特別会議室より話題を移転しました。 僕は「バカSF」が好きです。バカSFとは、(僕の定義では)バカバカしいことを大マジメにやるSFです。ストーリーはあくまでシリアスだし、登場人物もみんな真剣なんだけど、観客や読者は笑っちゃう作品です。 この定義に従って、「『ID4』はバカSFである」と断言することにします。 ただし、バカSFにも2種類あります。作者は本当は賢くて、その知力の限りを尽くしてバカをやっている作品。一方、作者は本当にバカで、結果的にバカになってしまった作品。
さて、『ID4』は前者だと主張しておられる方がいるんですが、本当にそうでしょうか? 僕にはそうは思えません。 そう主張される方は、ニーヴン&パーネルの『降伏の儀式』(創元SF文庫)を読んでいないのではないかと思います。 これはアメリカSF界のベテラン2人の合作による、本格的な侵略SFです。異星人の生態や文化、そのテクノロジー、侵略の目的と手段、それに対する地球側の政府や軍の対応……すべてがリアルに考証され、納得できるものです。 異星人の武力に蹂躙された地球人が決死の反撃をかけるというストーリーは『ID4』と同じですが、そのリアリティ、科学性、オリジナリティには格段の差があります。 にもかかわらず、作品全体としては、まさしく大バカです。ドアホウな発想の数々に爆笑します。(上巻では、異星人の降下部隊が地球に降りてくるところとか) と同時に、読んでて興奮します。特に後半、地球側が秘密兵器(これがまたすごい代物なんだけど)で異星人艦隊に反撃を開始するところから、クライマックスまで一気に突っ走ります。戦闘シーンは燃えまくりです。アトランティスが特攻するシーンではマジで泣けます。 これが正しいバカSFだと、僕は思います。
『ID4』が好きだという方、『降伏の儀式』も読んでみませんか? 熱くなれることは保証します。 |
No.1452 - 2002/11/12(Tue) 12:11 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| こんにちわ、山本先生。 私も『降伏の儀式』は読みましたし、好きな作品の一つです。 ですが、それとID4を単純に比較することはどうかと思います。前者は小説ですし、後者は映画(しかもハリウッド大作)です。 映画(ことにハリウッド大作)においては、「科学的正確さ」よりも「見た目の派手さ、面白さ」が往々にして重視されています。その両者が両立していれば幸いですが、そうでないことは皆さまもご承知の通りですよね(もちろん、例外が存在することも承知しております)。 主にハリウッド映画では、(たとえそれがSF映画であっても)「科学的正確さ」は重要視されていないのです。それよりも重要視されているのは「展開の面白さ」であり、「派手な見せ場」であり、そして「人物のドラマ」です。 ID4はまさにその部分にウエートをおいて制作された作品なのです。
特設会議室の方でZANさんが書かれているように、ID4のシナリオは非常に完成度が高いです。確かに科学的には(軍事的にも)ツッコミどころだらけですが、それを補って余りあるほどに人物のドラマをきちんと描いていると思いませんか? 「海兵隊パイロット」「世を拗ねた科学者」「アメリカ大統領」という3人のキャラクターを軸に、脇のキャラクターとしっかりしたドラマを立てて、それがクライマックスで有機的に結びつく構成は非常に良くできています。 プロの作家である山本先生に対しては釈迦に説法かと思いますが、娯楽作品においてもっとも大事なのは「人間ドラマ」であり、科学的(軍事的)ディティールなどは二の次だと思うのです。 その辺を考慮せず、単に科学的ディティールにツッコミどころがあるだけで、「馬鹿なシナリオ」というのは、(同じ創作者としては)あまりにも無理解すぎる発言であります。
ついでに言えば、活字作品のリアリティと映像作品のリアリティは別物だと思います。 似たような題材でありながら、『降伏の儀式』とID4が違うのは、それぞれがそれぞれなりのリアリティを追及した結果ではないでしょうか。ID4でいえば、突如世界各国に出現した巨大円盤に対する人々のリアクション(思わず空を見上げて次々と玉突き衝突が起こったり、プラカードを持ってビルの屋上に登ったり……等々)で、それなりのリアリティを描いています。 さらに地球側の反撃手段ですが、奇想天外な超兵器を持ち出してくるのもアリだとは思いますし、私もどちらかといえばそっちの方が燃えますが、その場合、受け入れられない観客が出てくるのではないでしょうか。これは我々のような「SF物が好きな人間の考えるリアリティ」と「一般映画ファンのリアリティ」の差ではないでしょうか。『降伏の儀式』は前者を重視し、ID4は後者向けに作られたというだけの違いです。 |
No.1456 - 2002/11/12(Tue) 13:04 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| ファンの方々から見れば、一般人レベルの私なんかだと、 「結果が同じであるなら、どっちでもいい」と、受け止めてしまいます。
映画・漫画・小説、etc....、作品は本来それのみで語られるべきで、制作の過程がどうとか、原作がどうのとかは、問題外だと思うからです。
ID4は、バカ映画だと思います。それを踏まえたうえで楽しい。 でも、製作者がどう思って(バカ映画を作ろうとしてたのか否か)作ったかなんて、見るものが「楽しい」と思うかどうかに関係ありません。
製作者がバカでも性格破綻者でも、消費者にとって結果(作品)が良ければそれでいいのでは。
それに……製作者がバカかどうかを議論するにしても、確かめようもないので、水掛け論になって終わりのような気がしますし。
※<じい>さんの書き込みはちと、論点がズレている気がします。山本先生がここで議題にされておられるのは、「作者がバカか否か(そして『降伏の儀式』を読んでみてね)ということで、表現方法についてではありません。 |
No.1458 - 2002/11/12(Tue) 13:33 [buttercup.pal21.com]
| 私のエメーリッヒに対する評価は、
ハリウッド娯楽映画的な、教科書どおりの話を手がたく作れるところが、一番のとりえの監督。
まあ、「手がたい」し、それはそれで大きな長所ではありますが、「利口」「特別上手い」とまでは思ってません。 そはいえ、似ているといわれながら、結局「爆発や破壊のシーンだけがとりえ」のマイケル・ベイ(パールハーバー、アルマゲドン)あたりとの比較でなら、エメーリッヒは「上手い」とは思います。 |
No.1459 - 2002/11/12(Tue) 14:05 [YahooBB218123198033.bbtec.net]
| >Raptorさん > 製作者がバカでも性格破綻者でも、消費者にとって結果(作品)が良ければそれでいいのでは。
ここのところには同意しますが、
> それに……製作者がバカかどうかを議論するにしても、確かめようもないので、水掛け論になって終わりのような気がしますし。
確認は出来ませんが、推測は出来ます。 それについての私の根拠は上の発言で述べました。
> ※<じい>さんの書き込みはちと、論点がズレている気がします。山本先生がここで議題にされておられるのは、「作者がバカか否か(そして『降伏の儀式』を読んでみてね)ということで、表現方法についてではありません。
いいえ、ですから山本先生が『降伏の儀式』を引き合いに出してID4の製作者を馬鹿と言ったことに対して、その比較が不適当なものであることを述べただけです。ID4の製作者が馬鹿でないことの根拠とともに。
>宇津見さん >ハリウッド娯楽映画的な、教科書どおりの話を手がたく作れるところが、一番のとりえの監督。
私もそう思います。「天才」とか「優秀」とかいうのは言い過ぎかと思いますが、少なくとも馬鹿ではありません。この「手堅い」という部分が、他の映画ではなかなか期待できない所ですので、まぁ上手いといっても良いのではないかと思いますが(少なくとも最近のスピルバーグあたりに比べると、格段に上手いです)。 |
No.1473 - 2002/11/12(Tue) 16:18 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| <じい>さま
あなたの書き込みを読む限り「こんなにいいドラマだし、作り込みもスゴい」と言われているだけで、バカかどうかの検証にはなっていないと思います。
山本先生の言う「バカ」とは、 「科学知識も無く考証も出来ないくせに、SF作品を作ろうとする連中」というコトだと理解しています。
「科学知識と考証」に対するご意見が無い限り、議論が空転すると考えます。
正直な話<いいドラマを作る>と<科学的リアリティ>は特にリンクしていません。 だからといって、片方だけ良いと言うのでは、ハリウッド一流のSF映画というには片手落ちと言うものでしょう。 (バカ映画でない)良作を作るなら、どちらも高レベルのものにする努力が払われて当然ではないでしょうか。 |
No.1474 - 2002/11/12(Tue) 17:05 [buttercup.pal21.com]
| >「科学知識と考証」に対するご意見が無い限り、議論が空転すると考えます。 ただし、これに対する意見があったとしても、それを確かめようも無いので、議論が水掛け論になるとは思いますが。 |
No.1475 - 2002/11/12(Tue) 17:08 [buttercup.pal21.com]
| 皆様、こんにちは。
『ID4』ですねー、正直つらい映画でしたわー。 大統領夫人の救出のシークエンスなど、これから基地連れて帰ってお涙頂戴というのが見え見えで、しらけちゃいましたし、ラストの大空中戦も昔パイロットだったからと言って、何の慣熟訓練もなしにF/A-18、乗れるかー、あほー、って思いましたもの。
ちょっと見方が偏狭なのは重々承知してますけど(笑)。
エメリッヒの映画って、『GODZILA』もそうでしたけど、巻頭20分くらいまでは凄く面白いんですけどねー。 |
No.1480 - 2002/11/12(Tue) 18:17 [ntfkok010144.fkok.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp]
| Raptorさま
> あなたの書き込みを読む限り「こんなにいいドラマだし、作り込みもスゴい」と言われているだけで、バカかどうかの検証にはなっていないと思います。
いえ、ですから「こんなにいいドラマを作れる人間をバカと呼ぶのは正しくない」と申しております。本当にバカな人間が書いたシナリオは、人間ドラマもツッコミどころだらけですから。
> 山本先生の言う「バカ」とは、 > 「科学知識も無く考証も出来ないくせに、SF作品を作ろうとする連中」というコトだと理解しています。
その基準はあくまでも山本先生基準であり、それをあたかも一般的な基準のように語ることが正しくないのでは?
> 「科学知識と考証」に対するご意見が無い限り、議論が空転すると考えます。
確かめようがないわけでもありません。メイキング等での監督インタビューでそのことに触れてないかどうか確認すれば良いのですから。まぁ私は(ID4の)監督が科学的リアリティにこだわったかどうかは、どうでも良いですので、わざわざ確認しようとは思いませんが。
> 正直な話<いいドラマを作る>と<科学的リアリティ>は特にリンクしていません。 > だからといって、片方だけ良いと言うのでは、ハリウッド一流のSF映画というには片手落ちと言うものでしょう。 > (バカ映画でない)良作を作るなら、どちらも高レベルのものにする努力が払われて当然ではないでしょうか。
それを当然と思うかどうかが、私と山本先生やRaptorさんの認識の決定的な差ですね。ハリウッド大作はたいていの場合、「片手落ち」ですので、科学的リアリティに高レベルを要求する場合、最初からハリウッド映画など観ない方が良いと思います。ごくたまに科学的にアラのない映画でも、ストーリーが駄目だったり別のディティールがデタラメだったりしますからね。 |
No.1481 - 2002/11/12(Tue) 18:40 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| いや、私も『ID4』はゲラゲラ笑いながら見た口なので、わりとマジメに評価されておられる方が多いのには、ちょっと……。
ちょうどアレの公開時、私は『機動戦艦ナデシコ』というアニメの製作に関わっていまして、作品内容の都合上、昔のアニメの復習をしていたのですが、そういった昔のロボットアニメのプロットに、仲間内で「かるたプロット」と呼んでいたものがありました。
これは、たとえばAパートで正月のカルタとりをしていた主人公たちが、Bパートで敵との戦闘中にそのことを思い出して、カルタとりの要領で鉄板かなんかを使って敵の攻撃を防ぐ、みたいなプロットのことです。 要は、Aパートであからさまに不自然に日常描写で伏線を入れておいて、Bパートでそれを応用して敵を倒すという、とんち比べみたいなプロットです。
まあ、昔のロボットアニメにはこれの応用が何度も出てくるのですが(昔の『4年の科学』とかに載ってたマンガ『アスガード7』とか、毎回これでしたな)、『ID4』がすごいのは、クライマックスでこの「かるたプロット」よりすごい「かるたなしプロット」が出てくること。 なんせ、それまで何の伏線も張っていなかったにもかかわらず、お父さんが「そんなところで寝ていると風邪を引くぞ」と声をかけると、主人公がいきなり「風邪。そうだ、ウイルスだ。お父さん、ありがとう」つって、敵のシステムを破壊するコンピュータ・ウイルスの開発を思い出しちゃう。 これを「バカ映画」と言わずして、何が「バカ映画」か、というケッサクな迷場面でした。 『ID4』は一事が万事この調子でマジメなふりしてこけまくってるうえに、そこに最初から意図した笑える場面(たとえば、ウィル・スミスがエイリアンを殴り倒すところとか)も存分にあるんで、全編爆笑するしかない良い感じでゆるい映画になっているわけです。でもって、そこが「おかしい」と、少なくとも私は思っていたのですが。 |
No.1482 - 2002/11/12(Tue) 18:42 [pppc08.jp.rim.or.jp]
| >堺三保さま
いえ、私もID4をバカ映画であることは否定していません。 クライマックスなど、当初は例のアル中パイロットが複葉機にミサイルを搭載して登場するシーンだったそうですし(カットされたシーンですから、これは書いてもネタバレにはなりませんよね?) ただバカ映画にしては人間ドラマがきちんと作ってある、そこは評価するべきだと申しております。 実際にシナリオを書かれている堺さんでしたら、ID4のようなシナリオが本当のバカには書けないことはご理解いただけると思いますが。 |
No.1486 - 2002/11/12(Tue) 19:17 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| >その基準はあくまでも山本先生基準であり、それをあたかも一般的な基準のように語ることが正しくないのでは?
何故????? 「SF映画を表現する場合」という前提での「バカ」ですよ? そもそも、本当にバカだったら、お金集めて、スタッフ集めて映画なんか作れません。 しかも、あんな大作を。
>それを当然と思うかどうかが、私と山本先生やRaptorさんの認識の決定的な差 うーん。そう言われちゃうと。何にも言えない(^^;)
たとえはちょっと悪いんですが、それはきっと 「プロレスを楽しめるかどうか」と同じようなコトなんだろうなぁ。 私は格闘技は好きなんですが、プロレスと同一視されることは非常に嫌いです。 でも、一般人にとってはプロレスも格闘技も同一ジャンルでしかないようで。 (私にとっては格闘技=SF映画、プロレス=バカ(SF)映画です) プロレスの存在を否定する気はありません。でも真剣勝負と比較されるのは……。
これをプロレスファンに言うと、メチャクチャ嫌がられます。 どうも、相容れることはないようで。 |
No.1489 - 2002/11/12(Tue) 19:26 [buttercup.pal21.com]
| 私は『ID4』というのは「侵略SF」をアメリカ人の一般大衆向けに味付けした「豪華なジャンクフード」のようなものだと思っています。「UFO」「侵略」「愛国」「戦闘」などを盛り込んで、アメリカ人好みの大味なテイストで仕上げたもの。ゆえにわかりやすい味付けが優先された、といったところでしょう。
山本先生の指摘点は、「もう少し『SF』という味付けをしっかり効かせてやればもっと美味しくなるだろうに」というものであり、さらに良いものをほしがる「グルメ」の立場に置き換えることができるでしょう。「良いもの」を知ればもっと感覚が肥え、今までよりワンランク上の楽しみ方ができるようになるのです。
ただし私はジャンクフードを否定しているわけではありません。ジャンクフードにはジャンクフードの、高級料理には高級料理の楽しみ方があり、どちらも楽しめることが理想だと思っています。
ただハリウッド作品は 「高級料理店が客の動員数を上げるため、メニューの多くが豪華なジャンクフード」な状態なのが問題なのです。ジャンクフードと並んで高級料理が選択自由な状態に置かれていなければ、両方を対等に評価することが出来なくなり一方に偏ってしまう、それが怖いわけです。
>プロレスの存在を否定する気はありません。でも真剣勝負と比較されるのは……。 >これをプロレスファンに言うと、メチャクチャ嫌がられます。
私はプロレスと格闘技の両方が好きですが、よく新日本プロレスファンに見られる「プロレス最強格闘技論」には同調しない人間です。Raptor氏の意見と同様にその二つは「別物」だからです。
私はプロレスはエンターテイメントしてもスポーツとしても評価しています。 「プロレスはスポーツではない」という人は「一定のルールの下で最大の力を発揮して競い合う」という解釈の狭いひとたちでしかありません。「ロープに振ったら帰ってくる」「攻撃は基本的に受け止めなければならない」というのはプロレスの「ルール」です。 「そんなことしなければ勝てるのに」な感じのアピールやオーバーアクションはいわば「芸術点」に相当するものです。
同様に評価することはできても、同一視してはいけないもの。 「ただたのしむだけの娯楽作品」と「教養をエッセンスとして楽しめる娯楽作品」にもこういった差があるだけです。
少し話がそれてしまったかもしれません。 話が長くなって失礼しました。
『降伏の儀式』、機会をみて読まないと。 |
No.1493 - 2002/11/12(Tue) 20:54 [p4037-flets-adsl01maru.tokyo.ocn.ne.jp]
| 私は、「最初の30分サイコー、でも後はどうでもイイや」ってのが感想でした。 人間ドラマにしても、なんか記号の寄せ集めって感じで。 悩む、悲しむ、怒るの描写はありましたが、あるだけで味わいが無いと。 例えるなら、ラーメンを出されたけど、丼の中には材料がそのままあっただけって感じですか。
しかし、これは私がそう思うってだけの話。ドラマがよくできてたと感じた<じい>さんの感想を否定するつもりは微塵もないです。 作品の良し悪し判定なんて、本人の好みにすぎないでしょう。 考証が正しい、アクションがカッコイイ、音楽が絶品、脱ぎップリがイイと、評価のポイントは様々。 山本さんの感想、他の方々の感想、皆「その人がそう思う」ってだけの話です。 批評家だろうが、監督だろうが、エッドール人だろうが同じです。
だから、<じい>さんの気持ちはわかりますが、怒るようなことでもないです。と言うよりキリがないので。 以前、「サイン」を見て爆笑したのに、なんで世間は真面目に見てツマランと酷評すんのかと発言しました。 ここでこそ、いくつか同意見がありましたが、1歩世間に出れば私はマイノリティ。 友人に「アレはサイコーのバカ映画」と話したら、お前がバカだと言われちゃったんですね(まあ、実際バカですけど)。 その時、私はこう思いました。 「キミ達はツマランかったと言う。1800円損したと。しかしワシは楽しんだもんね。爆笑したぜ!料金分、味わい尽くしたよ! キミらよりワシは徳したけえのう。より相手の懐のふかーい部分に飛びこんだの、ワシじゃけえのう、ワッハハハ」 まあ、気の持ちようでしかないのですが。
なんかまとまり無い上に、スレの趣旨から外れてる気もしますが、こういった話題って喧嘩になりやすいですから。 |
No.1500 - 2002/11/12(Tue) 22:08 [ymgc-adsl-309.enjoy.ne.jp]
| じい様 ID4のシナリオが優れている? すみません、映画開始30分でその後の展開が読めてしまうほど単純なシナリオが優れているとは思えないのですが。 人間のドラマにしても、たんにパターンの王道をなぞっただけの捻りも驚きもない単純なものにすぎません。 私自身はID4が受けた理由は、単純明快なストーリーをど派手な画面演出を中心に観客を飽きさせることなく、うまく緩急を使い分けた所にありシナリオそのものの功績はほとんどないと思っています。 つまりは昨今のハリウッド映画の予定調和を地でいった映画と言えるのではないでしょうか。
それに、人間ドラマを優先したとしても、科学的ディテールを疎かにして良い理由にはなりません。 誰がなんと言おうとも「手抜き」でしかないのです。 それにID4の科学的間違いは、たんに無知か、考証する行為を省略したものばかりでドラマ引き立たせるための確信犯的なものはほとんどないのですから、優れたシナリオと評価することは無理があります。 |
No.1505 - 2002/11/12(Tue) 22:25 [csd-26.osaka.mbn.or.jp]
| 最初に謝っておきます。以下、個人的な意見です。 ID4を見た感想。『ここまでしょうもないストーリーを、よくぞ大金かけて作ったな。何が面白いんだ、カネ返せぇー』 そうか、笑えばいいのか。 「降伏の儀式」も山本様のおっしゃる読み方で楽しめばいいのか。私、「神の目の小さな塵」でも腹を立てちゃうんだものなあ。 ああ、目から鱗が落ちました。 |
No.1524 - 2002/11/13(Wed) 01:00 [p4206-ipad02oomichi.oita.ocn.ne.jp]
| 自分の評価は宇津見さんに近いかな。 手堅い、ハリウッド的な教科書通りの作品作りではないかと。 意外性はないし、筋が分かりにくい場所もない。
ただ、エメリッヒ作品はハリゴジとID4しか見てないんですが、どちらも中盤からダレダレかつ手抜きな表現が目立つのはどうかと思いますね。ハリゴジならベビーゴジラ辺り、特撮もレベル低ければ緊張感もなし。 まあこれは演出的な問題で確信犯バカかどうかとはあまり関係ないですが。 |
No.1540 - 2002/11/13(Wed) 05:38 [user088.ehm.enjoy.ne.jp]
| あれって・・・
西部劇なんじゃないですかね? 基本的には。 まぁ個人的には円盤とF-16が渓谷でチェイスして円盤が負ける という時点で「どっひゃあ~」と思いましたが。 弱いぞ円盤(⌒▽⌒)
なんかねぇ。ハリウッド作品ってシナリオ選定の時から銀行やら保険屋やら「作品」というモノが基本的に判っていないバカが口を出すからダメなんじゃないかと思いますね。
ま、日本みたいに監督は神様とやるのも問題だと思いますが。
個人的に某会社でとある小説の映像化にいっちょ噛みした事があるんですが、SF作品なのに誰も科学的整合性とかちっとも考えないのに呆れ果てた事がありますわ。さすがにこの作品、無理がありすぎるようで企画段階で止まったようですが。 |
No.1546 - 2002/11/13(Wed) 08:29 [zaqd37c38ad.zaq.ne.jp]
| 僕も宇津見さんとは意見は同じですね。 けどつまらいないわけじゃないからな『ID4』はあのバカな所を大真面目にやるから面白いんじゃないかなあ。 だってエメリッヒの映画って『ユニバーサル・ソルジャー』とか『スター・ゲイト』なんか東映の特撮番組まんまじゃないですか。 それをうまく勢いで見せてるから面白いんですよ。
例えストーリーやドラマがありきたりでSFや科学設定が無茶苦茶でもエメリッヒやデブリンは“燃える”というのを重点においてる感じがしますね。 だってよくよく考えてみたら『ID4』って“燃える”シュチュエーションが沢山ありますし
まあ『少林サッカー』もそういう感じですね。 まあ『少林サッカー』は最初から荒唐無稽を狙ってますが『ID4』は表向きは大真面目な侵略SFですので違和感を持つ人もいるのかもしれません。 |
No.1550 - 2002/11/13(Wed) 09:49 [SSJfi-02p4-54.ppp11.odn.ad.jp]
| じいさん、こんにちは。
>特設会議室の方でZANさんが書かれているように、ID4のシナリオは非常に完成度が高いです。 >娯楽作品においてもっとも大事なのは「人間ドラマ」であり、科学的(軍事的)ディティールなどは二の次だと思うのです。
ごめんなさい、僕、『ID4』の「人間ドラマ」の部分って、まったく記憶に残ってません(^^;)。 大惨事なのに犬は助かるとか、ものすごい偶然の再会とか、最後の出撃前に恋人との別れとか、死んだと思ってたら奇跡的に帰ってくるとか、いかにもハリウッド大作映画の作法通りの作り方だなあ、という印象しか残ってないんですけど……。 あれで「完成度が高い」と言われたら、作家としてどうしていいものやら(^^;)。 宇津見さんのおっしゃる通り、マイケル・ベイよりエメリッヒの方がましという点には、激しく同意いたしますが(まあ、『アルマゲドン』を観た後では、他のたいていの映画は許せてしまいますけどね(^^;))
>似たような題材でありながら、『降伏の儀式』とID4が違うのは、それぞれがそれぞれなりのリアリティを追及した結果ではないでしょうか。ID4でいえば、突如世界各国に出現した巨大円盤に対する人々のリアクション(思わず空を見上げて次々と玉突き衝突が起こったり、プラカードを持ってビルの屋上に登ったり……等々)で、それなりのリアリティを描いています。
群集の描写がリアルだという点には同意しますが、かんじんの異星人の侵略の手順や、「コンピュータ・ウイルスで逆襲」という手段にリアリティがないのはどうしたわけですか? あと、ロズウェルの秘密基地にいた科学者が、いかにもなマッド・サイエンティストだったのは? メインの部分に力を入れずに、周辺だけリアルにしたってしょうがないでしょう。それこそ「ディテールなんか二の次」ではないのですか?
堺三保さん、こんにちは。 「かるたプロット」「かるたなしプロット」ですか。いい用語を覚えました。言われてみると、昔のアニメで「かるたプロット」ってよくありましたね。 やっぱりうまい脚本というのは、伏線(かるた)を伏線だと気づかせることなく観客に印象づけるものだと思います。 もっとも、『サイン』みたいな伏線の張り方も困っちゃうんですが(笑)。(あれが伏線だなんて、普通、思わないよなー) |
No.1559 - 2002/11/13(Wed) 13:06 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| 作中のガジェットの正しさに関しては別スレが立ったようですが、私は『ID4』のシナリオは良く出来てる方だと思います。
宇宙人の襲来に、離婚した元妻、強い大統領、父と子の確執、動物愛護(?)などなど、当時の観客が好きそうなネタをてんこ盛り。 それでいて、“ワンパターン”に収めたと言うのは、すごいことなんじゃないでしょうか。同じ事をやろうとしていたとも思える『アルマゲドン』と比べても。 先の展開が読める事をシナリオの不出来さだと指摘する方もいますが、ワンパターンになってると言うことは、“物語”になってると言うことですし。 全てに総力をと言うのは無理だと思うので、何に力を入れるかで作品の傾向も変わると思います。 たぶん『ID4』は娯楽であることに力点を置いて、その1つとして「SFっぽさ」を使っただけで、SF映画を作ろうとしたわけではないんじゃないかと。 |
No.1590 - 2002/11/14(Thu) 00:17 [csc3-755.saitama.mbn.or.jp]
| レスが遅くなりましたが、長文で失礼します。
>Raptorさん >何故????? >「SF映画を表現する場合」という前提での「バカ」ですよ?
やはりそれも「SF映画に何を求めるか」の違いのような気がします。
>おずまろさん >山本先生の指摘点は、「もう少し『SF』という味付けをしっかり効かせてやればもっと美味しくなるだろうに」というものであり、さらに良いものをほしがる「グルメ」の立場に置き換えることができるでしょう。「良いもの」を知ればもっと感覚が肥え、今までよりワンランク上の楽しみ方ができるようになるのです。
この部分、簡単に「あんなシナリオを書くヤツは馬鹿」と一言で切り捨てるから、読む者の神経を逆撫でするのだと思います。ついでに言えば、「良いもの」「ワンランク上の楽しみ方」というのも、一面的な価値観でしか無いのでは? SF映画に対して、科学考証よりも痛快さを求める人もいるのですから。
>1本だたらさん 私もID4のシナリオは単純だと思いますし、人物描写も底が浅いと思います。ある意味マンガ的といいますか。でも、底が浅いなりにちゃんと作ってあるということを評価しているのです。これはぺいりあんさんも仰有ってるように西部劇とかもっと言えば「水戸黄門」みたいなもんで、「お約束」として楽しむためのものだということです。
> 極気楽堂さん >私自身はID4が受けた理由は、単純明快なストーリーをど派手な画面演出を中心に観客を飽きさせることなく、うまく緩急を使い分けた所にありシナリオそのものの功績はほとんどないと思っています。
その「ど派手な画面演出を適所に配置すること」「うまく緩急を使い分ける事」もシナリオの功績ではありませんか? それに失敗した大作映画はザラに存在しますよね?(特に何とは言いませんが) 少なくともあれだけの登場人物の行動を、矛盾なくきちんと収めるシナリオの構成力は評価するべきかと。
>山本さん >大惨事なのに犬は助かるとか、ものすごい偶然の再会とか、最後の出撃前に恋人との別れとか、死んだと思ってたら奇跡的に帰ってくるとか、いかにもハリウッド大作映画の作法通りの作り方だなあ、という印象しか残ってないんですけど……。 あれで「完成度が高い」と言われたら、作家としてどうしていいものやら(^^;)。
その「作法通りの作り方」で完成度が高いということですよ。本当に馬鹿な作家というものは、「自分の勝手な作家性」を重視するあまり客に対するサービス精神を忘れ、結果的にとんまな作品を作ってしまうものです(特に誰とは言いませんが、そういう御仁は日本映画に多いようです)。自分の趣味よりも、きちんとお客さんを喜ばせることを考える。それが「プロの仕事」というものではないでしょうか? 確かにID4のシナリオは強引です。ですが多少強引でも、多くの登場人物のドラマを(軽いなりに)ちゃんと収束させ、一箇所の空軍基地に集約させてクライマックスに結びつける手腕は、評価されるべきかと。何度も言ってますが、本当に馬鹿な作家はそれすら出来ないのですから。 ですからID4のシナリオについて正しい評価は「馬鹿なヤツが書いたシナリオ」ではなく「お約束だが完成度が高いシナリオ」かと。
>群集の描写がリアルだという点には同意しますが、かんじんの異星人の侵略の手順や、「コンピュータ・ウイルスで逆襲」という手段にリアリティがないのはどうしたわけですか? あと、ロズウェルの秘密基地にいた科学者が、いかにもなマッド・サイエンティストだったのは?
それはもう、ストーリー同様「ハリウッド大作の作法通り」だからでしょう。科学者の描写も侵略の手段も。さらにその後の「みんなの心を一つにして」「一番エライ人の演説」までも含めて。「わっはっは、お約束通りじゃん。すげー馬鹿」と笑いながら見るのが一番正しい鑑賞方法であることを否定したりはしません。私は笑いながらも大いに燃えました。だからこの映画が好きなのです。 この映画が好きか嫌いかを分けるのは、「少年ジャンプ」が好きか嫌いかに近い感覚なのかも知れません。
> メインの部分に力を入れずに、周辺だけリアルにしたってしょうがないでしょう。それこそ「ディテールなんか二の次」ではないのですか?
いえ、ですから何度も言っているようにこの映画の作り方は「ここまで追い込まれたんだから、ちょっとぐらいヒキョーな手段で逆転したっていいじゃん」と観客に思わせることです。メインの部分は「人類が反撃に至る手段」ではなく、「追い込まれる人類」と「みんなが心を一つにして反撃する」という部分なのです。 ウィルス以外にも「パイロットが足りなくて最新鋭の機体が余ってるなんてバカなことがあるか」とか「いくら歴戦の勇士でも、いきなりパイロットとして戦えるわけあるか」とか「なんで使える機体をすべて集めた筈なのに、出撃したのはF-18ばっかりやねん」とかいくらでもツッコミどころはあります。でもいいんですよ。この映画で重要な部分はそれ以外なんですから。 だからこそ前半の破壊シーンは「これでもか」といわんばかりの徹底したもので、そこで「すげえ」と思えなかった人が、この映画にハマれなかったというだけのなのではないでしょうか? いわばミステリーでめちゃめちゃなトリックを使ってるようなもんですね。もっともらしい舞台設定や人間ドラマでさんざん引っ張っておいて、肝心のトリックはなんじゃそりゃなシロモノだったみたいな。それまでの話が面白かったからOKか、それとも肝心な部分が馬鹿だからこの話も馬鹿と思うか。それが分かれ目かも知れません。
この映画は端的に語ると「頭をからっぽにして楽しむ作品」です。余計なこと、難しいことを一切考えず、ただひたすら馬鹿になって楽しむ作品。でも、そういう作品を作るには綿密な計算が必要です。作る側が「本当のバカ」では、そういう作品は絶対に出来ないのです。 本当に「シナリオ書いたヤツが馬鹿」という言葉がふさわしいのは、日本の平成ゴジラみたいなのを指すべきかと思います。
最後になりましたが、TOSHIさん。私の言いたかったことを端的にまとめて下さってありがとうございました。私自身は「SFっぽい映画」でも全然OKです。「○○なんかSFじゃない」という言い方が日本SFを衰退させていると思っておりますので。 |
No.1613 - 2002/11/14(Thu) 13:59 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| 私が「シナリオの完成度が高い」と言ってるのは、「破綻が無く、それぞれの人物のドラマをきちんと消化していること」という意味においてです。最初から意外性だの深いテーマだの独自のアイデアだの、高い水準を要求しているわけではありません。 要するにID4は「B級映画として良くできている」ということです。第一、「ある日いきなり巨大な円盤が無数に攻めてきて、地球が大ピンチ」なんて映画、どう考えてもB級じゃありませんか。それを金かけて大作にしたてあげただけで。 B級映画に対して科学的ディティールがどうこういうのは、野暮というものですよ。 |
No.1614 - 2002/11/14(Thu) 14:23 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| やや乗り遅れぎみですが、僕もID4は好きか嫌いかと尋ねられたら、「好き」と答える作品です。 あの圧倒的な巨大宇宙船! 手に汗握る戦闘機対UFOの空中戦! 大統領の「人類全てにとっての独立記念日だ!」という演説! そして、マザーシップへの攻撃! 最後に全ての宇宙船を破壊し、大団円!
と、好きな点を言うのはここまでにしてと。
>いえ、ですから何度も言っているようにこの映画の作り方は「ここまで追い込まれたんだから、ちょっとぐらいヒキョーな手段で逆転したっていいじゃん」と観客に思わせることです。メインの部分は「人類が反撃に至る手段」ではなく、「追い込まれる人類」と「みんなが心を一つにして反撃する」という部分なのです。
このあたりで言われていることは、大いに同感です。そもそもID4は、「過去の侵略宇宙人もののオマージュもある」との事なので、お約束を多用するのもこれまたありかと思います。 が、それを差し引いても、この作品のシナリオが完成度が高いかという事には、どうにも肯定しかねます。 >この映画は端的に語ると「頭をからっぽにして楽しむ作品」です。余計なこと、難しいことを一切考えず、ただひたすら馬鹿になって楽しむ作品。でも、そういう作品を作るには綿密な計算が必要です。作る側が「本当のバカ」では、そういう作品は絶対に出来ないのです。
横スレで失礼しますが、言いたい事は、「バカ作品を確信犯的に製作する」のと、「作った作品が意図せずバカ作品だった」とでは異なり、ID4は前者だとの事ですよね。 しかし、本当にそうでしょうか? 確信的にバカ作品を作るんだとしたとしても、知っててわざわざそんなツッコミどころをほったらかした脚本を書くでしょうか? もしも「意図的なバカ作品」としての脚本だったら、ドラマが希薄だったり、キャラクターがステロタイプだったりしても、逆にそれを売りにしてしまう。そういう作風だったらまだ確信犯としてわかりますが、ID4にはそういうところが僕には感じられません。むしろ、「大マジなシリアスSFだ」と思って作ったような、どっか勘違いしたとこが感じられました。
ちなみに、同じ宇宙人侵略もの映画としてより楽しめたバカ映画は「マーズ・アタック!」ですね。 ステロタイプのキャラクター、お約束な展開、希薄な人間ドラマ、バカバカしい侵略と、全編バカまっしぐらです。 が、これくらいバカに徹してくれた方が、こちらとしても「ああ、バカで面白いなー」と感じさせてくれます。 むしろID4は、一応でもシリアスに見せてるとこで、バカという点では損をしてるように思われます。
エメリッヒ版ゴジラ、それに「スターゲイト」もそうですが、エメリッヒ監督は勢いやノリで押しきる作風があります。 細かい考証は気にしない、大筋で楽しめればそれでいい!といった。 しかし、それが計算した上でのものかどうかは、本人でないのでわかりませんが、上記三作品を見た限りではちょっと違うのではないかと。 なぜなら、三作どれもが同じように、ツッコミどころをそのままにした脚本だからです。 ゴジラも、怪獣が具体的にどういう生物なのか、そもそも海イグアナなのになぜ魚食うとか、皆さんが突っ込まれてますし(ノベライズでは、「放射能汚染により遺伝子が大幅に書きかえられた、新種の生命体と思われる」というセリフがありました)。 ID4一本ならともかく、ゴジラやスターゲイトまでもがほとんど同じ作風なのは、ちょっと確信的に行ったためとは思えないんです。いくらなんでもねらって他の二本も同じように作るとは思えませんし、狙ったのだとしてもそれが売りになってたかと言われるとちょっと疑問ですし。
でも誤解して欲しくないのですが、僕の意見は大筋でじい様のそれと同じなのです。「なんだかなあ」と隅では思いつつ、最終決戦では手に汗握りましたし。 脚本は優れてるとは言えないかもしれないけど、大好きな作品。それが僕にとってのID4ですね。 |
No.1615 - 2002/11/14(Thu) 15:06 [p73-dna14surugadai.tokyo.ocn.ne.jp]
| 「ほとんどの議論は言葉の定義の問題である」 という言葉を誰か言ってたと思うのですが……。 どうもこの議論も、「頭がいい」という言葉の定義の違いのように思えてきました。 確かに『ID4』の脚本家は、ハリウッド大作映画の作法通りの脚本(言ってみれば『水戸黄門』みたいな)をきちんと書いている。その点は僕もじいさんに同意します。 ただ、それをじいさんは「頭がいい」と言い、僕は「そんなのは頭がいいとは言わない」と思う……その点だけが違ってるんですね。 やっぱりオリジナリティが大事だと思うんですが。
ちなみに、僕が「頭がいい」と思った映画は、最近では『メメント』ですね。 ただ、これも一箇所だけどうしても納得できない部分があって……ただ、それが映画自体のミスなのか、自分の解釈が間違ってるのかが分からなくて困ってるんですが(^^;)。 |
No.1618 - 2002/11/14(Thu) 15:55 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| >塩田多弾砲さま > しかし、本当にそうでしょうか? 確信的にバカ作品を作るんだとしたとしても、知っててわざわざそんなツッコミどころをほったらかした脚本を書くでしょうか?
まさにそれは製作者が「そこはどうでもいい」と思ったからではないでしょうか。
> もしも「意図的なバカ作品」としての脚本だったら、ドラマが希薄だったり、キャラクターがステロタイプだったりしても、逆にそれを売りにしてしまう。そういう作風だったらまだ確信犯としてわかりますが、ID4にはそういうところが僕には感じられません。むしろ、「大マジなシリアスSFだ」と思って作ったような、どっか勘違いしたとこが感じられました。
ここは私と塩田様との見解が異なるところですね。私はID4の作風そのものが「大まじめにギャグをやっている」ものだと思ってましたから。ID4のパンフレットで大森望氏の書いてある解説を一部引用します。
「(アメリカ中心主義的なプロパガンダ映画であることの批判に対し)ドイツ生まれのエメリッヒは、当然予想されるこの批判をかわすために、逆転の発想でウルトラC的な戦略を採用した。アメリカ中心主義を隠蔽するかわり、アメリカ的価値観を過剰に投入することで、史上最大のギャグ映画を作りあげたのである(中略)アメリカ的な、あまりにもアメリカ的なプロットとモチーフによって、ここでは「アメリカ的なもの」がギャグの発生装置として機能している(攻略)」 で、そのアメリカ的なモチーフとは、「敵の圧倒的なスケール感、巨大感」であり、「世界の警察官たるアメリカのもと、各国の残存兵力が一致団結して外敵と戦うアメリカ人好みの図式」であり、さらに「相手が問答無用で撃退すべきコミュニケーション不能の絶対悪であることは、大統領みずから問答無用のテレパシーによって確認済み。このあたりの論理は――科学的には穴だらけでも――最近のハリウッド大作には珍しいほどシナリオの筋が通っている」そして「クライマックスの大統領演説の仰々しさは、この映画自体を象徴している」ということです。 「ID4の場合には、その過剰なアメリカ性に対してきわめて意識的だ。古くさいプロットを使いながら、ID4が現代映画として成立している理由は、この批判精神にある。ここではアメリカ的価値観自体が相対化され、この壮大なファンタジーに奉仕する」
いささか持ち上げすぎなような気もしますが(^^;;)私もほぼこれと同じような感想を抱きました。 ID4の上手いところは、このアメリカ的な要素の使い方を正面から描くことで、(アメリカの)一般の観客にはストレートな愛国映画として受け入れさせたことだと思います。 ただ、逆にその分ストレートな「バカ映画」としてのアピールが弱く大まじめに批判されるハメになってしまったわけですが。 堺さんへのレスにも書きましたが、クライマックスのアル中親父の特攻シーンが「複葉機にミサイル」だったら、もっと「狙った馬鹿映画」だとわかりやすかったかも知れません。 こういう「過剰な馬鹿さ加減」を端的に説明しているのが、オタキング岡田氏の「大統領のヘルメット」発言ではないでしょうか。
ちなみに大森氏は同じ様なアプローチの作品として『愛国戦隊大日本』を例にあげていました。そう、ID4はアメリカ版大日本だったのです(ホントか?)
それはともかく、これ以外にもID4のシナリオにはかなり綿密な計算が見てとれます。主人公に「白人大統領」の他に「黒人パイロット」「ユダヤ人科学者」というマイノリティを配置し、「何も考えていない白人ダンサーや自己管理能力のない肥満したゲイはあっさり殺され、アル中の社会不適応者は花道を用意した上で表舞台から退場させる一方、極端なタカ派の国防長官は理性的な大統領によって解任され、自分の研究しか頭にない浮世離れした科学者は自分の研究対象に殺害され、女性の出世第一主義的はそれとなく諫められ、最後は未来のアメリカにとって不可欠な、優秀な人間だけが生き残る」(以上、大森氏の文章より引用) というアメリカ保守主義に迎合した脚本は見事としか言い様がありません。 まぁ、そういう政治的な計算はおいといても、登場人物の大半が何かしら悩みを抱え、それがクライマックスにおいてすべて解消されるという構成をきっちり作れる脚本家を、私は馬鹿だとは思いません。
> なぜなら、三作どれもが同じように、ツッコミどころをそのままにした脚本だからです。 > ゴジラも、怪獣が具体的にどういう生物なのか、そもそも海イグアナなのになぜ魚食うとか、皆さんが突っ込まれてますし(ノベライズでは、「放射能汚染により遺伝子が大幅に書きかえられた、新種の生命体と思われる」というセリフがありました)。
でも、観客の大半は海イグアナが魚を食うことを知らないと思います。だから重大視する必要はないのではないでしょうか?
ところで、どうでも良いことなんですが、方向が正反対を向いているID4と「マーズ・アタック」どちらも共通して「大統領が核使用を最後まで躊躇う」という部分は興味深い描写です。この辺はハリウッドの良識でしょうか?
>山本先生 定義の問題、ということでよろしいかと思います。ただ、そういう微妙な部分できっぱりと「馬鹿な奴が書いたシナリオ」と言い切るから、少々問題があるだけで。
>やっぱりオリジナリティが大事だと思うんですが。
オリジナリティがどうでも良いとは思いませんが、批判する以上作家性というものを考慮する必要もあると思います。そもそもエメリッヒという人は、「ユニバーサル・ソルジャー」といい「スターゲイト」といい「どっかで見たようなシーンばかりの映画」しか作れない、オリジナリティのカケラもない人ですから。ID4だって、「V」からのイタダキですし。 そういう作風の人に向かってオリジナリティの無さを批判するのは、ティム・バートンに対して子供っぽいとか、リドリー・スコットに対して画面が暗すぎるとか言ってるようなものかと。ですから、エメリッヒの映画を観るときはオリジナリティは期待してはいけないことです。 って、私の方がよっぽどヒドイこと言ってますねぇ、エメリッヒに(笑)
ところで、ID4で「ものすごい偶然の再会とか」なんてシーン、ありましたっけ? ちょっと思い返しても記憶にないんですが……。 |
No.1621 - 2002/11/14(Thu) 17:12 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| じいさんへ
自説に都合のいい作中描写の存在は「この製作者は頭のいい証拠だ」といい、自説に都合の悪い作中描写の存在は「この製作者は頭がいいから、意図的に正確さや的確さにこだわっていないんだ」といえば、どんな映画だって秀作、傑作扱いできるのですけど。
なんだか、『ゴジラVSデスロトイア』の公開時に、あまりのできの悪さに、問題点を山ほど指摘されても、一部のコアな怪獣映画ファンが、その問題点の指摘のことごとくに「それは娯楽映画として意図的にやったことです」「娯楽映画なのだから大目に見るべきことなのです」と強弁していたのを思い出します。 ああ、ID4はデストロイアに比べたら百倍まっとうな映画と思いますよ。でも、じいさんの今の論法は、デストロイアの擁護論法とそっくり。 |
No.1626 - 2002/11/14(Thu) 17:44 [YahooBB218123198033.bbtec.net]
| 僕も宇津見さんとは同感ですね。
>オリジナリティがどうでも良いとは思いませんが、批判する以上作家性というものを考慮する必要もあると思います。そもそもエメリッヒという人は、「ユニバーサル・ソルジャー」といい「スターゲイト」といい「どっかで見たようなシーンばかりの映画」しか作れない、オリジナリティのカケラもない人ですから。ID4だって、「V」からのイタダキですし。 そういう作風の人に向かってオリジナリティの無さを批判するのは、ティム・バートンに対して子供っぽいとか、リドリー・スコットに対して画面が暗すぎるとか言ってるようなものかと。ですから、エメリッヒの映画を観るときはオリジナリティは期待してはいけないことです
僕思うけど作家性と監督の欠点を一緒にするのは絶対に間違いだとは思いますよ。 バートンの映画は子供っぽさとダークさ,スコットはあの暗さが作家性ですけど映画監督の欠点を作家性だといわれてはさすがにたまりませんよ。
大森望さんの文は要するに「恥ずかしいほどストレートな愛国主義」やアメリカ映画の王道的展開が強調され過ぎてパロディーになってしまってるから素晴らしいという意味の文だとは思う。 だから結果として(作り手は意図しなかったけど)『愛国戦士大日本』になっちゃたという意味の文書だとは思う。 (まあ大森望さんは,かなりひねくれた映画・SF評論家ですから話半分に聞いていたほうがいいですね。キネ旬のベストで『エヴァ』を一位にしたりする人だから)
このままいくと不毛な議論になりそうな予感がしますから少し議論落ち着かせませんか? |
No.1627 - 2002/11/14(Thu) 18:10 [SSJfi-02p4-54.ppp11.odn.ad.jp]
| > 自説に都合のいい作中描写の存在は「この製作者は頭のいい証拠だ」といい、自説に都合の悪い作中描写の存在は「この製作者は頭がいいから、意図的に正確さや的確さにこだわっていないんだ」といえば、どんな映画だって秀作、傑作扱いできるのですけど。
要は正確さに拘る事で、狙った効果が減殺されるかどうかが判断の基準になるってことですよね。 少なくともパイロット関係であればこの例に入ると思いますが。 #大統領が乗れるのが無理があっても、それで(観客が)燃えられるのであればそうすべき
後、観客がバカだからウケる為にバカにせざるをえないっていうのはありますな。 #鶏と卵の関係になるのでどっちが先かは判りませんが。 |
No.1628 - 2002/11/14(Thu) 18:13 [wwwproxy525.kobe-u.ac.jp]
| >じい様
さっそくのレスありがとうございました。
>それはともかく、これ以外にもID4のシナリオにはかなり綿密な計算が見てとれます。(中略)最後は未来のアメリカにとって不可欠な、優秀な人間だけが生き残る」(以上、大森氏の文章より引用) というアメリカ保守主義に迎合した脚本は見事としか言い様がありません。
ふむふむ、つまりは「アメリカ人好みの要素を取り入れた、計算された脚本である」「愛国魂を揺さぶらせる、綿密な計算がなされている」と言う事ですね。 見てみると、確かに色んなところにそういうものが見え隠れしています。 絶対的に不利。人々は、愛する家族が傷ついたり死んだりする。人類存亡の危機に、起死回生の戦いを挑む人類。その先陣を切るのは、世界のリーダーアメリカ! こういう作りにしたら、アメリカ人には受けが良いでしょう。
でも、それにしても脚本は不充分でアラが目立つのです。少なくとも僕には。 例えば、なぜこれだけの大事件が起きてるのに、アメリカ国内だけで話が進んでしまうのか? 他国も、同じような事が起こっているはず。アメリカだけの問題ではありません。 一瞬でも良いから、ロシア、ヨーロッパ、アジア、日本などの首都で同じような惨状が起きているとわかるシーンを入れてくれたら、なお広がりを感じさせたでしょうに。
また、最後の戦闘にしても、ジェット機がどういうわけかF-18ばかり。 残存している戦闘機を集めたのだから、もっと色々な機体があった方がよかったのでは。
他にも、なぜ30年前のUFOがマザーシップに戻って、すんなり着艦できたのか、とか、異星人のコンピューターに、地球のウイルスを感染させる事ができるのか、とか、最初から攻撃するつもりなら、都市上空に停滞してないでとっとと攻撃しろ、とか。
まあ、瑣末な問題と言われればそれまでですが、やはり優れた脚本というものは、そういった「物語内の変なところ」を気にさせず、無理無く納得させる事だと思います。 僕や山本さんや他の皆さんは、ID4の脚本に、バカ映画であることを差し引いても納得いかない点があり、じいさんは納得がいく脚本だと思われていると。 で、まじめ映画でもバカ映画でも、やはり観客を納得させられなかったら、その時点でその作品は「(あくまで見た人それぞれですが)あまり優れた脚本とは言いがたい」というような評価になるのではないでしょうか。 >でも、観客の大半は海イグアナが魚を食うことを知らないと思います。だから重大視する必要はないのではないでしょうか?
うーん。それはそうかもしれないですが、やはり「知らないだろうから、こうしとこう」ってのは観客に対し失礼だと思うんですよね。 知ってる人がわずかでもいるなら、細かくてもそういうとこにも注意を払うべきだと思います。
ID4の脚本の目指したものが「アメリカ万歳」的なところで、計算づくであからさまでなく、さりげなく出したってのなら、それはある程度は成功したものと言えるでしょう。 が、どの作品も(っても見たのは三作ですが)同じような作風の人が、そこまで考えた脚本を用いて製作したのかと言われると、どうも納得いかないんですよね。 むしろエメリッヒ、そしてデブリンは、テクニックよりストレートな力技を得意とするパワーファイターといった印象があります ゴジラにしても、「最後に人間の兵器でやられる」ってとこから、AIPのモンスター映画そのまんまでひねりも何も無いし(つーか、ビルに取りつくとこからも「原始怪獣あらわる」にそっくり)。 その力技の出し方が、じいさんには納得を感じ、僕や山本さんたちには納得いかないと思ったと、こういうことではないでしょうか。
それから、オリジナリティ云々ですけど、パロディやオマージュならともかく、あからさまな「どっかで見たような」というものを出したとこで、製作者は力量を疑われるもんだと思います。 すでに過去の作品を紐解けば、新たなアイデアと思われたものも、必ず何かで使われています。だから、パクリと言われるのも致し方ないかもしれません。 が、問題はその「パクリの仕方」なのです。うまくパクれば、むしろ新鮮で見た事ない映像やシチュエイションを見る事、作ることができます。 この、過去の作品における分析や掘り下げ、そしてそれを自分の作風にあわせるテクニック。それこそが山本さんの言われてる「オリジナリティ」だと思います。 (例ですが……ガンガンのマンガ「まもって!守護月天」は、「ああっ女神さまっ」のパクリと言われてますが、本当は「ドラえもん」のアイデアを再構成したものだそうです。ポケットから道具を取り出すというところで、それを使う女の子=シャオを創造したと)。
>ところで、どうでも良いことなんですが、方向が正反対を向いているID4と「マーズ・アタック」どちらも共通して「大統領が核使用を最後まで躊躇う」という部分は興味深い描写です。この辺はハリウッドの良識でしょうか?
つか、核をほいほい使うとまずいって事なのでは? 核はあくまでも最終兵器であり、これを使うと敵は殲滅して事態は解決する。だからなるべく出し惜しみした方が面白いということなのではないかなーと。 もっとも、いきなり核を用いてそれが無効の場合、あとのストーリーが続かないってのもあるかと。 では! |
No.1629 - 2002/11/14(Thu) 18:15 [p12-dna13surugadai.tokyo.ocn.ne.jp]
| ちなみに、ID4、ゴジラ、スターゲートはエメーリッヒとその相棒ディーン・デブリンというコンビで作られていて、デブリンはこの三作ともプロデュースと共に、エメーリッヒと共同で脚本を担当していました。でまあ、どれもこれも、ものの見事に似たり寄ったりの代物。
でもって、この三作の後のエメーリッヒ監督作品『パトリオット』では、『プライベートライアン』のロバート・ローダットに脚本を任せて、エメーリッヒもデブリンも脚本からは手を引いていました。 この布陣を見て、『パトリオット』は史劇(アメリカ独立戦争)なので、エメーリッヒもデブリンも、自分たちにはID4みたいな話しか書けないと自覚して(スターゲートもゴジラもそうだし)、他人に任せたんだなあ、と思ったものでした。 |
No.1639 - 2002/11/14(Thu) 21:09 [YahooBB218123198033.bbtec.net]
| >宇津見さん
うーむ、「なんでもかんでも自説に都合良く」と見られちゃいますか。私は破綻した部分とそうでない部分とは、きっちり分けられているということを主張したかったのですが(その意味で何もかも破綻していた『ゴジラvsデストロイア』とは違うと)。 まぁダーク・ディグラーさんの仰有るように大森望さんの文章を引用したのは、少々やりすぎだったかも知れませんね。さすがに私もあそこで引用したことを頭っから信用してるわけではありません。そんな文章、引用するなって? 失礼しました。 まぁ政治的な計算ウンヌンの部分は取り消します。ご忠告、ありがとうございました。
>ダーク・ディグラーさん >僕思うけど作家性と監督の欠点を一緒にするのは絶対に間違いだとは思いますよ。
これは微妙なところですね。作家性と欠点は表裏一体のものですから。エメリッヒはオリジナリティが無い分、頂いてきたネタを手堅くまとめることに長けています。それが彼の欠点であり、作家性だと思いますから。バートンやスコットを引用してきたのは不適当だったかも知れません。でも、それぞれの作風に対して「欠点」と見なして嫌う人もいるわけでしょう?
>このままいくと不毛な議論になりそうな予感がしますから少し議論落ち着かせませんか?
ご忠告ありがとうございます。とりあえず今のところ、ご意見を受け入れる余裕はあるつもりですので(まぁ、その「つもり」が危ないのかも知れませんけどね)
>匿名希・望さん > 要は正確さに拘る事で、狙った効果が減殺されるかどうかが判断の基準になるってことですよね。
そういうことですね。一番ツッコミが集中したウィルスの件にしても、「ここまで人類が追い込まれてるんだから、どんな阿呆な手段でもいいから逆転してくれ」と観客が思うかどうかだと思います。
で、「こんなこともあろうかと」ブレント・スパイナーの科学者が極秘裏に開発していた超兵器を持ち出してくれば、山本先生やコアなSFファンは(それに私も)大喜びしたでしょうが、一般の観客はひいたと思います。そういう意味でID4はコアな人間のための映画ではないんですね。
>まあ、瑣末な問題と言われればそれまでですが、やはり優れた脚本というものは、そういった「物語内の変なところ」を気にさせず、無理無く納得させる事だと思います。
うーん、これも脚本に何を求めるか、の問題のような気がします。 (先にどなたかのレスに書いたこととダブりますが)一般の観客は、そうそう細かいことを気にしません。反撃に飛んだ戦闘機がすべてF-18であっても、気づかないのです。世界中えらいことになってるってのも、まぁ観客の大半はアメリカ人ですから(^^;;)それに一応セリフでは説明されてましたしね。
脚本というのはドラマであり、ドラマというのは人間の抱えている問題が解決される(または、されない)過程のことだと思います。 それ以外のことは、すべて枝葉でありオマケであります。ID4はそこをきちんと作っているから、「優れた脚本」なのだと思います。 エメリッヒ&デブリンが「テクニックよりストレートな力技を得意とするパワーファイター」であることは同意します。パワーファイターであるからこそ、枝葉を無視し人間ドラマだけを重視して作っている、ということですよね。その人間ドラマにおいて、あれだけよく作り込んであり、主要登場キャラ全員に何かしらのドラマがあって、それが有機的に絡み合い、クライマックスでキチンと解消されるのは、やはり「計算」という以外にないのではありませんか? 少なくとも「偶然」では絶対に出来ません。ウソだと思われる方は、ご自分で(同じだけの登場キャラを考えて)話を作ってみると よろしいかと思います(これはいささか暴論気味ですが) とにかく、あの映画には「出てきただけで何の意味もない人」は、誰ひとりいなかったのですから。……たくさんありますよね。意味のないシーンがあったり、意味のないキャラがいたりする映画。
> それから、オリジナリティ云々ですけど、パロディやオマージュならともかく、あからさまな「どっかで見たような」というものを出したとこで、製作者は力量を疑われるもんだと思います。
そうですね。私もエメリッヒを一流の監督だとは思いません。前の発言にも書きましたように、この映画はオリジナリティに欠けたB級だと思います。ただ非常にお金がかかって豪華なB級です。だからアラがたくさんあっても気にならないのです。 そういう意味では、もともと作品に対して要求している水準が低かったのかも知れませんね。 何せ見る前から友人と「あのパクリ監督のエメリッヒが、今度はどんな駄作を作ったんだ?」「大統領が出撃しちゃったりするらしいぜ」「それじゃ『ホワイトハウスで僕と握手だ!』とかやるのかな?」「それ見て~」なんて会話をしてたぐらいですから。(実際の映画のデキもそんなもんでしたし)(^^;; え? なんで駄作だと思いながら見に行ったのかって? それは毎年毎年日本のゴジラ映画(文句言いながら)見に行くようなものですよ。 |
No.1640 - 2002/11/14(Thu) 21:36 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| あ、前の発言、
>まあ、瑣末な問題と言われればそれまでですが、やはり優れた脚本というものは、そういった「物語内の変なところ」を気にさせず、無理無く納得させる事だと思います。
以降は塩田多弾砲さんに対するレスです。失礼しました。 それと、エメリッヒ&デブリンが「枝葉を無視したかどうか」については、どうでも良いことだと思います。枝葉は所詮枝葉でしかなく、そういう欠点がいくらあっても肝心の人間ドラマ自体はよく出来ていたからです。
それとダーク・ディグラーさん。誤解のないように言っておきますが、私もバートンやスコットは好きです。私の表現が気になるようでしたらご容赦下さい。
|
No.1641 - 2002/11/14(Thu) 21:44 [csd-2718.tokyo.mbn.or.jp]
| スレッドの流れと全然関係ないのですが・・・ (^^;
SF宇宙科学講座(ローレンツ・M・クラウス、原題 Byond Star Trek)という本では、 「ID4のエイリアンはニュートン力学の勉強さぼってたらしい。月の4分の1の質量のマザーシップで静止衛星軌道に乗ったらどうなるか、わかりそうなもんだが?」 という意味のことを書いています。まあ、確かにそれはまずいんですが・・・それを言ったら身も蓋もという気も (^^;。
--- 著者の名誉のために申し添えますと、上記の本では話の枕にいろいろSF作品を持ってきたりしていますが、本題は物理などであってSF批評ではありません。 |
No.1642 - 2002/11/14(Thu) 21:52 [pl069.nas921.nara.nttpc.ne.jp]
| スレの流れとはまったく関係ありませんが…
海イグアナは、どっちかというと「草食」です。
ではでは |
No.1643 - 2002/11/14(Thu) 22:07 [atgi1087.ppp.infoweb.ne.jp] |