初めまして。今日初めてこのページを知り、過去ログベストをあらかた読みました。ちなみに私は、まだ「元ファン」とまでは割り切っていません。
第一印象は「よく調べてるなあ」ってのと「このHPって、キン肉マンファンがあら探しして楽しむ所と似ているなあ」って2点です。
私も最近の芳樹の例の版元だけ換えての出版しまくりと、一つのシリーズ完結させないでの新シリーズ始めまくりは腹が立っていたので、このHPで言われていたり議論されている事には大体納得できました。
このHPは原動力が「創竜伝ウソばっかじゃん!」のようですが、銀英伝についてはそれなりに評価されているようなのでホッとしました。私は芳樹の本分は「架空世界の設定のうまさ」だと思っていますので、現代物なんてやめて早く架空歴史小説に戻って欲しい気がするんです。
ところで、基本的にはまだ芳樹を皆さんほど突き放してはいないのですが、ここで書き込みする方は「芳樹憎けりゃ全作品憎い」って方が大半なのでしょうか?自分としては、アルスラーンだのタイタニアだの、宿題をまず片づける、というスタンスに戻るなら、そこまで悪し様に言う事もないだろうと思うんですが・・・。
>初めまして。今日初めてこのページを知り、過去ログベストをあらかた読みました。
こんにちは。過去ログを読んでいただいたそうで、ありがとうございます。そろそろ過去ログを通読するのも骨が要る分量になってきましたと思います。お疲れさまでした。
>私は芳樹の本分は「架空世界の設定のうまさ」だと思っていますので、現代物なんてやめて早く架空歴史小説に戻って欲しい気がするんです。
最近では、読む側が求めるものと書く側が書きたいもののギャップが相当激しくなってきていると思います(といっても、コンスタントに売れているから違うのかな?)。
>しかし、、最近の氏の作品を見る限りでは、続編が出ない方が幸せかも
>しれないなどと思ってしまうのは、私だけでしょうか。
私も「美しい思い出」として終わらせた方がいいと思っている一人です。個人的には潔く未完打ちきり宣言をして打ち切って欲しいです。
「エヴァ」や「ドラゴンボール」の轍を踏んで欲しくないですしね。
管理人さんレスありがとうございます。正直ちょっとだけ「君はまだあんな奴に期待してるのか?」ってバカにされるかも、とビビっていたのですが。確かに過去ログ読むのツラかったです。と言ってもベストのみですが。
今回は主に創竜伝関連の皆さんの論争ログを読んでの感想を書きたいと思います。
管理人さんの主張への感想を一言で言えば「(ファンの自分としては)悔しいが納得させられる」です。創竜伝内での主張の矛盾など、読んでいる時に気づかなかった自分に腹が立ちました。
ただ、このHPでの皆さんの論争の中でたびたび見られる「創竜伝に見受けられるとおり、田中芳樹は左翼に偏向している→だから田中はダメだ」という主張には正直賛同しかねます。私も創竜伝を読みながら「芳樹って選挙では社会党か共産党に投票、読む新聞は朝日だろうな」とすぐに思いました。が、それ自体は作品を読む上ではどうでもいいと思いました。
作家だって人の子、右にも左にも偏る事はあるでしょう。ただ、作家が左に寄っている事自体の善悪を問う事自体は無意味だと思います。「作品中での評論内容から、田中芳樹が左翼である事を証明し、田中芳樹のダメさを立証する」のがこのBBSで一つのブームのようですが、その行き着く結論は「左の奴が書いた本はダメな本だ」という事でしょう?
どうも、「創竜伝での、ストーリーと政治評論の力の入れ具合の逆転」を感じた時の苦々しさと「政治評論の左翼臭さ」を保守の人が感じた時の不快さ、をごっちゃにして怒っているのではないか?とログを読んで感じました。
政治評論の多さと説教臭さがイヤ、と言うのはわかります。私もそうですから。でも政治評論の内容自体を指していちいちアレは間違ってるソレは左翼の言い分だ、とかいうのは無意味だと思います。
創竜伝での政治評論を銀英伝での戦略戦術論に置き換えるとどうでしょうか。田中芳樹が(ラインハルトの口を借りて)「フェザーンを通って同盟に攻める事を考えつかない奴はアホだ」と言っている事に対して、「イヤ、そんなん卑怯じゃん。イゼルローンだったこういう方法使えば陥ちるじゃん。なんで作者は気づかないかなぁ」と批判している人がいたら「いや、だって作者はそういう話として作ってるし」って言うしか無いでしょう。田中作品のせいで、例え話が好きなクセに全然わかんないですが。そんな感じです。ニュアンス伝わってればいいのですが、ダメだったらまた別の例え考えます。
あと、「田中芳樹左翼説」を唱える人より、「芳樹左翼説の証拠探し」に力を入れている人に感じた事。例えとして適切かどうかわかりませんが、「キン肉マンのブロッケンJrが正義超人に入っているという理由で、ゆでたまごがナチかどうか議論する」みたいな無意味さを感じました。
以上のような理由で、田中芳樹が左翼だから、と言うのは創竜伝のつまらなさの理由とは別物ではないか、と思います。で、自分なりの創竜伝その他現代物のつまらなさ分析をすると、理由は「それが田中芳樹以外の人間にも書けるだろうものだから」です。
田中芳樹氏にしかできない事は確かにあると思います。1つは、押入の中の見えない部分にも上質の木材を使う職人のような「架空世界の設定の妙」、もう一つは「あくまでマイナー中国史の不況に努める態度(私は評価しているんですが、これはここに限らず各方面で不評のようですね)」です。 横から見れば1枚絵の2DCGと違い、3Dの様に奥行きを持たせた設定がしてある(銀英伝の歴代皇帝まで設定する細かさなど)から側面から世界観を見てもちゃんと様になっている。だからこそ「反銀英伝」のような話題も盛り上がるのだと思います。
が、創竜伝その他現代物って「伝奇SF」というジャンルでくくっちゃうと、別に田中芳樹じゃ無くてもいいんです。ホラーもそうですが。銀英伝を読んだ時は「こんなすごい話、田中芳樹以外には書けないだろう」と思ったのですが、創竜伝の時は「つまらなくはない。確かに掛け合いとかは面白いけど、たぶんこのジャンルでもっと面白い作品はゴロゴロあるだろうな」と思ったものです。
結局、創竜伝その他現代物まで全て買い、読み続けている理由。それは「作者が田中芳樹だから」と言うに過ぎません。いや、「銀英伝の作者だから」と言った方が正確かも知れません。田中芳樹氏が年1冊くらいのペースで架空歴史小説モノの続編をコンスタントに出していれば、創竜伝を読むことは無かったと思います。
あ、ただ銀英伝以前の短編とか、「白夜の弔鐘」は面白かったですよ。
すみません、田中芳樹左翼説に明らかに違和感を感じたので反論してみたのですが、その辺かなり不勉強なので全然まとまってないのは自覚しています。論理的に書けるようになってからまた述べて見たいと思います。一応「ファンサイドの意見」として参考にしてくれれば幸いです。
>俺様ランチさん
>「創竜伝に見受けられるとおり、田中芳樹は左翼に偏向している→だから田中はダメだ」という主張には正直賛同しかねます
私もそう思います。左翼というレッテルを貼るのではなく、そのレッテルの内容を判断して是非を判断するべきでしょうね。ただ、一流の左翼の理論には敵である保守をも感動させうるものがあるのですが、田中芳樹の評論はそうではなく、どう見ても三流左翼のそれです(酷いのはもはや便所の落書き)。その三流の部分は批判されてしかるべきでしょう。
それと、自分の論理を通すために、根拠なく相手を貶めるやり口も批判されてしかるべきですね。
>たぶんこのジャンルでもっと面白い作品はゴロゴロあるだろうな
これは同感です。
>あ、ただ銀英伝以前の短編とか、「白夜の弔鐘」は面白かったですよ。
確かに未熟さは感じさせますけど、現在よりもずっと誠実な態度ですし、熱意を文章から感じられて、私も好きです。