> どうも、数学的な検証を行わず、言葉だけで議論しているので、話が正しくかみ合っているか不安があるのですが・・・
そうですねえ・・・
> 私が言いたかったのは、宇宙戦で敵を狙い撃つ場合に、本当に相手の3次元的な位置と速度を把握する必要があるのだろうか?ということでした。ポイントは、宇宙空間を飛ぶ砲弾はどこまでも直進する、という点にあります。よって、射撃する側は、自分の周りに球面を想定し、そこに投影される敵影の赤経赤緯座標へ向けて中性子弾なりビームなりを飛ばせばよく、敵までの実距離が10万キロだろうが20万キロだろうが、砲弾の速度に比べて無視できる違いなら問題にならないのに対し、海戦では砲弾が放物線を描くので、敵までの距離を正しく知る必要がある。つまり、海戦では海面という平面上の座標の把握なのに対して、宇宙戦では、天球面上の赤経赤緯座標の把握であり、次元の数はどちらも「2」ではなかろうか、と考えたのです。
宇宙空間に絶対座標はないです・・・
つまり、通常はどのような座標系を取ろうと、
互いの相対位置は
(x1,y1,z1) (x2,y2,z2)
のような二組の三次元座標で現されます。
これにベクトルを加えたものが、互いの位置・速度関係となります。
相対座標システムを取らない場合、周囲に何か、指標となる、位置と
速度がわかっている天体目標などが必要となりますが、これを何に
するかによって、座標系が示す値自体は大きく変わります。
が、通常、どのような天体指標を使おうと、座標系は3次元を必要と
します。
銀河系座標システムはまだないと思うので、地球上での「赤経・赤緯」
に当たる「銀経・銀緯」を使った座標系がどのようなものになるのかは
私にはほとんど想像が出来ないのですが、例えば銀河中心を貫く平面
を銀河赤道とし、それに対して銀経・銀緯を設定したとしても、地球
上と違って、宇宙船は銀河系を取り巻く仮想的な球体の「表面」に
あるわけではなく、銀経・銀緯によって現される位置座標だけでは、
宇宙船がどこに居るかは特定不可能です。
(地球上でそれができるのは、船が地球の「表面」に張り付いており、
潜水艦を除いては表面から「深さ」に当たる座標を持たないからです。
しかし、銀河系の場合、銀経・銀緯の示す球体の内部こそが実体な
訳で・・)
まあこの辺が私の認識なんですが・・。
> 遮蔽装置で自分は姿を消しながら、敵の姿を捉えるトリック、納得しました。
>
> 別の問題が頭に浮かびました。一つは光を激しく曲げるほど大きな重力場を作ると、今度はその重力を感知されるのではないか、という点です。
このページをご覧下さい。
http://www.m-nomura.com/st/cloak.html
空間歪曲の技術的難点や、そのような幾何学的形状が空間内に
ありえるのかを問うて「否」とするのは、現時点のテクノロジーを
考慮すれば致し方ないとも云えます。
・・その先が発想の遊びや「虚構の楽しみ」な訳でして、それを
さらに追求するのも楽しいことですが、この問題に関しては、
ある程度から先は相対論の世界のはずです(重力による
時空のひずみから、重力レンズ効果を割り出したのは相対論)。
遺憾ながら、私には相対論を取り扱う数学的素養が不足しております
ので(特殊相対論はローレンツ変換からですが、一般相対論は
ベクトル・テンソル解析から先を必要とします)この問題に付いて
精密な予見を行う事は出来ません(笑)。
> 現在、アメリカが開発中の戦闘機F-35は、航空ファンの間で「最後の有人戦闘機」と呼ばれています、それは今世紀後半には無人機が部隊配置されると予測されているからです(この無人機の雛型になる実験機はすでに製作されています)。
亀レス失礼。
「最後の有人戦闘機」ねぇ・・・。
私が知っているかぎりF-104J(スターファイター。初代ゴジラで落とされてた戦闘機)が最初に言われたのかな?
今から30年以上前の話です。
んで、それ以降、出てくる戦闘機出てくる戦闘機、みんな「最後の友人戦闘機」って言われ続けていることは、航空ファンなら知ってるはずですが。
AIやってると判りますが、ある部分で人間以上に優秀なコンピュータってのは難しいんですよ。特に一番重要な図形認識なんか壊滅的。
#ボルツマンマシンとかフォースフィードバックじゃまるで駄目
私は当分無人戦闘機は無理だと思いますね。
銀英伝の世界まで行けば出来てないことがむしろ不思議ですが・・・。
> > 私が言いたかったのは、宇宙戦で敵を狙い撃つ場合に、本当に相手の3次元的な位置と速度を把握する必要があるのだろうか?ということでした。ポイントは、宇宙空間を飛ぶ砲弾はどこまでも直進する、という点にあります。よって、射撃する側は、自分の周りに球面を想定し、そこに投影される敵影の赤経赤緯座標へ向けて中性子弾なりビームなりを飛ばせばよく、敵までの実距離が10万キロだろうが20万キロだろうが、砲弾の速度に比べて無視できる違いなら問題にならないのに対し、海戦では砲弾が放物線を描くので、敵までの距離を正しく知る必要がある。つまり、海戦では海面という平面上の座標の把握なのに対して、宇宙戦では、天球面上の赤経赤緯座標の把握であり、次元の数はどちらも「2」ではなかろうか、と考えたのです。
補足:
自分の周囲に球面を想定しても、敵はその表面に張り付いている訳
ではないので(地球上では文字通り海面に張り付いている訳ですが)
球面に対して三次元的に串を通すように移動して、球体表面の座標に
収まらぬ位置に移動できます。
(余談ですがその方式で、仮想的な球体表面に三次元座標の陰を落とす
ような操作を、数学的には「射影する」と言ってましたね・・)
砲弾にせよレーザーにせよ、光速は越えられないので、敵艦との距離が
数万キロを越えると、その方式の座標系による射撃には、敵艦の移動
速度にも拠りますが、無視できない誤差が生じてしまいます。
弾にせよビームにせよ、例えば3万キロの移動には0.1秒掛かります
が、敵艦のサイズが数百mだと、敵艦は秒速で数百メートルを越える
ベクトルを横方向に持つだけで、弾をかわす事が出来てしまいます。
亜光速まで物体を加速できる銀英伝の世界では、これはかなり簡単に
到達できる速度です。
このような概念上の相違が生じてしまうのは、宇宙空間で用いられる
速度や距離のスケールが地球上と大きく違うためでしょう。
スタートレックの場合、光子魚雷は、ワープスピードの船から発射
される場合には、超光速を維持でき、亜光速戦闘中でも敵を撃破できます(それなりの推進力を持っているようです)。
フェイザーは光速を越えられないらしいので、通常空間でも零距離射撃
か、ある程度距離が詰まっていないと使えないようです。
銀英伝の場合、長距離砲と短距離砲は違うようなので、長距離砲が
おそらくある程度自己誘導能力を持つ(ロックオンしたものを追う
ミサイル型?)はずで、短距離砲や零距離射撃の場合はビーム砲を
使うんじゃないでしょうか。
長射程のビーム砲がある場合、クラスター・ショット・タイプの
ように、ある程度拡散するか、射線を振って、敵が動いても当たる
ようにしないと当てづらいのでは・・・。
さらに補足:
自分の位置を中心とし、例えば有効射程限界を半径とする球体を描いた場合、標的と成り得る敵艦は全て球体の内部表面に射影できます。
(射程外に出た場合が、「球体を貫いて移動してしまった」ケースか)
実体弾の射程はある意味、宇宙空間では無限であっても、射撃管制のシステムで仮想球体に敵艦の座標を射影したい場合、球体の大きさを制限しなければなりません。
(球体外に出た物体の座標には無効値を与えるような仕組みにしないと、球体内の有効座標と誤認してしまいます)
ミサイルとレールガンの有効射程は、敵艦をロックした後、敵艦がベクトルを変えなければ相当長い。
が、3次元座標を使わず、仮想球体を使って射影する場合、球体の内面に射影される座標は、球体中心から見た敵艦の距離によって、実際の位置と射影に誤差が生じてしまいます。
これは、幾何学的に次元を一つ落として射影する場合、仕方のない事といえます。
球体表面(最遠点)の座標を細かく刻むほど誤差の範囲は狭まりますが、その代わり、球体中心からの見た距離が小さい位置に居る敵艦が射影される範囲が非常に大きく、遠い位置に居る敵艦が射影される範囲が小さくなります。
有効射程が大きくなるほど、この格差は非常に大きくなり、砲手(あるいは自動射撃システム)は、射撃の見越しのやり方を工夫する必要が出てくると思われます。
もっとも、この種の投影技法はレンダリングの方で結構あるようなんで、アルゴリズム的な解決方法が既に出来ていると思いますが。
敵艦と、球体中心に居る自分の位置関係の変化は、球体表面に対する射影の形や大きさの変化として処理できます。
この場合ベクトルの変化も射影の変化として処理できるので、確かに、それで射撃管制が可能ではあるでしょう。
この点に関しては誤認していたかも知れません。
ただし、その種の射撃システムが有効に機能しえるのは、敵艦が仮想球体の表面に、認識可能なサイズで投影でき、なおかつ敵と交差した場合に、有効打を与え得る「爆破範囲」がかなり大きい場合のみなのでは?
座標を一つ減らしてしまうと、敵艦との距離が「射影の大きさ」でしかつかめなくなってしまいます。
つまり、補助的な手段がないと着弾距離と時間を見越せないと
云うことです。
これを見越して標的との交差角を決めないと、射影された的の
「前」を弾が通過してしまう可能性があります。
これは、射影が二次元になってしまうため、弾が打ち出される角度
によっては、着弾時に弾に仮想球体から見て「無視できる」とされる
方向への角度がついてしまうためです。
銀英伝の場合、弾の速度の上限は光速(荷電粒子ビーム砲の場合)ですが、
通常のミサイルやレールガンはその原理上、まず最初から光速では打ち出せず、初速か最終速度で秒速数百~数千キロが限度でしょう。
(重力制御ができる場合、加速度が大きく取れるので変わりますが・・)
例えばビームの着弾時間で「0.1秒」、他の弾の着弾時間で「10秒」くらいとなる3万キロメートルを基準と考えてみましょうか。
この距離で仮想球体を描き、敵をその表面に射影したとします。
敵とは相対的に完全な静止状態である場合、射影と実際の敵の位置に
は誤差が生じないので、弾はヒットします。
ですが、大概の場合、敵はある程度の速度で(艦隊陣形はあまり崩したがらないにしても)動いています。
・・というより、こう考えると、安易に的になるのを嫌って動かしているとも思えます。
もしも敵が相対的に秒速数キロ以上で動いていた場合、・・・相対的に
接近してきていた場合でも、遠ざかっていた場合でも、射影だけ見て
射撃すると、弾が敵艦の「前」か「後ろ」を通過してしまう可能性が
あります。
(0.1秒で艦の全長に当たるだけ動いてしまう)
もちろんその場合でも近接信管を使って敵艦にダメージを与える事は
可能ですが・・・・
この種の「着弾時の敵との交差角」を意識しなければならない状況は、
敵とのベクトルの差、弾丸の速度、敵との距離が絡んで色々と生じると
思います。
射撃管制を単純化させる(砲手の苦労は減る)という点で、仮想球体に射影するタイプの射撃システムも捨てがたいですが、これは、実際に
三次元座標を使うタイプの射撃管制と「作って比較して」みないと、
有効性が割り出せないケースではないでしょうか。
> 「最後の有人戦闘機」ねぇ・・・。
> 私が知っているかぎりF-104J(スターファイター。初代ゴジラで落とされてた戦闘機)が最初に言われたのかな?
本ページとは関係のない、戦闘機とミサイルについての話をすることをお許しください。
1950年代、各種ミサイルの実用化のめどがついた頃ひとつの戦術思想が生まれました「機銃による格闘戦を廃止しミサイルにより遠距離攻撃をおこなう」俗に言うミサイル万能論です。
アメリカは、この新しい思想に基づき新しい戦闘機を作りました、レーダー基地や早期警戒機から送られてくるデータ-を受け取り、その指示に従ってレーダーに映る的にむかってミサイルを撃つ、そんな任務に適している、高度な電子機器と大量のミサイルそして高速を出すための大型エンジンを搭載した、重くて動きの鈍い戦闘機です。
もはやこれは戦闘機ではありません、ただのミサイル運搬機です、当然このような機体は古いパイロット達からは好かれませんでした、機械の言いなりになって飛ばすだけの飛行機には、彼らの卓越した技量は必要ありません。
そんな彼らが愛したのはF-104でした、この戦闘機は決して性格の良い機体ではありません、むしろじゃじゃ馬と評される機体でした、それでも小柄な機体のせいで新しいシステムに対応できないこの戦闘機は、当時、パイロットが自分の意思で飛ばせる唯一の新鋭機でした、つまりF-104が「最後の有人戦闘機」と呼ばれるのはこのような理由からです。
さて、ミサイル万能論に基づく防空システムが完成した頃、アメリカはベトナム戦争に介入しました。
アメリカ軍は自慢の新型機を投入します、しかし予想もしない事態が彼らを待っていました、ミサイルの命中率が予想よりも遥かに下回ったのです、当らないミサイルを抱いた鈍重な飛行機、それはソ連製の格闘性能に優れた戦闘機のカモでしかありませんでした。
この結果を受けアメリカ軍は方針を変更します、そして生まれたのがF-14、F-15などの新しい世代の格闘戦闘機です。
アメリカ軍は間違いを犯しました、しかしミサイル万能論じたいが間違ってたわけではありません、それを裏付ける技術力が足りなかっただけです、そして技術者たちは地に落ちたミサイルの信頼を取り戻すために長い時間と労力を費やす事になります。
彼らの努力が形となって現れたのが、先のATF(先進戦術戦闘機)、つまりアメリカ空軍次期主力戦闘機の候補であったYF-23です、本機の特徴はステルス性を優先させるため、格闘性能を低い値にとどめた事です、まさに新世代のミサイル運搬機でした。
しかしアメリカ空軍は、ベトナムの教訓からより格闘性能に優れているF-22を選びます。
ですがこれがミサイル万能論の復活の合図には間違いありませんでした、同じころアメリカ軍はNASAと協力していくつかの実験機の計画を立案します、それが無人のミサイル運搬機です。
この機体に求められるのは、レーダーに映る敵味方識別信号を出していない機体、つまりは敵機にステルス性能でこっそり近寄りミサイルを撃って帰ってくる事だけです、最初から図形認識等の高度な識別能力など求められていません(それに図形認識が必要なときは遠隔操縦が可能なようにカメラも搭載する計画もあります、要するにラジコン)、極めて単純な既存の技術の改良で実現可能な代物です(と言うか実機はすでに完成しており試験の真っ最中)。
F-35が「最後の有人戦闘機」と呼ばれているのは、このような実験機が存在するからです。
> んで、それ以降、出てくる戦闘機出てくる戦闘機、みんな「最後の友人戦闘機」って言われ続けていることは、航空ファンなら知ってるはずですが。
いつの時代、どこの世界にも、なんの裏付けも無しにものを言う人はいます、しかしF-104とF-35にはこのような背景があることを理解してください。
余談1 初代ゴジラと戦ったのはF-86「セイバー」です。
余談2 F-104Jは「スター・ファイター」ではなく「栄光」と呼んであげて下さい、この自衛官にすら忘れ去られた哀れな正式名称で・・・。
> 余談1 初代ゴジラと戦ったのはF-86「セイバー」です。
> 余談2 F-104Jは「スター・ファイター」ではなく「栄光」と呼んであげて下さい、この自衛官にすら忘れ去られた哀れな正式名称で・・・。
それを言うなら、セイバーも「旭光」と呼んであげて下さい(わはは)。
自律と無人は別物じゃないかなっと。
亀レス失礼。
艦艇乗組員は何をしているのか?
この話題も興味深々。
私としても吉良国 育生氏の考えに賛成です。
ただ昔聞いた話に、隔離空間の中で同性同士を長期間拘束すると暴動の要因になるというのがありました。
作中で作戦行動に女性が少なかった事や、駐屯地での兵士の様子から見ても戦闘員以外に従軍慰安婦みたいのが同乗していたりせて・・・(失礼!)
でも 平均値は単純割の結果であって、砲撃艦と情報艦(?)、戦闘機空母等々その役割によって搭乗員数はマチマチなのではないのでしょうか?
古典SFファン様、
非常に懇切な説明をしていただき、ありがとうございます。数式も図も使えない条件下で、言葉だけで説明するのは大変だと思いますが、おかげで、私の理解も少しずつ進んできました。
>自分の位置を中心とし、例えば有効射程限界を半径とする球体を描いた場合、
そうか。このような球体を想定されていたわけですね。私が考えたのは、もっと単純で、天文台が天体観測のために想定する「天球」のようなものでした。個々の天体までの距離は問題にせず、その方角のみを「赤緯・赤経」で表現する。天文台に相当するのが自分の艦で、各天体に相当するのが他の艦です。「球の内部か外部か」という概念は、はじめから存在しません。基本前提として、「距離など気にせず、敵艦の方角に向かって撃てば、命中する。命中するのが1キロ先か、1万キロ先か、そんなことは問題ではない」と考えました。言い換えれば、砲弾やビームが射出された時点で射線上にある目標には、命中する、ということです。
敵艦が静止しているならそのとおりでしょう。敵艦が移動しても、移動速度が遅く、砲弾到達までの移動距離が小さければ大丈夫です。
問題は、移動速度が大きく、砲弾が到達するまでに、射出時の射線から敵艦がずれてしまう場合ですね。そのために、敵艦の位置と速度とその変化を観測して(古典SFファン様が「ベクトル」と言われるのは、これを指すのだと思います)、砲弾到達時の敵艦の位置を予測し、そこへ向かって射つ必要がある。この「予測」の必要性こそ、古典SFファン様が想定し、私が想定しなかったものです。
その予測が、1次元落とした射影では、正確に行えない。似た例をあげれば、火星や金星など太陽系の他の惑星は、実際には非常に規則的な動きをしていて、数千年未来の位置でも計算できるが、地上から見た天球上に観測される動きは、「惑」星という名前がついたほどに不規則である、というのと同じ原理を述べておられるのだと思います。まして、戦闘中の敵艦は、砲撃を避けるため、「実際にも」不規則な動きをするだろうから、その射影のみ見ていては、正しい予測は到底不可能である、というのがご趣旨であろうと思います。
結局、この問題は、予測が必要か不要かという問題に集約され、それは即ち砲弾が届くまでの時間に、敵艦がどれだけ動けるかという問題に集約されるのでしょう。例えば、砲弾の速度が光速で、敵艦までの距離が10万キロ、敵艦の長さが1キロとすると、敵艦の移動速度の横方向成分が、秒速3.3キロ以上なら(つまり光速の9万分の1より速ければ)、砲弾をかわせるわけですが、この程度の速度なら、銀英伝に登場する艦艇には簡単に出せるはずだから、予測は必要という結論になります。
この問題を論ずるとき、艦対戦において、彼我の距離がどの程度の時に、砲門が開かれるのかが問題になります。地球での戦いには、どんな兵器にも力学的な射程があって、これが彼我の距離の上限になりますが、宇宙を飛ぶ砲弾(ミサイルも中性子もレーザーも、便宜上「砲弾」と呼びます)の射程は、実際的には無限です。(数十光年も飛べば、星間物質との衝突で、勢いが衰えるのでしょうが。)銀英伝には「エネルギー中和磁場」とか称する正体不明のシールドが存在するようですが、このシールドを砲弾が貫通するかどうかを決める因子は、少なくとも距離ではない。「長距離砲」「短距離砲」という区別も、少なくとも地球上の戦いで使われる意味とは異なるはずです。
してみると、砲門を開く距離を決するのは、まさに上述した、敵艦(と自艦)に回避のチャンスがあるかどうかという要素のみになります。こうなると、射撃制御の方式(2次元か3次元か)や精度すらも本質的な問題ではなくなり、要するに手持ちのテクノロジーで命中させられる距離まで近づいて砲門を開くだけのことです。敵のベクトルを3次元で把握する技術があるなら10万キロの距離で砲撃し、2次元なら5万キロまで近づく、といったふうに。はじめに距離を設定して、その時の命中精度を問題にするのではなく、どの程度の命中精度で戦闘を行うかをまず設定し、それによって距離を決めるわけです。
してみると、海戦に比べて宇宙戦の射撃制御が、より複雑かどうかという最初の問題は、答えのない問題になるのではないでしょうか?なぜなら、どれだけ複雑な制御を要する条件下で戦闘を行うかを決めるのは、司令官の主観的な決断しかないからです。
今回の、私の発言の主旨は以上です。
以下は余談ですが、私は、銀英伝に登場する艦艇が、敵の射撃をかわす能力は非常に低く、従って精度の低い射撃でも敵に中てられるのではないかという、疑いをもっています。なぜなら、どの艦船も主砲を射てるのは前方に限られ(むしろワルキューレやスパルタニアンの方が多様な方向への射撃が可能で、我々の知る戦艦と戦闘機とは完全に逆です)、戦闘中は敵の方向を向いていなければならないからです。(その点が明確に描写されているのはアスターテ会戦で、前方以外の方向に敵がいると、まず回頭を行わねばなりません。回頭のタイミングを誤ると、エルラッハ少将のように回頭中にやられてしまいます。)それでは、敵の射線から身を外す「横方向の速度成分」は、ずいぶんと小さくなるように思います。
教えていただいたスタートレックの科学解説サイトを見ました。やはり「重力レンズで光を曲げる」という以上に遮蔽装置の具体的な説明はないようですね。昔購入した、Laurence M. Krauss著の“The Physics of Star Trek”も同様でした。著者は大学教授なのですが・・・
> してみると、砲門を開く距離を決するのは、まさに上述した、敵艦(と自艦)に回避のチャンスがあるかどうかという要素のみになります。こうなると、射撃制御の方式(2次元か3次元か)や精度すらも本質的な問題ではなくなり、要するに手持ちのテクノロジーで命中させられる距離まで近づいて砲門を開くだけのことです。敵のベクトルを3次元で把握する技術があるなら10万キロの距離で砲撃し、2次元なら5万キロまで近づく、といったふうに。はじめに距離を設定して、その時の命中精度を問題にするのではなく、どの程度の命中精度で戦闘を行うかをまず設定し、それによって距離を決めるわけです。
>
> してみると、海戦に比べて宇宙戦の射撃制御が、より複雑かどうかという最初の問題は、答えのない問題になるのではないでしょうか?なぜなら、どれだけ複雑な制御を要する条件下で戦闘を行うかを決めるのは、司令官の主観的な決断しかないからです。
これも、前提となるテクノロジーで答えが変化してしまうケースですね。
想定できるケースが幾つかあって、私は3次元でベクトルがつかめる
事を基礎とした射撃管制や、交戦距離の取り方・艦隊運動にチップを
積む方だったと(笑)。
> 今回の、私の発言の主旨は以上です。
>
> 以下は余談ですが、私は、銀英伝に登場する艦艇が、敵の射撃をかわす能力は非常に低く、従って精度の低い射撃でも敵に中てられるのではないかという、疑いをもっています。なぜなら、どの艦船も主砲を射てるのは前方に限られ(むしろワルキューレやスパルタニアンの方が多様な方向への射撃が可能で、我々の知る戦艦と戦闘機とは完全に逆です)、戦闘中は敵の方向を向いていなければならないからです。(その点が明確に描写されているのはアスターテ会戦で、前方以外の方向に敵がいると、まず回頭を行わねばなりません。回頭のタイミングを誤ると、エルラッハ少将のように回頭中にやられてしまいます。)それでは、敵の射線から身を外す「横方向の速度成分」は、ずいぶんと小さくなるように思います。
おそらく、銀英伝の艦艇の回避能力は低いでしょう。
が、実を云うと・・・
わざわざ回頭しなくても、艦を数キロ動かすくらいの手段は、
宇宙船なら標準装備してるはずなのにな、と思った事はあります。
アニメの銀英伝にもありましたが、宇宙船には通常、前後左右上下あらゆる
方向に、姿勢制御のためのノズルが設けられています。
これは、回頭のためにも使えますが、「回頭せずに横に動く」ためにも使えます。
また、前後へのベクトルも変えられます。
それに、通常の艦船ではありえない「上下」へのベクトルも変えられます。
実在のスペースシャトルにも多少の方向制御ノズルがあるんですが、
これは海と違って操舵で方向を変えられない宇宙空間で、進路を変更
するために必須のものです。
メイン・エンジンは宇宙船の推力軸線と一致する方向にあり、最大推力はそこに来るようにされているはずですが、姿勢制御ノズルの出力次第では、秒速数キロ程度の加速は楽に行えるはずです。
(というか、推進材を山ほど注ぎ込み、ノズルが熱と圧力に耐えられる
なら、現在のテクノロジーでもそう云うものは設計できると思います)
銀英伝では重力制御のテクノロジーがあるので、加速度等の問題に対しては
現在のテクノロジーよりも甘く考える事も可能ですし。
にしても・・
射撃に関しても、艦首固定砲で艦全体を砲身かビーム加速器のように
使う(いっそ波動砲)とかなら回頭しないと射界が狭くしか取れない
のは判るんですが、銀英伝の場合、ミサイルもあり、基線が何千・
何万キロもあって、射界が狭くてもちょっとした角度変更だけで
敵を掃射すら出来ようものを、なぜか回頭・・・。
いかに格好良く描くためとはいえ、ちょっと設定がキツすぎるかな・・。
> 教えていただいたスタートレックの科学解説サイトを見ました。やはり「重力レンズで光を曲げる」という以上に遮蔽装置の具体的な説明はないようですね。昔購入した、Laurence M. Krauss著の“The Physics of Star Trek”も同様でした。著者は大学教授なのですが・・・
いやあ、最初に読んだ当時書いてない理由想像しちゃったんですが・・・
「今説明できないものをムリして書きたくなかったんでは・・・」
教授なれば、現在のテクノロジーでムリムリなものを、あえてこじつけて精密に
説明するのを嫌って、「重力制御」というギミックである程度説明して
形をつけたんではないかと・・。
> いつの時代、どこの世界にも、なんの裏付けも無しにものを言う人はいます、しかしF-104とF-35にはこのような背景があることを理解してください。
失礼しました。しかし無人戦闘機にも問題はありますよ。
ラジコンだと、核爆発後の電波遮断で操縦不能に陥るはずです。
結局有人戦闘機が必ず必要になるという・・・。
あれ、銀英伝でもレーザー水爆があると電波遮断が発生するのかな?
もしかして、それが有人の理由だったりして・・・
> 余談1 初代ゴジラと戦ったのはF-86「セイバー」です。
そりゃそうですね。よく考えたら初代ゴジラはスターファイターのロールアウト前(実験飛行自体は終わってる)でした。
> 自律と無人は別物じゃないかなっと。
自律という言葉に語弊があったようですね、かっと言ってある程度自分で考え選択しているのも事実なんです、なんと表現したらよいのやら。
> ただ昔聞いた話に、隔離空間の中で同性同士を長期間拘束すると暴動の要因になるというのがありました。
いろいろなストレスがあるのは事実でしょうが、通信という手段で外界とつながっていて(テレビとかは見れるのかな?)任務という明確な目標もある組織化されている集団が、そう簡単に暴徒化することはないでしょう。
アメリカの弾道ミサイル原子力潜水艦は、一度出航すると約二ヶ月間海の中ですごします、銀英伝の宇宙船は今の潜水艦より移住性は良いと思われるので、もう少し長い期間でも問題にならないでしょう。
> でも 平均値は単純割の結果であって、砲撃艦と情報艦(?)、戦闘機空母等々その役割によって搭乗員数はマチマチなのではないのでしょうか?
新書版二巻に、戦艦ユリシーズの乗員数が百四十名と書かれています、当然、巡航艦や駆逐艦の乗員数はこれより少ないでしょうが、空母や工作艦は逆に多くなると思われます。
> おそらく、銀英伝の艦艇の回避能力は低いでしょう。
うんうん。 アニメを見る限り(劇場版だけだけど)あれは戦艦というより(移動)砲台という感じがしました。
一つ気になるのは、回避という観念。
物理法則は未来も一緒(のハズ)だから、自分に向かって来る光速体感知=到達時だから感知してから避ける事は不可能。 発射前に狙われにくい移動(回避パターン)によって自艦への命中率は下がっても、衝突回避装置(当然だけど)が必要な程の密集陣形なら直線で打てば何かに当たるはず。 そんな状態では単艦での回避行動はそれ程意味なく、そのスペースもない。
相手の防御能力を超えるよう火力を集中し、同士討ちを避けるために攻撃方向が限定(要回頭)されているのでは。
> ラジコンだと、核爆発後の電波遮断で操縦不能に陥るはずです。
私の稚拙な文章のせいで誤解してしまったよう申し訳ないです。
ラジオコントロールはあくまでもサブシステムで、今開発しているのは「司令部の示した目標まで飛び、目標の敵味方信号を識別し、目標が複数の場合は列機と相談して役割を決め、ミサイルを撃って帰ってくる」これを自力で出来る飛行機です。
もちろん無線の有無は大きな問題です、これがなければ無人機に指示を伝えられません、的確な指示をもらえない無人機は自機の貧弱なレーダーで敵を探し彷徨うはめになります。
これが有人機であった場合「今戦っている敵はおとりでないのか」とか「戦術に従えば敵は夜明け前に大攻勢をかけるはずだ」などと考えて自分で行動する事が出来ます。
ですがこんな事がうまくいく可能性は万に一つもありません、指揮系統を切断された軍隊が有機的に戦うことなど不可能です、有人機だろうが無人機だろうが最終的結果は同じで、違いは有人機の方が悪あがきが出来る程度です。
無人機に問題がない訳ではありません、むしろ問題があるからこそ、それを取り除くための実験機があるのです。
> あれ、銀英伝でもレーザー水爆があると電波遮断が発生するのかな?
> もしかして、それが有人の理由だったりして・・・
宇宙の場合、距離が離れすぎてラジコンではリアルタイムで操縦できないでしょう。
あと、お天道様もかなり凶悪な電磁波を放出していたはずです、水爆なんかよりも、そっちの方が問題じゃないでしょうか。
> ラジオコントロールはあくまでもサブシステムで、今開発しているのは「司令部の示した目標まで飛び、目標の敵味方信号を識別し、目標が複数の場合は列機と相談して役割を決め、ミサイルを撃って帰ってくる」これを自力で出来る飛行機です。
> もちろん無線の有無は大きな問題です、これがなければ無人機に指示を伝えられません、的確な指示をもらえない無人機は自機の貧弱なレーダーで敵を探し彷徨うはめになります。
なるほど。それなら納得です。
聞けば聞くほど多弾道ミサイルとの違いが判らなくなりますが・・・
> 宇宙の場合、距離が離れすぎてラジコンではリアルタイムで操縦できないでしょう。
> あと、お天道様もかなり凶悪な電磁波を放出していたはずです、水爆なんかよりも、そっちの方が問題じゃないでしょうか。
電波の届く直近範囲に飛ばしておけば有効な防御手段になると思ったんです。
その距離なら艦隊間通話が可能=天体として電磁波の影響の受けない範囲での活動となるかな、と。
つまり遠距離で直接敵艦を叩く場合は有人で、近距離護衛は無人という発想です。
・・・ってここまで書いて気づいたんですが、これだと遠距離有人機は敵の無人戦闘機群との戦闘という不利な闘いを強いられる予感。そうすると有人機そのものの価値が無くなってしまう・・・。
銀英伝における艦隊戦だと
1.目的は相手艦隊の殲滅
2.戦闘宙域に民間人いない
3.退却を異様に嫌う
4.帝国側は矜持を優先
である事が多い。
次のような無人攻撃兵器でも(初期は)有効ではないだろうか
a.第一攻撃目標は、味方識別信号のないもの全て
b.艦を優先(サイズとエネルギー放出量などで判断)
c.行動不能になった時点で自爆
d.攻撃範囲内に敵戦力が無いと判断した場合、攻撃目標は動く物全てに切り替え
e.自分以外の攻撃目標が無くなった場合、一定時間後に自爆
f.ワープ及び大気圏離脱能力は無し(戦闘域を限定する為)
g.自律のみ。生産時以降のプログラム変更不可&電磁波等外的要因対策済み
通称 バーサーカー(笑)<古典SFファンさん、ネタ使わせていただきます。
有人と無人どっちが有利という問題は、結局(戦闘力が同じ場合ですが)経済性が有利な方だと思います。
(経済活動は戦時中でも両国でやっていたし)
となれば、技術的欠陥がなければ圧倒的に無人。
欠陥に対処しつつ無人化を目指すのが合理的なハズです。
(帝国軍は上層部が貴族ですから矜持が許さないでしょうが、同盟軍までそれに付き合う必要はないし、”首飾り”は無人兵器だったよね)
それにしてもスターウォーズはナゼ クローン兵を採用したのだろうか? エピソード2見てないから分らないのですが、(指令システムさえ十分防御していれば)ジェダイを圧倒していたのに。エピソード4以降だと帝国兵は標的でしかなかったし・・・。
> 次のような無人攻撃兵器でも(初期は)有効ではないだろうか
> a.第一攻撃目標は、味方識別信号のないもの全て
> b.艦を優先(サイズとエネルギー放出量などで判断)
> c.行動不能になった時点で自爆
> d.攻撃範囲内に敵戦力が無いと判断した場合、攻撃目標は動く物全てに切り替え
> e.自分以外の攻撃目標が無くなった場合、一定時間後に自爆
> f.ワープ及び大気圏離脱能力は無し(戦闘域を限定する為)
> g.自律のみ。生産時以降のプログラム変更不可&電磁波等外的要因対策済み
>
> 通称 バーサーカー(笑)<古典SFファンさん ネタ使わせていただきます。
呼ばれましたので(笑)。
半自律行動の殺戮マシンにつけられる名称として妥当であります(^^)。
もとい「バーサーカー」とは、フレッド・セイバーヘーゲンの作品に
登場するマシンですが、この設定はもはやSF界の共有財産と言っても
良く、自己改良する自律型の殺戮マシンの設定として随所で使われて
おりますので。
> 聞けば聞くほど多弾道ミサイルとの違いが判らなくなりますが・・・
弾道弾はピンポイント攻撃が出来ない(数十メートルから数百メートルの誤差が生じる、積んでいるのがアレだから問題はない)、巡航ミサイルは戦車などに使うにはお金をかけすぎている(もともとこれもアレの運搬用だった)、対空ミサイルは防空には使えるが制空には使えない、有人機はあらゆる用途に汎用的に使えるが犠牲者の出る恐れがある。
以上の理由から無人機が必要とされています。
> 電波の届く直近範囲に飛ばしておけば有効な防御手段になると思ったんです。
> その距離なら艦隊間通話が可能=天体として電磁波の影響の受けない範囲での活動となるかな、と。
> つまり遠距離で直接敵艦を叩く場合は有人で、近距離護衛は無人という発想です。
> ・・・ってここまで書いて気づいたんですが、これだと遠距離有人機は敵の無人戦闘機群との戦闘という不利な闘いを強いられる予感。そうすると有人機そのものの価値が無くなってしまう・・・。
あの世界で何のために艦載機が必要とされているのか説明されてないので、勝手に想像して書かせてもらいます。
銀英伝の艦載機は戦闘機です、そして戦闘機の仕事は制空権を確保する事です。
問題なのはこの確保した制空権をどう使うかです、普通なら攻撃機を投入して艦隊を蹂躙するところですが、不思議な事に肝心の攻撃機がありません。
そこで何か代わりになる物はないかと探してみたところ、ありましたレーザー水爆ミサイルです。
対艦ミサイルの飽和攻撃、どこか懐かしい香りのする戦術ドクトリンですが、とりあえず艦載機の仕事はミサイルの護衛と阻止という事にさせて頂きます。
さて本題です、まず無人機の活動距離ですが、仮に母艦から半径十万キロを活動限界とします(あくまでも仮の数字です、あんまり詳しくないのでこの辺はフォローお願いします)。
次にミサイルの速度ですが、なんでも地球の重力を脱出するのに必要な速度が秒速11.2キロぐらいだそうです、ためしにこの速度で計算すると、無人機が迎撃に使える時間は二時間半弱といったところです。
これなら余裕で迎撃できそうですが、無人機の加速性能が悪かったり搭載している武器の射程が短かったりすると、反復攻撃する事が出来ませんので最初の一撃を逃すと迎撃に失敗する事になります。
これとは逆に無人機の性能が良くても、ミサイルが秒速1000キロで突っ込んでくるような化物の場合、同じ結果になります。
以上のような理由から、遠距離迎撃が必要になり有人機のみで編成されるようになった、という所でどうでしょうか。