そうそう、某・銀英伝サイトで、オーベルシュタインと本多正信との相似性について語り合っているのがあって、興味深く読ませてもらいました。
本多正信は徳川政権創立時の事務方として活躍し、策謀を張り巡らして主君家康に天下を取らせた男です。 そんな姿がオーベルシュタインとかさなるのでしょうか。
そこで思ったのが、もし、ラインハルトが崩御した後もオーベルシュタインが生き残っていたら、銀河帝国はどうなったかということです
やっぱり、秀吉亡き後の豊家のように武断派との衝突で国力を落とすか、それともオーベルシュタイン主導のもと、内部粛清の後、文治派による統治になるのか? はたまた、石田三成のように、武断派の手により失脚させられるのか? 気になります
> やっぱり、秀吉亡き後の豊家のように武断派との衝突で国力を落とすか、それともオーベルシュタイン主導のもと、内部粛清の後、文治派による統治になるのか? はたまた、石田三成のように、武断派の手により失脚させられるのか? 気になります
オーベルシュタインはカイザー・ラインハルト亡き後、自分の存在そのものが帝国の安寧を脅かす(まさに石田三成的理由によって)と承知していたのではないでしょうか。何よりも新帝国の創建に心血を注いだ彼ですから、やはりそれを見越して死を選び取ったのだと思いますが。
> オーベルシュタインはカイザー・ラインハルト亡き後、自分の存在そのものが帝国の安寧を脅かす(まさに石田三成的理由によって)と承知していたのではないでしょうか。何よりも新帝国の創建に心血を注いだ彼ですから、やはりそれを見越して死を選び取ったのだと思いますが。
石田三成ほどの人徳も無いし、家康のような潜在的な敵もいない。
何より幼い子供の母親の器が違う。
(茶々姫様の責任では無いけど)
生き残ったとしても、オーベルシュタインは隠居してそれっきり歴史から姿を消すと思う。
駆け出しでございます。
オーベルシュタイン=本多正信ですか。
私はずっと高師直かと思っておりました。言われてみれば、本多正信に似ていますね。
オーベルシュタイン=高師直というのはなるほど、と思いましたね。本多佐渡守よりは感じが似ています。
浄土真宗信者でもないですしね(笑)。
もっとも私の高師直のイメージと言えばNHKの大河ドラマ「太平記」に由来するものがほとんどすべてですが(^<^)。
優馬です。
大河ドラマ見てないんでハズしてるかもしれないんですが、高師直って結構生臭い印象があるんですね。この人、すごく好色なおっさんで「徒然草」の作者である兼好法師にラブレターの代筆、それも人妻へのものを頼んでたりしてて、めちゃ人間臭いです。
一方オーベルシュタインは、「帝国打倒おたく」というか「陰謀おたく」。人の心の機微がわからない。
キルヒアイスが死んだあたりで、ラインハルトに対して超無神経なこと言ってませんでしたっけ?(記憶がアイマイですみません)現実に居たら、権力者の逆鱗に触れて速攻で粛正されるタイプだと思います。
以前オーベルシュタイン論考があっていたときに、「陰謀家は人の心をよく知る、情の厚い人間でなければならない」という意見があって、なるほどと思ったことがあります。人をだますためには、人の心、特に情の部分に通じていなければならないわけで、その点人の心がわからないオーベルシュタインは二流の陰謀家ではないかと。
考えてみるとオーベルシュタインの根本的な動機というのは「(赤子のときに)帝国に殺されかけた」という私怨であり、その怨みをはらすためにラインハルトでも何でも使えるものは利用するというものです。
で、武断派、能吏派両方から嫌われていただろうと思うのです。事務系官僚群から彼がどう思われていたからについては推測になってしまうのですが・・・。
でも考えてみればラインハルトの帝国打倒の動機というのも「姉ちゃんを返せ!!」という私怨そのものだもんなー。
オーベルシュタイン=ラインハルトの同盟というのは、まさしく「私怨同盟」なんですなぁ。そういう意味ではウマが合ったのかも。
> でも考えてみればラインハルトの帝国打倒の動機というのも「姉ちゃんを返せ!!」という私怨そのものだもんなー。
> オーベルシュタイン=ラインハルトの同盟というのは、まさしく「私怨同盟」なんですなぁ。そういう意味ではウマが合ったのかも。
軍務尚書殿は「主は舟、臣は水」とか「主の主足らずは、臣の臣にあらず」みたいな考えの持ち主ではないでしょうか?
だから、主・ラインハルトに対しても無神経な言葉を投げかけたのでは?
中国王室には諫言太夫なる役職があり、皇帝に対して辛辣な発言をして、政を正しい方向に導いたといいます。
おそらく、軍務尚書殿はラインハルト幕営の中において、そのようなたちばにいたのではないでしょうか。
> 以前オーベルシュタイン論考があっていたときに、「陰謀家は人の心をよく知る、情の厚い人間でなければならない」という意見があって、なるほどと思ったことがあります。人をだますためには、人の心、特に情の部分に通じていなければならないわけで、その点人の心がわからないオーベルシュタインは二流の陰謀家ではないかと。
陰謀家ならばそのとおりでしょうね。私は陰謀家というとジョゼフ・フーシェとタレイラン・ペリゴールをまず思い浮かべますが、彼らナポレオン政権の両輪にして反目するふたつの個性の共通点は想像を絶するほどのエゴイストであったというところです。歴史上で言えばあとアルキビアデスとか、チェーザレ・ボルジアとか。
彼らと比較すると我が軍務尚書閣下はマザーテレサのように無私の人です。かのビッテンフェルト提督もそれはお認めになっています。
陰謀を企てる上でオーベルシュタインは動機の部分でやや薄弱である。彼はその時点時点で最合理(と思われる)行動を提言し、可能な限り実行しているに過ぎないのでは。
ロイエンタールの反乱でも彼はていのいい標的にされただけで、オーベルシュタインが主導しての陰謀が実態としてあった訳ではありません。
その意味で彼はまさしく自らを機械のように律しようとしたある種の国家意思の具現者で(だからこそ鬱陶しい)政治家というよりはやはり官僚であるのでしょう。
問題は彼が最合理と判断した事柄が果たして最合理かということです。この点で人情に疎い彼はたびたび判断ミスを犯したと私は思うのですが。ヴェスターラントの件で言えば、すでに彼の意図は兵たちの噂という形で露見しています。底が浅い「陰謀」な訳です。この噂を押さえ込むためにローエングラム王朝がどれだけの労力を費やさなければならないか、また将来において、それが王朝存続の上でウィークポイントになるか、この点をオーベルシュタインは軽視し過ぎているように思われます。
また、イゼルローン要塞にこもったヤン・イレギュラーズをおびき出すために旧同盟指導者層を拘束したのも、いかにも近視眼的な官僚的発想に見えます。新帝国は旧同盟領を占領するだけではなく、統治していかなければならないのですから、「いや、あれは卑劣な手段をとられたから負けたんだ」という言い訳をさせてはならないのです。米軍が日本列島を絨緞爆撃したようにぐうの音も出させぬまで締め上げて、武力よりもその思想信条を砕かなければならないのです。
オーベルシュタインのやり方はむしろ民主共和政治への忠誠心を強めるだけであって、わざわざ相手を道徳的優位におくという点で政治的には明らかにミステイクです。
ここは少々の犠牲が出ても相手の土俵にのっかかり、その上で叩き潰したほうが長期的にはむしろ損失が少なくなると思います。そう考えると、長期的な利益を得るよりも短期的な損失を回避しようとするオーベルシュタインはやはり官僚なのでしょう。
という訳で、
> 中国王室には諫言太夫なる役職があり、皇帝に対して辛辣な発言をして、政を正しい方向に導いたといいます。
> おそらく、軍務尚書殿はラインハルト幕営の中において、そのようなたちばにいたのではないでしょうか。
オーベルシュタインがおそらくそのような役割を自分に課していたのは間違いないでしょうが、彼の諫言がいつもいつも適切ではなかったのだろうと思います。
IKさま。優馬です。
> その意味で彼はまさしく自らを機械のように律しようとしたある種の国家意思の具現者で(だからこそ鬱陶しい)政治家というよりはやはり官僚であるのでしょう。
なるほどなるほど。非常に納得できます。
前言撤回いたします。
オーベルシュタインは、「陰謀おたく」ではなくて「官僚おたく」です(笑)。
> 問題は彼が最合理と判断した事柄が果たして最合理かということです。この点で人情に疎い彼はたびたび判断ミスを犯したと私は思うのですが。ヴェスターラントの件で言えば、すでに彼の意図は兵たちの噂という形で露見しています。底が浅い「陰謀」な訳です。この噂を押さえ込むためにローエングラム王朝がどれだけの労力を費やさなければならないか、また将来において、それが王朝存続の上でウィークポイントになるか、この点をオーベルシュタインは軽視し過ぎているように思われます。
自分の「縄張り」に固執するあまり近視眼的になりがちなのが官僚的パーソナリティですものね。特に「情緒的な反応」を軽視する彼のパーソナリティは、政治家としては致命的です。
でもこういう人って、平時の官僚組織においても本来あまり偉くなれないんですけどね。「幅がない」とか言われて閑職に追われがち。軍務尚書という超高級ポストは、務まっていないですよねー。ラインハルト陣営、文官の人材、そんなに不足していたんでしょうか。ヤン・イレギュラーズへの対応の誤りも、ご指摘のとおりだと思います。
いささか屈折した愛を込めて作者に「諫言」したいのですが、銀英伝キャラクターの政治的行動は、特に情念の部分において浅薄な傾向があると思います。それが後年の作品に至っても改善されるどころではない!という状況であるのは、残念至極なのであります。
こんにちは、優馬さん。
> 自分の「縄張り」に固執するあまり近視眼的になりがちなのが官僚的パーソナリティですものね。特に「情緒的な反応」を軽視する彼のパーソナリティは、政治家としては致命的です。
そうですね。オーベルシュタイン自身は政治家であろうとしたこともないと思いますが、人はとやかく、「出来ないこと」を「したくないこと」と捉えがちです。
必要があれば敢えてぬかるみをも行く、と言えば聞こえはいいですが、オーベルシュタインはしばしば不必要な敵意を周囲にあたえるところがありますからね。
> でもこういう人って、平時の官僚組織においても本来あまり偉くなれないんですけどね。「幅がない」とか言われて閑職に追われがち。軍務尚書という超高級ポストは、務まっていないですよねー。
オーベルシュタインは「政治嫌い」でしょうからね。マズローのいうところのインフォーマル・オーガニゼーションには絶対に参加しないタイプでしょう(笑)。
ただ、そういうところが人材収集癖のあるラインハルトには受けたのだと思います。そういう意味ではラインハルトにもちょっと人格の偏りがありますね。悍馬なればこそそれを愛でる、というような。悍馬すなわち名馬とは限らないのですが。
「余はあれを一度も好いたことはないのだ」
と本人談にありますが、どうでしょうか。
IKさん、こんばんわ。
ちょっとした可能性としての異説としてオーベルシュタイン=屈折のロマンチスト説を推します。
ちなみに私は彼の才能・技能・見識はごくごく現実的なものであると思っております。
ただ、その才能の使い方に彼の「採算度外視」な一面が見えるだけで。
> 必要があれば敢えてぬかるみをも行く、と言えば聞こえはいいですが、オーベルシュタインはしばしば不必要な敵意を周囲にあたえるところがありますからね。
まんざら不要と切って捨てた物でもないです。
彼の進言に益はあっても害は精々「聞こえの悪さ」止まりでしょう。
しかもそれは「ローエングラム王朝の汚点」にはならず「軍務尚書の非情」になる訳で、彼は彼が憎まれる事でラインハルトに累が及ばない様にしているのではないでしょうか。
> 「余はあれを一度も好いたことはないのだ」
> と本人談にありますが、どうでしょうか。
一つの事実だと思います。
誰が「分かちがたい自分の暗部」を好くでしょう。
恐らくラインハルトにとって一番許しがたいキルヒアイスの一件にした所で、事実キルヒアイスの寛容に甘えるあまりにラインハルト自身「“俺が悪かった”程度の事も言えない」ほど判断力の失調をきたした訳で、たとえばキルヒアイスと同様の事を「幕僚の総意の代表」という形で双璧二人が言っていれば「不用ではなかったが無情の策であった事を認める。以後このような方策の必要が生じない様卿らの一層の忠勤に期待する」くらいは遠慮の産物として言えたかもしれません。
オーベルシュタインは自身の仕事を「有効に国益をもたらすという観点のみで献策を行い、その結果生じる軋轢を全て己の責とする」汚れ役として規定していたとも思えます。
まして主人があのラインハルトでは「新秩序の構築と国家の安定」など考えはじめたらあの位は「義務感」でやらないでしょうか。
私個人はオーベルシュタインに陰謀家の生臭さよりはむしろある種の芸術家の非常識な潔癖さを感じます。
現在、暇なのでどんどん書き込んでしまいます(笑)。
S.Kさんへのレスです。
>彼に進言に益はあっても害はせいぜい「聞こえの悪さ」止まりでしょう。しかもそれは「ローエングラム王朝の汚点」にならず「軍務尚書の非情」になる訳で、彼は彼が憎まれることでラインハルトに累が及ばないようにしているのではないでしょうか。
おっしゃることはすごく分かります。私も初めて部下が出来た時、オーベルシュタインみたいのがいれば要らざる叱責もせずに済み楽なのになあ、と思ったものです(笑)。ただ、彼の進言がどうあれ、それを採用するのは皇帝ですから、ラインハルトの責が打ち消される訳ではなかろうと思います。その献策がオーベルシュタインの個性を濾過されてなされる訳ですから、時に全体の関係性を見た場合、当該部分では最適であっても他の部分で著しい損失を与えるということはあったと思います。
うーん、例えて言えば、現在の日本にとっての捕鯨みたいなものでしょうか。IWCの反応は非科学的で、こと捕鯨に関しては日本政府の言い分に理があると私は思いますが、それをごり押しすれば日本はかなりの損失を他の部分で被ることになりますね。だから正しいかどうかではなく、適切かどうか、その「適切」も当該案件だけでなく全体を見た時のバランスシートはどうなるかということだと思います。
オーベルシュタインがいるおかげでラインハルトは随分楽をしているのはその通りだと思います。
>私個人はオーベルシュタインに陰謀家の生臭さよりはむしろある種の芸術家の非常識な潔癖さを感じます。
これもその通りだと思いますが、純粋な清廉潔白は傍から見る限り時に腐敗よりもたちが悪い(笑)ということはあろうかと思います。政治というのは妥協なくしてはあり得ないのですから、妥協=逸脱と見る人はとかく全体を破壊してしまいがちです。江藤新平みたいなものでしょうか。誰の言葉でしょうか、「エゴイスト同士の間では常に妥協が成立し得るので戦争にはならない」という考え方もあります。
オーベルシュタインを愚かだとか、その任にあらずとは思いませんが、いくら自分自身を無色透明にしようとしたところで彼もまた人間ですから、自分の個性からくる癖は避けがたかったのだろうと考えます。その癖が、場合によっては「行き過ぎている」こともあったと思うのですが…。
優馬です。
私個人としては「オーベルシュタインの犬」のエピソードがお気に入りです。みっともない老犬(それも性格の悪い)をオーベルシュタインがかわいがっていた、というエピソードは「孤高の陰謀芸術家」としての彼らしいですし、妙なおかしみがあって好きです。(ひょっとしたらコミック版のエピソードだったかも)
>IKさん
>オーベルシュタインのような部下
いたらそいつへの不満にいきり立つ他の部下たちを宥める苦労が待っている罠(笑)。
「銀河を奪う」級の大事業主以外にはお勧めできません。
いずれオーベルシュタインがキッツいお人なのは確かなんですよ。
ただカテゴリーとして「陰謀家」というのはどうだろうと思い、あまつさえそこで良い評価をされていないのを見て、まるでアイルトン・セナが「バイクの耐久レーサーとして二流」とか著名なフレンチシェフが「寿司屋としては素人芸の域を出ていない」とか評されるような納得いかなさを極個人的に感じていただけでして。
駆け出しでごさいます。
> 私個人としては「オーベルシュタインの犬」のエピソードがお気に入りです。みっともない老犬(それも性格の悪い)をオーベルシュタインがかわいがっていた、というエピソードは「孤高の陰謀芸術家」としての彼らしいですし、妙なおかしみがあって好きです。
私も実は、その挿話が好きでして。その犬のために、オーベルシュタインが鳥肉を買いに行く、というのもほほ笑ましいです。
これは、物語作成の技術的な話になってしまい恐縮なのですが、小説にしろ、漫画にしろ、シナリオにしろ、「登場人物を多面的に造形せよ」とは繰り返し言われることです。多面的といっても、限られた枚数があるわけですから、実際には不可能です。そこで、頻繁に用いられ手法として、「二面性を与える」というものがあるのです。
主となる性格を決め、それと反するようなもうひとつの性格を与えることで、人物が魅力的に見えるようになるのです。
銀英伝に関するかぎり、田中氏はこれの名手といってよいと思います。
ヤン、ラインハルトは言うにおよばず、アッテンボロー、シェーンコップ、ロイエンタール、ミッターマイヤーなどなど、準主役級の人物もすべて二面性を持っています。
田中氏が、真の意味で、小説の名手であるかどうかはわかりませんが、すくなくとも上手いと見せかけるだけの技術はお持ちだと思います。
失礼いたしました。
駆け出し様。レスありがとうごさいます。
> これは、物語作成の技術的な話になってしまい恐縮なのですが、小説にしろ、漫画にしろ、シナリオにしろ、「登場人物を多面的に造形せよ」とは繰り返し言われることです。多面的といっても、限られた枚数があるわけですから、実際には不可能です。そこで、頻繁に用いられ手法として、「二面性を与える」というものがあるのです。
>
> 主となる性格を決め、それと反するようなもうひとつの性格を与えることで、人物が魅力的に見えるようになるのです。
金曜日の「マンガ夜話」で「空手バカ一代」が取り上げられていたのですが、その中で「梶原一騎は、主人公の卑小な部分をデテールとして描き、その結果として高いリアリティの演出に成功している」という指摘がありました。マス・オーヤマというヒーローの卑小な部分(例えば、リングに上がっている彼の足が震えている)をあえて詳しく描き出すことにより荒唐無稽なほど強い主人公が非常にリアルに感じられるというものです。なーるほど、と思いました。
ご指摘の「二面性の付与」と通底する話かな、と感じましたので。
ただ「卑小」と「偉大」は同一人格に併存できると思うのですが、「異なる人格の付与」は場合によっては食い合わせが悪いかもしれませんね。私は、ヤン・ウエンリーの非政治的キャラクター(「歴史家」の人格)が、巨大すぎる彼の軍事的功績の後も「ミラクル・ヤン」という軍人(潜在的な政治家)キャラクターに飲み込まれず、それどころか相変わらず主人格として優越しているのはオカシイと思っています。まぁ、これはマニアの深読みというヤツで、一読者としてはむしろ「歴史家・ヤン」に感情移入していたので偉そうなことは言えないのですが。