ルドルフは遺伝子主義者なわけですよね。
貴族とはいえ、自分以下の遺伝子と代々平均化されていくよりは、常に自分のクローンが跡を継いでいくほうを選ぶのでは?
と、思いました。
> ルドルフは遺伝子主義者なわけですよね。
> 貴族とはいえ、自分以下の遺伝子と代々平均化されていくよりは、常に自分のクローンが跡を継いでいくほうを選ぶのでは?
> と、思いました。
なかなか面白い着眼点ですね。理由としては、
1.当時の倫理感として人間のクローン作成が異常なものとして認識されており、ルドルフもその感性で行動したから
2.そもそもルドルフは、遺伝子を操作してどうこう…という発想自体が嫌いだったから。この場合、遺伝子治療を不可能とする劣悪遺伝子排除法も、ここに大元があったのかも。
3.自分の遺伝子の無謬性を信じていたから。つまり、自分の遺伝子を引き継いだ者は全て優れた者になると思いこんでいた(実際には奇形児も生まれているらしいが、狂信者がそんな事ぐらいで考えを曲げる訳がない(笑))
てなところでしょうかねえ?個人的には、3番が一番可能性ありそうかな?と思います。
執筆当時は今ほどクローンに関する技術は進んでなかったから・・・というお約束は置いておいて(笑)。
「宇宙の摂理は弱肉強食であり、適者生存、優勝劣敗である。人類社会もまた、
その例外ではありえない」と演説したほどのお人ですから、
クローン技術は「宇宙の摂理」に反する許しがたいことだと考えていたのかもしれません。
また、進化論的考えですから、やはり優秀な自分から無能な子孫が生まれるはずはないと信じていたんでしょう。
まあ蛇足ながら、もし今のテクノロジー情報をもとに銀英伝を書き直したら、
小説内の諸設定がどのように変わるのか、非常に面白そうですね。
> まあ蛇足ながら、もし今のテクノロジー情報をもとに銀英伝を書き直したら、
> 小説内の諸設定がどのように変わるのか、非常に面白そうですね。
「だいじょうぶ、死んでも生きられます。」byおきぬちゃん
状態になるだけのような気がしますが…
ラ「キルヒアイスの身体の再生まであとどのくらいかかる?」
シ「身体の成長には3年はかかるでしょう。処置が早かったので、
記憶の破損は最低限です。」
ラ「そうか…キルヒアイス、3年間のお別れだな。
また会うときまでにはおまえとの約束を果たしておくぞ。」
ミュ「陛下のご容態は?」
ミ「藪医者達が言うにはよくはないそうだ。だがこんな時のために
オーベルシュタインが作らせておいた陛下のコピー体がある。
早急に記憶の移植を行うことになるだろう。」
ユ「よかった…提督、生きかえってくれたんですね」
フ「こんなに人を心配させて…でも今回だけは許してあげる」
ヤ「やれやれ、たとえ死んでも簡単に休ませてはくれないようだな」
正式タイトルは忘れましたが
「未来ロボダルタニアス」というロボットアニメでは
クローンは人間として認められていませんでした
影武者や歩く提供用臓器などとして単なる生体部品扱いです
指導的立場に立つなど考えられないことでした
あえてこじつければ
銀英伝の世界も似たところがあるのでしょう
「地球防衛軍テラホークス」に登場する、ナインスタイン隊長を思い出してしまいましたよ私ゃ(^^;
クローンだの記憶も含めた肉体再生技術が存在した日には、「銀河英雄伝説」ワールドにおける「死」の重みがゼロになってしまいますなぁ。個人的には却下。
クローンの話題から外れてしまいますが、執筆当時(一般向けに)存在しなかった技術といえば、やはり筆頭はインターネット。これに類する、全銀河を結ぶ超光速コンピュータネットワーク網が存在していれば、戦闘・政治・経済状況に大きな影響を与えたように思います。
> 「地球防衛軍テラホークス」に登場する、ナインスタイン隊長を思い出してしまいましたよ私ゃ(^^;
私のイメージはファイブスターのF・U・ログナーですけどね。世代の違い…
> クローンだの記憶も含めた肉体再生技術が存在した日には、「銀河英雄伝説」ワールドにおける「死」の重みがゼロになってしまいますなぁ。個人的には却下。
死体が新鮮な内に回収されなければ記憶は戻らないということでどうでしょうか。戦死したら普通回収はできませんね。記憶のバックアップは不可ということで…
> クローンの話題から外れてしまいますが、執筆当時(一般向けに)存在しなかった技術といえば、やはり筆頭はインターネット。これに類する、全銀河を結ぶ超光速コンピュータネットワーク網が存在していれば、戦闘・政治・経済状況に大きな影響を与えたように思います。
そんなものが発明されたら、ルドルフの専制主義国家なんて成立するわけ無いと思うのですが(汗)。
私としては技術革新だけでなく、今日のようなイデオロギー対決ではなく、民族主義的な考え方の流行が気になりますね。宗教問題や民族対立のある銀英伝…なんだかな~
> > クローンだの記憶も含めた肉体再生技術が存在した日には、「銀河英雄伝説」ワールドにおける「死」の重みがゼロになってしまいますなぁ。個人的には却下。
>
> 死体が新鮮な内に回収されなければ記憶は戻らないということでどうでしょうか。戦死したら普通回収はできませんね。記憶のバックアップは不可ということで…
それ以前に、クローンだって育つのに普通の人間と同じ時間がかかる、という事実があるのですが…。記憶移植についても、脳内シナプスを自由に構成するのはほとんど不可能ですから、できるとすれば記憶を電子情報化して、それを対象に移植した脳内メモリにインストールする方法しか無いでしょう。しかも、この方法で人格まで移植できるかどうかは、かなり怪しいです。
と、いう訳で、「クローン人間に記憶移植で不死」というのはむちゃくちゃに技術が進まないと出来そうもありません。背景情報を見る限り、銀英伝世界程度では不可能でしょう。それこそ、FFS世界並まで行かないと、無理でしょうね。
結論。技術力不足により、銀英伝世界の死の重みは覆されません(笑)。
<1987年8月劇場版「わが征くは星の大海」製作発表資料より>
(前略)この作品を書くにあたって、私は、いくつかのチェックポイントをつくりました。
一、未来の人類どうしの抗争を、さらに未来から、歴史として振りかえる形式で書くこと。
二、異星人、キャラクターとしてのロボット、超能力者、サイボー グ、クローン人間などは、いっさい登場させないこと。
三、絶対善と絶対悪との対立、という形にしないこと。人類の抗争 は、つねに主観的な善どうしの戦いだったから。
四、ハードウェアよりソフトウェアを重視すること。機械や兵器の性能より、それを動かす人間の個性や能力を描写すること。
そういったものでした。実際に成功したかどうかはともかく、そう基本的なスタンスをさだめたのです。
(後略)
と言うのが作者としての事情の様です。「異星人、キャラクターとしてのロボット、超能力者、サイボーグ、クローン人間などは、いっさい登場させない」理由については書かれていませんが、クローン人間については、やはりモトラさんのおっしゃった「死の重みがゼロになってしまう」と言うのが物語の展開上の大きな理由なのだと思います。