皇帝を絶対不可侵の存在とし、貨幣単位や度量衡まで変更しようとしたルドルフの独裁政治のもとでは、経済政策もルドルフの思いつきで設定され、今の北朝鮮のように極度の経済の混乱と国民の貧窮を招いた可能性が高いと思います。かっての旧共産主義諸国は資本主義国からの経済援助や穀物の輸入などでなんとか最悪の事態を避けようとしましたが、結局は国民の貧困化を招いて崩壊しました。人類の単一政体である銀河帝国の場合、外国からの援助や食料の輸入に頼ることは不可能であり、早晩、ゴールデンバウム王朝は経済の混乱→貧窮化した人民による反乱→辺境星域の軍閥化→中央での軍部クーデターまたは宮廷クーデターという流れで新王朝の成立または分裂という事態を招くと思います。とても、ゴールデンバウム王朝が500年も続くとは思えません。
私は、前に銀河帝国の図体の大きさから考えて、いずれは経済が動脈硬化を起こし、ソ連の如き惨状になるのが当然なんじゃないかな、と考えたことがあります。
ただ、国民の貧困化はともかく、旧共産圏の食糧不足については、「共産主義固有の問題(硬直化したノルマ制で、労働者や企業組織に『やる気』を起こさせず、生産性が低下するなど)」がありますから、銀河帝国には適用できないのではないでしょうか。現に、同じ民族の国でも、帝政ロシアは穀物輸出国で、ソ連は輸入国でしたよね。銀河帝国は、帝政ロシアの方に近いのでは。国民は貧困化しそうですけど、食料は大丈夫ではないでしょうか。
はじめまして、よろしくお願いします。
銀河帝国は経済学的に混乱と国民の困窮を招くのではいうことですが、そもそもなぜ、銀河帝国が成立したかというと、銀河連邦末期は経済の混乱と国民の困窮が起きていたからで、後の時代はもちろんおかしくなっていきますが、ルドルフの時代は国民の生活は向上しました。
なぜ、そういいきれるかというと、宇宙海賊の横行するということは、治安の悪化、経済の悪化があったということであり(そうでなく平和に豊かな生活がおくれるなら人間わざわざ危険な道を歩もうとは思わないものです)、さらにいえばルドルフを支持したのは未来に希望がなく現在に不平不満を持っている人間です。
そのような人間が過激な主張を支持するので。
銀河連邦末期は書いてませんがおそらく、増大する社会コストと、減少する税収から増税と社会福祉の切り捨てがおそらく4分の1の人間が失業しているさなかに行われ「これが民主主義だというなら、ルドルフがこれ以上に悪いなどということがあるだろうか」と自問したことでしょう。
帝位についた後は秩序を再建するために規制、規制でいったでしょう。
なお政治と経済制度は状況によって最適なものは違います。
規制がなんでも悪いわけではありません。
このときに大軍拡をやって失業者を大群を吸収し、彼らに職と誇りを与えました。
当然彼らは熱狂的にルドルフを支持します。
帝国にもよかった時代というのはあったわけで、あの時代はすべて暗黒時代であったといいたがるのは人間の悪癖です。
でその後なんで500年続いたのかといえば、静かにだが着実に帝国も変わっていったからだと思います。
最初は皇帝独裁で権力も軍事力も皇帝に集中していたものが、後には大貴族たちが帝国政府に逆らえるほどの力をもち、軍閥化してしまいました。
私はこう考えますがいかがでしょうか。
不沈戦艦さま、SAIさま、レスありがとうございます。
不沈戦艦さま
帝政ロシアのロマノフ王朝は代々帝位についてきたという伝統からきた権威と宗教の力(ロシア正教)によって、国民を服属させてきましたが、伝統も宗教(地球教以外、宗教が銀英伝には出てこない)も持たないゴールデンバウム王朝の場合、北朝鮮の金日成のように相当強引な国民の思想統制や過度の神格化が帝位の正当化のために必要だと思われます。資本主義経済は維持されるでしょうが、1つは経済の建て直しのため、もう1つは国民の統制のために、統制経済体制(国家社会主義体制)がとられると思います。また、北朝鮮では金日成・金正日が的外れな指示(たとえば、この土地にはこれを植えよとかこの工場ではこれをつくれなど)を出してもそれを実行することが強要され、それが経済の混乱を招いたとされましたが、ゴールデンバウム王朝でも同じような事情がみられることでしょう。ひとたび、ルドルフが毛沢東の大躍進政策のような指示をだせば、銀河帝国の混乱は救いようのないものになると思われます。
SAIさま
ルドルフの登場はヒトラーがモデルと思われますが、ヒトラーが経済恐慌から一時的に経済を建て直したのは来るべき戦争に向けて軍拡をおこなったからでした。しかし、銀河帝国の場合、外に敵が存在しないのに軍拡をおこなえば、財政的にゆきづまり、勢力を拡大した軍部が王朝の脅威となるでしょう。それに社会福祉制度を全廃したと銀英伝ではありますが、これは田中氏のファシズム理解が浅薄であることを物語るもので、ファシズム体制では社会保障制度が拡充されるのが普通です。(国民の支持をつなぎとめるため)社会保障制度を全廃すれば、共和主義者以外の国民の不満を招き、それに乗じた軍部の有力者による軍閥化→反乱を招き、第二代皇帝のころには崩壊すると思います。
> 不沈戦艦さま
> 帝政ロシアのロマノフ王朝は代々帝位についてきたという伝統からきた権威と宗教の力(ロシア正教)によって、国民を服属させてきましたが、伝統も宗教(地球教以外、宗教が銀英伝には出てこない)も持たないゴールデンバウム王朝の場合、北朝鮮の金日成のように相当強引な国民の思想統制や過度の神格化が帝位の正当化のために必要だと思われます。資本主義経済は維持されるでしょうが、1つは経済の建て直しのため、もう1つは国民の統制のために、統制経済体制(国家社会主義体制)がとられると思います。また、北朝鮮では金日成・金正日が的外れな指示(たとえば、この土地にはこれを植えよとかこの工場ではこれをつくれなど)を出してもそれを実行することが強要され、それが経済の混乱を招いたとされましたが、ゴールデンバウム王朝でも同じような事情がみられることでしょう。ひとたび、ルドルフが毛沢東の大躍進政策のような指示をだせば、銀河帝国の混乱は救いようのないものになると思われます。
それはないのでは?というのは、銀河帝国は、毛沢東時代の中国や金王朝と化した北朝鮮とは違い、ルドルフ自身が任命した貴族階層が、それぞれ自領を持っているからです。中央集権体制ではなく、かなりの地方分権体制になっているのではないでしょうか。
ルドルフによる的はずれな経済政策強要、などが発せられる背景が存在しないように思えますが。むしろ、与えた所領は勝手に統治せよ、ということになるのではないでしょうか。
皆さんどうも、八木です。
銀河英雄伝説の経済。帝国と同盟、どちらも経済的側面はほとんど出てきていませんね。通貨の名前ぐらいしか分かりません。
ところでイッチーさんが指摘された銀河帝国の経済です。しかし私は何とか大丈夫だと思います。
帝国建国当初は、連邦時代の経済機構の流用やその遺産が使えたと思います。ルドルフ大帝が綱紀粛正や行政効率の改善が行ったことで、有効活用できるはずです。しかし、皇帝や貴族など特権階級も生まれているので、その遺産は早晩食い潰されてしまいます。
やはり帝政に反逆した共和主義者を奴隷階級として、死ぬまで扱き使い乗りきった。これしかありません。叛乱を起こした共和主義者とその家族は、農業惑星や資源惑星に連れていかれ賃金ナシ・毎日三食のみで死ぬまで働かせます。これなら重労働の部分にかかる安全面などの配慮もいりませんし、賃金も与えないのなら儲けしかありません。このように奴隷階級への社会的保障に掛かる負担をなくせば、他の面に資金を回せ経済も維持出来ると思います。
特にルドルフ大帝死後、帝国各地で共和主義者の叛乱が起き、そして失敗しています。その結果、100億人が市民権を剥奪され農奴階級に落とされました。一時的に経済各分野で混乱が起きても、帝国臣民は当時はまだ沢山います。今までの失業者や低所得者が、農奴となった市民の代わりにその職に就けます。また長期的に見れば、新たに追加された農奴100億人からいずれ利益がどんどん上がってくるでしょう。
現在の地球の人口以上の数が帝国の奴隷階級となっています。これだけの人数があれば十分に経済の底を支えることもでき、国家体制も築けると思います。
ルドルフ大帝時代→連邦時代の遺産を最大限効率化させ経済を維持。
ルドルフ死後100~200年くらい→大量の奴隷階級から上がる利益で経済を維持し、新たな帝国式経済体制を確立してゆく。
こんな感じでしょうか。
また地方叛乱の心配もありません。奴隷階級がいるのは、宇宙艦の建造ドックもなく、宇宙艦を造る資源もない惑星です。宇宙戦力がないのに叛乱を起こし地上を制圧しても、帝国軍の衛星軌道上から攻撃で簡単に鎮圧されるでしょう。
地球の国家のように首都と地方が陸続きなら、英仏の市民革命のようにに成功するかもしれません。何せ市民の方が、軍隊よりも数は多いです。ただ星間国家では、首都(星)と地方(星)の間には広大な宇宙空間があります。皇帝が宇宙軍を完全に掌握していれば、市民・奴隷側に勝機もなく、叛乱は起きないはずです。
外に敵はいませんが、中に敵がいるというか中に敵をつくったのでしょう。連邦末期から帝国初期の時代、犯罪とテロが横行する無秩序状態で
あったと考えられます。そういう状況以外でルドルフが政権を握れるとは考えられませんので。
それで、警察ではだめだ、軍隊でなければ押さえられないとして軍拡を行ったのではないでしょうか。ただそうすると、宇宙艦隊ではなく地上部隊中心になるはずですし、艦隊も宇宙海賊討伐のため
速度と航続力を優先した巡洋艦と地上軍を輸送するための揚陸艦が主体になるようなきがしますが。
財政的な問題については一応問題はありません。大軍拡をはじめれば
それまで失業し働いていなかった人間と稼動していなかった設備が
稼動することによって経済成長がはじまり、税収も増大してゆくので。
ただし、働いていない人間がいなくなり、稼動していない設備がなくなったところで経済成長は終わります。そのまま何もしないと、インフレ
が亢進し、また政府の財政赤字も悪化するので、ここで増税して消費を
押さえ、財政を黒字に戻します。おそらく税痛が小さく、抵抗が少ない、消費を直接押さえられるということから消費税を導入したのだと
思われます。
結局軍拡をやった代金は払うことになるのですが、社会が安定し、経済発展したことによる利益とどちらが大きいかといえば利益のほうが大きいと思われます。
社会保障制度ですが、社会福祉制度を全廃した代わりにおそらく最低賃金を引き上げ、働ける能力と意欲のある人間には職を与え、一人一人が
必要な衣、食、住、教育、医療をまかなえるだけの所得は与える、それ以外の国家に貢献できない働けない人間は死ねとやったのだと思われます。
経済思想的に言えば銀河帝国はマネタリズムと相性が良いようにも思われますが、マネタリズムの前提となるべき資本流動性が銀河帝国では欠けているのではないかとも考えられます。
皇帝専制政治の維持を最重点に考えれば、比較的無理なく適用できるのは言うまでもなく社会主義ですが、社会主義はそれこそ資本流動性に難点があるため、長期的には停滞から崩壊に向かいます。考えられるのは、中国共産党が行っているような資本主義的社会主義ではないかと思うのですが、正直言って、あのようなアクロバットがこれから先、半世紀ももつとは到底考えられません。短期的には可能でも、長期的には難しいということです。
つまり経済のことを論じれば、銀河帝国があのような形で存続することはとても不可能です。あり得るとすれば、皇帝が象徴権力化し、土地貴族から商業貴族に支配階級が移行することですが、その場合、どうしても銀河帝国の政治体制そのものが自由化に向かわざるを得ません。
先日でた、ディズレーリとグラッドストーンの例で言えば、英国でも新興の商業貴族が一斉に自由党になだれをうって参加し、ロイド・ジョージの人民予算に見られるように土地貴族の息の根を止めてしまうことになるでしょう。
北朝鮮のような小さな国では、徹底的な国民統制も可能でしょうが、銀河系規模では無理なのではないでしょうか。北朝鮮でさえ、最近はああして白旗を掲げているわけですし。
従って、私の結論は経済学的に正しい銀英伝はあり得ない、ということです。みもふたもない結論で恐縮ですが。
不沈戦艦さま
おそらく、銀河帝国は江戸幕府のような仕組みなのでしょう。それならば、米沢藩のように名君に恵まれた惑星ならば、人民も平穏に生活することが出来たでしょう。
江戸幕府は戦国時代の混乱を終息させ、農民や町人が平和に暮らせる世の中を実現するのに成功しました。そのため、江戸時代の初期は割合うまく幕府が統治することが出来たと思うのですが、天下泰平が続くうちに経済力をつけた農民や町人、富国強兵政策で力を蓄えた薩長に次第に揺さぶられていきました。銀河帝国も国内の混乱を抑えた後はブルジョワジーの台頭や富国強兵政策で力を蓄えた貴族たちに王朝をおびやかされるようになるのではないでしょうか。それにゴールデンバウム王朝の皇帝のなかには、ジギスムント2世(痴愚帝)やアウグスト2世(流血帝)のような無茶苦茶な皇帝もいたようで帝国の経済を混乱させたと思うのですが、影響は皇帝直轄領にとどまったのでしょうか?
八木あつしさま
以前も別のレスで議論になったのですが、奴隷制というのは経済的に非常に非効率的らしいです。ただ、銀河連邦時代の遺産で300年くらい持たせて、その後は同盟の脅威を訴えて、その危機意識で国民をまとめるというやり方で帝国は生き延びたのかもしれませんが、連邦の遺産で300年持たせるというのは現実味が薄いですね。(苦笑)
SAIさま
過度な軍拡は今日の北朝鮮のようになる気がするのですが・・・。軍事費が予算を圧迫し、軍需産業が優遇される結果、消費財が不足し、国民生活を圧迫すると思います。治安が悪化していたと思われる帝国初期は治安の回復を大義名分に軍備の拡大は可能ですし、治安を回復させることは経済のプラスになると思いますが、ある程度平和が到来した後は軍隊はお荷物でしかなく、さらに発言力を持った軍部が帝位にも干渉してくるのではないでしょうか。私には、ラインハルト以前に帝位を簒奪しなかった武官がいなかったというのが疑問です。
IKさま
私が言いたかったことはIKさまに全部言われてしまいました。銀河帝国というのは中世の封建制と近代のファシズム(または共産主義)が融合したかなり奇形な国家だと思うのですが、そのような国家が何百年も続くとは私も思えません。
ルドルフのような男が出てくるような状況というのはもともと貧富の
差が拡大し、景気は悪く、大多数の人間が困窮しているわけです。消費財はもともと不足しています。軍需に圧迫されたわけではなく、大多数の人間にとっては代金を払えず買えないから。あるところにはあるんです。
このような状況では需要に比べて供給能力はあまっております。
この場合、需要を増やす方法は2つあって、民需でやる方法と官需で
やる方法の二つがあります。民需でやる場合は全国民に金を直接渡して
使ってもらうこと、官需でやる場合は軍拡と戦争です。
なお、金を直接渡すと言っても地域振興券のようなはした金ではだめで
巨額の金を短期間にドカンとやらねば効果がないです。なぜなら全産業
の需要縮小を補わねばなりませんし、景気はよくなるんだと信じさせねばなりませんので。
官需でやる場合、なぜ軍拡と戦争になるかというと、どんな公共事業で
あれ、少数の産業で全産業の需要を補うことは不可能で、全産業に号令
をかけられる国家事業は軍拡と戦争しかないからです。もちろんこれも
生半可な金額では効果がありません。
で、困窮しないかということですが、上のやり方でもしたのやり方でも
これはデフレ解消政策であって解消した後も続ければもちろん惨劇を
招きます。逆にいえば景気が回復した時点でやめて、次の適切な政策に
移行すれば問題はありません。ただ下だと止められるかどうかという問題はありますが。やめられないともちろん困窮します。ただ北朝鮮というよりはむしろロシアみたいになるんじゃないかと思ってます。
簒奪した武官がいなかったのは、おそらく皇帝はゴールデンバウムに
連なる人間がなるんだと彼ら自身も考えていたからだと思います。
ようするに支配を正当化する権威がなかったからやらなかったと。
社会が混乱し権威が失墜しない限り、実力だけで支配の正当化はできませんので。
ただ、自分たちにとって都合のいい皇帝を擁立するだとか、示威行動とかそういうことやったと思います。
あとファシズムだったのは前期の帝国で、封建制度の帝国は後期の帝国だと思います。
作中の時間でルドルフからラインハルトまで500年の時間が流れてますから、ファシズムと封建制が融合していたわけではないのでは。
そもそもファシズムと封建制は融合しようにも矛盾だらけで無理だと
思います。
> 官需でやる場合、なぜ軍拡と戦争になるかというと、どんな公共事業で
> あれ、少数の産業で全産業の需要を補うことは不可能で、全産業に号令
> をかけられる国家事業は軍拡と戦争しかないからです。もちろんこれも
> 生半可な金額では効果がありません。
お金をばらまなくても、星間航路の安全を軍事力で確保して、物資の流通を円滑化し、不法に惑星を占拠している宇宙海賊を一掃し、密貿易を摘発。汚職官吏や実業家を「共和主義者」として追放。大規模な公共事業をおこして、失業者を救済。などの手段をつかえば、一般民衆の生活は随分楽になると思います。これだけの業績をあげれば、よほどの筋金入りの共和主義者以外は帝政派に転向しそうです。ただし、国内が安定すれば、国民の不満は高まると思います。独裁政治は国内をある程度発展させ、安定化させるまではうまくいきますが、それ以降は国民の強い不満を招くものです。(開発独裁が典型ですね)
> 簒奪した武官がいなかったのは、おそらく皇帝はゴールデンバウムに
> 連なる人間がなるんだと彼ら自身も考えていたからだと思います。
> ようするに支配を正当化する権威がなかったからやらなかったと。
> 社会が混乱し権威が失墜しない限り、実力だけで支配の正当化はできませんので。
ゴールデンバウム王朝初期には帝室にも権威はなかったでしょう。簒奪は可能だったと思われます。そうでなくても、徳川氏のように皇帝を傀儡にして自ら権力を握ろうとする一族が現れてもよさそうですが、なぜか1代限りです。
> あとファシズムだったのは前期の帝国で、封建制度の帝国は後期の帝国だと思います。作中の時間でルドルフからラインハルトまで500年の
> 時間が流れてますから、ファシズムと封建制が融合していたわけではないのでは。
ルドルフは自分の家臣を貴族に列していました。これは封建制では?
> そもそもファシズムと封建制は融合しようにも矛盾だらけで無理だと
> 思います。
私もそう思います。ですから、銀河帝国という国家はかなり存在が難しい国家ではなかったかと思うのですが・・・。
> > そもそもファシズムと封建制は融合しようにも矛盾だらけで無理だと
> > 思います。
>
> 私もそう思います。ですから、銀河帝国という国家はかなり存在が難しい国家ではなかったかと思うのですが・・・。
そうですね。私も銀河帝国という国家の存在は、かなり矛盾(というか説明困難な点が多い)とは考えています。そのくせ、経済力は同盟よりはありそう(戦争による疲弊が比較的少ない)というのが、かなり疑問というかおかしな点(銀河連邦の時に比べて、人口が激減しているのに)もありますし。ま、ある程度は、フェザーンの勢力を国内に導入(資金や技術という意味です)していて、経済的には潤うようにはなっているんでしょうけど。
久しぶりの書き込みです。よろしくお願いします。
レスの位置が不適当かもしれませんが、ご容赦ください。
> 皇帝を絶対不可侵の存在とし、貨幣単位や度量衡まで変更
> しようとしたルドルフの独裁政治のもとでは、経済政策も
> ルドルフの思いつきで設定され、今の北朝鮮のように極度
> の経済の混乱と国民の貧窮を招いた可能性が高いと思います。
> かっての旧共産主義諸国は資本主義国からの経済援助や穀物
> の輸入などでなんとか最悪の事態を避けようとしましたが、
> 結局は国民の貧困化を招いて崩壊しました。人類の単一政体
> である銀河帝国の場合、外国からの援助や食料の輸入に頼る
> ことは不可能であり、早晩、ゴールデンバウム王朝は経済の
> 混乱→貧窮化した人民による反乱→辺境星域の軍閥化→中央
> での軍部クーデターまたは宮廷クーデターという流れで新王
> 朝の成立または分裂という事態を招くと思います。とても、
> ゴールデンバウム王朝が500年も続くとは思えません。
オレにもゴールデンバウム王朝が500年も続く経済基盤を持って
いたとは思えないのですが、それをいうと話は終わるので(笑)
たいしたものではないですが考察を。
まずルドルフ登場前の社会情勢ですが、1巻によると
[1] モラルの低下と治安の悪化
[2] 治安の悪化による流通の停止(宇宙海賊の横行等)
[3] 上記および行政能力の崩壊による開発の停止
[4] 限られた資源も、利権として占有されている
という状況になっていたと考えられます。
[1] と [2] は、経済活動に(直接的に)重大なダメージを与え
ますし、[3] は新規市場がなくなるという(間接的な)ダメージ
を与えます。(それによって経済成長が止まる)
その結果、銀河連邦の税収が減り、[4] によって、さらに現有
資源から得られる利益も税に還元することが難しくなります。
また、経済活動の衰退と利権化によって、富の格差が増大し、
一般市民の生活レベルは限りなく下がり、そのせいでさらに治安
悪化→経済力低下という悪循環に陥っていたと推測できます。
で、国庫支出なのですが、
[1] 治安対策費
[2] 社会福祉費
の2点は増大したでしょう。もっとも、[1] は年々治安が悪化し
てたようでしたから、増やさなかったのかもしれないですが。
[2] は貧困層などの社会的弱者の増大や治安の悪化による医療
保険費の増大などによって、明らかに年々増大する類のものです。
さらに、政治家や官僚たちなどの現有利権の維持に使われる費用
は削ることができません。
つまり、「歳入は減り続けてるのに歳出は増えるばかり」という
状況なので、国債の乱発か通貨供給量の増加をするしか赤字を
補填する方法はありません。どちらにせよ、銀河連邦通貨クレ
ジットは信用度を失い、インフレ状態になっていったでしょう。
さて、ここで我らが偉大なるルドルフ大帝の誕生です(笑)
ルドルフの軌跡って、アドルフの軌跡とよく似たカンジを受け
ますね。まあ、それはおいといて、彼が経済および財政に与えた
影響を考慮すると、↓のようなものになるでしょう。
[1] 治安対策費の増加(海賊対策の軍事費増加)
[2] 既得権層の公職追放
[3] 通貨を帝国マルクへ変更
[4] 社会保障の全廃
[5] 社会秩序維持局の開設
[6] 貴族階級の創設と封土
[1] は、公共事業の増大によるケインズ効果があります。また、
失業者の保障などの効果もあるでしょう。財政に与える悪影響も
ありますが。さらに、[2] によって公共事業が利権団体のみに富
をもたらすという状態も無くなったでしょう。
また、治安の改善によって経済活動が復活し、税収も増えたで
しょうから、多少の公共事業費の増大も耐えられたと思われます。
[3] によって、クレジットを抹消して、インフレを是正。
さて、[5] は、官僚機構の肥大化という財政にとってはマイナス
の影響があり。給料もバカにならないですしね。しかし、その前
に行った政策 [4] で、(ルドルフ政権にとっては)無駄な歳出は
抑えられています。
で、[6] なんですが、これこそが、オレとしてはルドルフが考え
た経済政策の最後の仕上げなのでしょう。1巻9ページには
『辺境星域の開発計画は事半ばにして放棄され、無数の可住惑星
が豊かな可能性と建設途上の諸施設を残したまま見捨てられた』
とあります。つまり、封土を行って、そういった地域の再開発を
貴族たちにやらせる、と。実際、大貴族たちの所領は辺境に多い
ようですし。
一見、資本主義経済からの逆行に見えますし、彼ら貴族たちは様々
な税負担が免除されていたので国庫歳入にはなんの益も与えない
ようにみえます。
しかし、貴族たちがそれらの土地を開発するためには資本投下を
しなくてはいけないですし、様々な品目を恒常的に輸入しないと
いけません。で、それらの土地の特産物を輸出する、と。
つまり、市場の拡大と流通によって、それまでより銀河レベルの
経済活動は段違いに増大したでしょう。
銀河連邦時代とゴールデンバウム王朝時代で銀河辺境がどれだけ
拡大したのか不明ですが、この方法でさらに辺境を開発していけ
ば、しばらくの間は帝国の経済力を維持・増大できるかも。
とはいえ、このままだとジリ貧でしょう。労働力を農奴にしたり、
貴族が腐敗して市民から搾取するようになると、食料やインフラ
整備のための資金を出し渋るようになりますし、それでは各領地
の資源輸入量が減って、銀河全体の商業活動も頭打ちになります。
それに、各地域の輸出品目の産出量も徐々に減っていくでしょう。
どうやら、6巻121ページからの帝国の歴史を読むと、ユリウス
皇帝(124~144年)の頃に減税等が「善政」として記録されて
いますから、その前の段階で腐敗は始まっていたようです。
この頃から、帝国暦331年のダゴン星域会戦が行われるまでの
帝国経済はおそらく遺産の食い潰し状態だったんじゃないかと。
その後状況は一気に悪化します。大量の亡命者が同盟に逃げ込
んだため、帝国領の市場の縮小と経済状態の悪化がおきたのは
自然です。
オレとしては、この経済状態の悪化が、フェザーン成立の大きな
切り札になったんじゃないかと思ってます。
帝国暦373年にフェザーン自治領が成立すると、帝国経済は持ち
直したはずです。フェザーンを通して新たな市場「同盟領」が
できたわけですし、フェザーンからの資本投下もあります。
とりあえず、いびつな帝国経済が500年も維持できるかどうか
という問題は、これで説明できるのではないかと考えてみました。
穴は多々あると思いますが…
次は、同盟より帝国のほうが経済力が上だったという点について
考察してみます。
不沈戦艦さま
フェザーンの成立は帝国暦373年です。それまで銀河帝国は今の北朝鮮のように経済がジリ貧で一般民衆は苦しみ、一部の特権階級のみが肥え太るという感じだったのでしょうか?帝国の人口減少もそれが原因では・・・。ということは、フェザーンは新義州の経済特区でしょうか?確かに新義州は独自のパスポートを発行すると言っているし・・・。
涼さま
説得力のある論の展開に感服いたしました。ルドルフの治世は単なる封建制への回帰ではなく、それなりに当時の混乱を鎮めるための政策であったわけですね。(かなりの劇薬ですが)ただし、社会の混乱が静まったあとでは、共和主義者に妥協して、憲法の制定・議会の開設に向かったほうが全人類のためであったように思われますし、長い目でみれば、社会の混乱も回避でき、王朝も安定したと思われます。ゴールデンバウム家が専制君主制に拘泥したことが悲劇の源泉でした。
ルドルフの政策により社会が安定した後、不必要になった軍を縮小する
ため、これまで未開発であった辺境星系に退役軍人を入植させ開発する政策をとったと思います。これはいろん効果がありまして、軍の力を削ぎ、簒奪の危険をさける、政府予算における軍事費をさげる、産業を軍需から民需に転換する、劣化した経済システムを建てなおすため(銀河連邦の全盛期に比べれば悪化しています。官需というか軍需と戦争というケインズ式で不均衡を解消すると長期的に経済は悪化します)
国家的な産業基盤整備事業をやる必要がある、とまあこれぐらいは
あげられます。
で、その際に家臣たちを貴族に封じ、同時に辺境星系開発のための優遇
策をとったはずです。たとえば、投資減税や資産税の免除、開発資金の
低利融資、国有財産の払い下げといった、いわば企業優遇策と同じで。
なお、この政策は需要過剰、供給過小の時つまり景気が過熱しインフレの時には正しい政策です。
が時がたつにつれかつての未開発の辺境星系も開発が進み、経済力も
向上していきます。ルドルフの時代、帝国政府の経済力、軍事力は貴族達のそれを圧倒していました。
だが、後の時代にはその格差はどんどん縮まってゆきます。なぜなら、トップを走りつづけるのに要する労力に
比して、追いつくのに必要な労力は数分の1ですむから。経済力ともに軍事力の格差も縮まって行きます。
経済、軍事の2つの力の格差が減少するにつれ、皇帝の権力も弱まってゆきます。それとともに皇帝の権威も落ちて行きます。ルドルフの時代はもちろん皇帝専制で、皇帝に反逆することなど考えることすらでき
なかったでしょう。が後の時代には皇帝といえども大貴族達の意向に逆らうことはできなくなり、帝国に対し、反乱がおきるまでになってしましまいました。
前期の皇帝絶対で強力な政府の元、中央集権だったころはファシズム、後期の大貴族達の意向に逆らえなくなり、
帝国政府そのものが弱体化し権力が分散した後期は封建制だと思います。
なお、上記で述べた貴族優遇政策を需要過大、供給過小を脱した後も
続けると、今度はまた供給過大、需要過小となり、つまりデフレとなりさらにいえば、消費者、庶民から金をとって供給側、つまり貴族に金を渡しているようなものなので、貧富の差が開き景気は悪化します。
供給過小を脱したところで貴族優遇政策をやめれば問題はなかったん
でしょうがやめなかったのでしょう。
この時点から帝国の経済が停滞し、一般民衆の困窮化が始まります。
失業、倒産がおこり、失業率は高く、賃金は低く、設備の稼動率は
低下し、生産性は下落します。
その一般民衆の苦境をよそに貴族達は浪費を続けます。経済はどん底に
向かって落ちて行きます。
同盟が発見されますが、今回は大軍拡と大戦争は行われません。貴族
達は現状維持したいのであって、そんな社会が大きく変わるような
博打はやりたくないというのが本音です。どこかはるか遠いところで
の小競り合いなら良いけど、それ以上はやりたくない、特にダゴン
の敗戦の後はそう思ったことでしょう。
経済状況はどん底のままで、このあたりから同盟への逃亡もはじまった
のでしょう。
貴族達は非協力的で、帝国軍をすべて動かすと何が起こるかわからない、かといって何もやらなければ、自分以外の誰かほかの連中がやる分
には賛成な貴族達が反乱者どもをなぜ討伐しないかと突き上げる、
そんな状況で小競り合い程度しかできない艦隊しか動かせず、だらだら
と何年も戦争がつづいたのではないでしょうか。
穴があるとは思います。特に人口だけは説明がつきません。もっとも
人口というのはよほどの異常事態がない限り増えるものであって、本文
どおりに減少したとしたならば、むしろ文明の崩壊という事態を想定
することになるので。
崩壊してゆく星間国家、日々失われゆく帝国の遺産たち、文明を再建
する方法をめぐり戦う英雄たち、というのでは銀英伝ではないですね。
スレッドが分散するのもなんですから、ちょっと纏めました。
■イッチーさん(2877)
こんばんわ。レスありがとうございます。
> > 説得力のある論の展開に感服いたしました。
そう言っていただけて嬉しいです。銀河連邦末期から銀英伝時代までの経済の思考実験の叩き台として使ってくださればありがたいです。
> > ルドルフの治世は単なる封建制への回帰ではなく、それなり
> > に当時の混乱を鎮めるための政策であったわけですね。
> >(かなりの劇薬ですが)
[2883] でSAIさんが書かれていますが、「封土の際に過剰な軍事人員を辺境に入植させる」という魅力的な政策オプションもついています。ルドルフ(&経済閣僚)の頭の中で封土と入植のどちらが先にひらめいたかは分かりませんが、2つセットの方が相乗効果を挙げるでしょう。その当時の辺境にそれほど核となる人口がいたとも思えませんし。
選択肢としては、貴族じゃなくてなんらかの企業や独立法人等に辺境開発を行わせる(優遇策で餌をあたえる)という案もあったのじゃないかと思うのですが、ルドルフ大帝は潔癖症でしたからね…それらが新たな利権となる危険性がイヤだったのと、いわゆる貴族が「帝国の藩屏」となるのを狙ったのでしょう。その貴族自身が利権化して皇帝権に横車を押すようになるのは、いわゆる歴史の皮肉というやつで。(ちょっと歴史をかじれば当然そうなることは目に見えていたでしょうが)
> > ただし、社会の混乱が静まったあとでは、共和主義者に妥協
> > して、憲法の制定・議会の開設に向かったほうが全人類のため
> > であったように思われますし、長い目でみれば、社会の混乱も
> > 回避でき、王朝も安定したと思われます。ゴールデンバウム家
> > が専制君主制に拘泥したことが悲劇の源泉でした。
ルドルフ大帝の初期の思考がファシズム独裁ですからね。専制君主独裁制に思考が変化するのは当然の成り行きかと。立憲君主制なんかになるのはちょっと考え付かないです。その後の皇帝たちも思想的には保守的で、ずるずると時が経つうちに皇帝権が弱まって大貴族たちが権力を持ったので、どうしようもなかったでしょうねぇ…
もっとも、そのまま行ってくれれば「反銀英伝」のその後のように、緩やかな変革で立憲君主制まで変化したかもしれませんが、その前にラインハルトが登場した、と。
■SAIさん(2883)
こんばんわ。詳細な説明ありがとうございます。
> ルドルフの政策により社会が安定した後、不必要になった軍
> を縮小するため、これまで未開発であった辺境星系に退役軍
> 人を入植させ開発する政策をとったと思います。
これは、[2872] を考えているときは頭に浮かんできませんでしたが、当然の必須政策ですね。只でさえ辺境は人口が少なすぎたようですから、その(人口発展の)核となるという意味合いもあったでしょうし。
> で、その際に家臣たちを貴族に封じ、同時に辺境星系開発の
> ための優遇策をとったはずです。たとえば、投資減税や資産
> 税の免除、開発資金の低利融資、国有財産の払い下げといった、
> いわば企業優遇策と同じで。
実際、2巻58ページには『それ以外の貴族にも、遺産相続税、固定資産税、累進所得税などの制度を適用すれば』とありますし、税制面でかなりの優遇策がとられていたようです。また、3巻38ページに『貴族を対象とした特殊な金融機関が廃止され』とあるのは、「開発資金の低利融資」といった面で機能していたのでしょう。
> なお、上記で述べた貴族優遇政策を需要過大、供給過小を
> 脱した後も続けると、今度はまた供給過大、需要過小となり、
> つまりデフレとなりさらにいえば、消費者、庶民から金を
> とって供給側、つまり貴族に金を渡しているようなものなので、
> 貧富の差が開き景気は悪化します。
> 供給過小を脱したところで貴族優遇政策をやめれば問題は
> なかったんでしょうがやめなかったのでしょう。
やめなかったというより、「やめれなかった」のかもしれません。その頃には貴族が相当な力をつけていたでしょうし。4代目あたりですでにルドルフの先例しかしようとしないドグマティックな皇帝が出てきたりしてますから、システム変革なんて思いつきもしなかったというのもあったのでしょうが。
> 穴があるとは思います。特に人口だけは説明がつきません。
> もっとも人口というのはよほどの異常事態がない限り増える
> ものであって、本文どおりに減少したとしたならば、むしろ
> 文明の崩壊という事態を想定することになるので。
いてて…一番考えたくないところを突かれました(笑)
1巻13ページには『帝国全人口3000億』とあるので、銀河連邦からゴールデンバウム王朝への移り変わりの際には人口はそれほど減らなかったのでしょう。それなのに500年後には全体で500億まで減ってます。帝国本土には250億ですから、帝国だけで見れば500年で1/12まで減ったって事でしょうか。
…どう考えても文明崩壊してますって(-_-;;
ここらへんは、田中氏が大好きな中国王朝の移り変わりを参考にしたんでしょうけど。にしてももうちょっと考えて欲しい…易姓革命の前と後で人口が激減するのはその途中の戦乱と飢餓が原因なんですから。もしかして、社会福祉を全廃したせいで、貧民層はバタバタと死んでいったというのでしょうか。
それにしても、この人口減で経済活動へのダメージを最小限に抑えるには、2000億くらいは銀河連邦末期の頃から食料も買えないくらい貧乏じゃないとどうしようもない気がしますが…そもそもそんな社会を再生なんてできるのか?
やっぱり、人口の推移を考えると、結論は「こんな帝国よく500年も持ったな!」ってしかならないです(笑)
> 崩壊してゆく星間国家、日々失われゆく帝国の遺産たち、文明
> を再建する方法をめぐり戦う英雄たち、というのでは銀英伝では
> ないですね。
たしかに。それはそれで優れたストーリーになったでしょうが、田中氏の手には負えないストーリーでもあるでしょうね。
SAIさま
涼さまに続いて、精緻な考察ありがとうございました。感服いたしました。私が面白いと思ったのは、不要となった軍を辺境開発にまわすという点で、中世ドイツで騎士団が辺境開発にあたったという歴史を思い出しました。おそらく、ゲルマン大好きのルドルフ大帝のことですから、そんな歴史の故事を思い出して、辺境に貴族を封じるという考えを思いついたのでしょう。ただし、SAIさんの言うとおりだとすると、末期の帝国は現在の北朝鮮のように飢饉が頻発するうえに、人口が同盟に流出して、国家として存立不可能な状態になっているでしょうね。そこにラインハルト一人が現れて、一気に立ち直るとも思えないのですが・・・。
涼さま
人口問題は銀英伝最大の失敗ですね。同盟の人口が異常に増えすぎているのと、帝国の人口が異常に減少しているのは説明がつきません。中国で王朝の交替期に人口が減少するのは、税金を逃れるために戸籍に登載されない人口が増えるためだそうですが、銀河系の人口をそれで説明しようと思っても、3000億→400億は説明できません。銀河連邦の人口を300億ぐらいにしてくれれば、説明はつくのですが。(苦笑)
>人口問題は銀英伝最大の失敗ですね。(中略)3000億→400億は説明できません。
この、とてつもない人口減を説明できるとしたら、帝国対同盟の戦争こそ唯一の可能性ではないでしょうか?外伝3「千億の星、千億の光」に、マルティン・ブーフホルツというキルヒアイスの少年時代の友人が登場します。大学で文学を専攻するこの青年は「自分はやがて召集され、前線へ送られて、一年以内に死んでいるだろう」と言っています。銀河帝国は国民皆兵で徴兵制度があるのでしょう。でなければ、マルティンなどが戦争へ行くはずはありません。彼が出征するなら、彼の年代の青年は全員すると考えられます。
そしてマルティンの言葉からすれば、一年以内に死ぬ確率の方が高い、つまり確率50%以上で死ぬと言っているのように思われますが、これは大変なことです。20歳の青年が全員召集され、一年以内に50%が死ぬという状況が、帝国と同盟の双方で発生したら、どうなるでしょう?銀英伝の兵士は、ポプランのようなパイロットやシェーンコップのような陸戦兵など一部の例外を除き、ほとんどは艦船の乗務員で、生死は乗艦自体がやられるかどうかで決まるので、古参兵だから生存確率が高く、新兵だから低いということがありません。従って、一年目に死ぬ確立が50%なら二年目以降も50%のはずです。仮に兵役が3年とすると、3年後に復員できるのは8人に1人です!
これらの幸運な復員兵が、復員後に次の世代を作るわけですが、自分たちが親の世代の8分の1に減っているからといって、1カップルあたり8倍の子供を作るわけではないでしょう。(兄弟の多い家など、物語に出てきません。そもそも「兄弟姉妹」が出てくるのは、アンネローゼ&ラインハルト、カール・フランツ&グスタフ・イザーク・ケンプ、シャルロット・キャゼルヌ&妹、ヤンの母親&叔父、イワンとボリスの父親同士、ルッツ&エルスハイマー夫人、ハルテンベルク伯爵&リューネブルク夫人・・・他にいるかな?「末っ子」だから子爵家を継げなかったグリンメルスハウゼンには兄がいるはずか。リヒャルト&クレメンツ&フリードリヒやルートヴィヒ&アマーリエ&クリスティーネは皇帝の淫蕩の結果だから除くとして・・・)仮にすべてのカップルが2人ずつ子供を作るとしても、一世代に人口が8分の1になるわけで、親子の平均年齢差が25年で平均寿命に変化がないと仮定するすると、3000億が400億になるのに、まさに一世代(25年)しか要しない計算になります。
もっとも、この計算だとラインハルトやヤンの時代には、人類は消滅していなければなりませんね。そうなっていない理由として、私に思いつくのは、
・戦争に行くのは帝国は男子だけ、同盟も圧倒的に男が多い
・従って、女子の数は戦争で減るわけではない
・帝国・同盟の双方とも事実上の一夫多妻制になっている
ということぐらいですが。でも、ヤンやミッターマイヤーやキャゼルヌを見る限り、これも信じがたいし・・・。ロイエンタール、シェーンコップ、ポプランだって結局三人合わせて二人の子供を作っただけですしね。
皆様方の賢察を興味深く拝見しております。おかげさまで帝国成立からラインハルトの台頭に至る、「銀英前」の帝国経済史の謎はかなり解明されたように思います。僭越ながらこれまでの議論をまとめると
「帝国は成立当初、資源配分を社会保障から治安・軍需と辺境開発にシフトすることで景気回復を達成し財政の健全化にも成功した。しかし辺境の台頭により王朝後期には経済が封建制に逆行し、衰亡へと向かった」
ということでしょうか。
さて、ここで新たな論点を提起したいと思います。即ち、
「こうした帝国経済の衰亡に対し、同盟は何故乗じる事が出来なかったのか」
です。
帝国は徐々に経済的な力を失いつつある。一方同盟はダゴン星域会戦以降、興隆の道を歩み始めたはずです(件の人口増加もその要因)。となれば、近代的資本主義経済の同盟が衰亡しつつある封建的帝国を経済力で追いぬくことは時間の問題だったのではないでしょうか。特に、戦争の重荷は帝国の方により重くのしかかったはずではないでしょうか。
ところが本編の始まった宇宙歴796年頃には、帝国と同盟は同程度(いや、むしろ同盟のほうがひどいくらい)に戦時財政が悪化しています。
経済学的に正しい銀英伝であれば、この時期帝国の経済・社会は崩壊寸前、一方同盟はやはり苦しんではいるがまだ余力は充分、となるのではないでしょうか。
Ken さん、こんにちは。
> > 人口問題は銀英伝最大の失敗ですね。
> > 3000億→400億は説明できません。
>
> この、とてつもない人口減を説明できるとしたら、帝国対同盟
> の戦争こそ唯一の可能性ではないでしょうか?
> … omit …
> 20歳の青年が全員召集され、一年以内に50%が死ぬという状況が、
> 帝国と同盟の双方で発生したら、どうなるでしょう?
残念ながら、そうはならないと思われます。
[1:そもそも、全員が対象となるのか?]
これに関しては Ken さんが推測されているとおり、帝国は徴兵制を採用しているようです。同じ4巻141ページには『軍籍にない平民階級の青年たちが、職場や学校から各地の軍隊の徴募事務所へ駆けつけるようになったのだ。彼らの中には、すでに兵役を終えてひとたびは故郷に帰りながら、平穏な生活を捨てて兵舎へ再回帰を望むものも多かった』とありますので。
[2:どれだけの人員が動員されるのか?]
4巻141ページで、『1億人・100万隻体制』という表現が出てきます。しかも、142ページで、帝国首脳たちはこれを「理論上は可能だが、現実には問題山積」とコメントしてます。もちろん、各地の軍事基地の警護や後方勤務などの人員も動員されるとは思いますが、『艦隊乗員勤務になるのは、最大でも1億人が限度』ということでしょう。しかも、それまでは、1億人より少なかったのは明らかです。
[3:実際、どれだけの人が死ぬのか?]
銀英伝の人事問題:軍人の異常な出世速度の謎で冒険風ライダーさんが『帝国と同盟との130年にわたる戦争の中で、実際に帝国と同盟が戦った会戦の数は330回前後』『一回の会戦における戦争犠牲者の平均が常に30~60万前後であった』と述べています。ダゴン星域会戦やアスターテのような一方的勝利は数えるほどしかなく、アムリッツアのような致命的ダメージを受けることなんかそれまではありえなかったことからみても、一回の会戦で死ぬ人の数は冒険風ライダーさんが述べているとおりなのでしょう。
さて、数回ほどあった一方的勝利の分を考慮して、一回に平均60万死亡したと計算すると、330回で約2億です。錬兵中の死亡や、その他の事故死、海賊退治等の治安維持中の戦死を考慮しても、130年間で3億以上の死亡者は出ないでしょう。
以上のことから、130年間の同盟と帝国の戦争が、銀河人口が3000億が400億まで減る理由にはなりえないと思いますが…
涼さん、はじめまして。レスをいただきありがとうございます。
私も、自分で書いていて、現実性のない話だと思いましたが、マルティン・ブーフホルツの言葉をストレートに解釈するとあのようになるので・・・人口急減の「苦しい説明」を試みたわけです。:-)
もう少し現実的な検討をしてみましょう。人口の増減を支配するのは、出生率と死亡率です。
出生率について。現在の日本は1.3という惨状ですが、銀河帝国は?
具体的な統計数字がないので、本当のことは分かりません。ただ、生育した環境が描かれている登場人物が数名いるので、ここから乱暴な推量をしてみます。それらの人物とは、アンネローゼ&ラインハルト姉弟、キルヒアイス、ロイエンタール、ミッターマイヤーそしてヒルダです。アンネローゼとラインハルト以外は一人っ子ですから、結局彼らの親たる5組の夫婦は合計で6名の子供を持ったわけで、出生率は1.2となります。まことに乱暴な推量で申し訳ありませんが、一応貴族からも平民からもサンプリングしているし、現在の日本や西欧の数字に近いので、とりあえず採用します。これは非常に低い数字で、戦争などよりもはるかに大きな影響を与えそうです。現在の日本でも、今の出生率が続くと、数世紀で日本人がいなくなると言われているくらいです。
1.2という数字は、5組の男女つまり10人の大人が6人の子供をつくることだから、一世代で40%の人口減が起こる計算になります。現在の日本や西欧がそこまでの事態に至っていないのは、平均寿命が年々伸びているからですが、銀英伝の世界ではどうでしょうか?科学の進歩で、現在よりは寿命が伸びているかもしれません。しかし、75歳で即位したユリウス一世が、毒殺される95歳まで生きると予測した人はいなかったことを考えると、平均寿命は高くても90歳程度であろうと思われます。ということは寿命延長による人口減の歯止め効果は期待できず、一世代4割の人口減が、現実のものになる可能性が高くなります。一世代間の年齢差が35歳とすると(前の発言では25歳と書きましたが、そこまで出生率が落ちるということは、相当な晩婚化が進んでいるはずであり、平均35歳で子供を作る、と仮定しました)、3000億が400億になるのに、4世代150年を要する計算になります。逆に500年で3000億が400億になるための出生率は1.73で、これはもう非常に現実的な数字というしかありません。(というよりも、現在の日本からみると、非現実的に「高い」出生率というべきです。)
こうなると、戦争で飢餓や人民の奴隷化で死亡率がどうなるか、などということも大した問題ではなくなりますね。
どうも准提督さん。こんにちは。
同盟の経済が帝国を抜けなかった理由はなぜか。私は経済はサッパリ知らないので全て憶測ですが。
やはり何もない状態から始まったこと。そして社会保障費が帝国に比べて圧倒的に多かったからじゃないですか。
元々、同盟建国時の人口は16万人です。まず行われたのは、人口増加のはずです。作中にも「多産が奨励され」とあります。しかし16万人から270年後に、帝国からの亡命者を受け入れても130億人にまでにもっていけるのか。さすがに亡命者が100億人だった訳は無いでしょう。
私はこの多産奨励政策は、女性の妊娠時に人工的操作を行い、4~5人を一度に出産したのではないかと思います。一度の出産で四つ子、五つ子を産んでもらい、それを何回か続ければ一家族で20人の人口増は(理論的には)可能です。つまり中国の「一人っ子政策」ならぬ同盟の「20人っ子政策」(笑)。
政府の政策で子供の数を人工的に増やしているので、国家が支援するのは当然で社会保障費の増大を招きます。というより、人口が増えないと国としてどうしようもないので、国家をあげて取り組んだはずです。これを5世代ぐらい行えば、帝国の亡命組を入れて130億人は見えてくるかも。
ともかく建国初期は、人がいないので経済活動もしようがない気が…。同盟第2世代が成長し、第3世代が生まれてきて初めて経済活動へのスタートラインに立てる気がします。もっとも最初に取り組んだのは、同盟軍艦隊建設への軍拡だと思いますが。
何にせよ同盟は、子供の増加出産に大量の補償費を投下し、人口が増えたところでやっと経済活動が活発になり、支配領域も増加していった。ある程度人口が増えれば20人っ子政策も必要なくなり、社会保障費も減ります。(ん・年金は増加?) もとより硬直化した帝国と違い、自由な同盟です。このまま200年もいけば帝国を上回ったと思います。
しかし経済活動が上り調子になったときに、帝国との戦争が勃発。戦時体制になり、軍事費が増加。そして帝国から大量の亡命者がやってきました。これが同盟経済への負担になったはずです。
現実では、韓国政府が北朝鮮からの脱出者に支援を行っています。しかし脱北者数が増えるに従い、財政的に余裕がなくなり、支援金も脱北者の階級ごとにどんどん減っていってます。
同盟の場合は、何といっても帝国と戦争中です。ただでさえ軍事費が増加しているのに、亡命者の支援を行わないといけません。しかも韓国が受け入れる脱北者の何百万倍の人数です。
亡命者には共和主義教育に衣食住の保障、独り立ちまでの支援が必要です。同盟は、戦争が始まって初期から中期の頃の亡命者には、専制国家より民主国家の方が素晴らしいと示すために、かなり気前が良かったので、これらのことが財政・経済への負担になったことは間違いありません。
とはいえ大量の亡命者が、同盟に馴染み農商工業に従事し経済の一翼を担うようになれば経済も再活性化するはずでした。しかし今度は、戦争での戦死者への一時金や遺族年金がじわじわと財政への負担になってきた。毎年30万から40万人も死ねば、その補償で亡命者への支援費が減っても戦死者への何十年もの補償費が大きな負担になります。帝国ならば、一時金の支給で済むかもしれませんが、民主国家の同盟ではそうはいきません。また戦死者への補償費を削減しようとしたら、選挙で敗れつため削減できなかった。
長々と書きましたが、この辺りが帝国に経済で及ばなかった要因なのかなと考えました。
同盟が帝国に勝つためには、あと130年戦争を起こさないように存在を完全に秘匿しておくべきでしたね。
> こうなると、戦争で飢餓や人民の奴隷化で死亡率がどうなるか、などということも大した問題ではなくなりますね。
帝国の人口減少を出生率の低下に求める考えに基本的に賛成です。帝国では社会保障が全廃されているうえに機械化もすすんでいるでしょうから、子育ての費用はかなり高いものとなっているうえに、子供は労働力と見なされず、平民階級は家の跡継ぎ以外の子供づくりを控えるでしょう。避妊技術もすすんでいるでしょうし。逆に、平民階級における乳児死亡率と老人死亡率は現在よりもかなり高くなっていると思います。社会保障の全廃によって医療費は高騰しているでしょうから。帝国の出生率が現在の日本並というのはかなり正確な数字であると思われます。
イッチーさん、レスをいただき、ありがとうございます。
帝国と同盟の人口推移について、再度整理してみます。
*帝国は、3000億が490年後に250億
*同盟は、16万が270年後に130億
を、実現するための出生率は、どれほどのものかです。計算のための前提として、
1.帝国は晩婚化が進み、子供を作る平均年齢が35
2.同盟は多産を奨励し、子供を作る平均年齢が25
3.どちらも、生まれた子供の10%が、自分の子供を作る前に死亡
と、します。すると、女性一人が生涯に産む子供の数は、帝国が1.86で同盟が6.24となります。(計算にはエクセルを用いました。)手元にデータがないので、憶測をすることになりますが、帝国は日本でいえば20年ほど前の、同盟は100年ほど前の状況に近いのではないでしょうか?つまり、数字としてはしごく現実的なものです。
ただ、このシナリオには問題があります。帝国と同盟はラインハルトの時代より150年以上も前から戦ってきたわけですが、上の計算では、ダゴン会戦時の人口は、帝国が約550億で同盟が1000万になります。つまり同盟が帝国と戦うのは、サモアとトンガが連合して中国に挑むようなもので、いくらなんでもこれでは戦争になりません。
その不可能を可能に変える要素を挙げるとすれば、以下のようなものでしょうか。
1.帝国には同盟以外の敵がいて、全軍を同盟征伐に向けられない
2.帝国は高齢者が多く、同盟の人口は若い
3.帝国軍は男子のみだが、同盟には婦人兵がいる
4.同盟に、地の利がある
1の可能性は高く、ダゴンに動員された兵力がそれを物語ります。この時、帝国は艦艇5万2600隻、兵員440万8千隻を派遣しますが、同盟の存在を知った直後に使用されたこの兵力は、対同盟用に養成されたものではなく、この規模の遠征軍を本来想定しなかった敵に向けるだけの体制が帝国にはあった。つまり、その対象たる別の敵がいた、ということです。しかも、この遠征軍が潰滅した後も、この「敵」が帝国を滅ぼしたわけではないので、潰滅した440万はもともと予備兵力だったのでしょう。予備兵力というのが、全兵力の何パーセントを占めるものなのか、判断する知識が私にはありませんが、仮に5分の1、つまり全体の20%を同盟との戦いに割けるのなら、550億対1000万の人口比が、事実上110億対1000万まで小さくなります。1100対1なら、中国と戦うのはエストニア程度の国になります。
2の正しさは、現在と100年前の日本を比べれば、明らかです。上記の人口計算では、帝国人は年齢が35歳下がるごとに数が16%少なくなり、同盟人は25歳下がるごとに2.8倍になります。双方とも国民の寿命が100歳で、兵士に徴されるのが20代とすると、徴兵対象人口は、帝国は全人口の約5.5分の1で100億、同盟は1.5分の1で670万となります。1の理由で、帝国が対同盟に向けられるのは5分の1と仮定したので、結局20億対670万(300対1)になり、中国への挑戦者がエストニアからノルウェーに交代します。
3の要素で、さらに差が縮まります。10億対670万で、ノルウェーの代わりにスウェーデンが中国と戦います。
4は人口の問題ではないので、数値化を試みることができませんが、とりあえず定性的な話をします。同盟に地の利があるとすれば、まずイセルローン回廊の反対側にあることでしょう。函谷関に守られた秦の首都咸陽みたいなもので、侵攻する帝国軍を回廊の出口で待ち受け、出てくるところを、一艦隊ずつ包囲して攻撃できます。
同盟には、これ以外にも地の利がある可能性があります。それは、銀河系における同盟領の位置です。黎明篇序章に長征一万光年が目指したのは「銀河系の深奥部」とありますが、これは、銀河の渦の中心方向という意味ではないでしょうか?もしそうだとすれば、同盟には鉄やアルミのような一般金属だけでなく、金やプラチナやウラニウムのような重い元素が、帝国領よりも密度濃く分布している可能性があります。つまり、それだけ資源に恵まれているのです。
Ken様、20代を根こそぎ動員してしまうと帝国の国家経済は破綻しますので、その辺を考慮に入れると帝国の常備兵力として徴兵できるのは5~1億程度だと思います。
あとは艦船にどれだけ保有できるかです、艦艇の保有数は戦時下のゴールデンバウム王朝末期でも20万隻以下ですから、平時は15万隻ぐらいが上限だと思いま、そうなると総員数は多くても6000万人もいれば足ります。
帝国はこんな感じだと思いますが、問題は同盟ですはっきり言って人口1000万では少なすぎます。
ダゴン会戦における同盟の兵数は250万、本来これだけの兵力をまともに運用するには後方要員として500万ほど要りますが、民間や政府に協力してもらい既存の組織を流用する事で後方要員の数は64~5万に減らせます。
それでも合計で315万です、人口1000万の国家が300万も動員したら経済の破綻どころか翌年には大量の餓死者を出すことになります。
どんなに計画を練り事前に準備をしても、動員できるのは人口の十分の1が限界です。
ですのでダゴン会戦時の同盟の人口は3150万人以上だったと思います。
吉良国さま、こんにちは。
>20代を根こそぎ動員してしまうと帝国の国家経済は破綻しますので
これは、私の説明不足でした。私は、帝国と同盟の動員能力を相対的に比較する目的で、動員する対象を20代に限定したのです。必ずしも20代がすべて出征すると考えたわけではありません。(もっとも、マルティン・ブーフホルツ発言の解釈は、それに近いものでしたが・・・(笑))
>ダゴン会戦時の同盟の人口は3150万人以上だったと思います
なるほど。
その条件で人口シミュレーションをやり直してみました。産児数をさらに増やしてもよかったのですが、度を越えると、家庭のあり様が変わってしまうので、一人の女性が産む子供の数は平均6であるとし、その代わりに、世代間の年齢差を22、つまり子供が生まれる時の親の平均年齢を22歳としました。すると、宇宙暦640年のダゴン星域会戦時の同盟の人口が3000万程度になるようです。また、前回の発言で私が用いた仮定を適用すると、動員対象となる人口は帝国の10億に対し同盟は2000万で、50対1ですから、中国と台湾くらいの関係になる・・・・うむ、これなら同盟にも勝機が見えてきますね。
ただ、この割合では、ヤンの時代の同盟人口が130億ではなく、250億になってしまうので、そうならないためには、同盟にあっても時代を降るに従い産児数の低下が起こったことにせねばなりません。人口増が至上命題の同盟にとっては、由々しい問題ですね。キャゼルヌがヤンに、
「とんだ贅沢だ。三〇歳を過ぎて独身だなんて、許しがたい反社会的行為だと思わんか」
(雌伏篇第3章-2)
と言っているように、人口増に協力しない同盟市民は、社会から好意的には見られないと思いますが。