考えたら、艦艇乗務員は何をしているのでしょう。バーミリオン星域会戦で示された数字を参考にすると、一隻あたり帝国軍は平均121名の乗務員、同盟軍は116名の乗務員となります。
空戦部隊や白兵部隊のことを考えると、これは意外と少ない人数かも知れませんが、艦艇乗務員は何のために乗り込んでいるのか、ますます分からなくなるような中途半端な人数です。
軍艦の目的(敵への攻撃)をラインとすると、このラインの部分はコンピューターに任せた方が反射神経もよく、完全無人化したほうがいいのではないでしょうか。もちろん、その場合のコンピューターは基礎部分はオフラインにする必要があるでしょうが。
ラインが無人化された場合、スタッフの人数もそんなには要らない筈です。せいぜい、メインテナンス、プログラマー、医療スタッフの他は司令部が数人いればいいということになりませんか。もちろん白兵部隊が存在するならばその分の人数が必要でしょうが、もしこの人数を100人くらいと規定すると、乗務員の殆どは白兵部隊の所属ということになります。
ローゼンリッターが専門職だったように、白兵戦になる機会がそうそうあるとは思えません。
もっと分からないのが空戦部隊です。これなんか完全に無人化した方が有利だし、わざわざ人間を乗り込ませる必然が分かりません。
一隻あたりの乗務員を10名くらいまでに抑えられれば、人的損失もそれだけ抑えられるのに、なかなかそうはいかないんでしょうか。
こんにちは、おなじみ古典SFファンです(笑)。
> 考えたら、艦艇乗務員は何をしているのでしょう。バーミリオン星域会戦で示された数字を参考にすると、一隻あたり帝国軍は平均121名の乗務員、同盟軍は116名の乗務員となります。
> 空戦部隊や白兵部隊のことを考えると、これは意外と少ない人数かも知れませんが、艦艇乗務員は何のために乗り込んでいるのか、ますます分からなくなるような中途半端な人数です。
> 軍艦の目的(敵への攻撃)をラインとすると、このラインの部分はコンピューターに任せた方が反射神経もよく、完全無人化したほうがいいのではないでしょうか。もちろん、その場合のコンピューターは基礎部分はオフラインにする必要があるでしょうが。
私の本業はシステム屋ですが、この種のロジックにはいつも抽象的問題がつきまといます。
「敵とは何か?」と云う認識の問題です。
無人戦闘を目的とするシステムを作り上げ、「標的はこれこれこういう外形の物体」と
設定したとしましょう。
艦艇のコンピュータに学習機能を持たせ、敵戦艦を狙い撃たせたとします。
恐らく狙いは正確だし、反射速度も人間とは比較にならないので、単なる射撃戦なら
大変な好成績を収めるはずです。
が・・コンピュータのレーダーの視野に「なんの変哲もない隕石」が入ってきたとすると、
コンピュータはこれをいちいち撃とうとは考えないでしょう。
機械は人間と違って無駄な事はしないし、想像力というものがない精神の持ち主ですから。
そして、意地の悪いシナリオであれば、その隕石が偽装した惑星破壊ミサイルだとか、
強襲揚陸艇である事が発見された時、既に防衛線は突破されてしまっている訳です(笑)。
隕石や、まぎらわしい物体や、ありとあらゆる疑わしいものを敵として狙えと
プログラムする事は可能です。
が、大概の場合そんな事をすると処理能力が尽きるか、エネルギーが尽きるか、
・・・かつて「バーサーカー」と云うシリーズ作品がありましたが、プログラムの
狂いにより、ありとあらゆる生物を「敵」として根絶する事を目的とするロボットの
大艦隊が出来上がってしまったりします。
(学習が進んだ結果、ロボットが偏って進化しすぎてしまったが故の事故です)
それと、テクノロジーが進歩した未来になれば分からないのですが、
われわれの世界には経験則があります。
「システム化しすぎたシステムは瞬時に陳腐化する」
つまり、ありとあらゆる事態を想定し、何もかも自動的に行えるように作りこんだ
システムは、それを構築した設計者の予想を超える事態に出会うと、たちまち
使い物にならなくなってしまうと云うことです。
そして、設計者は人間ですから、必ず予測を超えた事態が来ます。
というより、特に軍事に関しては、予測を超えた事態を作るべく「敵」が日夜努力
するであろうと考えるのが自然です。
そう云う時、優れたシステム構築者は、
「人間を最も良くサポートしながら、柔軟に人間の対応余地を残しておく」
ようなシステムを考え出すものです。
特に、人間の補充が利き辛い宇宙において、艦艇のシステムは、むしろ、故意に
システムに「遊び」を作っておき、「人間が足りなくなった時は出来る限り
自動システムが補助するが、基本的には人間が常に介入する余地を作っておく」
方が、基幹要員の予備を載せておく必要性も含め、論理的であるとも考えられます。
・・・人間を切り捨てるように、切り捨てるように構想されたシステムには
「遊び」が少なくなると云うのが、システム化が行われる時の経験則です。
特に戦争のような不条理な状況(予測を裏切る手を使ってくるのが日常)の
場合、「遊び(冗長性)」を過剰なほど確保しておくのが重要とも思われます。
> ラインが無人化された場合、スタッフの人数もそんなには要らない筈です。せいぜい、メインテナンス、プログラマー、医療スタッフの他は司令部が数人いればいいということになりませんか。もちろん白兵部隊が存在するならばその分の人数が必要でしょうが、もしこの人数を100人くらいと規定すると、乗務員の殆どは白兵部隊の所属ということになります。
> ローゼンリッターが専門職だったように、白兵戦になる機会がそうそうあるとは思えません。
> もっと分からないのが空戦部隊です。これなんか完全に無人化した方が有利だし、わざわざ人間を乗り込ませる必然が分かりません。
> 一隻あたりの乗務員を10名くらいまでに抑えられれば、人的損失もそれだけ抑えられるのに、なかなかそうはいかないんでしょうか。
空戦に関して云うと、確かに、標的さえきちんと識別できる状態なら、無人の
方が優れている可能性があります。
が、「何を狙って良いのか」分からない状態では、どうしても人間がそれを選ぶ必要が
ありますし(視野に入って、敵味方識別信号を出していないものを何でも撃っていい
わけではない)結局、機械が本来の意味で「人間的(生物的?)」な判断力を獲得
できない限り、人間が考える理想的な戦闘を完全に無人化するのは難しいのでは
ないでしょうか。
優馬です。
そういえば銀英伝世界には「人間そっくりの思考をする」ヒューマノイド・タイプのロボットは登場しませんなぁ。というか、単純労働に従事するロボットすら自立行動せずに人間に使われている。(確か「ロボット掃除機を操作して・・・」みたいな記述がありました。)
まぁこれは意図的に出してないらしいですけどね。
考察としては、「ワープ航法を可能にするような星間大文明が、なぜロボットを発明しなかったのか?」という問いは面白いかと思います。
(以前に議論されていたらごめんなさい。)
で、ヒューマノイド型ロボットがいないということは、古典SFファンさんのおっしゃるとおり、銀英伝のコンピュータというのは我々が使っているノイマン型の石頭とあんまり変わらないということなんでしょうね。だから、戦闘機にはやっぱり人間が載らなきゃいけない世界なのである、と。
> 考えたら、艦艇乗務員は何をしているのでしょう。バーミリオン星域会戦で示された数字を参考にすると、一隻あたり帝国軍は平均121名の乗務員、同盟軍は116名の乗務員となります。
> 軍艦の目的(敵への攻撃)をラインとすると、このラインの部分はコンピューターに任せた方が反射神経もよく、完全無人化したほうがいいのではないでしょうか。
> ラインが無人化された場合、スタッフの人数もそんなには要らない筈です。
> もっと分からないのが空戦部隊です。これなんか完全に無人化した方が有利だし、わざわざ人間を乗り込ませる必然が分かりません。
結局のところ、完全にはコンピューターに任せ切ることが出来ない、ということでしょうね。古典SFファンさんも書いていますが、索敵にしろ、敵味方識別にしろ、どんな技術にも対抗手段が存在するので、完全に自動化するのは無理で、せいぜいセミ・オートにしか出来ないのだと思います。
戦闘機(スパルタニアン,ワルキューレ)を無人化しないのも同じ理由でしょう。索敵が満足に出来ないのでは、ただのガラクタですからね。
ちなみに僕なりに乗組員の構成を考えると、駆逐艦程度の艦でも、艦長1名,情報担当士官2名,航法担当士官2名,火器担当士官2名,レーダー担当オペレーター2名,火器管制オペレーター5~10名(火器の数),通信オペレーター2~5名,機関士10~20名,主計官1名,医務担当官2~5名,コック1~2名,その他数名で、最低40名程度の人員が必要だと思います。これに、特殊な兵科である空戦部隊,陸戦部隊を加え、さらに規模の大きな戦艦・空母などのあることも考えると、平均120名程度というのは当たらずと言えども遠からずといったところではないでしょうか?
軍艦は二十四時間経営ですので、乗員は三交替制で勤務します、ですので乗員数は艦の運行に必要な数の三倍になります。
そうなると、戦闘中は乗員のうち三分の二が暇になりそうですが、実は彼らにも仕事があります。
彼らの仕事は、死傷者が出た場合はその者の代わりを務め、艦に穴があいた場合はその穴を塞ぎ、機械が壊された場合はそれを直し、直せない場合は総員の人力でそれを補完する事です。
このように損害を受けても戦闘能力を維持する事を、ダメージ・コントロール(損害管理)、略してダメコンといいます。
いくら自動化ができるからといっても、戦場で機械が万全に動いてくれるとは限りません、結局最後にものを言うのは人の力です。
ちなみに近代海軍の陸戦要員はこれらの余剰要員から臨時に編成されるのが常でした(これから強襲上陸部隊として特化したのが海兵隊です)、ですので銀英伝の艦にも専門の陸戦部隊があるのではなく、手空きの乗員によって臨時に編成されるものだと思います。
> (視野に入って、敵味方識別信号を出していないものを何でも撃っていいわけではない)
イージス・システムは正にこれですね、「All weapons free」を発令すると、敵味方識別信号を出してない物は撃たれてしまいます(脅威度が低いと無視しますが)、お陰で民間機を撃墜した事がありました。
> もっと分からないのが空戦部隊です。これなんか完全に無人化した方が有利だし、わざわざ人間を乗り込ませる必然が分かりません。
軍艦の人員削減が難しいことは判りましたが。空戦部隊に関してはやっぱり無人機は魅力的だと思います。長所は、
1 20G30Gといったでたらめな加速による有人機では追随不可能な高機動戦闘が可能。
2 パイロットの育成費用が浮く。また全機に最高のプログラムを搭載可能。
3 コックピットや生命維持装置がないので軽量化できる。また根本から設計を見直すことにより大幅な小型化の可能性もある。
無論短所もあるでしょうが改良を重ねれば補えますし、有人機と組み合わせるというやり方もあります。
何で無人機は出てこないのでしょうか?パイロットたちが優秀で無人機の出番がないのでしょうか?でも、ポプランが出てくるまで一騎打ちが空戦の基本だったしなあ。
古典SFファン様、
大変に興味深い問題提議をしていただき、ありがとうございます。私もシステム屋で、産業ロボットの開発プロジェクトに加わったこともあり、大金を投じて開発したロボットが、結局「パートのおばさん」との競争に敗れて退場した例をいくつも見ました。最近は、本物のロボットだけでなく、人間をロボットのように働かせるベルトコンベアラインすら時代遅れになりつつあり、人間のフレキシビリティを最大限に活かす生産形態が勢力を伸ばしています。そうなる理由は、ほぼ古典SFファン様が述べておられるとおりだと思います。
ただ、それは工場での生産や会社の業務など、長期にわたって継続するオペレーションの場合にいえることで、戦争となると、少しの戦力差が損害の差になり、それがさらなる戦力差になることで、雪崩式ににワンサイドゲームになるため、もしも
>艦艇のコンピュータに学習機能を持たせ、敵戦艦を狙い撃たせたとします。
>恐らく狙いは正確だし、反射速度も人間とは比較にならないので、単なる
>射撃戦なら大変な好成績を収めるはずです。
という状態が初めからあった場合、
>設計者の予想を超える事態
を生じる前に勝負が決してしまう場合が多いのではないでしょうか?特に海の戦いは(宇宙も同じだと思いますが)、地形を利用して優位に立つことができず、互いに自分の姿をさらして射ち合うため、その傾向が顕著だという話を読んだことがあります。例えば日本海海戦は三十分で大局が決したとか。(「坂の上の雲」より)
つまりは、戦闘開始直後に最大のエネルギーを投入し、極論すれば
>視野に入って、敵味方識別信号を出していないものを何でも撃
った方が、相手に損害を与えて優位に立ち、わずかでも優位に立った方が、たちまちそれを拡大し、最終的には、エネルギーも砲弾もそして人員も、少ない損耗で成果をあげるのではないかと思います。早い話が、自動小銃と狙撃銃では、自動小銃の方がはるかに弾薬の浪費をするが、開けた場所で両者が射ち合ったら、万に一つも狙撃銃に勝ち目がないでしょう。
ちなみに、
>隕石が偽装した惑星破壊ミサイルだとか、強襲揚陸艇
という兵器の有効性は、私には疑問です。戦闘中の艦船は一箇所にとどまることはなく、通常最大戦速で移動しているはずで、ミサイルや強襲揚陸艇はまっすぐ進めばよいのでなく、これらの相手を追い回さねばなりません。いくら見た目が隕石でも、これでは一発で見破られてしまいます。
私が何を言いたいかといえば、古典SFファン様の言われることは充分承知の上で、戦争特に海(宇宙)の戦いは、わりと単純な、射撃速度と精度だけを競うもので、自動化が威力を発揮する典型的な場ではないか、ということです。
> つまりは、戦闘開始直後に最大のエネルギーを投入し、極論すれば
>
> >視野に入って、敵味方識別信号を出していないものを何でも撃
>
> った方が、相手に損害を与えて優位に立ち、わずかでも優位に立った方が、たちまちそれを拡大し、最終的には、エネルギーも砲弾もそして人員も、少ない損耗で成果をあげるのではないかと思います。早い話が、自動小銃と狙撃銃では、自動小銃の方がはるかに弾薬の浪費をするが、開けた場所で両者が射ち合ったら、万に一つも狙撃銃に勝ち目がないでしょう。
無差別攻撃が当たるなら、確かに先手必勝だと思います。
が、当たらない無差別攻撃は自滅を招きます。
(どれほど多量に物資を積んでも、無駄撃ちしすぎれば枯渇するので・・)
このアナロジーは「単純な射撃戦」と云う想定が通用するシーンが
どのくらいあるのかで、重さが大きく変わってしまうと思います。
海戦では「単純な射撃戦」が成立し、大艦巨砲主義が発達しました。
が、宇宙戦闘には、海戦と違う部分が幾つもあります。
まず、次元が一つ多く、3次元戦闘が前提である事。
さらに、開けた場所での精密射撃を可能にする、視界やレーダーの
効力を制限する手段(ステルス技術やECM)が存在する事。
そして、戦闘する艦艇のベクトルの相違けた違いに大きい事です。
これらを全てクリアして、なお「敵に上手く当てられる」だけの
連射・乱射が可能な場合、先手必勝でしょう。
ちなみに、銀英伝では使われていませんでしたが、機動戦士ガンダムでは
「レーダーを妨害した後、遠目には外形で艦艇やモビルスーツと
見分けがつきにくいダミーバルーンをばら撒く」と云う方法で、
敵の弾幕を分散させていたようです。
> ちなみに、
>
> >隕石が偽装した惑星破壊ミサイルだとか、強襲揚陸艇
>
> という兵器の有効性は、私には疑問です。戦闘中の艦船は一箇所にとどまることはなく、通常最大戦速で移動しているはずで、ミサイルや強襲揚陸艇はまっすぐ進めばよいのでなく、これらの相手を追い回さねばなりません。いくら見た目が隕石でも、これでは一発で見破られてしまいます。
まぎらわしい書き方をして申し訳ありません。
私の知るこの2種の兵器は、その名の通り原則として固定目標に用いるものです。
惑星破壊ミサイルは文字通り惑星に落下していけば用を成します。
強襲揚陸艇は対艦戦闘が主ではなく、対惑星・対要塞・対基地用です。
例えば「超人ロック」で使用されたジオイド弾は反物質爆弾で、惑星の
地殻の下に潜り込んだ後爆発し、惑星全体を崩壊させるものです。
(銀英伝には惑星破壊ミサイルはないです)
強襲揚陸艇は対艦戦闘では制圧戦でしか使われず、敵艦を破壊する事が
目的の艦隊戦ではあまり出番がない兵器です。
元々この種の艦艇は前線を封鎖する艦隊の目を誤魔化して、その背後に
ある基地や惑星に降下し、白兵戦で制圧するような使われ方です。
ちなみに、船を狙うのであれば、スタートレックで使用された完全な
ステルス技術である「遮蔽装置」が有効です。
光や探知波を重力場で屈曲させて船を透明化し、全く探知されずに
敵艦に接近し、光子魚雷もしくは艦砲の零距離射撃によって破壊する
のが、その使用方法です。
(このタイプの船には無差別射撃が効きにくいです。高速移動する
物体を狙わずに当てられるほど、宇宙空間は狭くないので・・・)
弱点は、遮蔽効果に用いる莫大なエネルギーのため、主砲もしくは
光子魚雷の発射の一瞬前には遮蔽を解除しなければならない事と、
光は曲げられてもタキオンは曲げられないので、タキオンネットには
探知されてしまう事。
もっとも、タキオンは直進性が強すぎるのが長所と弱点の両方に
なっていて、複数の船でリレーしないとネットが作れない事になって
いました。
> 私が何を言いたいかといえば、古典SFファン様の言われることは充分承知の上で、戦争特に海(宇宙)の戦いは、わりと単純な、射撃速度と精度だけを競うもので、自動化が威力を発揮する典型的な場ではないか、ということです。
レーダー連動の精密射撃が使える場合には多分、そうなります。
砲手は発射時期をコントロールする程度で、艦砲は原則自動追尾で
敵を狙撃するようになるでしょう。
が、そこは、現在でも「レーダーを使えないようにする」事に
血道を上げる軍事技術者もいるし、スタートレックであったように
「有視界探知も効かない宇宙船」を作ろうという発想もある訳で、
テクノロジーの進歩により前提条件が無効になる世界では、
勝負がどう転んでいくか予測するのは、面白いが決定打が出ない
ゲームとなってしまいますかねえ・・。
こんにちは、ただの呟きにこんなにレスを付けてくださって、みなさん本当にありがとうございます。
私は根っからの文系で、コンピューターのことは詳しくないんですが、そうですね、定義の問題がありましたね。これは確かに結構厄介です。
しかし定義をつけなければどうでしょうか。
敵を認定した過去の事例、数千、数万のデータを入れておくと言うのは駄目ですか。定義ではなく、シチュエイションで判断させるというのはどうでしょう。
何と言いますかプロファイリングというとちょっと違うかな。文字を追うんじゃなくて絵を見るというか。
その過去の判例(のようなもの)でAIが判断がつかない場合は人間であっても判断がつかないんじゃないでしょうか。
翻訳ソフトでは単語を逐語訳していくのは使えないそうですが、文例をいっぱい溜め込んでおいて、類似の文章を選ぶシステムだと案外、スムーズに転換できるそうです。私が言いたいのもそんな感じですが。
乗務員が三交代というのは盲点でした。これは吉良国さんのご指摘だったでしょうか。そうですよね、8時間勤務が基本ですもんね。そうなると乗員120名程度というのも妥当かもしれません。
> しかし定義をつけなければどうでしょうか。
> 敵を認定した過去の事例、数千、数万のデータを入れておくと言うのは駄目ですか。定義ではなく、シチュエイションで判断させるというのはどうでしょう。
> 何と言いますかプロファイリングというとちょっと違うかな。文字を追うんじゃなくて絵を見るというか。
> その過去の判例(のようなもの)でAIが判断がつかない場合は人間であっても判断がつかないんじゃないでしょうか。
この辺のことは、今のシステム屋にもわからないです・・・。
現行のコンピュータとのアナロジーは可能なんですが、そうでない
場合、何かの推論を正とも否とも判断しかねますので・・・。
> 翻訳ソフトでは単語を逐語訳していくのは使えないそうですが、文例をいっぱい溜め込んでおいて、類似の文章を選ぶシステムだと案外、スムーズに転換できるそうです。私が言いたいのもそんな感じですが。
この種のプログラムを作る方法は幾つか学んだんですが・・・。
「類似する文章を選ぶ」アルゴリズム(考え方や手続き)そのものが
既に「定義づけ」や「評価」を含みます。
文節を一つ判断する毎にポイント付けを行うか、文全体のパターンを
走査してポイント付けや分岐を行うか、文脈全体を判断する辞書を使うか、
方法は沢山あるのですが、いかんせん広義の「判断」と「定義づけ」を
せずにこの種の判断をさせると、コンピュータはデタラメな目標を
攻撃する可能性があります。
(翻訳ソフトの例えで言うと「全く意味の違う文章を拾ってくる可能性が高まる」)
データベースに「ポイント何点以上は敵」とか、「こういうのは味方」
とか判断する基準がないと、・・・イージスの方でレスをつけて
くださった方がおられましたが、「敵味方識別信号のない物体は
全て撃て」と判断するかも・・・。
もしもこの判断基準を与えず、勝手に認識形成を行うようなシステムを
作っておくと、あらゆるものを敵と判断した「バーサーカー」に
襲われる可能性が(--;;;
> 軍艦の人員削減が難しいことは判りましたが。空戦部隊に関してはやっぱり無人機は魅力的だと思います。長所は、
>
> 1 20G30Gといったでたらめな加速による有人機では追随不可能な高機動戦闘が可能。
> 2 パイロットの育成費用が浮く。また全機に最高のプログラムを搭載可能。
> 3 コックピットや生命維持装置がないので軽量化できる。また根本から設計を見直すことにより大幅な小型化の可能性もある。
>
> 無論短所もあるでしょうが改良を重ねれば補えますし、有人機と組み合わせるというやり方もあります。
高度なミサイルや自動攻撃機・自動砲台の複合体ですね。
これは確かに魅惑的だと思います。
戦場単位での完全な無人化は無理かも知れませんが、有人機との
組み合わせでかなり魅惑的なオプションにはなるはずです。
・・例えば、味方機からの簡単な指示で自律行動する支援機とか。
「敵味方識別」の問題は常に付きまとうんですが、「大体」で
いいなら使える武装が出来上がる可能性はあります。
> 何で無人機は出てこないのでしょうか?パイロットたちが優秀で無人機の出番がないのでしょうか?でも、ポプランが出てくるまで一騎打ちが空戦の基本だったしなあ。
「格好よくないから」(笑)という理由もあるんでしょうが・・・・。
無人機を大量に運用するような戦闘を、過去の事例から類推できない
という点もあるんじゃないでしょうか。
作者は過去の陸・海・空戦の例から宇宙戦闘を「格好良く」描ける
戦場を作り出しましたが、無人機を多量に使う戦いは非常に無機的で
あまり格好よくない可能性がありますし(笑)、そも、過去の事例から
結果を類推できず、たちまち突っ込まれてしまうと判断したとか(あわわ・・)。
> > 何で無人機は出てこないのでしょうか?パイロットたちが優秀で無人機の出番がないのでしょうか?でも、ポプランが出てくるまで一騎打ちが空戦の基本だったしなあ。
> 「格好よくないから」(笑)という理由もあるんでしょうが・・・・。
それを言ったらおしまいです(笑)。
まぁ田中先生が銀英伝で書きたかったのは人の戦争でしょう、自律兵器を出してしまったらそれが書けなくなりますから仕方ないと思います(と好意的に考えておこう 笑)。
設定としては自律兵器に使えそうなコンピューターが開発できなかったと言ってしまえば簡単ですが、これは無理があると思います、なぜならすでに自律兵器が現実の物になろうとしているからです。
現在、アメリカが開発中の戦闘機F-35は、航空ファンの間で「最後の有人戦闘機」と呼ばれています、それは今世紀後半には無人機が部隊配置されると予測されているからです(この無人機の雛型になる実験機はすでに製作されています)。
ですので自律兵器が実用化できない理由を作る必要があります。
そこでルドルフ大帝です、彼は自動化や機械化が嫌いです、自律兵器の運用や開発など認めるはずもありません、その結果、自律兵器の技術は失われ人間が戦うようになった、というのはどうでしょうか。
> ですので自律兵器が実用化できない理由を作る必要があります。
> そこでルドルフ大帝です、彼は自動化や機械化が嫌いです、自律兵器の運用や開発など認めるはずもありません、その結果、自律兵器の技術は失われ人間が戦うようになった、というのはどうでしょうか。
・・・・確か彼は自分の宮殿のバカ長い階段をわざわざ足で上り下りする変人だったような記憶がありますが・・・
もしかしたら(笑)。
古典SFファン様、
丁寧なレスをいただき、また「ガンダム」や「超人ロック」など、私が見たことがない(と、いうのはひょっとしてすごく恥ずかしいことなのでしょうか)作品の紹介までしていただき、ありがとうございます。
結局この問題は、物語の中でどんなテクノロジーが前提になっているかで、結論がまったく異なるのでしょうね。
以下は、いちSFファン(私が好きなのは、アジモフ、M・クライトン、スタートレック)として、古典SFファン様のいくつかの指摘に、好奇心を刺激された結果のコメントです。こういう議論は実に楽しいですね。
>宇宙戦闘には、海戦と違う部分が幾つもあります。
>まず、次元が一つ多く、3次元戦闘が前提である事。
射撃制御という点では、どちらも3次元ではないでしょうか?海戦では大砲を平面座標上の敵の方角へ向け、さらに着弾距離を合わせるため仰角を調整します。宇宙戦では、射出された砲弾がどこまでも直進するので、距離を考慮する必要がなく、3次元の角度のみの制御となるでしょう。
>視界やレーダーの効力を制限する手段(ステルス技術やECM)
可視光線や電波を吸収したり、逆に強力な光や電波を放出して敵が必要とする光・電波を「埋もれさせてしまう」手段のことですね。その有効性は分かるのですが、ただ、光や電波の信号自体を無力化した場合、機械センサの代わりに人間の搭乗員がいても役に立たないのではないでしょうか?人間だって眼で光を捉えてものを見るのだし、単純な「受光能力」の比較では、人間は機械に敵わないでしょう。古典SFファン様が言われるように、人間が機械よりも優れるのは、「予想を超える事態」に対応する力、言い換えれば情報処理能力のはずですから。
>そして、戦闘する艦艇のベクトルの相違けた違いに大きい事です。
「艦艇のベクトルが大きい」とは、艦艇の数が多いという意味でしょうか?これは、宇宙戦一般というより、銀英伝の特徴ですね。
>(銀英伝には惑星破壊ミサイルはないです)
たしか、オーベルシュタインが最後に地球教徒をおびき出すのに、「地球そのものを破壊する」という偽情報を流さなかったでしょうか?その情報をド・ヴィリエたちが信じたからには、少なくともそういう技術はありそうですね。
>スタートレックで使用された完全なステルス技術である「遮蔽装置」
まってました!大好きなクローキング・デバイス!
鳥を思わせる形状のクリンゴンの戦闘艦が、「ゆらり」と波打って、次の瞬間には見えなくなる。スタートレックの映像の中でも、あれほど「かっこいい」場面はない!
ただ、H・G・ウェルズが「透明人間」を書いて以来ずっと指摘されてきたことですが、光を屈曲させたり、肉体を構成する物質の屈折率を調整して「透明」になると、透明人間自身も周囲が見えなくなるので、結局のところ敵に対する優位にはならないといいます。と、いうより、敵は透明人間以外は見えるが、透明人間は自分以外何も見えないので、圧倒的に不利です。「透明人間になったら何をしたい?」という質問に、公衆浴場の「自分が入れない側」への侵入を挙げる不届者があとを絶ちませんが、侵入したところで、「見たいもの」は見えません。
以上、SFファンの「お遊び」の議論でした。:-)
こんにちは。
> 射撃制御という点では、どちらも3次元ではないでしょうか?海戦では大砲を平面座標上の敵の方角へ向け、さらに着弾距離を合わせるため仰角を調整します。宇宙戦では、射出された砲弾がどこまでも直進するので、距離を考慮する必要がなく、3次元の角度のみの制御となるでしょう。
この辺はベクトルがらみの説明が必要となると思います。
ベクトルは「速度」と「向き」が一体となった数学的概念です。
ベクトルとワールド座標系を使わないと、3次元戦闘を正しく掴むことも、
それに対応する射撃管制システムを開発する事も出来ません。
海戦でもベクトルを意識した射撃管制はやっていると思います(レーダーを使って立体的な位置を掴むことが可能ですので)。
が、砲撃にせよ対空射撃管制にせよ、撃つべき敵と狙いを付ける自分の
位置関係は、平面状でしか移動しない(出来ない)艦艇の場合、
宇宙戦艦と比べて著しくシンプルで、射撃管制の概念も大きく異なるでしょう。
どっちかと言うと宇宙戦闘の射撃管制は空戦に近く、空戦よりも
選択できるベクトルの関係が複雑になり得ると考えます。
> >視界やレーダーの効力を制限する手段(ステルス技術やECM)
>
> 可視光線や電波を吸収したり、逆に強力な光や電波を放出して敵が必要とする光・電波を「埋もれさせてしまう」手段のことですね。その有効性は分かるのですが、ただ、光や電波の信号自体を無力化した場合、機械センサの代わりに人間の搭乗員がいても役に立たないのではないでしょうか?人間だって眼で光を捉えてものを見るのだし、単純な「受光能力」の比較では、人間は機械に敵わないでしょう。古典SFファン様が言われるように、人間が機械よりも優れるのは、「予想を超える事態」に対応する力、言い換えれば情報処理能力のはずですから。
「完全に情報が遮断された」状態では、両者(人と機械)に差異はないでしょう。
従って比較すべき点もないと。
「不完全な情報しか届かない」ケースに絞ってみると、受光能力は
光感知素子の方がいいと思います。
しかし、人間の「肉眼」と言っても、視覚補助装置を使う事は容易に
出来ますので(スターライトスコープも高度に発達していると考えら
れますので)大きく受光能力が劣る状況ばかりと考えるのは妥当とは
いえないかと。
さらに、「光を感知する」と「見る」の間には非常に大きな違いがあります。
(物体の外形を判断するために、人間は左右の目で感知した像を脳で
立体化する処理を行っています。)
これは、単純に人間と機械のどちらが優れているという問題ではなく、
その時点の探知技術と妨害技術の狭間で、漏れてくるデータを処理
した結果、人と機械のどちらが上手くやるかというケーススタディの
問題となると思います。
従ってこれも、背景となる技術の水準や方向性で、さいころがどこに
転ぶかが大きく異なる問題ではないでしょうか。
・・人が作るシステムが、最後に人の判断を介入させる傾向があるのは、
そう云う面倒な状況下では、人が結構上手くやるという経験則がある
からという気はしますが(笑)。
> >そして、戦闘する艦艇のベクトルの相違けた違いに大きい事です。
>
> 「艦艇のベクトルが大きい」とは、艦艇の数が多いという意味でしょうか?これは、宇宙戦一般というより、銀英伝の特徴ですね。
ベクトルについては前述。
艦隊陣形を組んでいる間はベクトルの関係はシンプルですが、
艦艇の数が多く、位置関係も相対速度もばらばらになってくる乱戦時は
射撃管制が難しくなるのではないかと。
> >(銀英伝には惑星破壊ミサイルはないです)
>
> たしか、オーベルシュタインが最後に地球教徒をおびき出すのに、「地球そのものを破壊する」という偽情報を流さなかったでしょうか?その情報をド・ヴィリエたちが信じたからには、少なくともそういう技術はありそうですね。
反物質爆弾はないようですので、やはりアレではないでしょうか・・
制宙権を奪取した後、小天体や巨大な氷に加速を与えて突っ込ませる
方法を応用できると思います。
比喩的な言い方ですが、「地表」を破壊し尽くすには十分です。
さらに過激な手を云えば、月を地球に落とせば、地球は事実上破壊し
尽くされるでしょう。
月を動かすには他の小天体を衝突させる手が使えます。
・・・洒落にならない手ですが、やりようによっては実行可能かと。
核融合では、地上を焼くには足りますが、惑星破壊にはちょっと
足りないと思いますので。
> ただ、H・G・ウェルズが「透明人間」を書いて以来ずっと指摘されてきたことですが、光を屈曲させたり、肉体を構成する物質の屈折率を調整して「透明」になると、透明人間自身も周囲が見えなくなるので、結局のところ敵に対する優位にはならないといいます。と、いうより、敵は透明人間以外は見えるが、透明人間は自分以外何も見えないので、圧倒的に不利です。「透明人間になったら何をしたい?」という質問に、公衆浴場の「自分が入れない側」への侵入を挙げる不届者があとを絶ちませんが、侵入したところで、「見たいもの」は見えません。
「スタートレック科学技術解説」のページによりますと、
遮蔽装置はそのような難点を全て解決しているようです。
遮蔽装置は、非常に精密な重力操作で艦艇の周辺の空間を曲げ、光や
探知波を「滑らかに」屈曲させて、艦艇に当たらぬよう後方に「流して」しまう技術のようです。
それには莫大な動力が必要ですが、連邦艦は反物質から、ロムラン艦は
マイクロ・ブラック・ホールからそれを得ています。
光を屈曲させると周囲のものが見えなくなるという問題には、
「走査は出来ないが、受信する分には問題ない」
と書いてあったので、要するにレーダーは使えないが、完全に光を
屈曲させず、一部をセンサーに受けているのではないかと。
つまり、センサー部はごくごく薄ぼんやりと見える可能性が
あることになりますが、それは探知不能なほど小さくできるのでは
ないでしょうか(例えば数ミリ?・・現代の技術でも、そのような
センサーはありますね)。
特に宇宙空間では、光を反射せず受けるだけの小さなセンサーが、
さらに遮蔽効果の働いた状態でぼんやりとしか見えないとしたら、
まず発見不能と言っても良いでしょう。
この遮蔽効果には、
「光を曲げるために、曲がった後の光にはごく僅かな周波数の変化が生じる」
という固有の弱点があります(それが、あの「ぼうっと外形が見える」
遮蔽解除直前の状況になるものと思われます)。
タキオン・ネットで遮蔽艦を探知する方式は、この周波数の変化を
利用する(ヘテロダイン式のレーダーに似ている)ものとの事です。
光を使ってもいいんでしょうが、超光速探知でないとまず、足の速い
戦闘艇には追いつけないんでしょうな。
レスありがとうございます。
まず、海戦と宇宙戦の射撃制御について。
どうも、数学的な検証を行わず、言葉だけで議論しているので、話が正しくかみ合っているか不安があるのですが・・・
私が言いたかったのは、宇宙戦で敵を狙い撃つ場合に、本当に相手の3次元的な位置と速度を把握する必要があるのだろうか?ということでした。ポイントは、宇宙空間を飛ぶ砲弾はどこまでも直進する、という点にあります。よって、射撃する側は、自分の周りに球面を想定し、そこに投影される敵影の赤経赤緯座標へ向けて中性子弾なりビームなりを飛ばせばよく、敵までの実距離が10万キロだろうが20万キロだろうが、砲弾の速度に比べて無視できる違いなら問題にならないのに対し、海戦では砲弾が放物線を描くので、敵までの距離を正しく知る必要がある。つまり、海戦では海面という平面上の座標の把握なのに対して、宇宙戦では、天球面上の赤経赤緯座標の把握であり、次元の数はどちらも「2」ではなかろうか、と考えたのです。
遮蔽装置で自分は姿を消しながら、敵の姿を捉えるトリック、納得しました。
別の問題が頭に浮かびました。一つは光を激しく曲げるほど大きな重力場を作ると、今度はその重力を感知されるのではないか、という点です。
もう一つは、もっとややこしい話になります。重力場を操作して、あたかもそこに巨大質量があるような状態を作り、光を曲げたとき、その光を受けた側にはどのような光景が見えるでしょう?ここで、重力場を操作して光を曲げる艦船をA、その敵側の艦船をBとします。
Aが作る重力場が、あたかも一個の巨大質量があるようなものである場合、遮蔽装置にはなりません。これは、一般相対論を実験的に証明した日蝕の観測と同様、本来Aの背後に位置する物体が、Aの傍らにあるように見えるだけで、A自体は丸見えです。
そこにAがいないように見せるには、次のような重力場が必要でしょう。
まず、Aの背後からきた光がAに達する直前に、Aを避けるようにカーブさせる必要があります。これは光を「外側へ引っ張る」のだから、おそらくBから見てAの周囲に位置するドーナツ型の「質量」になるのでしょうが、あまりにもややこしくなりすぎるので、ここでは「反重力」を認めましょう。Bから見たAの背後には、この「反質量」の塊が存在します。
次に、いったん広がった光が、そのまま広がりっぱなしにならないように、今度は内側へ曲げる「質量」が必要です。これは、A自身が巨大質量になれば(なったような重力場を作れば)、可能でしょう。
そして、内側へ曲げられた光が、AとBの間で収束したとき、再度これを外側へ曲げて、一番初めの軌道とそろえてやる必要があります。外側へ曲げるのだから、やはり「反質量」です。
1番目の反質量と、Aと、2番目の反質量は、AとBを結ぶ軸線上に並ぶ必要があります。
ここで問題です。上のような重力場を作れば、Bから見たAを透明にすることはできるかもしれません。それでは、Aから見てBより15度ずれた方角にいるCには、Aはどう見えるでしょう?上に述べた重力場ではCに対してAを透明にすることはできません。AとCを結ぶ軸線上に、上記とまったく同様の「反質量-質量-反質量」ラインを作らなければ無理です。そして、これと同じ事を、すべての角度に対して、少なくともその戦闘に参加している、すべての敵艦に対して行う必要があります。
問題は、そんなことが技術的にできるかどうかではなく、そもそも幾何学的にそんな形状がありうるか、です。
要するに、どの方向から見てもAを透明にするには、Aの周囲の空間の歪曲形状が、どの方向から見ても同じでなければなりません。3次元空間において、そのような形状は球形だけであり、それでは最初に述べた、太陽の場合と同じになります。