いかに秀才であり、政治家の支援があっても
准将程度の者が大会戦を企画できるのでしょうか?
ストーリー的にはラインハルトと門閥貴族との抗争の布石として
同盟を弱体化させる必要がある一方で、
腐敗した民主政治と(ヤンを許容するような)ある程度有能な軍上層部という対比のために
軍高官を負け戦の企画者にできなかったのかもしれませんが…
> いかに秀才であり、政治家の支援があっても
> 准将程度の者が大会戦を企画できるのでしょうか?
彼は元々宇宙艦隊司令部の参謀だったと思われるので、企画する義務があります。
宇宙艦隊司令部要員ではなくても、あの程度の企画は、士官学校生にもできるし。
実行そのものは、閣議決定ですし。
ていうか、フォークの企画って、大部隊がイゼルローン回廊を越える。で、終わりだし。
> ストーリー的にはラインハルトと門閥貴族との抗争の布石として
> 同盟を弱体化させる必要がある一方で、
> 腐敗した民主政治と(ヤンを許容するような)ある程度有能な軍上層部という対比のために
> 軍高官を負け戦の企画者にできなかったのかもしれませんが…
ラインハルトの、焦土作戦改(というより怪)は、同盟が回廊周辺の星系2つ3つを占拠したところで、政治プロパガンダ、帝国は同盟軍をおそれて戦わず逃げたとか、帝国の圧政はこんなにひどいとかの宣伝に方針を切り替えていれば、ラインハルトは同盟軍撃破のため出撃せざるを得ず、同盟軍は自らの意志で決戦場を選べたことでしょう。
はっきり言って、負けた理由はなにも考えずに前進していった、前線部隊と、前線で結果が出ているのに、それを認めなかった、政府首脳部のせいです。
(もちろん部隊の前進を止めなかった、総司令部も免罪はできないけど)
ヤンが英雄で、フォークは無能ってのは成り立ちません。
本当なら。
何処まで前進するのか、作戦目標達成点は何処か、
を規定していなかったのならば、フォーク准将の責任は大きいよ。
そんなの作戦とは言わないし。
作戦を認可したり、その程度の人物に権限を与えた総司令部が
一番責任が大きいけれど。
准将閣下の責任は大きい。けど、具体的な目標を規定していないのは、政府(政権の方が正しいかも)が決めさせてくれなかったってのもあると思います。
(決めさせてもらっても作戦主任がフォークじゃあ・・・)
さらに言うと、前線部隊がもう少し、頭を使って動いていれば、あそこまでの惨敗はなかったでしょう。
ロポス元帥の言った、最小限の被害での失敗が実現したはずです。
> 准将閣下の責任は大きい。けど、具体的な目標を規定していないのは、政府(政権の方が正しいかも)が決めさせてくれなかったってのもあると思います。
> (決めさせてもらっても作戦主任がフォークじゃあ・・・)
うん、そうだよね。
根本からして問題があるってのは、最初から掲げられていたテーマだし。
> さらに言うと、前線部隊がもう少し、頭を使って動いていれば、あそこまでの惨敗はなかったでしょう。
> ロポス元帥の言った、最小限の被害での失敗が実現したはずです。
うん、同意。
でも官僚化して機能不全に陥った軍隊に頭を使う能力があったかどうか・・・。
融通の利かなさは軍隊の通弊みたいなものだし、
なんというか・・・どうしようもないよね(苦笑)。
インパールに意味はあったのかって言うのと、
同等の作戦レベルな気がするです。
返信どもでした。
> うん、そうだよね。
> 根本からして問題があるってのは、最初から掲げられていたテーマだし。
いや、認可は政府が出してもあの「いきあたりばったり(ビュコック提督評)」な作戦そのものはフォークの責任でしょう?
少なくとも作戦参加者への説明時にそれを言わずにヤン、ビュコック、ウランフに不安がられた訳ですし。
> > さらに言うと、前線部隊がもう少し、頭を使って動いていれば、あそこまでの惨敗はなかったでしょう。
> > ロポス元帥の言った、最小限の被害での失敗が実現したはずです。
> うん、同意。
> でも官僚化して機能不全に陥った軍隊に頭を使う能力があったかどうか・・・。
> 融通の利かなさは軍隊の通弊みたいなものだし、
> なんというか・・・どうしようもないよね(苦笑)。
> インパールに意味はあったのかって言うのと、
> 同等の作戦レベルな気がするです。
> 返信どもでした。
まあ事実それなりの対応をしたヤンの第十三艦隊の被害が軽微だったのは事実ですが普通頭を使うのは司令部や参謀本部のお仕事で実働部隊がそれを下手にやると越権行為でしょう。
第一それを言うなら婉曲に「いい加減にしろ」と苦情を申告して某准将に癲癇を起こされて収拾のつかないままラインハルトの強襲まで放置されたビュコック提督の苦労はどうなりますか。
それと「最小被害での失敗」を望んだのはシトレ元帥です。
ついでにそもそもシトレ元帥は遠征そのものを「暴挙」「無謀」と酷評しております。
> まあ事実それなりの対応をしたヤンの第十三艦隊の被害が軽微だったのは事実ですが普通頭を使うのは司令部や参謀本部のお仕事で実働部隊がそれを下手にやると越権行為でしょう。
> 第一それを言うなら婉曲に「いい加減にしろ」と苦情を申告して某准将に癲癇を起こされて収拾のつかないままラインハルトの強襲まで放置されたビュコック提督の苦労はどうなりますか。
>
> それと「最小被害での失敗」を望んだのはシトレ元帥です。
> ついでにそもそもシトレ元帥は遠征そのものを「暴挙」「無謀」と酷評しております。
はい、シトレ元帥でしたね。ともあれ、ビュコック提督は本来かわいそうな人ではありません(あの状況では)
行けと言われたわけでもないのに、勝手に進んで(行くなとも言わなかった総司令部の責任はもちろんあるのですけど)補給物資がって言われても、総司令部も困るでしょう。
(総司令部にそういうことを言う資格はないけど)
帝国軍の戦略意図が分かった時点で、手近な星系2,3つ占領して、プロパガンダをすれば良かっただけの話なんですよ。
そうすれば慌ててでてきた、帝国軍を有利な場所で待ちかまえることが可能だったのです。
>佐々木 公彦さん
> 帝国軍の戦略意図が分かった時点で、手近な星系2,3つ占領して、プロパガンダをすれば良かっただけの話なんですよ。
>
> そうすれば慌ててでてきた、帝国軍を有利な場所で待ちかまえることが可能だったのです。
あのですね、フォーク准将のプランが「帝国大侵攻」である事に異論はありますか(当人「大壮挙」とか飾ってますが。
それで堅実な穴熊戦術を取れば「サボタージュ」と呼ばれるに決まってるじゃありませんか。
馬鹿じゃないんですから同盟軍艦隊司令官各位だってその意を受けて積極的にせよ嫌々にせよ政府とフォークの共通目的「版図拡大」に向けて行動せざるを得なかったに決まっているでしょう。
第一佐々木さんの仰る2つ3つの星系だってラインハルトが物資引き上げをやっていた事はまず間違いないんですから補給の安全性が多少ましになったかもしれないくらいのメリットで何なら何年か待てば同盟に過重負担になった事は疑念の余地がありませんね。
前線指揮官の有能無能は確かにあったでしょうが一番無能かつ全責任があるのは総司令部である事は明白です。
あくまでそうではないと強弁したければ総司令部には「同盟新領土運営計画」及び「以後の対帝国妥当戦略」を作中で読者と実働部隊指揮官全員に説明する義務があったのです。
まああれです、「義務感や責任感を持って業務を遂行するなぞ愚直の極み、馬鹿の所業」とのご主張でしたら言われるとおりで結構です。
個人的にそういう人間と仕事をしたり仕事およびその従事者について語って欲しくはありませんが。
結局、時の政権が帝国領を占領し、抑圧された(ラインハルトが誰の目にも明らかなように、飾り立ててくれた)人民を解放したって言うのを、前線での結果として認めなかった、この点が、まったくもって、おかしい。
戦えば、死者が出るわけで、その遺族は反対派に回ると考えるべき。
常識で考えたら失敗するに決まっている行為を相手がそれ以上の失敗をするという前提で進めたら、その通りになったという。
あの世界で勝利するのに必要な物は、数でも戦略でもなく、ただ大神オーディーン(またの名を作者)の加護のみであるっていう、いつものパターンといってしまえばそれまでですが。
それじゃあ、悲しすぎる。
> あのですね、フォーク准将のプランが「帝国大侵攻」である事に異論はありますか(当人「大壮挙」とか飾ってますが。
> それで堅実な穴熊戦術を取れば「サボタージュ」と呼ばれるに決まってるじゃありませんか。
行けと言われていったのなら、総司令部の責任です。
その際には、そんな事したら補給が持たないと言えばいい話です。
(それが通らなければ前線部隊に責任はない)
けど、キャゼルヌがこっちの苦労も知らないでといっていたように、
あのときは、前線部隊がかってに、前進していったのも事実ですよ。
(前にも言ったけど、止めなかった総司令部の責任も当然あります)
> 馬鹿じゃないんですから同盟軍艦隊司令官各位だってその意を受けて積極的にせよ嫌々にせよ政府とフォークの共通目的「版図拡大」に向けて行動せざるを得なかったに決まっているでしょう。
占領した星系の、治安維持を理由にしばらく動かないってのはありだと思う。
だいたい、補給物資が少ないから、前にでられないと言う報告はする義務があるだろうし。
> 第一佐々木さんの仰る2つ3つの星系だってラインハルトが物資引き上げをやっていた事はまず間違いないんですから補給の安全性が多少ましになったかもしれないくらいのメリットで何なら何年か待てば同盟に過重負担になった事は疑念の余地がありませんね。
自給(可能なら、艦隊に補給も)できるようにすればいい話であって、永遠にハイネセンが支えなければならない訳じゃありません。
まさか、それまでオーディーンが支えてたわけじゃないでしょう。
年単位で待たなければならないわけでもなし。
仮に待たなければならないなら、全軍張り付ける必要もないし。
> 前線指揮官の有能無能は確かにあったでしょうが一番無能かつ全責任があるのは総司令部である事は明白です。
少なくとも作戦主任参謀が一番無能であったことは、同意します。
> あくまでそうではないと強弁したければ総司令部には「同盟新領土運営計画」及び「以後の対帝国妥当戦略」を作中で読者と実働部隊指揮官全員に説明する義務があったのです。
強弁する気はありません。
一応言っておくと、新領土は、敵反攻時には最悪放棄も可。(維持できるならそれに越したことはないけどまず無理)
そうすれば、物資を持っていった、帝国と与えてくれた同盟という状況下での、帝国支配はかなりの不安定要因になるでしょう。
対帝国戦略は、政治的プロパガンダを進めれば、遠からず帝国軍がでてくるのは、明らか。
明確な勝利以外では、上記の不安定要因は消せません。
帝国が全軍あげて打って出るなら、引けばいいし、
遠からず、再び解放すると約束しても良いし、何なら住民は同盟に移住させてもよし。
(約束して、それが無理なら逆効果なのでその点はよく考える必要がある)
ラインハルト旗下の部隊だけなら、数に物を言わせて正面決戦をすればいい。
「大軍に、区々たる戦術は無用」です。
> まああれです、「義務感や責任感を持って業務を遂行するなぞ愚直の極み、馬鹿の所業」とのご主張でしたら言われるとおりで結構です。
義務感や責任感があれば、昼寝してると聞いてあきれて物も言わないなんて事はしないでしょうね。
たたき起こさせて、総司令官に意見具申をするでしょう。
> 個人的にそういう人間と仕事をしたり仕事およびその従事者について語って欲しくはありませんが。
うんうん。
> 行けと言われていったのなら、総司令部の責任です。
> その際には、そんな事したら補給が持たないと言えばいい話です。
> (それが通らなければ前線部隊に責任はない)
もとより大戦果を上げなくては(選挙のために)意味がない現政権とフォークの功利心で行った進行で戦線の遅滞が許されるわけがないでしょう。
漫画版だとその類の抗議にフォークがごく無責任に「補給をまわす」と言っておしまいでした。
無論その補給艦隊は撃沈されました。
> けど、キャゼルヌがこっちの苦労も知らないでといっていたように、
> あのときは、前線部隊がかってに、前進していったのも事実ですよ。
> (前にも言ったけど、止めなかった総司令部の責任も当然あります)
あれは侵攻の結果もそれによる補給計画も考えていない司令部への罵倒です。
もう一度1巻の読み直しをおすすめします。
> > 馬鹿じゃないんですから同盟軍艦隊司令官各位だってその意を受けて積極的にせよ嫌々にせよ政府とフォークの共通目的「版図拡大」に向けて行動せざるを得なかったに決まっているでしょう。
>
> 占領した星系の、治安維持を理由にしばらく動かないってのはありだと思う。
ない(前述の政府とフォークの都合が理由)。
正確には「許されない」ですね。
> だいたい、補給物資が少ないから、前にでられないと言う報告はする義務があるだろうし。
くどいようですが「補給はする」でキルヒアイスに撃破されて終わりです。
> > 第一佐々木さんの仰る2つ3つの星系だってラインハルトが物資引き上げをやっていた事はまず間違いないんですから補給の安全性が多少ましになったかもしれないくらいのメリットで何なら何年か待てば同盟に過重負担になった事は疑念の余地がありませんね。
>
> 自給(可能なら、艦隊に補給も)できるようにすればいい話であって、永遠にハイネセンが支えなければならない訳じゃありません。
アニメ版では農業指導を行う兵士と住民の交流などもありましたが、結果は収穫まで炊き出しが持たず暴動と帝国軍の逆襲が連動して発生して終わりです。
「自立しろ」で金と物を与えて方法を提示して終わりなら日本の中国へのODAもきっと前世紀中に終わっていたでしょう。
> まさか、それまでオーディーンが支えてたわけじゃないでしょう。
> 年単位で待たなければならないわけでもなし。
反乱防止に必ず軍や領主の所有する補給艦により輸入する必需物資は惑星ごとに設定されていた可能性は否定できません。
少なくとも極短期間でラインハルトが簡単に「焦土化」出来る程度の備蓄しかなかったのは作中事実ですし。
> 仮に待たなければならないなら、全軍張り付ける必要もないし。
貴重な艦隊戦力をむざむざ各個撃破されるだけです、「敵領土内」なんですよ?
> 強弁する気はありません。
> 一応言っておくと、新領土は、敵反攻時には最悪放棄も可。(維持できるならそれに越したことはないけどまず無理)
前述の政府とフォークの都合で絶対に許可はおりません。
> そうすれば、物資を持っていった、帝国と与えてくれた同盟という状況下での、帝国支配はかなりの不安定要因になるでしょう。
そもそも同盟がこなければきちんとパンだけは帝国が与えてくれていたのにと恨まれるでしょうね、作中の史実どおりに。
> 対帝国戦略は、政治的プロパガンダを進めれば、遠からず帝国軍がでてくるのは、明らか。
> 明確な勝利以外では、上記の不安定要因は消せません。
> 帝国が全軍あげて打って出るなら、引けばいいし、
だから政府とフォークの都合で大規模占領か帝国軍への大打撃が確定するまで撤退は許されないんです。
> 遠からず、再び解放すると約束しても良いし、何なら住民は同盟に移住させてもよし。
> (約束して、それが無理なら逆効果なのでその点はよく考える必要がある)
>
> ラインハルト旗下の部隊だけなら、数に物を言わせて正面決戦をすればいい。
> 「大軍に、区々たる戦術は無用」です。
で、周到な準備と戦略戦術練り上げ地の利を持ったラインハルトに「原作どおり」ボロ負けしますね。
悪いことはいいませんからもう一度1巻読みましょうよ。
> > まああれです、「義務感や責任感を持って業務を遂行するなぞ愚直の極み、馬鹿の所業」とのご主張でしたら言われるとおりで結構です。
>
> 義務感や責任感があれば、昼寝してると聞いてあきれて物も言わないなんて事はしないでしょうね。
> たたき起こさせて、総司令官に意見具申をするでしょう。
「言っても無駄」という絶望感を味わったことのない佐々木さんの周囲は世界的レベルで幸運です。
おめでとう。
> > 個人的にそういう人間と仕事をしたり仕事およびその従事者について語って欲しくはありませんが。
> >
>
> うんうん。
いや「苦労知らず」の幸せな方に同意していただいても。
同盟政府が帝国領侵攻作戦を承認したのは、来るべき選挙で支持率を上げるためには「戦果」が必要ということでした。でも、直前に戦果は十分上げてますよね。ヤン・ウェンリーがイゼルローン要塞奪取という戦果を上げても。それでもサンフォード政権の支持率が上がらなかったとしたら、それはサンフォード個人の魅力のなさに原因があると普通、思われるのではないですか?帝国領侵攻作戦が起きるのをまたなくても、トリューニヒトは与党反主流派の議員を煽って、「選挙で勝てない」という理由でサンフォードを辞任に追い込み、その後釜に座れば、容易に議長のイスを手に入れられるでしょう。フォークはトリューニヒトにコネはないでしょうから(トリューニヒトならむしろ、ヤンを取り込む方法を考えるでしょう)、帝国領侵攻作戦をおこなわず、同盟は国力を温存出来る。
むしろ、帝国内では弔い合戦の声が高くなり、ラインハルトにイゼルローン奪還の命がくだり、ラインハルトが窮地に追い込まれるのでは?この場合、ラインハルトは皇帝崩御まで時間を稼ぎ、皇帝崩御後はエジプト遠征のときのナポレオンのように、急遽、首都に舞い戻って、クーデター敢行ということになるのでしょうか。ただし、帝国を内戦状態に置くわけにはいかないので、リッテンハイムかブラウンシュヴァイクのどちらかと結びついて分裂を最小限に食い止めると思いますが。
こうして、同盟・帝国の国力さが縮んでいく中、フェザーンはどのような動きをみせるでしょうか。
どちらかというと帝国領侵攻作戦は軍が望んだものだと思います。
同盟軍創設以来の悲願であったがゆえにあんな杜撰極まりない
計画が通ったし、軍人達も熱狂したと。
サンフォートは軍の意向を汲んだのでしょう。軍に逆らうと
失脚しますから。戦争が長く続き、軍に国力の大半を裂くと、
軍は国家の中の国家と化して、時の政府は軍の意向に逆らえなくな
ります。文民統制はあまりにもそういう事が起こるので禁止せざるを
えなくなったのであり、禁止されてることは現実には何が横行してい
るかを教えてくれます。
であの状況では正直帝国領侵攻作戦をとめるのは困難極まりない
としか。流れとしか言いようが無い。もちろんいきつく先は破滅
ですが、流れに逆らえば逆らった人間が真っ先に破滅する。
国力に関しては縮まらないでしょう。同盟も帝国も国力の大半を
戦争という非効率極まりないことに使っている以上、イッチーさんの
状況でも帝国も減りますが、同盟も減るので相対的国力差は変わらない
と思います。アムリッツアが無くてもあの状況をそのまま続ければ
先に同盟が死ぬ。銀河連邦から続く蓄えがある帝国と蓄えがすくない
新興国家同盟が我慢比べやれば先に死ぬのは同盟ですので。
もっともその場合、先に同盟が死ぬだけで、帝国も死ぬんですがね。
イッチーさんの状況でリップシュタットがおきれば、同盟は貴族側に
援助するでしょうが、正直あの体たらくでは援助があっても展開は
たいして変わらないような気がします。
かといって同盟軍の直接介入はまずいです。ラインハルトと貴族の
内戦から、侵略者同盟から祖国帝国を守る防衛戦争に代わってしまう。
貴族達は同盟を叛徒と呼んでます。同盟軍と組むぐらいならラインハルトに
つくという貴族もでるでしょうし、国民もラインハルトと貴族の
内戦なら勝手にしろという人間も侵略者から故郷を守る、となれば
積極的に協力するでしょう。
> どちらかというと帝国領侵攻作戦は軍が望んだものだと思います。
> 同盟軍創設以来の悲願であったがゆえにあんな杜撰極まりない
> 計画が通ったし、軍人達も熱狂したと。
> サンフォートは軍の意向を汲んだのでしょう。軍に逆らうと
> 失脚しますから。戦争が長く続き、軍に国力の大半を裂くと、
> 軍は国家の中の国家と化して、時の政府は軍の意向に逆らえなくな
> ります。文民統制はあまりにもそういう事が起こるので禁止せざるを
> えなくなったのであり、禁止されてることは現実には何が横行してい
> るかを教えてくれます。
> であの状況では正直帝国領侵攻作戦をとめるのは困難極まりない
> としか。流れとしか言いようが無い。もちろんいきつく先は破滅
> ですが、流れに逆らえば逆らった人間が真っ先に破滅する。
なるほど、そうなると、こんな感じでことはすすんだのでしょうね。
ヤンがイゼルローン要塞奪取→同盟軍の意気上がる→軍が帝国領侵攻を希望→どうせ、侵攻せざるを得ないのなら、サンフォードにやらせて、引導を渡し、その後釜に自分が座ろう、とトリュニヒトが考える→サンフォードに、戦果があれば、支持率が上がるという偽情報を流す→帝国領侵攻作戦
> 国力に関しては縮まらないでしょう。同盟も帝国も国力の大半を
> 戦争という非効率極まりないことに使っている以上、イッチーさんの
> 状況でも帝国も減りますが、同盟も減るので相対的国力差は変わらない
> と思います。アムリッツアが無くてもあの状況をそのまま続ければ
> 先に同盟が死ぬ。銀河連邦から続く蓄えがある帝国と蓄えがすくない
> 新興国家同盟が我慢比べやれば先に死ぬのは同盟ですので。
> もっともその場合、先に同盟が死ぬだけで、帝国も死ぬんですがね。
同盟にとって、最善策は帝国との間に講和を結んで、帝国・同盟の並存状況を作り上げることしかないようですね。そうなると、同盟にとって最大の敵は「全宇宙を統一する」とか寝ぼけたことを言っているラインハルトと同盟・帝国の提携を恐れるフェザーンの2つを倒さないといけませんね。
フォークがどう言おうと、現実に物資がないに、前進なんか出来ないんだということが解りませんか。
> もとより大戦果を上げなくては(選挙のために)意味がない現政権とフォークの功利心で行った進行で戦線の遅滞が許されるわけがないでしょう。
> 漫画版だとその類の抗議にフォークがごく無責任に「補給をまわす」と言っておしまいでした。
> 無論その補給艦隊は撃沈されました。
補給物資がなければ、現実に侵攻作戦を続けるのは無理なんです。
それを無視して、選挙協力をする提督方も問題だと思いませんか。
物資が手に入ってから、前進するべきであって、総司令部が補給の約束をしたからといって、物資が手に入ってないのに前進は出来ないでしょ。
補給艦隊が攻撃される可能性は、当然あるし、そうである以上、確実に物資が手に入るとはかぎらないのです。
> あれは侵攻の結果もそれによる補給計画も考えていない司令部への罵倒です。
> もう一度1巻の読み直しをおすすめします。
最初の補給計画では、住民への食糧支援は計画に入ってません。
前線部隊が、状況の変化を無視して前進を続け、総司令部がそれを止めなかったための、破綻です。
> ない(前述の政府とフォークの都合が理由)。
> 正確には「許されない」ですね。
建前として、選挙とは関係ないのだから、ありですよ。
大体行けと言われても、いけないのだから仕方がないでしょ。
> > だいたい、補給物資が少ないから、前にでられないと言う報告はする義務があるだろうし。
> >
> くどいようですが「補給はする」でキルヒアイスに撃破されて終わりです。
物資がないまま、前には出れないの。
それがわかってて前に出たのなら、提督方にも責任あるでしょ。
出ろというなら、先に物資を渡せそれから行ってやる。
こうあるべきでしょ。
大体、補給艦隊の壊滅後、直ちに、補給路の確保が出来るところまで、後退するべきなんです。
> アニメ版では農業指導を行う兵士と住民の交流などもありましたが、結果は収穫まで炊き出しが持たず暴動と帝国軍の逆襲が連動して発生して終わりです。
> 「自立しろ」で金と物を与えて方法を提示して終わりなら日本の中国へのODAもきっと前世紀中に終わっていたでしょう。
いいかげんにしてほしいな。
これこそ、前線部隊が勝手に突っ走った結果じゃないか。
自立のために必要な物資が、きちんと届けば、それまで自立していた、占領地の人たちはやっていけるんです。
安定的な補給路が確保できないのに、前進すればいつか必ずこうなるのだから。
> > まさか、それまでオーディーンが支えてたわけじゃないでしょう。
> > 年単位で待たなければならないわけでもなし。
>
> 反乱防止に必ず軍や領主の所有する補給艦により輸入する必需物資は惑星ごとに設定されていた可能性は否定できません。
ありえますよ。ただ、帝国の手間を考えると、だから何って程度の量でしかないでしょうけど。
むしろ、惑星内に、重要物資のプラントがあって、撤退時にそれを破壊していったと考えるほうが、手間がなくて言いかと思いますが。
> 少なくとも極短期間でラインハルトが簡単に「焦土化」出来る程度の備蓄しかなかったのは作中事実ですし。
もちろん、焦土化のために持っていく物資があまり多くないのは当然です。
本当に全部持っていって、同盟がついたころには、餓死者がごろごろなんてのは、ラインハルトにとっても都合が悪いですし。
だから、自立出来るようにするための、物資も少なくてすむんでエスよ。
> > 仮に待たなければならないなら、全軍張り付ける必要もないし。
> >
> 貴重な艦隊戦力をむざむざ各個撃破されるだけです、「敵領土内」なんですよ?
馬鹿じゃないんだから、勝てないなら、逃げれば良いでしょ。
そのころには選挙終わってますよ。
> 前述の政府とフォークの都合で絶対に許可はおりません。
作中で実際にそうなったというのに、被害が増大したさいの、政権にとってのマイナス面というのが、理解できないですか?
> > そうすれば、物資を持っていった、帝国と与えてくれた同盟という状況下での、帝国支配はかなりの不安定要因になるでしょう。
> >
> そもそも同盟がこなければきちんとパンだけは帝国が与えてくれていたのにと恨まれるでしょうね、作中の史実どおりに。
へー、帝国辺境の住民はそこまで馬鹿であるといいたいのですか。
まあそういう風に考える人もいるでしょうけど、帝国が領民を守る義務を果たさなかったのは明らかですよ。
> > 対帝国戦略は、政治的プロパガンダを進めれば、遠からず帝国軍がでてくるのは、明らか。
> > 明確な勝利以外では、上記の不安定要因は消せません。
> > 帝国が全軍あげて打って出るなら、引けばいいし、
>
> だから政府とフォークの都合で大規模占領か帝国軍への大打撃が確定するまで撤退は許されないんです。
許されるも何も、帝国との戦争に勝つために必要なことなら、やる義務がありでしょ。
> で、周到な準備と戦略戦術練り上げ地の利を持ったラインハルトに「原作どおり」ボロ負けしますね。
周到な準備?何もしてないですよ。
一度や二度、補給艦隊を沈めたくらいで、物資が枯渇するほうが、馬鹿なだけで。
地の利も、同盟のわかる範囲で、少なくともマイナスではないところをを選択すれば言いだけの話。
> 悪いことはいいませんからもう一度1巻読みましょうよ。
悪いことは言いません、現実を見てください。
一度始まってしまった、軍事作戦に政府の口がはさむ余地などほとんどありません。
フォークの意見など、前線が無視してしまえばそれまでです。
格が違います。
総司令官が出てきたのなら、きちんと反論すれば良いでしょう。
> 「言っても無駄」という絶望感を味わったことのない佐々木さんの周囲は世界的レベルで幸運です。
> おめでとう。
言っても無駄だから、数十万単位の部下の命を無駄に捨てようって人に下についたことがないのが、世界的に幸運なことだとは知りませんでした。
ありがとう。
> どちらかというと帝国領侵攻作戦は軍が望んだものだと思います。
> 同盟軍創設以来の悲願であったがゆえにあんな杜撰極まりない
> 計画が通ったし、軍人達も熱狂したと。
> サンフォートは軍の意向を汲んだのでしょう。軍に逆らうと
> 失脚しますから。戦争が長く続き、軍に国力の大半を裂くと、
> 軍は国家の中の国家と化して、時の政府は軍の意向に逆らえなくな
> ります。文民統制はあまりにもそういう事が起こるので禁止せざるを
> えなくなったのであり、禁止されてることは現実には何が横行してい
> るかを教えてくれます。
> であの状況では正直帝国領侵攻作戦をとめるのは困難極まりない
> としか。流れとしか言いようが無い。もちろんいきつく先は破滅
> ですが、流れに逆らえば逆らった人間が真っ先に破滅する。
よく考えてみたら、トリューニヒトは同盟領侵攻作戦に反対してましたよね。もしも、同盟がそんな状態だったら、トリューニヒトは熱狂的な軍人か愛国者にぶっ殺されてしまうのではないでしょうか?
それと同盟軍創設時の悲願は「同盟を守る」ことであって、「帝国を倒す」ことではないと思います。ダゴン星域会戦以来、目標は変わってしまったと思いますが・・・。そう考えると、むしろ、フォークよりヤンのほうが同盟軍人らしい思考の持ち主だったわけで・・・。
> フォークがどう言おうと、現実に物資がないに、全身なんか出来ないんだということが解りませんか。
「やれ」というのはただでフォークが現実を理解していない事をお忘れなく。
> 補給物資がなければ、現実に侵攻作戦を続けるのは無理なんです。
> それを無視して、選挙協力をする提督方も問題だと思いませんか。
> 物資が手に入ってから、前進するべきであって、総司令部が補給の約束をしたからといって、物資が手に入ってないのに前進は出来ないでしょ。
> 補給艦隊が攻撃される可能性は、当然あるし、そうである以上、確実に物資が手に入るとはかぎらないのです。
正解です。
遠征前に止めなかった時点でもう遅いのです。
後は手続きに従う他ありません。
この時点で艦隊司令が共同で出撃拒否の動議を起こしていればトリューニヒト国防委員長も非戦派の立場をとっているので結構うまくいった可能性もあったかもしれません。
「魔術師ヤンのイゼルローン陥落」に浮き立って民衆が政府の方を支持するような国家ならやはり負けて仕方ないでしょうね同盟は。
> 最初の補給計画では、住民への食糧支援は計画に入ってません。
> 前線部隊が、状況の変化を無視して前進を続け、総司令部がそれを止めなかったための、破綻です。
何度いえば理解できるんですか、大戦果が前提の作戦で総司令部が許可を出さない限り前線部隊に停止する権限はないと。
軍における独断専行というのは一部の例外を除いて反逆かクーデターを意味する訳ですが全艦隊まとめて戦死よりましだから犯罪者になれと?
> > ない(前述の政府とフォークの都合が理由)。
> > 正確には「許されない」ですね。
>
> 建前として、選挙とは関係ないのだから、ありですよ。
> 大体行けと言われても、いけないのだから仕方がないでしょ。
「現地調達して行け」と事実文中で言われていますがね。
艦船自体は別に燃料も弾薬も消費していませんし。
理不尽な命令ですが「不可能」と言えないのも確かですね。
> 物資がないまま、前には出れないの。
> それがわかってて前に出たのなら、提督方にも責任あるでしょ。
> 出ろというなら、先に物資を渡せそれから行ってやる。
> こうあるべきでしょ。
> 大体、補給艦隊の壊滅後、直ちに、補給路の確保が出来るところまで、後退するべきなんです。
確かにビュコック提督は腹をくくって司令部に逆らいましたがね、普通それをやれば更迭、左遷、最悪投獄や処刑もありますよ。
前提の間違った作戦に従事した段階で手遅れなんです。
前線指揮官はあくまで手足なんですから。
しかし本当に読まずに物言ってますね。
補給艦隊壊滅と連動して各艦隊は「消耗した」とみなされてラインハルトの部下たちに強襲されていますよ。
あなた不都合はみんな「部下が悪い」ですませる人ですね。
> いいかげんにしてほしいな。
> これこそ、前線部隊が勝手に突っ走った結果じゃないか。
>
> 自立のために必要な物資が、きちんと届けば、それまで自立していた、占領地の人たちはやっていけるんです。
> 安定的な補給路が確保できないのに、前進すればいつか必ずこうなるのだから。
そういう作戦なんだから仕方ないでしょう。
前線艦隊だって取り決めに従う義務があるんです。
第一それじゃODAが止まらないのは国会にダイナマイト持って抗議に行かない佐々木さんのせいでいいですね?
> ありえますよ。ただ、帝国の手間を考えると、だから何って程度の量でしかないでしょうけど。
> むしろ、惑星内に、重要物資のプラントがあって、撤退時にそれを破壊していったと考えるほうが、手間がなくて言いかと思いますが。
奪回前提なんですしどこかの貴族の領地なんですからそっちの方が後日の手間も禍根も大きく思えますね。
> もちろん、焦土化のために持っていく物資があまり多くないのは当然です。
> 本当に全部持っていって、同盟がついたころには、餓死者がごろごろなんてのは、ラインハルトにとっても都合が悪いですし。
> だから、自立出来るようにするための、物資も少なくてすむんでエスよ。
あまり人道的ではないですがそれは言い訳できますね。
曰く「同盟軍の略奪と虐殺」で帝国内では宣伝できますし。
最悪の事態ではありますがごまかせるのでラインハルトは全部持って行って致命傷は負わないわけです。
ここのところは皮肉にも帝国のシステムにもラインハルトは助けられていますね。
> 馬鹿じゃないんだから、勝てないなら、逃げれば良いでしょ。
> そのころには選挙終わってますよ。
馬鹿じゃない程度で抵抗しきれない程度の戦力を逃がしてくれる程無能な存在にラインハルトは作中設定されておりません。
逃げ切ったヤンが「凄い」と言われている事実も読んでおられない事がわかりました。
いい加減知りもしない話題を続けて辛いとか恥ずかしいとかないですか?
> 作中で実際にそうなったというのに、被害が増大したさいの、政権にとってのマイナス面というのが、理解できないですか?
決定権のあるフォークに事実上代表される作戦本部とその後ろ盾であるサンフォード政権はその事実を絶対理解したくないという事が理解できないですか、そうですか。
> へー、帝国辺境の住民はそこまで馬鹿であるといいたいのですか。
> まあそういう風に考える人もいるでしょうけど、帝国が領民を守る義務を果たさなかったのは明らかですよ。
「そういう教育をうけてそういう社会体制の中で生きている制約に縛られた思考をするだろう」と思いますね。
佐々木さんが強要された体制のなかで生きる人々を馬鹿と蔑む浅慮の持ち主なのは理解しました。
「命を賭けて皇帝につくせ」これが1巻時点の銀河帝国最大の臣民の義務であり国是ですが何か?
> > だから政府とフォークの都合で大規模占領か帝国軍への大打撃が確定するまで撤退は許されないんです。
>
> 許されるも何も、帝国との戦争に勝つために必要なことなら、やる義務がありでしょ。
軍人の義務は「命令に従い最善を尽くす」ですよ作戦開始後は特に。
よっぽど軍事クーデターお好きなんですね。
> 周到な準備?何もしてないですよ。
> 一度や二度、補給艦隊を沈めたくらいで、物資が枯渇するほうが、馬鹿なだけで。
> 地の利も、同盟のわかる範囲で、少なくともマイナスではないところをを選択すれば言いだけの話。
その馬鹿を相手にしてるんですからラインハルトだって最小の手間で事を済ませただけですね。
ちなみに侵攻作戦を指して馬鹿と言っており前線艦隊各個を指してはおりませんので念の為。
> 悪いことは言いません、現実を見てください。
> 一度始まってしまった、軍事作戦に政府の口がはさむ余地などほとんどありません。
> フォークの意見など、前線が無視してしまえばそれまでです。
> 格が違います。
> 総司令官が出てきたのなら、きちんと反論すれば良いでしょう。
で、現実をみましたがビュコックがそれをやってどうなりましたか?
ついでに「作戦本部」と「実働部隊」で格下は「実働部隊」です。
命令が実行されない組織は組織じゃありません。
「俺軍隊」の妄想からそろそろ目を覚ますおつもりは?
> 言っても無駄だから、数十万単位の部下の命を無駄に捨てようって人に下についたことがないのが、世界的に幸運なことだとは知りませんでした。
> ありがとう。
今の日本で貸し渋りありなのがわかっていて銀行から融資を受けなきゃやっていけない、そして事実やっていけなくなるような企業勤務でないことが幸運でなくて何です?
「偉大なる将軍様」をあがめないで済んでいることが幸運でなくて何だす?
わざわざ寝た子を起こしにイラクに行かないですむ事が幸運でなくて何です?
どうせ何かの役に立つとも思えませんので苦労してみろとは言いませんけどね。
宇宙暦796年、支持率上昇を狙って、帝国領侵攻作戦を準備していたサンフォード政権は、与党反主流派議員の造反によって崩壊した。原因は来るべき総選挙で、サンフォードが首班では、どのような戦果をあげても支持率を回復できないと見た議員たちの焦りであった。後継首班には、国民的人気の高いトリューニヒト国防委員長が選ばれた。フォーク准将が用意していた帝国領侵攻作戦案は破棄された。しかし、イゼルローン要塞奪取で意気上がる同盟軍内には帝国領侵攻作戦の実施を望む声が大きかった。軍の意向を無視し得ないと判断したトリューニヒトは、ついに帝国領侵攻を決意する。そして、トリューニヒトが作戦立案を命じたのはフォークではなく、長征1万光年以来の名門の出で、士官学校戦略研究科を首席卒業した、タデウシ・ポニャトフスキー准将であった。
ポニャトフスキー准将の立案した帝国領侵攻作戦B案の概要は次の通りである。
①帝国領侵攻作戦に際し、同盟軍を3部隊に編成する。(第1艦隊は首都星の警備にあたり、侵攻作戦には従事しない)
同盟軍第1陣(総司令官ロボス元帥)・・・第3艦隊(ルフェーブル中将)・第7艦隊(ホーウッド中将)・第8艦隊(アップルトン中将)
同盟軍第2陣(総司令官ビュコック大将)・・・第5艦隊(ビュコック大将)・第10艦隊(ウランフ中将)・第13巻(ヤン中将)
同盟軍第3陣(総司令官シトレ元帥)・・・第9艦隊(アル・サレム中将)・第11艦隊(ルグランジュ中将)・第12艦隊(ボロディン中将)
②同盟軍第1陣は、イゼルローン要塞に向かい、周辺星域の制圧にあたる。ただし、深入りはせず、帝国軍が来襲した場合は、イゼルローンに逃げ込むこと。目的は帝国軍の主力をイゼルローンにひきつけることにある。特に、帝国軍はローエングラム伯をぶつけてくると思われるので、ローエングラム伯を十分引き付けておかなくてはならない。
③同盟軍第2陣は、帝国軍の目がイゼルローンに引きつけられている間、フェザーンを攻撃し、制圧する。その後は、フェザーンの治安維持にあたり、帝国軍がフェザーン奪還に向かった場合はこれを迎撃すること。
③同盟軍第3陣は留守部隊とし、第1陣・第2陣において兵力が不足したときに、適宜投入される。
「フェザーンを攻撃するだと!」
与党トリューニヒト派の秘密幹部会議でポニャトフスキーがこの作戦案を報告したとき、ネグロポンティ国防委員長が叫んだ。
「みなさんは勘違いしておられる。フェザーンは独立国ではない。帝国領です。同盟が攻撃しても問題ありません・・・」ポニャトフスキーは笑って言った。
「しかし・・・」
「フェザーンが消えてなくなれば、同盟がフェザーンに負っている借款は事実上、消滅します。それに・・・」
「我々がフェザーン系企業から賄賂を受け取っているという証拠も消滅するというわけか」ホワン・ルイ人的資源委員長が言葉を継いだ。
「どっちにしても、帝国が打倒されれば、中立地域フェザーンの存在意義はなくなる」トリューニヒトが言った。
「ローエングラム伯をイゼルローンに釘付けにしておけば、帝国軍の元帥級の軍人には他にろくなのはいないから、帝国軍は総崩れとなりますね」ウィンザー交通委員長が叫んだ。
「帝国がついに打倒されるのか!」議員の何人かが叫んだ。
しかし、トリューニヒトにはわかっていた。同盟には帝国を打倒させる力はない。目的は、帝国に同盟の存在を認知させ、和平に持ち込むか・・・だ。
「ヤン・ウェンリー中将。君は、イゼルローンが陥落した際に、帝国と和平を結ぶべきだと主張した。しかし、それは甘い。帝国はイゼルローンが落ちただけでは和平に応じん。同盟にはもう一つの大きな勝利が必要なのだ」トリューニヒトはつぶやいた。「問題は同盟勝利の後に、こいつらをいかに沈静化させるか・・・だな」トリューニヒトの大きな賭けが始まった。
つづく?
あっ、本当だ。今読み返してみたらそうだった。
じゃあ考え直さないと。
ただ、同盟はジリ貧なので、どこかで乾坤一擲の大博打
やる必要はあるんですが。できるチャンスはただ一度、
本編のアムリッツアのあたりだというのは間違いないです。
私が作戦やるならこうやりますね。
作戦目標 帝国首都星オーディン
作戦の目的は、帝国を占領することではなく、
講和交渉の席に皇帝を引きずり出すことである。
全艦隊でもってオーディンを急襲、帝国艦隊に決戦を強い、
撃破することによって講和会談に引きずり出す。
星系占領は行わない。講和が成立した後は速やかに同盟国内に
引き上げる。なおオーディン会戦後、帝国が講和会談に
応じない場合は、オーディンを破壊したのち同盟領内に
引き上げる。
こんなのどうでしょう?
> こんなのどうでしょう?
私もそれが一番良い案だと思います。星系なんて占領しないで、一路、オーディンを目指せばよかったんですよ。実は、同じ様な設定を昔、考えたことがあります。ザ・ベストにおさめていただいている「反銀英伝・思考実験編11-A」というのがそれです。ただ、この場合、ブラウンシュヴァイク公とラインハルトによる強硬派政権が出来てしまうのですが・・・。まあ、強硬派政権が出来たところで、彼らに局面を打開する方策などなく、結局は和平を結ばざるを得ないと思いますが・・・。
宇宙暦796年、同盟軍第1陣がイゼルローン要塞に向かって出発した。同盟政府はマスコミに、大規模な帝国領侵攻作戦の発動を発表。フェザーンはそれを鵜呑みにして、帝国政府に通報した。
銀河帝国御前会議。
「皇帝陛下の勅命である。フェザーンからの通報によると、叛乱軍が大規模な侵攻を企んで折るらしい。ローエングラム伯をイゼルローン方面軍総司令官に任命する。メルカッツ提督とともに叛乱軍を討伐するよう」リヒテンラーデ候がフリードリヒ4世の指令書を代読した。
ローエングラム元帥府。「メルカッツ提督以外の提督にはかねてから説明していた作戦を実行する。すなわち、イゼルローン要塞周辺星域から貯蔵物資を全て運び出し、上陸した叛乱軍が住民への物資の供与によって弱るのを待つ。そして、十分弱ったところを討つ。このような作戦でいかがですか?メルカッツ提督」
「おそらく、それが最善の策でしょうな」
帝国軍はイゼルローン要塞周辺星域から貯蔵物資を運び出した。その後、ロボス元帥率いる同盟軍が進駐した。しかし、同盟軍はラインハルトが思っていたよりはるかに遅いスピードで進軍した。
「おかしいと思わぬか、キルヒアイス。叛乱軍の動きが鈍すぎやしないか?」
「確かに。何かを待っているように見受けられます」
ラインハルトとキルヒアイスが立ち話をしているところへ、メルカッツ提督が駆けつけてきた。
「大変ですぞ!叛乱軍がフェザーンを制圧しました!」
「しまった!やつらはこれを待っていたのだ。フェザーン制圧部隊の顔ぶれは?」
「ビュコック・ウランフ・ヤン提督率いる3艦隊だそうです」
「ふうも。叛乱軍のなかでも精鋭だな。で、皇帝陛下の対応は?」
「とりあえず、シュターデン提督をフェザーン解放軍司令官に任命して、フェザーン解放をお命じになったそうです」
しかし、シュターデンは同盟軍に大敗。司令官自身が同盟軍の捕虜となってしまった。
「やはり、理屈倒れのシュターデンでは、フェザーン解放は無理だったようだな。さてはて、うちの総司令官殿はどのような動きを見せるか、見ものだな」ミッターマイヤーは他人事のようにつぶやくとニヤっと笑った。
帝国政府からの使者がやってきたのは、その日のことである。
「皇帝陛下の勅命である。イゼルローン方面の叛乱軍を撃破し、フェザーン解放に向かうよう」
「ばかな。叛乱軍はまだちっとも弱ってはいない。今、ここで攻撃を加えても、十分な打撃は与えられるぬ」ラインハルトは司令官室で激怒した。
「しかし、勅命に逆らうわけにもいかないでしょう」キルヒアイスがなだめた。
翌朝、帝国イゼルローン方面軍は一斉に同盟軍を攻撃した。同盟軍は一斉にイゼルローン要塞に逃げ込もうとしたが、ラインハルト・メルカッツが築いた巧みな包囲陣から抜け出せず、大打撃を被った。これはロボス元帥の指揮ミスでもあった。
ハイネセン・最高評議会議長室。
その日。トリューニヒトはフェザーン行政長官にホワン・ルイを任命した。「議員たちがフェザーンの利権あさりにいそしむだろうが、大目に見てやって欲しい。やつらの目をそらしておかないと大業は成し遂げられん」
「その点はわかっているつもりです。しかし、ルビンスキーを逃がしたのは失敗でしたな」
「まあ、その他の点では特に問題はなかったのだから、良しとしよう」
「確かに、他の提督たちではこれほど短時間にフェザーンを制圧することは不可能だったでしょう。ま、私は私でやれることをやってみます」そう言って、ルイは議長室を出て行った。「ま、あなたがこのようなタイプの人間とは思わなかった」
ルイと入れ替わりにポニャトフスキーが入室して来た。
「ロボス元帥の資質には大いに問題がありましたが、その地位の大きさから第1陣総司令官に推したのですが・・・。やはり、任に堪えられなかったようですね」
「そうだな。ロボスは解任し、首都に呼び戻そう。グリーンヒルを総司令官代行にして、あとあらたに第9艦隊をイゼルローンに投入しよう」
銀河帝国・御前会議。
「ローエングラム伯の報告によると、叛乱軍に相当な規模の打撃を与えたものの、敵はイゼルローン要塞に逃げ込み、一歩も出てこないとのこと。さらに、叛乱軍は1個艦隊をあらたに要塞に投入し、長期戦の構えを見せ始めており、今、ここで自分達が離脱すれば、叛乱軍によって背後から襲われる心配があり、オーディンも危うくなる可能性があるとのことです」軍務尚書が報告した。
「そんな弱音など聞きたくはないわ。ローエングラム伯にただちにフェザーン解放に向かうよう伝えるべきじゃ!」ブラウンシュヴァイク公が叫んだ。
「和平しかないようだな」それまで沈黙を保っていたフリードリヒ4世がつぶやいた。「叛乱軍はフェザーンを制圧し、航海図を手にいれておる。イゼルローンにおる帝国軍が打ち破られれば、叛乱軍はオーディンに殺到しよう」
「陛下にはどこか地方の要塞に疎開いただき、我らが叛乱軍を向かいうちまする」宇宙艦隊司令長官が言う。
「いや、オーディンが戦火にさらされれば、多くの民に迷惑がかかろう。無益な戦いは止めにするのだ」
「しかし・・・」リッテンハイム候が口を挟もうとしたとき、「お控えなされ!陛下のご聖断にあらされるぞ!」リヒテンラーデ候が一喝した。
翌日、リヒテンラーデ候がテレビに出演し、帝国全土に呼びかけた。
「皇帝陛下の命により、これまで叛乱軍という不名誉な名で呼ばれてきた自由惑星同盟の存在を認める。銀河帝国は自由惑星同盟と講和条約を結ぶ用意がある」
つづく
こんにちは。銀英伝の話題になるといろいろ顔を出すKURと申します。
> 作戦目標 帝国首都星オーディン
> 作戦の目的は、帝国を占領することではなく、
> 講和交渉の席に皇帝を引きずり出すことである。
> 全艦隊でもってオーディンを急襲、帝国艦隊に決戦を強い、
> 撃破することによって講和会談に引きずり出す。
> 星系占領は行わない。講和が成立した後は速やかに同盟国内に
> 引き上げる。なおオーディン会戦後、帝国が講和会談に
> 応じない場合は、オーディンを破壊したのち同盟領内に
> 引き上げる。
星系の占領を行わない場合、根拠地が築けない上に敵の活動を許すことになりかねません。
ラインハルトであれば、間違いなく後方を撹乱しようとするでしょう。
補給線が維持できなくなる可能性があると思います。
それと、オーディンまで攻め込んでまともに決戦を行った場合、勝率は五分以下ではないかと…
なにしろ、帝国軍はホームグラウンドでの戦闘が可能ですし、
正規軍のほとんどがオーディンに駐留するというとんでもない体制ですので、
全力での迎撃が可能です。
むしろ、同盟としては回廊付近の星系をいくつか「解放」し、
そこに橋頭堡をつくるほうがいいんじゃないかと。
民衆が数百万人の規模なら、収穫の時期まで軍からの援助で維持できるでしょうし、
帝国としても「革命」の波及を恐れて大軍を派遣してくるでしょう。
十分に決戦が成立すると思います。
> むしろ、同盟としては回廊付近の星系をいくつか「解放」し、
> そこに橋頭堡をつくるほうがいいんじゃないかと。
> 民衆が数百万人の規模なら、収穫の時期まで軍からの援助で維持できるでしょうし、
> 帝国としても「革命」の波及を恐れて大軍を派遣してくるでしょう。
> 十分に決戦が成立すると思います。
くるのか、どうか不確定ですし。さらにいえば同盟の内情がばれて
幻滅する可能性もあります。同盟が帝国よりましだというわけでは
ないですから。同盟がきたら俺達の生活は悪くなった、帝国のほうが
ましだ、となる可能性が高いので。
くるとしてもいつ来るのか?どれぐらいの規模で?さらに勝っても
和平交渉に応じるのか?同盟の国力からして長期戦やるわけにいき
ませんし、そんな辺境に大艦隊をはりつけておくわけにはいかない。
足止めぐらいの数のこしてフェザーンからバーラト目指されば、
放棄して引き上げざるえなくなります。
同盟に長期戦戦える国力があるならそれでいいんですけどね。
> それと、オーディンまで攻め込んでまともに決戦を行った場合、勝率は五分以下ではないかと…
> なにしろ、帝国軍はホームグラウンドでの戦闘が可能ですし、
> 正規軍のほとんどがオーディンに駐留するというとんでもない体制ですので、全力での迎撃が可能です
5分以下なのは承知です。この作戦は乾坤一擲の大博打です。
本来ならこんな作戦取るべきではないんですが、劣勢の同盟の
起死回生の手段がほかにあまり無いので。
失敗した場合は同盟は死にますが、このままいっても死ぬだけなので。
なお、オーディンで帝国艦隊を撃破すればいくらなんでも
講和交渉に応じるでしょうが、イゼルローン近傍の辺境では
応じる可能性は少ないと思います。
なお、補給の問題ですが、補給が問題になるほど長期化したら
どっちみちこの作戦は失敗です。補給線があまり問題にならない
短期間の内にすべて終わらせようと言う作戦ですので。
フェザーン。
ヤンは帝国軍の来襲に備え、フェザーン星域の警備にあたっていた。
「大尉のお父さん・・・グリーンヒル大将はローエングラム伯相手によく持ちこたえているようだね。これでは、ロボス元帥は形無しだな。引退も時間の問題だね」
「いえ・・・」フレデリカははにかんだ。「それにしても、帝国はこの後、どのような動きに出るでしょう?」
「私がローエングラム伯なら、全軍を撤退させてオーディンに引き上げるね。同盟軍が追ってきたら、深く誘い込んで、一大決戦を仕掛けて撃破。しかし、背後から同盟軍が追って攻撃をしかけてくるし、地理情報ももはやおさえられている。ローエングラム伯ならば負けはしないだろうが、首都に戻るのはリスクが大きい。首都の大貴族がわざわざ盾になって、ローエングラム艦隊と任務を交替するとも思えない。首都の宇宙艦隊は皇帝の身を守ることが第一で、フェザーンを奪還するために首都を空けることはしない。かといって、シュターデン艦隊が壊滅した今、フェザーン奪還の任務を果たせる提督は帝国にはいない・・・。八方ふさがりだな」
そこへ、アッテンボロー中将がやって来た。「先輩、帝国政府が同盟の存在を公認し、講和の用意があると宣言しました。同盟政府もこれに応じた模様です。とりあえず、今さっき、ハイネセンから一時停戦命令が出ました」
「やれやれやっと平和が来るのか・・・」ふぁーとヤンは大きなあくびをした。
「それにしても、ポニャトフスキー准将とかいう今度の作戦の立案者、先輩なみの知力の持ち主ですね」
「興味ないね。まあ、私の代わりに頭を使ってくれるというのなら、この艦隊ごとやってもいいよ」
オーディン。大貴族たちはことあるごとに集まってはひそひそと話し合っていた。
「講和だと!?ローエングラム伯を盾にして、その間にメルカッツ提督を離脱させ、フェザーン解放に向かわせればいいではないか!」
「もしも、それで薄くなったローエングラム伯の防衛線を同盟軍が突破して、首都に突入してきたらどうする?疎開などまっぴらごめんだぞ。どうせ、和平が成立しても、我らの領地が減るわけでもない。フェザーンの冨の半分でもやれば、同盟は満足だろう」
「おい、聞いたか。強硬派の一人だったリッテンハイム候が講和支持を打ち出したらしい。どうやら、リヒテンラーデ候との間で、講和成立とともに陛下は、ザビーねネさまに譲位し、リッテンハイム候を摂政、リヒテンラーデ候を帝国宰相とする密約が成立したらしい」
「それならば、我らもリッテンハイム候にご機嫌うかがいに行くべきではないか?」話し合っていた貴族たちは互いにうなづくと、リッテンハイム候の屋敷に向かった。
ブラウンシュヴァイク公の屋敷では。
「リヒテンラーデ候がリッテンハイム候と手を結ぶとはな。やつはなぜ、ああも和平にこだわるのだろう?」
ブラウンシュヴァイク公がおいのフレーゲル男爵に尋ねた。
「リヒテンラーデ候には独自の武力がありません。これは戦時下での権力闘争において著しく不利です。しかし、和平が成立すれば、軍の威信は低下し、純粋な文官出身のリヒテンラーデ候も大きな顔をすることが出来ます」
「なるほど」
「叔父上、このままではザビーネが帝位に就いてしまいます。そうなれば、我らは破滅ですぞ。クロプシュトックの末路が明日のわが運命となります。何が何でもそれだけは食い止めねばなりません」
「そんなことはわかっておる」
「やはり・・・クーデターしか・・・」
「クーデター・・・」
「和平交渉はイゼルローンでおこなわれ、帝国全権としてリヒテンラーデ候が向かいます。その途中、リヒテンラーデ候はローエングラム艦隊に立ち寄り、その警護でイゼルローン要塞に向かいます。そこで、リヒテンラーデ候を殺害。さらに、首都で新無憂宮とリッテンハイム候を襲い・・・」ブラウンシュヴァイク公は最後まで言わせなかった。帝国臣民としては本当はそれは考えてはいけないことだった。しかし・・・「ローエングラム伯と話し合う必要がありそうだな」その夜、ブラウンシュヴァイク公はアンスバッハをラインハルトのもとに送った。
ローエングラム艦隊。
「ブラウンシュヴァイクの話。どう思う?」
アンスバッハの話を聞いたラインハルトはオーベルシュタインに聞いた。
「本来ならば、軍事力を持たないリヒテンラーデ候が御しやすい相手なのですが、リッテンハイム候と結びついてしまった以上、ブラウンシュヴァイクと組むのはいたしかたありません」
「わかった。ブラウンシュヴァイクの申し入れを受け入れよう。私は艦隊の一部を率いて、オーディンに向かう、リヒテンラーデ候の件は卿に任せる。また、残りの艦隊の指示はキルヒアイスに委ねる。メルカッツにはこのことは知らせるな。忠義一途の男だからな。この手のことは好まないだろう」
「わかりました」
帝国全権・リヒテンラーデ候がローエングラム艦隊と合流したのは、ラインハルトがオーディンに向けてしゅっぱつしてから数日後のことだった。
「ローエングラム伯に一言あいさつしたいのだが?」
「それではこちらでワインでもお飲みになりながらお待ちください」オーベルシュタインは通された部屋ですすめられたグラス1杯のワインを飲み干した後、絶命した。
その夜、オーディンではフレーゲル男爵率いる部隊がリッテンハイム邸を急襲し、一族は全員銃殺された。
ラインハルトとともに首都にやって来たミッターマイヤー・ロイエンタールの部隊が率いる部隊はミュッケンベルガー宇宙艦隊司令長官・エーレンベルグ軍務尚書らを拘束。ラインハルトは新無憂宮に乗り込むと、まず姉のアンネローゼを避難させ、自分は皇帝の部屋に乗り込んだ。
「皇帝陛下、ワインをお持ちしました」
「なぜ、おまえがここに?・・・。ローエングラム伯・・・。そうか・・・。おまえはおまえの姉をわしが奪ったときから、私を憎んでいたんだのだな」そう言うと、フリードリヒ4世は落ち着いた手でワイングラスをとった。
「こんなところでお願いをしても聞き届けられないとは思うが聞いて欲しい。これ以上の戦争は民を苦しめるだけじゃ。私は最後の最後までその決心をつけることが出来なかった。私が死んでも和平の道筋は途絶えさせないで欲しい」言い終わると、フリードリヒ4世は静かにワインを口に運び、死んだ。
「憎しみ抜いていたはずなのに・・・。なぜこうもすがすがしい気持ちになるのだ」ラインハルトはしばらくその場に立ち竦んでいた。
翌朝のテレビ放送。
「帝国臣民のみなさま、重大なニュースであります。昨夜、リッテンハイム候がおそれおおくも皇帝陛下を謀殺いたしました。リッテンハイム候は事件を知った、フレーゲル男爵率いる部隊によって討伐されました。リッテンハイム候はリヒテンラーデ候と手を組み、皇帝陛下をなきものにして、娘ザビーネを帝位につけんとたくらみ、今回の事件に及んだもようです。なお、リヒテンラーデ候はローエングラム伯より企てを究明され、自殺したとのことです。
フリードリヒ4世陛下の崩御にともない、ブラウンシュヴァイク公のご令嬢エリザベートさまが銀河帝国皇帝にご即位されました。エリザベートさまはさっそく、ブラウンシュヴァイク公を摂政、ローエングラム伯を侯爵に叙したうえに帝国宰相に任じました。また、フリードリヒ4世陛下のご遺志を尊重し、同盟との和平交渉をすすめるという方針を示されました」