> < それと、ヤンはクーデターの可能性についてユリアン以外には話さなかったのでしょうか。
> フレデリカが知っていたら、父親の動きに何か怪しい物を感じ取ったかも知れません。
> もしかすると後の悲劇が未然に防げたかも知れません。 >
>
> あの……ヤンはクーデターの可能性について、七九七年三月一九日の夜にビュコックとユリアンに話したことは、「5585のログのデータA-1と5592のA-2」に。
> クブルスリー統合作戦本部長暗殺未遂事件が起きた三月三〇日の夜にフレデリカ、リンツ、ポプラン、コーネフ、ラン・ホーに話していることは、「5592のログのデータH」に、私はすでに書き込んでいるんですけど……(-_-;)
すいません。言葉が足らなかったようです。
こちらの意図は、
「ハイネセンに帰還する以前に、ヤンはクーデターの可能性についてユリアン以外には話さなかったのか」
と言うことです。
データによるとフレデリカは三月三〇日の段階まで、ヤンの危惧について知らなかったと言うことが、もし知っていれば父親の動きに不信感を抱いたのでは無かろうかと考えたのです。
ハイネセンを離れた後で知っても対処のしようがありませんよね。
私のスタンスとして歴史的なifを考える場合にはwhyも、つまり何故それが起こらなかったのかも合わせて考えることにしてます。
そうしないと無意味な仮定を立ててしまうことになりますから。
私が興味深いと書いたのは、わずかな変更で様々な可能性が生まれると感じたからです。
と言う訳で、よりこさんの挙げた疑問点の最初の二つについて考えてみました。
「ヤンはジェシカに、クーデターの話をしなかったのか?」
「なぜクーデターのことを言わなかったのか?」
恐らくは話さなかった。
好意を抱いている相手に呼び出されて政治向きの話をする男はいないでしょう。
また、既にビュコック提督よりのお墨付きを受けている段階では機密漏洩になる可能性があります。
と言う訳で、非常に回りくどいと思われるかも知れませんが、この辺をクリアにする設定を考慮中です。
待っていられないとおっしゃるかも知れないので現段階での結論だけ先に言えば、クーデターは防げないでしょうが、虐殺事件が発生しない様には出来るのではないかと考えています。
6月22日はおそらくは降って沸いたのでしょう。20万人を
秘匿するなど何をどうやろうが物理的に不可能です。しかし、
ジェシカたちの計画ではもっと少人数でやる予定であったのが、
よくわからないけど何かやってる、いかないとまずいんじゃないか
と思った人間が勝手に集まってきたのでしょう。不安にかられた
人間が、ある程度の数の人間がいる、誰かが行く、それをみた
誰かがさらにゆく、この連鎖反応で大集団になることは群集心理の
基本です。
そしてそういう群集は非常に扇動されやすい。ジェシカの扇動に
乗って反応しただけで、蜂起しようとかそういうことは考えて
なかったと思います。
X-DAYにそなえたとしても所詮なにも変わらない、大体ハイネセン
10億の市民のうち来たのはたった20万人、残りの連中は無関心
でした。テレビジャックしたところで蜂起なんかしない。
人間もうどうしようもなくなるまで追い詰められなければ
そんなことやらない生き物です。立ち上がればほかの民衆も
立ち上がるだろうというのは自称革命家達の多くが陥った妄想であり
現実は無視されました。
10億人の中のたった数万人、お前らは暴徒だ。の論理で
殲滅されて終わりです。
ヤンにより衛星軌道の首飾りが破壊されるシーンの後ならば蜂起
しても鎮圧できないでしょうが、それでも大部分の市民は静観、
ヤンがやってきて終わりです。
SAIさま。
> X-DAYにそなえたとしても所詮なにも変わらない、大体ハイネセン
> 10億の市民のうち来たのはたった20万人、残りの連中は無関心
> でした。テレビジャックしたところで蜂起なんかしない。
> 人間もうどうしようもなくなるまで追い詰められなければ
> そんなことやらない生き物です。立ち上がればほかの民衆も
> 立ち上がるだろうというのは自称革命家達の多くが陥った妄想であり
> 現実は無視されました。
> 10億人の中のたった数万人、お前らは暴徒だ。の論理で
> 殲滅されて終わりです。
ハイネセンは都市ではなく、惑星なわけで、ひとつの惑星に合わせて10億人住んでいるわけです。ジェシカが集会を開いた惑星中心部から遠く離れた地域に住んでいる人は集会の存在しら知らなかったでしょう。惑星中心部の人口がどれだけかわかりませんが、仮に数百万としても報道統制下で20万人集めた(それが自然発生的なものであったとしても)という事実は大きいと思います。
で、蜂起の可能性ですが、クーデター派が圧倒的に優位な状況であれば蜂起は起きないでしょうが、6月の時点で、ヤン艦隊は第11艦隊を撃破して、ハイネセン以外の惑星では次々とヤンに寝返っている状況です。いくら報道管制を敷いても、ヤン艦隊優位の噂はハイネセンの中にも届いているでしょう。ハイネセン駐留の軍人の中にも動揺しているものが多くいるでしょう。そこへ、流れるジェシカ虐殺のシーン。「この映像を同盟全土に流すのです。幼児でもどちらに正義があるか理解するでしょう」とでもシェーんコップに言わせて渋るヤンを説得して、このシーンをしつこいくらい繰り返して流します。さらに、ヤン艦隊がいかにハイネセン以外で優位にあるか、クーデターが帝国の策謀であるかという映像も合わせて繰り返して流すのです。要は、市民や兵士に義憤を起こさせると同時に、勝ち馬に乗るという気持ちも同時に起こさせるのです。
まず前回の続きから。
「ヤンとジェシカが連携をとってクーデターに対処するのは不可能だったのか?」
これはまず不可能でしょう。
軍主導のクーデターで有れば、ジェシカが阻止に一役買えるなどはヤンも期待しないでしょう。
ジェシカが絡めるとしたら、野党がクーデターに一枚噛んでいる場合にですが、こちらのラインハルトの計画に関しては変更しないと言う話でしたので。
「もしジェシカが、ヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていたなら、どのように行動していたんだろう? もしかしたら“スタジアムの虐殺”も起きなかったのでは?」
クーデターが“スタジアムの虐殺”におけるジェシカの死に繋がるとは、如何にヤンでも想像は出来ないでしょう。
結果を聞いて「如何にも彼女らしい」と考えたかも知れませんが。
それがヤンの”沈黙”だったのかも知れません。
さて本論に入ります。
よりこさんが提示したデータを読んで考えたのは、
「ジェシカはヤンを呼び出して何を話したか」
と言うことでした。
私の想像ですが、ジェシカの口から出たのは人質交換から始まった一連の流れについての愚痴ではないでしょうか。
帰還兵とその家族の票がトリューニヒト政権の基盤強化をもたらすであろうと言う記述がありましたから、野党に属するジェシカとしてはこれに関与したヤンに一言言いたくなったのでしょう。
これに対してヤンが以下の様な釈明を試みたらどうなるか。
「今回の人質交換には裏があって、これを機に帝国の工作員が入り込んでいる可能性がある」
この場合、クーデターと明言する必要はない。
「破壊工作によって首都との連絡が絶たれた場合に備えて打ち合わせをしてきた」
具体的な内容については機密漏洩になると思われるのでこの辺りが限界でしょう。
ヤンがクーデターを読んで善後策を立てていた事が伝わっていれば、ジェシカの行動も多少は穏やかになったでしょう。
ただ、何もしないで只待っていると言うのは彼女の性格に合わないのではないかとも思います。
よって反クーデターのための地下活動ぐらいはするでしょう。
無事に生き延びてトリューニヒト氏の無策に対する批判を展開して欲しいですね。
こんにちわ、イッチーさん、冬至楼均さん。
レスが大変遅くなってすみませんでした m(_ _)m
[余談]
(私の場合、元々読解して考えるのに時間がかかりがちな上に、腹が立った時は怒りにまかせて早まった言動をすることはなるべく避けようと冷却期間をおくため、特にレスが遅くなる傾向があります)
今回もよろしくお願いします。
>イッチーさん
< あ! なるほど!
「同盟全土に惨劇の模様が放映されて、その結果、全土で民衆蜂起」って、帝国側で起きるヴェスターラント虐殺事件のような推移になるとイッチーさんはお考えになられたのですね。 >
< そのとおりです。ついでに、ジェシカにキルヒアイスの役割も担ってもらいます。 >
キルヒアイスの場合も「ガイエスブルク要塞での戦勝式典で、キルヒアイスが銃を携帯していたなら、その後の歴史がどれだけ変わったか?」という作中にも記述されている if がありますよね。
「たった一つ、これが違っていたらどうなる?」っていう話題って興味が尽きないです。
< ジェシカがヤンの約束を守れない理由は、クーデターが発生したら、反戦派の仲間たちがレジスタンスを起こそうと、ジェシカを突き上げるであろうことが予想されるからです。ここでジェシカが動かなければ、ジェシカは仲間たちから裏切り者呼ばわりされるでしょうし、もし、ヤンの話を仲間にも伝えたら、今度は「その事実をみんなに伝えよう!」と仲間たちは騒ぎだすでしょう。ジェシカも同盟軍が相打ちになって、自分と同じ境遇の女性たちをこれ以上作ってはいけないと思いつめて、テレビジャックを企てるではないでしょうか。テレビジャックは、反戦派シンパのマスコミ関係者を通じてテレビ局にもぐりこむか、地下テレビ局を作って電波ジャックを行えば可能です。 >
これは、ちょっと私、引っかかってるものがあるのですけど、現時点では「何が引っかかてる」のかが分からないんです…(^-^;)
分かりましたら、改めてコメントさせていただきますので、よろしくお願いします。
<(ちょっと脇道に逸れますけど、その場合、トリュー二ヒトを抹殺するのはシェーンコップが適任でしょうね…シェーンコップならやりかねないとも思いますし、何よりヤンに射撃や白兵戦をやらしたら外した挙げ句、ヘタすると返り討ちにあう危険性が大…(-_-;))>
< ヤンが始末すると言っても、ヤン自ら手を下すという意味ではなくて、「最高評議会議長を死刑にするわけにもいかぬ。自殺をお勧めせよ」とでもシェーンコップに命じて始末するのではないでしょうか。(笑)あとは、バグダッシュに証拠を偽造させて、「最高評議会議長も帝国の策謀に加担していた事実が発覚して自殺した」とでも発表すれば良い。ジェシカ虐殺の場面を自分の目で見てしまったヤンは自分の甘さがジェシカを死に追いやったと痛感し、冷たい戦略家となるのであった・・・。トリュー二ヒトにはリヒテンラーデの役割を担ってもらうわけですね。 >
あ、私が言ったのも「ヤンが手を下す」という意味じゃなくて、「シェーンコップが引導を渡す」という意味です。
ただ拝読した時に一瞬、妙ちきりんな妄想はしてしまいました(^-^;)
「ヤン・ウェンリー vs ヨブ・トリューニヒト夢の(?)対決」…
でも、ヤンはキャゼルヌに「あいつは首から下は不要な男だ」と酷評される(by 雌伏篇)ほど戦闘員としての腕力と反射神経はどうにか水準で、それ以上に射撃や格闘術の技量に不安があると同時にヤンの人となりにそぐわないので、「夢の(?)対決」はあり得ないとの結論に至り、実際にはシェーンコップが射殺なりトマホークで殺[や]るなりするのかと……
閑話休題。
先ほど< ジェシカにキルヒアイスの役割も担ってもらいます。 >とおっしゃっていたのは、オーベルシュタインがキルヒアイスの死をリヒテンラーデを排除の口実に利用したように、「ジェシカの死をトリューニヒト排除の口実にする」という意味で合っていますでしょうか?
でも、あの保身の天才でしぶといトリューニヒトが大人しく自殺するとも私は思えませんので、結局、シェーンコップが引導を渡すほうに一票投じます。
< レべロ政権成立後のヤンと銀英伝の流れ。(いわば、ヤンを主人公にした銀英伝) >
申し訳ないんですけど、上記の話は今回の if の話題から外れてしまいますし、議論の拡大は避けたいので、私はノーコメントということで、あしからずご了承ください。
>冬至楼均さん
5597では大変失礼しました m(_ _)m
< すいません。言葉が足らなかったようです。
こちらの意図は、
「ハイネセンに帰還する以前に、ヤンはクーデターの可能性についてユリアン以外には話さなかったのか」
と言うことです。
データによるとフレデリカは三月三〇日の段階まで、ヤンの危惧について知らなかったと言うことが、もし知っていれば父親の動きに不信感を抱いたのでは無かろうかと考えたのです。
ハイネセンを離れた後で知っても対処のしようがありませんよね。 >
そういう意味で冬至楼均さんはおっしゃってたんですね。
ごめんなさい、早とちりでした m(_ _)m
< 私のスタンスとして歴史的なifを考える場合にはwhyも、つまり何故それが起こらなかったのかも合わせて考えることにしてます。
そうしないと無意味な仮定を立ててしまうことになりますから。
私が興味深いと書いたのは、わずかな変更で様々な可能性が生まれると感じたからです。
と言う訳で、よりこさんの挙げた疑問点の最初の二つについて考えてみました。
「ヤンはジェシカに、クーデターの話をしなかったのか?」
「なぜクーデターのことを言わなかったのか?」
恐らくは話さなかった。
好意を抱いている相手に呼び出されて政治向きの話をする男はいないでしょう。
また、既にビュコック提督よりのお墨付きを受けている段階では機密漏洩になる可能性があります。 >
< 好意を抱いている相手に呼び出されて政治向きの話をする男はいないでしょう。 >のご意見は少し微妙かな、と私は思いました。
なぜなら、ジェシカ・エドワーズが元々の職である音楽教師なら、冬至楼均さんがおっしゃることもあり得ると思うのですけど、彼女は補欠選挙で選出された新人の「政治家」です。
たとえヤンが話を振らなくても、彼女が「自分の仕事(政治・反戦運動)関連」の話をしてヤンが受け答えをすることはごく自然だと思いますから。
< また、既にビュコック提督よりのお墨付きを受けている段階では機密漏洩になる可能性があります。 >のほうは、充分あり得ると思いますから同意します。
<「ヤンとジェシカが連携をとってクーデターに対処するのは不可能だったのか?」
これはまず不可能でしょう。
軍主導のクーデターで有れば、ジェシカが阻止に一役買えるなどはヤンも期待しないでしょう。
ジェシカが絡めるとしたら、野党がクーデターに一枚噛んでいる場合にですが、こちらのラインハルトの計画に関しては変更しないと言う話でしたので。 >
「連携」といったのは、私の言葉の選択ミスですので、「クーデターが発生した際、ヤン艦隊の軍事行動に、ジェシカが行動をそわせることは不可能だったか?」と訂正します。
< 軍主導のクーデターで有れば、ジェシカが阻止に一役買えるなどはヤンも期待しないでしょう。 >については、5592でも
< ヤンがジェシカに話した理由は、「彼女にビュコックと同じくクーデターを未然に防ぐように行動してもらいたかったから」ではなく、「ビュコックの力が及ばず未然に防せげなかった場合(原作でもそうですけど)クーデターが発生した際に伴うかもしれない“ハイネセン市民のレジスタンス活動”を彼女か行うことを懸念したから」というのはダメでしょうか? >
と書きましたように、「ヤンが原作通りビュコックにクーデターの可能性を話した理由(データA-2のクーデターの未然阻止依頼と、データGのクーデター発生後に武力鎮圧するための大義名分である「同盟軍宇宙艦隊司令長官の命令書」の獲得)と、ジェシカにクーデターの可能性を話す理由(彼女の積極性と行動力が暴走気味であることに不安を感じ、クーデターが発生した際に「レジスタンス活動」という彼女がいかにもやりそうな行為の自重を望む)が違うことは考えられないか?」と。
<「もしジェシカが、ヤンからクーデターのことを事前に聞かされて知っていたなら、どのように行動していたんだろう? もしかしたら“スタジアムの虐殺”も起きなかったのでは?」
クーデターが“スタジアムの虐殺”におけるジェシカの死に繋がるとは、如何にヤンでも想像は出来ないでしょう。
結果を聞いて「如何にも彼女らしい」と考えたかも知れませんが。
それがヤンの“沈黙”だったのかも知れません。 >
私も冬至楼均さんと同じく、ヤンに“スタジアムの虐殺”や、それがジェシカの死に繋がると予見するのは、さすがに無理だと思います。
< もしかしたら“スタジアムの虐殺”も起きなかったのでは? >とは、“スタジアムの虐殺”を積極的に防止しようと働きかける、という意味ではなくて、「あくまで結果として“スタジアムの虐殺”は起きなかったかもしれない」って意味で言ったのです。
< よりこさんが提示したデータを読んで考えたのは、
「ジェシカはヤンを呼び出して何を話したか」
と言うことでした。
私の想像ですが、ジェシカの口から出たのは人質交換から始まった一連の流れについての愚痴ではないでしょうか。
帰還兵とその家族の票がトリューニヒト政権の基盤強化をもたらすであろうと言う記述がありましたから、野党に属するジェシカとしてはこれに関与したヤンに一言言いたくなったのでしょう。
これに対してヤンが以下の様な釈明を試みたらどうなるか。
「今回の人質交換には裏があって、これを機に帝国の工作員が入り込んでいる可能性がある」
この場合、クーデターと明言する必要はない。
「破壊工作によって首都との連絡が絶たれた場合に備えて打ち合わせをしてきた」
具体的な内容については機密漏洩になると思われるのでこの辺りが限界でしょう。 >
「ヤンはジェシカに、同盟の軍人によるクーデターの可能性を直接話すのではなく、イゼルローンやフェザーン経由で帰還してくる捕虜の中に、ラインハルトが同盟軍の分裂を目論んでクーデターを実行するための帝国の工作員が入り込んでいる可能性があるとほのめかして言う」という解釈で合っていますでしょうか?
「捕虜交換の時に帝国の工作員が入り込んでいる可能性」についての話は、原作のヤンとユリアンのやり取りにもありますね。
データI
(銀英伝外伝 ユリアンのイゼルローン日記 第六章 捕虜交換式)
< 七九七年二月一五日
五年ぶりの、規模からいったら五〇年ぶりの捕虜交換式が行われるというので、イゼルローンは全宇宙の注目を集めている。全宇宙というのは大げさだけど、マスコミの報道や政府の対応を見ていると、そう思ってしまう。ヤン提督は、ローエングラム侯の捕虜に対する通達が政治的にも完全だと言ったけど、それは今回の交換式そのものについても言えることらしい。
「イゼルローン方面で注目を集めておいて、フェザーン方面で何やらやらかすかもしれないなあ。あの金髪の美形は曲者だから」
アッテンボロー提督が言う。ヤン提督はフェザーン方面の情報をほしがっているのだけど、ハイネセン経由で送られてくるそれらは、質も量も提督を満足させない。
最近、ヤン提督が関心を持ったのは、今回の大きな捕虜交換ショーに先だって、何百人かの捕虜や抑留者がフェザーン経由で帰還してきたことだそうだ。そういった人たちのリストが不完全なので、こちらのリストも一〇〇パーセント信用できないという。
「リストが合わないというと、死者の名を借りて帝国のスパイが潜りこんできているとか、そういうことですか」
「ありうることだね。実際、五年前の交換式では、そういうことがあったらしいから。あの時は少人数だから発覚したんだが、今回も何か仕掛けてきたら、ちょっとわからないだろうね」
ハイネセンの統合作戦本部では、「ヤン・ウェンリーはイゼルローン方面での敵の攻撃にそなえてさえおればいいのだ。フェザーン方面の情勢などに関心をいだくのは、無益かつ不要であるのみならず、越権行為である」という声があるらしい、と、グリーンヒル大尉が教えてくれた。それを聞いた時、ヤン提督は、「わかったよ、勝手にするがいい」とつぶやいたそうで、これは。相当に腹を立てている証拠だ。
ひとつにはハイネセンへの一時帰還を拒否されては困るので、おとなしくしていなくてはならないらしい。本当にたいへんだと思う。 >
上記のデータIにある< リストが合わないというと、死者の名を借りて帝国のスパイが潜りこんできているとか >や、< 最近、ヤン提督が関心を持ったのは、今回の大きな捕虜交換ショーに先だって、何百人かの捕虜や抑留者がフェザーン経由で帰還してきたことだそうだ。 >という記述と、イゼルローンからの帰還者にアーサー・リンチはいなかったことから、ラインハルトのクーデター作戦計画ファイルを携えたリンチはフェザーン経由でハイネセンに帰ってきたと推測できることから、冬至楼均さんの<「今回の人質交換には裏があって、これを機に帝国の工作員が入り込んでいる可能性がある」と言う >と、おっしゃる説はとても説得力があると思いますから、私は支持します。
< ヤンがクーデターを読んで善後策を立てていた事が伝わっていれば、ジェシカの行動も多少は穏やかになったでしょう。
ただ、何もしないで只待っていると言うのは彼女の性格に合わないのではないかとも思います。
よって反クーデターのための地下活動ぐらいはするでしょう。
無事に生き延びてトリューニヒト氏の無策に対する批判を展開して欲しいですね。 >
ただ、ジェシカが「無事に生き延びてトリューニヒト氏の無策に対する批判を展開」した場合には、地球教徒に狙われる可能性がそれまで以上に高くなることが懸念されますけどね…(^-^;)
それでは今回はこれで失礼します。
よりこさま。
> レスが大変遅くなってすみませんでした m(_ _)m
> [余談]
> (私の場合、元々読解して考えるのに時間がかかりがちな上に、腹が立った時は怒りにまかせて早まった言動をすることはなるべく避けようと冷却期間をおくため、特にレスが遅くなる傾向があります)
別にこちらは気にしていないので、よりこさんも気にしないでください。
> 先ほど< ジェシカにキルヒアイスの役割も担ってもらいます。 >とおっしゃっていたのは、オーベルシュタインがキルヒアイスの死をリヒテンラーデを排除の口実に利用したように、「ジェシカの死をトリューニヒト排除の口実にする」という意味で合っていますでしょうか?
そこまでは考えておりませんでした。私は、キルヒアイスの死がラインハルトに残っていた最後の甘さを奪って、覇者へと成長させたように、ジェシカの死がヤンを冷徹な戦略家へと成長させるのではないかと思い、ジェシカにキルヒアイスの役割を担ってもらうと書いたのです。そうなると、シェーンコップがオーベルシュタイン、トリュー二ヒトがリヒテンラーデに匹敵するなあと思っただけです。ただ、シェーンコップはジェシカの死にはトリュー二ヒトにも責任があるとヤンに吹き込んで、排除するようそそのかすでしょうね。
> でも、あの保身の天才でしぶといトリューニヒトが大人しく自殺するとも私は思えませんので、結局、シェーンコップが引導を渡すほうに一票投じます。
シェーンコップが射殺して、「議長は責任をおとりになって自殺された」と発表すればいいだけです。
> < レべロ政権成立後のヤンと銀英伝の流れ。(いわば、ヤンを主人公にした銀英伝) >
>
> 申し訳ないんですけど、上記の話は今回の if の話題から外れてしまいますし、議論の拡大は避けたいので、私はノーコメントということで、あしからずご了承ください。
最後のは遊びで付け加えただけですから、気になさらずに。
まとめると、
ヤンがジェシカにクーデターの可能性を話す→クーデター発生→ジェシカ、テレビジャックして、クーデターが帝国の策謀あでることを訴える→ジェシカ虐殺事件→ヤン艦隊、同盟全土にヤン艦隊の優位とジェシカ虐殺の非道を訴える宣伝放送を流す→民衆蜂起・クーデター部隊の分裂によって、クーデター自滅→ヤン艦隊、クーデターの責任を追及して、トリューニヒトを殺害、後に自殺と発表→レベロ政権成立。ヤン、同盟軍の事実上の指導者となり、冷徹な軍指導者の道を歩む
という流れになると思います。
こんにちわ、イッチーさん。
よろしくお願いします。
< レスが大変遅くなってすみませんでした m(_ _)m >
< 別にこちらは気にしていないので、よりこさんも気にしないでください。 >
ありがとうございます。
いえ、イッチーさんも冬至楼均さんもすぐに応答してくださるのに比べて、私はトロくてお二人に申し訳ないなぁ、と思っていたものですから…(^-^;)
< 先ほど< ジェシカにキルヒアイスの役割も担ってもらいます。 >とおっしゃっていたのは、オーベルシュタインがキルヒアイスの死をリヒテンラーデ排除の口実に利用したように、「ジェシカの死をトリューニヒト排除の口実にする」という意味で合っていますでしょうか? >
< そこまでは考えておりませんでした。私は、キルヒアイスの死がラインハルトに残っていた最後の甘さを奪って、覇者へと成長させたように、ジェシカの死がヤンを冷徹な戦略家へと成長させるのではないかと思い、ジェシカにキルヒアイスの役割を担ってもらうと書いたのです。そうなると、シェーンコップがオーベルシュタイン、トリュー二ヒトがリヒテンラーデに匹敵するなあと思っただけです。ただ、シェーンコップはジェシカの死にはトリュー二ヒトにも責任があるとヤンに吹き込んで、排除するようそそのかすでしょうね。 >
と
< シェーンコップが射殺して、「議長は責任をおとりになって自殺された」と発表すればいいだけです。 >
について、それぞれ了解しました。
「公式発表」と「真相」が必ずしも一致しているわけじゃないなんてことは、いかにもありがちですし、「排除するようそそのかす」なんて実にシェーンコップらしいですしね。
何せ、シェーンコップとはこういう人物ですから…
データJ
(銀英伝 野望篇 第三章 ヤン艦隊出動 V)
<「君はどう思ってるんだ?」
ヤンは不器用に逃げを打った。
「さあてね、私にも実はよくわからんのです。なにしろあなたは矛盾の塊だから」
不本意そうな表情になる上官を、シェーンコップは愉快そうに見かえした。
「なぜかというと、まず、あなたほど戦争の愚劣さを嫌っている人間はいませんが、同時にあなたほどの戦争の名人はいない。そうでしょう?」
(中略)
「では次の点に移りましょう。現在の自由惑星同盟の権力体制がどれほど“だめ”なものか、能力的にも道徳的にもですが、それをあなたは骨身にしみて知っている。にもかかわらず、全力をあげてそれを救おうとする。こいつも大いなる矛盾ですな」
「私はベストよりベターを選びたいんだ。いまの同盟の権力が“だめ”だってことは確かにわかっている。だけど救国軍事会議とやらのスローガンを君も見たろう。あの連中は、いまの連中よりひどいじゃないか」
「私に言わせればね……」
シェーンコップの目に、奇妙な光がたたえられた。
「救国軍事会議のピエロたちに、いまの権力者たちを一掃させるんです。完全に、徹底的にね。どうせ、その後、奴らは“ぼろ”をだして事態を収拾できなくなる。そこへあなたが乗りこんで、掃除人どもを追い払い、民主主義の回復者として権力を握るんです。これこそがベターですよ」
二の句が継げず、イゼルローン要塞の若い司令官は部下を見つめた。シェーンコップはいまでは笑ってなかった。 >
< まとめると、
ヤンがジェシカにクーデターの可能性を話す→クーデター発生→ジェシカ、テレビジャックして、クーデターが帝国の策謀あでることを訴える→ジェシカ虐殺事件→ヤン艦隊、同盟全土にヤン艦隊の優位とジェシカ虐殺の非道を訴える宣伝放送を流す→民衆蜂起・クーデター部隊の分裂によって、クーデター自滅→ヤン艦隊、クーデターの責任を追及して、トリューニヒトを殺害、後に自殺と発表→レベロ政権成立。ヤン、同盟軍の事実上の指導者となり、冷徹な軍指導者の道を歩む
という流れになると思います。 >
ありがとうございます♪
前回にも言ってました「何か引っかかってのる」が、まだ分からないんですけど(情けない…)、その時は改めて質問・確認の書き込みをしますのでお願いします m(_ _)m
では失礼しました。
> レスが大変遅くなってすみませんでした m(_ _)m
> [余談]
> (私の場合、元々読解して考えるのに時間がかかりがちな上に、腹が立った時は怒りにまかせて早まった言動をすることはなるべく避けようと冷却期間をおくため、特にレスが遅くなる傾向があります)
そんなに遅いとは思いませんよ。
むしろ時間を掛けてきっちりと論を練って戴いた方がこちらとしてもやりがいがあります。
さて意見の一部を補足をします。
話した結果としてやはりジェシカが死んでしまった場合についてはイッチーさんがやっているようなので、こちらは如何にすればジェシカが助かるかについて追求してみようと思います。
> < 好意を抱いている相手に呼び出されて政治向きの話をする男はいないでしょう。 >のご意見は少し微妙かな、と私は思いました。
ヤンの場合は確かに微妙です。
彼は一種の歴史・軍事オタクだと思いますから、ネタを振られると滔々と語ってしまう可能性が高いかも知れません。
ユリアンに講義しているときのヤンはどこか楽しそうに見えませんか?
と言う訳で、ヤンがジェシカに自説を披露するとすれば、それは彼女の身を案じたからと言うよりも、オタク的な自己顕示欲からでは無いでしょうか。
いずれにしても、
> 「あくまで結果として“スタジアムの虐殺”は起きなかったかもしれない」
と言う点は諒解しました。
> 「ヤンはジェシカに、同盟の軍人によるクーデターの可能性を直接話すのではなく、イゼルローンやフェザーン経由で帰還してくる捕虜の中に、ラインハルトが同盟軍の分裂を目論んでクーデターを実行するための帝国の工作員が入り込んでいる可能性があるとほのめかして言う」という解釈で合っていますでしょうか?
なるほど、軍の関与という点をぼかせば問題ないかも知れませんね。
私としては「クーデター」という文言が軍の関与をす示すため拙いと思ったのですが、「軍が参加しないとクーデターは成功しない」と言う専門的な突っ込みはシロウトのジェシカからは来ないでしょう。
ただ、ジェシカが確実に生き残る展開を想定するなら、
ヤンに、
「帝国の破壊工作の可能性があるからしばらく首都星系から離れた方がよい」
と言わせるのが最良だと思います。
ハイネセンにいなければ救国軍事会議を刺激することもなく、スタジアムの虐殺も回避出来るでしょう。
でも、そうなると地方叛乱に巻込まれる可能性も出てきますねえ。
> ただ、ジェシカが「無事に生き延びてトリューニヒト氏の無策に対する批判を展開」した場合には、地球教徒に狙われる可能性がそれまで以上に高くなることが懸念されますけどね…(^-^;)
一市民だった頃ならともかく、議員をテロで排除するのは流石にやばいでしょう。
しかし、可能性が皆無とは言い切れませんね。
今回はこの辺で失礼します。
それでもやっぱり蜂起はしないでしょう。生贄効果というものがありますからね。
どういうものかというと、判り易くたとえ話をすれば、10匹犬がいました、
そこにライオンがやってきました。10匹全部でかかれば倒せます、がしかし
一匹でも裏切ればかかっていった犬はみんな殺されます。裏切った犬は
生き残れます。さて、この場合、全員でかかってライオンを倒すでしょうか?
これと同じことです。全員で一斉に蜂起すれば勝てる、がしかし人間命は
惜しい。周りを見て誰かがやって勝てそうなら自分もやろうと考えるのが
大半で、そういう連中はなにもやらない。いつ逃げようかな、とかは考え
るでしょうが。市民も蜂起はしないでしょうね。自分だけ立ち上がって
ほかの誰もやらなかったら自分だけ生贄になって死ぬんですから。
ただクーデター側に協力はしなくなるでしょう。蜂起という何かをやることには
能力とか、気概とか意思とかがいりますが、協力しないというやるべきことを
やらない事は誰でもできますから。
>テレビ局に乗り込み、クーデターが帝国の策謀であることを同盟全土にばらす
という手段に訴えるのではないでしょうか。その結果、激昂した兵士がカメラの
前であるにもかかわらず
そもそもの前提がここですが、まずはいりこむことが難しいでしょうね。
さらにそれが生放送かどうか?そうでないなら検閲をとおらない。
ジャーナリストも時の政権に協力します。この段階ではまだ公然と反逆はしない
でしょう。剣より強いペンはないんです。クーデター側より強い剣、ヤンが
やってくれば自分達は最初からクーデターには反対でした、という顔をするでしょうが。
さらに兵士も射殺しないでしょうね。何おかしなこといってるんだ、こいつぐらい
でしょうね。取り押さえられておしまいでしょう。スタジアムの虐殺の時は20万
人もいたから怖くて射殺してしまったけど、テレビ局ではやらないでしょうね。
星系外への通信もかなり制限されてるはず。通信の制限もするといってましたしね。
警備厳重な中、運良くジェシカがテレビ局に入り込み、運良く生放送で、運良く
スタッフが全員協力的で、運良くFTL回線も検閲されておらず、運良く(?)
カメラの前で射殺される。すさまじい運ですね。絶対起きないとは言いません
が小説の筋なら無理がありすぎじゃないかなあと思います。
仮に起きたとしても蜂起は起きない、ヤンが冷酷な戦略家に変身するかどうかは
さすがにわかりませんね。
ただ変身したとしてもフェザーン侵攻まではうまく
ゆくでしょうが、そっから先は違うと思います。まず第一にラインハルトに
準備不足でこなきゃいけない理由がない。アムリッツアで同盟を叩きつぶしたの
は当のラインハルトです。同盟の内情はよく知ってます。同盟にそれ以上
侵攻する能力がないのは知ってます。準備が整ってから行ってもいいし、
空っぽのいぜるローン方面から一路ハイネセンでもいい。
さらに14、15艦隊は新兵の集まりですから戦闘能力はかなりおちる。
それで百戦錬磨の帝国艦隊に勝てるとはとてもとても思えません。
ヤン一人で落日の同盟の運命を変えられるとは思いません。
まあお遊びにつっこむのは無粋ですけどね。
SAIさま。
レスありがとうございます。
> それでもやっぱり蜂起はしないでしょう。生贄効果というものがありますからね。
> どういうものかというと、判り易くたとえ話をすれば、10匹犬がいました、
> そこにライオンがやってきました。10匹全部でかかれば倒せます、がしかし
> 一匹でも裏切ればかかっていった犬はみんな殺されます。裏切った犬は
> 生き残れます。さて、この場合、全員でかかってライオンを倒すでしょうか?
>
> これと同じことです。全員で一斉に蜂起すれば勝てる、がしかし人間命は
> 惜しい。周りを見て誰かがやって勝てそうなら自分もやろうと考えるのが
> 大半で、そういう連中はなにもやらない。いつ逃げようかな、とかは考え
> るでしょうが。市民も蜂起はしないでしょうね。自分だけ立ち上がって
> ほかの誰もやらなかったら自分だけ生贄になって死ぬんですから。
> ただクーデター側に協力はしなくなるでしょう。蜂起という何かをやることには
> 能力とか、気概とか意思とかがいりますが、協力しないというやるべきことを
> やらない事は誰でもできますから。
人間というのはそう計算づくで生きているものでもないでしょう。衝動にかられて暴動・蜂起というのは、いろいろ起こっているような気がしますが。経済統制や報道管制で市民の不満は高まっている。そこへ何か刺激を与えれば、暴動は起こり得ると思いますが。ただ、この問題は価値観の相違なので、いつまで議論しても平行線をたどるばかりでしょう。
> そもそもの前提がここですが、まずはいりこむことが難しいでしょうね。
> さらにそれが生放送かどうか?そうでないなら検閲をとおらない。
> ジャーナリストも時の政権に協力します。この段階ではまだ公然と反逆はしない
> でしょう。剣より強いペンはないんです。クーデター側より強い剣、ヤンが
> やってくれば自分達は最初からクーデターには反対でした、という顔をするでしょうが。
>
> さらに兵士も射殺しないでしょうね。何おかしなこといってるんだ、こいつぐらい
> でしょうね。取り押さえられておしまいでしょう。スタジアムの虐殺の時は20万
> 人もいたから怖くて射殺してしまったけど、テレビ局ではやらないでしょうね。
> 星系外への通信もかなり制限されてるはず。通信の制限もするといってましたしね。
>
> 警備厳重な中、運良くジェシカがテレビ局に入り込み、運良く生放送で、運良く
> スタッフが全員協力的で、運良くFTL回線も検閲されておらず、運良く(?)
> カメラの前で射殺される。すさまじい運ですね。絶対起きないとは言いません
> が小説の筋なら無理がありすぎじゃないかなあと思います。
テレビ局に入り込む以外に、以前書いたと思いますが、地下放送という方法もあるでしょう。第2次大戦のときやプラハの春のときに、地下ラジオ放送局というのがあったそうですから、はるか未来の話なら地下テレビ放送局というのも出来るでしょう。それから何度も地下放送をするうちに、次第に市民の間に帝国の策謀説が広まる→クーデター部隊は必死になって、地下放送局を探し出す→日ごろからジェシカの言動に不満を持っていた兵士はここぞとばかりに射殺→そのときの様子を映したテープを仲間の一人が持ち出し、いろいろな人間の手を通して、ヤン艦隊に届ける
あるいは、SAIさんのおっしゃるように、ヤンによるハイネセン解放までは原作と同じでもいいです。解放直後、ヤンのもとにジェシカ虐殺のテープが届けられ、怒りにふるえるヤンはトリュー二ヒト抹殺を命じてしまう・・・という展開でもいいです。少なくとも、ユリアンが地球に潜入して、無事に地球教の秘密を持ち出す可能性よりは高いですよね。
> 仮に起きたとしても蜂起は起きない、ヤンが冷酷な戦略家に変身するかどうかは
> さすがにわかりませんね。
>
> ただ変身したとしてもフェザーン侵攻まではうまく
> ゆくでしょうが、そっから先は違うと思います。まず第一にラインハルトに
> 準備不足でこなきゃいけない理由がない。アムリッツアで同盟を叩きつぶしたの
> は当のラインハルトです。同盟の内情はよく知ってます。同盟にそれ以上
> 侵攻する能力がないのは知ってます。準備が整ってから行ってもいいし、
> 空っぽのいぜるローン方面から一路ハイネセンでもいい。
> さらに14、15艦隊は新兵の集まりですから戦闘能力はかなりおちる。
> それで百戦錬磨の帝国艦隊に勝てるとはとてもとても思えません。
> ヤン一人で落日の同盟の運命を変えられるとは思いません。
>
> まあお遊びにつっこむのは無粋ですけどね。
ぼろぼろのヤン艦隊で、バーミリオンでラインハルトを追い詰め、回廊の戦いでも絶対不利な条件で帝国軍を翻弄したヤンです。3個艦隊与えれば、ヤンならそれなりの戦いをすると思いますが。(お遊びで書いたほどうまくいくとは思いませんが)イゼルローン要塞が空っぽではトゥールハンマーだけで不十分というのならば1個艦隊をおきましょう。すると、ヤンが使えるのは2個艦隊ですか。かなり苦しくなりますが。ただ、帝国軍はフェザーンを制圧しないと航路図は手に入らないわけですから、イゼルローンから一路ハイネセンはないでしょう。原作でも航路図を手に入れるためにわざわざフェザーンを制圧しているわけですし。
こんにちわ、冬至楼均さん。
今回もよろしくお願いします。
< レスが大変遅くなってすみませんでした m(_ _)m >
< そんなに遅いとは思いませんよ。
むしろ時間を掛けてきっちりと論を練って戴いた方がこちらとしてもやりがいがあります。 >
ありがとうございます。
いえ、「論を練って」というよりも、ただ元々トロいのと、先にSAIさんにレスしてしまったので、冬至楼均さんにはますます申し訳ないです… m(_ _)m
< さて意見の一部を補足をします。
話した結果としてやはりジェシカが死んでしまった場合についてはイッチーさんがやっているようなので、こちらは如何にすればジェシカが助かるかについて追求してみようと思います。 >
思考実験ですから、色々な角度や視点で検証するということで、ジェシカが死ぬケースや助かったケースその他にも色々と、イッチーさんやSAIさんの説とも違う、冬至楼均さんの説を拝読できて嬉しいです。
< ヤンの場合は確かに微妙です。
彼は一種の歴史・軍事オタクだと思いますから、ネタを振られると滔々と語ってしまう可能性が高いかも知れません。
ユリアンに講義しているときのヤンはどこか楽しそうに見えませんか?
と言う訳で、ヤンがジェシカに自説を披露するとすれば、それは彼女の身を案じたからと言うよりも、オタク的な自己顕示欲からでは無いでしょうか。 >
< ユリアンに講義しているときのヤンはどこか楽しそう >は確かに見えます(笑)
「ユリアンを軍人にしたくない」とか言いながら、楽しそうに軍事について講義してますよね。
データJにあるシェーンコップの台詞じゃないですけど、本当に矛盾の塊…そして、その調子でネタを振られてヤンはジェシカ相手に蘊蓄を語る……これまたあり得そうですね。
思わず場面を想像してしまいました(笑)
<「ヤンはジェシカに、同盟の軍人によるクーデターの可能性を直接話すのではなく、イゼルローンやフェザーン経由で帰還してくる捕虜の中に、ラインハルトが同盟軍の分裂を目論んでクーデターを実行するための帝国の工作員が入り込んでいる可能性があるとほのめかして言う」という解釈で合っていますでしょうか? >
< なるほど、軍の関与という点をぼかせば問題ないかも知れませんね。
私としては「クーデター」という文言が軍の関与をす示すため拙いと思ったのですが、「軍が参加しないとクーデターは成功しない」と言う専門的な突っ込みはシロウトのジェシカからは来ないでしょう。 >
あ、私の解釈は冬至楼均さんがおっしゃっていた意味と違っていたんですね(^-^;)
「軍事クーデター」は、ラインハルトの狙い(同盟軍の横槍を防いで門閥貴族連合との戦闘に専念するため)というのが前提ですけど、ビュコックの場合と違って、ジェシカには全部正直に話す必要もありませんしね。
< ただ、ジェシカが確実に生き残る展開を想定するなら、ヤンに、
「帝国の破壊工作の可能性があるからしばらく首都星系から離れた方がよい」
と言わせるのが最良だと思います。
ハイネセンにいなければ救国軍事会議を刺激することもなく、スタジアムの虐殺も回避出来るでしょう。
でも、そうなると地方叛乱に巻込まれる可能性も出てきますねえ。 >
う~ん…< 帝国の破壊工作の可能性があるからしばらく首都星系から離れた方がよい >も微妙だと思います。
なぜなら、ジェシカの性格なら「帝国の破壊工作の可能性があるなら、余計に首都から離れない」と言い出す気も…
ジェシカが、トリューニヒトみたいに自分(と家族)の安全さえ確保されていればそれで良し、というタイプとは思えないものですから。
< ただ、ジェシカが「無事に生き延びてトリューニヒト氏の無策に対する批判を展開」した場合には、地球教徒に狙われる可能性がそれまで以上に高くなることが懸念されますけどね…(^-^;) >
< 一市民だった頃ならともかく、議員をテロで排除するのは流石にやばいでしょう。
しかし、可能性が皆無とは言い切れませんね。 >
ヤンも地球教徒の前身とも言える憂国騎士団に、ハイネセンのシルバーブリッジの官舎を襲撃(by 黎明篇 第三章)されたりしていますからね。
大っぴらにテロというんじゃなくても、事故を装って…とか。
今回はこの辺で失礼します。
取り敢えずまとめます。
ジェシカを生き残らせるためにはヤンは何処まで話すべきか。
最良の方法は全部喋ってしまう事でしょう。そうでないと彼女の信頼を勝ち取れませんから。
機密漏洩になるので軍人としては非常に拙いことになりますが、むしろその彼女の行動に制約を与えるので好都合かも知れません。
さてジェシカが生き残ってしまった場合の展開ですが、
これは一度銀英伝を読み返さないとつらいので、しばらくお待ち下さい。
ただひとつ言えるのは、ヤンを巡るジェシカとフレデリカの対決が避けられないであろうと言うことです。
もしかすると、田中芳樹はこれを回避するためにジェシカを殺してしまったのでしょうか。
そう言えば、田中作品に真っ当な三角関係って出てきましたっけ?
こんにちわ、冬至楼均さん。
恋愛小説の銀英伝…「ううむ、そう来ましたか」と思わず唸ってしまいました。
< ジェシカを生き残らせるためにはヤンは何処まで話すべきか。
最良の方法は全部喋ってしまう事でしょう。
そうでないと彼女の信頼を勝ち取れませんから。
機密漏洩になるので軍人としては非常に拙いことになりますが、むしろその彼女の行動に制約を与えるので好都合かも知れません。 >
< 軍人としては非常に拙いことになりますが >については、ヤンの場合「軍人、それも若くして巨大な武勲をたてた軍人であるにも関わらず、ヤンは軍国的な価値観、思考法、言動、表現のすべてを嫌悪した」(by風雲篇 第二章)とあるように、元々かなり「軍人として規格外れ」な人物ですし問題ないと私は考えました。
(「軍人稼業」始めの第一歩である士官学校進学も、タダて歴史の勉強をするためでしたしね…(^-^;))
< さてジェシカが生き残ってしまった場合の展開ですが、これは一度銀英伝を読み返さないとつらいので、しばらくお待ち下さい。 >
分かりました。楽しみにお待ちしてます♪
< ただひとつ言えるのは、ヤンを巡るジェシカとフレデリカの対決が避けられないであろうと言うことです。
もしかすると、田中芳樹はこれを回避するためにジェシカを殺してしまったのでしょうか。 >
あ! なるほど! それは私、気が付きませんでした。
こちらのサイトでも女性描写の問題点についての議論は色々ありましたし、田中芳樹氏にとっては女の対決(特に恋のさや当て)の描写はきつかったのかもしれませんね。
もしかして、恋のさや当て以前に恋愛描写自体が田中芳樹氏にはきつい、とか…
[余談]
(薬師寺涼子シリーズでも、薬師寺涼子とライバルの室町由紀子の「女の対決」がありますけれど、それは馬が合わないという理由であって、恋のさや当てには関係なく、真っ向から子供じみた悪口雑言の交換会をしたりして「27才の女同士の対決」にはとても見えませんね…)
< そう言えば、田中作品に真っ当な三角関係って出てきましたっけ? >
う~ん…フリードリヒ四世とアンネローゼとベーネミュンデ侯爵夫人くらいしか私は思いつかなかったです…(「それ、真っ当な三角関係か?」と問われるとかなり悩みますけど…)
それでは今回はこの辺で失礼します。
> < さてジェシカが生き残ってしまった場合の展開ですが、これは一度銀英伝を読み返さないとつらいので、しばらくお待ち下さい。 >
>
> 分かりました。楽しみにお待ちしてます♪
所蔵の銀英伝(文庫版10巻本)がいま友人の所に行っていまして、
週末に回収するつもりだったのですが、都合が付きません。
で、取り敢えず記憶に頼って概略を示しておきます。
ジェシカが生き残る条件が「余り派手に立ち回らないこと」なので、トリューニヒト氏の無策に対する批判は取り敢えず無しとします。
それよりもスタジアムの虐殺が無かったことの影響は、
ひとつにはジェシカ本人の生存以上にその人脈がそっくり残ることだと考えます。
これは想像ですが、20万人を集めるには野党系のマスコミの後援が合ったのではないでしょうか。
確かヤンが査問会に掛けられた際、マスコミが政権べったりで機能していなかった筈です。
これは虐殺によって野党系のマスコミが打撃を受け、世論全体が右傾化した結果と思われます。
悪く言えば腰が引けてしまった…。
よってこの後の展開としては、
査問会に掛けられたヤンを救い出すため、フレデリカはジェシカに強力を求める。
ジェシカは野党系のマスコミに査問会の事実をリークし、かつ抗議運動を開始する。
先のクーデターに際して発生しなかったスタジアムでの集会が、ヤン提督の救出活動として実現する訳です。
本が手元にないので今はこれが精一杯と言うことで。
本が戻ってきたら精査してもう一度書き込みます。
お久しぶりです。ヤンとトリューニヒトの同盟可能性で「通りすがり」と名乗っていた者です。
> > ただ変身したとしてもフェザーン侵攻まではうまく
> > ゆくでしょうが、そっから先は違うと思います。まず第一にラインハルトに
> > 準備不足でこなきゃいけない理由がない。アムリッツアで同盟を叩きつぶしたの
> > は当のラインハルトです。同盟の内情はよく知ってます。同盟にそれ以上
> > 侵攻する能力がないのは知ってます。準備が整ってから行ってもいいし、
> > 空っぽのいぜるローン方面から一路ハイネセンでもいい。
> > さらに14、15艦隊は新兵の集まりですから戦闘能力はかなりおちる。
> > それで百戦錬磨の帝国艦隊に勝てるとはとてもとても思えません。
> > ヤン一人で落日の同盟の運命を変えられるとは思いません。
> >
> > まあお遊びにつっこむのは無粋ですけどね。
> >
> >
>
> ぼろぼろのヤン艦隊で、バーミリオンでラインハルトを追い詰め、回廊の戦いでも絶対不利な条件で帝国軍を翻弄したヤンです。3個艦隊与えれば、ヤンならそれなりの戦いをすると思いますが。(お遊びで書いたほどうまくいくとは思いませんが)イゼルローン要塞が空っぽではトゥールハンマーだけで不十分というのならば1個艦隊をおきましょう。すると、ヤンが使えるのは2個艦隊ですか。かなり苦しくなりますが。ただ、帝国軍はフェザーンを制圧しないと航路図は手に入らないわけですから、イゼルローンから一路ハイネセンはないでしょう。原作でも航路図を手に入れるためにわざわざフェザーンを制圧しているわけですし。
私もこの事を少し考えてみました。この段階でフェザーンを占領すると、移動要塞作戦+ラグナロック作戦を誘発すると思います。ヤンがどんなに優れた名将でも、彼は一人しかいませんから次のような作戦の想定が可能です。
5個艦隊程度+ガイエスブルク要塞をイゼルローンに、遠征可能機動兵力の残りをフェザーンに送る。
状況1:ヤンがフェザーンに駐留しているとき
ガイエスブルク要塞は、イゼルローン要塞を破壊する切り札です。
戦略的な見方もできるロイエンタールやミッターマイヤーが指揮官であれば、イゼルローンの破壊を目指すかも知れません。この場合は、イゼルローン回廊は突破される可能性が高いでしょう。
破壊を目指さなかった場合でも、イゼルローン要塞に対する付け城としては機能するので、機動兵力の拘束はできるでしょう。(ヤンがいなければイゼルローンの兵力は遊兵になる)
フェザーン回廊方面では、遠征軍本隊とヤン艦隊が激突する可能性が高い。この場合は、原作の回廊の戦いの再現になり(フェザーンはイゼルローンではないというのもヤンにとって不利な要素かも知れません)、健康に「まだ」不安のないラインハルトが兵力をすり減らしつつもヤン艦隊を撤退に追い込むと思われます。帝国軍はフェザーンに進駐し、フェザーン回廊とその近隣の星系を叛徒から解放します。
後は、短期決戦を狙う場合はヤンが戦場にいることとフェザーンでヤンが帝国に与えた痛手の分だけ原作よりもマシなランテマリオ会戦を行って、帝国と同盟との間に講和条約締結の交渉が開始されるでしょう。
長期戦に突入した場合、ラインハルトはヤンより先に病死する可能性が高いです。後は、その時の情勢次第です。
状況2:ヤンがイゼルローンに駐留しているとき
ガイエスブルク要塞は破壊できる可能性があります。
破壊できた場合、イゼルローン方面の侵攻は上手くいけば頓挫させることが可能です。頓挫した場合であっても、フェザーンは陥落しているから、イゼルローン回廊の戦略価値が無くなっているので帝国の優位は動きません。
破壊に失敗した場合、ガイエスブルクという付け城があるために睨み合いになってしまい、要塞放棄がとても難しくなるでしょう。いずれにせよ、フェザーン方面の陥落は起こり、その結果発生するランテマリオ会戦の結末も同盟の敗北は動かないでしょう。(フェザーン解放時の帝国の損傷が甚大ならば痛み分けもあり得ます)
ガイエスブルクを破壊したその混乱を突いて、イゼルローン要塞放棄を行うのがヤンらしい行動ではないでしょうか。(もっとも、帝国がそれを易々と許すかは疑問ですが)
ヤン艦隊の戦力及び同盟の残存戦力、帝国のフェザーン解放軍の損傷がどの程度なのかによって、(起こるかどうかは解りませんが)バーミリオンの結末が変わるでしょう。
状況3:ヤンがハイネセンにいるとき
……いいですよね。多分、同盟の降伏時期が早まるだけです。
以上、3つの可能性を考えてみましたが、最大の疑問は、この時期にフェザーン占領作戦を行い、その後に対処するだけの国防予算をどこから調達するのかということです。原作では、ランテマリオ会戦後の同盟の国防予算はヤン艦隊による補給線に対する攻撃を支えるだけでやっとでした。ということは、フェザーン占領作戦を発動した場合、それと同じ予算状態になる可能性が濃厚です。帝国がフェザーンを解放した後は、まともな国防予算を確保できずに滅亡への道まっしぐらというひどい有様になるかも知れません。
この時期の同盟政府が自らアクティブな軍事活動を行うとは到底、思えないというのが私の意見です。
非常に無粋なことをしてしまいましたが、イッチーさんの考察や二次創作はいつも楽しみにしていますので、これからも頑張って下さい。
ぴぃさま、詳細な検証ありがとうございます。
軍事予算に関しては、フェザーン占領後、同盟領内のフェザーン系資産の接収やフェザーンからの賠償金でまかなえると思いますが、同盟が攻勢に出れないということは納得しました。
まとめると、同盟が帝国に対して攻勢に出れるチャンスはこちらの掲示板の過去ログから判断すると、3回しかなかったということになります。
一、イゼルローン占領後、ただちにフェザーン占領作戦を開始する。
二、アムリッツアでなんとか同盟軍崩壊を阻止し、ヤンが同盟軍を指導する立場になり、フェザーン占領作戦を開始する。
三、バーミリオン会戦でヤンがブリュンヒルトを攻撃し、オーベルシュタインが同盟軍に投降して、帝国分断の謀略を行う。
二・三は偶然の要素が大きいですから、同盟が選択するべき道は1しかなかったわけで、そのとき、ヤンがフェザーン占領作戦を思いつかなかったまたは同盟軍を指導する立場になかったということが同盟の最大の致命傷だったのでしょう。
最後にあたたかいお言葉をありがとうございます。