このHPがアンチであるのに反銀英伝が盛り上がるのは田中芳樹への愛(銀英伝)が憎しみ(創竜伝)に変わった人が多いからなのかな?
まっそれはともかく見てみたい反銀英伝の素材はヤンがとった行動でどうしても納得できなかったヤンが無条件停戦命令を無視してでもラインハルトを倒さなかったところです。
そもそもヤンの戦争目的が
1 最悪の民主主義でも最良の専制主義に勝る。
2 むしろ最良の専制君主ほど民主主義の敵である。
3 少ない戦力で帝国軍を倒すには総司令官を倒すしかない。
4 であるからなんとしてもラインハルトを殺さねばならない。
という迷いながらもヤンが到った判断でありながら何故故に降伏を受け入れたのか。
思うにヤンは作者である田中芳樹の思想を代弁するキャラであるから作者の分身といってもいい。田中芳樹は超法規的手段が大嫌いだから文民統制(シビリアンコントロール)は国家消滅の危機であっても破ってはいけないものと思っているのだろう。それは甘いとは思うが否定はしない。文民統制は民主主義のシステムの一つ、民主主義はあの時点で自由惑星同盟でしか存在できないシステムであってその同盟が滅びかけているのだからヤンのとった行動はあきらかに異常だがそれが田中芳樹の美学なのだろう。
(フレデリカに「そんなあなたが好き」と言わしているし)
民主主義を残すためならわかるがそんな美学のためにもう一度戦争してまた何百万人の戦死者をだすことなどヤンがわからないわけないのに。しかしそのうす甘い美学ですらいいかげんなものでなんと次の瞬間には軍隊の違法取得による私設軍隊の設立という文民統制から大きくはずれる荒技を実行するのである。
「それやったらまわりくどいことせんと最初っからせんかい」
と関西のおっさんでなくてもつっこんでいいところだろう。
ヤンには銀河一の無責任男の称号をさしあげたい。
ところでラインハルトが死んでいたら帝国はどうなったいただろうか?
レスしてくれるとうれしい。
それでは皆さんメリークリスマス、と同じによいお年を。
謎の転校生さんこんにちは。
私の案の「反銀英伝・同盟軍フェザーン侵攻編」は、作品世界を根本から改変してやろうという意図のものです。「バーミリオンでヤンが同盟政府の停戦命令を無視してラインハルトを戦死させたら」についてですが、特にそれに関して言及しなかったのは、架空戦記でよくある「もしもミッドウェー海戦で南雲機動部隊が勝ったら」と大して変わらない気がしましてね。あんまり面白くないだろうと思っていたので、取り上げてはいなかったんですよ。でも、謎の転校生さんが出してきましたから、考えましょうか。
・バーミリオン会戦にてヤン艦隊の集中砲火にてブリュンンヒルト撃沈。乗組員の生存者なし。ラインハルトとオーベルシュタインは戦死。
当然、バーミリオン会戦はそこで終わりです。残存したヤン艦隊は行方をくらまし、ラインハルト艦隊の敗残部隊も撤退でしょう。ハイネセン上空に攻め込んでいるミッターマイヤー艦隊とロイエンタール艦隊もすぐに撤退を決め込むことでしょう。「停戦しないと無差別攻撃する」と脅してはいましたが、ミッターマイヤーの性格ではそんなことをするとは思えません。「ラインハルトが死んだ」という事で、戦う理由はなくなるのですから。信玄が死んだ後に撤退した武田軍(戦闘は勝っていたのに)と同じになります。その後、同盟領内の全帝国軍も漸次本国に撤退となるでしょう。それに対して、ヤン艦隊は何も出来ません。バーミリオン会戦で消耗し過ぎになっていますから。取り敢えず同盟は救われました。
・同盟のその後は
あまり明るくはないですね。同盟軍の戦力的な建て直しは相当時間がかかりそうです。トリューニヒトがいらぬちょっかいを出せば尚更です。「トリューニヒトが一度は降伏勧告を受け入れた」ということは、マスコミを統制して何が何でも事実の抹消を行おうとするでしょう。政治的生命を失う事になるでしょうから。評議会議長の座を死守する為には、そうしなければなりません。一応帝国軍を撃退出来たことだし。ヤンもビュコックも苦労する事になりそうです。かえって、ミッターマイヤーとロイエンタールが撤退する時に、統合作戦本部の地下部分にもミサイルを撃ち込んで、そこにした全員を生き埋めにしてしまった方がいいかな。ビュコックも死んでしまうけど。
・帝国のその後は
「帝国に帰還したラインハルト麾下の提督たちが、勢力争いを始める」と言いたいところですが、本当にそうなるでしょうか?確かに、ラインハルトの死で、元帥府に集められていた提督たちの忠誠心の対象は無くなりました。「次は誰が」の勢力争いとなりそうな気はしますが、帝国の国家体制は崩壊していません。赤ん坊でも皇帝は健在です。不和を撒きそうなオーベルシュタインも死んでいるし。ロイエンタールが主導する新体制が簡単に発足すると思いますがどうですかな。生き残った提督たちの中で、一番の梟雄はロイエンタールです。それ以外は、武人としての大成以外に関心がありそうにありません。同階級にあるのはミッターマイヤーだけですが、ミッターマイヤーの性格なら友人に協力しそうです。帝国軍の双璧が組んでいるのに、挑戦しようという命知らずはあんまりいないと思いますがどうですか。帝国宰相・軍務尚書兼任ロイエンタール元帥、統帥本部総長・宇宙艦隊司令長官兼任ミッターマイヤー元帥の新体制になるのではないでしょうか。
・その後の銀河
新体制発足後、程なくロイエンタールは同盟領に再度の侵攻作戦を行うことでしょう。イゼルローンからでも、フェザーンからでも好きな方から侵入出来ます。それに対抗する同盟軍の戦力は、再建出来ていません。ヤンの戦術能力でも対抗は困難です。あっさりハイネセンに達した帝国軍の前に、同盟は降伏ということになりそうです。今度は最初からハイネセンの制圧だけを目的に帝国軍は進軍するでしょうから、ヤンに与えられる命令は過酷なものになりそうです。トリューニヒトが生きているケースでは尚更に。湊川の楠木正成と同じように、圧倒的大軍に正面から決戦を挑め、と命令され、全滅覚悟の戦闘を余儀なくされるかもしれません。以後、同盟は征服されて消滅です。ロイエンタールは簒奪まではしようと思わないかも知れませんから、ゴールデンバウム王朝はそのまま続くと思われます。
結局、銀河は帝国によって統一されることになりました。新王朝になったか旧王朝のままか、という程度の違いです。「ミッドウェーで勝ったら」とあまり違わないようですね。
不沈戦艦さん、レスありがとう。銀河の・・・はお約束ということでかんべんしてください。
不沈戦艦さんの指摘で今さらながら自分の反銀英伝の設定に大きな過ちがあるのに気付きました。オーベルシュタインもブリュンヒルトに乗っていたんですね、いやーうっかりしてました。オーベルシュタインがいてこその帝国の分裂と思ったのですが・・・。同盟軍の砲撃を喰らいかろうじて沈まなかった戦艦から(はっ不沈戦艦さんとかかってる・・)オーベルシュタインが二たび脱出に成功するというのはダメですか?
話を少し展開すればこれはヤンが歴史の本道を歩む決断をしたパラレルワールドですからいってみればヤンはナポレオンです。トリューニヒトを追放し軍備の強化を急ぎつつ勝戦による世論の支持を受け同盟で絶対的な力を得るでしょう。毒くらわば皿までです、ヤンには不本意ながらも責任感に目覚めてもらい挙国一致内閣を作り上げてもらいましょう。同盟の軍事生産能力はけっして低くありません。(レンネンカンプ統。下を含む1~2年でさえ4万隻は集めてましたよね?)フェザーンの中にも帝国の支配を心よく思わない人達が山ほどいるでしょうからボリス・コーネフなどに働いてもらい同盟に出資させます。イゼルローンは「食後の後に紅茶を・・・」で簡単に落とせますからビュコックにやらせてヤンはフェザーン方面軍司令官になり全力をそそいでもらいます。もしフェザーンを占領できたら前に不沈戦艦さんが提唱された作戦が使えないでしょうか。
一方帝国ですがオーベルシュタインの生死は再重要ポイントで確かに死んでいた場合同盟の勝利は困難です。しかしつけいるスキはけっこうあると思います。まずロイエンタールが後継者になろうとした時、仲間内で彼を支持しそうなのはミッターマイヤーくらいでビッテンフィルト、レンネンカンプなどはあきらかに反対するのでは?というのが一つ、それからワーレン、シュタインメッツ、ファーレンファイトなどなど他の上級大将たちもすんなり徳の低いロイエンタールの下に従うとはいいがたくどちらかといえば徳の高いミッターマイヤーの下なら納得するといえそうですから後継者はミッターマイヤーの方が帝国のとって良いのでは?。ただその場合乱世の雄といえるほど野心をもっているわけではないミッターマイヤーとヤンとの間に休戦をが結ばれる可能性もありこれは同盟にとっても良い結末となるかもしれないが確率的にはあまり期待できない。ミッターマイヤー暫定司令官のもと帝国がいかに早く同盟をたたけるかがキーポイントでしょう。その時期を遅らせるほど同盟の勝算も上がるのでは?と思うわけです。
仮にオーベルシュタインが生きていた場合は、オーディンで今後について泥沼の後継者問題がはじまるだろうが想像力が貧困なため予想できない。だれか補完してくるのを期待しよう。軍事について無知のくせに長々とかいてしまった。遠慮なくたたいてください。(やっぱほどほどに)ではさようなら。
えー、バーミリオンからの逆転に関してなんですけど、私の考えとしてはあんまり可能性があると思っていません。なぜなら、結局軍事力=国力=経済力の傾向は、近代戦になればなるほど強くなるんですよ。どのくらいの戦力を戦場に派遣できるか、補給を行う能力があるか、これにかかっています。銀英伝の世界では、新兵器による戦力の優劣はないことになっていますよね。バーミリオン後まで国力を消耗した同盟が巻き返す事が出来るかどうか・・・・人的資源の問題もありますし。兵隊の命は安くはありません。素人を訓練して一人前の兵士にするまでの時間とコスト。しかも、必要なのは宇宙船の乗組員です。気が遠くなる程の時間とカネがかかると思いますよ。その点、アムリッツアで2000万人の訓練された軍人を失った同盟が、そう簡単に人員を補充できるかどうか。無理に徴兵すれば経済力が落ちますし。基礎体力に優れている上、大消耗を経験していない帝国が圧倒的に有利なのは変わらないでしょう。戦闘艦艇や戦闘艇を多数建造できれば軍事力がすぐに回復する、というのは早計だと思います。結局、アムリッツアが響くことになりそうです。
また、オーベルシュタインの生死についてですが、実際の歴史を題材にした架空戦記でさえご都合主義だらけの話がたくさんあるくらいですから、元々の話自体が小説の反銀英伝世界なのだから、「オーベルシュタインが生きていた方が面白い」となったらそれでもいいと思いますよ。ただねえ、その場合でも、どうですかね。ラインハルト麾下の提督たちの誰からも嫌われているのがオーベルシュタインでしょう?誰について自らの覇権を確立するのか。直接指揮する兵力は持っていないんですから。ロイエンタール、ミッターマイヤー、ビッテンフェルト、ルッツ、ワーレンあたりは間違ってもオーベルシュタインと組もうとは思わないだろうし、レンネンカンプやミュラー、メックリンガー、シュタインメッツ、ファーレンハイト、アイゼナッハでもどうでしょうか。オーベルシュタインと組んでロイエンタール・ミッターマイヤー同盟に戦いを挑む者がいるかどうか。難しそうな気がします。また、オーベルシュタインが死んでいるケースで、簡単にロイエンタールの覇権が確立するかどうかですが、なんならロイエンタールとミッターマイヤーの地位を入れ替えても構いません。宰相にミッターマイヤーをつけてもいいんじゃないでしょうか。でも、実際何をやるかについては、単純な武人であるミッターマイヤーよりは、ロイエンタールの意志が相当反映されることになるでしょう。そして、この場合は、ミッターマイヤーもロイエンタールも自らが君主の地位につく訳ではなくて(ロイエンタールには強烈な易姓革命思想はない。あれはラインハルト独自のもの)、あくまで帝国の重鎮として他の提督より上に立つ、というだけですから、ビッテンフェルトやレンネンカンプが不愉快には思っても反抗するまでいくかどうか。あっさり治まりそうな気がします。その後、銀河統一の野心は、ロイエンタールが実質的に主導権を握っていれば必ず持つでしょうね。これも同盟にはつらい結果になりそうです。
まあ、オーベルシュタインが生きていて、誰かを味方に付けて(レンネンカンプかファーレンハイトあたりか?難しいんだよね。どいつもこいつもオーベルシュタインよりはロイエンタールの方がましだと思うだろうから。しかも、ロイエンタールには誰からも好感を持たれているミッターマイヤーがついているし。)権力争いが次々と発生し、帝国内は内紛ばかりで10年くらいの時間ができれば同盟の国力回復と勝利もあるかも知れません。だとすると、双璧の二人に仲違いを起こさせないと。だからといって、ミッターマイヤーがオーベルシュタインと組んでロイエンタールに対抗する、だなんて無理すぎますな。でも、話をそっちの方向にうまく持っていかないと、どうしようもないですね。その辺を上手にクリアすれば、バーミリオンからの逆転も可能かな?先ずはオーベルシュタインがまた一人だけ逃げるところからですね。
ヤンがあの場面で停戦命令を無視。
ここではオーベルシュタイン死亡のパターンで考えてみます。
当然帝国軍残存部隊は撤退。フェザーンとイゼルローンに各1個艦隊ぐらいを残す、と言った所でしょう。
さてここからです。我等が(笑)地球教の大逆転劇が始まるのは。
まず、帰還した帝国軍内部では、一時的であっても冷戦状態が発生するでしょう。外敵の干渉はありえないわけですから、火遊びは容易に発生します。
ロイエンタール・ミッターマイヤー枢軸が大勢
を握るでしょうが、ロイエンタールに対する感情的反発と、最高権力への誘惑(簒奪を考える人間は居ないでしょうが、なにせ皇帝はまだ赤ん坊。勢力争いに勝利すれば、自動的に皇帝の全権代理人です。)は、地球教が付け入るには
絶好のチャンスです。
また、フェザーンは消滅するものの、相互依存の関係にあった両国は、結局フェザーンの貿易ネットワークを活用せざるを得ません。
この状態であれば、実質的な力を持っているフェザーン(ルビンスキー)の甘言に乗せられるお調子者はいくらでも出るでしょう。
ミッターマイヤーの人望も、あくまで「同僚」
としてのそれですから、帝国の分裂は必至です。
さて一方同盟では、分裂した帝国を横目に僕等のトリューニヒト閣下が活動を開始します。
情報操作で戦勝の功績を独占して人気を跳躍させると共に、帝国の分裂が決定的に成った所でヤンを暗殺。責任をヤンファミリーに押し付けてその勢力を一掃します。
彼等の事ですから、意地でも反撃を試みるでしょうが、核を欠いているためにまとまる前に各個撃破です。
ハイネセンまで戦勝記念式典とでも言って呼びつけた上で実行すれば完璧でしょう。
ついでに国葬で弔辞でも読んで支持基盤はバッチリです。後釜にはパエッタでも据えておきましょう。攻めてくる奴は居ないのですから。
さて分裂した帝国の内戦は、地球教とフェザーンの工作で泥沼化します。当然同盟(トリューニヒト)も、干渉を試みるでしょう。
そして、民間人の被害が鰻登りになる中で、赤十字的活動を行うことで、(ついでに反戦運動を組織して見せたりして)地球教は勢力を着々と伸ばしていきます。
内戦が泥沼化すれば、フェザーンだのイゼルローンだのに兵力は避けません。フェザーンは政治・経済的な協約で独立を回復します。(この時点では両国とも重要視する理由は無い)
方やイゼルローンですが、トリューニヒトは軍備回復を最優先するでしょうから、同盟市民は戦争に勝ったのに生活が更に困窮するという状況から、政府名対する批判を強める(=イゼルローン方面への出兵が行われる)でしょう。
ヤンを暗殺する前に奪回しておくのも手ですが、「アイリッシュティー云々」を知らない以上、国力ひっ迫する中で出兵は行わないでしょうし、(選挙のころには数だけはそろっているはず)ヤンから聞いたなら、それを「ヤンが」使う必要は無いわけですから殺っても構わない事に
なります。と言うわけで出兵。「アイリッシュティー」を使わなくても、分裂した帝国軍は数も補給も間に合わず、陥落です。ナンならイゼルローンを持つ勢力と取引をしても良いでしょう。仲介役はフェザーンです。
かくして、軍事(同盟)、経済(フェザーン)、宗教(地球)による帝国包囲網が完成。
しかも、包囲されたほうは包囲されていると認識していませんから、後はどうにでも成ります。暗殺と経済(情報)援助を駆使して各勢力を疲弊させ、おいしい所は同盟軍がいただく、というところでしょう。
さて、10年も経てば同名の銀河統一で戦乱は終結。政治・経済・宗教の3重構造を持つ統一政体が誕生します。これで「めでたしめでたし」に成れば良い(何が?)のですが、そうはならないでしょう。ここからトリューニヒト・地球教・ルビンスキ-による、新たな鼎立状況が生まれます。しかし、地球教は人心を把握している上、他の2者はあくまで個人です。地球教の暗殺戦術が成功すれば、その時点で勢力としては消滅します。フェザーンは経済さえ握れれば良いわけですし、(恐らく彼等は華僑のような形で生き残るでしょう。例え宗嗣の代りに地球を祭っても)、同盟市民の中にも地球教は浸透しています。(どっかのΩ教と違って)
戦いは地球教の勝ちとなり、同盟は地球教の代表政党が与党となる革新的(ブラック)民主国家として人類を導いていく…
書いていて、胃が痛くなってきました。
取り敢えずこんなのはどうでしょう?
>銀河のメリークリスマス
昔、銀英伝の中で、ヤンが一番好きでした。でも、言われてみると、不徹底で無責任ですね。この無責任さと野党精神は通底していますね。
でも、まだヤンは田中キャラの中では好きなんですよ。たぶん、竜堂兄弟が自分と同じ思想だとしても、私は彼らが嫌いでしょう(ひがみかもな~)
>地球教
たぶん意図的な部分もあるのだろうけど、銀英伝ではずいぶんと宗教の存在を消していますね。特に、同盟では信仰の自由とか、どうなっているんだろう?
・同盟
トリューニヒトについてですが、国を売り渡して降伏しようとしたことで信望は一気に失墜するのでは?マスコミ操作して事実を隠蔽する、ということですが、あの場にいた閣僚メンバー&ヤン艦隊の将兵全員が証人ですからさすがに不可能だと思いますが。
もちろん絶体絶命の状況下からラインハルトを倒し、帝国艦隊を追い払った「救国の英雄・奇跡の救世主」としてヤンの人気はますますうなぎ上り。一方、トリさん(も○氏じゃないよ)はヤンの輝かしい業績の引き立て役として「卑劣な売国奴」のレッテルを貼られ、完全に政治生命を失ってさよ~なら~。
さすがにこんな状況になれば本人の意思に関わらずヤンの存在自体が大きな政治的影響力を持ってくることでしょう。
「ヤン提督を終身執政官に!」
なんて言い出す奴が出て来るかも・・・。
そうなると前々からヤンをけしかけるような言動を繰り返していたシェーンコップなんかがどういう動きをするか興味深いですね。元々民主主義にも懐疑的な所がある人ですから。
ヤン担ぎ出しを画策するシェーンコップ一派、あくまで拒むヤン、やがて両者の間に深刻な亀裂が。そこに軍人の台頭を快く思わないレベロ達の思惑がからみ、ますますグチャグチャに・・・。
ダメだこりゃ。
・帝国
オーベルシュタインが生きていたら、という想定ですが、そもそもあの人ってラインハルトのいない世界にはなーんの興味も無いんじゃないでしょうか。
だからラインハルトを見捨てて自分だけ逃げるようなことはしないだろうし、奇跡的に1人だけ助かったとしても、帰国後はあっさり引退を表明して提督一同唖然。以後は一切沈黙を守り、ボロ犬と余生を過ごす・・・なんてのがある意味オーベルシュタインらしいような気がします。
で、指導者ですが、やはり幼帝を戴き、ミッターマイヤーをリーダーとした合議制(徳川幕府みたい)で暫定的に国政を行っていく。
ロイエンタールかミッターマイヤーか、という点については正直「ミッターマイヤーなら従っても良いがロイエンタールではちょっと・・・」という人が多いでしょうね。ここはやはり普段の行いが物を言う(笑)。
恐らくロイエンタール自身が、ここは真っ先にミッターマイヤーを推すと思われます。自分の野心とは又別に。
やはりドロ改さんのおっしゃる通り問題は地球教徒。フェザーンを失ったとはいってもルビンスキーも健在ですし、フェザーン市民の反帝国感情も非常に強い状態でラインハルトの死、となるとやはり何か仕掛けてきそうな感じですね。
地球教徒のテロ、フェザーン市民の蜂起。
貴族連合の残党も完全に滅んだ訳ではないのでにっくき「金髪の儒子」の死で狂喜乱舞。
「昔の夢よもう1度」とばかりに政権奪還を目指して騒ぎ出しそうです。(「正当政府」には大した力はないでしょうが。同盟にいるんだし。)
新政権は、提督達が分裂はしないまでも大きな問題を多数抱えてしまい、とても同盟征服どころではなくなり、互いの国内が混乱したまま帝国・同盟の間は実質休戦状態に・・・。
同盟にとってはこれが一番良いかもしれませんが、「何とかなってほしいが何となりようもない」状態がまたしばらく続いたりして。
国力から言っても同盟の逆転は不可能でしょう。
オーベルシュタインの身の処し方ですが、いっそのこと同盟に亡命、というのはどうでしょうか。プラス要因としてオーベルシュタイン側には
(1)彼の目的はゴールデンバウム王朝打倒であること:ラインハルト亡き今それを達成させてくれそうな人材は帝国にいない
(2)民主共和制への親和性:「帝国は皇帝の私物ではなく、帝国軍は皇帝の私兵ではない」・・・何も帝政でなくたっていいんですよね、閣下?
(3)自身の身を守る為に:ラインハルトをおいて助かったとなれば、諸提督は彼に憎悪をぶつけるでしょう。私刑なり軍事裁判なり、窮地に立たされるのではないでしょうか。
ただ(3)に関して言えば、(1)のようなラインハルトは代えのきかない駒であるという状況もあり、それはオーベルシュタインにとってだけのことではないので、オーベルシュタイン、シュトライト、キスリング、ヒルダあたりが共謀して脱出させようとするも間に合わず、を真相とするのが妥当でしょう。またラインハルトへの忠誠心(?)はこの人の場合、かなり後発的なものであって、自分の復讐がすんで、心理的余裕ができてから生まれたのではないかと考えられます。
そして同盟側には、
(4)オーベルシュタインの有する情報に高い利用価値があること
(5)態度の一貫性を守る必要があること:直前まで戦っていたか否かの違いはあるとは言え、それまでに殺傷した同盟軍人の数でいけば、オーベルシュタインはメルカッツに及ぶべくもない。
あ、降伏ではなく亡命ということは、一旦本土に帰って(3)を引き起こして、それ自体をも亡命の口実に据える・・・かな。
そして亡命に成功したオーベルシュタインはまず政府が軍に掣肘を加えている状況の打開に乗り出すでしょう。ヤンは一旦政府の命令を無視したとは言え、このままその手を使いつづけるような人ではありませんし、オーベルシュタインは正論が好きですから。ここでヤン政権ですが、オーベルシュタインならばヤンの”未徹底・無責任”を確り追求してくれそうです。しかし彼が”文人統治の原則”を受け入れるとしたら、失脚したトリューニヒトの後がま争いに乗じて傀儡政権を築き上げるのではないでしょうか。自身の保護と引き換えに、権力に達する策を授けてやるとか何とか言って適当な人間を議長にならせ、議長当選後も的確な政策を打ち出し、自分なしでは何もできない国家元首を作り上げる、とか。
そして同盟元首の線からフェザーンを通して、地球教徒に接触し、帝国への破壊工作を指嗾します。帝国の要所を教えて国力を削ぐとともに、広域での破壊工作によって治安を乱すのです。
そのころ、帝国では双璧枢軸体制の下、貴族の残党を蹴散らし、同盟との再戦にそなえていたものの、上記のような事情により、オーディンに集結させていた艦隊を各軍管区へと分散――
そこから群雄割拠が始まったら面白いかもなぁなんて思うんですが。
う~ん、結構穴だらけな話ですけどね(;^^A)
オーベルシュタインが同盟に亡命するというのは、コロンブスの卵ですね。確かに、ラインハルトがいなければ帝国にいる必要性がない。不沈戦艦さんが思考実験しているように、ゴールデンバウム朝が存続するのなら、なおのことです。動機的には、もっともいつ民主主義に転んでもおかしくない人物ですね。
>ヤン政権ですが、オーベルシュタインならばヤンの”未徹底・無責任”を確り追求してくれそうです
もし、反銀英伝が小説になるとしたら、物語的に、ここは大きな見せ場になりそうですね。
ふーむ、色々面白いアイデアが出てくるもんですね。特に「オーベルシュタインの亡命」これは面白い。纏めるとこんなもんでしょうか。
ヤン艦隊に完全に捕捉されたブリュンヒルト。しかし、ラインハルトは強情に「私は退かない!」と叫ぶ。それを見たオーベルシュタインは、主君と仰いでいた人物をついに見放す。
「所詮、孺子は孺子だったか。退くべき時と退かぬべき時の見極めもつかないとは」。
オーベルシュタインは、足早にブリュンヒルトの艦橋から立ち去り、脱出する。その直後、ヤン艦隊の集中砲火を受けて爆沈するブリュンヒルト。
「さて、これからどうすべきか。同盟領侵攻作戦はこれで終わりだし、帝国に戻ったところで、ミッターマイヤーやロイエンタールは、ローエングラム公を見捨てた私を許すまい。処刑されるのがおちだ」
熟考したオーベルシュタインは、結局同盟に亡命する事を決心し、脱出艇でヤン艦隊を追い掛け始めた。
「ローエングラム公がいなくなれば、ゴールデンバウム王朝は滅ぼせまい。ロイエンタールやミッターマイヤーではそこまで決心出来ないだろうし、私がそれに参画する事は不可能だ。計画は同盟に引き継がせるしかないだろう」
首尾良くヤン艦隊に追いついたオーベルシュタインは、亡命の意思を明らかにすると、ヤンに直談判した。
「ローエングラム公は、貴官の為に命を失った。彼が行おうとしていたゴールデンバウム王朝打倒を、貴官が引き継ぐ義務がある。その為になら、私も全力で協力するだろう」
オーベルシュタインの申し出に面食らうヤンだったが、帝国軍中枢部にいた人間の価値は侮れない。結局メルカッツと同様の扱いとなり、いつの間にかヤン艦隊の準幕僚格となっていった。この手の人材には恵まれていなかったヤンだったが、オーベルシュタインの働きはヤン艦隊の面々をして、瞠目させるものばかりだった。実際、わずかの間にレベロとホアンを籠絡して手足の如くこき使い、トリューニヒトの追い落としに成功した。バーミリオン会戦末期の降伏受け入れの決断を最大限に宣伝して廻ったからである。さすがの同盟市民もトリューニヒトを見放し、辞任せざるを得なくなってしまった。ついで、同盟軍の再建に乗り出すヤンとオーベルシュタイン。ビュコックは統合作戦本部長としてそれを支援する。宇宙艦隊司令長官にはヤンが就任した。
一方、帝国ではミッターマイヤー・ロイエンタールによる「双璧体制」が着実に仕上がっていた。帝国宰相には、温厚さを買われてマリーンドルフ伯が就任したが、軍の実権はロイエンタールが握っていた。表向き、トップに立っているのはミッターマイヤーなので、諸提督も不満はあるものの表だって反抗はしなかったのである。しかし、「金髪の孺子死す」の報を受けて続々と帝国に帰還してきた旧貴族たちの陰謀が次々と発生する。また、旧フェザーン勢力や地球教も地下活動を続け、とても同盟領への侵攻どころではない。そしてついに、ミッターマイヤー陣営とロイエンタール陣営に不和が芽生え、部下たちを巻き込んだ対立が始まった。表面は平静を保っているが如く見えたが、一触即発の状態にまで悪化する。ミッターマイヤー自身はロイエンタールとの友情を信じていたが、周囲がそれを許さない。ついに、暴走した部下たちが始めた衝突が、大規模な内戦にまで発展してしまい、収拾がつかなくなる。旧貴族やフェザーン、地球教まで介入してきた内戦は長期化し、泥沼化してしまう。ようやく収まってロイエンタールとミッターマイヤーが和解するまで約10年かかってしまった。
この間、ヤン艦隊の一員として着々と同盟軍の再建に尽くしていたオーベルシュタイン。国力を使い果たした帝国を見て、ヤンに銀河統一の軍を起こすことを進言する。すでにレベロやホアンに手を回して同様の命令を出させているので、ヤンも拒めない。同盟軍の帝国侵攻作戦が始まった。
「紅茶」作戦であっさりイゼルローンは陥落。慌ててイゼルローン回廊に要塞奪回の軍を派遣した帝国をあざ笑うかのように、同盟軍はフェザーンに軍を進めこれを簡単に奪取する。さすがの双璧も、10年にわたる内戦で疲れ切っており、判断が冴えない。更にフェザーンから帝国領に侵攻した同盟軍との決戦で、迎撃した帝国軍は大敗。ミッターマイヤーも戦死した。国力を消耗し尽くした帝国には同盟軍を追い返す力は無く、オーディン上空に現れた同盟軍艦艇の姿を見たロイエンタールは自殺し、帝国は滅亡した。
こんな筋ですかね。そして、最後にこれを付け加えてもいいでしょう。
今や征服者として、かつての自分の館にやってくるオーベルシュタイン。執事が主人を出迎え、丁寧に中に招いた。くつろぐオーベルシュタインに執事はこう話しかける。
「結局ご主人様は敵の手先となって、帝国を滅ぼしてしまわれた。私が今からする事は、帝国領民全ての意志を尊重した結果です。お恨みなさらぬように」
何の事だ?と言うオーベルシュタインが見たものは、小さなスイッチを押す執事の姿だった。それが、オーベルシュタインが生前に見た、最後の光景になった。白熱化した光が全てを押し包み、館を吹き飛ばす。その中で消えゆくオーベルシュタインの意識。彼は宿願を果たして満足だったのだろうか?
こんなもんでどうでしょうか。
甘藍さん・不沈戦艦さんへ
オーベルシュタインの同盟軍服姿って・・・ ププッ。
いや、メルカッツ提督と同じ立場なら帝国の服でも良いでしょうけど(^^)。