって、信者の頭が悪いことのせいにしてはいけない ・読者に正しく伝えること。不必要な混乱を招くような描写や展開をやってはいけない。それを指摘されたからって、信者の頭が悪いことのせいにしてはいけない ・「そんなの聞いてねえ」な設定を小説出版後に持ち出すのは反則。小説の中で語れ。それを指摘されたからって、信者の頭が悪いことのせいにしてはいけない ・前の発言と矛盾することを言わない。それを指摘されたからって、信者の頭が悪いことのせいにしてはいけない ・信者の深読みや好意的解釈に期待するな。それを指摘されたからって、信者の頭が悪いことのせいにしてはいけない あー、なんかこうやって並べていくだけで、「正しい小説を創るための○カ条」ができそうな……。
805 名無しさん sage:2004/03/12(金) 13:08 >>789 > これって『戦ミレ』のバレンタイン神父の言葉=山本弘の主張と同じことだと思うんですけど。 だから「昔の山本が今の山本の主張を見たらどういうだろう?」ってことを繰り返しいっているのだけどね。 「トンデモ本の世界」の第1巻を書いた時は少なくとも表面上はもう少し体裁を繕っていた。 ところが50歳大台も見えてきた昨今、山本は社会派を気取りたくなったのだろう。社会の敵「疑似科学」を排除すべし、という 使命に燃え、それを自分の存在価値と位置づけるようになったようだ。年を取り自分の感性が枯渇すると「社会派」を 気取りたくなるものだ。なぜならそうしないと飯が食えないから。
806 名無しさん sage:2004/03/12(金) 13:20 ところが悲しいかな「社会の敵」を攻撃する手法が中学生レベルなのでそこらじゅうから失笑を買っている。 揚げ足取りで内容を誹謗し著者の人格を貶めるのはいわばリンチのようなもの。自分の独断で社会の敵と見なした 人間や著作物をリンチにかけているのが山本弘なのだ。 尤も神沈の失敗は山本にいい薬になったと思いたいけどね。どうも山本は自分が本気になればそこらの トンデモさんよりもずっと人々が信じ込んでしまうようなトンデモ説をぶち上げられ、トンデモ説を安易に 信じ込んでしまう人間を扇動することは容易だと思っている節がある。ところが神沈でやってみたらものの見事に はずれてしまった。 ここで自省できるかが今後の山本の人生を決めるだろうね。性懲りもなく「あとづけ」じゃなかったw「あとがき」を 書いているところを見るとまだ悪あがきしているようだけど、さっさと負けを認めてゼロから再出発した方が いいと思うけどね。
807 名無しさん sage:2004/03/12(金) 16:47 長期間SF作家をやっていまだにヒット作がないということは、山本は作家として 完全にダメだと思うのだが。ジャンプでは新人を連載させて十週間のアンケート調査で 下位のままなら確実に見切られる。山本を飼っている出版社は面倒見がいいというか(w さて、このまま作家としてやっていっても手詰まりなのは間違いない。ならばオカルト 派にくら替えするのも一手だ。 「実は私の目から見て素晴らしい新興宗教がある」と言い、馬鹿な山本信者を引き連れて 入信するのだ。百人でも入れれば幹部に採りたててくれるだろう。 そして敵対する宗教の揚げ足取りを得意のヒステリックな文章で行うのだ。 教祖も山本を重宝してくれると思うのだが。
808 尾崎晃仁 sage:2004/03/12(金) 18:12 >>790 、>>805 『戦ミレ』も『神沈』も「神が実在しようがしまいが関係ない」という 結論です。違っているのは、バレンタイン神父や摩耶、ガンチェリーが クリスチャンであるのに対して、優歌が信仰を持っていないという点でしょう。 山本先生が批判しているのは、宗教ではなくて、創造論者などの原理主義者 ですね。
809 名無しさん sage:2004/03/12(金) 19:31 >>808 > 『戦ミレ』も『神沈』も「神が実在しようがしまいが関係ない」という > 結論です。 優歌がそうは考えないのが感情移入できない原因の一つだろうね。 リアルワールドで神が実在するから宗教を信じている人間はいない。神の実在性を問題にするのはオカルティストであって 宗教家ではない。ところが山本本人も山本の小説の登場人物も、そうは考えない。神が実在しているから宗教が存在すると 思い込んでさんざん大騒ぎしたあげく、神は実在しないと最後に結論する。だから読者はシラケるばかり。盛り上がってるのは 山本とその小説の登場人物だけだ。 > 違っているのは、バレンタイン神父や摩耶、ガンチェリーが > クリスチャンであるのに対して、優歌が信仰を持っていないという点でしょう。 山本は神沈でキリスト教も否定してるわけだけど?少なくともヨブ記の解釈を否定しているよね? 何度も言うがキリスト教を信仰している人間は神が実在しているから信仰しているのではない。人間の作り上げた キリスト教という倫理体系を妥当だと認めるから信仰しいてる。それに対して山本はあくまで神の実在性を問題にする。 ヨブ記の解釈を矛盾だとする。そして既存の宗教を否定している。 山本が否定しているのは山本版キリスト教であり山本版ヨブ記であり山本版宗教であって、リアルワールドの キリスト教やヨブ記や宗教ではない。ついでにいえば否定しているのは山本版南京虐殺否定論者であって 現実の南京虐殺否定論者ではない。 > 山本先生が批判しているのは、宗教ではなくて、創造論者などの原理主義者 > ですね。 いいや違うね。(山本版の)キリスト教などの既存の宗教全てだよ。いかんね。そんな好意的に解釈して作者を甘やかしては。 ついでにいえば神沈は創造論の否定にすらなっていないと思うけどね。いったいどこら辺が創造論の否定になっているのかい? 神沈の描いた世界は創造論そのものだ。神沈はハリボテの世界なのだからね。しかも神が次々に起こす「奇跡」に科学者は 無力だ。あのレポートを書いている2024年の優歌が生きている世界は科学は大きく信用を落とし、さまざまな宗教や疑似科学が 我が物顔で跋扈する世界のはず。それみたことかと既存の宗教は権勢を回復し、新興宗教は雨後の竹の子のように林立し、 科学はたかだた一つの新興宗教程度の勢力に落ち込むことだろう。 俺はどこかの新興宗教が信者への教材として神沈を使ったとしても不思議だとは思わないよ。え?新興宗教の 潜入取材の下りはどうするのかって?そりゃあそんなまやかしの宗教と自分らの宗教は違うんだから全然OK。きっとこんな風に まやかしの邪教にハマらないようにしましょうと教育するに違いない。 こう考えると山本は結局何が書きたかったのだろうね?
810 名無しさん sage:2004/03/12(金) 19:46 もうすこしいえば、山本の創造論批判は基本的に戦術を間違っている。創造論は否定できない。どうやってもね。 科学の優位性を訴えるなら科学の方が(少なくとも物質的な)実利がある、という方向で論を進めるしかない。 となれば恐らく創造論側は、いくらなんでも物質的な利益で科学に対抗するのは無謀だと分かっているだろうから、 精神面での利益を持ち出すことだろう。もちろん俺は科学は人間の精神面でも豊かさをもたらしてくれると「信じて」 いるが、残なんながらそれを科学的に証明することは出来ないだろう。少なくとも宗教よりも科学が優れていると 証明することは不可能。 結局科学と宗教は全く異質のものなのだから一方の理屈で他方を否定することは不可能なのだよ。 山本はその無謀な試みに挑んでは敗北している。それが山本の信仰なのだろう(笑
811 名無しさん sage:2004/03/12(金) 19:56 もし(そんなことはありそうにないが)この戦いに決着が付くとすれば、それは両者を包含する知識体系が構築された 時だろうね。つまりどちらが勝者でどちらが敗者というような決着はあり得ない。宗教と科学の大統一理論の それぞれの近似式が現在の科学であり現在の宗教というわけ。まるで光りが粒子か波かという論争を思い起こさせるね(笑 この喩えでいえば光を粒子として扱うことが望ましいケースで波動として扱っては適切な結果を導けないということ。 適材適所。大切なのはそれぞれが近似にすぎないという謙虚さを持ち、どちらの近似モデルを適用するのがより適切かを はき違えないこと。
812 名無しさん sage:2004/03/12(金) 20:07 >>809 > 宗教家ではない。ところが山本本人も山本の小説の登場人物も、そうは考えない。神が実在しているから宗教が存在すると > 思い込んでさんざん大騒ぎしたあげく、神は実在しないと最後に結論する。だから読者はシラケるばかり。盛り上がってるのは > 山本とその小説の登場人物だけだ。 この辺りをもう少し簡潔に言えば山本の主張はこんな感じ。 優歌「どうして太陽や惑星が地球の周りを回っているなら、こんな理不尽な運動をするのだろう」 「そうだ、実は地球の方が太陽の周りを回っているんだ!太陽が地球の周りを回っていると信じている人たちは皆間違っている!」 兄「それがおまえの宗教かい?」「それなら俺は信者になろう。」 めでたしめでたし 優歌、よくそこまで成長した。感動した!(苦笑
813 名無しさん sage:2004/03/13(土) 00:12 >>780 >> ところが、この小説のメタ構造(『ヨブ記』や『出エジプト記』との重ね合わせ)に気がついていない人がけっこういるらしい。 >>加古沢がなぜああいう死に方をしたのか、その理由が分からない人がいる。 > >この「気が付いていない人」が何を指すのか?という点。まあまさか私ではないだろうから、どこかでそうした質問や批判がなされ、 >それが山本の耳に入ったのだろうか。 「気が付いていない人」は、NOVAなんじゃないかな? 「『神は沈黙せず』について2」のスレで、NOVAが加古沢の死に疑問を投げかけてるよ。 http://freebbs.around.ne.jp/article/w/wnova/15/qqwyjp/index.html#qqwyjp この「あとがき」は、NOVAに対して(意識して)書かれたものだと思う。 ---------------------------------------- 結局、つけないことにした理由は、蛇足でしかないと判断したからです。 ネタバラシなどしなくても、賢明な読者諸氏には、これぐらいのことはすでに自明であろうと。 ---------------------------------------- で、山本は、NOVAは賢明な読者では無い(=馬鹿)、と結論付けているのです。 相変わらず、回りくどい事をするもんだ(笑
814 名無しさん sage:2004/03/13(土) 02:00 >>813 なるほどね。 加古沢の死を神沈の世界の住人がどう解釈するか考えると面白いかもね。天罰と取るのか単なる偶然と取るのか。 優歌の語るところによれば加古沢は死によって急速に民衆の支持を失ったようだから、恐らくその死自体も天罰と人々は思うだろうね。 加古沢や加古沢のやったことを断罪したのは神であって人間の英知ではないということらしい。
815 名無しさん :2004/03/13(土) 02:43 もはや山本の主張は支離滅裂だな
816 名無しさん sage:2004/03/13(土) 03:08 古い話だけど >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] No.15944 - 2003/12/15(Mon) 14:44 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] >> 生物種としての『ヒト』は(一応)単独で存在しえますが、『人間』はあくまで関係性に依存した存在であり、 >>周囲の世界とのかかわり無しに自己同一性を保つことはできないとわたしは考えています。 > > 加古沢にその発想はないでしょう。天才である彼は、自分が他人より絶対的に優れていると思い上がっており、 >世界のすべてを見下しています。他人からはすでに学ぶものはなく、自分という人間は他者との関係抜きに存在できると思っているのです。 >彼にとってのこの世界とは、捨て去っても悔いのないものなのです。 なんか「天才」に偏見を持っている気がするけどね。ホーキングやアインシュタインは世界のすべてを見下しているのだろうか。 山本の考える「天才」ってのはずいぶん矮小な天才だ。普通に考えればどんなに自分の能力が高かろうと個人でできることは 限られているわけで、天才は自分の能力に対する客観的な評価に関しても秀でていると思うのだけどね。 そもそも人格とは価値観の集合で価値観というものは周囲にものがあって初めて存在する。周囲が全くの無の状態なら 価値観もまた存在しないし、周囲の環境が変われば別な価値観が生じるはず。すなわちそれは別な人格といっていい。 そもそも山本自身カタツムリと人間は価値観の共有が不可能だと神沈でいっているではないか。これはカタツムリと人間の 違いというよりも、カタツムリと人間を取り巻く世界の違いと考えた方がいい。すなわち人格(価値観)とは単独では存在し得ない。 加古沢がこの世界を捨て去るということは加古沢本人の人格をも捨て去ることに他ならない。神が彼のデータを再生するのが 地球(というよりも常人が想像する天国)に近い環境であるとなぜ加古沢は楽観できるのやら。この答えは…作者である 山本弘が既存の宗教の呪縛から逃れられていないことによる。山本は表面的には既存の宗教が描く神を否定して見せた。 ところが山本が想像する天国は相変わらず既存の宗教観そのままなので、山本が作り出したキャラクタである加古沢も なんの疑問も持たずに神が自分をセーブしてくれれば自分は天国のような世界で永遠に生きられるのだ、と思い込んでいる。 この加古沢の思考の限界はとりもなおさず作者である山本の思考の限界といえよう。
817 名無しさん sage:2004/03/13(土) 08:15 これも古い話 >☆ Re: 【神沈発売記念】作家山本弘に質問しよう / 山本弘 [近畿] No.15398 - 2003/11/09(Sun) 16:34 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp] > >> ところで、もう一度主要場面を読み返していて、引っ掛かった点があります。11章で世界が神のシミュレーションである可能性として、 >> 「従来のコンピューターでは無理だが、量子コンピューターでは可能だ」みたいな考察が行われていましたが、そもそも人間の世界の物理法則を、 >>“神”の世界の物理法則に適用できるのでしょうか? > > すみません。そこらへんは良輔に説明させるのを忘れてました。 > 僕の設定では、神の基になったのは、もともと我々の世界に似た物理法則を持つ宇宙で、地球に似た惑星上に発生した知性体です >(具体的な姿などは考えていませんが、人間とはぜんぜん似ていない生物でしょう)。 > なぜそれが推測できるかというと、たとえ神でも、どんな世界が知性体を生み出すのか(シミュレートしてみるまでは)分からないはずだからです。 >ということは、知性体を生み出そうとする場合、成功の確率を高めるために、自分の知っている世界、つまり自分が存在する世界をモデルにするはずです。 > 良輔が言うように、神が存在するのはビッグバンから何千兆年も経った宇宙かもしれない(もちろん、すでに恒星の大半は燃え尽きているので、 >別のエネルギーによって生存しているのでしょうが)。けれど物理法則そのものが根本的に違っているはずはありません。特にプランク定数とか光速度とかのパラメータは、 >生命の活動に深く関係してくるので、大きく変えるわけにはいきません。それでは進化がうまく進まず、知性が生まれない可能性があるからです。 山本は一方で知性体は大規模(地球を中心とする半径1光年とかw)なシミュレーションでしか生み出せないと述べてるが、 その一方で山本は自分の小説のキャラを確かに実在していると述べている。この知性体を作り出したのはただの一介の人間である 山本の脳にすぎない。山本の能力は地球規模の脳を持つ神をも凌駕するのだろうか。それとも大規模なシミュレーションでしか 知的生命体は創造できないというのが間違いなのだろうか。それとも小説のキャラは所詮実在の知的生命体ではないのだろうか。 山本はあまりにも未消化のままこのテーマを書いていると思う。自分の作品に対してこんな支離滅裂な話しかできないのでは、 作品を書く資格はない。すくなくとも自分の神に関する思想の集大成とか、すべて答えは出したなどといえるような作品とはとうてい認められない。 はっきりいって駄作だ。 >(ここから先は良輔の知らない設定) この「ここから先は良介の知らない設定」と幻のあとがきにある「優歌の知らない世界」はどういう位置づけになっているのだろう。 それらはすべて一貫したまとまりを持っているのだろうか。相互に矛盾することをその場その場で述べているようにしかみえない。 山本は自分が嘘をついているとかいい加減なことをいっているという意識はないのだろう。しかし結果的には主張は一貫せず 支離滅裂だ。これは要するに考えがまとまっていないということであり、山本には所詮このテーマを描ききるのは無理だったと いうことだ。いちおう山本の名誉のためにいえば、山本に悪意があるわけではない。単に能力が足りないだけだ。
818 名無しさん sage:2004/03/13(土) 18:37 >>813 > ---------------------------------------- > 結局、つけないことにした理由は、蛇足でしかないと判断したからです。 > ネタバラシなどしなくても、賢明な読者諸氏には、これぐらいのことはすでに自明であろうと。 > ---------------------------------------- 金をだしてつまらない小説を読まされた挙げ句愚者呼ばわりされるとは… 愚か者と呼んでいいから返品させてもらいたいものだ。
819 尾崎晃仁 sage:2004/03/15(月) 20:41 >>809 たしかに、聖書を元に作られてきた現在のキリスト教を、 ヨブ記は誤訳だったということを理由に否定している様に とれます。 ただ、『戦ミレ』と『神沈』の執筆時期が重なっており、 また、前者は後者のネタを流用しているわけで、その二つの 作品で主張が異なるなどということがあるのか、疑問に思う んです。山本が支離滅裂なのだと言われればそれまでだけど(^^;。 『神沈』がそういう風に読めてしまうのが問題なのかな。 創造論(原理主義者)批判については、別に『神沈』が 創造論を批判しているということではなくて、普段の言動から 多分そうだろう、と推測しただけ。山本先生は、この世界を神が 創造した、だなんてまるっきり信じてないでしょう。
820 尾崎晃仁 sage:2004/03/15(月) 21:00 神沈、ちょっと見返してみて目に付いた。 葉月って、『エアマスター』に出てくる崎山香織に 似てますね。 『神沈』P.115上段9行目から >「でも、あたしが何にいちばん腹を立ててるか分か >る?」(中略) >「それを聞い、あたしが黙ってるしかないってことな >のよ。このあたしが! 信じられる!?」 『エアマスター』8巻P.88 >(前略)ビビってたんだよこのアタシが!!! >そんなのゆるせるかぁ!? そんなアタシゆるせるかぁ!? >ゆるせねーよ!!!! 誰だと思ってんだ!!!! >アタシがあの崎山香織だぞ!!!!! 改めて書いてみるとあまり似てないか? 少なくとも崎山のほうが強烈なキャラクターですね。
821 名無しさん :2004/03/15(月) 21:39 >>819 きみは『バレンタイン神父や摩耶、ガンチェリーがクリスチャン』という設定にだまされてないか? 小説の中で敬虔なクリスチャンがどんな言葉を吐こうと、それは山本が適当にデッチ上げた『脳内クリスチャン』のセリフだということを忘れちゃいけないよ。
822 名無しさん sage:2004/03/15(月) 21:48 >>819 > たしかに、聖書を元に作られてきた現在のキリスト教を、 > ヨブ記は誤訳だったということを理由に否定している様に > とれます。 実のところ否定しているかいないかという点が問題なのではなく、宗教の本質を理解していないのが問題なんだけどね。 理解した上でなら否定にせよ肯定にせよそれなりに個人の意見としては価値がある。ところが山本はオカルトと宗教を ごっちゃにしているからその意見に何の価値も見いだすことが出来ない。 > ただ、『戦ミレ』と『神沈』の執筆時期が重なっており、 > また、前者は後者のネタを流用しているわけで、その二つの > 作品で主張が異なるなどということがあるのか、疑問に思う > んです。山本が支離滅裂なのだと言われればそれまでだけど(^^;。 は?ずいぶん時期はずれてると思うけど?当たり前だけど書き始める以前に構想が練られるわけだから、ミレニアムが構想されたのは 恐らくずいぶん前だと思うけど?いや俺の当て推量だけどね。 で、それはそうとして、あんたは基本的に俺が何を話しているかを分かっていないね。ミレニアムは神沈ほど短絡的に 宗教を否定してはいない。一方神沈は宗教を馬鹿にしている。馬鹿にしているという表現が適切でないなら、軽く見ている。 オカルトの一分野であるかのような扱いだ。山本の思考の柔軟性が失われ余裕がなくなり、ひたすら宗教と神の否定を たたみかける。年齢を重ねると思考が豊かになる人間と偏狭になる人間がいるが、山本は明らかに後者だ。 俺は何も若い頃の山本は神を肯定していたが今は否定している、とかいっているわけではない。思想や表現において 昔の頃の方がまだ余裕が感じられた、という事。誤解の無いように念のためいえば、この余裕とは表面的な言葉遣いや 言い回しのことではない。年を重ねれば知識が増えるのだからそれこそ神沈のように単刀直入に結論を出すのでは なくデータや資料の裏付けを示すというような点は現在の方が勝っているのは当然。そういう表面的なものではなく、 昔の山本には変な言い方だが読者を突き放すだけの余裕があった。今の山本には突き放す余裕すら感じられない。 > 『神沈』がそういう風に読めてしまうのが問題なのかな。 なんかあんたはすごく表面的な話をしている気がする。はっきりいってあんたの話は下らないしつまらない。 > 創造論(原理主義者)批判については、別に『神沈』が > 創造論を批判しているということではなくて、普段の言動から > 多分そうだろう、と推測しただけ。 そんなことは分かっているけど?で、何がいいたいのかさっぱりわからんね。 俺は神沈が結果的には創造論擁護の小説だという解釈も可能だということをいっているのだけど? で、自分の小説がそんなどうとでも解釈できるようなあまちゃんなものでいいのか?と山本を皮肉ってるんだけど。 > 山本先生は、この世界を神が > 創造した、だなんてまるっきり信じてないでしょう。 あのね、馬鹿?当たり前だろうに。あんた頭の回転が鈍いね。
823 名無しさん sage:2004/03/15(月) 22:08 山本の問題点は「宗教とは神の実在性とは無関係な人間の倫理体系である」ということ自分しか 分かっていないと考えている点なんだけどね。つまり宗教家は分かっていない。だから自分(山本)は それを世に訴えかけるのだ、と。新興宗教に人々がハマるのもこれが原因なのだから、この点を 広く知らしめてやれば人生を踏み外す人も減る、とね。 ところがそんなことは誰もが分かっていること。これは近代宗教でも新興宗教でも同じ。 宗教の本質はそんな所にあるのではない。神が実在しないことが証明されても新興宗教にハマる人間は 減らないと思うよ。星座が神沈の世界のように一夜にしてめちゃくちゃになっても占星術は滅びない。 むしろ活況を呈することだろう。 神にしても超能力にしてもUFOにしても人々がハマる理由はそれが実在すると信じているからではない。 そりゃあそう言う人達に実在を信じていますか?と尋ねればYESが返ってくるだろう。宗教家に神は 実在しますか?と尋ねればYESと答えるだろう。しかしそれは本質的な理由ではない。だからそれを いくら否定しても何の意味もない。そんなことで否定できるなら数千年の人類の歴史の中でとっくに 誰かがやり遂げている。 山本はオカルトに対しても宗教に対してもまったく見当違いなアプローチをしているのだよ。 オマケに小説そのものも面白くもないし新味もない。娯楽にとしても意味を成さない。 神沈は何一つよいところのない小説だ。
824 名無しさん :2004/03/16(火) 02:20 http://www.80607.jp/?see70携帯からどうぞ
825 名無しさん :2004/03/16(火) 19:29 ☆ Re: 超常現象と日常現象 / 山本弘 [近畿] それと、鰻田社会科雄さんへ。 剣道や居合に限らず、長い歴史のあるものに対して異議を唱える際には、もっと謙虚になられたほうがよろしいかと思います。素人が即興で思いつくようなアイデアは、とっくの昔に誰かが考えついて、答えを出しているはずですから。現代において採用されていないのなら、そのアイデアは結局ダメだったということなのでしょう。 「自分が最初にこれを思いついたはずがない」という謙虚な姿勢を見失うと、「相対性理論は間違っている」などと唱える人たちと同じ間違いを犯すことになりますよ。 -------------------------------- 『剣道・居合い』を宗教に置き換えたら、まんま山本が言われてることになりますな~。
826 名無しさん sage:2004/03/16(火) 23:38 オカルトを信じている人間に、なぜ信じるのか?と尋ねてもあまり意味はない。 喩えていえば、学校に行きたくない生徒があれこれずる休みのための理由を列挙するようなもので、 そこに並べられた理由を喝破したところで本質的に何の意味も成さない。 え?本質的でないにしても論破すれば相手はしかたなく学校へ行くって?それでいいなら 首に縄をつけて引きずっていった方が簡単だよ。ようするに「信じる理由」を論破することは その程度の意味しかない。 なぜ宗教がそんざいするのか。なぜ人はオカルトに引かれるのか。こうした問題は自然科学の 領域ではない。山本がやっていることは自然科学で扱えないものを無理に自然科学で 論破しようとする無謀な試みであり、それ自体が非科学的この上ない。
827 名無しさん :2004/03/17(水) 14:32 芥川賞を最年少受賞した綿矢りささん(20)の「蹴りたい背中」(河出書房新社刊)の部数が 17日、100万部に達した。 同賞の単行本がミリオンセラーを記録したのは、1976年受賞の村上龍「限りなく透明に近い ブルー」以来、28年ぶり。 同時受賞した金原ひとみさん(20)の「蛇にピアス」(集英社刊)も50万部と好調な売れ行き。 両作品を収めた「文芸春秋」3月号は、異例の3回増刷で118万5000部と、過去最高の刷り 部数となった。(読売オンラインより) ---------------- 景気のよい話ですな山本センセイ。
828 名無しさん :2004/03/19(金) 19:37 ニッポン放送で22日にスタートする「森永卓郎の朝はモリタク! もりだくSUN」(月-金曜午前6時) で初のメーンパソナリティーを務める経済アナリスト、森永卓郎氏(47)。 森永氏といえば、昨年出版の「年収300万円時代…」が続編も合わせて約40万部の売れ行き。 その印税や「ニュースステーション」などのテレビ出演、執筆活動などを含めれば、大変な稼ぎっ ぷりだろう。 「僕はね、ミニカーや“食玩”を集めたりするのが趣味なんです。で、それらを収蔵する博物館を作りたい」 で、「女房には月15万円で生活しろといい、残りは貯金に回してます。3年で6000万円ためました。 スゴイっていわれても、その分働きましたから。月に100本は原稿書きましたよ」と夫唱婦随の奮闘 ぶりがしのばれる。(MNSニュース) --------------------------------- 神沈とトワイライト併せて何部?
829 名無しさん sage:2004/03/19(金) 22:02 森永卓郎もいいかげんとんでもだが。年収300万って、ほとんどの 人間がそうなったら日本経済がどうなるのかまったく理解してないからな。 総所得が減れば日本経済そのものももっと縮小し倒産や失業がさらに増えて 年収300万どころか100万以下になるだろうね。
830 名無しさん sage:2004/03/19(金) 23:14 ttp://homepage2.nifty.com/motoyama/poor.htm 1996年の日本人サラリーマンの平均年収は、460万円であったのに対し、アメリカ人の平均年収は(日本円に換算して)192万円である。 ttp://www.hirake.org/opinion/opinion/usa/house.htm 97年、NJ州の家族の平均年収は $35,000。
831 名無しさん sage:2004/03/19(金) 23:52 >>830 物価が違うからね
832 名無しさん sage:2004/03/20(土) 00:25 >>830 通貨レートというものがあるからね。経済状況が違う国の平均年収を 比べてもしかたないんだよ。そしてそれはアメリカは後進国化したという ことでもある。
833 名無しさん sage:2004/03/20(土) 11:10 比べてもしかたないデータなのに、アメリカは後進国ということは読み取れるデータなんですね
834 名無しさん sage:2004/03/20(土) 11:27 >>833 データが何を表しているかを正しく読み取れということなんだけどね
835 名無しさん sage:2004/03/20(土) 11:30 よくあるだろ 統計的にみて身長と学力は比例する という話。おおよそ成長期の人間においては年齢と身長は比例し、年齢と学力も比例するのだからこれは当たり前。 データの意味するところを正しく扱い、必要なら補正をしなければ、ただし結果は読み取れない。
836 名無しさん :2004/03/24(水) 06:53 神チンって、江角で人気の国民年金には言及してますか? 山本って払ってると思いますか?
837 名無しさん sage:2004/03/25(木) 23:24 「国民年金のCMに出ているくせに、江角は年金に加入していない」 という話は↓ 「科学科学というわりに、山本は工業高校レベルの科学しか習っていない」 似ている(w
838 名無しさん sage:2004/03/26(金) 00:21 >837 江角さんに激しく失礼! 江角さんは指摘を受けて速やかに支払い手続きを済ませ お詫びのコメントをしました。 山本の場合 こういう対応は100%期待できません。
839 名無しさん sage:2004/03/28(日) 02:12 山本弘の次のクソ本、まだ~?
840 名無しさん :2004/03/28(日) 21:16 で、結局「神沈」はどのくらい売れたんだろう?
841 名無しさん sage:2004/03/28(日) 21:33 神沈発売前は「売れてくれないと困ります」と言い、発売後は 「長編はコストパフォーマンスが悪い」と言ってるぐらいだから。 京極の長編なんかは売れてるんだけなあ。
842 名無しさん sage:2004/03/28(日) 22:13 推測するに妖魔等の短編より売れなかった。
843 名無しさん sage:2004/03/28(日) 23:00 もう二度とハードカバーは出して貰えないって事か…。
844 名無しさん sage:2004/03/29(月) 11:14 >837 年金手帳って会社を辞めても手元にはあるからね。 同じ様なミスで年金を払っていない人は世の中かなり居るはず。 しかし、それを繰り返さないのが普通。 山本は(ry
845 名無しさん sage:2004/03/30(火) 02:52 そもそも何で角川は、売れない山本のSFをハードカバーで出したんだろう? まさか占星術で「売れる」と出たからか(w
846 名無しさん :2004/03/30(火) 18:54 >>845 一般人にとってはゴミほどの価値もないアニメフィギュアが何万円もするのと同じ商法です。 どうせ一部の人間しか買わないなら、単価をできるだけ吊り上げた方が得なのです。
847 名無しさん http://1191.jp/?see70:2004/03/31(水) 19:42 完全無料のすごいの見つけた!携帯限定だけど(ニガ)http://1191.jp/?see70 登録したら女の子紹介してもらえた
848 名無しさん sage:2004/04/01(木) 00:00 期待 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/8312/ ウォッチャーの方ならすでにご存知かと思いますが、山本さん入魂の新作『神は沈黙せず』が昨年秋頃発売されました。小説の中で南京論争が登場していますが、これがほぼ全編にわたって突っ込みどころ満載の内容です。ということで全編に突っ込んでいたら前書き、あとがき含めて約12ページの分量になりました。一応どっかで期日を決めないとやる気にならない性格なので(煽られないと弱い)ここで宣言してみます。3月中にUPします。
849 名無しさん :2004/04/01(木) 06:55 >>848 UPされました。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/8312/page025.html グース様、ご苦労さまでした。
850 名無しさん sage:2004/04/01(木) 10:49 >(1)SF小説というジャンル > こういった小説、つまり十代向けのSF小説やら、ファンタジー小説やらの娯楽小説に対して細かい設定を批判するのはあまり意味がありません。 なんか出だしから山本への皮肉たっぷりですな。フィクションの細かな設定を批判するのが山本なのだから。 ところが肝心の自分の作品の設定や、フィクションでない世界の細かな知識がからっきしダメなのが山本。 >もともとフィクションですから、トンデモな事やウソが書いてあっても問題ないと言えばないわけです。 >また、作家とて全知全能ではないので専門知識のない部分を想像で補ったり、適当に誤魔化して書いたりすることはあるでしょう。 >エンテーテイメントですから作品が面白ければそういう誤魔化しは許容されるべきだと思います。 こういう静かな皮肉というのも新鮮だなぁ。 > しかしながら山本さんの場合は、と学会の会長として南京虐殺否定論にトンデモのレッテルを貼って商売していますから、 >その点についておかしな点があれば批判の対象になると考えました。 まあ馬鹿映画とか馬鹿小説とレッテルを貼っても商売しているんだが、まあいいや。
851 名無しさん sage:2004/04/01(木) 11:09 > 山本さんの設定(山本ワールド)で否定論を代表している「真田」は史料を全く読んだことがないトンデモさんであるという設定になっています。 >また不思議な事に掲示板の論争を見守っている方々も史料どころか「現実世界レベルの否定論」自体を目にしたことが無い方が揃っているようです。 > > 不思議ですね。 > > 山本さんが設定した近未来では言論弾圧などがあって、ネット上に「現実世界レベルの否定論」は存在しないのでしょうか?。 >それとも「現代思想関係」の掲示板に集まってくる方は、あくはと君も含めて「ネットで検索する」という行為ができない方が >揃っているという設定なのでしょうか?。いずれにしても作品中に現実社会の否定論が登場しないということは、 >山本さん自身が(南京関連の本を30冊以上読んでいるにも関わらず)否定論を知らないのではないか?。という疑念さえ浮かんでくるわけです。 まあ山本の知識は2chの厨房レベルなんだろうね。 しかし山本は自分の基本戦術---それが問題の本質部分に重要な意味を持つかどうかなどお構いなしに、 否定しやすい部分だけをことさら取り上げて否定して、それで全体を論破したような錯覚を読者に抱かせる---は いい加減卒業すべきだと思うけどね。 はっきりいってこれって2chの房が相手と同じレベルだから。今際に自分の人生の大半が「他人の揚げ足取り」だった、と 回顧したくなければ、そろそろまっとうな批判をすべきじゃないのかなぁ。なにやら近頃は社会派を気取っているようだから。 本人は社会派気取りだが端から見ると揚げ足取りにしか見えないんじゃ笑いものになるだけだ。 山本の本を読んでると小林よしのりがすごく理論的でかつ客観的に見えてしまうよw
852 名無しさん sage:2004/04/01(木) 11:16 >『トンデモ本の世界R』P346 > > 僕はこれらの資料にひと通り日を通している(南京大虐殺関連の本はもう三〇冊以上読んだ)。 なんかこれって相間さんが「自分は相対論に関する本を○○冊以上読んだが、私の疑問を解消してくれる本は一冊もなかった」とか いうフレーズと同じだな。そんなんで理解できるなら誰も大学に入って面倒な数式を相手に悪戦苦闘しないってw 一時期(思想的に右翼に傾倒する直前あたり)小林よしのりも「今儂は南京虐殺に関する本を読みあさっている」とか 書いてた気が…生兵法はなんとやら、ですな。
853 名無しさん :2004/04/02(金) 18:15 ガイシュツかもしれんが言わせてくれ。 「神沈」って全然神と対峙してないんだよな。 もし俺があの世界の住人で優花のあの手記を読んで、その上で信じたとしても、 (だいぶDQNだがな、それだけで)俺は俺の信心を微塵も変えることは無いと思う。 何故かっツーと、「神沈」の説は「人間は神の創造物」ではなくて、「人間は神の 創造物の創造物」(ただし神の配剤は働いている)になるだけだから、「神」(でも 仏でも)には微塵も傷がついてない。と思うんだが… どうよ、山本センセ。
854 K.K sage:2004/04/02(金) 22:08 >>853 まあ、ある意味既出ですね。このスレッドで「神沈で否定されているのはオカルトでの神」旨の指摘が出ています。 宗教・信仰者を理解していないからこそ、SF秘密基地の神沈解説・宣伝で、 >あなたが既成の宗教の信者であったなら、この小説はきわめて不快な内容であるかもしれません。なぜなら、この物語は、あなたの信じていることを徹底的に打ち砕くからです。 などと堂々と書けるんでしょう。「宗教はわからないし知らないけど、僕は無神論者だ。」と言っているも同然で、底の浅い考察になってしまうのも無理からぬことです。 まあ、宗教に限らず「人生の大事なものをSF『だけ』から学んだ」ということらしいので、自然科学やテクノロジーに対する理解も浅いという感じがプンプンと臭います。 自然科学その他について『啓蒙書に記されているおもしろおかしい結果』だけを読んで、考察もせずにわかったつもりになっている部分がかなりあるんじゃないかと感じます。
855 名無しさん sage:2004/04/03(土) 01:13 >>854 > >あなたが既成の宗教の信者であったなら、この小説はきわめて不快な内容であるかもしれません。なぜなら、この物語は、あなたの信じていることを徹底的に打ち砕くからです。 結果は「不快」とさえ認識されないという惨めな結果になったわけだ(w
856 名無しさん :2004/04/03(土) 15:35 このときは山本も神沈に相当な自信があったんだろうなあ(w しかし発売後、数ヶ月たつと 「長編は嫌いですから」とか 「長編むちゃくちゃCP低い」とか否定しだすわけですな。
857 名無しさん sage:2004/04/03(土) 16:18 >>856 > 「長編むちゃくちゃCP低い」とか否定しだすわけですな。 確かにw 何だって売れなきゃコストパフォーマンスは低かろうに。 何書いたってパフォーマンスが限りなくゼロに近いんだからそりゃコストをかけない方が得だろうな。 つまり売れる量は作品の出来不出来にかかわらず常に一定。コアな山本信者が買っていくだけ。 山本にとってコストパフォーマンスは分母だけで決まる。 そういう作家がいくら「(手間と金をかけた)(自分にとっては)よい作品は一般人に受けない」「金をかけない 儲け主義の作品がのさばる」とか批判しても負け犬の遠吠え。
858 名無しさん :2004/04/05(月) 23:17 最初っから自分の信者向けに書けばCP良いのにね。
859 名無しさん sage:2004/04/05(月) 23:38 いっそのこと同人誌に(ry
860 名無しさん sage:2004/04/06(火) 06:53 それだとスペースとれなかった時…
861 名無しさん :2004/04/06(火) 19:19 ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~pocapoca/sub147.htm#神は沈黙せず 『神は沈黙せず』山本弘(平15角川書店)読了 と学会の山本弘の小説だったがまったくの期待はずれ。 小説としても面白いものではないし、かといって神への考察が優れているというわけでもない。『ヨブ記』の解釈が出てくることだけは評価できるが、神に関する議論自体はいかにもおおざっぱすぎるし、最後に明らかにされる真相も循環論法に陥った矛盾したものだ。超常現象に関する情報量が多いのは認めるが、だからといって新味があるわけでもないし、読後は徒労感だけが残った。 前半で主人公の兄が提示する「世界は神のシミュレーション」との仮説を、登場人物たちがあまりにも簡単に信じすぎてしまうのもあまりに不自然で共感できない。 さらに主人公は、自分の兄が考えたこの仮説を、元恋人の小説家が剽窃して小説として発表してしまい、その小説がベストセラーになったことに怒り狂う。しかしこのアイディア自体にはそれほどオリジナリティはないのでは。物語の舞台である西暦2012年を待たなくても、現在でもそんなテーマの物語はいくらでも見つかるのではないか。それをすぐれた小説に仕立てたなら、それは小説家の功績に帰すべきもので、語り手である主人公の怒りには理由がない。ゆうむはじめが京極夏彦に噛み付いた一件を思い出してしまった。 この小説は、西暦2033年の時点で主人公がそれまで断片的に発表してきた文章をまとめ加筆修正したものとの設定になっているのだが、その地の文に、「コピペ」等の単語が何度も登場するのも気になった。言葉使いもちょっと不用意すぎるのではないだろうか。 政治や経済、インターネットや掲示板など、現在とそれほどかわらない状況を前提にするのだったら、せめて物語の舞台も現在にした方がまだましだったろう。 ましてや、「時代の変化のスピードは20世紀前半の二十倍にも達しており、人はほんの3、4年で100年前の人間の一生分の変化を経験している」と記述しているところさえあるのだから、なおさらである。
862 名無しさん sage:2004/04/07(水) 09:34 >>861 ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~pocapoca/sub147.htm#よく言った高山 の項の最後の文をあわせて読むと更に趣深い
863 名無しさん :2004/04/09(金) 22:18 ☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / 半兵衛 古いスレを引っ張り出して申し訳ありません。 ですが、「神は沈黙せず」を購入・読了後、どうしても解けない疑問があるのです。 P236の小和田氏の論のところですが、 ○人が死んでいない場所でも、多くの人が『ここに幽霊が出る』と信じれば幽霊は出現する。 ○生者の意志とは無関係に一定比率で幽霊が出るなら、 大量の死者が出た場所にはその規模に比例した数の幽霊が出現するはず。 ○広島の爆心地やアウシュビッツのガス室跡に、何百何千人もの霊が出現したという話はない。 ○では、どのような場所に幽霊が出ないのか。 ○関東大震災の直後、数千人の朝鮮人が惨殺された。 ○どこにも朝鮮人の霊が出現したという噂がない。 ↓ 「理由は述べるまでもなく明らかだろう。」 静かな怒りがこめられていた。 「幽霊が出現するには、悲劇が欠かせない。大多数の日本人にとって、朝鮮人がいくら殺されようが、 それは悲劇ではないのである。」 悲壮感あふれた名場面だと思うのですが、小和田氏が自分の思いこみに囚われて、 「広島・アウシュビッツは悲劇ではない。」 と、言っているようにしか私には思えないのです。 「まともなサイトは結論を押しつけようとしない。」とするP220の記述からすると、 小和田氏のサイトはトンデモサイトとしか、見えません。 ささいなことかもしれませんが、物語の後半大活躍される小和田氏の姿を思い浮かべるたび、 私の心にひっかかってくるのです。 半年近くの間、何回も読み返しては考えてきたんですが、納得のいく答えが出てきません。 皆様のお考えをお聞かせ願えれば幸いです。 ----------------------------------------- 半年考えても「設定ミス」というもっとも簡単な答が出てこないというのが恐ろしいね。 ところで山本は、これに対してどんな華麗な後出しジャンケンを披露してくれるのだろうか?
864 名無しさん sage:2004/04/10(土) 00:05 >>863 ってか > ○生者の意志とは無関係に一定比率で幽霊が出るなら、 > 大量の死者が出た場所にはその規模に比例した数の幽霊が出現するはず。 これ自体が勝手な前提なんだけどね。 昔大槻教授が「生まれ変わりとは死んだ人間の構成原子が再び集まったものである」と勝手に前提をたてて、 「それなら大人の赤ん坊が生まれることになり、そんなことがないことを証明するためにントロピーを持ち出す必要などない」と 嘲笑してたけど、山本の主張も同じ屁理屈でしかないんだよな。 しかも大槻教授は一応自分の専門分野ではまともな理屈でものを考えている(でなきゃさすがに大学教授やパリティの 編集長をやってはいないだろう)が、山本はあらゆることを屁理屈だけで考えている。 結局 山本が嘲笑している人間(柳田、大槻)=たまにおかしな理屈を持ち出す人 山本本人=つねにおかしな理屈を持ち出す人 といえる。誰でも間抜けな考え違いや考え落としってのはたまにはあると思うけどね。だからこそ論文とかはいろんな人たちが チェックするわけで、人間として普通のことだと思うんだけどね。 しかしさすがに山本のように「すべてが屁理屈」では社会から評価されないだろう。 まともな教育を受けていない人間が聞きかじりの知識で一生懸命揚げ足をとっている…これってかっこいいことなのかなぁ。 フィクションの世界ではその道の専門家が誰も思いつかなかったすばらしい発明を在野のマッドサイエンティスト(や天才少年少女w)が やってのけるけど、現実は厳しい。しかたないから揚げ足取りという代償行為をしているわけだ(笑
865 名無しさん sage:2004/04/10(土) 00:06 訂正 > 昔大槻教授が「生まれ変わりとは死んだ人間の構成原子が再び集まったものである」と勝手に前提をたてて、否定していたのを山本が > 「それなら大人の赤ん坊が生まれることになり、そんなことがないことを証明するためにントロピーを持ち出す必要などない」と > 嘲笑してたけど
866 名無しさん sage:2004/04/10(土) 00:21 また > 静かな怒りがこめられていた。 > 「幽霊が出現するには、悲劇が欠かせない。大多数の日本人にとって、朝鮮人がいくら殺されようが、 > それは悲劇ではないのである。」 この部分も何がいいたいのかよく分からんね。仮に幽霊の出現条件に悲劇が必要だとしよう。 もし仮に統計的にそういう傾向があればそれは認めなければならない。ただし科学的な検証に耐える統計データなど 聞いたことがないけどね。単に山本が「そう思っている」だけ。血液型占いが当たると「思っている」のと大して違わない。 で、そういう傾向があることが仮に立証されたとして、次に行うのは、その因果関係の研究だと思うんだけどね。 悲劇があるから幽霊の目撃者が錯覚するだけなのか、それとも幽霊は存在し、しかもその存在条件には悲劇が必要なのか。 立証もされていないのに安易に前者に違いない、などと短絡するのでは科学ではないだろうね。 いずれにしろ「幽霊の存在」と「朝鮮人の惨殺」はまったく次元の違う話。この2つをごっちゃにしてしまっては 「進化論」の話にそれは「神への冒涜」だと文句をつける輩を馬鹿にできないだろうね(大笑 事実の探求と、それに対する人間の価値観は分けないとトンデモまっしぐら。 山本は幽霊の存在の有無を元に朝鮮人の惨殺に対する批判をやってるんだから、これはもう立派なトンデモですな。 UFOの写真を元にUFOは乱れた人間社会をただすためにやってきた、と主張するのと同じw
867 名無しさん :2004/04/14(水) 17:26 >>863 「理由は述べるまでもなく明らかだろう。」 この小説は完全に現実とは断絶した世界なんで(作者本人の後書きにそう描いてある)。 きっと広島,長崎,アウシュビッツは朝鮮人しか死んでないんでしょ。 きっと租界かなにかだったんだよ。 この論で行くと当然南京大虐殺はあった。んだよ、 「神沈」の世界では、って限定付きでね。 にしても「現実の世界とはリンクしていないSF」ってものは存在できるのかにゃー?
868 名無しさん sage:2004/04/14(水) 20:15 そもそも幽霊を「観測」するのは人間なんだから、その観測者の主観によって観測内容が左右されるのは 当たり前なんだけどね。これは他の科学的な事象も同じ。それゆえ科学はそうした要因を排除するために 四苦八苦しているわけだ。幽霊についてはそうした工夫があまりなされていないから、そうした要因に観測が 左右されるのは当たり前。もちろん主観を排除するための工夫はある程度対象に対して研究が進まないと できないわけで、科学のアプローチというのは本質的に鶏が先か卵が先かというようなもので、別な言い方をすれば 近似を繰り返して次第に精度を増していくニュートン法のようなもの。ようするに観測者の主観によって観測内容が 影響されることが、幽霊の存在を否定する根拠にはなり得ない。まあこれが科学が永遠に幽霊を否定することが 不可能な理由なのだが。幽霊を否定できる論があるとすれば、それは科学ではなく屁理屈w
869 名無しさん :2004/04/15(木) 10:32 山本は件の質問をスルーしますた。 都合が悪くて答えられないらしい。
870 名無しさん sage:2004/04/15(木) 22:23 >☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / カンタベリー No.18419 - 2004/04/10(Sat) 22:34 [acykhm007207.adsl.ppp.infoweb.ne.jp] > > という死者の数が幽霊の数を決定するという論理を否定するためのもので、アウシュビッツや広島が悲劇であることを否定する者ではなりませんから。 そんな「死者の数と幽霊の数が比例する」などという説は誰も唱えてないと思うんだけどね。 誰も唱えてない説をわざわざ否定する意図ってなんなのかなあ。愚かな大衆に誤解を与える目的以外あまり思いつかない。
871 一発ネタ sage:2004/04/16(金) 02:25 「神は粘着せず」
872 K.K sage:2004/04/17(土) 01:56 >>870 カンタベリーさんのご発言は、擁護ではなく、止めを刺すもののように思いますね。
873 名無しさん sage:2004/04/17(土) 09:33 とりあえず神沈とこのスレ読んで、 人間でかい口叩いたり、調子に乗って批判するのはよくないな。 という当たり前のことを再認識しました。
874 名無しさん sage:2004/04/17(土) 09:38 >>873 > 人間でかい口叩いたり、調子に乗って批判するのはよくないな。 > という当たり前のことを再認識しました。 当たり前のことなのかなあ。間違ったことならでかくない口で言ってもやっぱり間違いだろうし、 表現などたいした問題ではないと思うけどね。山本が醜態をさらしているのは表現ではなく内容が 自己矛盾だらけだから。
875 名無しさん sage:2004/04/19(月) 08:13 >>874 >当たり前のことなのかなぁ 調子に乗って政府批判を始めた被害者家族の例もあるし、立場とでかい口のバランスを崩すと煽りにも失敗するわけだ。
876 名無しさん sage:2004/04/19(月) 08:30 >>875 > 調子に乗って政府批判を始めた被害者家族の例もあるし、立場とでかい口のバランスを崩すと煽りにも失敗するわけだ。 そういう感情的な問題にとらわれること自体問題だと思うけどなぁ。 でかい口を叩く相手に不快感を抱くのも自分の感情の問題であって、それは議論の最中に感情的になって相手を罵倒することと なんら変わらない。「感情的にならない」という意味はあんたが考えているよりも遙かに広く深い。
877 名無しさん sage:2004/04/21(水) 17:07 >>875 「調子に乗って政府批判を始めた」ねえ。 具体的に被害者家族の声明のうち、どれが政府批判に当たって、それが 全発言の何%に当たるのか、ちゃんと確認して言ってるのかね? またネット上では、人質の映像がやらせだっていう噂がまことしやかに囁かれるが、 この「被害者家族の政府批判」だってマスコミの情報操作だよな。 家族が人質になってる状況下で、しかも慣れないマスコミのカメラに大量にさらされたら 誰だって興奮してあらぬ事を口走ってしまうもんだ。 それをしつこくリピートすることで、「被害者家族がマスコミを批判してる」という イメージが作られてしまうんだよね。 実際はそんなつもりで言ったのかどうかわからないのに。
878 名無しさん sage:2004/04/24(土) 00:29 >☆ Re: 『神は沈黙せず』スレ・part2 / 謎々人 No.18719 - 2004/04/23(Fri) 21:17 [YahooBB219007026140.bbtec.net] > >勝手に話題を変えまして・・・一人の文系(?)オカルトおたくの感想を。 > >(私はUFO等の理系(?)オカルトには疎い人間ですが)私が、この作品を読んでみまして、真っ先に頭に思いついたのは、ジョン・A・キールの「超地球人説」です。 > >多くの方がご存知とは思いますが、念のために簡単に書きますと…… >UFOやUMA、心霊、妖怪等の一見それぞれ関係が無いように見える超常現象に、実は「関連性」があること。 >例えばUFO目撃者の家にポルターガイストが起こったり、MIBがモスマンの目撃者や、ケネディ暗殺を調べている陰謀研究家の前に現れたりする等。 >また、こうした超常現象が、その土地や時代時代の文化に合わせた外観で現れること。そして、信憑性が高いとされる事件ほど「奇妙度」が高く、 >そこに「悪ふざけ」的な意志のようなものを感じること・・・ >そこから、UFO研究家のキール先生は、UFOは外宇宙から来たのではなく、地球産のものである。そして、おそらくなんらかの超地球的意識が >人類に対して大規模なペテン工作を行なってるんじゃないか? と。そんな説だったと思います(うろ覚え)。 あーなんか大昔読んだような読まないような。読んだ気がするがつまらなくて読んだ当時すらほとんど記憶に残らなかったような。 今読めば印象が違うかもしれないが、当時はセンセーショナルなものに気を惹かれてたから(我ながら若かったw)。 >……普通でしたら、「それこそ超常現象が、人間の空想や誤認の産物な証拠だ」となるのかも知れませんが、キール先生は超常現象はある、 >という立場に立っているわけですから、こういう説を唱えたんでしょう。 > >確か、志水一夫先生は、このキールの「超地球人説」を批判したとき、「神」の例えを出していたと思います。 >つまり、分らないことを、全て「それは神様がなさったことよ」の一言で誤魔化してるのと同じではないのか? >超常現象という謎を、「それは超地球人がやったことだ」の一言で誤魔化しているのではないか? と。 まあ超常現象の本は大なり小なり(以下略 >もしかしたら、ここから着想のようなものを得られたのでは? と勝手に空想しております。 >それでは、失礼致しました。 あの神沈の世界で人々はその後どう過ごしているかが興味深いんだけどね。科学はあからさまかつ日常的に節操なく起きる超常現象を どうあつかっていくのか?「これは神のメッセージだから解明不可能」としてすべて無視してしまっているのか。それとも「神の意志」を解明すべく 今も絶望的な努力を続けているのか…何度か書いたけど「神沈」って決して科学側の勝利で終わってないよね。むしろ敗北。 現実の世界でも相対論や量子論のようにそれまでの科学を根底から覆すあらたな発見はあったが、それはその適用範囲が科学的に決定できた。 ところが神沈の世界で起きる「神の奇跡」は生じる条件も範囲も確率も科学的な解析を拒んでいるのだから、これはもう人々は科学を放棄し、 すべてを成り行きのまま過ごすしかないと思うんだよね。まあそれも牧歌的でいいけどw けど、山本はオカルトや宗教に対する科学の勝利を描こうとしたのではないのかなあ。それが科学の敗北という結末で本当に山本は 満足しているのやら。ま、それさえ気づかないアホだからいいのかな。アホは幸せでいいね。
879 名無しさん sage:2004/04/24(土) 08:17 謎々人って宇津見だよな。プロバ同じだし
880 名無しさん :2004/05/02(日) 05:21 山本氏のトンデモ批判にどうしても違和感があったんだけど、 ここ読んでだいぶ解消された(笑)。
881 名無しさん :2004/05/02(日) 09:20 >>879 違うと思う。 (無題) 投稿者:謎々人 投稿日: 4月23日(金)23時15分12秒 >削除は妥当だったと? 妥当だったと思います。我々は山本先生の掲示板を使わせて貰ってる身です。ですから、管理人の指示に 従うのがマナーです。いわば私はマナー違反をしたわけですから、消されても文句は言えません。出入り禁 止を食らわなかっただけでも、温情に感謝すべきでしょう。 ただ、あの場にグース氏本人が抗議しに来ていれば、話しは別だったでしょう。 言葉に影響力のある人物に、公の場で人格を攻撃されたわけですから、彼には抗議する権利はあったと 思います。 >「山本氏のペナルティ」だと言う意見について、よろしければ詳しくご説明いただけますか? 議論を断ったことは、全く問題無いと思います。山本先生に、グース氏の相手をしなければならない義務は、無い わけですから。だいたい、山本先生とグース氏の二人の問題に限って言えば、「先に攻撃をしたのはグース氏」で しょう。山本先生は、軽く反論しただけです。 しかし、グース氏の主張をきちんと理解したうえの反論であるかは、はなはだ疑問ではありますが(苦笑)。 これが一つ目のペナルティでしょう。 けど、先生の最大のペナルティは、グース氏の人格攻撃をしてしまったことだと思います。 「あなたの論の進め方はアンフェアです。」 「あなたは人間としてアンフェアです。」 これらは同じ「アンフェア」という言葉ではありますが、 両者には天と地ほどの開きがあります。 1つ目は批判といえますが、2つ目は人格攻撃です。思うに、山本先生の「人間として信用できません」は、まさに 「一言多い」だったと思います。 議題から外れた人格攻撃と受け取られても仕方ないと思います。 論の進め方はアンフェアでも、右よりの政治信条を持っていても、別の点で尊敬できる性格をしているかもしれない。 これは些細なことかも知れません。実際、山本先生がNET等受けて来た凄まじいまでの誹謗中傷に比べれば、なお さらでしょう。しかし、山本先生は仮にもプロの文筆家なわけですから、アマチュア以上に言葉の影響力や凶器性に ついて、慎重、敏感になっても良いのではないか、と素朴に思います。 口が滑るって言うことは誰にだってあります。自慢じゃないですが、私だってしょっちゅうです。 でも、一言ぐらい謝罪しても別に減るもんじゃなし、と素朴に思います。 >南京大虐殺については否定派ですか? まさか(笑 私も南京事件については議論したくありません。これは本当にレトリックの応酬ですからね。でもこれくらいな ら言っても良いでしょう。私はグース氏とは対立する位置にいます。 ちなみに、いわゆる否定派と呼ばれる人たちにも、実に多くの種類の主張があります。 最近の否定派と呼ばれる人たちには「事件はなかった」と断言する人は、あまりいません(昔はいましたが)。 彼らは「日本の戦争責任の証拠は無い」という主張をします。これを理解したうえでないと、混乱します。 議論以前に会話自体が成立していないことも多いです。
882 名無しさん sage:2004/05/02(日) 14:23 >>881 >(無題) 投稿者:謎々人 投稿日: 4月23日(金)23時15分12秒 >実際、山本先生がNET等受けて来た凄まじいまでの誹謗中傷に比べれば いやあ山本が過去にやってきた所業を考えれば、これこそ自業自得というものだと思うよ。
883 名無しさん sage:2004/05/02(日) 15:53 >>882 > いやあ山本が過去にやってきた所業を考えれば、これこそ自業自得というものだと思うよ。 だね。山本はそれで金を儲けてるんだからなお悪い。
884 名無しさん sage:2004/05/03(月) 01:41 >>883 いやあ「悪銭は身につかない」と言われてるように、今やあまり残ってないんじゃないか? 俺の友人の中にも億単位のあぶく銭をつかんだ人間が数人いるが、持って十年だね。今や きれいさっぱり無くなって人並みに苦労しているよ。 さて、蓄えが乏しくなったと思われる山本の、作家としての真価が問われるのはこれからだが 大体が山本に真価なぞ無いからねえ(w
885 名無しさん sage:2004/06/16(水) 05:13 http://www.himajin.jp/mt/ei/archives/000146.html >でも実は一番感心したのは本編のそれではなくて、希代のトリックスター加古沢黎の提唱した「日本政府民営化論」と >「サイレント・レボリューション」だったりする。今みたいに私利私欲に走り、そのくせ自分で一切責任を取ろうとしない政治家に任せるくらいなら、 >企業体として企業の利益を追求し、失敗すれば自腹を切ることが原則な日本「企業」政府の方がよっぽどいい仕事をしてくれるだろうなと思うのは俺だけなんだろうか。 企業というのは民主的には運営されていない、という点を分っていってるのかなあ。 例えば一頃何かと話題になった対米貿易黒字解消のために農作物輸入自由化など諸手を挙げて賛成に突っ走ってしまう気がするのだけどね。
886 K.K sage:2004/06/26(土) 10:04 ずいぶん前にラジオで聞いたような気がする短編小説で、日本に突然「第二日本」という政府ができる話があった。 その話では、元々の「第一」日本と第二日本n間で、国民の取り合いになるんだけど、「第一日本に税金を納めてハワイに行こう!」みたいなキャンペーン合戦を繰り広げたりする。 調べてみると、おそらくは小松左京の「第二日本誕生」という短編小説(新潮社「闇の中の子供」収録)らしいけど、確認は取れませんでした。 神沈の巻末の参考文献リストには同小説は見当たらないようです。 もしかすると、そういう「サイレントレボリューション」的なアイデアはたくさんありすぎて、どれが参考文献とか挙げられないのかも知れない。
887 名無しさん sage:2004/06/26(土) 13:36 政治に競争原理を導入するということなら、まさに今の世界そのもののはずなんだけどね… まあ国籍を変更するのが気軽にできるなら完璧なのだが(苦笑 とはいえ安直にころころ国籍を変えられていいとこ取りされる分けにはいかないから、やっぱり何らかの制限は必要だよね。 そういえばEUのどこかの国(アイルランドだったかな)の国籍取得が容易すぎてEUの抜け穴のになるので、厳しく(というか 他国並みに)した、というニュースがあったな。 まあ国籍の変更の容易さがいまより緩和されることはあまり期待できないが、自国内にいる外国人の権利は 徐々に自国民のそれと近づいていくのが自然の流れだろうな。
888 名無しさん sage:2004/06/26(土) 13:53 例えば企業の行動原理のみではいろいろな問題があるからその上位に政府があり企業が守るべき法律とかを 制定している。それすらも企業の中に取り込んでしまうということがはたして出来るものなのか。
889 名無しさん :2004/07/29(木) 14:54 http://flurry.hp.infoseek.co.jp/200403.html#11 3月11日(木) 山本弘「神は沈黙せず」(ちゃんと読んだ)。また、お返事。 前回の更新から、少し間が空いた。先週土曜日から旅行に行っていて、帰ってきたら書きたいことを全て忘れてしまっていたのが大きいかも。 ◆ サークルの冊子に書評を書くために、山本弘「神は沈黙せず」(角川書店)を読んだ。 結局、いつもの山本弘だった。昔、読まずに書いた(200311.html#07_2)での文章がそのまま書評に転用できそうな気がした。鬱。 ところで、野尻抱介(「太陽の簒奪者」)といい山本弘といい、遺伝子アルゴリズムを表層的に理解した挙句、無条件に賛美してしまうあたりが気になる。「仕組みは分からないけれど、シミュレーションするとなぜか上手く行ってしまった」的な要素というのが、ある種の「気分」や価値観を正当化するための装置として使われているよーな。 ----------------------------- 達見ですな。結局のところ創発や遺伝的アルゴリズムについては何も分かっていないも同然だということから 目を背けている。SFのワープ航法と同じで、とにかく説明のつかないことをそれっぽく説明する小道具に過ぎないのだが… 無から意味のある構造が生成されることだけなら、プリゴジンが散逸構造としてもう半世紀近く前に発見されている。 その後のニューラルネットしかり遺伝的アルゴリズムしかり、複雑系しかり、どれも当初は「これぞ神の設計ルール」と脚光を 浴びた理論はどれも行き詰まってしまっている。 まるで楽観視されていた人工心臓など人体のサイボーグ化が研究が進むほど予想以上に困難なことが分かり、時代が下るほど 見通しが縮小していったごとく。 なぜSF設定にこだわる面々が安直に遺伝的アルゴリズムに救いを求める/逃げるのだろう。宇宙戦艦ヤマトのワープは 安直だという一方、遺伝的アルゴリズムによる問題解決は安直ではないと思っているのが不思議だ。やはり「夢」を 持つには「無知」である必要があるのかも知れない。
890 名無しさん sage:2004/07/30(金) 01:08 >>886 >第二日本国誕生 本棚に「闇の中の子供」があったので、読み返してみた。 こちらの方は例の源泉徴収とかの問題についても、 正規の税務署員が、一方で第二日本国の徴収係も兼ねているとか、 結構上手いこと作ってある。
891 名無しさん sage:2004/07/30(金) 16:56 ☆ Re: 7月の読書 / 通行人s > 「ヒーローでわかる日本経済」梶井厚志 これについてはamazonの子母原心さんの評が適切です。 梶井さん自身は必読の好著『戦略的思考の技術』(中公新書)もある気鋭のゲーム理論家なんですが。 なお山本さんの『神は沈黙せず』に対するこの書評はきわめて重要な問題を提起していると思います。 http://bewaad.com/writings.html#Jun20042 No.20265 - 2004/07/26(Mon) 01:18 [YahooBB218139178053.bbtec.net] ----------------------------------------------------------------------
892 名無しさん sage:2004/07/30(金) 17:32 上記のリンク先 >いっそトンデモだと思えれば-「神は沈黙せず」(山本弘著) >当サイトの書評でとりあげる最初のフィクションであるが、フィクションとしての書評ではないことと、 >若干のネタバレ(厳密にはメタレベルでのネタバレ)が>含まれることを最初にお断りしておく。 > >さて、山本弘と言えば知る人も多いと学会会長であり、その書痴ぶりや博学さでも知られるSF作家である。 そんな彼であっても、 >いわゆる文系知識へのアクセスはこれほど困難であるのかとwebmasterを慨嘆せしめたのが本書である。 >誤解を招かぬよう言い換えておくと、webmasterにしても筆者とは逆にいわゆる理系知識は乏しいのであって、 >知識のなさそれ自体を問題視するつもりは毛頭ない。 ただ、知らないことを知ることの難しさを嘆くのだ。 代表例を2つ取り上げて掘り下げてみたい。 誰もが「山本は博学だが、自分のよく知っている分野はイマイチだ」というのが面白いですな。まあに限って言えば山本に限らず どんなことでもそいういうものだろうね。>1 つ目は、当サイトの読者に親和性が高いであろう経済の話。 作中では近未来の日本が経済破綻し、それを受けてとある対応策がとられるが、 >それらの中身自体については、筆者自身が「こんなことが起きるとは思えない」という批判はご遠慮願います。 >作者はそんなことは充分に分かったうえで書いていますのでと述べているのであるから、とやかく言うべきではなかろう。 まあ俺にしてみれば勝手だと思うけどね。山本のいいぐさには「以下の免責事項に同意した者のみこのソフトウェアに使用を許諾する」という注意書きを思い出してしまったよ。 >慨嘆すべき点はそこではない。 経済には素人であると自認する筆者が創作に当たり参照した資料の方である。 >巻末の参考文献において、経済問題に関連して挙げられているのは以下の4冊。 > >跡田直澄+浅井隆「2003年、日本国破産[衝撃編]」(第二海援隊) >木村剛「キャピタル・フライト 円が日本を見棄てる」(実業之日本社) >深尾光洋「日本破綻」(講談社現代新書) >米山秀隆「世界恐慌」(ダイヤモンド社) > >作中の経済破綻は、大枠ではこれらのうち跡田・浅井本と木村本に沿ったものとなっている。 前掲の筆者コメントとあわせて好意的に解釈すれば、 >これらの本が主張するところは起きるとは思えないと筆者が自覚した上で作中描写として採用したともとれるが、 >素直に解すれば、作中世界の設定にあわせてアレンジした部分については非現実的であると言っているにすぎず、 >その大枠は筆者が起こりえる将来像だと考えているように思われてならない。 なるほど、そういう考え方もあるんだ。なかなか考えさせられますな。 > というのも、当サイトの主張を賛否はともかく合理的な一つの体系だと認めてもらえるのであれば、跡田・浅井本や木村本に書いてあることなど、 >と学会世界におけるコンノケンイチの著作のそれと同じレベルであることに異論はなかろうが、筆者がそうした事情を承知で自作にとりこむとは思えないからである。 これは賛同できないのだが。何しろUFOや新興宗教のような部分を山本が信じているとは思えない。むしろ信じていないことを選んで 書いている。それなら経済の部分もそうみるのが妥当だと思うのだがね。逆に言えばこの人は山本が書いているUFOとかの部分をそこそこ本当ぽい (と山本が考えている)と考えているのだろうか。
893 名無しさん sage:2004/07/30(金) 17:33 >2 つ目はプロットの本質に関するものとして、神の話。 本書における神の位置づけは予定説的である。 そう、世界史の教科書でおなじみの >-手元に世界史用語集がないので断言はできないが-あのカルヴァンが唱えた予定説である。 > >予定説とは、多くの日本人の常識に合致するであろう因果律の対極にある考えである。 いいことをすれば救われ、 >悪いことをすれば罰が当たるというのが因果律であるが、予定説の立場からすれば、これは人間の不遜きわまりない思い上がりということになる。 > なぜなら、救済の有無という神の判断が人間の行為に依存することになる故に。 人間ごとき、神からすれば取るに足らない存在の善悪などネグリジブルであって、 >神の判断はそんなものに振り回されるものではないと考えるのだ。 ある人が救済されるかどうかは予め定められているから予定説。 > >さて、本書を読んだ人であれば、この予定説が本書に全く登場しない-ある意味、「予定説」としてではなく登場してはいるのだが-ことに >webmasterが違和感を抱いたことを理解してもらえるだろう。 作中での神に関する疑問や悩みに対しては、予定説の枠組みから体系的な答えを導くことが可能であり、 >だからこそ筆者が主人公たちに与えた道筋も、予定説を知っている人間から見ると何とも微妙なモノになっているのである。 なんとなく微妙に違和感を感じないでもないが、あえて「予定説」を中心とした視点で神沈を語れば、「予定説を感情的に否定していた 少女が上手く自分と予定説との折り合い付けてそれに納得するまでの話」ではないのかな。すべてが予め定められているという考え方は 人間の自由意志を否定するもので、多くの(とりわけ若い)人間には感覚的に受け容れがたいものがある。神沈の主人公も最後まで 予定説をそのまま受け容れることは出来なかった。しかしそれをオブラートに包むことで何とか自分の中で気持ちの整理を付けた、ということだろうね。 >しかし、筆者がそれに気づいていないのみならず、 これは俺も疑問なのだよね。主人公が最終的に達した神と人間の関係に関する結論は宗教が指し示す結論と実質的に変わらない。 しいていえば宗教色を消して科学(っぽい)言葉で同じことを語りなおしただけといえる。しかし山本がそれを分っているか?といえば たぶん分っていないのだろう。この主人公の思考は山本のそれであり、主人公が神を科学というオブラートに包まないと受け容れられなかったように、 山本もむき出しの、ともすれば宗教的な、神は現在も受け容れられないのだろう。 山本の語る神と人間の関係は宗教が語るそれと実質的に同じだ。たとえて言うなら1つの事柄を代数的に表現するか幾何学的に表現するかという 程度の違いに過ぎない。しかし山本は両者を同じだとは決して認めることはないだろう。神沈の主人公よりも精神的に成長するまでは。 >本書を読んだ人間もそれに気づいている節が見あたらない。 筆者が主宰する掲示板でもそうした議論は全く見られないし、 >「神は沈黙せず 予定説」でぐぐっても現時点ではヒット0件である。 先の経済話とは異なり、プロットの中核をなす事柄であるにもかかわらず。 「予定説」という言葉を知らないだけだと思うのだけどね。どこかの日記に「神と人間の関係の答えとしては、やっぱりこれしかないだろうな」という 感想があった。この「これしかない」がおそらく予定説に相当するのだろうね。 > 取材が足りないわけでもなかろうし、読者層がそれほど狭いわけでもなかろうし、とすればこの乖離は何に原因をもとめることができるのか。 > 作者の狙いとは異なる視点から笑い飛ばすというトンデモ本の定義に当てはまるものとして、webmasterは本書を笑いたいとは思うのだが、 >この疑問に突き当たってそれができずにいる。 > >(山本弘(2003)、「神は沈黙せず」、角川書店) >(2004-06-20記) >(2004-06-27一部修正) 「予定説」とか「カルヴァン」とかの単語を知っている人間は神沈をあまり読まない(はなから相手にしない)だけじゃないの? あくまで単語でしか検索ができない検索エンジンの弱点ですな。いくら捜したい思想そのものの知識はあっても、含まれている 適切な単語をピックアップできないと、検索できない。これは結構不便ですな。いやなまじ検索エンジンが便利すぎるからなのだが。 例えば「神」「予定説」でなら容易にヒットするページが、「神」「予定」「因果律」ではうまくヒットしない。それぞれの単語が一般的すぎるからなのだが、 こうした点に検索エンジンの派点の余地があるのかもしれない。
894 名無しさん sage:2004/07/30(金) 17:45 >☆ Re: 7月の読書 / 山本弘 [近畿] No.20368 - 2004/07/30(Fri) 16:43 [zaq3dc06b27.zaq.ne.jp] > > 通行人sさん、こんにちは。 > >「予定説」というのは知ってましたが、それは結局のところ「神はなぜ悪が存在するのを許すのか」という疑問の出発点であって、答えにはなってないですよね。 > それが答えになると信じてる人がいることの方が不思議です。 これが山本の考えがおかしな点。予定説は悪について答えを出していない。神沈もまた答えを出していない。なぜこの世の終わりに 救われる人間と救われない人間がいるのか、予定説は答えてくれない。神沈もしかり。どちらも神の意志は人間の理解を超えたものであり、 人間はひたすらそれを意味も分らず受け容れるだけである、と述べている。どこがちがうのだろうか。 両方とも「答えがないのが答え」なのだが、山本は、同じ事を既存の宗教が示すと「答えになっていない」といい、自分が述べると「神と人間の関係を きちんと答えています」になる。つくづく困った人間だ。
895 名無しさん :2004/07/30(金) 20:51 神沈が国内3位がコネ評だと思う根拠(私見ね) 「SFが読みたい!2004年版」 発表!ベストSF2003 国内篇 ベスト3 1『マルドゥック・スクランブル』 冲方 丁 2『第六大陸』 小川一水 3『神は沈黙せず』 山本 弘 次点の4位は、 『忘却の船に流れは光』 田中啓文 読者が選ぶ ベストSF2003 国内篇 ベスト3 1『マルドゥック・スクランブル』 冲方 丁 2『第六大陸』 小川一水 3『忘却の船に流れは光』 田中啓文 神沈はベスト10に入賞せず
896 名無しさん sage:2004/07/30(金) 22:09 SF読者の見る目は確かだw
897 名無しさん sage:2004/07/31(土) 00:35 >>895 基本的な質問で恐縮なんだけど読者じゃない方は誰が選んだの?
898 名無しさん sage:2004/07/31(土) 05:59 >>897 出版社側が選んだ評論家
899 名無しさん sage:2004/07/31(土) 09:13 >>898 なるほど。となると最大限好意的に解釈しても、山本の小説は評論家向けで一般向けではないということになるね。 「素人には玄人の考えが理解できない」って山本が愚痴ってたことを思い出してしまった。 素人にはウケないってどうなんだろうな。学術論文なら最初から専門家に読まれることを意図しているから、一般人にはウケない。というより 専門知識がないと読めない。これはこれでいいと思う。 小説の場合はどうか。専門家(同業者?笑)向けに書かれた小説というのがあればそれはそれで面白いかも知れない。 しかし少なくとも山本は神沈を一般向けの小説として書いたはずなのだから、専門家には評価されるが一般人にはウケないなら、それは失敗作ということになるだろう。
900 名無しさん :2004/08/08(日) 13:25 久しぶりに神沈について書いてみよう。神沈を何とも稚拙な駄作にしてしまっている原因は複数あるが、 今回は「意志とは何か?」という掘り下げを全くしていない点を挙げよう。 自由意志を持つか否か。人間、そして神は自由意志を持っているのか。(山本の作品に「ラプラスの魔」あるが(笑)。) この点を回避しているため作品中で登場人物がいくら神の存在を確信しても、読者はどこかしらけてしまう。 何らかの意図をもつ”神”の行為なの?物理法則に還元される単なる現象にすぎないんじゃないの?と。 実のところ神沈の世界は(山本がいうほど)”神”を必要とはしていないように思える。単なる自然現象に無理矢理隠された意図を 見出してしまうのは古来から人間が行ってきたことであり、小説内で「人類で初めて神の存在を立証した」と山本がいくら懸命に煽ったところで、 説得力に乏しい。 山本はGA(遺伝的アルゴリズム)を用いたシミュレーションを行う人間とシミュレートされている世界の関係を、人間と神の関係に 置き換えて、シミュレートしている人間の意図を神の意図に対応づけている。何らかの世界をシミュレートしている人間がさらに別な 存在によってシミュレートされている。この古典的なアイディア(シミュレートという概念がなかった大昔は「夢」という言葉で語られた。 ある人間が見ている夢の登場人物がさらに夢を見ている、という具合に)をいまさら批判してもどうにもなるまい。だからこれは触れない。 この古典的なアイディアを、単なるシミュレーションの重層構造の面白さとして楽しむだけならそれでいいが、それを「神の存在」の 根拠とするならば、もう一歩突っ込んだ視点が求められる。山本は「神」を無意識に人間よりも優れた存在と想定している。 しかしそれは神聖不可侵な真理なのか。ここでいう「優れた」とは「善良な」という意味ではない。「高度な」という意味である。 自然界を見渡せば単純な無数の法則が相互作用することで多用で複雑な現象を生み出しているのだから、我々の世界を 作り出しているものを想定するなら、それはむしろシミュレートされているものよりもシンプルなものを想定すべきではと思う。 コンピュータでシミュレートされている世界。それらを生み出しているのはシリコンの素子でありこれは明らかにシミュレートされている 世界よりも複雑さは低い。単純なシリコン素子が複雑な世界を生み出している。その傍らにシリコン素子を使ってシミュレートしている 人間をいたずらに想定するから、シミュレートしているモノの方がされているモノよりも複雑だと錯覚するだけのこと。 宇宙に散らばるシリコン原子が全くの偶然でCPUを構成するように組み上がり、そのCPUがたまたまファンタジーRPGのシミュレータとして 機能し始めたとなぜ考えてはいけないのか。なぜそこにCPUを設計し生産し、プログラムを組み上げRPGをシミュレートさせている 人間を想定しなければならないのか。いや、想定しても構わないのだが、なぜ「人間」の特殊性を「単なる自然現象による偶然」と 必要以上に区別しなければならないのか。 この「人間を特別扱いする必然性の存否」が神沈での「神の存否」に対応する。神とは人間よりも高度な知性体ではなく、 人間よりも遙かに単純な物理法則が織りなす現象とはなぜ考えないのだろうか。 人間の意志や意図という概念がそもそも人間の都合で生み出されたものであり、シンプルな法則が複雑な現象を生み出す シームレスでスケーラブルな構造の「ある範囲」を便宜上そう読んでいるに過ぎない。どうように他の特定の範囲を「神の意志」と 呼ぶのも(人間の)自由ではある。ここで疑問がわき起こる。その「神と意志」の範囲は「人間の意志」の範囲のどちら側に 位置するものなのか。上位なのか下位なのか、あるいは位置的には同じなのか。 例えば自然現象を神の怒りと呼ぶような場合、現象そのものはおそらく「人間の意志」よりもシンプルな構造を想起させる。 一方人間の行う経済活動を「神の見えざる手」などと呼ぶ場合、それは「人間の意志」をパーツとして構成するより上位の 構造を意味するように思える。因果応報などもこちらの部類になるだろ。ただしこうした位置づけは1つの考えに過ぎず、 そもそも順位の付けられないものである可能性も忘れてはならない。 このように「神」とはさまざまな側面をもっているにも関わらず(まるで「百億の昼と千億の夜」ですな)、宗教が語る「神=高次の存在」を なんの疑問もなく周到しているのでは、「神を真っ正面から扱った小説」にしてはいささかお粗末すぎはしまいか。 結局の所「宗教が描き出す神」の呪縛から逃れられていないのは山本自身ということになる。
901 名無しさん sage:2004/08/08(日) 14:07 もう一つ。この小説の結論は「神の意図は所詮人間には理解できないものだから、そんなわけのわからないものの顔色をうかがわずに 人間自身の価値観で生きよう」ということなのだろう。 一面もっともではあるのだが、山本は自然科学が「神の意図」である自然現象をなんとか理解し予測しようとして生まれたことを 忘れているのではないだろうか。理解できないものを理解しようとする面において科学と宗教は一致する。違いは用いている方法論にすぎない。 まさか山本は自然科学までこの小説で否定しようとしているのではあるまい。しかし結果的には神も宗教も自然科学も一緒くたに 「人間には無関係」という結論になっているように思う。 この世界では神の意図によって一夜にして月面の様相が様変わりしてしまった。天体の運動もデタラメとしか思えない有様になった。 山本はこれらの世界で自然科学者の行動を何も描いていない。山本は自然科学者はこれらの事態にどう行動すべきだと考えていたのか。 所詮この世界を支配する神の意図は人間には理解できないものとして、これらの現象の研究を一切放棄すべきと考えているのか、 今や瓦礫と化した長年築き上げた理論をけなげに再び構築し直すのが自然科学者のあるべき姿と考えているのか。 一方で占星術者達が新たな事態に対処するために右往左往する様は嘲笑的に描いている。目の前の現象をなんとか理屈を付けて 説明するという努力の方向は占星術者も天文学者も同じはず。占星術者を嘲笑するのであれば天文学者も嘲笑しなければならないだろう。 そのため山本はこの世界のその後の科学者の有り様を描けなかったのだろう。なんともアンフェアなごまかしに逃げているといわざるを得ない。 山本が占星術に対して否定的な意見をもっているのはいまさらいうまでもないが、自然科学を賛美し、占星術や宗教を否定するのであれば、 場当たり的な対応に終始する占星術者を描くと同時に、ゆっくりとだが地道かつ確実に真理の解明へ再度歩みを始める自然科学者の姿を 描いてこそ、その主張が多くの人に受け容れられよう。 とはいえ山本は「これは神の意図であり人間には理解できないもの」としてしまったのだから、自然科学者のこの後の努力は徒労であると すでに決まってしまっているのが辛いところで、これでは山本の意図とは正反対に、宗教を否定するには自然科学も合わせて否定しなければならない、 と主張しているようなものだろう。
902 名無しさん sage:2004/08/08(日) 14:24 そう、「これは神の意図であり人間には理解できないもの」 としている割には、「神」の行動がどうしようもない程人間臭いんだよなあ。 正直、人間よりも高次な存在にすらなっていない。それ自体は別にどうでも いいんだが、作中でさも「高次の存在」であるように書かれているのは 某国の指導者が「百戦百勝の将軍」「人民英雄」と称えられているような もんだ(w そして、自然科学と宗教については、これは両方とも否定しているのではなく 寧ろ科学の方を積極的に否定しているように見えるね。 山本は、「神」が無茶苦茶な行動をとったことで既成の宗教が崩壊したと 書いているが、宗教は簡単にこれを合理化できる。 「これは神の与えたもうた試練である。神が信仰を試されているのだ。 今回のことでわかったのは、神は実在すると言う当然の事実だけだ。」 ところが科学の方はそうはいかない。今までの積み重ねが無に帰し、 代りの理論を構築するには膨大な手間がかかる。 科学は信用を損なったが、宗教は寧ろ復権する。 妥当に考えれば、こんな展開になると思うんだがね(w 山本の下らん倫理観のせいで、小説の展開まで不自然にゆがめられ 駄作と化した好例となるでしょうな。
903 名無しさん sage:2004/08/08(日) 15:14 >>902 > 山本の下らん倫理観のせいで、小説の展開まで不自然にゆがめられ > 駄作と化した好例となるでしょうな。 ですな。山本が掲示板でいつもやっていることそのもの。都合の悪いこと(科学のその後)は無視し、 都合のいいことのみを強弁する。 この部分って結構テーマに重要な意味を持っていると思うのだけどね。繰り返しになるが「人間は神に捕らわれず 自分の判断で正しく生きよ」というのがテーマらしいが、「正しく」というのが何を意味するかが問題で、 現在の我々の世界では科学的なものが「正しい」ものの代表のように扱われているが、小説の中ではおそらく 科学は信頼できないものの代名詞になっているはずだから、人間は科学を当てにせずに正しく生きなければならない。 となるとそれは…やっぱり宗教に類するものを頼らざるを得ないと思うのだが…ぜんぜんテーマを描き切れてないじゃん。 宗教は正しくありません。 科学は(神沈の世界では)正しいかどうかノーコメントです。 さあみなさん正しく生きましょう。 これじゃあ「正し生きる」ってどういうこと?とツッコミを入れたくなる。 だいたい山本は宗教を科学の敵のように考えているからこんなおかしな考えをする。宗教の大部分は人間が幸福に生きるための 経験則であり、科学と対立しているのは本質的でないごく一部のこと。そして宗教も経験則の集大成なのだから、科学と同じように 「昨日正しかったことは今日も正しいはずだし、明日もたぶん正しいだろう」という前提に基づいている。隣人に親切にすれば それは回り回って自分に返ってくる、というのも環境や価値観が急激には変化しないことを前提としている。 神沈ではとにかく神の行状は人間から見てはちゃめちゃなのだから、マンガ版デビルマンの終盤のように親しい友人や愛する家族が ある日突然怪物に変身しないとも限らないのではないか。そんな世界で「正しく生きよ」といわれれば、おそらく長期的な予測は リスクが大きすぎるので極力避け、短期的で単純な予測だけを頼りに行動するしかない。これは動物のそれそのものではないのか。 主人公はこの事件の20年先の未来から当時を振り返って語っているが、20年後にはたして文明なるものが存在しているのか怪しいものだ。
904 名無しさん sage:2004/08/08(日) 22:38 科学=物理現象がランダム化してる世の中で、 現行の製造技術が使えるとも思えんな。 つきつめて考えると、「神珍」って設定倒れもいいとこだな…
905 名無しさん sage:2004/08/09(月) 00:41 空から脈絡もなく巨大な氷の塊が振ってきて人がバタバタとつぶされていく世界なのだから、 魔除けとか吉凶占いとか流行りまくると思うんだけどね。
906 名無しさん sage:2004/08/09(月) 15:57 しかし神沈をここまで真剣に批評してもらえる山本氏って、ある意味幸せ者ですね。 アンチから駄作だ駄作だと言われながらも、なぜ不味いのかを徹底的に味を分析してもらえるなんて。それだけでも小説書いた価値があるというもの。 なんでここのスレを読まないんだろうなぁ・・・色々と参考になりそうなのに勿体無い。
907 名無しさん sage:2004/08/09(月) 22:38 >>906 彼に勉強して自分を高めようなんて思いが未だ残ってるのかな? トンデモ本やBBS等の彼の文章見ても、過去5年以内の新知見について、 WEB斜め読み以上の勉強した形跡が感じられないのだが。
908 名無しさん sage:2004/08/11(水) 11:21 >>886 > ずいぶん前にラジオで聞いたような気がする短編小説で、日本に突然「第二日本」という政府ができる話があった。 第二日本の場合、政府を複数にして競争原理を働かせようという発想なのだろうから、目新しさはある。 一方山本のサイレントレボリューションでは企業連合が日本を統治するらしいが、これが現在の政治体制と 何か本質的に違うのか?という疑問がわく。 現在でも企業は政治に対して大きな影響力を持っている。政治献金などでね。そしてそれは「好ましくないこと」と されるのが普通なのだが、山本はむしろそれをさらに推し進めようというのだろうか。 国家を企業と見なして利潤追求とその責任を求めるというのも、現在の体制と何が違うのだろうか。 現在もGDPや他のさまざまな指標で日本国の経営状態は評価されているし、経営が芳しくなければ政権担当者が 退陣に追い込まれる。現在でも日本国は利潤を追求する組織だと思うのだが。 結局のところ本質的な問題は長期的な利益のためには短期的な損失をどこまで許容するか?という点であって、 会社組織か民主国家かという問題ではない。普通の民間会社は国家よりは短期的なスパンで行動するから、 会社組織の方が国家よりも効率がよいように見えるだけで、国家のような大規模な組織を運営するのに 現行の会社組織が現在の政治形態よりも優れていると思える部分は感じられない。 大企業が時代の流れに没落していくのはよくあること。しかしそれと同時に新興企業が勃興していくから、 全体としては常に企業が時代を牽引していくように見えるだけ。企業の強さというのは企業そのものの組織形態に あるのではなく、個々の企業が盛衰を繰り返すことで全体として繁栄するその生態系の仕組みにある。 山本はまたもや勘違いをしているようだが。
909 K.K sage:2004/08/13(金) 14:33 企業規模が大きくなってくると、メリットもある反面、いろいろ問題が出ます。 例えば、管理費用が等比級数的に大きくなるとか(これを避けるために事業部制を採用したりする)。 国家レベルの企業体って、想像するだけでもいやだなあ。つまらない決裁通すのに、何年もかかったりしそう。 まあ、神沈の政経描写は一夜漬けの小論文とどっこいどっこいのやっつけ仕事なんで、その部分が評価に堪えるかといえば・・・。 ご本人は「ありきたりな展開にしたくなかった」旨の弁明をしてますけど。ありきたりのほうが、まだましだったんじゃないかしらん。
910 名無しさん sage:2004/08/13(金) 14:49 国家が企業と同様に行動したら、それは共産主義だと思うのだけどね。一貫した計画の下すべてが上意下達式に進行する。 考え得るもっとも効率のよい組織のはずなんだが…(苦笑
911 名無しさん sage:2004/08/13(金) 15:21 人間と神との関係を語ったSFでは百億の昼と千億の夜の右に出るものはないだろうな。 神の目的は人類を滅ぼすことだった!という設定は今にしてみれば目新しいものではないが、 滅ぼす理由が、この宇宙は神の世界のエネルギー炉の中にできた澱みに過ぎず、 炉の動作を安定させるために澱みを取り除いて均一化しようとしていただけだった!という圧倒的な虚無感。
912 K.K sage:2004/08/14(土) 21:41 >>911 「百億の昼と千億の夜」は好きな作品です。特に後半、寂々と滅んでいく宇宙を淡々と描いていく辺りはのめり込みました。 ラストで静かに語られる「真相かもしれない宇宙の絶望」を読んでも、なお不思議に絶望感だけではない印象が残るのも、作者の力量なのかも。 萩尾望都のコミック版も悪くはないけど、途中でさしはさまれる人間っぽいエピソードがかえって邪魔な感じがします。 これは、ストーリー終了後の阿修羅王の心象風景を思い描くときの落差が埋まってしまうせいかも知れません。 「たそがれに還る」もよかったですが、やはり「百億の昼と千億の夜」のほうが個人的には好きです。 光瀬龍が書いたジュブナイルは読んでいないのですが、こういったあたりが山本さんとの決定的な差なのかも知れないと、愚考する次第。
913 名無しさん sage:2004/08/15(日) 01:07 3001年ファイナルオデッセイもいいよ。人類はついにモノリスに打ち勝った。 人類をはじめ宇宙に無数の知性の芽をまき育んできたほどの高度な(モノリスを作った)生命体でさえ間違いを犯す。 そうした”彼ら”を静かに見守っているさらに上位の知性の存在をかいま見せて物語は終わる。
914 名無しさん sage:2004/08/15(日) 04:02 >>912 > >>911 > 「百億の昼と千億の夜」は好きな作品です。特に後半、寂々と滅んでいく宇宙を淡々と描いていく辺りはのめり込みました。 山本のスタイルも無理に分類すれば淡々と語っていく部類にはいるのかも知れないが、両者の間には オーケストラと小学生の学芸会の演奏ほどの差があるね。
915 名無しさん sage:2004/08/15(日) 04:06 これをなんと表現したらいいんだろう。片やバイカル湖のように深くかつ透明度の高い湖。片や学校のプールとでもいえばいいんだろうか。 山本の用意する舞台装置には奥深さがなく書き割りに毛の生えた程度の立体感しかない。
916 名無しさん sage:2004/08/15(日) 04:19 >>912 > 萩尾望都のコミック版も悪くはないけど、途中でさしはさまれる人間っぽいエピソードがかえって邪魔な感じがします。 俺も昔はそう感じた。なんか純粋に人間の英知や論理構成のみを主軸にソトーリーを構成すればもっと 洗練されたものになる、と。 ただ最近はすべてをそういうもので構成すると単調になりすぎるのかも知れないとも思っている。 その一方でハードSFには人間くさいエピソードは不要だとも依然と思っているんだけどね。
917 名無しさん sage:2004/08/16(月) 00:20 神珍を読んでまず連想するのが百億と千億。 そして瞬時に比較を諦めるのも皆同じ。 格が違いすぎるよね。小説としても、SFとしても。
918 名無しさん sage:2004/08/16(月) 12:31 >>917 かの名作が三文作家とも言えない山本弘の珍作と比べられるなんて・・・
919 名無しさん sage:2004/08/16(月) 16:56 今回の山本弘vsグースの対決は、神沈でのネット上での加古沢(あった派)vs文学賞受賞作家(なかった派)の対決そのものだな。 文学賞作家はネットで聞きかじりの知識だけであれこれ「なかった」論を展開。それに対して加古沢は冷静に1つ1つ丁寧に反証していく。 終始冷静な加古沢に対して次第に文学賞作家はヒートアップし、最後には逆ギレして議論を打ち切ってしまう。論争を見守っていた 人々には論争の勝敗は明らかだった。その上今まで尊敬を集めていた文学賞作家が実は稚拙で感情的な思考しかできない人物だったことも 人々に印象づけられてしまう、という話。 リアルの世界ではなかった派のグースが冷静な加古沢、あった派の山本がこの逆ギレする文学賞作家を演じている。 山本は加古沢を「目的のために必要ならいくらでも冷静で柔和な人物を演じられる人間」と設定している。 山本も自分の作ったキャラに学んではどうか。 とはいえ加古沢も物語の終盤で優歌に自分の主張を粉砕されると、冷静さを失って逆上する(この辺が山本がいくら 兄や加古沢を頭のいい人物だ、といいはっても読者かrは全然そうは見えず、イマイチ共感できない部分なんだけどね)。 おそらく加古沢は勝てる勝負の場合は理性が働くが、負ける勝負では感情に押し流されてとたんにわやくちゃになるタイプなのだろう。 山本は…というと、客観的に見れば勝てない勝負なのに、自分は勝っていると思い込んでいる分、理性的(これを理性と 呼べるのかわからんが)に振る舞える領域が広がっているように思う。自分を過大評価することで実力以上を発揮する 山本の性格がよい方向に現れる時もあれば最悪の方向に現れることもある、ということかな。
920 名無しさん sage:2004/08/16(月) 22:20 宗教を今まで小馬鹿にしていた山本が身内の不幸で掲示板を閉めたり、大好きな コミケを休んだりするなよw って信者は思わないか?
921 名無しさん sage:2004/08/16(月) 22:33 >>920 弔問客相手に神沈を配ったらいいんじゃないか?w ついでにチャリスも
922 名無しさん sage:2004/08/17(火) 03:01 ビデオ機器が無かった子供時代に、アニメを見るためには、家のTVの前に居なければならなかった山本。 大人になっても、SF作家を目指した為かまともな職に就けず、フリータを選んだ山本。 そんな、人との付き合いが少ない人生を歩んできた作家山本が、魅力的なキャラクターを次々と生み出せ るわけがない。 ある作家は毎日電車に乗り、前に座る人物の性格を体型や顔つきから推理し、キャラクター作りに役立て たというが、そういった地味な勉強より、どこかの編集に「SFは設定が一番大事」と言われ、それを免罪符に 書いた作品が「神沈」。 案の定、その登場人物達には魅力が乏しく、読者は共感を覚えなかった。 例えて言えば、一流の作家であれば「爺さんを100人書き分けろ」と言えばその場で出来るが、山本には 3人しか書き分けられない。その中で配役を決めるのだから浅薄で非魅力的なキャラになってしまうのだ。
923 名無しさん sage:2004/08/17(火) 17:04 >>920 ->>921 娘といっしょに法事に出たんですが、寝る前に娘に、「あれはみんな嘘なんだ」と説明したうえで、こう言いました。 「でも、あまり親戚の前で、『あんなのは嘘なんだよ』って言わない方がいいぞ。世の中には『伝統てきに行われていることは みんな本当だ』と信じてる人が多いから、本当のことを言うと、お前の方が嘘つき呼ばわりされていじめられるかもしれないからな。 でも、昔から行われていることがみんな本当ってわけじゃないことだけは、覚えておけよ」 いまいち
924 名無しさん :2004/08/17(火) 17:36 でも自分が死んだら、お盆にはお供え物を人より多めに供えてほしいと はげしく思う山本であったw
925 名無しさん sage:2004/08/17(火) 18:40 いっそのこと弔問に来る人の多さに腹を立ててくれれば、その潔さを尊敬するのだが。 このまえ身内の葬式があったんですが、僕は唖然としました。自分の親戚がこれほど霊の存在を信じているとは! 手を合わせて線香をそなえる、こんな行為に何の意味もありません。香典だけ銀行振り込みで入金してもらった方がどれだけ手間が省けることか。
926 名無しさん sage:2004/08/18(水) 12:34 神と人間を描いた作品といえば幻魔大戦もあるな。 宇宙の破壊者幻魔大王。何かの目的のための破壊ではなく、純粋に破壊そのものを目的とする集団。 ひたすら宇宙を無に帰すことを目的とする集団。それは宇宙の誕生と同時に生まれたモノたちであり、 彼らは宇宙の誕生から終局に至る永劫の時間の流れそのものという位置づけだったか… しかし「物事には始まりがあれば終わりがある」という一見真理に見えるこの事象。これには人間の「主観」による フィルターがかかっているように思う。始まりも終わりも単なる連綿と続く変化の一場面に過ぎず、それをことさら 「誕生」と「終局」という形にモデル化しがちなのは「生と死」が自分にとって重要な意味を持つ「生物」としての 「人間」の作り出した偏見ではなかろうか。このモデル化は思考を整理するためにも存外便利なので、あながち無意味な 偏見というわけではないが。
927 名無しさん sage:2004/08/18(水) 20:51 >>925 出向くのが常識だった葬儀の場に弔電というシステムが導入されて定着したわけだし、 追悼スレとかを遺族が立てる時代が来るかもしれんね。で、香典バナーをクリックするとw 山本はともかく、多くのファンに慕われている大物なら、駆けつけられないひとがマジで利用 すると思う。
928 名無しさん :2004/08/19(木) 01:03 >追悼スレとかを遺族が立てる時代が来るかもしれんね。で、香典バナーをクリックするとw 素晴らしいギャグだw。誰もが意表を突かれ、そして瞬時に理解できただろう。 君が誰だか知らないが、こういう発想こそ才能のなせる技といえよう。 反対に山本のいうギャグとは、作品中にアニオタの裏話を入れ、それが誰にも気づかれない ことらしい。才能のカケラもないね。
929 名無しさん sage:2004/08/19(木) 06:29 百億~のラストで宇宙全体を「たいそう原始的な生命体だ」と表現している箇所があるが、 この部分に「生命体」という言葉は似合わないように思う。むしろ上位の存在からは、宇宙全体さえ 無機的なものにしか見えないとした方がよかったのではないだろうか。 コーヒーにミルクを入れたらミルクが混ざらず模様になってしまった。そこでスプーンでかき混ぜて均一化(熱的死)したぐらいに。
930 名無しさん sage:2004/08/19(木) 17:09 >追悼スレとかを遺族が立てる時代が来るかもしれんね。で、香典バナーをクリックするとw ううむ、そうなると未来の香典ドロボーというのは、エセ追悼スレを立て エセのバナーを駆使して香典を盗むわけだね。なかなかサイバー・・・っ ぽくは全然ないw
931 名無しさん sage:2004/08/19(木) 17:17 >>930 話はそれるが俺の身内の親戚の葬式で泥棒にあって大変だったよ。 葬式なんて大抵の人が不慣れなわけで、当の家はてんてこ舞い。そこにつけ込まれたんだろうな。 金の問題もさることながら、火葬許可書(だっけ?)を入れたバッグごと盗まれたので、これがないと火葬できない。 もう当人達はパニックで泣き出すし、さんざんだった。
932 名無しさん sage:2004/08/20(金) 06:56 葬式ってのはてんてこまいだから泥棒が入りやすいそうですよ。
933 名無しさん sage:2004/08/20(金) 11:46 父親の葬式のとき葬儀屋頼んだら、母親は「ひとの不幸につけこむハイエナ」と口に出しては 言わないがそんな目でみていた。 しかし、大事な書類のやりとりは管理代行してくれるし、まったく感情移入のない第三者が 仕切ってくれるほうが遺族は楽だとマジで思ったよ。(それでもドロは来るが) ただ、うかつに葬儀屋に自宅の電話番号教えると、夜から謎の業者の宣伝電話が来る罠。 業者にもよるだろうが、伝える電話は携帯にしておくべし。 不幸のあった晩に家にかかってくる電話は取らざるを得ないし、墓石の宣伝だと頭来る 。
934 名無しさん sage:2004/08/21(土) 15:06 >父親の葬式のとき葬儀屋頼んだら、母親は「ひとの不幸につけこむハイエナ」 誰かがやらなければいけないことだから。 仮に葬儀屋が責められるとしたら、自分の職業が人の不幸で成り立っていることを忘れることだろう。
935 名無しさん sage:2004/08/22(日) 09:36 http://www.groupsne.co.jp/htm/htm/new/kawara/03-11/kawara0311-2.htm >安田 「ええと、つまりSFとして『神は沈黙せず』のどこが好きかというと、"この現実は現実じゃない"とか神といったテーマを、 >ただのSF的なギミック(小道具)だけじゃなくて、論理的に書いていこうとする山本さんの姿勢があるところ。そしてなにより、昔読んだSFを想像させてくれたところだね」 > >山本 「最近のSFを読んで、突っこみが足りないなあ、と――つまり嘘を書くのはいいけれど、もっとその嘘を信じさせてくれ、 >と思っていましたから。"現実はコンピュータのシミュレーションだ"という話はよくあるけれど、いまのコンピュータの容量でそんなことは不可能じゃないか、とそこでシラけちゃう」 なぜ宇宙をシミュレートするほどのコンピュータをたかが地球の20世紀の技術と関連させなければならないのか… それならワープ航法も「シラケる」のでは…ワープ航法にしてもギミック以上のものではないと思うのだけどなあ。 で、山本が考える「もっともらしい」コンピュータが量子コンピュータでは…こっちのほうがシラケると思うのだが。 http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/01/01/05.html によると通常のコンピュータが1万年掛かる計算を量子コンピュータは2マイクロ秒で行うことが出来るらしい。 すばらしい性能ではあるが、これだけの性能のコンピュータがあれば地球を中心とする半径1光年のシミュレーションが可能なのだろうか? 「神」の使っているコンピュータはどんな利点を持ち反面どのような制約があるのか。「なんでもできる」のであればそれは「魔法」であって 「SF」ではない。 山本が設定したのは半径1光年という制約だが、そもそも神の使う量子コンピュータの性能が具体的に設定されていないので、 リアリティに乏しい。ウルトラマンのテレポート能力が作品によってご都合主義的に設定されるのと同じような、とってつけたような制約にしか 感じられない。「量子コンピュータ」という流行の言葉を張りぼてのギミックとして使っているだけで非常に軽薄な印象が否めない。 以前話題に出たが、むしろ確率的にしか振る舞いが予想できず、それ以遠の振る舞いに因果律が適用不可能な量子の性質とかを シミュレーションの手抜きに対応づけた方がまだ深みのあるストーリーになると思うのだが。とはいえそうなると山本の基本構想である 「この世界と神の世界と同じ物理法則をもつ」には結びつかないが。 しかしこの基本構想がそもそもおかしい。作中のダーウィンズガーデンがはからずも示しているようにシミュレートしている世界と シミュレートされている世界がどうしてである必要はない。「兄」がこの世界の謎を解き明かすのに使用したダーウィンズガーデンや ドーキンスガーデンの世界は極めて単純化されたルールに基づく世界であり、我々の世界とは似ても似つかない。 ならば「神」にも「神と同じ世界」をシミュレートする必要はなく、もっと単純化された世界をシミュレートしていると考えるべきだろう。 単純化された世界が我々の世界なのだから、当然神の世界はもっと複雑なのだろう。ドーキンズガーデンのミーム達の世界には 物理学はおそらく存在しない。力学や電磁気学は彼らの世界では意味がない。そうした特性をもつ事象が彼らの世界には 存在しないからだ。ミーム達は陣地を取り合うのだから距離の概念はあるかも知れないが、質量の概念はない。情報伝達も 個体間を伝搬するものしかないから、遠隔作用は存在しない。 神の世界の時間の流れと人間界の時間の流れは異なるというのは太古から言われていること。それを否定し、神と人間は 同じ物理法則に制約される(ただし頭は神の方がいいw)というなら、説得力のある説明が必要となろう。 思うにこれは悪しき「リアリティ」の典型例ではないだろうか。神のおもちゃであるこの宇宙の物理法則は、我々にとっての ボードゲームや双六のようなものであり、双六のルールをもって我々の世界の物理法則を語るのと同じぐらい、 我々の知っている物理法則を神の世界に適用することは愚かしい。 それを強引に押し通すなら、ドーキンズガーデンと我々の世界が共通のルールをもち、なおかつそれが必然である説得力のある 説明を作中でしなければならないだろう。それをしないから、山本がいくら神のコンピュータは○○だ、と煽り、登場人物が こぞって「そうだそうだ」と合唱しても読者にシラケるばかりなのだ。
936 名無しさん sage:2004/08/22(日) 09:36 >安田 「リアリティの(もっともらしく感情移入させる)問題かな」 >山本 「そうですね」 >安田 「"論理"っていうのは理科系の考え方かもしれないね。ぼくも近いことは感じるけど、どちらかと言えばプロットや演出のところで、"ああ、うまくないなあ"と思っちゃう」 神沈も「ああうまくないなあ」と思わせる小説の代表となるだろう。 >山本 「それで、現実世界そっくりのシミュレートができるコンピュータってどんなものだろうって考えたときに、 >ものすごい知性体が作ったんだろう、って発想から神に結びついたんです」 それは悪いとは思わないが、何度も言うように「神が(神にとっての)現実とそっくりのシミュレーションを行わなければならない」必然性が なんら語られておらず、作中に出てくるシミュレーションはどれもこれも現実より極度に単純化されたシミュレーションでしかないから、 読者は置いてけぼりを喰うのだ。 人間が天気予報や建築物の耐震設計をする場合のように、神が神の世界の事象そのものをシミュレーションするのであれば、 シミュレートされた世界は神の世界と同じかも知れない。しかしこの宇宙はそのためのシミュレータではない。作中の話を総合すると 神が行っているのは、我々がニューラルネットの研究を行うために通常のコンピュータでニューラルネットをシミュレートするようなものに近い。 当然の事ながらその場合わざわざニューラルネットを分子や原子レベルからシミュレートしようと思う研究者はいない。あらかじめ 要求される単純なルールを満たす数学的な存在としての素子をシミュレートしているのであって、現実にどういった素材でどういった 製法を用いればそうした特性をもつ素子を作れるのかなど関係のないことなのだ。そんな無駄に手間の掛かることをする神は馬鹿としか思えない。 >安田 「それって論理的には正しいんだけど、じっさい小説に書こうとすると、そのまんまじゃだめなんだよ。あっけなさすぎる。 >いかにありうべく、それらしく"化粧"するか。ところが、最近のSFが難しいのは、まず現実を精密に"らしく"描かなくちゃいけない、 >その上で論理を組み立てなきゃいけない、というふうになっているところだと思うんだ。グレッグ・イーガン(『祈りの海』ハヤカワ文庫SFでヒューゴー賞を受賞)とか、 >そこがべったりしててしんどいんだよ。 そいういう「難しい」世界にSFをした犯人は山本のような人間だと思うのだがね。 > ところがこの『神は沈黙せず』がうまかったのは、"トンデモ世界"を巧みに逆説的に用いたところ。トンデモっていうのはばかばかしくて、 >現実にはないだろう、と思えることなんだけど、じっさいには真実めかして世の中に氾濫している――ある意味、トンデモは永遠かもしれない―― >そのへんが妙にリアリティがあるんだ。これを並べることで、読者に逆に興味深い現実世界と感じさせ、感情移入させていく。トンデモがすごく効果を発揮していたと思う。 どこにリアリティがあるのかサッパリ分らない。人々がトンデモにリアリティを感じるとしたらそれは、その方が現実を上手く説明できると(その人間が)思うからだろう。 自分にとって不当なまでに不運が続くのは単なる偶然ではなく、何者かがそれを意図していると考えた方がなっとくがいくから、人々はそれを信じる。 ひるがえって神沈のトンデモは、我々に対してどんなことを都合よく説明してくれるのだろうか。 当人にとって見合うメリットがなければ、荒唐無稽な話を誰も受け容れたりしない。逆に言えば世に受け容れられているトンデモにはそのメリットが あるから受け容れられているといえよう。神沈の主張は詰まるところ「人は己の良心に従って正しく生きよ」というものなのだろう。しかしそんなものは 何も神沈を読むまでもなく古来から宗教によって説かれていることだ。今更神沈が同じ主張をしたところで何も意味はない。敢えて意味を見出すなら、 宗教やトンデモとは違ったアプローチでそれを主張することだが、それならばおそらくロジックを重視しなければなるまい。それをせずに同じ手法で同じ ことを主張するなら、それは単なる安っぽい類似品以上のものにはならないだろう。そしてそれがまさに神沈の評価となっている。
937 名無しさん sage:2004/08/22(日) 11:27 久々に神沈をぐぐっていたら面白いものを見つけた http://bewaad.com/writings.html#Aug16041 | | とまあwebmasterの言わんとするところを理解していただき、さらには(表現はともかく)先取りまでしていただいたが、 | 一点だけ見解が分かれるところがあるので、そこについての意見を明らかにしておきたい。 | | | これは賛同できないのだが。 何しろUFOや新興宗教のような部分を山本が信じているとは思えない。 むしろ信じていないことを選んで書いている。 | | それなら経済の部分もそうみるのが妥当だと思うのだがね。 逆に言えばこの人は山本が書いているUFOとかの部分をそこそこ本当ぽい | | (と山本が考えている)と考えているのだろうか。 | | (「神は沈黙せず」ネタバレスレのレス892@山本弘問題連絡会掲示板)(webmaster注:冒頭の「これ」とは、山本が跡田・浅井本や木村本の | 内容に疑いを持っていないように見える、とのwebmasterの指摘) | | 通常、フィクションに何か一つ大きな仕掛けを持ち込む場合、その他の部分についてはなるべくリアリティを保つ必要がある。 書き込みにある、 | UFOや新興宗教について言えば、UFOがああいったものであるというのはここでいう仕掛けなので、リアルでないことを承知で作品世界に導入しているだろう。 | また新興宗教は、山本自身は当然信じてはいないだろうが、ああいった宗教にはまる人がいるのは事実だし、 | その当たりは十分取材して書いていることは明らかにされている。 | | 翻って経済についてであるが、この分野における仕掛けはAVP。 このAVPという仕掛けに説得力を持たせるためには、 | それ以外の部分について十分にリアリティを確保する必要があるし、山本はそういうものとして跡田・浅井本や木村本の世界を眺めた可能性が高い。 | なぜなら、例えばタキオングッズを嗤うにはタキオンのなんたるかを知る必要があるように、跡田・浅井本や木村本を嗤うには、 | ドーマー定理とプライマリーバランスの関係や国際収支統計の定義などについての知識が必要だが、ネタバレスレを見る限り、 | 山本がそうしたことを知っているようには思えないからだ。 なるほど。嘘(フィクション)を付くにもその付き方が下手だ(人を騙すだけの知識が不足している)、という話なわけね。 閑話休題 山本が経済に関しててんでダメなのはいうまでもない。AVPの国際決算はどうなってるのかとかAVPで購入した場合の課税や AVPの資産の金利はどうなっているのとか、まったく考えていない。政府はこうした仕組みで紛いなりにも自国の通貨をコントロール しているわけで、もしAVPがそうした政府のコントロールが及ばないならAVPの流通を無制限に許すわけがない。 なんらかのコントロールをかけてくるはず。例えばAVPで決算した商品の税金は自国の通貨で払わなければならない、とかするだけで いくらでもAVPの流通のコントロールはできるはず。AVPで購入した場合の税金を高額にすれば誰もAVPで商品を買わなくなるだろう。 それはともかく神沈がユニークなところは、山本が本来得意とするUFOやオカルトがらみの大量のエピソードが、実質的に ストーリーに何の意味も持っていないこと。これはBGMや書き割りの背景と同じで、雰囲気を演出しているに過ぎず、 取っ払ってしまっても神沈の骨格部分のストーリーにはなんら影響を与えない。 一方経済や政治など山本が不得意な分野はストーリー構成上重要な意味をもつ。AVPによる円の暴落、それに端を発する雪崩を打つような 経済不況。そこから引き起こされる日韓関係の悪化。こうしたことがなければ後半の日本国民営化(?)やそれを道具とした加古沢の野望の成就、 という展開は成立しない。山本はわざわざ自分の得意な部分ではなく不得意な部分を使って物語を構成している。 これは、絵を描くのは得意だがストーリーを練るのは素人同然というイラストレーターがマンガを書くようなものではないのか。 絵は上手いが話の展開は稚拙で、イラスト集として評価するならともかく、マンガとしてはとても高く評価は出来ない。 山本はイラスト(資料や設定を集めること)は得意だが、ストーリーテリングは素人と知らしめる作品となっている気がする。 あるいは大道具さんがメガホンをもって映画の製作を指揮するようなものか(笑)。神沈を読む人間がいればいるほど、 こうした山本の評価が人々に浸透するわけで、この本、山本にとっては出さない方がよかったんじゃないの?と思ってしまう。
938 名無しさん sage:2004/08/22(日) 19:54 AVPに関する記述を見る限り、山本は現実の商品券が作られる理由も まったくわかってないと思われる。 商品券の作成運用にはコストがかかる。 例えば1000円の商品が1000円で売れた場合と、1000円の商品券で売れた場合では、 商品券で売れた場合のほうがコストが高い。 製造、管理、配布、計上、決算、余計な手間が増えるからだし、紙代、インク代だってバカにならない。 電子商品券でもただで作れるわけでもなく、管理するのには結構な金がかかる。 にもかかわらず、大手が商品券を発行するのには理由があるわけだ。 商品券の最大の利点はプリペイドということだ。 集金は1日でも早く、支払いは1日でも遅くが商売の基本だ。 利率が破綻している現在コレは絶対的な決まりごとではなくなったが、 それでも運用できる金を増やす意味でも重要だ。 そして、商品券はなんと商品が出るよりも前に現金を受け取れるのだ。 少しでも早く集金したい側としてはコレはありがたい。 大量に出回ってる商品券のうちダブついているものの価値分の金は すでに企業に納められた後だと言えば、商品券の価値はわかるだろうか? では、AVPにこの利点はあるのか? 1000円分のAVPを購入したとする。 この1000円はどこに納められる? 常識的に考えればAVPを管理するための専用の会社が作られているだろう。 各社が自由にAVPの発行が可能とは考えられない。 独自にAVPを発行できるなら100億でも1000億でも発行しまくって 金もってトンズラすれば良いだけの話だ。 信用とか実績とかそんなものに意味なんかない。 無尽蔵に金を生み出せるのに会社の信用を守って意味があるか? またそういうことが平気で出来るなら参加するのは無謀以外の何者でもない。 ならば一元管理するための組織が存在すると考えるのが普通だろう。 その場合、購入時の現金はその会社に一度納められる。 AVPが取引で使用された場合、この管理組織を通してAVPから現金への交換が 行われるだろう、そう、後払いだ。 先払いこそが最大の利点のはずなのに、後払いになるのでは価値がない。 現実に目を向けるとこのAVPに似通ったサービスは存在する。 WEBマネーなどがコレに当たるわけだが、コレは商品券とは性質が違う。 電子商取引を円滑に気軽に行うための仕組みとして登場したサービスなのだ。 やってることは銀行業務やクレジット代行と変わらない。 ただ目的を特化している分使用者にとって手軽で使い勝手がいいわけだ。 そしてこのサービスが発展していってもAVPのような存在にはならない。 なぜなら、このサービスを使用して利点があるのは、電子商取引において 支払方法の選択として利点が多い場合に限られるからだ。 電子商取引に乗らない商品を扱う企業、高額商品のみを取り扱う企業、 純粋なサービス業においてこのサービスは非常に利点が少ない。 マクドナルドのカードでマクドナルドの商品が買える仕組みは、 マクドナルドにとって利益を生み出す仕組みだが、 Webマネーでマクドナルドの商品が買える仕組みは、 マクドナルドにとって経費を生み出す仕組みだ。
939 名無しさん sage:2004/08/23(月) 02:07 通貨と通貨以外のもの(商品券とか)の違いは結局、課税と国際決算だと思うのだよね。 それ以外は原理的には同じことが出来る。当たり前だがAVPも資産である以上課税対象になるし、 AVPで購入したからと言って税金(消費税とか)がかからないことにはならない。 税金は価値の所有権の移動に対してかかるのであって、円で決済しないからといって課税されないわけではない。 極端な話物々交換でも課税はされる。海外への送金も同様で当然課税される。 AVPが流通している社会なら、AVPに関する金融の仕組みも整っているはずで、それによって政府は通貨と 同様にAVPに対して影響力を駆使できるはず。 ところでどうやらAVPは他国でもそのまま通用するらしい。いわば世界共通通貨ということになる。 これは実質的に全世界を固定相場制にするのと同じだから、変動相場制の持つ自動調節機能が働かなくなり、 各国の金融当局はより難しい金融政策を求められる。現実の世界ではユーロがまさにそれに相当しユーロへの 全面移行に先立ち、各国は為替相場の変動幅を一定内に押さえるために四苦八苦していたのは記憶に新しい。 為替相場を固定するためには少なからず国内経済にしわ寄せがいく。通貨を統合するということはそういうことなのだ。 ユーロの場合統合に向けて歩み出さなければヨーロッパに未来はないという危機感から、こうした困難を乗り越えて 空前の規模での通貨統合が行われたわけだが、AVPの場合どうなのだろか。神沈の時代設定は近未来であり、 とても世界通貨などが現実みを帯びるような背景とは考えられない。恐らく各国は国外への送金をAVPで行うことを 禁止するか大幅に制限するだろう。いったん両国の通貨に換金しなければ送金できないように。 結局のところ金利や税金のためにAVPを円に換金しなければならないのなら、AVPと円はそこで結びついているのだから 両者の変換率が大幅に変動するようなことは普通なら考えられない。神沈に出てくる馬鹿な日本政府のように 「円」の預金封鎖などという大馬鹿な金融制作でもしない限りね。 預金封鎖は新通貨への切り替えを促す場合にするのであって、新通貨への切り替えが必要な時というのは、 平たくいえば旧通貨での政府の借金を帳消しにしないとどうにもこうにも国家が立ちゆかないような状況であり、 自国の経済をリセットするに等しい荒療治。日本が戦後まもなくこれをやったのは戦争による桁外れの借金を リセットするためで、単なる不況に毛の生えた状況に見合うような対策ではない。
940 名無しさん sage:2004/08/25(水) 02:04 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Christie/3660/yamamoto.html | | 神って何だろうって考えたことはあるだろうか。ぼくにはある。でも考えきることはできなかった。知識が足りなかったからだ。 | 圧倒的な知識不足。それは、ぼくに神を考えることを断念させた。そしてその知識不足は今なお続いている。知識への欲求。 | | いったい神って何だろう。きっとそれは何億、何十億のヒトが考えて、考え抜いて、考えきった末、万人が納得する答えが出てこなかった、 | 人類の人類による人類に対する問いなんじゃないかと思う。たとえば数学。数学で長らく解けなかった定理。たとえば物理。 | 物理で長らく謎だった法則。そういうのは多分きっとこの世のどこかに昔からずっとあったものなのだ。 | そしてそれは誰かに「発見」される前から世界のいたるところにあったのだ。そして誰かが「発見」して、 | そして皆で長い間考えた末、誰かが謎を解明することになるのだ。謎の発見と解決。自然法則の場合、 | 謎は創り出すものではなくて、発見するものだ。 | | しかし、神は違う。神はヒトが創り出したものだ。もともとあったものじゃない。昔々のその昔、ぼくらの祖先たちが創り出してしまったものが神だ。 | さまざまな地域で生み出された、たくさんの神。そしてそれは人間たちを支配し、人間たちに支配され今なお世界を覆っている。 | しかしいったい神って何だろう。神を――その問いを、人類は自分たちで創りだし、長い間その謎に取り組んでいる。 | | そう。ぼくはそう思っていた。神は人類が創り出したものだと。何となくそう思っていた。しかしいったい神とは何なんだろう。その答えには全然たどり着けない。 神は人間が作り出したもの、というのは同意するが、数学だって人間が作り出したものだ。単純な公理を組み合わせることで、 複雑な定理を生み出していく。たまたま人間が選び出した公理はこの世界のいろいろな事柄を解決数のに実に都合の良いものだった。 いわば奇蹟に近いかも知れないし、都合の良いものがより深く研究されたというだけのことかも知れない。 物理の研究対象は自然であり自然は人間が作り出したものではないが、物理学自体は人間が作り出したものだ。 物理の方程式が記述するものは対象そのものではなく、いわば画家が絵を描く作業に似ている。対象の面影はあるが 対象とは違い画家の感性や価値観がそこに反映されている。 自然法則の発見とは、どこかにあるものを見つけ出す行為ではなく、モデルを作り出す行為であり、いわば人間の創作物。 彫像に光を当てると影が出来る。この影こそが自然科学であり、光を当てているのは人間の主観なのだ。光の当て方によって 影の形は変わる。人間は決して彫像(自然)そのもの見ることはできない。 彫像の特徴を上手く映し出す影もあれば、これが同じ彫像の影かと思うほど意外な影もある。宗教や神もまた影の1つであり、 この点に置いて数学や自然科学との差異はない。科学とと宗教の差異は別なところにあるのだから。 | いや、神は人類が創り出したものではない。創造主である神こそが、われわれ人類を、動物を、植物を、この地球を、 | この宇宙全てを創り出したのだ。そう説明するヒトビトもいる。世の中にはそう主張するヒトビトがいる。大勢いる。 | いったいその根拠は何なんだろう。ホントに神は太古の昔、始原の時からいるんだろうか。本当に? 神は物質を無より生成したのではなく、混沌とした状態に秩序を与えることにより世界を作った。 科学の言葉でいえば無(混沌)から有(秩序)を生み出すシステムは自己組織化と呼ばれる現象であり、 これいついてはやっと前世紀から研究が始まったがあまり分っていない。神とはそれ以前に人々がこの現象に 付けた呼び名であり、どうようにあまり研究は進んでいない。
941 名無しさん :2004/08/25(水) 02:04 | しかし、そう疑問に思うときにも圧倒的な知識不足がぼくの前に立ち塞がる。神が存在する根拠が論理的に提示できないヒトビトに対して、 | 神が不在である根拠を、ぼくには提示できない。 | | 本書で山本弘は神を提示する。圧倒的な情報量に裏打ちされた論理的思考の末に、提示する。それはコンピュータの知識であったり、 | 国際情勢の知識であったり、SFな知識であったり、そして、トンデモない量の超常現象の知識であったり。 | 世界に雑多に散らばっているそれらの素材を山本弘は論理的に並び替える。それらの素材を有機的に繋ぎ、論理を創り出し、 | そして展開した論理のその先に、神は顕現する。神を創出する。いや、 | | 山本弘は神を発見する。 | | こんなわかりやすい形で神はあったのだ。それはさまざまな現象で見られたのだ。われわれには見えていたはずなのだ。 | われわれが見えなかったフリをしていただけで。それを山本弘はわれわれの、われわれの目の前に突きつける。これが神だ。 | これこそがこの世界の神だ。これこそが、本書で提示されるこれこそが、 | | 山本弘による「神とはいったい何なのか」という問いの答えだ。 | | 本書における神は突拍子もないものではない。いや、突拍子もないものかもしれないが、その神は山本弘以前にも誰かが提示しているものだ。 | しかし、多分本書ほど圧倒的な情報量に裏打ちされて説明されたものは他にはないのではないか。 | そう思えるほどの情報量――知識量だった。山本弘にとって、神がいったい何なのか。それはよくわかる。なるほど、納得できる。しかし、 | | 自分にとっての、神ってのはいったい何なんだろうか。 | | 本書を読んで山本弘にとっての答えはよくわかった。しかし、ぼくにとってのその答えはいまだ見つからない。 | しかし、本書を読むことによって、神に一歩近づけたんじゃないだろうか。そう思う。そう思いたい。 神沈に記載されている情報は確かに多い。しかしそれは秩序だって組み合わされていない。古くからあるジョーク。 「あなたの主張がすべて書かれた書物がありますよ」 「え、それは是非読んでみたい」 後日国語辞典が送られてきた 情報は組み立てられてこそ意味を成す。神沈に記載された情報は無秩序な断片に過ぎず、なにごとをも裏打ちしていない。 あえていえば「秩序がない」ことを示しているといえるかもしれないが、「秩序がない=法則性がない」ことを証明するのは 実は非常に難しい。一連の数列からその法則性を見出す作業は機械的にはできない。機械的に求める方法は多々あるが、 それらによって法則が見つからなかったからといって法則がないことの証明にはならない。見つかれば「法則があった」と分るだけだ。 洪水のような情報によって相手の思考力を奪い、煙に巻いてしまうというのは古くから用いられる話術の1つであり、 山本が神沈でやっていることはそういうことなのだ。もっともそれがあながち悪いこととはいえず、少なくともフィクションであれば 重要な手法の1つといえるだろう。 「神沈の情報量には圧倒された」とそこに説得力を見出す人間がいることは、山本のもくろみが成功したといえる。 ただしそういう人間の数が多いか否かが本当の成功/失敗を決めるのだが(笑 なにかよく分らない難しいことをまくし立てられている内に、なんとなく相手の主張が正しそうに思えてくる。そういう人間を 相手に神沈は書かれているのだろう。山本が酷評されるために神沈を書いたのでなければ。
942 名無しさん sage:2004/08/25(水) 02:18 >>938 > 純粋なサービス業においてこのサービスは非常に利点が少ない。 > マクドナルドのカードでマクドナルドの商品が買える仕組みは、 > マクドナルドにとって利益を生み出す仕組みだが、 > Webマネーでマクドナルドの商品が買える仕組みは、 > マクドナルドにとって経費を生み出す仕組みだ。 これはその通りなのだけど、一度ルールが出来てしまえば、そのルール作り上げる手段であったものは 取り除くことが可能な場合もある。金本位制からの離脱などはそのいい例。金貨や銀貨の時代から 紙幣の時代に移るいは、通過儀礼として金本位制が必要だった。しかしそれは何時しか足かせとなり、 廃止されていった。 AVPが商品券から出発したのなら発行元の利益が重要なファクターとなる。少なくとも当初は。 しかしもしAVPが予想を超えて発展し、そうした元々のメリットを上回るような怪物に変貌すれば、 純粋に通貨の代用としての役割を担うこともないとは言い切れない。 ただしそんな「怪物」を野放しにするほど各国の金融当局は愚かではないだろうね。 山本の考えた金融当局は馬鹿だったが。
943 名無しさん sage:2004/08/25(水) 02:30 山本はインターネットによる直接民主主義(もどき)により日本国の戦争への暴走を描いている。 よくは分らないが山本は直接民主主義に対して否定的な考えを持っているのだろう。 単に加古沢(悪役ですな)の口車に乗せられる愚かな民衆を書きたかっただけかもしれないが。 小学校の授業で「昔はギリシャという国が直接民主主義をとっていました。人々は誰もが直接政治に参加できたのです。 しかし人口が増え社会が複雑化したことによって次第にそれはできなくなってしまいました」とか教わり、 「またそういう時代が来ればいいな」と思った覚えがある。 しかし実際には政治を行うには専門知識が必要であり「専門家」が行うのが正しい。病気の治療は医者に任せ、 我々はどの医者にかかるかを選ぶ。間接民主主義はなにも人口が増えたからやむなく取っている政治形態ではなく それが正しいから選択されている。 「権威主義」というと否定的に使われることが多いが、権威とは一種の他人による評価であり、間接民主主義と 相通じるものがあるようにも思える。誰がその道の権威かを我々が選び、判断はその人間に任せる、という意味で。 問題は「誰が権威なのか」を選ぶ方法が妥当性を欠くことが多いから、否定的に扱われるわけだが(笑
944 名無しさん sage:2004/08/25(水) 08:12 俺の親父が病院で死んだときは、病院に常駐してた葬儀屋が遺体安置室の扉の外で待機してやがったな。 その葬儀屋は使わなかったけど、最低でも150万とか言ってやがった。 俺のとこでは市役所が葬儀の手配をしている。そっちでやって全部で20万で済んだ。
945 名無しさん sage:2004/08/25(水) 08:19 山本は自分で考えついた(と思い込んだ)アイデアを過大評価するね。 前にも「民衆を支配する方程式というアイデアを思いついて、師匠に使い方相談したら“スパイ争奪戦のネタにしたら?”とか言われて、師匠を見限った」みたいなことかいてたな。 民衆を支配する方程式なんてアイデアがありきたりのくだらないクズとは思い至らないらしい。
946 名無しさん sage:2004/08/25(水) 10:03 >>945 それって相談の仕方が悪いんじゃないのかなぁ。「方程式」の実体がまったくなく、単に張りぼての小道具として 使うしかないなら、「新型兵器の設計図」よろしく争奪戦にするしかないと思うのだが。 ある程度中身の特性が付けられる(できること、できないこと、有効な範囲や期間、支配されないための対策の有無など)なら、 それを活かした「支配する方程式が存在する世界」のルールを構築してそこで知的なゲームを展開するのがいいだろうね。 ちょうと「デスノート」がやっているように。あの世界では「名前を書いただけでその人間を殺せる」という新たなルールを持ち込んで 知恵比べをしているわけだから。 ただしデスノートがおもしろのは「名前を書くと相手を殺せるノートがある」というアイディアが優れているからではなくて、 そのルールを駆使して行われる頭脳戦の内容(アイディア)が優れているからなんだけどね。 もし誰かが山本の所に事前に「相手を殺せるノート」というアイディアをどう使ったらいいか相談しにいったら、山本はどう答えるんだろう。 結局、小道具のアイディアと作品の面白さを決めるアイディアは別だと思うね。 神沈でいえば「この世界は神のGA(遺伝的アルゴリズム)マシンの研究材料だった」というアイディアの面白さと神沈そのものの 面白さは別。その真相にたどり着く過程を描くにしろ、その真相を利用して何か事を起こす過程を描くにしろ、それぞれに 面白さがなければ作品として面白くも何ともない。 神沈では両方を両方を描いているつもりらしいが、前者を描くなら、仮説を立てて確認し、必要なら修正し、という 登場人物(とそれに感情移入している読者)の試行錯誤を理詰めで描かなければ面白くない。もちろんこの場合の「理詰め」は その作品内だけで成り立ついわば屁理屈でいいのだが、神沈ではその屁理屈すら描かれていないから、まったく楽しめない。 いくら屁理屈でいいといっても 1) 遠くの天体を観測したら書き割りのようなモアレが見えました。だから遠くの天体は張りぼてだと思います。 2) 超常現象には法則らしい法則は見いだせません。だから超常現象は本質的に人間には理解できない神の仕業としか考えられません。 3) いま世界で起きている超常現象の頻度や分布とGAを用いたゲームはなんか似ているような気がします。 4) これらを考えればこの世界は神が作り出したGAの実験場だと思います。 これじゃあ読者は「真理を解明していく過程」を楽しめないだろう。こうやって列挙すると「要約すればこうなるのだろうが、それぞれには もっともらしい理屈付けがされているのだろう」と思うかも知れない。それなら俺もこんなことはいわない。悲しいかなこれい以上の理屈はないのだ。 特に3)辺りは「なるほど、確かに世界で起きている超常現象とGAの学習過程には類似がある」と納得できるような(屁)理屈が 用意されていればすごく面白い小説になったのだけどね。俺は、読んでて残りページを気にしながらいつこの理屈が紹介されるのか 期待してたのだが…結局最後まで出てこなかった。「兄」が一人で研究し「似ている」と結論づけて「妹」も「なるほどこれは納得できる」と 同意して終わり。読者は「何がどう似ているのか」を知ることは出来ない。
947 名無しさん sage:2004/08/25(水) 10:03 文句の付けようのない完璧な理論でなくてもいいから、何か「だまされたがっている」読者を一時的にでもだませる程度の 「嘘」を用意しておいてくれないと、ちょっとね。 また後者、すなわち真実を知った人間がそれを応用する部分も、「選ばれた人間として不老不死になる」とう目的が古典的に陳腐。 この作品で「オリジナルなアイディア」と呼べるところは、 5) この世界が神のGA実験場なら、人間がゲームのキャラクタデータをセーブするのと同様に自分のデータを神にセーブさせることが出来るのではないか。 6) そのためには自分がセーブされるに値するユニークなキャラになる必要がある。 7) それならたった一人で戦争を起こして見せよう。 と「加古沢(という悪役)」が考えるところぐらい。ささやかながらこの部分には山本の創造性を認めよう。しかしこの部分、終わりの1/4ぐらいに描かれている。 俺の場合3)で思いっきり期待を裏切られていてテンションが下がっていたので、なんか全然盛り上がれなかったんだよね。なんかもうストーリーは終わっていて 残りのオマケみたいな感じで。 あちこちにある神沈の書評にもこの部分に触れたものは皆無だ。唯一山本のオリジナルのアイディアの部分だと思うし、このアイディア自体は、傑作ではないにしても、 駄作とはいえない。下手なSFならこのアイディアだけで一本書けるぐらいの魅力はあると思うのだが、誰もこの点に触れないって事は、構成に問題があるんじゃないのかな。 一読者の印象を率直にいわせてもらえば 8) 前半はもう超常現象のカタログ知識の羅列でおなかいっぱい。 9) 1/2を過ぎた辺りでやっと「真理の探求編」が始まって徐々にテンションが上がってきたところ、 10) さんざん引っ張った「世界の真実」が大して予想外のものではなく、 11) それを納得させるような説明もなく、一気にテンションダウン。 12) そのあとにこの「応用編」が最後の1/4で描かれて終わり。 この構成って問題があると思うけどね。見せ場が2つ(「真理の探求編」と「真理の応用編」)になってしまい、はっきりって読者としてとまどいを感じた。 「謎解き」の答えが満足いくものではなかったので、最後に「どんでん返し」があるのかと読み進んだら用意されていたのはオマケのような「悪用編」で、 二重の意味で失望したというのもあるかも知れない。 「探求編」か「悪用編」かどちらか一方に絞るべきだと思うね。あくまで神と人間の関係をテーマに描きたいなら「悪用編」は入らない。 あるいは真理の探究の1つのエピソードとして「早とちりした悪役が功を焦り…」というパターンにしてもいいと思う。実は神沈も注意深く 読めばそういう構成になっているのだが、*そうはとてもじゃないが思えない*のが問題。
948 名無しさん sage:2004/08/25(水) 10:04 思うに 13) 最初の謎解き 14) それを悪者が応用&失敗 15) 真の謎解き として見た場合、 13)は「世界は神のGA実験場である」という、毒にも薬にもならないレベル。 14)は「神に自分のキャラデータをセーブさせることで不死になる」という、インパクトは強くないが努力賞。 15)は「神は集合としての人間を見ているだけで、ここのキャラに興味などない」という、最後の最後に用意されたにしては弱いインパクト。 となって、ほとんど13)で話は終わりだと感じてしまうのではないだろうか。俺自身、こうやって分析している今でも13)よりあとは エピローグのような印象しか持てない。やはり15)のインパクトがあまりにも弱いことが原因で、そもそもこの「驚愕の真相」のために 割り振られたページ数は1ページに満たない。アイディアが衝撃的で「この一言でいままでもつれていた糸が一気に解けた」というなら、 1行でも文句はないんだけどね。 15)が衝撃でも何でもないのは、人間自身、国家とか経済とかで個人ではなく群として人間を認識することに慣れているから、 いまさら「神は個々の人間になど注目していません」といわれても、「まあそうだろうね」としかいいようがない。 むろん神が見ている群とは人間が人間を国家単位でみることとは違い、神と人間の関係は強いていえば個体としての人間と 人間の脳細胞1つ1つらしいのだが、これとて別段「意外な真実」とも思えない。 結局の所「謎解き」を求めていた読者は「世界は神のGAの実験場」という話が出てきた時点で満足してしまい、あとは長い エピソードとしか受け取れないのだろう。 敢えてこの構成にしたいのなら、「悪用編」は「最初の謎解き」より前に持ってくるべきだろう。つまり「兄」は「世界はGAの実験場」という 「最初の真理」を解明したが、それを読者には知らせず兄と加古沢だけが知っており、読者に中身を知らせるのは加古沢の 企みが挫折した後にする、とか。 そうすれば加古沢が何を何を考えて行動したか(=「最初の謎解き」)とそれがなぜ挫折したか(=「真の謎解き」)を最後に 一気に披露してハイテンションのまま大団円となる(かもしれない)。 現状のストーリーでは加古沢の企みを挫折させるために「真の謎解き」が必要なので、それ以前に「挫折」させるには、 これまた同じ手法で「妹は加古沢の企みを挫折させた」という事実だけをとりあえず読者に示し、その中身の説明は 最後に、という形になるだろう。 整理すると 16) 「兄」は神の研究をして何らかの結論に至った 17) 「兄」の研究成果をピンハネして加古沢が日本と韓国を巻き込んだ大事件を起こす 18) しかしある女性の一言によって加古沢は精神的に大打撃を受け、その企みは灰燼と化す 19) すべてが終わったあとに「兄」と「妹」が一連の事件を振り返る形で「最初の謎解き」と「真の謎解き」を読者に披露し、大団円 こんな感じ。俺はこっちの構成の方がマシだと思うね。これなら一連の加古沢の不可解な行動の説明がなされ、 読者は「ああそうだったのか」と満足するから、「謎解き」そのものの貧弱さや平凡さがあまり目立たないだろう。
949 名無しさん sage:2004/08/25(水) 19:41 優香はオーストラリアの兄の家の呼び鈴を鳴らした。久しぶりに見る兄、良輔の顔はちょっと貫禄がついたように見えた。 親友の葉月は相変わらず子供の世話に大わらわである。あの時の子もずいぶん大きくなったものだ。その分自分が年を取ったということなのだろう。 こうして3人いや4人顔をつきあわせるのもずいぶん久しぶりのような気がする。とりとめのない世間話「子供がやんちゃだ」とか 「あんたはまだ結婚しないのか」が一段落したあと、葉月がちょっと目を輝かせてこう切り出した。「ねぇねぇ、そろそろアノ事件の 真相とやらをおしえてくれてもいいんじゃない?」。 加古沢の死から5年。あの日本中を熱病のように浮かせた事件はなんだったのか。「これがあの事件の真相だ!」と銘打った本が 日本国内だけで数百冊、海外を含めると千冊に届こうかと量が出版されている。しかしどれも見当はずれなものばかりだ。 あの事件に関して兄も私も一切真相を他人に語らなかった。加古沢の目的、そして私が彼に明かした真相。それらは世界で 私たち兄妹だけが共有している。 「おい、いつまでも兄妹だけで楽しんでないでアタシも仲間にいれてよぅ」葉月が兄をこづく。「そうだな、俺も気持ちの整理が 一通り付いた‥いや、もうこれ以上は整理のしようがない事を自覚したというのが正確かな。いずれ世界に発表しなければ ならないことだし、そのリハーサルとしてキミに説明してみようかな。キミが理解できるなら、世界の人の多くも理解できるだろう」 「あんだって?まあいいや。それじゃあお馬鹿な私が実験台となりますから早く説明してくんなせえませ!」 この二人は相変わらずだなあと思いつつふと傍らの子供に目をやると遊び疲れたのかはずきの横でこっくりこっくりしている。 こんな風景を見ていると、あの狂乱を極めた時代が嘘のようだ。 「ええと、どこから話し始めるかな。僕の最初の仮説あたりがいいかな。僕は当初…」兄は時々考え込みつつ1つ1つ慎重に 言葉を選びながら、説明を始めた。神はこの世界を使ってGAのシミュレーションを行っていること。加古沢はそれを早とちりして 自分のデータを神にセーブさせるために一連の騒動をおこしたこと。そして私が彼に告げた神の本当の意図、すなわち 神は個々の人間になど興味をもっていやしないこと。
950 名無しさん sage:2004/08/25(水) 19:41 葉月は私たち二人の説明を短い相づちを交えて聞いていた。そして話が終わるとちょっと考え込んだ後、いつもの明るい調子で 「へぇ~あいつはそんなことを考えてたのか」と感想を話し始めた。「こりゃあ中途半端に頭がいいのも、考えもんだなあ。 しかし自分が不老不死になるために日韓の間に戦争を引き起こすとは許せん!奴が死んでなかったら、俺がぶっ飛ばしてやったのに」 こんなことを笑顔混じりにいえるのも、両国の戦争が最小限の犠牲だけで休戦、実質終戦になったからだ。 加古沢の死とともに、あっという間にサイレントレボリューションの熱狂は冷め、つきものが落ちたかのように日本は 元の体制に戻りつつある。国家民営化論は21世紀に帝国主義の亡霊を復活させただけだった。 数千年を経て復活した直接民主制が帝国主義と同じ結果をもたらしたのは皮肉としかいいようがない。 これが直接民主制の根本的な欠陥なのか、今回たまたま運が悪かっただけなのかは分らない。まだまだ我々はインターネットと政治の 位置づけについて沢山学ばなければならないことがあるようだ。加古沢の構築した新体制の中には一部その優位さが認められ 残されている部分もあるが、大半は一端破棄されることになるだろう。すべてが元に戻ってしまうのはいささか寂しい気がするが、 再び前進するには後退も必要ということなのだろう。3歩進んで2歩下がる、だ。 私はなんだか楽しい気分になってきた。世界は相変わらず超常現象が多発している。科学者も宗教家もてんてこ舞いだ。 その中でちょっと興味が引かれるのは、科学と宗教を復縁させようという動きだ。超常現象というイレギュラーが無視できなくなって しまったので、科学は信頼性の保証を宗教に頼るしかなくなってしまった。ビルの設計は今まで通り科学知識を駆使して行われるが、 最後にそのビルを本当に建てても安全かどうかは、宗教によるお墨付きがないと誰も動こうとしない。建てた直後に超常現象で 氷塊の下敷きになってはたまらないということらしい。 一方宗教の方も変革を迫られている。超常現象の頻度が一気に上昇したので、これまで困難だった「予言や占いの統計的な検証」が 可能となってしまった。つまり宗教は科学的なついに検証対象となったのである。そのため宗教家は科学対策にやっきである。 ここに両者の利害が一致し、急速に科学と宗教は融和の方向に向かっている。それがたどり着く先は中世の暗黒時代と同じ関係なのか、 はたまた全く新し関係なのかはいまのところ分らない。人間は同じ過ちを繰り返すほど愚かではないと思う反面、それを繰り返すのが人間だとも思う。 とりあえずは宗教と科学の新たな関係を見守っていきたい。もし過去の過ちを繰り返すなら、それを止められるのは今現在の私たちしかいないのだから。 葉月がふと席を立った。子供をベットに連れて行くようだ。一瞬2つの事が同時に頭をよぎった。1つは私も結婚してみようかな。 もう1つは、もしや科学と宗教の統合が神が我々に課した新たな学習課題だったりして。2つは全く別なことのようにも思えるし、 どこか似通ったものにも思え、そんな奇妙な自分の考えにさらにおかしさがこみ上げてきた。 神は沈黙せず 完全版 <完>
951 K.K sage:2004/08/25(水) 20:36 >>945 ありましたね、「民衆を支配する方程式」。なんか山本さんって、数式が神秘的なものに見えているのかな。 物理とか、(こんヘンでばれたように ^^;)結果だけ闇雲に暗記してプロセスを学ばないから、変な結果がでても自分で気がつかない。 方程式で民衆が操れる、というのは個人的にはものすごく違和感があります。方程式って、例えば物理では、何かを操作するものじゃなくて、現象を記述するものだと思う。>>946 >ある程度中身の特性が付けられる(できること、できないこと、有効な範囲や期間、支配されないための対策の有無など)なら、 >それを活かした「支配する方程式が存在する世界」のルールを構築してそこで知的なゲームを展開するのがいいだろうね。 山本さんがそういう工夫ができるなら、神沈は面白いものになっていたんでしょうねえ。 あんな、あちこちからコピー&ペーストしたようなものじゃなくて・・・。
952 名無しさん sage:2004/08/25(水) 21:13 でも、本人達はあのコピー&ペーストが 「作品に必須の物だ!」とか言っているんだよなあ。 特に、悪評紛々の超常現象の無味乾燥な羅列は 「カラスは黒い」の反証のため、学会で 赤・青・緑その他色とりどりのカラスを会場に入りきらないほど持ち込もうと しているようなもんだと思うよ。 「このカラスはエメラルドグリーン、このカラスビリジアンと微妙に色が違う!だからカラスは黒ではないと 証明するには必要なんだ!」 「いや、証明したいなら白いカラス一羽で十分ですよ。そんなに持ち込んでも 論点が散漫になるだけじゃないですか?」 「君は何も判っていない!僕はプロだぞ!」
953 名無しさん sage:2004/08/25(水) 22:15 >>952 山本なら「それは白いからカラスではない」と来るのでは?
954 名無しさん sage:2004/08/26(木) 02:09 >>951 > 山本さんがそういう工夫ができるなら、神沈は面白いものになっていたんでしょうねえ。 神沈が面白くない理由の1つに「世界は神のシミュレーションだった」という「真相」がストーリー上どこにも活かされていない点があると 思うんだよね。優歌はひたすら狂言回しとして眺めているだけ。兄は真相にたどり着くという偉業を成し遂げたはずなのだけで、 その過程が描かれていないから面白くも何ともない。もっともらしい嘘を思いつけなかったので、描かないことによって表現するしかなかったのだろうが。 一番アクティブに活動しているのは加古沢で戦争まで引き起こすが、これは彼の頭のよさ(あまりそうは見えないんだが、それはそれとして)によるものであって、 真相とは無関係。もともと頭のいい悪者が神のルールを悪用してさらに力を持つ。しかしより深く神のルールを理解している兄&優歌の前にその野望は 費えてしまう、とかいう展開なら「エンターテイメント」と呼べるかも知れない。 兄はどうやら超常現象の起きるパターンを解析し、それをドーキンズガーデンと比較することで「真相を証明した」らしい。直接は描かれていないが、 立証というからには、理論から導かれる予想と現実が一致することを確認したのだろう。予測できない神の起こす超常現象のパターンをどうやって見つけたのか 疑問だし自己矛盾を来しているようにも思うが、意図は理解できないが一定の法則はあるということなのだろう。これも超常現象には因果関係がなく 予測不可能という兄自身の結論と矛盾する気がしないでもないが、好意的に解釈すれば、1つ1つの超常現象は予測不可能だが、 マクロ的に見れば一定のパターンがあるということなのだろう。なんどもいうけどこの辺を説得力のある嘘で組み上げればそれなりに評価できる作品に なると思うんだけどね。 例えば超常現象が起きるパターンが確率的に予測できるなら、政敵をそこに巧妙に誘い出して事故死させるとか。因果関係がないのだから、 この犯罪は立証できない。確率的にしか起きないのだから複数の布石を打っておいてどれかがヒットすることを待つことになるだろう。 加古沢は案外気が長いから、そういうことが得意かも知れない。加古沢がとる脈絡のない行動。その意味に優歌は頭を悩ませるが、 ふと思いついて兄のコンピュータから超常現象が高確率で発生する地図を引き出して重ね合わせると、ぴったりと一致。政敵か特定の原因で 事故死する確率は0.0001%だが、原因を限定せずどれかの原因で事故死する確率は89%という高確率になっていた、とか。 …いまいちこれも詰まらんな(笑)「予測不可能性を利用する」というのはやっぱり無理があるなあ。けど今のままだと「頭の切れる加古沢という 作家が何かの拍子に自分は不死になれるという妄想に取り憑かれて日本を戦争に導く」話として、神の真相とは無関係に自己完結 してしまうように思う。妄想というなら優歌や兄の言動も妄想で片づけられる。「立証した」というがその中身は二人しかしらないのだから、 教祖様が「私は宇宙の真理を解明した」というのと何も変わらない。 現に山本がまぼろしの後書きで「兄の考えは実は間違っている」とちゃぶ台をひっくり返しても、ストーリー上何の矛盾も生じないことが これを「立証」しているといえよう。優歌たちの世界は神のシミュレーションだが、その神は我々の世界の山本という男によってシミュレーションされている、という 面白さを狙ったのかも知れないが、なぜか全然面白くないんだよね。やっぱりこの辺が山本の筆力の限界なんだろうな。上位の世界のそのまた上に さらに上位の世界が実はあった、というオチを使いたいなら、やっぱその「上位の世界」はより高度なものでなければ納得しないんじゃないのかな。 人間の世界を超えた神の世界がありそれは人間にとって永遠に触れられないものである、と結んだ後、しかしその神の世界の上位には 我々人間の世界が広がっている…これを感動的に物語るのは難しいように思う。いっそのこと優歌達の世界に山本を登場させてはどうか。 話のところどころにうだつの上がらないSF作家がちょい役で登場する。彼は優歌のマンションの上の階に住んでいて、日がなパソコンに向かって 小説を書いているらしい。 ストーリーが大団円を迎えたあと、なぜかその男の書斎に視点が移り、パソコンの画面が大写しになる。そこには今優歌達が喋ったセリフそのままの 文章が綴られており、作家はファイルをセーブした後、おもむろにこうつぶやく。「よし、*ヒューマニズム*あふれる小説家の傑作が書けた」と。 男がパソコンの電源を切ると同時に、「プチン」という音を残して神沈は終わる。
955 名無しさん sage:2004/08/26(木) 02:10 あ、 「もっと悪役を懲らしめてやった方がよかったかな」と一言つぶやいて の方がいいかな。
956 名無しさん sage:2004/08/26(木) 02:26 >>952 > 特に、悪評紛々の超常現象の無味乾燥な羅列は これって「装飾」の意味しか持たないから、ある意味金をかけたハリウッド映画の特撮セットと変わらないと思うんだよね。 確かに金をかけて派手にすれば面白い映画になるとは限らないね。もしかしたら「(まぼろし)^2の後書き」で どうやら僕の真の意図を洞察できた人は一人もいなかったようです。 実はこの小説は読者をおもしろがらせるための書かれたものではないのです。 これは「無駄に金をかけたからといって面白い作品になるとは限らない」という僕なりの証明なのです。 ただ僕は貧乏なので「無駄にお金をかける」かわりに「無駄に情報を詰め込む」ことで代用したわけです。 とか書いたりして(笑
957 名無しさん sage:2004/08/26(木) 02:33 不条理オチにするならこんなのも考えられるな。…なぜか優歌達が喋ったセリフがそのまま綴られていた。 やれやれやっとファイルを修復できたかな。このおんぼろPCと馬鹿OSのおかげで、いろんなファイルの中身が ぐちゃぐちゃに交じってしまった。そろそろ新しいPCを買い換えないとやばいな。さて、ファイルを編集部に送信、と。 あ~付かれた。掲示板を一通りチェックして今日は寝よう。
958 名無しさん sage:2004/08/26(木) 21:26 >>945 >民衆を支配する方程式というアイデアを思いついて なんか話だけ聞いてると、 アシモフのファウンデーションシリーズに出てくる、 心理歴史学のパクリにしか思えないのは気のせいだろうか。
959 名無しさん sage:2004/08/26(木) 22:55 >民衆を支配する方程式なんてアイデアがありきたりのくだらないクズとは思い至らないらしい。 ファンタジー世界には類似品(世界を手に入れることができる指輪とか 人を支配できる錫杖とか)がゴロゴロしてますな。
960 名無しさん sage:2004/08/27(金) 19:17 あなたは何も判っていない!方程式なのがこのアイデアのキモであり オリジナルなところなのだ! とか山本なら言いそうだ(w 神珍も最初は 「神がコンピュータを使ってシミュレーションしたというのが 斬新なんだ!」とか言っていたなあ。 「神に匹敵する超越者が仮想世界を創造するなんてありがちだし 神珍はそのパターンだろ?」と方々から言われたら 「アイデアはありがちかもしれない。でも過程が重要なんだ!」と転進したけど。
961 名無しさん sage:2004/08/27(金) 23:10 >民衆を支配する方程式というアイデアを思いついて そーいやゴルゴ13で、標的になった女性社会学者がその手の理論(非現実的なほどの万能性はなく、わりと常識的な範囲)で大衆の行動を操って、 ゴルゴの狙撃を不可能にしようとする話があったな。現実にある理論ぽく描かれてたけど、どうなんだろ? ちなみにオチとしては、ゴルゴにもっとうまく大衆を操られて(依頼者と標的を口論させて、周囲の目をそちらに向けさせた)しまい、狙撃される訳だが。 あっさりゴルゴに上回られる理論のヘタレッぷりに、逆にリアリティを覚えたねぇ。
962 名無しさん sage:2004/08/27(金) 23:18 >>961 ちょっと元の話からそれるが、シリーズのヒーローものの1つのパターンとして、毎回敵が仕掛けてくる罠をそのまま逆手に取って逆襲するというのがあるからね。
963 名無しさん sage:2004/08/27(金) 23:19 >>960 > 「アイデアはありがちかもしれない。でも過程が重要なんだ!」と転進したけど。 その言やよし、なのだが、そもそも過程が面白くないからアイディアを含めて批判されるということを、 山本は分ってないんだか現実から目を背けたいんだか(笑
964 名無しさん sage:2004/08/27(金) 23:21 例えば「デスノート」を「名前を書かれた人間が死ぬノート」というアイディアが平凡だとかつまらないとか批判する人間はいない。 それだけ「過程」が面白いからね。
965 名無しさん sage:2004/08/28(土) 00:16 山田正紀とかはどうなの? 「神狩り」は神珍なんておよばない世界だと思うし。(神珍より、はるか昔になあ・・・) あと、ぐっと近年に近づけば「エイダ」とかさ。 長がいこと、山田正紀を読んでたら、神珍なんて陳腐でしかたないんだが。
966 名無しさん sage:2004/08/28(土) 00:59 >>965 クラークの「3001年終局の旅」も人類がモノリスを破壊して完結するからね。 まあクラークの超越者観は、人類に対してむやみに好意的でもむやみに敵対的でもない、ひたすら高度な知性を感じさせるが完璧でもない、 人類に対して執着もしていないが無関心でもない。一番俺にはしっくりとくる「神」だね。 山本は神沈で超越者を人間の世界から追い出した。存在していようがいまいが無関係だ、と言い放って。 まあそれは1つの考えであって悪くはないんだが、やっぱり「魅力ある小説」として見た場合、結論がシンプル過ぎるのがネックですな。 「正しいかも知れないがつまらない」…こんな感じ。
967 名無しさん sage:2004/08/28(土) 02:04 >>958 > アシモフのファウンデーションシリーズに出てくる、 ここで田中芳樹の銀河帝国興亡史のコメントが物議を呼んでますな。 http://tanautsu.duu.jp/the-best03_03_08_a.html いつぞや山本がアシモフはSF作家としては二流とかいっていたが、案外田中芳樹に感化されたんだったりして。 それにしても田中がアシモフに意見するなど(山本の言葉を借りれば)「無礼」だと思うんだけどねぇ。 クラークの「幼年期の終わり」を疑似宗教…これもなぁ。 田中の年齢ではまだまだ円熟した作家の境地を理解するには至らないのか。でもなあ、やたら新人作家が 自分のアイデンティティを確立するために権威に対して喧嘩を売るような年でもないと思うんだが。 まあ未だに喧嘩を売りまくることでしかアイデンティティを見いだせない自称SF作家もいるけどね。
968 名無しさん sage:2004/08/28(土) 02:12 ちなみに「幼年期の終わり」の主役は地球人ではなくオーバーロードだと俺は思うんだよね。 地球人を遙かにしのぐ知性を持ちながら、自分たちは進化できず地球人の進化を見守るしかない存在…深いと思う。
969 名無しさん :2004/08/28(土) 06:25 >>954 筒井康隆がその手の傑作を書いてますな。「朝のガスパール」だったか。 主人公が操作するゲームの世界。その上に位置する主人公の世界 それを書いている作家の世界。その上に位置する筒井康隆の世界を書いていた。
970 名無しさん sage:2004/08/28(土) 08:35 >>965 神狩りを検索していたら全然関係ないコンピュータ言語のページがヒットした。コンピュータの世界で有名な言葉がある。 繰り返すは人間、再帰するは神 この「再帰」という概念が数学やコンピュータを知らない人間には理解しがたいかも知れない。 例えば 「1から10までの数を掛け合わせて結果を求めよ」(階乗) という計算を 「1つずつかける数を増やしながらn回かけ算をせよ」 と考えるのが「繰り返し(loop)」。一方「再帰(recursive)」とは 「階乗とは1つ小さな数の階乗に自分をかけたものである」 と定義する。ループで10の階乗を求めると、 10!=1*2*3*4*5*6*7*8*9*10 となる(「!」は階乗を表わす記号)。再帰で10の階乗を表わすと 10の階乗とは9の階乗に10をかけたものである。 10!=9!*10 ここで9の階乗とは8の階乗に9をかけたもの 9!=8!*9 であるから 10!=(8!*9)*10 である。同様に 10!=((7!*8)*9)*10 である。 これを繰り返すと 10!=((((((((1!*2)*3)*4)*5)*6)*7)*8)*9)*10 となり 1!=1 だからめでたく 10!=((((((((1*2)*3)*4)*5)*6)*7)*8)*9)*10 となって10の階乗が求められる。 まさにこのカッコのお化けは神狩りに出てくる神の言語、13重になった関係代名詞を想起させるという話。 「再帰」の面白い点は「○○とは○○である」と自分の定義に自分を用いる点。上の例なら「10の"階乗"は9の"階乗"に10をかけたものである」と ”階乗”の定義に”階乗”を用いている。それが一種の無限後退を呼び、ループを形成する。
971 名無しさん sage:2004/08/28(土) 09:14 >>970 最近はXMLファイルの情報をWebブラウザに渡すところの記述にまで再帰なんて 言葉が登場しているね。 http://www.yuragi.jp/gsxslt/p001/p001.xml ブラウザが古いひとはここから http://www.yuragi.jp/gsxslt/index.html
972 名無しさん sage:2004/08/28(土) 09:51 階乗計算の場合あまり「再帰」の利点が伝わらないが、再帰の有益性を示す例として「ハノイの塔」があるね。 http://web.hc.keio.ac.jp/~fujimura/lang/page-20-2.html 円盤をしたから順に移動させていくのだが、 ある円盤をAからBに移動させるには、その円盤の上に乗っている円盤を先ずすべてAからCに移動させる必要がある。 この「ある円盤を*移動*させる」には「その上に乗っている円盤すべてを*移動*させる」という部分が再帰になっている。
973 名無しさん sage:2004/08/28(土) 11:07 神沈の「神」は非常にシビアで人間を「人間とも」思っていない。分類すれば百億の昼~に出てくる神系統になるのだろう。 人間が無機物や微生物になんら尊厳を抱いていないことに対応付けられると思う。根本的に異質の存在といえるかも知れない。 一方クラークの小説に出てくる神は進化の延長上に位置していると考えることができる。大きく引き離されているが、 原始的な物から発祥し次第に複雑な物へと進化していく生物と言えるかも知れない。人間にとって犬や猫は下等と見なしては いるものの、彼らの生き様や命に全く尊厳を感じていないわけではない。むしろ高度な知性体であればこそ原始的な生命体にも 寛容であるといえるかもしれない。 「攻殻機動隊」にでてくる「人形使い」というプログラム(?)は自分が知的生命体の定義に当てはまるとして生きる権利を主張した。 研究で使われる実験動物は時代が下るとともに制限が厳しくなっている。人体実験はむろんのこと動物実験さえむやみにはできない。 となればさらに時代が進めばコンピュータシミュレーションによって作り出された「生物」に対する尊厳という概念も生まれるかもしれない。 実際の動物をむやみに殺したり虐待することが制限されるように、シミュレーションによって生み出された生物もまたいたずらに 非人道的な扱いをすることに制限がかかる時代もありえるのではないだろうか。 神沈の神はシミュレーションしている我々をいたぶっているとしか思えないが、高度な知性体がそういうことに対して無頓着でいいものなのだろうか。 もっともこの手の問題は「どこまでを知的生命体」と認めるかという問題になり、両者のギャップがあまりにも大きすぎると お互いを知性体とは認識できないという面はある。しかし神沈の設定では、神は我々の宇宙と同じ物理法則に従っているらしい。 ただし両者の知性の差は人間の脳と地球規模の脳ぐらいの差があるらしい。この「神」がどういういきさつで生まれたのかが 作品中では語られていないが、もし人間が単細胞生物から進化したように、この神も進化の果てに誕生したのであれば、 同じ知的生命体として一定の尊厳を認めるべきではないだろうか。 一方そした進化の過程を経ずにいきなり行動な知性体が出現したとなれば、やはりその発生メカニズムが語られるべきのように思う。 神沈のストーリーに織り込むか否かはさておき、作者である山本は自分の頭の中でそれを考えておくべきではなかろうか。作品中に 直接は現れない背景の設定こそ作品に厚みを与える、という説教を今更山本にする必要はないと思うのだが… 例えば神沈には神が使う量子コンピュータの話が出てくる。作中では量子コンピュータを単なる神のコンピュータの処理能力の例えとして 述べているのか、実際に神の使っているコンピュータが量子コンピュータであると述べているのかはっきりしないが、これを発展させて、 神とはそもそも「量子重ね合わせ状態」の世界に住む住人と考えてはどうだろうか。我々が3次元空間を認識するのと同様に神は 量子重ね合わせ状態をごく普通の日常生活(?)において認識している。よりSFライクに表現すれば、神にとっては人間にとっての パラレルワールドのすべてが一度に見え、その空間の中で生命活動を行っている、と。 これならパラレルワールドのたかだか一つのさらに空間の隅っこの住人である我々を自分と同じような知的生命体と認識できなくても 無理はない。神と人間は空間を共有しているが、それは2次元の生物と3次元の生物が同一の平面を共有しているかのごとき状態で、 まさに「神の知性は人間には計り知れない」と、うまくまとまるような気がするのだが。
974 名無しさん :2004/08/28(土) 19:42 山本は作品内でカコ沢の死を「もしこれが神の罰ならば、大勢の人を巻き込む殺し方をしたりはしない」という理由で「だから神罰ではない」と結論づけているのだが、ちょっと頭を使えば簡単にこれを否定できるではないか? そこでクイズ:カコ沢が死んだのはやはり神罰だった。では、なぜ神は大勢を巻きこむような殺し方をしたのでしょうか? さあ、みんなで考えよ~!
975 名無しさん sage:2004/08/28(土) 21:09 勇者特急マイトガインの最終回、主人公たちはアニメ世界の「二次元人」ということが明らかになる。 更に敵の首領ブラック・ノワールの正体が三次元人(=高松監督)である事が明らかに!
976 名無しさん sage:2004/08/28(土) 22:21 スレッドの主旨からはちょいと外れるが、 昔、山本が別冊宝島で紹介していたマイトガイン最終回の内容が、 間違いだらけで呆れ返った記憶がある。 間違ってる場所を指摘するための資料探しに検索掛けてたら、 もう既に、きちんと文章にまとめて指摘している方がいました。 ttp://home9.highway.ne.jp/hwh01348/gai.html
977 名無しさん sage:2004/08/28(土) 22:36 元の発言は他の作品もいろいろケチつけてますが、これはウけた -------------------------------------------------------------------------------- ☆ Re: アニメ・特撮スレッド8月後半 / SA 引用 『ウルトラQ ダークファンタジー「レンズ越しの恋」』 雑誌で読んだところ、随分前からあたためていた秘蔵のプロットだったそうで。 どうやらネタをあたためているうちに、目新しいものではなくなってしまったようです。 この手のアイデアで後発であるとの自覚が無い様子では、どうにもなりません。 No.20726 - 2004/08/25(Wed) 01:53 [EATcf-36p155.ppp15.odn.ne.jp] --------------------------------------------------------------------------------
978 名無しさん sage:2004/08/29(日) 03:08 山本は量子コンピュータに関する理解がゼロなので作中では単なる「すごい性能をもったコンピュータ」の代名詞としてしか 活用されていない。量子コンピュータの計算能力が飛び抜けいてるのは、量子重ね合わせ状態を利用することで複数の 計算を同時に行うことが出来る点。 例えば8bitのデータは256通りの状態を表わすことが出来るが、従来のコンピュータは256通りの状態の内、 特定の状態しか一度に表わすことが出来ず、一回の8bit数値と8bitの数値の加算は1つの結果を得ることしかできない。 例えば(3+4=7と)。量子コンピュータは8bitの数値は256通りの値を同時に表わしていると解釈する。8bitの数値を その値が「3」であると観測するのは、3の状態の確率がたまたま高かっただけであり、1や6の状態である確率もゼロでは ないと考える。加算する側の8bitの数値も同様であり「4」という状態がもっとも高確率ではあるが、他の256通りの 状態も含まれていると考える。すると8bitと8bitの数値の加算は実は65536通りの加算が同時に行われており、 「3」+「4」の計算はその中で最も高確率な状態である「7」を我々が観測しているに過ぎない。 ただしこれをそのまま観測し、結果「7」を得るのでは従来のコンピュータ何も変わらなくなってしまう。量子コンピュータの本領は、 求める答えがもっとも高確率で観測されるように演算を工夫する点にある。行列演算をイメージしてみればいい。 10x10の行列同士の演算は大量の計算を必要とする。要素がそれぞれ100個あるのだから単純に考えれば100x100で1万通りの 計算が必要となる。こうした計算を無数に繰り返すのが自然科学におけるコンピュータの主な用途といえる。 しかし最終的に必要な数値は案外少ない。10x10の行列のうち1つの行の値しか必要のない場合が多い。 3次元の物体を表わすのに4x1の行列を用い(時間を含めると当然4つの要素が必要)、計算途中は4x4の行列演算を行い、 結果を再び4x1の行列として得るという処理が無数に現れる。入り口も出口もパラメータは4つであり、途中の計算が4x4や それ以上の行列演算となる。 もし行列の対角線上の要素が「もっとも観測されやすい」のであれば、最終的にほしい結果がそこに並ぶように演算を行ってやればいい。 そうしておいてその結果を観測すればめでたくほしい答えだけが手に入り、中間的な演算に必要だった残りの要素は捨てられる。 演算途中は量子重ね合わせ状態を用いるが、取り出す際はそのうちの1つの状態のみを観測する。キモはほしい答えが取り出されるように 演算を工夫する点といえよう。
979 名無しさん sage:2004/08/29(日) 04:48 >>978 私も山本さんは量子コンピュータのことをよく知らないのだと思います。 一般的にすごいコンピュータとか演算の速いコンピュータとしか思われてないので 一般人レベルと言うか素人レベルでの理解と言った感じでしょうね。 量子コンピュータって別にそんなに演算速度が早いわけじゃなくて演算の回数を少なくすることが出来るってだけなんですよね。 因数分解が得意で今のコンピュータとは次元の違う速度を実現するけど、単純な足し算なら変わらない。 環境シミュレーションには向いてると思うんですけど、どちらかというと逆算式のシミュレーション向けなので (パラメータを投入して結果を求めるのではなく、結果を指定してより近い値となるパラメータを求める) 現実世界のシミュレーションに向いているとは言いにくいと思う。 作中でも量子コンピュータはすごいコンピュータと言う表現しかなく、 量子コンピュータがどういった特徴を持っていて、何を得意とするのかという描写がなかったと思います。 単にスピードが速いってだけなら並列コンピュータで良いし、カーボンナノチューブの半導体が完成して 処理速度の桁が上がったとするだけでも充分だと思うわけで、 なんか、量子コンピュータならではって記述がないのはさびしいですね。
980 名無しさん sage:2004/08/29(日) 05:10 >>975 ,976 マイト・ガインに限らず、山本先生はよく確認せずに文章を書きます。 人には調べてから書けとか、確認せずにかくのは無責任とか言うのにね。 例えば、こん変p92のアイアンキングとか「毎回勝てた」と言う表現にいちゃもんつけるのに ビデオも確認せずに、「なつかしのTV青春アルバム!VOL.3<清貧編>」の 「自力で倒した敵モンスターが2体あいかいない」を持ち出して毎回勝ってないと言っている。 さらに「おそらく『アイアンキング』本編を見たことのない柳田氏、生身の人間に助けてもらってばかりいる情けない巨大ヒーローがいるなんて、想像もつかなかったのだろう。」 ってあんた今、本編確認せずに批判しとるがな! さらに掲示板で指摘されても自力で倒した数にこだわって自分は正しいと言い張る。 毎回勝った=自力で倒した と言う考えがおかしいと批判されてるのに、 自力で勝った数に最後までこだわっていた。 おまけ、コレかいてて気づいたんだが、 アイアンキングの敵を「敵モンスター」と呼ぶことには抵抗がないみたいだね、 前半はロボットで後半は宇虫怪獣なんだが、 柳田が使徒を「敵ロボット」って呼ぶのには噛み付いてたのに、不思議だな~
981 名無しさん sage:2004/08/29(日) 05:27 >>979 > なんか、量子コンピュータならではって記述がないのはさびしいですね。 まさにこれは「世界を支配する方程式」を「スパイ争奪戦の材料」にするのと同じですな。
982 K.K sage:2004/08/29(日) 23:10 >>974 それは、「●まぼろしのあとがき」に書いてあります。 > 作者はどのような世界を創造することも許される。しかし、ひとたび創造した世界の法則には、作者さえも従わねばならない。それは創作上のルールである。僕はクライマックスで、あえてそのルールを破った。世界の真の神としての特権を行使し、加古沢に御都合主義的な最期を遂げさせることで、彼に罰を与えた。 > 僕は悪役としての加古沢に愛着を抱いていた。同時に、彼がのうのうと生き延びることは絶対許せなかった。現実世界では、悪が罰せられないことがあまりにも多い。しかし、せめて自分の創造した世界の中だけは、悪が滅び、主人公の苦闘が報われるものにしたかった。この世界ではどうだろうと、フィクションの世界では、神は正義を行なうべきであると。 つまり、彼を殺したのは作品世界の神のさらに上にいる神=山本さん。 山本さんは、続いてこうも書いている。 > この世界自体もそうだ。子供時代の優歌が感じていたように、勧善懲悪のフィクションの世界の方が、僕たちの世界よりも正しいのである。僕たちは、この世界がフィクションのようではないことを、善や悪が必ずしも報われないことを、恥じるべきなのだ。 無関係な人間が大量に死ぬのも「僕たちの世界」よりは正しいことらしい。 弁護しておきましょう。イソップにこんな話があります。 悪人が船に乗った。悪人に天罰が下されるために船が沈没し、悪人は死んだが乗り合わせた無辜の人々も死んだ。 ある人が神を罵って言った。 「なぜ悪人ひとり罰するために、善良な人々が犠牲にされたのだ!」 そのとき、その人の足の周り群がっていたアリの一匹が足を噛んだ。その人は痛みに怒って、アリを振り払い、そのアリを踏みつけた。周りにいたアリも踏みつけられた。 神が現れて問うた。 「お前は一匹の害虫を殺すのに、やむを得ずとはいえ、無関係な大勢のアリを殺した。これでもお前はなお、あの天罰が不当だと言うのか?」
983 K.K sage:2004/08/30(月) 00:00 が、これは奴隷の論理です。奴隷は主人の意思には逆らえない。 そのことを山本さんは忘れている。山本さんは「創作者」という権威を以って創設のキャラクターが「彼らは作者の手を離れて動き出す」と言う。 山本さんが失念しているのは、そのキャラクターは創作者の考え、あるいは創作者の設定した「可能性」を超えては動かないということです。 自ら創造したキャラクターが山本さんを超えたのではない(もしそうなら気が狂うほどのストレスを受けるはず)。 山本さんは、自分の作ったキャラクターのレベルまで降りていった。そのキャラクターは、結局は山本さんが受け入れられないことは言わない。自分の好む世界からは出ない。 真剣に自問自答したことはないのでしょう。また、反りの合わない人とやっていくことも学んだことはないのでしょう(サラリ~マンは学ぶことがあるが)。 対人関係について、そういうことはなければよいのですけれどもね。
984 名無しさん sage:2004/08/30(月) 00:51 >>982 > > この世界自体もそうだ。子供時代の優歌が感じていたように、勧善懲悪のフィクションの世界の方が、僕たちの世界よりも正しいのである。 > > 僕たちは、この世界がフィクションのようではないことを、善や悪が必ずしも報われないことを、恥じるべきなのだ。 勧善懲悪…善が報われる世界はともかく、悪が厳しく罰せられる世界を実現することはそれほど難しいことではないと 思うのだよね。刑法を書き換えて罪を重くし、企業や政府などの責任者の負う責任ももっと大きなものにする。 さらに警察の人員や予算を大幅に増量する。「なんでこいつの責任が問われないのだ」「これって罪が軽すぎるんじゃないのか」という ような人間をどんどん厳しく罰していく。こういう世界が山本はお好みなのだろうか。 学園ラブコメマンガでは、生徒会や風紀委員が学園浄化に乗り出す、というパターンが1度はある。大抵それは失敗するのだが、 山本は成功して欲しいらしい。そういえば「デスノート」の主人公も「誰でも殺せるノート」を使って犯罪者を大量に粛正して 世界の浄化しようとしたな(この部分だけかくとこの主人公は単純馬鹿にみえるが(実際デスノートで主人公が唯一馬鹿に見える 点がここなのだが)、全体的なストーリーはもっと複雑)。 しかし…勧善懲悪のアニメやドラマも「ドラマのように悪は罰せられるのが正しい」と考える人間が出てくるようじゃ、 教育上むしろ有害といえるかもしれない。こまったものだ。 そんなに厳しく罰せられる世界がすきなら、名誉毀損とかの範囲も思いっきり拡大して、人を誹謗するような文章を書いた人間は 言論・出版の自由を制限する、とかすればよい世の中になるだろうねぇ。
985 名無しさん sage:2004/08/30(月) 01:45 勧善懲悪、言葉で書けば簡単だが、山本には今の世の中の複雑さがわかっていない。 何を持って善とし、何を持って悪とするのか、その基準を誰が決めるのか。 相手を親切にして甘やかした結果、よりひどい目にあったならばコレは善なのか悪なのか 不正に利益を上げる密輸業者を捕まえたために餓死者が出た場合コレは善なのか悪なのか 大阪の関西空港は軍用の大型輸送機などが運用できるように設計されているからと建設反対の署名が行われた。 建設にかかわる人の職を奪うことは悪ではないのか、飛行中に危険な状態になった人間を緊急に降ろせる空港が増えることは本当に悪なのか 結局のところ何かを得ると言うことは何かを失うと言うこと、 誰かが得をするなら誰かが損をする。 すべての人が幸せになれる理想郷など幻想でしかない。 正義のヒーローが誰かを助けた時、助けられなかった人間はヒーローを恨むだろう。 悪が決して許されない世界とは、人のいない世界のことだろう。 赤信号で道路を渡ったことのない人間がどれだけいるだろう。 タバコや空き缶のポイ捨てをしたことのない人がどれだけいるだろう。 スピード違反をしたことのない人間、一時停止を無視したことのない人間、 万引きをしたことのない人間、人を傷つけたことのない人間、 他人の物を壊したことのない人間、いったい、どれだけいるのだろう。 悪とはなんだ。何を持って悪と決めるのか。 山本にとっては単純なことだろう、自分の気に入らないものが悪なのだから。
986 名無しさん sage:2004/08/30(月) 01:52 >>974 > 山本は作品内でカコ沢の死を「もしこれが神の罰ならば、大勢の人を巻き込む殺し方をしたりはしない」という理由で「だから神罰ではない」と結論づけているのだが、 > ちょっと頭を使えば簡単にこれを否定できるではないか? 神を「全能」と設定するから矛盾を来すわけで、「全能なる神」というのは「*万年*筆」や「万能ネギ」と 同じような「(我々から見ると)途方もない力もつもの」という修辞にすぎないだけだと思うんだよね。 途方もない力をもっていたとしても無限大でない以上、コストパフォーマンスは考えなければならないわけで、 可能だからといってそれに見合うメリットがないなら、それをやることはないだろうね。 結局山本の理屈は目新しくもない「全能なる神は自分に逆らう存在を生み出せるか」というような問答となんら変わるところがない。 これによって否定されるのは「100%全能な神」であって、「神」そのものではない。 もっとも上記の矛盾は「『Aである』と『Aでない』が同時には成り立たない」排中律によって生じる矛盾であり、 全能な神は排中律にも制限されない、と「設定」すれば矛盾は存在しなくなる。以前も述べたことがあるが 排中律は人間の思考の根幹に位置する重要なルールだが、この正当性は証明できない。 排中律を天与のものとは考えずその使用に制限をかけるべきといのが数学におけるブラウワ等の直観主義。 「全能な神」は排中律の成立する世界では禁止されるが、それ以外の世界であれば存在では禁止されない。 まさに「存在すると思えば存在する。存在しないと思えば存在しない」。しばしば超越者を語る場合 矛盾するかのような修辞によって語られる。これはまさに排中律の否定を暗示しているといえよう。
987 名無しさん sage:2004/08/30(月) 02:37 ちなみに数学における直観主義とは、Aが存在するという直接的な証明は有効だが、Aが存在しないとすると矛盾が生じるからAは存在するという 証明は認めない。いわゆる背理法の否定であり、背理法を廃しても直ちに数学が全否定されるわけではないが、失うものは少なくない。 無限集合などに関する証明はのきなみ背理法に依存している(デーデルが対角線論法により証明した不完全性定理もまた背理法を 用いており、これがまさに数学的直観主義を生むことになった)。
988 名無しさん sage:2004/08/30(月) 03:31 気に入っている小話 社会学者と物理学者と数学者がイギリスの郊外に旅行に出かけた。 列車の窓の外にはのどかな牧草地が広がっていた一匹の黒い牛が見えた。 社会学者「ほぅイギリスの牛は黒いらしい」 物理学者「キミは何をいってるんだ。黒い牛もいるってだけのことだよ」 二人の後に数学者が静かに語った。 「イギリスには少なくとも1つの牧場が存在し、その牧場には少なくとも1匹の牛が存在し、その牛の少なくとも片面は黒い…」
989 名無しさん sage:2004/08/30(月) 03:46 DEATH NOTEは面白いんだけど、欠点をあげるとすれば、話のスケールが世界→日本警察とFBI→日本→関東→学園モノと次第にスケールダウンしてるところかな
990 名無しさん sage:2004/08/30(月) 15:50 神を全能として矛盾を導いたところで、それが神がいない証明にはならないんだけど、山本は何をとちくるってるんだか。 「私は嘘をついている」は同様に矛盾を生じるが、だからといってそう発言する人間が存在しないとか、そう発言することはできないとかいうことにはならない。 もしや山本の世界では「私は嘘をついてる」と言った瞬間、まほうのように言った人間が消滅してしまうんだろうか(笑
991 K.K sage:2004/08/30(月) 19:00 再帰って便利ですよね。階乗計算みたいにループと手間があまりかわらない例が説明に出されると、その便利さがわからないけど。 データの塊があるとする。何らかの規則にしたがって、その一部を剥ぎ取ることができたとする。 で、剥ぎ取られた元のデータが、依然として剥ぎ取られる前の性質をもっているとする。 このとき再帰が便利。「一部を剥ぎ取るルーチン」ができさえすれば、残りのデータをを自分自身に渡せばよい。 学部生だったころ、ある規則にしたがって並べられたデータを解析するプログラムを組んでいてうんうん言っていたら、院生に「何だ、もうできてるじゃんか。」と言われたことがあります。 再帰に慣れていなくて、どうして再帰でうまくいくかじーっと考えて、ようやく気がつきました。 「あ、そうか。再帰すれば、くるくる行って帰って、結果を入れるバッファに答でるやんか。」と。
992 名無しさん :2004/08/30(月) 22:18 >>990 我が日本には八百万(大勢くらいの意味らしいが)も神様がいるのにな。
993 名無しさん sage:2004/08/31(火) 01:23 神沈の最大の欠点は読み手に「衝撃」を与えるシーンがないことかも知れない。何かの本でクリスティの「そして誰もいなくなった」と「アクロイド殺し」を 比較し、どちらもある意味同じトリックを用いていてそれは「読者に必要な情報を与えていない。アンフェアだ」と批判される類のものである。 しかし前者を批判する読者は少ない一方で後者はしばしば批判されるのは、両者のトリックの違いではなく、「そして誰もいなくなった」の 鮮やかすぎる結末がフェアとかアンフェアとかの方向に読者の思考を向けさせないからだ、と。 森博嗣の作品に「笑わない数学者」があるが、これをシリーズ中一番の駄作と呼ぶ読者がいる一方で、そう評価する人は作品の メイントリックを誤解している、という読者もいる。この作品の見かけ上のメイントリックは極めて単純なもので、カンの鋭い読者なら 事件が起こった直後、平均的な読者でもストーリーの半まで読んだ時点でトリックは分ってしまう。ところが登場人物はそこに至っても 右往左往しているので読者はシラケてしまう。 実は最後のページのほんの数行で語られるどんでん返しがある。これは今までのトリックの説明では解明できない。また謎解きも用意されていない。 普通ならここで読者は今まで正しいと信じてきた説明では説明不可能なことに気付いて「え~!?」と衝撃を受けるはずである。しかしそれが あまりにもそっけなく行われるので、事件が解決し(たと思って)エピローグの感覚で残りを読み流している読者にはあまり感銘を与えない。 もう一つは、多くの推理小説では登場人物の探偵役はすでに犯人を知っているのに読者にはそれが分らない。この作品はこのパターンを ひっくり返す試みである、と。読者が犯人やそのトリックを知っているのは倒述もののミステリーでもあるが、倒述ものの場合は読者が得ている情報と 登場人物の探偵役が得ている情報は明らかに異なる。なにしろ犯人が誰かという情報を読者は最初に手にするのだから。 しかしこの作品では読者も登場人物も入手している情報は同じであり、置かれている状況だけが異なる。 事件の渦中の人々は次々に起る事柄に対処しなければならずそれだけ視野が狭窄している。それゆえストーリー全体を俯瞰している読者には 容易に分るトリックが登場人物には分らないのだ、という実験的な試みらしい。しかしこれによって読者の感銘を呼ぶのは難しい。このパターンで 良作を作るには何らかの他の工夫がさらに必要なのだろう。 この作品でちらっと語られるテーマ、「閉じた円のどちら側が外なのか?」はシリーズ全体を暗示しているようにも解釈でき、それなりに興味深いものではあるのだが、 結局のところ部分部分を擁護はできてもやはりこの作品は失敗作というしかない。パーツはあくまでパーツでありSFのアイディアも推理小説のトリックも パーツでしかない。全体のフォルムが美しければ一部に不出来なパーツが付いていても読者は気にしないが、全体がダサければいくら個々のパーツが 素晴らしくても駄作は駄作なのだ。
994 名無しさん sage:2004/08/31(火) 04:37 読者が犯人というミステリーもあるね。おまけに思いっきり表しでばらしてるし。 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/imgdata/large/4488405134.jpg
995 名無しさん sage:2004/08/31(火) 04:46 >>991 再帰を使った実用的なアルゴリズムの最右翼はクイックソートだろうね。 閑話休題 ソート(デタラメな順番に並んでいる数値を大きい順ないし小さい順に並べ替える作業)のアルゴリズムの重要性を コンピュータに縁のない人に納得させるのは難しい。そんな単純なことコンピュータなら得意でしょ?と。
996 名無しさん sage:2004/08/31(火) 05:58 神沈p.290 いや、前兆はもっと前、10年以上前からあったのだ。バブル崩壊以後、日本は経済大国から世界最大の債務国へと転落していった。 2001年の時点で国と地方の長期債務残高の合計は666兆円。しかもそれは表に出ているだけで(略)1000兆円に達するとささやかれていた。 当時のGDPは500兆円だから、その約2倍。日本という国は、全国民が国内で1年間に稼ぐ額をすべて使っても返しきれないほどの借金を抱えていたのである。 日本経済が崩壊していく下りに現れる説明だが…債務国と債権国という呼び名は国際収支が黒字か赤字かで呼び分けられる名称で、 国内の財政がいくら赤字だからといってそれを債務国とはいわない。日本は膨大な財政赤字を抱えているが、依然として債権国なのだ。 山本の経済や世界情勢の知識が一夜漬けなのは今更驚くべき事ではないが…つくづくSFと疑似科学にしか能がない作家だ。
997 名無しさん sage:2004/08/31(火) 06:01 だいたい山本はニュースをろくに見ていないのだろうか。以前アメリカのどこかの企業が日本の格付けを債務国より下に 変更したことに対して、日本の当局が「なぜ債権国である日本の格付けが債務国より下なんだ!」と怒り狂っていたのを知らないのだろうか。
998 名無しさん sage:2004/08/31(火) 07:42 神沈p.78で、山本(の代理人である優歌)は人間の目の構造について触れている。 人間の目は視細胞が一番奥にあり、水晶体に近い側に網膜神経節細胞が位置しているので、 視細胞に光が届くのに邪魔になる欠陥設計だ、という。こんなあからさまな設計ミスを高度な知性体(プレアデス星人(笑))が設計するはずがない、と。 目の構造は脊椎動物と無脊椎動物では反対で、無脊椎動物の方がこの点合理的な配置になっている。これは脊椎動物の視葉が 無脊椎動物のそれより遙かに複雑で、脳の一部の機能を視葉側で処理していることによる。このため脊椎動物の視葉は無脊椎動物の それより発達したため位置関係が維持できず、ついに逆転してしまった。この図が分りやすい。 http://www.asahi-net.or.jp/~hi2h-ikd/biology/evolveeye.htm 脊椎動物では無脊椎動物の網膜の裏側に水晶体形成されている。 それはそうとしてこれが「人間は高度な知性体が設計された」を否定する証拠になるのだろうか…。山本は これはどんな技術者も犯すはずのない無様な設計ミスであり、目というものが高度な知性の産物ではなく、 まさしく行き当たりな進化の結果として生まれたことを示している。 という。しかしちょっとまってほしい。山本が使っているパソコンのOSはどうなのだろうか?Windows98やMeは過去からのさまざまな負債を 引きずっている。32bit CPUを使っているにもかかわらず16bit CPU自体のさまざまな構造に束縛されている。Windowsは高度な知性体が 設計したOSではないのだろうか(ないかも知れないがw)。 なにもWindowsに限らず、山本の好きなガンダムでも機体の開発系統があるように、大抵の製品は設計思想や基本設計を過去の製品 から引きずっているものだ。毎回ゼロから設計するのはそれこそ小説や絵画などの作品ぐらいのものだろう。 プレアデス星人もさまざまな「人間」を改良しながら設計して来たのかも知れない。金星には地球人より1つ前のモデルの人類がいて、 火星には地球人よりちょっと改良された人類がいるかもしれない。 ようするにこれは山本の詭弁に過ぎない。神を(掛け値なしの)全知全能と決めつけてそんな神は存在しないといい、高度な知性体なら 一発で完璧な人間性を設計できると決めつけて、人間が完璧でないことを理由に否定する。南京虐殺否定論者はただの一人も 南京で殺されなかったと主張していると決めつけて、それをそれを否定するのと同じだ。 どれもこれも幼稚すぎはしまいか。
999 名無しさん sage:2004/08/31(火) 07:47 次スレ http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/movie/2264/1093906038/
1000 名無しさん sage:2004/08/31(火) 07:48 終
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