山本弘トンデモ資料展
「神は沈黙せず」感想&批評集(3)


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『神は沈黙せず』について

  『神は沈黙せず』について White NOVA 2003/11/11 11:20:25 
  ワールドシミュレーター物について White NOVA 2003/11/11 11:34:04 
  読んで頂かないと話が進まないのですが。 北長六功 2003/11/11 12:44:25 
  読みたいときに、読みたい物を読みます>北... White NOVA 2003/11/12 02:47:32 
  WhiteNOVA様 tomo 2003/11/13 19:25:08 
  いつ読もうと、そりゃご自由です。 北長六功 2003/11/13 21:42:23 
  小説でワールドシミュレータ物はほとんど知... 十一郎 2003/11/14 00:26:55 
  実験作の趣が強い感じ White NOVA 2003/11/14 12:53:21 
  ウルトラ&リング White NOVA 2003/11/14 13:09:18 
  ワールドシミュレーター物というよりは Seagul-X 2003/11/14 23:23:57 
  ああそうだ、映画だけど『マトリックス』が... 十一郎 2003/11/15 04:34:54 
  漫画なら結構ある。 ニル・プフェルト 2003/11/17 12:43:18 
  だから、『自分の個人データをセーブする=... ヨコヤマ 2003/11/17 13:15:22 
  >ニル・プフェルトさん 十一郎 2003/11/18 00:20:19 
  お久しぶりです。 山本弘 2003/11/18 16:30:13 
  あざといって? 山本弘 2003/11/18 16:54:03 
  どうもです>山本さん White NOVA 2003/11/19 02:09:57 
  読了の余韻に浸りつつ…… 流星 2003/11/19 23:59:14 
  お久しぶりで横レス失礼 いたる 2003/11/20 07:18:01 
  なんか誤解されてるみたいですが Seagul-X 2003/11/20 21:24:34 
  Seagul-Xさん いたる 2003/11/20 22:30:15 
  >いたるさん 十一郎 2003/11/20 23:58:03 
  書き忘れていました。 十一郎 2003/11/21 05:51:10 
  横レスの横レス(苦笑) ニル・プフェルト 2003/11/22 01:43:50 
  個人的に、原作者としての柳田氏はたいてい... 十一郎 2003/11/23 07:17:43 
  十一郎さん いたる 2003/11/23 09:19:42 
  >いたるさん 十一郎 2003/11/24 07:16:38 
  前にも言ったことなんだけど 山本弘 2003/11/25 11:08:54 
  読了しました。 White NOVA 2003/11/26 01:24:46 
  特撮ファンとして White NOVA 2003/11/26 01:41:42 

  『神は沈黙せず』について White NOVA 2003/11/11 11:20:25  ツリーへ

『神は沈黙せず』について
White NOVA 2003/11/11 11:20:25
山本弘氏の『神は沈黙せず』。
実は、NOVAはいまだ読んでません。買うには買ったけど、先に『ザンス』の新刊とか、アシモフの『はだかの太陽』(『鋼鉄都市』の続編)とか、他に読む本があって、ハードカバー本はきついなあ、ってのが実感。

 こう書くと、批判的に聞こえるかもしれないけど、山本氏のHPの宣伝文句自体、NOVAの好みには合わないんですね。

●1.神をテーマにした小説
 NOVAは現実に宗教関連のバックボーンを持ってるんで、宗教を扱った小説には、少し距離を置きがちです。それがリアルに書かれれば書かれるほど、生々しく感じてしまい、娯楽作品としては読めなくなりがち。まあ、多神教の神話とか、歴史ものなら抵抗ないんだけどね。
 ちなみに、NOVAは神の存在は信じないけど、仏は信じる人。まあ、宗教にこだわりがなければ、いちいち神と仏の違いを論じたりはしないだろうけど。

●2.超常現象を扱った小説……などなど
 NOVAは、超常現象をあまり信じていない。ただ、娯楽作品のネタ(ギミック)として、おもしろいと思っているぐらい。
 で、娯楽作品の主人公だと、そういう超常現象的な特殊能力を駆使するとか、逆に科学的な知識で超常現象の謎を解くとか、何らかの特殊技能を備えていることを望みます。
 でも、どうも、そういう楽しみ方は、この本では得られそうにない。

 困ったことに、『神は沈黙せず』って、「NOVAの読みたい本」と、どうもジャンルが違うんですね。内容の良し悪し……より、好き嫌いの分野で、肌に合わない。
 以上が、読む前の気持ち。読んでから、また思ったことなど、ここに書き込むつもり。

  ワールドシミュレーター物について White NOVA 2003/11/11 11:34:04  ツリーへ

Re: 『神は沈黙せず』について
White NOVA 2003/11/11 11:34:04
ワールドシミュレーター物について

 一応、さらっと飛ばし読みしたところ(買う前にそれぐらいはする)、『神は沈黙せず』って「ワールドシミュレーター物(この世界は誰かが作った仮想世界である)」に分類できるんですね。
 自分はテーブルトークRPG経験者だから、「ゲームマスターが物語世界創造の神」って考えにはなじみがあります。ただ、こういう「世界を創造した神」的な部分が前面に出る作品は、寡聞にして読んだことがあまりないな、と。

 今まで読んだのだと、有名な『リング』『らせん』に続く3作目『ループ』がそうかな。
 ただ、自分、小説は割とキャラとか世界に感情移入して読んじゃう方なので、『リング』や『らせん』の雰囲気に没入したところを、『ループ』で「実は、あの世界は……」というオチをつけられて、萎えちゃった記憶があります。ホラーシーンを見てドキドキしていたら、実はそれは劇中映画のワンシーンに過ぎないと分かったようなものか。

 で、「ワールドシミュレーター物」ってジャンルに、あまり良い印象がないNOVAですが、『神は沈黙せず』以外に、そういうジャンルで面白い小説を知っていれば、教えてほしいなあと思います。

  読んで頂かないと話が進まないのですが。 北長六功 2003/11/11 12:44:25  ツリーへ

Re: ワールドシミュレーター物について
北長六功 2003/11/11 12:44:25
 読んで頂かないと話が進まないのですが。
 White NOVA様
>今まで読んだのだと、有名な『リング』『らせん』に続く3作目『ループ』がそうかな。
 それ、見事に山本様の戦略にはまってます。詳しくはネタバレになるので書けませんが、「ループ」とは違うって説明がわざとらしくも、さりげなく挿入されてます。
 とにかく「神は沈黙せず」は情報量が半端じゃないです。若干の疑問点はあるものの、「やられた!」ってネタがいくつもあります。
 あ、ちょっと違うジャンルかもしれませんが、藤子F不二雄さんの短編で、ひょんなことから神になって世界を想像する男の話が、私は好きでした。「信じてもらえない神は無力」って設定が秀逸でした。
 
 

  読みたいときに、読みたい物を読みます>北... White NOVA 2003/11/12 02:47:32  ツリーへ

Re: 読んで頂かないと話が進まないのですが。
White NOVA 2003/11/12 02:47:32
読みたいときに、読みたい物を読みます >北長さん

 たとえ、名作だろうと、山本先生の作品だろうと(爆)。
 最初に書いたように、この作品って、テーマ的にも、自分にはつらいんですよ。で、義務感だけでは読みたくないんで、読みたい気持ちが頂点に達したときに、一気に読むつもり。
 まだ、ベルトのゲージが中途半端な状態なので、超力招来できない状態ってことで(笑)。

 つまらない部分で、つまらない感想なんだけど、
 「自分はウルトラマンじゃないんだから、あなたを助けられない」といった趣旨の友人のセリフに、ちょっと引いたりも(苦笑)。
 こんな場面で「ウルトラマン」の名が出ても、あざとすぎて、不自然な感じで、ニヤリともできないぞ、って。
 ……あかん、何だか、批判癖が付いているようだ(爆)。こういうのは、ただの揚げ足取りって言います(^^;)。

 もう少し、素直な心境で読める時期を待った方が吉かと。

  WhiteNOVA様 tomo 2003/11/13 19:25:08  ツリーへ

Re: ワールドシミュレーター物について
tomo 2003/11/13 19:25:08
White NOVA様
> で、「ワールドシミュレーター物」ってジャンルに、あまり良い印象
> がないNOVAですが、『神は沈黙せず』以外に、そういうジャンル
> で面白い小説を知っていれば、教えてほしいなあと思います。


紹介するほうも、ネタばれ?になりかねないのでなかなか紹介しずらいかもしれませんね。

私は「トゥルーマン・ショー」のようなものではなく、最初から
「ワールドシミュレーター物」ものと定義?されている小説
は私も知りません。
#一冊、思いつくものもありますが、それを進めるのは私のプライドが許さないので(苦笑)

> 今まで読んだのだと、有名な『リング』『らせん』に続く3作目『ループ』がそうかな。
と、いうことなので機会があったら読んでみます。

  いつ読もうと、そりゃご自由です。 北長六功 2003/11/13 21:42:23  ツリーへ

Re: 読みたいときに、読みたい物を読みます>北...
北長六功 2003/11/13 21:42:23
 いつ読もうと、そりゃご自由です。
  White NOVA様
 「神は沈黙せず」がお好きでないジャンルなのは分かりました。山本氏の宣伝文に関する感想も理解しました。
 あの宣伝文が作品の魅力を充分に伝えているとは云えないのですが、White NOVA様の作品の捉え方は違っていると思います。
 まあ、未読なのですから違うのが当然なのですが、感銘を受けた者としては、神経質と承知しつつも、訂正したくなります。
 前回、私が云いたかったのは、「ループ」より「神は沈黙せず」の方が優れていると思うということです。単純に引き合いに出さないで欲しいのですが、White NOVA様は未読なのでその理由を細かく説明するとネタバレになってしまうし。
 で、読んで欲しかったのですが、無理を申したようで申し訳ありませんでした。

  小説でワールドシミュレータ物はほとんど知... 十一郎 2003/11/14 00:26:55  ツリーへ

Re: いつ読もうと、そりゃご自由です。
十一郎 2003/11/14 00:26:55
小説でワールドシミュレータ物はほとんど知りません(というかここでは小説を読んでいない方)
知っているのは奥泉光の『プラトン学園』くらいかなあ・・・? ジャンルわけしにくくて疑問符つきですが。

必ずしもお薦めではありませんが、荒巻義雄の『要塞』シリーズもワールドシミュレータ物ですね。架空戦記の「架空」部分にシミュレータという設定を持ち込んだ作品です。
作中の人物は自分達がシミュレートされた存在だという事をあらかじめ知っていたり、それを受け入れていたり、けっこう妙な作品です。
最近の作品と違って、一応娯楽作品として完成されているのでどうぞ。
『琵琶湖要塞』漫画版の普及版がコンビニで売られていたので、今でも簡単に見つかるかも。

>White NOVAさん
>「自分はウルトラマンじゃないんだから、あなたを助けられない」

いや、これは現在くらいの話だから、むしろ現実的な描写でしょう。
知名度の点から、こっちの方が高いかと。

『ループ』は・・・まとまりに関してはしかたないでしょう。
『らせん』自体が『リング』の余韻をぶちこわしかねない内容だったし、『ループ』もまた同じく。
三部作を書き進む中でジャンル自体が変わっていますからね。
もともとが行き当たりばったりにオチを探していった物語だし、と。

『神は沈黙せず』は最初からワールドシミュレータ物として作られてますから(ネタ自体、かなり初期に明かされる)、人物への感情移入を阻害されるとかはないです。
むしろワールドシミュレータであるらしいと分かってからが焦点でして。大和田氏の○○なんて、分かっているからこそ、かなり“来た”。

超常現象の解明はかなり破天荒です。完全にSFなんですが、たぶん「科学的」ではない。おそらくは納得できない。これは読んで判断するしかないです(乏しい読書暦ですが、類似するネタが思いつかない)

>北長六功さん
>藤子F不二雄さんの短編で、ひょんなことから神になって世界を想像する男の話

たしか中年のさえない男が神様になって、という話ですね。
他にもさえない学生が神様になるとか、普通の中年が奇跡を与えられるとか、さえない男がUFOの・・・ってさえない奴ばっかかよ!

閑話休題。
藤子F氏の短編漫画でもワールドシミュレーター物がいくつかありますが、多くがオチと直結しているため語りにくい。

物語初期からワールドシミュレータというのが分かっているのは『大長編ドラえもん のび太の創世日記』等の、主人公側がシミュレートする話ですか。
『創世日記』自体は、映画はカタルシスが薄い迷作ですが、原作は意外と良いです。
シミュレータへの直接介入とその結果。現実との揺らぎ等、メタっぽい感じがよく書けています。
(オムニバス話なのと、クライマックス戦がないため、映画では上手く構成できなかったのかな)

  実験作の趣が強い感じ White NOVA 2003/11/14 12:53:21  ツリーへ

Re: いつ読もうと、そりゃご自由です。
White NOVA 2003/11/14 12:53:21
実験作の趣が強い感じ

●tomoさん

>紹介するほうも、ネタばれ?になりかねないのでなかなか紹介しずらいかもしれませんね。

 いやあ、話題を広げるために、話をふっただけですから、その中でいくつか作品が挙がればOKかな、と。

>一冊、思いつくものもありますが、それを進めるのは私のプライドが許さないので(苦笑)

 つまり、失敗作? やはりジャンルとしては、難しいのかな?

●北長六功さん

>White NOVA様の作品の捉え方は違っていると思います。

 ええ、私もそう思います。一応、自分としては、「読む前の感想」を残しておいた上で、「読んだ後の感想」をじっくり書こうかな、と思いました。その途中で、いろいろ意見なども聞いたりしながら、じっくり読み進めるのも楽しいかな、と思ってます。

 だから、自分としては「読んで頂かないと話が進まないのですが」と言うのは、少し心外だったんですね(苦笑)。
 NOVAが読まなくても、他の読んだ人が話を進めて構わないですし、NOVAも「まだ読んでないのに、読んだような知ったかぶりの意見を出す」ことは避けたいから、一応、状況報告した次第と。

>で、読んで欲しかったのですが、無理を申したようで申し訳ありませんでした。

 読みますよ、買ったんだから(笑)。
 ただ、NOVAは仕事の空き時間に文庫本を読んだりすることがありますが、ハードカバー本だと、読むタイミングが難しいんです。

 一応、補足までに。

>あの宣伝文が作品の魅力を充分に伝えているとは云えないのですが

 あの宣伝文を書いたのも、山本さんなんですが(苦笑)。
 何にせよ、NOVAは「ゲーム作家の山本さん」が「トンデモ本の紹介を始めた」ときも、すぐには飛びつかなかった人間です。山本さんが新しい分野を展開しても、少し反応が鈍い面があることは了承くださいませ。じっくり追跡はしたいけどね。

  ウルトラ&リング White NOVA 2003/11/14 13:09:18  ツリーへ

Re: 小説でワールドシミュレータ物はほとんど知...
White NOVA 2003/11/14 13:09:18
ウルトラ&リング

●十一郎さん

>>「自分はウルトラマンじゃないんだから、あなたを助けられない」

>いや、これは現在くらいの話だから、むしろ現実的な描写でしょう。
>知名度の点から、こっちの方が高いかと。

 いやあ、自分の感覚としては、この友人がいわゆる「マニア」なのか「一般人」なのか、で分類されるんですよ。
 で、「一般人」であれば、同じ文脈だと「ウルトラマン」なんて固有名詞を出すのは避け、「正義の味方」「TVのヒーロー」って言葉を使うのでは? って感覚。
 逆に「マニア」なら、「ウルトラマンが、誰でも助けるお気楽ヒーローじゃない」ことぐらい分かっているから、こういう文脈じゃ出てこないだろう、と。
 そういう二分法で考えたときに、このセリフを口にした友人が中途半端で不自然に思えた、と。

 「特撮マニア」じゃない作家の本で、「何も考えずにウルトラマンという固有名詞が出てくる」なら、まだ納得するんですが、
 山本さんの本なんで、「なぜウルトラマン? 何かの伏線?」なんて、深読みしてしまったり(苦笑)。本当に、全体の話の中では、どうでもいい場面だと思うんだけど。

>『ループ』は・・・まとまりに関してはしかたないでしょう。
>『らせん』自体が『リング』の余韻をぶちこわしかねない内容だったし、『ループ』もまた同じく。
>三部作を書き進む中でジャンル自体が変わっていますからね。

 まあ、『らせん』は『リング』の謎解きですが、世界観やキャラの継続があったのでOK。
 一方の『ループ』は、それまでの連続を断ち切られてしまったからね。

 「1stガンダム」「Zガンダム」を見て、宇宙世紀にはまっていた人間が、そこでいきなり「ターンA」を見せられて、「実は宇宙世紀は、黒歴史に含まれるのだ!」と唐突に種明かしされて、うやむやにされた気分。
 先に、「ZZ」や「逆シャア」見せて、物語の流れを一端、終わらせてくれないと……という不満が残ったわけです。

 果たして、この比喩で理解してもらえるだろうか、と気になりつつ(苦笑)。

  ワールドシミュレーター物というよりは Seagul-X 2003/11/14 23:23:57  ツリーへ

Re: ウルトラ&リング
Seagul-X 2003/11/14 23:23:57
ワールドシミュレーター物というよりは

OSを10.2.8にあげたら調子悪くなっちゃって、10.3が出るのを待って入れ直してとかやってたらSEED関係の話は終息しちゃってて、でもまぁいいか未練もたいしてないし、…というのは本題と関係ない話。


私の感想としてはワールドシミュレーター物というくくりに入れちゃうのはしっくりこないんですよね。私だったら比較する作品には「ブレイン・ヴァレー」を持ってきます。神や奇跡を扱っている点で共通しているというのもあるんですけど、それよりいろんなネタのぶち込み方とか、それが終盤へ向けて編みあがっていく様子とか、そういう感じのところがなんとなく似てるんです。
もちろん、それはワールドシミュレーター物という分類とは独立で、排他的なものではないんですけれどね。

ただ、私は「ブレイン・ヴァレー」をワイドスクリーン・バロックと認識しているんですが、それと比べるとちょっと勢いが足りない。もう一段か二段、ネタのアクロバット展開があれば「神は沈黙せず」もそう分類したでしょう。たとえば、このシミュレータを作ったのが実はシミュレートされているはずの人類自身だった、とか。
まぁこれは私の勝手な分類なんで、そう思わないひとも多いでしょうし、ワイドスクリーン・バロックでないからといって、それは作品自身の価値が低いというわけではまったくありませんし。


まだ読んだばかりで、本に詰め込まれていたものが頭の中で充分に消化しきれてないんですが、とりあえずこんな感じでしたということで。

  ああそうだ、映画だけど『マトリックス』が... 十一郎 2003/11/15 04:34:54  ツリーへ

Re: ワールドシミュレーター物というよりは
十一郎 2003/11/15 04:34:54
ああそうだ、映画だけど『マトリックス』があった!
なんで忘れてたんだあ。

>White NOVAさん
書いちゃいますけど、ウルトラマンは伏線じゃないです。
一応はイケメンウルトラマン世代なので、濃ゆいマニアじゃなくても女学生ならウルトラマンが出るんじゃないかな・・・
(むん、なんとなく偏見っぽい・・・)
(仕込まれたお遊びの一つでもあるだろうけど)

>Seagul-Xさん
たしか山本先生自身がいつかに『ブレイン・ヴァレー』におけるオカルト系ネタの浅さを悔しがっていた事があったような。ニュアンスは変わっているかもしれませんが、既読なのはたしかです。
(「僕ならもっと突っ込んで書く」とか・・・そもそもオカルト系への知識量が違い過ぎるって思いましたが)

『ブレイン~』はSFとしても読めるホラーでしたが、『神~』は基本的にSFを軸としてますから、アクロバティックというか勢いで違いが出るのは仕方ないかと思います。
まとまりという点では『神~』に軍配が上がると思うし。

ちなみにというか、便乗で個人的印象を語らせてもらうと自分にとって『神は沈黙せず』は「ファーストコンタクト」物ですね。
『時の果てのフェブラリー』の再構成に近い部分も感じたし、たまたま同時期にファーストコンタクト物を読んでいたし。
何より、どうやって神と意思疎通するのかが延々と書かれた小説です。
もちろん、これも他のと排他的なもんではないです。
(「ワールドシミュレート」と「ファーストコンタクト」を「ワイドスクリーン・バロック」の語り口で融合した小説、なんて書き方もありかな)

  漫画なら結構ある。 ニル・プフェルト 2003/11/17 12:43:18  ツリーへ

Re: 『神は沈黙せず』について
ニル・プフェルト 2003/11/17 12:43:18
漫画なら結構ある。

●『この世界は「誰か」の造った世界』である。

小説はあまり数を読んで無いので分かりかねますが(苦笑)
漫画なら上記の設定は結構ありますね。
まぁ、あまり極端に前面に出て来ませんが、その世界を支える大事なバックボーンとして用いられています。


簡単に幾つか紹介すると
長谷川裕一作
『轟世剣ダイ・ソード』
『クロノアイズグランサー』
『聖忍者伝』なんてのがあります。
作者失念(苦笑)
『遥かなる異境 ガーディアン』


●『自分の個人データをセーブする=不老不死』

この設定を『斬新だ!!』と、もてはやしている方が見受けられますが
俺は…そうかぁ?と思ってしまいます。
なんせ、過去そう言った設定を用いた漫画がありましたから……

例えば
矢野健太郎作
『ネットワーク戦士』
長谷川裕一作
『超獣機神ダンクーガBURN』
『マップス』
なんかがあります。

どれも山本氏が『神は沈黙せず』の構想に着手し始めた1999年以前の作品です。

だから、『自分の個人データをセーブする=不老不死』なんて
アイディアそのものは決して『斬新』なんかでは無い。と俺は思います。

まぁ、俺はまだ、どこにも『神は沈黙せず』が売っていない為
読んでいませんので
その『アイディアの使い方』が斬新だ!と言っているのだとしたら
それが、本当に斬新か否か?を検証する事が出来ないのですが(苦笑)

まぁ個人的に思った事。
長谷川裕一って良く居る、痛いSFファンみたいに
「どうだ!これはすごいSFだろう?」って事みたいな
『SF知識のひけらかし』は決してやらないのに
さり気なく「SFガジェット」を作品にちりばめて『作品を盛り上げる』事が出来て
本当、上手いなぁと思います。

世に数多いる『自称SF作家』の方々は見習って欲しいなぁ……と思います。

『SF』ってSF的知識 科学的知識のひけらかしじゃないでしょう。
そんな『SF』は読みたく無いよなぁ……やはり……

  だから、『自分の個人データをセーブする=... ヨコヤマ 2003/11/17 13:15:22  ツリーへ

Re: 漫画なら結構ある。
ヨコヤマ 2003/11/17 13:15:22
>だから、『自分の個人データをセーブする=不老不死』なんて
> アイディアそのものは決して『斬新』なんかでは無い。と俺は思います。
 そうですね。『鋼鉄ジーグ』とか『エイトマン』(これはちょっと違うか)なんてのが、ありましたからね(石ノ森作品にもあったような)。『攻殻機動隊』も「ネットにアップロードして」という変形版と捉えることもできそうです。
 まあ、「データをセーブする」という言葉が、今風でカッコよく聞こえるだけなんじゃないですか? 

  >ニル・プフェルトさん 十一郎 2003/11/18 00:20:19  ツリーへ

Re: 漫画なら結構ある。
十一郎 2003/11/18 00:20:19
>ニル・プフェルトさん
>●『自分の個人データをセーブする=不老不死』
この設定を『斬新だ!!』と、もてはやしている方が見受けられますが
俺は…そうかぁ?と思ってしまいます。

少しネタバレですが、違います。山本先生自身もそれに触れた小説をすでに書いていますし。そんな新しいもんじゃないでしょう。
(個人データが同じだけで同一人物と言えるのか問題もあります)
ただ、それは斬新ではなくて・・・ネタバレです。
あの展開にそのネタが出てくる流れが面白いのであって、最初から知っていたら楽しめるかどうか・・・。ミステリのネタばらし部分だけを見て語るようなものなんです。
(さらに言うとそれは設定ではなくて・・・ゴニョゴニョ)

  お久しぶりです。 山本弘 2003/11/18 16:30:13  ツリーへ

Re: 『神は沈黙せず』について
山本弘 2003/11/18 16:30:13
 お久しぶりです。
 NOVAさんの好みに合わないとのこと。残念です。というのも、僕は昔から「この世界は現実じゃない」という話が大好きだからです。
 すでにあちこちで指摘されているように、この小説のアイデア自体は斬新でも何でもありません。「斬新だ」と思っている人がいたら、たぶんSFを知らない人です。
 たとえばダニエル・F・ガロイが『模造世界』(創元SF文庫)という長編を1964年に書いています。社会環境シミュレーターを研究していた技術者が、自分の住む世界もコンピュータ・シミュレーションであることに気がついて……という話で、これは1999年に『13F』という題で映画化されています。(映画は原作の雰囲気を伝えていて、けっこう面白かったです)
 コンピュータじゃありませんが、フレッデリック・ポールの「虚構の街」という古典的な短編もあります。主人公が住んでいる街は、CMの効果をシミュレートするために作られた偽物の街だったという話。
 さらに、「この世界は虚構だった」というSFとなると、数えきれないほどあります。ハインラインの「彼ら」、ブラウンの「事件はなかった」、スタージョンの「昨日は月曜日だった」、ローマーの「都市への道」、ガロイの「今宵、空は落ち…」、ディックの『ユービック』『宇宙の眼』、ホワイトの『宝石世界へ』……。
 映画では、先の『13F』の他にも、『ダークシティ』というのがなかなか良かったです。

 で、僕が言いたいのは、SFというのはアイデアじゃない、そのアイデアをどう活かすかだ、ということなんです。
 上記のSF作品はすべて、「この世界は虚構だった」という点で共通してはいても、そのアプローチの方法はまったく違います。アイデアの活かし方に作者のオリジナリティが発揮されるわけです。
 では、『神は沈黙せず』のオリジナリティは何かというと、「世界は虚構だった」というアイデアを「神」や「超常現象」とからませたところで、これはまだ誰もやっていなかったはずです。

 料理で言うなら、アイデアというのは素材です。確かに素材の良し悪しは味に影響しますが、それよりも重要なのは、素材をどう料理するかです。ありきたりの牛肉であっても、別の素材との組み合わせや調理法を工夫することによって、新しい味が引き出せるのです。
 まあ、肉嫌いの人に牛肉を無理に食べろとは言いませんが、「牛肉なんて」という偏見で見るのだけはごかんべんいただきたいです。

  あざといって? 山本弘 2003/11/18 16:54:03  ツリーへ

Re: 読みたいときに、読みたい物を読みます>北...
山本弘 2003/11/18 16:54:03
 あざといって?

>  こんな場面で「ウルトラマン」の名が出ても、あざとすぎて、不自然な感じで、ニヤリともできないぞ、って。

 あざといってどういうことでしょう? 不自然って? 僕はあの台詞に何も深い意味をこめていないし、何も狙っていませんよ。
 ちなみにあのシーンの会話は1999年の秋という設定です。『ウルトラマンガイア』の放映が終わった直後で、平成ライダー・シリーズはまだはじまっていません。あの時期に、中学生がまっさきに、ごく自然に思いつくヒーローの名前って、ウルトラマンでしょう?
 あそこで「仮面ライダー」とか「スパイダーマン」なんて名前が出たら、それこそ「不自然」じゃありませんか。

 もしあれをギャグだと思われたなら、大きな勘違いです。僕は名誉にかけて、そんなベタなギャグは入れません!
 まあ、よほどの特撮マニアでないと気がつかないようなマニアックなネタは3箇所ほどありますが、まだ見破った人はいないようです。(最初のふたつはあまりにも些細なトリビアだし、最後のは見抜かれないようにひねりまくりましたので)

  どうもです>山本さん White NOVA 2003/11/19 02:09:57  ツリーへ

Re: あざといって?
White NOVA 2003/11/19 02:09:57
どうもです >山本さん

>NOVAさんの好みに合わないとのこと。残念です。というのも、僕は昔から「この世界は現実じゃない」という話が大好きだからです。

 いやあ、NOVAの好みに合わないのは、「虚構世界」の方ではなくて、「宗教関連を思わせる部分」と、「主人公が特殊技能を持たない部分」なんですね。
 「虚構世界」の方はOK。ディックは『トータルリコール』の原作(題名忘れた^^;)を始め、いくつか読んでますし、他にも作品を紹介されて、思い当たる節もあります。
 ただ、今回紹介された中で、自分の読んでないものも当然あったので、教えてもらったことに感謝です。

>あざといって? 

 ええと、この表現は、「きちんと読んでない者による、たまたま本屋で流し読みして引っ掛かった、つまらない部分のつまらない感想」なんで、見逃していただきたいんですが(^^;)。
 要するに、先生の作品を貶したいわけではなくて、「NOVAはまだ、こういう揚げ足取りみたいなツッコミしかできないので、時間をちょうだい」との意味。
 気に触ったなら、申し訳ないです。

 一応、不自然というのは、ヲタクでない中学生の子は、「ウルトラマン」なんて固有名詞は出さないだろう? という、自分の感覚に基づきます。
 山本さんは、「ライダー」とか「スパイダーマン」という固有名詞は不自然で、「ウルトラマン」は不自然じゃない、というつもりで書かれたそうですが、自分にとっては「固有名詞が出てくる自体、不自然」で「特撮ファンの読者に向けた」表現に思えた次第。
 言わば、「ゴジラVSビオランテ」のラスト近くで、三田村邦彦演じる主人公に恋人が「バットマンみたいに格好いい」と言うシーンがあって、こけたのと近い感覚を覚えたと。

 何にせよ、一昨日、ようやく『はだかの太陽』が読み終わったんで、『神は沈黙せず』に読み掛かりたいと思います。良い感想が書けることを期待して。

  読了の余韻に浸りつつ…… 流星 2003/11/19 23:59:14  ツリーへ

Re: どうもです>山本さん
流星 2003/11/19 23:59:14
 読了の余韻に浸りつつ……

 お久しぶりです。流星です。私は、たった今読了したところです。なので、ふと思ったことを。
 NOVA様は「ループ」を既にお読みになられているのですよね? でしたら、ネタバレにならない範囲で一言。
「ループを知ってると、ラストはむしろ感慨深くなります」

 ちなみに、私は「リング」「らせん」「ループ」の流れは、好きです。「解決したんじゃなかったの?」という驚きがあったらせん、ホラーをSFに昇華したループ。視点が変わるとこう変わるのか、と言う感じで新鮮に楽しみました。

 ウルトラマンについては……私は高校生ですが、一般人の友人でも、ヒーローの代名詞として「ライダー」「ウルトラマン」は出しますね。これがある程度以上上の世代だったりすると、「ゴレンジャー」だったり。
 そして、そういう話題になると、
「違うよ。今やってるのは、仮面ライダーアギトって言うんだ」
とか、したり顔で言う奴もいたり。その程度の話題で、特にマニアのみという性質のものでもないと思います。

 ただ、女性がどうなのか、までは分からないのですが。セーラームーンとかになるんでしょうか?

  お久しぶりで横レス失礼 いたる 2003/11/20 07:18:01  ツリーへ

Re: 読了の余韻に浸りつつ……
いたる 2003/11/20 07:18:01
お久しぶりで横レス失礼
細かいことでさほどこだわる部分でもないと思いますが、NOVAさんのおっしゃるとおり、言葉の流れとしては「正義の味方」とかになるんじゃないんすかね、確かに。
私のヲタ属性のない「女性の」知り合いから、モノのたとえで特撮ヒーローの名が出ることはかつてなかったな。


件の小説、あちこちで経済・社会上の描写におかしなところがあると指摘されてますね。源泉徴収については山本さんも認めてらっしゃる。
でも、私も以前この掲示板の「ぬるい論争」で下のように言いましたが、
『エンタメ本は娯楽目的じゃないんすかね。楽しむためのもの以上ではない。
私にとってはヤマトのSF設定が科学的にでたらめなのも、読本の言ってることがアニメ設定とずれがありところにより科学的なミスがあるのも、どちらも等価に取るに足らないことです。
時間なりお金なりを使うのに見合う楽しみを私にあたえてくれるかどうか、求めているのはそれだけですから。
科学的に設定的にどれだけ正確でも、面白くなければダメダメと思っちゃうんです。』

これの「科学」に「経済」「法律」をあてはめて考えればいいんじゃないかしらんと思います。
大事なのは小説として面白いか、楽しめるかどうかで、経済的社会的な部分の考察の底が浅すぎるとか、サイレントレボユーションは税法上ありえないし本当にそんな動きがあればまず言いだしっぺが脱税の教唆で逮捕されるんじゃ、とかいろいろと思うところがありますが、やっぱり物語全体からすれば主題からはずれた部分ですしね。
現在社会、もしくはその延長を前提としている小説という点からは、一般人にもすぐわかる瑕疵がるのは誰かも言ったように「致命的」かと思わないでもないですが、SFでエンタメなんだからそういう読み方をすればいいわけです。しょせんつくりものです。現実じゃないんです。
ハードカバーだから、どうしても大人向けという目で見てしまいが、そういう類のもんじゃありませんよね?
アマゾンのレビューでも否定的なものがありましたが、みんなもう少し広い心で楽しめばいいのにな、と思いました。

世はマトリックス以降「世界はシミュレーションだった」ブームにあるともいえ、レボリューションがちょうど公開中です。
この流れに乗って、たくさん小説が売れ、映画化とかになったら面白いですよね。角川だし、可能性はあるかも。

  なんか誤解されてるみたいですが Seagul-X 2003/11/20 21:24:34  ツリーへ

Re: お久しぶりで横レス失礼
Seagul-X 2003/11/20 21:24:34
なんか誤解されてるみたいですが
前からいたるさんの発言読んでて、不思議だったんですけど、「ぬるくない」人が「ぬるい」人とおなじような楽しみ方をしていないって、どうしてわかるんです?

私は「神は沈黙せず」を素直に楽しみましたけれど、そうやって楽しんだうえでさらにここでの突っ込んだ議論も楽しんでます。この本だけに限った話ではなく、観たり読んだりして素直に楽しんで、さらに重箱の隅をつついて楽しめるんなら二重にお得じゃないですか。

私からみたら、いたるさんみたいな人って楽しみ方のヴァリエーションが少ないわけで、もったいないなぁ、かわいそうだなぁ、って思うんですけど、いたるさんにしてみれば余計なお世話ですよね、それって。

  Seagul-Xさん いたる 2003/11/20 22:30:15  ツリーへ

Re: なんか誤解されてるみたいですが
いたる 2003/11/20 22:30:15
Seagul-Xさん

>なんか誤解されてるみたいですが

いえ、誤解も何も少なくともあなたに対するレスではありませんよ。
あなたのレスのどこかに経済論や法律論がでてましたっけ?
自意識過剰もほどほどに。

>「ぬるくない」人が「ぬるい」人とおなじような楽しみ方をしていないって、どうしてわかるんです?

「ぬるい」じゃなくて「ゆるい」でしたね、失礼。
答えは、両者の楽しみ方が違うという議論がかつてここであったからです。
「ゆるい論争」についてはこの掲示板の過去ログ(7、8あたり)を読んでいただければわかるように柳田氏への著作をどう受け止めるかってのが話の発端なわけです。
『柳田氏の著作は「科学的」「設定的」におかしい、腹が立つ、怒ってる』、という人たちがいるのに対して私は『私は「ゆるい」人だからそのへんは深く気にせず楽しめてる』という返事だったわけで。
先のレスで言いたかったのは書いてる通り『神は沈黙せずは「経済現象」「法律運用」等々おかしいところは多々あるけど、そんなことは気にせずよめばいい。しょせんSF、現実じゃないし』っちゅうことです。

で、過去の議論で、「ゆるい人」と「ゆるくない人」は楽しむ視点も違うかもね、同じような楽しみ方をしてないのかもね、ということが私も含め何人かで双方の立場からいろいろと論じられてまして、先の私の発言も、言わばその延長なのですよ。


>観たり読んだりして素直に楽しんで、さらに重箱の隅をつついて楽しめるんなら二重にお得じゃないですか。

もちろんです。どうぞ楽しんでください。
そういう楽しみ方はアリだと私はかつて言ってます。

あえて言わせてもらえば「ここでの突っ込んだ議論も楽しんでます」なんてことはまるっきり論点と関係ないんですよ。
「神は沈黙せず」におけるいろいろなおかしなところが気にならないのなら、それでいいじゃないですか。私は気にして怒ってる人(アマゾン等参照)を見て「別に気にしなくてもいいのに」と考えたわけですから、気にしてない人は最初から範疇外ですよ。
あなたが許せてもこだわっている人がいる、そういう事実も確かにあるのです。

でも、どちらかが正しいというものでもないです。特にサイレントレボリューション関連の穴は、少し税や国家の仕組みを知ってる人からすれば失笑ものではあるので、一部のマジメな読者はバカにするなと怒ってもおかしくないかなとは思いますが、SFで重要な「科学」とは無関係だし気にしなきゃ気にならないレベルでもありますから。

>私からみたら、いたるさんみたいな人って楽しみ方のヴァリエーションが少ないわけで、もったいないなぁ、かわいそうだなぁ、って思うんですけど、いたるさんにしてみれば余計なお世話ですよね、それって。

う~ん、人に同情するのも結構ですが、それより先にあなたは
・話題について過去ログを一通り読んでからレスをする。
・相手の論旨を理解する努力をする。
そういうのを学んだ方がいいですね。
これは老婆心ながら、問いかけが少しズレすぎです。

  >いたるさん 十一郎 2003/11/20 23:58:03  ツリーへ

Re: Seagul-Xさん
十一郎 2003/11/20 23:58:03
>いたるさん
うん、さらに横レスですが。
『神は沈黙せず』の中盤以降は、現在とは少し違う社会ではありますね(いつの間にか新円になってたりAVPがあったり)

そしてサイレントレヴォリューションが起こったきっかけは「仮想天球」そして「神の顔」にあるわけです。SF的な、それこそ現実にはありえない状況になったからこそ起きた“革命”なわけで。
現実にはまず絶対に起こらないだろうけど、作品世界では不思議でないだけの設定とエクスキューズは済まされていると思ってます。

で、本題を少し。
柳田氏が批判されているのはノンフィクションを自称し、他人の作品設定を借りた上でやっているからというのが大きいです(『神は沈黙せず』は最初からSF、つまりフィクションと断っていますね)
個人的な考えですが、『空想科学大戦』のように柳田氏自身が作った設定を使って創作するなら、自分は批判するつもりはありません。

  書き忘れていました。 十一郎 2003/11/21 05:51:10  ツリーへ

Re: >いたるさん
十一郎 2003/11/21 05:51:10
書き忘れていました。
サイレントレヴォリューション自体の説得力が薄い、どれくらい経済が変わっているかのエクスキューズが足りない、という点なら小説として批判するのは充分にアリだと思います。

  横レスの横レス(苦笑) ニル・プフェルト 2003/11/22 01:43:50  ツリーへ

Re: >いたるさん
ニル・プフェルト 2003/11/22 01:43:50
横レスの横レス(苦笑)

十一郎氏
>柳田氏が批判されているのはノンフィクションを自称(中略)>『神は沈黙せず』は最初からSF、つまりフィクションと断って

初めからフィクションと断っていればOK!ならば
『アルマゲドン』や『ガンダムSEED』『仮面ライダー555』の立場はどうなるのかなぁ?

これらの作品は全て『フィクション』と分かりきっている作品なんだが

柳田氏の作品に対するそれと同じ様に『下らない批判』と言うよりも
「客観的に見て監督は馬鹿である。」と批判と言うよりは
『侮辱・侮蔑』と言って差し支えない意見まで出て来ましたが……

そこら辺りはどうお考えなんでしょうか?

ちなみに『柳田氏は自作のなかでは『一言も』監督やその他制作者を『直接馬鹿にする言動』はしていませんが?

そういう意味ではよほど柳田氏の方が『出来た大人に』見えます。

もっとも。俺は柳田氏の作品が嫌いです。が……
その理由は殆どの方が言っておられる様な『ノンフィクションを自称し云々』と言った所に義憤を感じて………
などではありませんが………

俺が柳田氏の作品を嫌いな理由は至極単純明快なただ一点。

『面白く無いから』

それだけです。

  個人的に、原作者としての柳田氏はたいてい... 十一郎 2003/11/23 07:17:43  ツリーへ

Re: 横レスの横レス(苦笑)
十一郎 2003/11/23 07:17:43
個人的に、原作者としての柳田氏はたいてい目立った点ないから、語る気が起きません。方向性が違っていて、嫌いにすらなれない。
なぜ柳田氏を批判するのかというと、好きな作品を題材にされたという取っ掛かりがあるためです。
(直接に制作者を批判してないからといって、作品をさんざん間違えた引用や根拠で<半分意図的に>批判する人間を擁護する気は起きません)

ノンフィクションという形態が強く批判する理由ではありますが、フィクションを批判してはならないという事ではなく。
ノンフィクションとフィクションを並べて、同じように評価という事を問題にしているだけです。

>初めからフィクションと断っていればOK!ならば『アルマゲドン』や『ガンダムSEED』『仮面ライダー555』の立場はどうなるのかなぁ?

つまり、何をしても虚構だから許されるという事ではないのです。現実をそのまま当てはめての評価は虚構だからできない、という事。
『神は沈黙せず』の現実と異なる部分がフィクションだから良いとする理由はいくつか挙げています。つけ加えた部分もついでに読んでください。

ちなみに『SEED』と『アルマゲドン』に関しては、制作者の客に対する不誠実さも批判対象でしょうが、それに関しては今のところ話題にするつもりはないです。柳田氏とも『神は沈黙せず』とも直接の関係はありません。
(秘密基地掲示板で触れた『SEED』の福田監督は、さんざん嘘をついたり前言をひるがえしたりと、実際に不誠実としか言い様がないです。が、このスレッドで議論するつもりもないです)
(『ファイズ』は嫌いではないです。ただし話全体の出来が良いとは思いません)

  十一郎さん いたる 2003/11/23 09:19:42  ツリーへ

Re: >いたるさん
いたる 2003/11/23 09:19:42
十一郎さん

>現実にはまず絶対に起こらないだろうけど、作品世界では不思議でないだけの設定とエクスキューズは済まされていると思ってます。

動機の面では確かに。
しかし、「経済現象」「法律論」的には設定もエクスキューズも甚だ不備だと私は思っちゃってますよ。
中盤以降の社会情勢は変わってますが、その変化の前提となった社会は今のこの社会っぽいですし。
そもそも山本氏の掲示板で本人が「嘘くせーっ」「すみません」と認めてる部分もある以上、十一郎さんが「済まされていると思ってる」のは、十一郎さんが【補完】を駆使した結果なのかもしれません。
まあ、そういう読み方が正しい作品だと私も思いますがね。
これが現代社会を舞台にしたミステリーなら、「半落ち」の例もあるように現実と乖離したら批判されることもままあるようですが、SFはそうでもないようですから。

ああでも、その後で

>サイレントレヴォリューション自体の説得力が薄い、どれくらい経済が変わっているかのエクスキューズが足りない、という点なら小説として批判するのは充分にアリだと思います。

と、おっしゃってますね。
ふむ、十一郎さんが何についてのエクスキューズが足りてるとおっしゃったのかいまいち不明なような。
動機面については私は指摘したつもりはないんですが。
念のために言いますが、私は「批判するな」と言ってるわけじゃありませんよ。いかなる点においても読者が作品を批判すること自体は当然アリです。その内容を私がどう思ったかってのが、最初のカキコミですから。


>柳田氏が批判されているのはノンフィクションを自称し、他人の作品設定を借りた上でやっているからというのが大きいです(『神は沈黙せず』は最初からSF、つまりフィクションと断っていますね)

「ノンフィクションを自称」という意味がよくわかりません。
元ネタがフィクションである以上、分野的にはノンフィクションにはなりようがないような。
「作品設定」そのものは現実に存在することではありますから、その点や現実科学、計算を間違えるのは確かにいただけませんがね。
でも、しょせんバカ本だしなあ。

わたしにとっては「読本」も「神は沈黙せず」も、どちらも細部を気にする類の本じゃあないです。
「フィクションならいい」ってのは、「ゆるくない人」はあまり思わないと考えてました。
だって明らかにフィクションである映画やアニメの、設定や科学描写にネチネチと文句を言って監督や脚本家まで貶す人って、けっこうそこかしこにいたりしません?




また話題変わりますが、ハードカバーで本棚に並べてるほかの本に比べてちょっと見栄えが悪いかなと思ったのも事実(笑)、これだけ分厚い大作なんだし、もう少し重厚なロゴにはならなかったのかしらん。

  >いたるさん 十一郎 2003/11/24 07:16:38  ツリーへ

Re: 十一郎さん
十一郎 2003/11/24 07:16:38
>いたるさん
少し前後します。
>何についてのエクスキューズが足りてる
>いまいち不明なような。

「中盤以降の社会情勢は変わってます」が「エクスキューズ」です。
「その変化の前提となった社会は今のこの社会っぽい」(から作中ほどの変化はまず無理)が「エクスキューズが足りない」という部分です。

>本人が「嘘くせーっ」「すみません」と認めてる部分

「すみません」はともかく、「嘘くせーっ」というのはなぜ嘘くさくても良いのか説明しているでしょう。

>これが現代社会を舞台にしたミステリーなら、「半落ち」の例もあるように現実と乖離したら批判されることもままあるようですが、SFはそうでもないようですから。

『半落ち』はかなり事情が特殊ですね。作品の現実と違う点が着目されて、現実の方が変わったなんて話もあります。

そもそもミステリは必ずしも現実世界から乖離してはいけないというわけでもないです。新本格(第三の波)以前のミステリだって、動機が変で現実性の薄いトリックは山ほどあります。
悪用されないように、現実にはありえない設定をわざと混入する作家も何人か知っています。

ではどのように現実世界と変えて許されるか。たいていは解決編より前に、現実とどこが違うか作中で明記する事。そしてその違う点を読者に知らせた上で話を動かしていく事(むろん例外はあります)

『神は沈黙せず』の場合も、まず社会が変化した上で、それに合わせた行動を主人公がとる形です。この事から、自分はサイレントレヴォリューションに至る社会形態を世界設定と受け取りました。
※もちろん設定そのものを批判の対象にする事はできるでしょうが、作品そのものの評価とは少し異なります。

>元ネタがフィクションである以上、分野的にはノンフィクションにはなりようがないような。

そうでもありません。
例えば、『ドラえもん』を題材にした子供向け科学啓発本がたくさんあります。それは元ネタがフィクションだからノンフィクションではない、という事にはなりませんね。
そしてそのコラム内容が間違っていれば、批判の対象になるでしょう。

>でも、しょせんバカ本だしなあ。

バカ本ならそうどこかに明記するべきです。
最近になって、今後は科学性よりも笑いを重視するといったような事が書かれていましたが、それは以前は科学性を重視していたというニュアンスでした。バカ本というのはいたるさんの考えにすぎません(最近の読本のみ話題にしているのであれば失礼)

>「フィクションならいい」ってのは、「ゆるくない人」はあまり思わないと考えてました。

おそらく、それは大いなる勘違いです。
「これはフィクションだから許される、これはフィクションでも許されない」という区別を自分なりに考え、他人に説明しようとする人間が「ゆるくない人」だと思いますよ。
例えば山本先生は「これは科学的に間違っているが、この作品の世界観ならアリ」という感じの評価をよくしていますよね。
(まー自分はゆるい方ですけど)

  前にも言ったことなんだけど 山本弘 2003/11/25 11:08:54  ツリーへ

Re: 横レスの横レス(苦笑)
山本弘 2003/11/25 11:08:54
 前にも言ったことなんだけど
『空想科学読本』『アルマゲドン』『ガンダムSEED』『仮面ライダー555』等について、

「間違ってるのは分かってるけど、それでも好きだ」

 という人を僕は非難するつもりはまったくありません。「好き」「嫌い」というのは主観なんだから、人それぞれなのは当たり前。
 だいたい、「間違ってるからダメだ」というのであれば、世の特撮・アニメ・SF作品のほとんどは否定されてしまいます。
 『神は沈黙せず』も同じこと。僕自身、間違っていることを承知で書いている部分がかなりあります。サイレント・レヴォリューションなんて、100%実現不可能であると確信していますし、科学的・データ的に故意に嘘をついている箇所も随所にあります。
 また、書きながら、読者によって好き嫌いがかなり明確に分かれる作品だろうとも予想していました。嫌う人はおそらく蛇蠍のごとく嫌うだろうと。
 だから「間違ってても好き」という人と「嫌い」という人が両方いて当然です。どっちの態度も正しいんです。

  読了しました。 White NOVA 2003/11/26 01:24:46  ツリーへ

Re: どうもです>山本さん
White NOVA 2003/11/26 01:24:46
読了しました。

 で、感想。
 面白かった……じゃ、小学生に国語を教えられない(苦笑)。

 「キャラクター論」とか「ストーリー分析」とか、試みたいことはいくつかあるけれど、まずは、「スレッド初めに書いた読む前の気持ち」について総括しておきます。

●1.神をテーマにした小説
 これについては、「NOVAは宗教関連のバックボーンを持っているので、読むのに抵抗ある」という書き方をした。
 で、じっさいに読んだところ、山本さんの関心が「キリスト教」にあって、「仏教」や「イスラム教」などには少し触れた程度だったのが、安心というか不満というか、微妙な気持ちを感じた、と。
 もう少し、既成宗教について、徹底的に批判されるかと思って読んだんだけど、まあ、仏教徒のNOVAには問題なかったです。

 ちなみに、「人間と同質の人格を持った神」を否定することが、山本さん流の宗教観になるんでしょうね。で、神とのコンタクトを試みた兄なんだけど、それが不可能であることを論理的に解き明かした場面が、おいしい、と(兄にとっては残念な結果だけど)。
 確かに、シミュレーションゲームのユニットには感情移入できる面もあるけど、ユニットを構成するプログラムデータには感情移入できないよなあ、と実感しつつ。

●2.超常現象を扱った小説……などなど
 主人公は「コントロールできる特殊能力」を持たないけれど、「コントロールできない力」は持ってますね。で、それが終盤、ちょっとした惨事をもたらしもするんだけど、その力で状況を解決するわけでない。
 そもそも、主人公は事件や状況を解決はしていない。ただ、追跡していただけで。謎解きとか、絶体絶命の状況からの脱出とか、冒険ドラマっぽい活躍はせず、ただ世界の事象や事件の観察者であったと。シャーロック・ホームズで言うところのワトソン君の役どころでした。

 この辺の主人公の位置付けが、エンターティメント小説として、読んで面白いかどうかのポイントになるかと思います。

 NOVAとしては、良くも悪くも「山本さんの既存の小説や、トンデモ紹介本の集大成になる」と評価。少なくとも、この小説は、山本さんにしか書けないネタが散りばめられている、と言えます。

  特撮ファンとして White NOVA 2003/11/26 01:41:42  ツリーへ

Re: 読了しました。
White NOVA 2003/11/26 01:41:42
特撮ファンとして

 ここで先日書いた、主人公の親友・葉月の「ウルトラマン」発言ですが、やはり、そこだけ不自然に感じます。葉月はオタク系のキャラではないですし(主人公の優歌にはそういう要素が少なからず描かれているけど)、彼女の他の言動から見ても、浮いたセリフに見えます。

 特撮ネタとしては、P355の「カマクラダイブツ」に反応してしまいました(笑)。キョーダインの「花摘みの歌」の暗号なんですね。
 P395の「ランニングマン」は、「もしかしてケムール人?」なんて思いましたが、あるいはNOVAの知らないオカルトネタ出典かもしれません。
 あとは、P381の「2010年の流行歌・ひゅひゅんと忍者」は、やっぱり、ハリケン元ネタですかね? 
 で、流行歌解析の兄の文章の最後に「これらのヒット曲の共通点は」で終わっている。果たして、「およげ!たいやきくん」と「おどるポンポコリン」と「だんご3兄弟」の共通点は何なんだろう?(笑)

 今回は、そういう小ネタばかりの感想になったけど、また「新規スレッド」で話題にしたいなあ、なんて思います。以上。


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