はじめまして。やっと過去ログを読み終えました。田中芳樹の作品、特に創竜伝に対しての皆さんの厳しいご意見に新鮮な気持ちでいます。
私は小6の時に銀英伝を読み始め、以来、アルスラーン戦記、創竜伝、マヴァール年代記、「夏の魔術」シリーズ、タイタニアなどなど、「田中芳樹作品」を見つける毎に読んできました。「隋唐演義」も読破しました。いまだに筋金入りの田中芳樹ファンです。
銀英伝と比較すると、確かに創竜伝の政治批評めいた描写の多さ、ストーリーの展開など、「なんだかなあ」と言いたくなることは多いです。新刊を今か今かと待ちわびる身としても、それは感じます。
しかし私にとって創竜伝は文句抜きに面白く読める作品でもあります。こういう読み方が良くないのかもしれませんが、それこそ深く考えずに、ひたすらストーリーを追って楽しんでいるわけです。
いつも「考える読書」を要求される身には、(文学部の学生でして)あれくらい荒唐無稽な話はいい息抜きになるわけです。あの政治批評めいた部分も「よた話」だと思えば気になりません。
しかし、以前の書き込みに「元気でかっこいい男の子を4人以上だせば読者には受けますよ」というのがありましたよね。さらに「辛辣なセリフを吐く美青年」とか「危険な香りのする美青年」のこととか。
これにはまったく反論できません。(^^;)
みごとに田中氏の策に引っかかってるようですが、私が楽しみで小説を読む時には、会話のテンポとキャラクターを重視して読むものを選んでますので。そもそも創竜伝を読み始めたきっかけが「毒舌家の美青年」が出てくることを知ったからですし。
だから、私が田中氏に大声で言いたいことはただ一つ、
「シリーズの続きを書いて下さい」
ということだけです。あの遅筆だけはどうにかして頂きたいと思います。
>しかし私にとって創竜伝は文句抜きに面白く
>読める作品でもあります。こういう読み方が
>良くないのかもしれませんが、それこそ深く考えずに、ひたすらストーリーを追って楽しんでいるわけです。
>いつも「考える読書」を要求される身には、(文学部の学生でして)あれくらい荒唐無稽
>な話はいい息抜きになるわけです。あの政治
>批評めいた部分も「よた話」だと思えば
>気になりません。
「よた話」だとでも思わないと気になってしまうかも(^_^;)
まあ、ノベルスというのは消費物ですから、これはこれで然るべき読まれ方だと思います(でもノベルスを差別するのはイカン、とかセンセが言い出すのは、ちょっと、ねぇ。だったら差別されないような内容で書けよ、とか思います。銀英伝のように)
初めて書き込みをさせていただきます。
このHPには始めてきたのですが、田中作品を読んでずっと引っかかってきた事が全て解きほぐされたような気がしました。
そうじゃないかなぁ、と思いつつ実証も挙げられないので深く考えなかったのですがやはりあれは『偏っている』のですね(笑)
田中作品はまず悪名高い(笑)『創竜伝』から入り(でもやっぱり一番これが好きなんですけどね。)、小品を除いては殆ど読んだつもりでしたが、『纐纈城綺譚』のころから「あれ?この人ってこんなに面白くない本書く人だったっけ・・・?」と思い、「薬師寺涼子」(あまりのパクリに読んでて恥ずかしかったですが。)においては「・・・?」としか。
しかしまぁ悲しいかな私の人生に一番影響の大きかったのは始さんです。おかげで立派に高校世界史教師の免状ももらいました(苦笑)(『ゴー宣』も読んだしな。)まぁそのおかげで理論の破綻もわかったんですが。前々から始さんは何であんなに教養がある(事になっている)のに日本の古典や西洋の哲学とかには詳しくないのかな、と。当たり前か、作者が知らないんだから(ルソーを引き合いに出す始さんとか見てみたいけど。笑)ほかにも今になって読み返してみるとツッコミを入れたいところがたくさんあります。ちなみに授業理論に関してだけは結構いいことを言っていたぞ、始さん。(ただ実践がすっごいむずかしいので現場の先生に言うと多分‘じゃぁお前やってみろ~!!’と言われますが。
でもまぁ・・・反論がでるって事はそれだけ読まれているんでしょうねぇ。実際まだ面白いとは思うんです、私も。
それでは。私見ばかりの長文レスでごめんなさい。
>雨野 とりせ さん
初めまして。
>田中作品はまず悪名高い(笑)『創竜伝』から入り(でもやっぱり一番これが好きなんですけどね
>実際まだ面白いとは思うんです、私も。
作品の「良い悪い・出来不出来」と、「面白い・つまらない」は別の判断基準で考えていいと思います。このあたりをごっちゃにしている評論家とかもいるんですけど、「出来不出来」は理論的な問題「面白い・つまらない」は感覚的な問題で、必ずしも一致するものではないのですよね。マズいと分かり切っているジャンクフードが恋しくなったり、毎回相変わらず代わり映えのしない消費音楽が心に焼き付いたり、そういう不条理を人間は持っていると思います。
私個人としては創竜伝は「つまらない」と思いますが、そのことをもって批判したことは無いと思います。
批評の本やサイトなどで、せっかく良い批判をしているにもかかわらず、「あんな本を面白いと思うなんてよっぽど読書経験が貧しいんじゃない?」と言ったが為にすべてが台無しになった批評をいくつか見てきました。問題は経験や能力の多さではなくて、「好み」というなんとも不条理なものだと思います。