先日本屋に行きましたら、「7月の読書」スレッドで話題になった 「SFはどこまで可能か」を見つけまして手に取ったら、あとがき が柳田理科雄氏の筆によるもので、「この本の存在を知っていた ら空想科学読本は出さなかった」とか。 勿論いつもの柳田節と同様これが本心だとは少しも思いませんが 本当に出ていなかったら山本先生の時間が浪費されなかったのに と思います。
ところでそんな因縁(?)の末に出た「こんヘン」を読んだのは今年 に入ってからなのですが、発売からかなりの時間が経過して今更 とも思うのですが、別のスレで話題にも出たようですので私から も一つ質問がございます。 p155のエヴァにおける第二芦ノ湖の記述に関してですが、第五使 徒ラミエル戦の時はまだ第二芦ノ湖は存在していないはずです。 脚本集「EVANGELION ORIGINAL」二巻P#15-3の脚注には第七使徒 イスラフェルの爆発によって出来たのが第二芦ノ湖、第十使徒 サハクィエルの爆発によって出来たのが第三芦ノ湖とあります。 また「NEWTYPE 100% COLLECTION 29」p148には設定作成段階で作 られた第三新東京市周辺地図が載っておりますが、これに第二芦 ノ湖は描かれておりません。 以上の事から、第五使徒戦において未だ第二芦ノ湖は存在せず、 p155の記述について疑問が生じます。 もっとも私より遙かにアニメに詳しい方々が山本先生のご友人に 沢山おられますのに、この点に関して訂正されていないという事 は、第二芦ノ湖に関しては確かなソースがあって私がそれを知ら ないという可能性が高いので、もしソースがありましたら御教示 賜りたいと存じます。
もっとも上記100%コレクションの同じページには第三新東京市の 地図がいろいろありますが、ネルフ本部直上は芦ノ湖北岸と金時 山山頂を結ぶ直線を2:1に内分する辺りなので、二子山からの狙撃 はそもそも箱根山に遮られて無理ということが番組放送当時から 言われていたように記憶しています。 それを解決するために「第二芦ノ湖」を持ち込まれたのでしょうか。 |
No.21603 - 2004/10/05(Tue) 21:06 [usen-221x116x97x229.ap-US01.usen.ad.jp]
| 藤原和英さん、こんにちは。 お返事が遅れたのは、資料を調べ直していたからです。 結論から言うと、
「よー分からん!」
です(^^;)。 『こんヘン』を書く際、『エヴァンゲリオン』の設定やストーリーについて、何時間もかけて検索したと記憶しています。熱心なファンが多いんだから、そんなの検索すりゃあすぐ分かるよ……と、たかをくくっていたら、「ヤシマ作戦」「第二芦ノ湖」等のキーワードで検索すると、2次創作ばかり山のようにヒットして(^^;)、その中から信頼できそうな情報サイトを見つけ出すのにけっこう苦労しました。 で、一番詳しそうなページがここだったんです。
http://mai.zs.kngw.niu.ne.jp/cf/ssl/eva_dic/pfm04_ta.htm#2_asino
>だいにあしのこ【第二芦ノ湖】 >1.ア★メージュ説によると、「第三新東京市と二子山との間ちょうど現在の大涌谷駅付近にある自然湖。」 >2.ニュータ◇プ説によると、「ジオフロント内NERV本部脇の湖。」 >3.ヤシマ作戦との整合性を考えると1のアニメー☆ュ説の方が有力と考えられるが、オープニングに出てくる第三新東京市付近の地図にそのような表記は見あたらずその所在は不明である。
この2の説(NERV本部脇)ですが、2次創作作品ではけっこう採用されているものが多いようです。そりゃあ角川の出してる雑誌だし、資料的に『アニメージュ』より信頼できると考えられるのも無理はないですね。 他に「第二芦ノ湖」で検索してみても、イスラフェルとの関連について触れたページはまったくヒットしません。 ただし、念のために「イスラフェル 第2芦ノ湖」で検索したら1件だけヒットしました(これは『こんヘン』執筆時には発見できませんでした)。たぶん藤原さんが挙げられた本がソースだと思われます。
http://cherry.webdos.net/~kokey/eva/dic/ku.html
つまり、「第二芦ノ湖」については、書籍や雑誌によって書いてあることがバラバラなんです。とりあえず、最も整合性があるのは1の説だと思われるので、僕としてはその解釈を採用したのですが、もちろん間違っていた可能性も十分にあります。 さすがに「そういう設定なんだってば!」と断言したのはまずかったと思ってます。 |
No.21671 - 2004/10/08(Fri) 11:06 [zaqdb72e85d.zaq.ne.jp]
| アニメージュ誌で「第三新東京市」の地図を書いた人が
『もともとの地形図には無いN2爆雷で出来た第二芦ノ湖とを書き足して行く。』 http://homepage1.nifty.com/K-taKamikita/blogger/2004_05_02_arc.html
と書いてます。
うそ地図で有名な人らしいですが、うそ地図を描くのに正確な資料を用いないはずはないと思いますが、どうでしょう。
『書籍や雑誌によって書いてあることがバラバラ』との事ですが、公式な設定をちゃんと調べないのは問題なのでは?
『他に「第二芦ノ湖」で検索してみても、イスラフェルとの関連について触れたページはまったくヒットしません。』 との事ですが、第二芦ノ湖でぐぐってみるとこんなページも。
第3新東京市 観光課/エリア別観光案内 http://scm.cside.com/data/tourist/area.html 『発生は2015年。第七使徒「イスラフェル」殲滅の爆発で誕生した。』
そのサイトの大事典には ---------------------------- 【 第二芦ノ湖 - Ashinoko-2 】 大涌谷自然研究路から冠ヶ岳、早雲山そして神山を掠めて広がっている湖。発生は2015年。第七使徒・イスラフェル殲滅の爆発で誕生した。 【 第二芦ノ湖慰霊碑 】 第二芦ノ湖の畔にある。使徒殲滅に伴う爆発で亡くなった人々を供養する為に設けられた慰霊碑。 -----------------------------
という記載もあります。
エヴァンゲリオンだってガンダム同様に、後付で公式設定が決まってるのもあるんですから、ネットで検索なんかしてないで(そもそもネットで検索できるのは、ほとんどが個人が作った非公式なページだと思うのですが?)、公式な最新の資料をあたるべきだったのでないでしょうか?
ついで: 『この2の説(NERV本部脇)ですが』 劇場版でミサトが「地底湖」ってセリフで言ってたんですが知ってます? |
No.21672 - 2004/10/08(Fri) 13:34 [156M21.rivo.mediatti.net]
| 山本先生、御返事ありがとうございます。
>熱心なファンが多いんだから 「2001年宇宙の旅」や「ブレードランナー」と違って、あまり 設定や資料を読まないファンが多いんですよ。 エヴァ二次創作の世界ではその辺が滅茶苦茶な作品をと学会的に 楽しむファンも多いくらいです。何しろ突っ込みを受けた作者が 「私はエヴァは二次創作でしか知りません」と言い訳してそれが 普通に通用してますし。 ことエヴァについてはファンサイトはあてにならず、古本屋で 資料を探した方がずっと確実です。 以下に長いですが補足を述べます。
1.第二芦ノ湖=イスラフェル爆発説が広まったのは八幡書店刊 「新世紀エヴァンゲリオン用語事典第一版」 によると思われます。これは発売から十一日で第七刷がかかって いますし今も絶版になっていないようなので、実に売れたと思わ れますし、その影響は大きかったと思われます。 (と申しますか、これまでこれ以外の第二芦ノ湖説に出会ったこと がありませんでした) これの参考文献リストにに上記した脚本集「ORIGINAL」(富士見書 房刊)全三巻がありまして、その第二芦ノ湖に関する記述が全く同 じなので、ここがソースだと思われます。 この脚本集の奥付には編集協力として小黒祐一郎氏(スタジオ雄) の名前があります。小黒氏については、山本先生はよくご存知か と思いますが、そうでない方のためにはてなダイアリーを。 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%B9%F5%CD%B4%B0%EC%CF%BA
2.小黒氏はエヴァのLD、ビデオ版に付録としてついてきた小冊子 「エヴァ友の会」(昨年発売されたリニューアル版DVD-BOXの付録 として復刻)の編集を担当しており、小黒氏自身「もっと重箱の 隅」という解説コラムを書かれています。 小黒氏自身は「エヴァ友の会」第一号で「あまりガイナックスの チェックが入らないので色々好き勝手なことが出来る」旨を書か れているのですが、ガイナックスから様々な資料を借りて作って おり、そういい加減なことは掲載していないと思われます。また スタジオ雄が制作を担当した劇場版のパンフレットでは、エヴァ に出てくるL.C.Lを「リンク・コネクト・リキッドの略」とした 新世紀エヴァンゲリオンフィルムブック第一巻(角川書店刊)p40の 脚注の記述を否定しています。 (LCLに関してフィルムブックの記述を参考にした「用語事典」は 劇場版公開後に出した第二版ではパンフレットに拠って記述を改 め、「諸説ある」としている) この事実からは角川発行の書籍といえども信頼はできないこと、 スタジオ雄がガイナックスと緊密な関係を保って設定関係の記述 をしたことが窺われます。
3.これらのことから、小黒氏が関わっている「エヴァ友の会」 「劇場版パンフレット」は信頼性の高いソースであると思われま すし、同様に「ORIGINAL」の記述も信頼できると考えています。 また、OPフィルムカット33にも出てくる第三新東京市地図完全版 との整合性も取れますし、第十五話での第二・第三芦ノ湖を見て の冬月コウゾウの「これ以上増えないことを…」の台詞もこれが 最近できたとするほうがより合致するように思います。
4.今更言うまでもありませんが、庵野秀明は演出のために分かっ ていて平気で物理その他を無視する(エヴァで言えば輸送機から自 由落下したエヴァが着地時後ずさりしたりなど)ので、二子山から 第三新東京市の間に芦ノ湖があっても庵野アニメとしては別に不 思議ではないのですが。
5.余談ながら昨年発売されたゲーム「新世紀エヴァンゲリオン2」 ではこれまで明らかになっていなかった様々な設定について沢山 のことが発表され、制作者のアルファシステム社の公式掲示板で は開発責任者の芝村裕吏氏がゲームについてのみならずエヴァ本 編に関する様々な質問について答えています。 (そのダイジェストはこちらhttp://someiyoshino.cool.ne.jp/eva2/) 芝村氏は設定のないものはないと断言していい加減な回答をしな いため、今現在エヴァについて分からないことで答のあることに ついてはアルファシステムに聞くと最も速く確実に答を得られます。
>G3様 > http://scm.cside.com/data/tourist/area.html このサイトの図解や解説も実は二次創作が混ざっていたりします(笑)。 例えば線路図なんかはそうですね。 ブレンドの仕方が絶妙なんで、私も結構良い意味で騙されていました。
>知ってます? 「ご存知ですか」とされるべきでしょう。これでは喧嘩です。 |
No.21677 - 2004/10/08(Fri) 17:23 [usen-221x116x97x229.ap-US01.usen.ad.jp]
| エヴァって、そもそも身長(つーか全高?)なんかも、かなりあやふやだったでしょう? 鉄人を観ていて思ったんですが、鉄人もシーンによって、かなりの身長差があるんですよね。(原作もね) 伝統なんでしょうか。(笑)このあたり、庵野監督の確信犯的な臭いを感じますね。(笑) |
No.21682 - 2004/10/08(Fri) 22:02 [P061204000122.ppp.prin.ne.jp]
| 『エヴァって、そもそも身長(つーか全高?)なんかも、かなりあやふやだったでしょう?』
これ↑、たぶん勘違いです。 エヴァの身長はもともと「ウルトラマンの大きさ」が設定です。
スーパーロボット大戦のどれかの時に「身長40~200メートル」って『設定』されたんで、なぜか「話数によって身長がまちまち」って勘違いされたんですね。
実際には、40メートルが作画上の設定身長(ウルトラマンの大きさ)で、200メートルっていうのはエントリープラグの大きさから計算した「リアル」な身長です。
『庵野監督の確信犯的な臭いを感じますね。(笑)』 これは当たりです。 リアルロボット系(?)の設定にこだわった作りを嫌って、わざと設定を作らなかったり、作った設定が完全に矛盾したりするようにしています。もちろん「身長40~200メートル」っていう設定も庵野監督の「悪意」です。
で、まぁ、だからといって、映画とは直接関係ない小説の表記をもって他人を笑いものにしたり、本はちゃんとした資料を使って書けと他人に主張する人が、ちゃんとした(最新の)資料もあたらずネットで検索して終わりってーのはどーなんでしょうねぇ。 |
No.21698 - 2004/10/09(Sat) 09:31 [156M21.rivo.mediatti.net]
| >実際には、40メートルが作画上の設定身長 これも場面によりますね。
さすがにエヴァの全身が映るシーンではもっぱら40mで統一されて いるようですが(特にネルフ本部内では)例えば手と比べられる シーン、三話の鈴原、相田の二人が初号機の手に潰されそうにな るシーン、七話で初号機がミサトを手に乗せて疾走するシーンで は、手と人間の大きさを比較するとエヴァは40mより大きいように 計算できます。 こういう細かいところを見ていくと、40mか200mかという二者択一 ではなく、やはり庵野監督のその時の気分で40mから200mまでの間 で描き分けられている(意識的か無意識的かを問わない)と考えて よいと思います。 |
No.21722 - 2004/10/10(Sun) 00:15 [usen-221x116x97x229.ap-US01.usen.ad.jp] |