ワタクシは『銀英伝』における兵器の描写なんかすでに忘れてしまいましたが、登場する兵器のありかたが根本的に変わるのであれば、戦術体形もすべて変更しなければならないでしょう。
ただ第一巻のラインハルトとヤンがはじめて相まみえた海戦で、「二匹の蛇が尻尾を飲み込む体勢」になって、互いに「はじめて見た陣形だ」とか呟いていたと思うのですが、あれは奇襲を受けた側の獲る最善の手ですよ。もう一〇年も前のことですが、そのシーンを読んで、「それまでの提督は、いったい何を考えて海戦をやっていたんだ」と激怒した記憶があります。
突き詰めると「二人が優れていた」のではなく、「前の連中が常軌を逸したほどのバカ揃いだった」になってしまいますけども……。もっともそれは、「硬直化した階級社会の弊害」なのかも知れませんけどね(でも、死んだ兵士は浮かばれんだろうな)。
はじめまして、ふらっくといいます。前からここはのぞいてました。
> 突き詰めると「二人が優れていた」のではなく、「前の連中が常軌を逸したほどのバカ揃いだった」になってしまいますけども……。もっともそれは、「硬直化した階級社会の弊害」なのかも知れませんけどね(でも、死んだ兵士は浮かばれんだろうな)。
本当に前線の指揮官が作戦の命令権をもっていたんでしょうか?
銀英伝(特に近代的な軍隊のはずの同盟軍)の軍組織には謎が多いです。
普通、軍隊は<ライン・スタッフ制>というシステムです。
これは指揮官(ライン)と参謀(スタッフ)を分けるという考え方で、
部隊の指揮や命令権は指揮官が持ち、複数いる参謀が指揮官を補佐して
作戦を立案したりアドバイスをしたりします。
ところがアスターテ会戦やアムリッツァを見ると、どうも同盟軍は
指揮官がほとんど作戦に関与せず(ロボス元帥が老齢でダメになった
こともありますが)参謀が勝手に作戦を命令して作戦を発動してるようです。
このへん第一次大戦のドイツ軍や旧日本軍によく似てます。
これは想像ですが、おそらく旧弊な指揮官が戦争の推移に対処できなくなり
代わって参謀の発言権が肥大化したのではないでしょうか?
ただ、その割には参謀が登場する場面が中盤以降ほとんどなかったり
ヤンが指揮官だか参謀だかわからない行動をとってたり、同盟軍の指揮系統は不可思議です。
どなたかわかる人いるでしょうか?
ども、最近は銀英伝の話題が多くてしょっちゅう顔を出しているKURです。
> ただ、その割には参謀が登場する場面が中盤以降ほとんどなかったり
> ヤンが指揮官だか参謀だかわからない行動をとってたり、同盟軍の指揮系統は不可思議です。
> どなたかわかる人いるでしょうか?
同盟で詳しく描写されているのはほとんどヤン艦隊のみですのでこれを例にとりますと、
参謀長はムライ中将です。まあ、これはよし。
ただ、副参謀長パトリチェフ少将以下
参謀ブラッドジョー(最終階級准将?)
参謀ラオ(同じく大佐?)
など、既に「どーでもいいや」状態です。
というか、ブラッドジョーなんて二巻の作戦会議で一回だけ顔を出しただけです。
作戦会議に呼ばれるほどの人物でありながら、以後、まったく登場しないと言う影の薄さです。
まあ、ヤンの場合、自分ひとりで作戦立案から戦闘指揮までやってしまうので、
参謀が必要ないのかもしれませんね。
もっとも、アムリッツァ戦以外では参謀の登場頻度が極端に低い気もするので、
よほどの大会戦でもないかぎり、ほとんど指揮官が処理してしまうのが通例なのかも。
蛇足ですが、私は銀英伝における幕僚という言葉の意味がいまだによくわかっていません(^^;;
最初は「次席幕僚」とか、参謀と同義なのかなあと思っていたのですが、
どうも部下一般を幕僚と呼ぶこともあるようで…うーん。
レスありがとうございました。
もちろんヤン艦隊に参謀がいるのは知ってます。でも、本来参謀の仕事までヤンが果たしているので、それほど活躍してるのか疑問です。
例えば、第3巻の「要塞対要塞」では、ヤンがハイネセンに召喚されたあと、参謀たちはイゼルローンの指揮を任されたキャゼルヌを補佐するのに失敗してます。ヤンが有能すぎたせいもありますが、参謀の存在理由が・・・・
同盟軍でもアムリッツァのイメージが強すぎましたが、よく考えると一時フォーク准将が指揮をとってただけで一般的に参謀の役割はほとんどないようです。アムリッツァで総参謀長だったグリーンヒル大将が具体的に参謀としての役割を果たしていたかというと疑問です。
中盤以降同盟軍に参謀がほとんど活躍しない理由ですが、たぶん2巻のグリーンヒル大将のクーデター失敗後、参謀本部がクーデターの原因とされ機能停止状態になってしまったのではないでしょうか?
どうやら「同盟軍は参謀制度が機能してない」というかなりトンデモな軍隊であるようです。
あくまでIFですが、もしフォーク准将が有能で1巻のアスターテ会戦の後あたりで参謀本部が指揮権を握って作戦を行っていたら、史実より同盟軍は善戦出来たのではないでしょうか?
#軍隊組織が旧日本軍に似てしまいますが。
銀英伝の世界では、同盟も帝国も、数世紀にわたって政治・軍事ともに進展のない小競り合いを繰り返してきていますよね。思うに、そうした状況ゆえに軍が腐敗・あるいは硬直化しているのが、指揮系統がはっきりしない事の原因ではないでしょうか。おそらくは両軍とも、前例・慣例・例外・不文律などでがんじがらめになって、まともに軍規が機能しない状況にあるのだと思います。
だからこそ、ラインハルトがちょっと改革してやった程度で、同盟も旧帝国も対応できずにあっさりやられてしまった、という事なんでしょう。