皆さんもご存じの通り、田中氏の作品はどうも悪役キャラの底が浅く、主役級と比べて大幅に見劣りするため、今ひとつ話に深みが足りません。そこで一つ「こんなのがいた方が銀英伝にもっと深みがでただろう」キャラを考えてみました。
1,有能な大貴族の御曹司
ご存じのように銀英伝の大貴族は全員が無能者揃いで、ラインハルトの敵としてあまりに情けない印象があります。
ここは一つラインハルトに相対するに足る大貴族がいれば、話が盛り上がったのではないかと思います。
・士官学校でのラインハルトの先輩。在学中、シミュレーションでただ一人ラインハルトに勝利した経験があるといった逸話を入れる。指揮官としても有能だが、ラインハルトより階級は下(メルカッツと並ぶのも何なので大将ぐらいが適当)。
・大貴族中ただ一人ラインハルトの能力を見抜き高く評価している。ラインハルトが自分より階級が上になっても、当然のこととして受け止めるシーンを用意する。
・自分の理想と信念がある。ただしそれはあくまでも「ゴールデンバウム王朝を立て直す」という枠内に止まったものであり、ラインハルトとは敵対せざるをえない。
・内戦には批判的だが無能な父親を説得出来ず、やむなく貴族連合に参加。ここは肉親の情に引きずられる人間的な甘さを演出する。
・大貴族出身のため警戒され、メルカッツ以上に貴族連合内では足を引っ張られるため、正しい戦略眼を持っているがそれを生かす機会を与えられない。
・最後は当然、絶望的な戦闘にかり出され敗死。ただし大貴族中ただ一人、死後も階級を剥奪されることなく葬られたことがラインハルトの敬意を示す。
・話を大幅に変えるなら、ラインハルトの対抗馬となって共に同盟に侵攻するという形でのライバル関係もあり。
というところでしょうか。ポイントは有能でありながら、あくまでも「旧体制の人間」であるというところです。
2,疎まれた同盟軍提督
3巻以降同盟軍の人事はトリューニヒト閥に専横されたとありますが、劇中はヤンやビュコックを少々いびる程度で、実際にワリを喰ったキャラが元々出番のないクブルスリー以外しかいないので、今ひとつ実感をつかみにくいところがあります。
そこで実際にトリューニヒト閥に疎まれて、不遇な立場に置かれた同盟軍提督を一人出した方が良かったと思われます。
・年齢はどの世代でも可。艦隊司令官という地位にあるとすればヤンより年上が適当。ただフォークと同年輩でありながら、アムリッツァで活躍して昇進というのが後の「不幸」を際だたせる為に面白いかも。
・当然、指揮官としては有能で政治的にも無色。
・内戦時は首都にあり、身柄を拘束される。
・内戦終結後、艦隊司令官の職を解かれ左遷される。ビュコックが復職を要請するも、相手にされない。
・帝国軍の侵攻後にようやく復職するも、もはや時既に遅く以後は絶望的な戦闘を強いられる。最後はどこででもいいですが壮絶に戦死するでしょう。
・なお左遷先はフェザーンの駐在武官というのもあり。この場合、帝国侵攻時にはユリアン達に情報の消去を指示しつつ、自分はフェザーンの航路局のデータを消去せんとし、失敗して殺されるというのも面白い。当然、彼の死体を見ながらラインハルトは有能な提督にこのような仕打ちをする同盟政府への軽蔑をあらわにすることになる。
同盟政府の理不尽さを際だたせるためだけに存在するような不幸キャラであり、書いていて我ながらヒドイ扱いです。
こういった「出てきた方がよかった」キャラは他にもいろいろと考えられると思います。そんなキャラを含めて「真・銀英伝」というのも考えてみるのも面白いかも知れません。
北村 賢志さんは書きました
> 皆さんもご存じの通り、田中氏の作品はどうも悪役キャラの底が浅く、主役級と比べて大幅に見劣りするため、今ひとつ話に深みが足りません。そこで一つ「こんなのがいた方が銀英伝にもっと深みがでただろう」キャラを考えてみました。
>
> 1,有能な大貴族の御曹司
> ご存じのように銀英伝の大貴族は全員が無能者揃いで、ラインハルトの敵としてあまりに情けない印象があります。
> ここは一つラインハルトに相対するに足る大貴族がいれば、話が盛り上がったのではないかと思います。
>
> ・士官学校でのラインハルトの先輩。在学中、シミュレーションでただ一人ラインハルトに勝利した経験があるといった逸話を入れる。指揮官としても有能だが、ラインハルトより階級は下(メルカッツと並ぶのも何なので大将ぐらいが適当)。
> ・大貴族中ただ一人ラインハルトの能力を見抜き高く評価している。ラインハルトが自分より階級が上になっても、当然のこととして受け止めるシーンを用意する。
> ・自分の理想と信念がある。ただしそれはあくまでも「ゴールデンバウム王朝を立て直す」という枠内に止まったものであり、ラインハルトとは敵対せざるをえない。
> ・内戦には批判的だが無能な父親を説得出来ず、やむなく貴族連合に参加。ここは肉親の情に引きずられる人間的な甘さを演出する。
> ・大貴族出身のため警戒され、メルカッツ以上に貴族連合内では足を引っ張られるため、正しい戦略眼を持っているがそれを生かす機会を与えられない。
> ・最後は当然、絶望的な戦闘にかり出され敗死。ただし大貴族中ただ一人、死後も階級を剥奪されることなく葬られたことがラインハルトの敬意を示す。
> ・話を大幅に変えるなら、ラインハルトの対抗馬となって共に同盟に侵攻するという形でのライバル関係もあり。
>
> というところでしょうか。ポイントは有能でありながら、あくまでも「旧体制の人間」であるというところです。
>
うーむ、確かにリップシュタット戦役は、ラインハルト軍が簡単に勝ち過ぎだ、と思ってました。大貴族連合軍が無能過ぎて、唯一善戦するのはメルカッツ上級大将だけ。シュターデンはミッターマイヤーに遊ばれただけですし。どうも両勢力の実力に懸隔がありすぎて、「戦闘」としてはあまり面白くないんですよね。まだ同盟の「救国軍事会議のクーデター」で発生した、ヤン艦隊と第十一艦隊の戦闘の方が、面白みがあります。
それで、北村さん考案のキャラを出した場合ですけど、あんまりあっさり負けにしてしまうと、面白みが減退するのではないかと思いましたけどどうでしょう?名無しなのもやりにくいので、仮に「フォン・タンネンベルク伯爵(大将)」とでもして(by 柘植久慶)、私流に話を考えてみましょう。
タンネンベルク伯は一個艦隊を与えられ奮闘し、ビッテンフェルトかケンプ、ミュラーあたりには快勝。シュターデンを破ったミッターマイヤーも勝てずに退却を余儀なくされます。ラインハルト軍を散々苦しめるタンネンベルク伯。対処に困ったラインハルトは、自らが出馬してタンネンベルクを倒そうとしますが、そこへ大貴族への不満が高じての、「ヴェスターラントの反乱」が発生。これに援助を与えず見殺しにせよ、というオーベルシュタインの提言を、ラインハルトは説得されて採用してしまいます。ここにこんなセリフを入れると面白いのでは。
「オーベルシュタイン、小賢しげな提案をするな。私がタンネンベルク伯と正面から渡り合って、勝てぬと云うのか。他人任せにせず、宇宙をこの手で掴むのが、私の生きる道なのだ」
「公爵閣下の信念は結構。しかし、それも敗れてしまっては、何物にもなりはしないでしょう。タンネンベルク伯は強敵です。公爵閣下もそれはよくご存じの筈。未だ、この戦役においては、我が軍は優位を確保してはおりません。万が一、公爵閣下がタンネンベルク伯に敗れた場合は、我が軍は終わりです。しかし、この提案を実施すれば、ヴェスターラントの民衆は犠牲にはなるものの、大貴族たちの基盤が崩壊する事は疑いありません。タンネンベルク伯も、その実力を発揮するどころではなくなるのです。支配者の感情だけで、敵との正面決戦を受けるなど愚の骨頂。我が軍の戦力と兵士の命は、公爵閣下の私物ではありません」
辛辣にラインハルトを批判するオーベルシュタインに、ラインハルトは何も言えなくなってしまいます。そして、しぶしぶではありますが、ヴェスターラントの見殺しを指示。「ヴェスターラントの虐殺」の宣伝によって、大貴族軍は一般兵士に反乱が続出し、ようやくラインハルト軍が優位を得ます。タンネンベルク伯はこの虐殺行為に激しく反対したものの、ブラウンシュヴァイク公に押し切られ、遂には疎まれてしまういます。最期は絶望的な戦闘への参加を強要され、「ゴールデンバウム王朝も終わったな」と自嘲しつつ、自分の旗艦と運命をともにします。
と、まあこんなところでどうでしょう?「大貴族中ただ一人、死後も階級を剥奪されることなく葬られたことがラインハルトの敬意を示す。」って北村さんの案は、いただいておきます。でも、このタンネンベルク伯を出すと、メルカッツ上級大将の存在が、霞んでしまいそうですね。
> 2,疎まれた同盟軍提督
> 3巻以降同盟軍の人事はトリューニヒト閥に専横されたとありますが、劇中はヤンやビュコックを少々いびる程度で、実際にワリを喰ったキャラが元々出番のないクブルスリー以外しかいないので、今ひとつ実感をつかみにくいところがあります。
> そこで実際にトリューニヒト閥に疎まれて、不遇な立場に置かれた同盟軍提督を一人出した方が良かったと思われます。
>
> ・年齢はどの世代でも可。艦隊司令官という地位にあるとすればヤンより年上が適当。ただフォークと同年輩でありながら、アムリッツァで活躍して昇進というのが後の「不幸」を際だたせる為に面白いかも。
> ・当然、指揮官としては有能で政治的にも無色。
> ・内戦時は首都にあり、身柄を拘束される。
> ・内戦終結後、艦隊司令官の職を解かれ左遷される。ビュコックが復職を要請するも、相手にされない。
> ・帝国軍の侵攻後にようやく復職するも、もはや時既に遅く以後は絶望的な戦闘を強いられる。最後はどこででもいいですが壮絶に戦死するでしょう。
> ・なお左遷先はフェザーンの駐在武官というのもあり。この場合、帝国侵攻時にはユリアン達に情報の消去を指示しつつ、自分はフェザーンの航路局のデータを消去せんとし、失敗して殺されるというのも面白い。当然、彼の死体を見ながらラインハルトは有能な提督にこのような仕打ちをする同盟政府への軽蔑をあらわにすることになる。
>
> 同盟政府の理不尽さを際だたせるためだけに存在するような不幸キャラであり、書いていて我ながらヒドイ扱いです。
>
> こういった「出てきた方がよかった」キャラは他にもいろいろと考えられると思います。そんなキャラを含めて「真・銀英伝」というのも考えてみるのも面白いかも知れません。
私は同盟軍の方は、あまりにあっさりトリューニヒト閥にいいようにされ過ぎだ、と思いましたけど。いじめられキャラより、閥に抵抗して軍の建て直しに邁進する、ビュコック以外の提督が欲しいと思うんですが。それこそ、ヤンも安心して任せられるような。救国軍事会議のクーデター以降、同盟軍が弱体化し過ぎなので、今ひとつだと思っていますので。ちょっとここは北村さんとは違いますね。
リップシュタット戦役の話題が出て来た所で自分も一つ。不沈戦艦さん名づける所のフォン・タンネンベルク伯がリッテンハイム侯の幕僚であったという設定にして考えてみます。
ブラウンシュヴァイク公と袂を分かってガイエスブルク要塞から出撃し、辺境のキルヒアイス艦隊を討伐せんとする侯爵に対しタンネンベルク伯が進言する。
「閣下。このまま辺境星域に向かわず、首都星オーディンを直撃すべきです。ローエングラム侯はオーディンにはわずか3万の警備兵しか配置しておらず、占領は容易です。そうすれば皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世陛下を擁し奉って大義名分を奪う事が出来る上、ローエングラム侯の姉であるグリューネワルト伯爵夫人を人質とする事も出来ます。高速戦艦部隊を編成して本隊に先行させ、速やかに実行すべきです。閣下。ご決断を!」
リッテンハイム侯の功名欲に巧みに訴えたこの進言は直ちに採用され、タンネンベルク伯自らが編成し、指揮官となった高速機動艦隊がオーディンに向かう。それに気付いたラインハルトは慌ててミッターマイヤーを派遣して阻止しようとするが、さしもの「疾風ウォルフ」の快足をもってしても間に合わず、オーディンは占領されてしまう。宰相リヒテンラーデ公は自殺に追い込まれ、アンネローゼは捕らわれてしまう。かくしてリッテンハイム侯爵はエルウィン・ヨーゼフ二世を擁立し、勅命により公爵に進み、更に帝国宰相に就任しラインハルトから侯爵位、帝国軍最高司令官の地位を剥奪し、「賊軍」の烙印をそのまま返してしまう。タンネンベルク伯は功績によって侯爵に進み、上級大将ないし元帥に昇進。更に帝国軍最高司令官に新たに就任しリッテンハイム軍の指揮権を一手に握る。やがてはエルウィン・ヨーゼフ二世は退位し、リッテンハイム「公爵」の娘サビーネが初の女帝として即位する…。
果たして大義名分を奪われ、姉アンネローゼを人質に取られたラインハルトはどう動くのか?アンネローゼの身を心配するキルヒアイスは?出し抜かれ激怒するブラウンシュヴァイク公や他の門閥貴族の動向は?あるいは反リッテンハイムを旗に掲げローエングラム・ブラウンシュヴァイク連合成立か?(笑)こうして戦役が長引いてしまっている間に救国軍事会議のクーデターを鎮圧し、イゼルローンに帰還したヤン・ウェンリーに介入する余地は?
…失礼しました。話が脱線してしまいましたね。これじゃ反銀英伝だ(^_^)。
> > 1,有能な大貴族の御曹司
> > ここは一つラインハルトに相対するに足る大貴族がいれば、話が盛り上がったのではないかと思います。
> > ポイントは有能でありながら、あくまで「旧体制の人間」であるというところです。
これって幕末でいうところの川路としあきら(「落日の宴」)小栗上野之介(「はんぱもの維新」)みたいな役どころでしょうか。でも、小栗が一般人気ぜんぜんないしなあ。
> >
> > 2,疎まれた同盟軍提督
> > 3巻以降同盟軍の人事はトリューニヒト閥に専横されたとありますが、劇中はヤンやビュコックを少々いびる程度で、実際にワリを喰ったキャラが元々出番のないクブルスリー以外しかいないので、今ひとつ実感をつかみにくいところがあります。
> いじめられキャラより、閥に抵抗して軍の建て直しに邁進する、ビュコック以外の提督が欲しいと思うんですが。
「銀英伝」の謎としてよく挙がるのが「♪同盟の名将 数えたら 片手でもあまる~帝国の名将 数えたら 両手でも たりない~」ちゅうアンバランスさ(元ネタわからんか?)。あのおかげで、シュミレーションゲーム作る人はえらく苦労したと思うんだが。
不沈戦艦さんは書きました
>でも、このタンネンベルク伯を出すと、メルカッツ上級大将の存在が、
>霞んでしまいそうですね。
私としては政治的に無色透明で「純粋な軍人」であるメルカッツはあのままで良いとして、仮称「タンネンベルク伯」に貴族側の正当性と理念を語ってもらいたいところです。
貴族制度そのものは歴史上、民主主義より遙かに長い期間存在したわけで、それなりの正当性と理念が有ったわけです(過去形ですが)。
ところが劇中、帝国の上流貴族階級は、無能で矮小な小悪党に過ぎず、ラインハルトに抗しうるものを何一つ示していません。
つまり有能な貴族の存在はリップシュタット戦役を、単に情けない悪役が格好いい主役になぎ払われるのではなく、理念同士の激突(まあヴェスターランドの一件はありますが)として話に深みを出するために必要だと思うのです。
そうだとすると士官学校を卒業したばかりのラインハルトを「共に帝国を立て直そう」と言って部下に誘うが、彼の理念を拒絶するラインハルトがそれを蹴るというエピソードもあれば面白いですね。
> 私は同盟軍の方は、あまりにあっさりトリューニヒト閥にいいよう
>にされ過ぎだ、と思いましたけど。いじめられキャラより、閥に抵抗
>して軍の建て直しに邁進する、ビュコック以外の提督が欲しいと思う
>んですが。それこそ、ヤンも安心して任せられるような。救国軍事会
>議のクーデター以降、同盟軍が弱体化し過ぎなので、今ひとつだと思
>っていますので。ちょっとここは北村さんとは違いますね。
ここは出発点は同じですが、視点が異なりますね。
私も不沈戦艦さん同様、あのままでは「同盟軍の弱体化の説明が不十分」だと思いました。そこで、それを説明できるキャラとして「いじめられ役」が必要だと判断したわけです。
元の話を出来る限りいじらない事を心がけると、あまり活躍させるわけにいかなくなってしまうため、どちらもさっさと消え去ることを意識しましたが、有る程度出番と活躍があることを前提に考えると確かにいろいろと面白いですね。
いやあ、あまりにも「なるほど」(byパトリチェフ)だったんで、
レスも返せませんでした。
まあ、細かい話をすれば、ヤン対ラインハルトというのが大枠であったんで、
内部でそれに準ずる対決を書き、尚かつ早めに幕を引くことは出来なかったか、考えていなかったんでしょうが。
でも、「貴族で帝国再建の理念に燃える有能な提督」ってのは、ありがちな設定なだけに勿体ないですね。
さらに美形ならば猶良し(笑)。
はるか昔に書いたことがありますが、アンネローゼが産んだ皇子ですね。
オーベルシュタインの殺せという意見と姉とに挟まれて苦悩するラインハルトや、
ラインハルトに子供が生まれないで、ゴールデンバウムの血筋に
皇位が戻るのではないかという緊張感が生まれて、なかなかおもしろく
なるんではないでしょうか
あとオーベルシュタインに嫁や息子がいたらおもしろいかもしれない。
・したたかな地球教徒
田中氏の描く地球教徒は狂信的な面ばかり強調されすぎて、帝国や同盟の中枢近くまで食い込んでいるという、リアリストでなくば不可能な部分とどうにもつりあいが取れません。
ここは一つしたたかでリアリストな、つまりごくまともで有能な地球教徒を出したいところです。
・教団の表と裏の双方を知る。つまり決して「善人」ではない。
・目的は「地球のバチカン化」。つまりあくまでも「宗教の中心」を目指しており、過去の幻想にすがる教団の主流派は内心軽蔑している。
・非現実的な皇帝暗殺やテロ活動には反対。むしろ地道な布教活動による影響力の増大を考える。
・ド・ヴィリエらと対立の末、教団を追われ命を狙われる(ユリアン達に助けられるというのもあり)。
・地球における教団壊滅後、自発的にラインハルトに接近し、教団の残党への説得と引き換えに、自身の手による布教の許可を訴える。教団の一般信徒が無秩序な行動に出る危険性を考えたラインハルトは申し出を受け入れる。
・最終的には残った僅かな支持者と共に、再び地球の土を踏んでまた一から出直しとなる。
地味な奴ですね(笑)。どうやら私は華々しく活躍しそうなキャラは苦手なようです。
> ・したたかな地球教徒
> ・最終的には残った僅かな支持者と共に、再び地球の土を踏んでまた一から出直しとなる。
名前はジョー・ユーウというのはどうでしょうか(笑)。
手なようです。
個人的にはヤンファミリーに「民主主義のために、この犠牲は必要です」といったような『民主主義のために死ね』的キャラがいると、(「民主主義」がヤン的であればあるほど、このキャラがオーベルシュタインのように無私であればあるほど)ヤンのモラトリアム性を刺激して物語の深みが増すと思います。
ヤンファミリーというのがポイントで、トリューニヒトの演説や救国軍事クーデターのように「異端」として片付けさせないで矛盾を克服してもらいたいものです。
北村氏の書き込みを見て、少々腹が立った。
「畜生、面白いじゃないか!」
こちらも同業として、負けずに考えましたが……。
ラインハルトの戦術の師匠。そして軍人として、また一人の男性として憧れた人物って、どうでしょう? こういうキャラがいると、ラインハルトの人間的魅力も出るのでは……。
・年齢は、五十代。メルカッツと同じか、やや下。子供はいず、妻と二人暮し。
・有能だが、華々しい活躍には恵まれなかった。その理由は、彼の直言癖と、士官学校卒ではない(一般大学)ため。
辺境警備や各種学校の教官を歴任する。戦術などは、きわめてオーソドックス。
・軍大学教授時代、幼年学校に入学したばかりのラインハルトの家庭教師を押し付けられる。はじめはただ任務の一環と考えていたが、やがて彼の聡明さに気がつく。
・厳しくラインハルトをしごきつつも、家庭的な温かさを知らなかった彼を何度も自宅に招く。その「よき夫」ぶりを見て、ラインハルトも、「この人のようになりたい」と、憧れる。
・しかし二人の関係は、一度破局を迎える。思春期のラインハルトは、部分的にもう教授を超えていたのだ。また教授も、ラインハルトの独創性に驚愕つつも、「普通の戦術に戻さなければ……」と考える。その姿勢に、ラインハルトも反発。
二人の師弟関係は、教授の転勤によって、終焉を告げた。
・だが辺境にいた彼は、ラインハルトを見捨てたわけではなかった。常に彼の動きに気を止め、誹謗する人間をいさめた(ヤンに対するビュコックに相当)。
またラインハルトもそれを知っており、「いずれ恩返しをせねば」と考えている。
・やがて軍中枢を握ったラインハルトは、師匠を中央へと復帰させる。自分が打って出るために、後方を固める必要があったためだ。
彼は師に、補給・教育部門を統括する総監を命じたのである……。
・アニメ版の声。個人的には八奈見乗児氏を押したいが、ちょっと濃いかなぁ。無難なところで、大平透氏。あと、内海賢二氏ぐらいか。
以下、リクエストがあるか、気が向けば、書きます。
出来れば、名前を付けてください。
ちょっと、目の具合が悪くて……。
・師は、弟子の期待に見事に応えた。破綻していた後方部門が、一気に活性化したのだ。
・だが師は、それに満足しなかった。彼には、宇宙で、彼一人しか持つことの許されない野望を秘めていたのだ。それは……ラインハルトを歴史に残る、大戦略家にすることだった。
そして彼が選んだ手段は、自分の知るすべてを教えることであり、また彼自身が大きな壁となって立ちはだかることだった。
・海戦が終了するたびに、彼はラインハルトの前に行った。
「あそこは、なぜ、ああいう決断をしたのか?」
「敵がもしこういう変化をした場合、どう応対するつもりだったのか?」
並み居る提督たちを前に、師は弟子を追及する。
大半はラインハルトもすぐ返答したが、ごくまれに、詰まることもあるほど、指摘は辛辣だった。そして、そんな時は、
「閣下、貴方は優秀な戦術家です。
しかし貴方はまだ、貴方より優秀な人と、戦った経験がなかっただけかも知れませんぞ」
と、常に慢心を戒めた。
・そんな追求は、ラインハルトにとどまらなかった。彼の配下も、師の舌鋒の餌食となっていた。
あまり人の陰口を叩かないミッターマイヤーやミューラーさえ、「どうも、あの親父さんだけは苦手だな」
と、苦笑するほどであった。
・一方ラインハルトは、師の野望を見抜いていた。彼は、師の期待に沿うためにも、師から引き出せるものはすべて引き出そうと、心に決めていたのだ。
二人の立場は逆転していたが、師弟の絆は再び強く結ばれた。
・やがて、同盟との決戦が始まった。
前線の無理な要求にも、後方支援部隊は迅速に対応した。それが大勝利の背景にあったのだ。
・しかし、同盟との休戦が結ばれようとする前日、師は突然、ラインハルトの前に訪れた。
「本日を持って、軍を退役したく思います」
ややうろたえるラインハルト。
「何があったのだ?」
「何もありません。
ただ小官が、閣下に教えることがなくなったからです」
師は完全に、弟子に抜かれたことを悟っていた。
「よろしい。だが、私の願いを聞いてから辞めてくれんか」
ラインハルトは師の恩に報いるため、元帥に昇格させようとした。そのほうが、退役後の福利が優遇されるためである。
「それだけは、勘弁して下さい」と、固辞する師。
「なぜだ?」
「理由は簡単です。もし私が元帥になると、閣下と同格になるからです」
そして目を閉じた。「かつて私は、閣下の教師でした。そして私は、閣下にすべてを教え……今日、閣下は、もう私の手など届かぬところまで、上り詰められた。
私の名誉は、閣下を教えられたことだけで、充分です。
そして許されるのなら……、ひとつだけ、老人のわがままを聞いてやって下さい」
「わがまま?」
「はい。もう一度だけ、昔のように、私のことを呼んで下さいませんか?」
「先生」ラインハルトは跪き、師の手を取った。
「私は、不肖の弟子でした」
「いやいや。良くぞ今日まで、精進なさいましたな」
翌朝、師は、人知れず、帰郷した。
・後日談1
師は自宅に戻って旬日も過ぎず、愛用の釣り舟から転落し、死亡。
同盟との交渉中にその知らせを聞いたラインハルトだが、心で悔やみつつも、葬儀には向かわなかった。そんなことは、師が望まないと思ったからである。
しかし後日、護衛も付けず、ただ一人で墓参した。そして未亡人には、元帥と同等の年金を与えたのだった。
・後日談2
ヤンをはじめとする同盟軍残党討伐時、連邦軍は大きな危機を向かえていた。それは後方支援にいい人材がいず、補給が破綻していたのだ。またヤンは、巧みにそこを突いたのである。
全員が、沈鬱な表情の作戦会議で、一言、ビッテンフェルトが漏らした。「こんな時、あの親父さんがいたらなぁ」
彼は師の格好の標的だったが、この時、初めて偉大さを知った。
彼のように、故人の思い出に浸っていた室内に、ラインハルトの声が響いた。「死んだ者のことなど、言うな!」
俺も辛い。師の前には、キルヒアイスも死んだのだから……。
やはりこのキャラは、大平透さんですな、絶対。