管理人様、皆様はじめまして。大沢と申します。
近年まれに見る大ヒットなHPですね!いわゆるオタク系・同人系とは
違って、読み応え十分でした。真摯な内容で、勉強になります。
ワタシは83年「SFアドベンチャー」誌上で、初田中体験。
その後お決まりの銀英伝にハマリ、一路田中ファンに。
しかし、銀英伝完結と共に田中ファンも完結(笑)
なぜなら、彼はもはやSF作家ではなくなったからです。
創竜伝、ワタシも好きではありません。鼻につく社会批判はともかく、
この作品のせいで、田中氏はSFから「人気」へと
身売りするはめになった・・・と思うからです。
商業ベースに乗るためには、オタク系なSFよりも
エンターテインメントへと、
転向せざるをえなかったんでしょうか。
ウン年前、少なくともワタシの周辺では、田中氏は
「若手SF作家」として、認知されていました。
SFアドベンチャーに短編が掲載されるたび、皆で
ワクワクしながら回し読みしたものです。
一体、彼に何があったかは知りませんが、現在の田中氏は、
当時の回し読み仲間からは、とっくに見限られています。
だいたい、最近の氏の本は、書店で買うのが恥ずかしい。
(こんなオヤジが読むのか・・・などと、店員のネエチャンに
思われたらどうしよぉ。)
と、いうような作品ばかりだから。
つまり、オトナが買うような作家ではなくなってしまった・・・。
別に、偏見のつもりはありませんヨ。残念なだけです。
現田中ファンは、かれを「何」作家だと思っているのですか?
ワタシはSF作家であった田中氏の思いでだけ、大切に
しまっておくつもりです。
初回から、長々とすみませんでした。
皆様こんばんわ。
前回、レスがなくてちょっと寂しかった大沢です(^^;)
えーと、どなたかが以前『レスに値しない書き込みには、反応が
なくてもしょうがない』と書いておられたので、ソレに該当
してしまったのか・・・と反省。
ですが、ただ単に、近年の田中氏はファンにとって
「何」作家だと思われているのか、知りたかっただけなんです。
ジャンル分けすること自体が、無意味といえばそれまでなんですが。
実は、実家が古本屋を営んでおりまして、
田中氏をずっと「SF」欄に陳列していたもので・・・。
(批判・批評を目的とするHPに、確かにそぐわないカキコ
でしたネ。すみません。)
――――――――――――――――――――――――――――
ついでながら、もう一つ疑問があります。
創竜伝2巻のあとがきで、田中氏は
「売れれば官軍~」
「5万部売れれば他人事~」
と、竜堂兄弟に言わせていますが、コレは読者として、
どう受け止めればいいのか戸惑っています。
謙遜のつもりなのか、自慢なのか、グチなのか・・・。
キャラクターに言わせている事によって、
余計に田中氏の心情が分かりませんでした。
一応、『自分は売れるとは、思っていなかった。だから
これ以上期待されても困る』という、
編集者への牽制だろうと解釈しました。
そんなモノは、あとがきに書くべきではない。
田中氏はちょっと子供っぽすぎる。
あるいは、子供っぽさを装っていませんかね?
優馬です。
> ですが、ただ単に、近年の田中氏はファンにとって
> 「何」作家だと思われているのか、知りたかっただけなんです。
> ジャンル分けすること自体が、無意味といえばそれまでなんですが。
>
> 実は、実家が古本屋を営んでおりまして、
> 田中氏をずっと「SF」欄に陳列していたもので・・・。
「銀英伝はSFか?」という問いは、かつてSFファンにとって「日本沈没の続編は?」に並ぶ最大のタブーでした(笑)。<ウソです。
厳密なSFの定義でいうと、銀英伝は「SFでなくてもいい」作品ですね。つまり、例えば銀河帝国でないどこかの三国志的架空世界であっても、物語の「面白さ」の本質は変えることなく語れたでしょうから。
それこそ、アルスラーンの世界でもラインハルトvsヤンの対決を本質的には変えずに語れることでしょう。
私としては、市を「架空世界歴史小説家」として尊敬しております。架空歴史(それも古代・中世)を語らせたらピカイチでしょう。ただし、厳密な「リアル」を描くのはとっても下手な作家です。
従って「頼むから現代を舞台にするのは止めてほしい」「架空歴史の手法で現実世界を語るのは止めて欲しい」というのが私のスタンスになるわけで・・。
ふつうに考えれば「ライトノベル作家」でよろしいのでは?
> 皆様こんばんわ。
どうも、そして初めまして、槍です。
> 前回、レスがなくてちょっと寂しかった大沢です(^^;)
> えーと、どなたかが以前『レスに値しない書き込みには、反応が
> なくてもしょうがない』と書いておられたので、ソレに該当
> してしまったのか・・・と反省。
そんな訳では無いおもいます(汗)
> ですが、ただ単に、近年の田中氏はファンにとって
> 「何」作家だと思われているのか、知りたかっただけなんです。
> ジャンル分けすること自体が、無意味といえばそれまでなんですが。
悪いのですがそれは本当に無意味のような気がします。
失礼な事を言ってすいません。
ただノンジャンルの作家なんて角川スニカー、富士見ファンタジアなんかそんな作家だらけですし、私はそれほど気にはしてません。
また銀英伝を書く前にも田中さんは現代モノを書いていましたよ。
> 実は、実家が古本屋を営んでおりまして、
> 田中氏をずっと「SF」欄に陳列していたもので・・・。
> (批判・批評を目的とするHPに、確かにそぐわないカキコ
> でしたネ。すみません。)
べつにこのホームページにそんな不文律はないと記憶してますのでご安心を。
> ついでながら、もう一つ疑問があります。
> 創竜伝2巻のあとがきで、田中氏は
> 「売れれば官軍~」
> 「5万部売れれば他人事~」
> と、竜堂兄弟に言わせていますが、コレは読者として、
> どう受け止めればいいのか戸惑っています。
>
> 謙遜のつもりなのか、自慢なのか、グチなのか・・・。
半分本気、半分冗談と言ったところでしょう。
> キャラクターに言わせている事によって、
> 余計に田中氏の心情が分かりませんでした。
それについては小説のキャラは作者のペルソナであると言う説である程度説明がつくとおもいます。
(特に主人公キャラ。田中さんの小説では竜堂始と、ヤン・ウェンリーと言ったところでしょうか)
> 一応、『自分は売れるとは、思っていなかった。だから
> これ以上期待されても困る』という、
> 編集者への牽制だろうと解釈しました。
> そんなモノは、あとがきに書くべきではない。
それ以前に田中さん、多分後書を苦手としているような気がします。
だって後書がある小説の方が少ないような気がする。
田中さんに洗練された後書を期待する方が無茶な気がします。
ただ銀英伝10巻の後書は良かったですね。
あと発言については、私は作者の本音だろうなって受け取っていました。
別にもっと凄い愚痴を後書で言ってり、編集者とのやり取りをパロディにして後書書いてる作家もいるでそれ程気にしてません。
あとちょっと思ったのですが、今でこそ普通の座談会的後書は何時誰が始めたのでしょうか?
知ってる人がいれば教えてください。
> 田中氏はちょっと子供っぽすぎる。
> あるいは、子供っぽさを装っていませんかね?
その通りでしょう。
ただ別に目くじらを立てる程の事でも無いと思います。
皆様、こんにちは。
そして、優馬さん・槍さん、レスありがとうゴザイマシタ。
優馬さん江
>「銀英伝はSFか?」という問いは(中略)タブーでした
ええ。まさしくそのとうりでした(笑)
立派なSFオタクであった当時、正当なSFでない作品は
軽蔑する傾向のあった私達ですが、「銀英伝」に、
見事ヤラレちゃいましたよ。
槍さん江
>多分後書きを苦手としているような気がします。
>銀英伝10巻の後書きはよかったですね。
同感です!!
シャイな(笑)田中氏が、自分の地で書く後書きへの
ハズカシサを紛らわせる為に、キャラクターに
語らせる手法を取ったのでしょうか。
(そうすると、今度はもう一つの「地」である皮肉屋な面が
全面に押し出されてきてハナにつく・・・のになぁ。)
>別に目くじらを立てる程の事でも無いと思います
~はい。目くじらを立てているワケではありませんよ。
ただ、なんというか・・・苦笑。
後書きにまでそんなコトを書く時間と気力を、
シリーズの続きに回してくれないかなぁ・・・と。
「後書き」で思いだしましたが、
「夢幻都市」の後書きも、良いですね。
以前、田中氏と父親との確執について言及している方がいましたが、
この後書きを読む限りでは、
「父の出張旅行につれられて夜汽車に乗った」思いでから
アノ名作『夏の魔術』が書かれたそうで、父親への思慕や、
作品への思い入れが感じられていいですよね。
↑この頃の田中氏に、戻ってもらいたい。
エエ年こいたオジサンのグチに、真摯に答えて下さって、
お二方ともありがとうございました。
これからも皆様と管理人様のご活躍を楽しみにさせて頂きマス。
ふと思うのだが、銀英伝はSFである理由はないと思うのだ。
科学については言うまでもないし、地理的考察を見るとどうしても異世界ファンタジーもので十分通じると思う。
SFたる所以である未知の存在すらない。
科学に関する非難をかわす意味でもそういう世界の方が都合がいいと思うのだが、どうであろう?
確かにシロートから見てもツッコミどころ満載のサイエンス・フィクションですからね。
銀英伝がSFである理由というのも考えてみると面白そうですね。
> 確かにシロートから見てもツッコミどころ満載のサイエンス・フィクションですからね。
> 銀英伝がSFである理由というのも考えてみると面白そうですね。
銀英伝のアイテムをファンタジー風に少し置き換えてみます。
宇宙船 単純に歩兵や騎兵、あるいは水上船に置き換えても問題ない。戦闘スタイルからしてもこの方が理にかなっている。
白兵戦 なんだかシェーンコップが凄く活躍しそう。宇宙船の項を前提にするとほとんど白兵戦だし。
イゼルローン マジノ要塞みたくなるのだろうか? ここで問題となるのがトールハンマーである。ファンタジーなら魔法兵器があってもいいような気もするし。
地球教 これは人類発生の大陸だの言えばいいと思う。
とまぁ、こんな感じで。
> イゼルローン マジノ要塞みたくなるのだろうか? ここで問題となるのがトールハンマーである。ファンタジーなら魔法兵器があってもいいような気もするし。
ここで違和感を感じました。銀英伝が執筆されたころってファンタジーに市民権があったのかな、と。
あのころ、まだライトファンタジーなど無く、ファンタジーにしても一部マニアのものの域を出ていなかったのではないでしょうか。
正直、私は思想面の主張の問題で未来にしたのかなと思っていたのですが、実際は、当時、現実離れしたフィクションを書こうと思ったらSFしかなかったのかもしれませんね。
#まあ私は世代的に当時の事情が判りませんので、私論の真贋はつきかねますが(^^;)
> ここで違和感を感じました。銀英伝が執筆されたころってファンタジーに市民権があったのかな、と。
> あのころ、まだライトファンタジーなど無く、ファンタジーにしても一部マニアのものの域を出ていなかったのではないでしょうか。
> 正直、私は思想面の主張の問題で未来にしたのかなと思っていたのですが、実際は、当時、現実離れしたフィクションを書こうと思ったらSFしかなかったのかもしれませんね。
>
> #まあ私は世代的に当時の事情が判りませんので、私論の真贋はつきかねますが(^^;)
>
ここで例示されてるのは「当時執筆するにあたって」ではなく、 「未来の宇宙を舞台にせずとも物語を成立させられるのではないか」って事じゃないでしょうか。私は、未来の地球を舞台にしても成り立ちそうには思えますが(七都市物語ちっく?)、ファンタジー世界で劇中の思想的対立を描くのは無理があるように思えます。
「銀英伝」執筆当時は、世間一般は言うに及ばず、後にオタクと呼ばれる層においてもファンタジー世界は認知されておりませんでした。アニメでさきがけとなったのは「銀英伝」刊行の翌年に放映が開始された「聖戦士ダンバイン」ですが、一般に浸透したのは、86年に発売されたファミコンゲーム「ドラゴンクエスト」以降です。
ども、はじめまして。やっちというものです。
いつもはロム専門なんですが、面白そうなのでお仲間に入れて下さい。
さて、銀英伝はその成立過程を考えると明らかにSF作品でしょう。
元々、宇宙戦艦ヤマトやスターウォーズに影響されて多くのSF作家が書いた一連の作品の一つ(長編スペースオペラ!)ですし、さらに言ってしまえば、あの作品最大の目的は「宇宙空間での万単位の戦艦同士による艦隊戦」を描くことであり、他は基本的に余技に入ります(これは田中氏本人もはっきり言っています)。
地上になってしまえば、銀英伝最大の売りが消えてしまうじゃありませんか!
もう一つ、あれは始めて書かれた「架空歴史小説」だという事です。
それ以前にもその手の作品が全くなかった訳ではありませんが、明確にそれを意識し、そのように文体、内容を構成した作品は銀英伝が最初です。
その場合、一番てっとり早いのは過去の先人たちの例、例えば毛沢東やナポレオン、その他歴史上の人物や彼らの故事を書き、その延長線上の未来を書くことによって、空間的時間的広がりを持たせ、戦術、戦略、陰謀、政策などを書くとき、
「かつて~して成功したものはいない」
「古来、~するものはすべてそうしてきた」
等という断定的文章に「深み」を持たせるためのタネでしょう。
架空世界を書くと、これができないですし、過去の逸話は全て、自分で創作しなければなりません。
しかもそれが説得力をもつかどうか、始めての彼に自信はなかったでしょうし、へたすればグインサーガの2番煎じと思われる可能性もありました。
まぁ、当時、スペースオペラ書こうとしていた田中氏は考えもしなかったでしょうが………
最後にSFとして穴の多すぎる作品という点ですが、ハードSFというジャンル以外、基本的にSF作品は穴だらけです。
特に田中氏が影響を受けたであろう日本SFの黄金時代、70年代SFの大半は一般読者層を取り込むため、科学的なものは二の次にして、おもしろさを追求しました。
小松左京氏の「日本沈没」、半村良氏の「妖星伝」、平井和正氏の「ウルフガイシリーズ」、そして、筒井康隆氏の一連の短編群………
これらに共通したのは科学的なものよりも、ある特異な状況におかれた人間たちに焦点を合わせることであり、「サイエンスフィクション」であるよりもSFの目的である「センスオブワンダー」を優先させた事です。
それが反動となり、いわゆる「SF狩り」が起こります。
若手作家をあげつらい、
「あれはSFではない、ミステリーだ」
「あれはSFではない、ファンタジーだ」
と、糾弾したのです。
そのおかげで、SF村は小さくなってしまい、文系の作家がほとんどいなくなり、理系しか書けない世界になってしまいました。
「銀英伝はSFでない」発言もその名残でしょう。
ちなみに皆さん、ご承知でしょうが銀英伝は日本SFのヒューゴー賞とも言うべき「星雲賞」もらってるんですけどね(まぁ、他の受賞作がダーティーペアだったりするので、権威があるかどうか微妙ですが)。
最後に長文、失礼いたしました。
> ども、はじめまして。やっちというものです。
> いつもはロム専門なんですが、面白そうなのでお仲間に入れて下さい。
>
> さて、銀英伝はその成立過程を考えると明らかにSF作品でしょう。
> 元々、宇宙戦艦ヤマトやスターウォーズに影響されて多くのSF作家が書いた一連の作品の一つ(長編スペースオペラ!)ですし、さらに言ってしまえば、あの作品最大の目的は「宇宙空間での万単位の戦艦同士による艦隊戦」を描くことであり、他は基本的に余技に入ります(これは田中氏本人もはっきり言っています)。
> 地上になってしまえば、銀英伝最大の売りが消えてしまうじゃありませんか!
>
> もう一つ、あれは始めて書かれた「架空歴史小説」だという事です。
> それ以前にもその手の作品が全くなかった訳ではありませんが、明確にそれを意識し、そのように文体、内容を構成した作品は銀英伝が最初です。
> その場合、一番てっとり早いのは過去の先人たちの例、例えば毛沢東やナポレオン、その他歴史上の人物や彼らの故事を書き、その延長線上の未来を書くことによって、空間的時間的広がりを持たせ、戦術、戦略、陰謀、政策などを書くとき、
> 「かつて~して成功したものはいない」
> 「古来、~するものはすべてそうしてきた」
> 等という断定的文章に「深み」を持たせるためのタネでしょう。
> 架空世界を書くと、これができないですし、過去の逸話は全て、自分で創作しなければなりません。
> しかもそれが説得力をもつかどうか、始めての彼に自信はなかったでしょうし、へたすればグインサーガの2番煎じと思われる可能性もありました。
> まぁ、当時、スペースオペラ書こうとしていた田中氏は考えもしなかったでしょうが………
>
> 最後にSFとして穴の多すぎる作品という点ですが、ハードSFというジャンル以外、基本的にSF作品は穴だらけです。
> 特に田中氏が影響を受けたであろう日本SFの黄金時代、70年代SFの大半は一般読者層を取り込むため、科学的なものは二の次にして、おもしろさを追求しました。
> 小松左京氏の「日本沈没」、半村良氏の「妖星伝」、平井和正氏の「ウルフガイシリーズ」、そして、筒井康隆氏の一連の短編群………
> これらに共通したのは科学的なものよりも、ある特異な状況におかれた人間たちに焦点を合わせることであり、「サイエンスフィクション」であるよりもSFの目的である「センスオブワンダー」を優先させた事です。
> それが反動となり、いわゆる「SF狩り」が起こります。
> 若手作家をあげつらい、
> 「あれはSFではない、ミステリーだ」
> 「あれはSFではない、ファンタジーだ」
> と、糾弾したのです。
> そのおかげで、SF村は小さくなってしまい、文系の作家がほとんどいなくなり、理系しか書けない世界になってしまいました。
> 「銀英伝はSFでない」発言もその名残でしょう。
> ちなみに皆さん、ご承知でしょうが銀英伝は日本SFのヒューゴー賞とも言うべき「星雲賞」もらってるんですけどね(まぁ、他の受賞作がダーティーペアだったりするので、権威があるかどうか微妙ですが)。
>
> 最後に長文、失礼いたしました。
面白い意見、ありがとうございます。
銀英伝に言わしてもらえば、あれはSFというより、近代以前の歴史的人物の言動を焼きなおした人間ドラマとして読んでみるには面白い作品と思います。
> > ここで違和感を感じました。銀英伝が執筆されたころってファンタジーに市民権があったのかな、と。
> > あのころ、まだライトファンタジーなど無く、ファンタジーにしても一部マニアのものの域を出ていなかったのではないでしょうか。
考えてみるとコナンとかエルリックの時代でしょうね。いや、古すぎるか。
> > 正直、私は思想面の主張の問題で未来にしたのかなと思っていたのですが、実際は、当時、現実離れしたフィクションを書こうと思ったらSFしかなかったのかもしれませんね。
> >
> > #まあ私は世代的に当時の事情が判りませんので、私論の真贋はつきかねますが(^^;)
> >
同じく昔のことはよく分かりませんでした。
> ここで例示されてるのは「当時執筆するにあたって」ではなく、 「未来の宇宙を舞台にせずとも物語を成立させられるのではないか」って事じゃないでしょうか。
そうです。言葉足らずでした。
私は、未来の地球を舞台にしても成り立ちそうには思えますが(七都市物語ちっく?)、ファンタジー世界で劇中の思想的対立を描くのは無理があるように思えます。
確かにそうですよね。ファンタジーで最初から民主主義国家があるなんて聞いたこともありませんし。確かラングリッサーのⅤあたりで何を思ったかどこぞの国が民主制に移行しようとしていたくらいしか知りません。
> 「銀英伝」執筆当時は、世間一般は言うに及ばず、後にオタクと呼ばれる層においてもファンタジー世界は認知されておりませんでした。アニメでさきがけとなったのは「銀英伝」刊行の翌年に放映が開始された「聖戦士ダンバイン」ですが、一般に浸透したのは、86年に発売されたファミコンゲーム「ドラゴンクエスト」以降です。
そういえばそうですね。日本のファンタジーを遡ってもあまり数はありませんし。
> > ども、はじめまして。やっちというものです。
> > いつもはロム専門なんですが、面白そうなのでお仲間に入れて下さい。
> >
> > さて、銀英伝はその成立過程を考えると明らかにSF作品でしょう。
> > 元々、宇宙戦艦ヤマトやスターウォーズに影響されて多くのSF作家が書いた一連の作品の一つ(長編スペースオペラ!)ですし、さらに言ってしまえば、あの作品最大の目的は「宇宙空間での万単位の戦艦同士による艦隊戦」を描くことであり、他は基本的に余技に入ります(これは田中氏本人もはっきり言っています)。
確かにそれを想像する時は心躍るものがあります。それが銀英伝のSFたる所以なんでしょうね。
> > 地上になってしまえば、銀英伝最大の売りが消えてしまうじゃありませんか!
> >
> > もう一つ、あれは始めて書かれた「架空歴史小説」だという事です。
> > それ以前にもその手の作品が全くなかった訳ではありませんが、明確にそれを意識し、そのように文体、内容を構成した作品は銀英伝が最初です。
> > その場合、一番てっとり早いのは過去の先人たちの例、例えば毛沢東やナポレオン、その他歴史上の人物や彼らの故事を書き、その延長線上の未来を書くことによって、空間的時間的広がりを持たせ、戦術、戦略、陰謀、政策などを書くとき、
> > 「かつて~して成功したものはいない」
> > 「古来、~するものはすべてそうしてきた」
> > 等という断定的文章に「深み」を持たせるためのタネでしょう。
> > 架空世界を書くと、これができないですし、過去の逸話は全て、自分で創作しなければなりません。
> > しかもそれが説得力をもつかどうか、始めての彼に自信はなかったでしょうし、へたすればグインサーガの2番煎じと思われる可能性もありました。
> > まぁ、当時、スペースオペラ書こうとしていた田中氏は考えもしなかったでしょうが………
> >
まぁ、それである程度の非科学を除外するとスタートレックになりかねませんしね。念のため、これにも科学的な無理や間違いはあります。
> > 最後にSFとして穴の多すぎる作品という点ですが、ハードSFというジャンル以外、基本的にSF作品は穴だらけです。
> > 特に田中氏が影響を受けたであろう日本SFの黄金時代、70年代SFの大半は一般読者層を取り込むため、科学的なものは二の次にして、おもしろさを追求しました。
> > 小松左京氏の「日本沈没」、半村良氏の「妖星伝」、平井和正氏の「ウルフガイシリーズ」、そして、筒井康隆氏の一連の短編群………
> > これらに共通したのは科学的なものよりも、ある特異な状況におかれた人間たちに焦点を合わせることであり、「サイエンスフィクション」であるよりもSFの目的である「センスオブワンダー」を優先させた事です。
ちなみに私はその手の中で最も有名であろうウルトラマンのファンです
(笑)
> > それが反動となり、いわゆる「SF狩り」が起こります。
> > 若手作家をあげつらい、
> > 「あれはSFではない、ミステリーだ」
> > 「あれはSFではない、ファンタジーだ」
> > と、糾弾したのです。
> > そのおかげで、SF村は小さくなってしまい、文系の作家がほとんどいなくなり、理系しか書けない世界になってしまいました。
> > 「銀英伝はSFでない」発言もその名残でしょう。
> > ちなみに皆さん、ご承知でしょうが銀英伝は日本SFのヒューゴー賞とも言うべき「星雲賞」もらってるんですけどね(まぁ、他の受賞作がダーティーペアだったりするので、権威があるかどうか微妙ですが)。
> >
> > 最後に長文、失礼いたしました。
>
それがあまりSFがブームにならない理由ですね。
> 面白い意見、ありがとうございます。
> 銀英伝に言わしてもらえば、あれはSFというより、近代以前の歴史的人物の言動を焼きなおした人間ドラマとして読んでみるには面白い作品と思います。
>
見るときはいつもそれを念頭にいれて非科学を脳から締めだしていました。
レスありがとうございます。
> > 面白い意見、ありがとうございます。
> > 銀英伝に言わしてもらえば、あれはSFというより、近代以前の歴史的人物の言動を焼きなおした人間ドラマとして読んでみるには面白い作品と思います。
> >
> 見るときはいつもそれを念頭にいれて非科学を脳から締めだしていました。
僕はお二人とは違い、科学に疎いので、非科学部分がわからず、ただただSF作品として楽しんでおりました。
だもんで、今のSFはほとんど読めません(ほんとに何書いてンのわからんぞ甲州!)。
まぁ、そういう読者の方が幸せだろうと勝手に思っております。
僕は人間ドラマも好きでしたが、それ以上に数日に渡る会戦シーンが好きで、
「十字砲火」だの
「包囲殲滅戦」だの
「ラグナロック」だの
「バーミリオン」だの
「トゥールハンマー」だの
「黒色槍騎兵」だの
そんな言葉に萌え、壮絶な戦闘シーン(と僕には思えた)を楽しんだのですが、そういうのは少数派なのかな~。
あ、「便所の壊れた戦艦」ってのもあった。
> レスありがとうございます。
>
> > > 面白い意見、ありがとうございます。
> > > 銀英伝に言わしてもらえば、あれはSFというより、近代以前の歴史的人物の言動を焼きなおした人間ドラマとして読んでみるには面白い作品と思います。
> > >
> > 見るときはいつもそれを念頭にいれて非科学を脳から締めだしていました。
>
> 僕はお二人とは違い、科学に疎いので、非科学部分がわからず、ただただSF作品として楽しんでおりました。
> だもんで、今のSFはほとんど読めません(ほんとに何書いてンのわからんぞ甲州!)。
> まぁ、そういう読者の方が幸せだろうと勝手に思っております。
>
> 僕は人間ドラマも好きでしたが、それ以上に数日に渡る会戦シーンが好きで、
> 「十字砲火」だの
> 「包囲殲滅戦」だの
> 「ラグナロック」だの
> 「バーミリオン」だの
> 「トゥールハンマー」だの
> 「黒色槍騎兵」だの
> そんな言葉に萌え、壮絶な戦闘シーン(と僕には思えた)を楽しんだのですが、そういうのは少数派なのかな~。
>
> あ、「便所の壊れた戦艦」ってのもあった。
私も科学には疎いですよ。
自分の場合、指揮官同士の深読みシーンは好きですけど
ただ、銀英伝の戦闘方式が、現代戦の様相を呈したものでしたら余り面白いものではないですよね。
銀英伝ってSFなんですか?
みんな設定とかにこだわっているようですが….
設定の穴とか多くて明らかにSFの範疇から外れていると思うんです.
おこしやす、ぴあのさん。最近書き込みが増えている八木と言います。
銀河英雄伝説は、1988年第27回日本SF大会にて第19回雲賞賞日本長編部門を受賞しております。つまり日本のSF作品への評価で(多分)一番価値のある星雲賞というお墨付きをもらったわけです。
また、新書版1巻カバーのあらすじでは「壮大な規模で展開する本格スペースオペラ」と宣言しています。だから「SF」かどうかはともかく「スペースオペラ」ではありますね(笑)。
SFは「サイエンスフィクション」です。漫画家藤子・F・不二雄先生は「すこしふしぎ」とも言っていますが(笑)。
辞典によるとサイエンスフィクションとは、
[science fiction]
通常の時間と空間の枠組みを超えた出来事を科学的仮想に基づいて描いた物語。ジュール=ベルヌ・ H = G =ウェルズなどを草分けとする。SF 。空想科学小説。
となっています。
SFは幅が広いです。SFはとりようによっては、何だってSFと言えてしまいます。
「ドラえもん」だってSFですし、「仮面ライダー」もSFでしょう。「竹取物語」だって言おうと思えばSFと言えますね。銀英伝がSFかどうか考えても、時間の無駄ですよ。作品をそのまま楽しみ、宇宙に想いを馳せましょう。
もし、ぴあのさんがどうしても銀英伝を「SF」として認めたくないのなら、「空想科学小説」だと考えたらどうでしょう。「空想」から生まれ「科学」っぽい設定が出てくる「小説」(笑)。
それでは失礼します。
SFの定義については、容易に神学論争になるので避けたいところですが。
通常センスオブワンダー、SFマインドのある作品がSFとされます。
初期短編集は本格SFとする事に関しては異論は無いはずです。
流星航路や戦場の夜想曲はSFしていますから。
でも銀英伝はスターウォーズと同じく、
スペースオペラという意味ではSFの範疇に入りますが、
今では本格SFでは無いとされるのが一般的です。
一方でアニメ版ギャラクシーエンジェルや竹本泉はSFなんです。
近年の定義で本格SFとされるのは、
高度な哲学命題のある作品という事になっています。
そういう意味でスタートレックは本格SFになります。
またスラップスティックSFもSFという扱いになります。
哲学命題もスラップスティックも、
センスオブワンダーを作品に含ませる手段という意味では等価ですので。
あと星雲賞って、SFファンによる人気投票でしかないので……。
選考委員会とかある訳でもなし。SF大会な訳ですし。
その為に必ずしもSFと言えるかどうか分からない作品もちらほら……。
『CCさくら』とか。