初めてカキコ致します。面白ければハードカバーのサイズを抱えて通勤電車の中で読み続けるのも全く苦痛にはならない、という見本のような本でした。はなはだ不遜ながら個人的にやられた、と思ったのはラストでジャック・マイルズの名前が出てきたので、もしやと思い読了後参考文献を見たら、「GOD神の伝記」が。刊行当初、私もあの本を読んだのですが、途中で訳文の読みにくさに挫折して、それっきりでした(責任転嫁っぽいですが訳者の秦剛平氏が訳出するキリスト教関係の著作はどれも興味深いのですが、お世辞にも氏の翻訳が読みやすいといえない、という印象でした)。やっぱり本は読まなあかんなあ、深く反省しました。 |
No.15482 - 2003/11/15(Sat) 10:32 [nttkyo095231.tkyo.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp]
| 『神は沈黙せず』第一スレッドが長くなったようですので、こちらに移られては如何でしょうか?>皆様 #いや、スレ立て権を行使するのが面倒な訳では、決して無いのですぞ(笑)。 |
No.15597 - 2003/11/23(Sun) 17:59 [p4201-ipbffx01chibmi.tokyo.ocn.ne.jp]
| 初めまして、先日読み終わりました。 「トンデモ本の世界」「トンデモ本の逆襲」「トンデモ超現象99の真相」「トンデモ本の世界R」「と学会年鑑BLUE」を読んでいたので非常に楽しく読むことが出来ました。読んでいるといつのまにか本の世界に引き込まれて現実のことと錯覚してしまいそうになりました。 欲を言えば、ヒロインの優歌のラブストリーがもっとあったら良かったような気もします。 「ふにふにコンタクト」私も是非ともやってみたいです。 |
No.15618 - 2003/11/24(Mon) 21:37 [pm4-s15.dreams.ne.jp]
| 小笠原功雄さん、こんにちは。
確かに『神の伝記』は読みやすいとは言えない本ですね。正直言って、僕も途中でかなりめげました。 でも聖書研究本って面白いです。参考資料にも挙げた『誰も教えてくれない聖書の読み方』『旧約聖書を推理する』『非公認版聖書』などにしても、知らなかったことだらけで、目からウロコが落ちまくりでした。世界最大のベストセラーのはずなのに、「実はここは誤訳」とか「そんなことは原文に書いてない」という例がたくさんあるんですね。 聖書研究者の方などには常識なのでしょうが、僕は素人ですから、驚くことばかりです。
フクチャンさん、こんにちは。
>欲を言えば、ヒロインの優歌のラブストリーがもっとあったら良かったような気もします。
いや、それをやっちゃうと大変で(^^;)。 この小説、普通の小説形式で書こうとしたら、この何倍もの分量が必要になってしまいます。書き終わるのに何年かかるか分かったもんじゃありません。僕自身、読者として、やたらに長い小説って嫌いですから。 そこで最初に、「あえて小説らしさにこだわらない」「不要なプロットやキャラクターは徹底的に削ぎ落とす」というコンセプトを立てて書きはじめました。確かに小説らしくあろうとするならラブストーリーも必要でしょうけど、そんなの入れてる余裕がない。 ですから、データ部分の分量に比べてストーリー部分が少ない、という批判に対しては「まったくその通り」と言うしかありません。それは結果的にそうなったんじゃなく、最初からの構想通りなんですから。 |
No.15676 - 2003/11/27(Thu) 16:32 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| 今日、とある本屋で「神は沈黙せず」 が数学や科学の本の棚に置いてありました。 なんか、いろいろと間違っている気が・・・・(笑)
発売日に買って、とっくに読み終わっているのですが どうもいろいろと感想の書き難い本でして・・・ 一気に読みきれたので面白かったのは確かなのですが 何か後半になると妙な違和感を感じてしまいまして、 それの正体がまだよくわからないんですよね・・ キャラクターの行動に、今ひとつ納得が行ってないのかなあ・・・ それとも作品中の世界情勢への違和感なのか・・・
まだよくわからないです(笑) |
No.15687 - 2003/11/27(Thu) 20:40 [h219-110-074-001.catv01.itscom.jp]
| 山本弘様 レスありがとうございました。 納得できました、他の著書も読んでいきたいと思います。 |
No.15699 - 2003/11/28(Fri) 19:23 [pm4-s28.dreams.ne.jp]
前のスレッドが長くなってきたんで新スレ立てておきます。
galleryさん、お返事が遅くなって申し訳ありません。
> 超常現象研究家の大和田省二なる人物が、作中でかなり良い味を出し、良い仕事をしていたのですが、モデルとかあるのでしょうか?
外見のイメージ的には、柴野拓美(小隅黎)さんがヒントになってます(あの方も高校の数学教師でした)。あと、亡くなられた高梨純一さんのイメージも混じってますね。まあ、あくまでキャラクターを創造する際の最初のとっかかりであって、「モデル」というわけじゃないんですが。 |
No.16048 - 2004/01/05(Mon) 14:06 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| 年末に読了、ページ数の割には異様にスラスラと読め、大変楽しませてもらいました。
ゲーマーとしては作中のゲームが遊びたくてしかたありませんね、『ガーデンシリーズ』のほうはいずれピーター・モリニューかウィル・ライトあたりが作ってくれそうな気もしますが、『ふにふにコンタクト』は…… コナミに期待でしょうか?w |
No.16049 - 2004/01/05(Mon) 14:35 [EATcf-74p48.ppp15.odn.ne.jp]
| 山本先生。レスどうもありがとうございました。 そうですね。大和田氏は「ヒューマンなトンデモさん」と言うより、「真面目で真摯な態度の超常現象研究家」ですから。どうも浅はかでしたね。あ、でも『黙示録の秘密』の紹介は、(いつになるか分からないけど)楽しみにしておりますので。
PS. 妹にも読ませました。どうも『神沈』とは違って、妙に人の影響を受けやすい妹なので……手相やら占いやら凝っているし。あ、そう言えばUFOも見たって言ってたな。現場には、私も母も一緒にいたのだが……知らんぞ。もしかして、これがアブダクションってやつか?(笑) |
No.16091 - 2004/01/07(Wed) 01:51 [pc315.chukai.ne.jp]
| galleryさん、こんにちは。 前のコメントを書いた後に思い出しました。『戦慄のミレニアム』に出てきたバレンタイン牧師と摩耶の会話。あっちの方がむしろ『黙示録の秘密』の影響が大きいですね。 |
No.16116 - 2004/01/08(Thu) 09:15 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| はじめまして山本先生。はじめて書きこみさせていただきます(テレビみないのでなかなか書きこむスレッドがないんです)。『神は沈黙せず』存分に楽しませていただきました。普段あまりSFを読まないのでよく分からないのですが(『フェブラリー』と『妖魔夜行』買ってきました。これから読みます)SFというのはこれほどまでに精度が求められるジャンルなのだな、と思うとSFというジャンル、先生のその能力、労力にただただ感心するしかありませんでした。
しかしSFは衰退していると聞きます(実際のところはよく分かりません)。これはやはり時代とともに書き手に負担がかかる(必要な知識が増える)からなのでしょうか?うーん・・だとするとかなしいジャンルですよね(笑)
ただ『神沈』を読んで興奮しまくった僕としてはできればこのクラスのSFをもっともっと読んでみたいと思いました。それともただ単に僕が山本弘の猛烈なファンになってしまったのか・・
最後にしょうもない質問なんですが表紙の空を突き破っている指は山本先生の指ですよね?素晴らしい装丁だと思います(いや山本先生の指じゃなくても)。 |
No.16195 - 2004/01/11(Sun) 16:59 [ntokym008115.okym.nt.isdn.ppp.infoweb.ne.jp]
| 山本先生はじめまして。 昨年末に『神は沈黙せず』を読ませて頂きました。
ここまでとんでもなく大きなスケールと複雑に絡んだ ギミックのオモシロさにドキドキしながら読みふけり、 もう次から次へと話がふくらんでいくので、 これは収拾つくのか?と心配もしましたが、 ぐいぐい引き込まれ、話の波にドップリ浸かっていくと 最後には心が洗われる程うつくしく結末がまとまり もう一気にそれまでの物語が頭の中をめぐり深い感動と 充足感を得ることができました。
特に、加○○の意図するところがラストへ繋がると思いきや 更にそこからめくり上げるどんでん返しが強烈でした。 もう本当に大満足です。大変な一冊です。 山本先生、素晴らしい物語をありがとうございました。
物語を振り返り思った事ですが、どうしても山本先生の 思うところを聞かせて頂きたいと思い質問させて頂きます。 色々ありますが特にこの2つを聞かせて頂きたいと思います。
まずひとつが、 良輔が結末近くで言う中○○の部屋に投げ込まれるメッセージについてです。 一体○はなぜメッセージを入れるのでしょう? そしてグローバ○○○○○から出ていくものは○になにをもたらすのでしょうか? それは人間の理解を超えたところにあるのかもしれませんが、 でもやっぱり知りたいです。 良輔とちがい、ここには物語を作った山本先生という神が いるのですから、私は神の声を聞いてみたいです~~!!!
そしてもうひとつは、 大和田じいちゃんとその妻が残した○○○○ーの内容です。 二人がお互いに残したソレを、どうしても知りたいです。 私はてっきり物語中で明かされると思っていました。 でも、いいところまでいったのに…あと少しだったのに… 秘密のままで終わり、それはそれで彼にまつわるエピソード らしくてとても充分に納得ができるのですが、それでも やっぱり読むことができるのであれば読んでみたかったです~~!!
最後に、このホームページは先生の名前で検索をしたら みつかり、大興奮で拝見させて頂いたのですが、あの 「巨大な○漬け」はこれがネタだったのかー!と笑い泣き致しました。 |
No.16221 - 2004/01/12(Mon) 03:45 [p2209-ipad03funabasi.chiba.ocn.ne.jp]
| >>前のコメントを書いた後に思い出しました。『戦慄のミレニアム』に出てきたバレンタイン牧師と摩耶の会話。あっちの方がむしろ『黙示録の秘密』の影響が大きいですね。
楽しみです。早速読んでみます……ってゆーか、『神沈』が山本先生の作品のファーストコンタクトだったりするので……あとは、と学会関連やエッセイしか読んでおりませんでした。作品も読まずに、よくもまあ、作者の掲示板に顔を出せたものだ……(汗) |
No.16239 - 2004/01/13(Tue) 00:14 [pc3077.chukai.ne.jp]
| キサラギさん、こんにちは。
>最後にしょうもない質問なんですが表紙の空を突き破っている指は山本先生の指ですよね?素晴らしい装丁だと思います(いや山本先生の指じゃなくても)。
いや、デザイナーの方におまかせしたんで、誰の指なのかは分かりません。 僕もいい装丁だと思っています。
fujiyamaさん、こんにちは。
第一の質問の答えは、 「それは人間には理解できないものである」 もし僕がここでそれを書くことができたなら、それは人間に理解できるってことですから、神のメッセージではありません。
第二の質問の答えは、 「分からない」 どのみち、隠された言葉自体にたいした意味はありません。それが解読されるかどうかに意味があるんです。 逆説的ですが、「メッセージが届かなかった」ということ自体が、重要なメッセージと言えるわけです。 |
No.16251 - 2004/01/13(Tue) 14:32 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| 山本先生、貴重なご返答をありがとうございました。
神のメッセージについては理解できないものと作中でも充分に 語られていたのに、先生にきけばもしや、と思いつい興奮して 質問をしてしまいました。申し訳ございません。 サールの悪魔と悟った良輔の落胆を身に染みて実感致しました。
大和田夫妻の文章については心暖まる展開を期待しちゃったり していました。 私だったらたとえば「いままで一緒にいてくれてありがとう」、や 「愛している」なんて感じだともうタマランかったですね!(笑) でもこれじゃ野暮、というより臭すぎですね(汗)。 メッセージが届かなかったという答えが『神は沈黙せず』の中の 現実であり、必然であり、サールの悪魔の儚さを感じます。
今一度ストーリーを噛締め再読したいと思います。 更に深くたのしめそうです。 ありがとうございました。 |
No.16391 - 2004/01/19(Mon) 01:25 [p4215-ipad02funabasi.chiba.ocn.ne.jp]
| 「いけね。またやっちゃった。」 神
http://www.astroarts.co.jp/news/2004/01/23filament/index-j.shtml |
No.16541 - 2004/01/26(Mon) 16:11 [p6e442a.ngnont01.ap.so-net.ne.jp]
| なにを今更、という感がありますが『神は沈黙せず』に関して書き込ませていただきます。本当は2ヶ月も前に読み終わってたんですが、なんせ興奮冷め切らぬうちに書くと変なことばっか書きそうだったもんでして(笑)。 最初に総合的な感想ですが、もう文句なしに楽しませていただきました。これで1945円は安いです!(それでも「2000円」という金はだいぶ貴重ですけど) 何回も読みなおすほどの面白さです。(このサイトにあったことを閲覧しては読んで、読んではサイトを閲覧して……を繰り返してます) 優歌の年齢を計算してみると1986年生まれになるのですが――実は学年でいえば私と同じなものですから、感情移入しやすかったです(ちなみに弟は加古沢とタメです)。 私も将来は作家を目指す身で、こういう神をテーマにした“ファンタジー”を書こうと思ってたのですが……うーん、先にこんな話書かれちゃ結構苦しいです。ちなみに私の場合、「神を倒してみる」というカタチで書くつもりです。もちろん、パクリをするつもりは毛頭ございません。参考にさせてはいただきますけど……。(でも「パクリ」と「オマージュ」の境界線ってどこまででしょうね?) もし将来書店でそんな作品を手にとってみて、「あ、『アレ』だな。なんだよ、ちっとも『神沈』に似てないじゃん」なーんて思われればかえって幸いです(笑)。 ↑ (つまり「全然別の作品」になったってことですよね?) それでは質問をいくつか。 ・『トワイライトTV』読んで気づいたのですが、「阿久津悠子」という名前は阿久悠氏(こんな人初めて知りましたが)から取ったんでしょうか? ・「加古沢黎」というのは本名でしょうか? こいつの性格からすると、「ペンネームなんて考えてるヒマがあれば、少しでも小説を書くさ」なんて言いそうですね。あれ、でもそうなると加古沢父ちゃんも「加古沢」というスゴイ苗字になっちゃうなあ……。 ・「猫がいないのに、にやにや笑いだけが存在する」というのには何か意味は? ・読んでて思ったんですが、馬鹿な登場人物を創るのって大変だったんじゃないでしょうか?
続いて、細かい感想に移ります。 いいですねえ『ふにふにコンタクト』。まあ私だと「けしからぬユーザー」の一人になりかねませんが(笑)。でも自分の兄がそんな美少女ゲーム作ってるっていうのはどんな気分なんでしょうね。もしも私の小説の中にそんな美少女が出てくるとなったら、弟嫌がりそうだな。「兄ちゃんのせいで俺もう表歩けねーよ!」なんて(笑)。 それでですね、この作品読んでみて、実は自分の身の回りにいる人間も結構、「神のシミュレーション」に似てるんじゃないか、と思ったんです(ここが今回最も重要な部分です)。 最初に個人的なことで恐縮ですが、これまでの人生で私は一度も女性にもてたことがありません。それをこの作品のテーマと絡めてみると、あーら不思議すんなり解決できちゃったわけです(笑)。「恋愛」というのを――敢えて生物学的に――考えると、ぶっちゃけ「こいつと生殖したい」ということになるわけです。 次に「相手を選ぶ」ということは、「優秀な遺伝子を残したい」ということです。 私の言わんとしていることが御理解いただけたと思います。そうです、女子にとって私は「遺伝子を遺す」に値しない――「セーブする価値」がない人間になるんでしょう(苦笑)。 その時悟ったんです。「ああ、俺もアーフの一つに過ぎないんだ」って。そうなると、やっぱり人間もある意味では神に近いんじゃないでしょうか。 それでも“人間”というのは、こんな理屈で割り切れないから尊いのかもしれません。私はこの作品を読んで、少しは他人を大切にできるようになったかもしれません。
あ、そうだ。次回作は『仮想天球』でどうです?(笑) |
No.17124 - 2004/02/21(Sat) 18:44 [ZC101005.ppp.dion.ne.jp]
| 丁卯さん、こんにちは。
>・『トワイライトTV』読んで気づいたのですが、「阿久津悠子」という名前は阿久悠氏(こんな人初めて知りましたが)から取ったんでしょうか?
あっ、言われてみて気がついた(笑)。いや、そんな意図はぜんぜんないです。 UFO研究家に「阿久津淳」という人がいて、その名前がちょっと記憶に引っかかっていたので使わせてもらったまでです。
・「加古沢黎」というのは本名でしょうか?
いちおう本名です。ペンネームということにしてしまうと、作中での本名との使い分けが面倒になりますので。 優歌にペンネームをつけさせたのも、どうしてもストーリー上の必然性があったからです。そうした理由がない限り、読者を混乱させるような設定は持ちこむべきではないと思っています。
>・「猫がいないのに、にやにや笑いだけが存在する」というのには何か意味は?
単に『不思議の国のアリス』のチェシャ猫にひっかけただけで、深い意図はありません。
>・読んでて思ったんですが、馬鹿な登場人物を創るのって大変だったんじゃないでしょうか?
いや、あれはほとんど実話ですから(笑)。 〈昴の子ら〉は実在のUFOカルトのエピソードを参考にしてますし(ただし、特定の団体を連想させないよう、5つぐらいの団体のイメージをごちゃ混ぜにしてあります)、「神の顔」をめぐる珍説の数々も、実際にあるトンデモ説をアレンジしたり、ヒントにして創作したものがほとんどです。「2012年12月23日にフードプロセッサーが人間に襲いかかってくる」という説も本当にありますし、「破滅が来なかったのはカメラのストロボのせいだ」と主張した教祖も実在します。 あのへんのくだりを書くのは、別に大変じゃなかったですね。むしろ楽しかったです。
「馬鹿な登場人物」と言うなら、そもそも人類は(もちろん僕自身も含めて)みんなバカだと思います。 トンデモ本をたくさん読んで僕が思い知ったのは、「人間は知的生命体としては不完全だ」ということです。まともな知性体だったら、正しく思考できるはずで、こんなことは決して考えないだろうと。 だから、人間として最高レベルの知性を持っているはずの加古沢でさえ、自分の考えついたトンデモ説にハマってしまう「セーブもされないボンクラの一人」だと優歌に言わせなきゃいけなかったわけです。それがこの小説のテーマですから。
> 私の言わんとしていることが御理解いただけたと思います。そうです、女子にとって私は「遺伝子を遺す」に値しない――「セーブする価値」がない人間になるんでしょう(苦笑)。
遺伝子を残さなくても、ミームを残せばいいんじゃないでしょうか? 竹内久美子流の、なんでもかんでも利己的遺伝子で説明するやり方は、ギャグとしてはともかく、真剣に受け取るべきじゃありません。人類の大半は、すでに自然界の進化の法則から解放されているんですから、そろそろ遺伝子を優先する考え方(子孫を残したいとか、自分のクローンを創りたいという欲望)から脱却してもいいんじゃないでしょうか。 人間にとって大切なのは遺伝子よりもミームだと、僕は思います。子供を作るだけなら野獣や昆虫にでもできるんですから、遺伝子を残せるどうかを、人間としての尺度や生きる目的であるかのように考えるのは変だと思うのです。 血縁関係のない紗奈を、良輔と葉月が自分たちの娘として育てるのも、小説の最後で優歌が紗奈を「正しく導く」と決意するのも、遺伝子よりもミームが重要であるという、僕の思想を表現したものなんです。 > あ、そうだ。次回作は『仮想天球』でどうです?(笑)
書きません。 なぜなら、そこが僕と加古沢の決定的な違いだからです。加古沢は読者の受けを取るためなら、自分の信じていない話を平気で書く奴です。僕にはそれはできません。 だから加古沢は『仮想天球』を書き、僕は『神は沈黙せず』を書いたわけです。 |
No.17181 - 2004/02/23(Mon) 15:02 [zaq3dc0692b.zaq.ne.jp]
| イノセンスを見てきました。今回は聖書からの引用は少なめでしたが、おもわず文語訳聖書を買っちゃいました。¥4800+税と、それなりのお値段。まぁ以前から欲しいとは思っていたんでいいんですが。 で、ここからが本題。 『神は沈黙せず』の読後ずっと気になっていた、例のヨブ記のあの部分。チェックしてみました。さいわい家族がクリスチャンなので、文語訳以外はそろっていて比べられます。 以下にならべてみると……
文語訳「われ汝の事を耳にて聞きゐたりしが 今は目をもて汝を見たてまつる ここをもて我みづから恨み 塵灰の中にて悔ゆ」
口語訳「わたしはあなたの事を耳で聞いていましたが、今はわたしの目であなたを拝見いたします。それでわたしはみずから恨み、ちり灰の中で悔います」
新改訳「私はあなたのうわさを耳で聞いていました。しかし、今、この目であなたを見ました。それで私は自分をさげすみ、ちりと灰の中で悔い改めます」
新共同訳「あなたのことを、耳にしてはおりました。しかし今、この目であなたを仰ぎ見ます。それゆえ、わたしは塵と灰の上に伏し自分を退け、悔い改めます」
(ちなみに並べた順が訳された順) 新改訳と新共同訳が小説で引用もされた誤訳ですね。ところが文語訳およびそれを単純に口語にしただけの口語訳は、必ずしも誤訳とは言い切れないようにも思えます。
「ここをもて我みづから恨み 塵灰の中にて悔ゆ」 ですから、すくなくとも「悔い改め」てはいない。あくまで悔いて悔やんで後悔してるだけ。ですから塵灰=死すべき肉体であることをふまえますと、 「てめーを信じた俺がバカだった。死すべき肉体の中で(俺は)激しくがっかりしてんよ」 と、イノセンス見たあとだけにGHOST IN THE SHELLな感じで、原意に近い形で読み取ることも可能かと。 みなさまどう思われますか? |
No.17604 - 2004/03/11(Thu) 23:02 [fjm0855.fjmcr1.thn.ne.jp]
| 勝手に話題を変えまして・・・一人の文系(?)オカルトおたくの感想を。
(私はUFO等の理系(?)オカルトには疎い人間ですが)私が、この作品を読んでみまして、真っ先に頭に思いついたのは、ジョン・A・キールの「超地球人説」です。
多くの方がご存知とは思いますが、念のために簡単に書きますと…… UFOやUMA、心霊、妖怪等の一見それぞれ関係が無いように見える超常現象に、実は「関連性」があること。例えばUFO目撃者の家にポルターガイストが起こったり、MIBがモスマンの目撃者や、ケネディ暗殺を調べている陰謀研究家の前に現れたりする等。 また、こうした超常現象が、その土地や時代時代の文化に合わせた外観で現れること。そして、信憑性が高いとされる事件ほど「奇妙度」が高く、そこに「悪ふざけ」的な意志のようなものを感じること・・・ そこから、UFO研究家のキール先生は、UFOは外宇宙から来たのではなく、地球産のものである。そして、おそらくなんらかの超地球的意識が人類に対して大規模なペテン工作を行なってるんじゃないか? と。そんな説だったと思います(うろ覚え)。 ……普通でしたら、「それこそ超常現象が、人間の空想や誤認の産物な証拠だ」となるのかも知れませんが、キール先生は超常現象はある、という立場に立っているわけですから、こういう説を唱えたんでしょう。
確か、志水一夫先生は、このキールの「超地球人説」を批判したとき、「神」の例えを出していたと思います。 つまり、分らないことを、全て「それは神様がなさったことよ」の一言で誤魔化してるのと同じではないのか? 超常現象という謎を、「それは超地球人がやったことだ」の一言で誤魔化しているのではないか? と。
もしかしたら、ここから着想のようなものを得られたのでは? と勝手に空想しております。
それでは、失礼致しました。 |
No.18719 - 2004/04/23(Fri) 21:17 [YahooBB219007026140.bbtec.net] |