SAIさん、
まさしく、古典SFファンさんが、
>観点と判断が全て異なります。
と言われるように、これほど異なる発想をする方と、ネット上とはいえ、知り合う機会を得たことを喜んでおります。
古典SFファンさん、
>貴方も、私も、結局は権力の委譲とエラー補正の方法論として、
>民主制以上の制度についてその構想すら知らない事には何の
>変わりもない。
私もそうだと思いますが、SAIさんからは、間違いなく反論が来ます。
>政治的には王制、ただし経済的には極端な格差が生じないようにする
と、言っているではないかと。
さて、
>多国籍企業と労働者の戦いは、封建領主と農夫の戦いと何が違うんです?
労働者は勤務先を選べるが、農夫は領主を選べない、という違いがあります。日本のように封建制の残滓が比較的に残る社会にいると、気づかないかもしれませんが、私が直接見聞したアメリカ、メキシコ、東南アジア、さらに伝聞で聞く中国で、経営者の大きな悩みに、従業員が定着しないことがあります。せっかく教育と訓練をしても、身に付けた技術を売り物に転職してしまうのです。これは、一人当たりGDPが3万6千ドルのアメリカ、2万5千ドルのシンガポール、9千ドルのメキシコ、3千6百ドルの中国(いずれも購買力平価。CIAのサイトより)と、多様な経済レベルにわたって見られる現象なので、世界の一般的な状態を表す、というのが私の認識です。
もう一つの違いは、流動性でしょう。封建時代に領主になったのは、領主の家に生まれた者だけです。ビル・ゲイツもリー・アイアコッカも、松下幸之助も本田宗一郎も、現れようがなかった。(注:この場合の「封建時代」とは、日本史で言えば鎌倉・室町時代のような、正真正銘の封建時代を指し、秀吉が現れた戦国時代や、田沼意次が台頭した徳川時代は、近代的な実力主義が封建制を相当に侵食していたと思います。)
>アメリカのユニテラリズムとは昔ファシズムと呼んだものと同じでは?
ユニ「ラ」テラリズム(unilateralism)のことですね?
SAIさんはNPRを聞くか(ブロードバンドがあれば、http://www.npr.org/で聞けます)、ニューヨークタイムズの社説を読まれる(http://www.nytimes.com/で読めます)べきだと思います。いろいろな立場の意見を、できるだけ公平に紹介しようという編集者の努力の成果が顕著に見られるし、もしも一方の意見を支持するなら、政府に反対する意見になることがずっと多いことが分かります。こういうスタンスのメディアの存在を許さないのが、ファシズムです。
>社会的に一段下の存在だと決められていたから白人は安心して黒人を寛大にあつかってました。差別に従う限りですがね。
もう一度、お尋ねします。現在のように黒人が権利を主張して、裁判やメディアで争う社会よりも、上のような社会が「まし」である、と言われているのですか?
>空港や飛行機の中、スキー場、ゴルフ場、プール、会社の重役室、弁護士事務所には黒人はほとんどいなかった思い出はありませんか?
出張が多かったので、空港と飛行機については、乗客にも添乗員にも、黒人は珍しくもなんともなかったと断言できます。初めてシカゴへ飛んだ時、私の隣にいたのが陽気な黒人のおばさんで、シカゴへ戻る途中だと言い、こちらがシカゴは初めてだというと、高層ビルの夜景の美しさや、まだ現役だったM・ジョーダンのことを延々と説明してくれました。
プールについては、アパートの共同プールしか行ったことがありませんが、黒人も白人もヒスパニックもちゃんといました。親同士が談笑している間に、子供たちは一緒に遊んでいました。ちなみに、私が住んでいたのはシカゴ郊外の町で、所帯の平均年収が6万ドルという土地でした。SAIさんの意見に従えば、そんな所に黒人がいるわけがない、ということになりますが。
私は、スキーとゴルフはやらないので、どういう人たちがプレーしているのか、見聞がありません。また、会社の重役室も、私には縁のない世界でした。ただ、一人のイチローの後ろに数百万の野球少年が、一人の田中芳樹の後ろには数百万の同人作家がいることから類推すれば、一人のタイガー・ウッズの後ろには数百万の黒人ゴルファーがいるのではないでしょうか?テニスのウィリアムズ姉妹しかりです。
>差をつけないと努力する気がうせますが、つけすぎてもまた失せるんです。
今がそうだ、と言われているわけですね?
SAIさんは、スタンフォードやバークレイのような大学を訪れて、学生たちと交流してみるべきです。取得した単位と成績が、就職後の年収に直結するので、皆必死です。「優」が4点、「良」が3点、「可」が2点として、在学中の成績の平均点を表したものをGPAといい、例えばスタンフォードの情報科学で修士を取り、GPAが3.7だったから年収6万ドルの係長待遇で就職、2.8だったから4万ドルの一般技術者として就職、という差がつきます。ただし、日本の官僚とは異なり、就職してからの実績では逆転します。ちなみに、これらの一流大学には、黒人もいますが、それよりも「石を投げれば中国人かインド人に当たる」というほど、非白人の留学生か、移民か、またはその二世が多いのです。留学生には、卒業後帰国する人もいますが、多くはアメリカで就職し、格下の大学を格下の成績で卒業した先祖代々のアメリカ白人を、はるかに上回る収入を得ます。
>その時代は破壊と殺戮が横行しましたが、それがいいことですか?
戦国時代と、それ以外の封建時代の大きな違いは、「殺されるのは誰か?」という点にあります。鎌倉時代や初期の室町時代を考えてみてください。権力者と民衆の関係では、民衆は生きるも死ぬも、権力者のなすがままでした。これが、応仁の乱以降に大きな変化が現れます。つまり、民衆が封建領主への抵抗を始めたのです。土一揆、国人一揆、一向一揆、法華一揆を経て、下克上の世となってゆきます。民衆にとっては、戦国時代は、前の時代より「破壊と殺戮」の危険が増したわけではありません。その危険が増したのは、伝統的な権力者とその家臣の武士たちにとってです。もちろん、一揆に参加した農民の中には、戦で死んだ者もいたでしょう。でも、自分の運命のために自分で戦えるのは、他人に生殺与奪を握られているよりも、はるかにましではないですか。
>一度あるものをすべて叩き壊してまた作り直すというなら莫大な無駄が生じるんですが、それでもかまいませんか?
>Kenさんは過激な革命思想を信奉しているんですか?
戦国時代に叩き壊されたのは、伝統的な支配構造です。人間の生活レベルを支える農業技術、鉱工業技術、マネジメント技術は、むしろ長足の進歩を遂げており、決して壊れてはいません。一日二食だった日本人が三食を取るようになったのもこの時代です。(司馬遼太郎「国盗り物語」より)
>アメリカの格差では発展どころか崩壊の一途です。
アメリカ経済の崩壊を表す指標と、それが格差に由来することの証明を、していただけますでしょうか?なお、ものすごい経済格差とものすごい経済発展が同時進行している最大の例は、いまや中国かもしれません。
>アメリカでいかに多くの賄賂と汚職がはびこっているか知らないとは言わせませんよ
ぜひ、具体的な実例を挙げてください。その上で、それが他国よりも激しいものかどうか、比較をしましょう。なお、その場合の比較対象としては、日本や西欧のように、基本的にアメリカと同じシステムを持つ社会では意味がないので、ぜひSAIさんに「アメリカ型より優れた社会」の具体例を挙げていただき、それとの比較をしようではありませんか。(ただし、堯舜の世のように、実在が立証されない社会は、対象外です。)
Kenさん、正直言えばあなたは私と違う世界に住んでいるのではないか、という疑問にとらわれます。あなたのすむ世界には犯罪もテロも不景気も失業も戦争もないのではないかと。でなければ、大金持ちか。だとすれば理解できるんですが。
さらに言えば、アメリカでもあのテロ以降自由万歳は止めました。
もう決して元には戻らないでしょう。
> 私もそうだと思いますが、SAIさんからは、間違いなく反論が来ます。
私も知りません。知っていれば言いますが。ただし今の現状はもうエラー訂正機能の限界を超えてしまったと思いますが。
> 労働者は勤務先を選べるが、農夫は領主を選べない、という違いがあります。日本のように封建制の残滓が比較的に残る社会にいると、気づかないかもしれませんが、私が直接見聞したアメリカ、メキシコ、東南アジア、さらに伝聞で聞く中国で、経営者の大きな悩みに、従業員が定着しないことがあります。せっかく教育と訓練をしても、身に付けた技術を売り物に転職してしまうのです。これは、一人当たりGDPが3万6千ドルのアメリカ、2万5千ドルのシンガポール、9千ドルのメキシコ、3千6百ドルの中国(いずれも購買力平価。CIAのサイトより)と、多様な経済レベルにわたって見られる現象なので、世界の一般的な状態を表す、というのが私の認識です。
選べますね。もっと賃金の低い場所とか、失業手当てで生きるとか、犯罪者になるとかですね。一度転職する度に給料が上がるのは極一部でほとんどは低下する。さらにいえば立場はどんどん悪くなる。それが選択の自由でしょうか。
さらにいえば、その問題は企業からいわせればそうですが、逆の側から言わせれば、満足に給料を払わないからです。満足に給料を払わないから、すこしでも良い条件のところに行きたい、すぐいなくなるから、満足に給料を払う必要はない。この問題は結局水掛論になるので、これ以上は言いたくはないんですがね。アメリカはかつてはそうではなかったし、今もそうでない企業もあります。スターバックス成功物語という本を読んでみてください。
> もう一つの違いは、流動性でしょう。封建時代に領主になったのは、領主の家に生まれた者だけです。
社会的流動性は近年全世界的に低下しております。リー・アイアコッカも、松下幸之助も本田宗一郎も現れたのは昔です。最近ではありません。ビルゲイツのマイクロソフトも創業は1973年で、今から30年も前のことで、アメリカがだめになり始めていたがまだまだ健在だったころのお話ですよ。
> >アメリカのユニテラリズムとは昔ファシズムと呼んだものと同じでは?
>
> ユニ「ラ」テラリズム(unilateralism)のことですね?
わかりました。
> SAIさんはNPRを聞くか(ブロードバンドがあれば、http://www.npr.org/で聞けます)、ニューヨークタイムズの社説を読まれる(http://www.nytimes.com/で読めます)べきだと思います。いろいろな立場の意見を、できるだけ公平に紹介しようという編集者の努力の成果が顕著に見られるし、もしも一方の意見を支持するなら、政府に反対する意見になることがずっと多いことが分かります。こういうスタンスのメディアの存在を許さないのが、ファシズムです。
http://www.jca.apc.org/~p-news/houhuku/sierakinkyo.htm
http://www.imadr.org/japan/interview/anti-arab.html
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010927205.html
こんな事が起きたり
http://www.asyura.com/2002/war10/msg/336.html
こんなことをやったり、戦争で国民の不満をそらそうとする国を民主国家とは呼ばないと思いますが。全体主義国家と呼ぶと思いますが。
メディアだって去年、さんざん大政翼賛報道を繰り返した前科がありますよ。いざなにかあればどうなるものやら。
> > もう一度、お尋ねします。現在のように黒人が権利を主張して、裁判やメディアで争う社会よりも、上のような社会が「まし」である、と言われているのですか?
ではKenさんは今のほうが良いんですか?黒人の4分の1が失業し、若者の2分の1が失業して犯罪者になる今のほうがましであるというんですか?権利が与えられたようでいて実は踏みにじられている今のほうが。
> >空港や飛行機の中、スキー場、ゴルフ場、プール、会社の重役室、弁護士事務所には黒人はほとんどいなかった思い出はありませんか?
>
> 出張が多かったので、空港と飛行機については、乗客にも添乗員にも、黒人は珍しくもなんともなかったと断言できます。初めてシカゴへ飛んだ時、私の隣にいたのが陽気な黒人のおばさんで、シカゴへ戻る途中だと言い、こちらがシカゴは初めてだというと、高層ビルの夜景の美しさや、まだ現役だったM・ジョーダンのことを延々と説明してくれました。
>
> プールについては、アパートの共同プールしか行ったことがありませんが、黒人も白人もヒスパニックもちゃんといました。親同士が談笑している間に、子供たちは一緒に遊んでいました。ちなみに、私が住んでいたのはシカゴ郊外の町で、所帯の平均年収が6万ドルという土地でした。SAIさんの意見に従えば、そんな所に黒人がいるわけがない、ということになりますが。
それついてはそうなんですか。解りました。
> 私は、スキーとゴルフはやらないので、どういう人たちがプレーしているのか、見聞がありません。また、会社の重役室も、私には縁のない世界でした。ただ、一人のイチローの後ろに数百万の野球少年が、一人の田中芳樹の後ろには数百万の同人作家がいることから類推すれば、一人のタイガー・ウッズの後ろには数百万の黒人ゴルファーがいるのではないでしょうか?テニスのウィリアムズ姉妹しかりです。
タイガーウッズは例外です。そもそも彼自身言っていますよ。黒人のプレイを認めないコースが存在すると。陸上やボクシング、バスケットボール等にくらべて、黒人のプレイヤーの数の比率がやけに少ないんですよ。水泳、ゴルフ、テニスは。
> 今がそうだ、と言われているわけですね?
> SAIさんは、スタンフォードやバークレイのような大学を訪れて、学生たちと交流してみるべきです。取得した単位と成績が、就職後の年収に直結するので、皆必死です。「優」が4点、「良」が3点、「可」が2点として、在学中の成績の平均点を表したものをGPAといい、例えばスタンフォードの情報科学で修士を取り、GPAが3.7だったから年収6万ドルの係長待遇で就職、2.8だったから4万ドルの一般技術者として就職、という差がつきます。ただし、日本の官僚とは異なり、就職してからの実績では逆転します。ちなみに、これらの一流大学には、黒人もいますが、それよりも「石を投げれば中国人かインド人に当たる」というほど、非白人の留学生か、移民か、またはその二世が多いのです。留学生には、卒業後帰国する人もいますが、多くはアメリカで就職し、格下の大学を格下の成績で卒業した先祖代々のアメリカ白人を、はるかに上回る収入を得ます。
そのなかでは、挽回不可能なほどの差はついてはないじゃないですか。
ついているのはもっと下の層と間の話です。低賃金で高価な機械の代わりに働いている人間はどうでした?社会的流動性とも関連しますが、彼らが金持ちになれると思いますか?
それからKenさん、あなたアメリカの光の部分だけ見てきたのではないでしょうか?
> >その時代は破壊と殺戮が横行しましたが、それがいいことですか?
>
> 戦国時代と、それ以外の封建時代の大きな違いは、「殺されるのは誰か?」という点にあります。鎌倉時代や初期の室町時代を考えてみてください。権力者と民衆の関係では、民衆は生きるも死ぬも、権力者のなすがままでした。
それは間違いです。そのような無法が全時代にわたってまかり通っていたわけではありません。さらにいえば室町時代の初期は南北朝の戦乱の時代で、戦国時代とたいして変わりませんでしたが。
>これが、応仁の乱以降に大きな変化が現れます。つまり、民衆が封建領主への抵抗を始めたのです。土一揆、国人一揆、一向一揆、法華一揆を経て、下克上の世となってゆきます。
応仁の乱以前です。もっと言えば社会の矛盾がどうしようもならなくなって、やるしかないからはじめたんです。安定した生活と希望があるならば、人間過激な行動に走ろうなどと考えないものです。ところで今過激な行動に走る人間の数は増えてると思いませんか?
>民衆にとっては、戦国時代は、前の時代より「破壊と殺戮」の危険が増したわけではありません。
いえ、増えました。野盗や山賊、落ち武者崩れ等が大勢いるというか、
そこらの村人が何か事あればすぐに盗賊に変わる、そんな危険な状況でしたよ。どこでも自前で武装せねばならない、だからこそ秀吉は刀狩りをやらねばならなかったんです。
その危険が増したのは、伝統的な権力者とその家臣の武士たちにとってです。もちろん、一揆に参加した農民の中には、戦で死んだ者もいたでしょう。でも、自分の運命のために自分で戦えるのは、他人に生殺与奪を握られているよりも、はるかにましではないですか。
戦国時代のはじめは農民の年貢は軽かった。すこしでもあげれば反乱がおきかねなかった。でも後期になると初期に比べてはるかに重くなったが、反抗しなかった。領内を安全にしてくれたから。こういうものですよ。
> >一度あるものをすべて叩き壊してまた作り直すというなら莫大な無駄が生じるんですが、それでもかまいませんか?
> >Kenさんは過激な革命思想を信奉しているんですか?
>
> 戦国時代に叩き壊されたのは、伝統的な支配構造です。人間の生活レベルを支える農業技術、鉱工業技術、マネジメント技術は、むしろ長足の進歩を遂げており、決して壊れてはいません。一日二食だった日本人が三食を取るようになったのもこの時代です。(司馬遼太郎「国盗り物語」より)
そう、その通り壊れてません。だからこそ、支配構造さえまともであったならば戦国時代のようなことはやらなくてもすんだんですよ。前にも言いましたが、貧富の差が拡大し、治安は悪化、金持ちは好き放題やり、貧民はその影で苦しむ、政治はそれを省みずエラー訂正機能は働かない。そんな状況だからなってしまった。ところでこの状況今と似ていると思いませんか?
今の支配構造を叩き壊し、戦乱の世界が現実になるべきでしょうか?
> アメリカ経済の崩壊を表す指標と、それが格差に由来することの証明を、していただけますでしょうか?
解りやすいところで言えばアメリカの貿易赤字の拡大と輸出品目の変化、ドル安、債務の増加からです。
アメリカの実質賃金が最高だったのは1973年です。それいらいずっと低下しつづけています。高賃金=高コスト=高付加価値産業、低賃金=低コスト=低付加価値産業となっております。その通りになりました。アメリカは今、農産物や、資源等の労働集約型の低付加価値の物品を輸出して、高付加価値の資本集約型製品を輸入しております。
安いものを売って高いものを買っているから赤字になるわけです。
アメリカの高付加価値製品の兵器とて部品はほとんど外国から輸入せねばならない状況です。
こうなってしまったのはなぜかといえば、アメリカの企業が、高価な製
品を作れなくなってしまったから。なぜ作れないかというと、アメリカ人の大多数が高価な製品を買えなくなったからです。
高価な製品が売れないから、企業は安物しか作らない。賃金が安いから
高価な機械設備を導入するより人間を使えばいいということになる。
設備投資は減少し、旧式な設備を長期間使うことになる。このようにして経済は劣化してゆきます。なお、どこの国でもそうですが、輸出入にかかわるのは一握りで、大多数の企業は国内市場で生きています。
今、日本が安い中国製品が入ってきたから不景気だというのが大嘘であるのと同じように、アメリカも安い外国製品にやられたからではありませんよ。
> ぜひ、具体的な実例を挙げてください。その上で、それが他国よりも激しいものかどうか、比較をしましょう。なお、その場合の比較対象としては、日本や西欧のように、基本的にアメリカと同じシステムを持つ社会では意味がないので、ぜひSAIさんに「アメリカ型より優れた社会」の具体例を挙げていただき、それとの比較をしようではありませんか。(ただし、堯舜の世のように、実在が立証されない社会は、対象外です。)
エンロンとかワールドコムという名前忘れました?その中でもごく一部を取り上げましょう。
政府の首脳にはエンロンの関係者が多く、議会がエンロン関係の情報公開を求めても、大統領府はそれを拒否している。
エンロンの創設者でCEO(会長)だったケニス・レイがまずやったことは、政治家たちに政治資金をばらまき続けるということだった。エンロンは本社がテキサスだったので、テキサス州知事から大統領になったブッシュ大統領や、その父親(元大統領)らテキサスの政治家に多額の献金を行ってきたが、献金先はそれだけにとどまらなかった。
アメリカ連邦議会の上院議員の7割が、エンロンからの献金をもらったことがある、という状態だった。献金先は、ブッシュ元大統領以来、エネルギー産業との結びつきが強い共和党が4分の3を占めていたが、ライバルの民主党にも献金は広く行き渡っていた。
昨年4月、新政策を立案中のブッシュ政権に、エンロンのレイ会長が出した3ページ建ての要求メモの存在が、エンロン倒産後に明らかになり、その内容が実際に発表された新政策とそっくりだったことが報じられている。
新政策の立案を担当したのはチェイニー副大統領だったが、副大統領とその補佐官(この人もエンロンから送り込まれた人材と報じられている)が少なくとも6回、エンロン幹部に会っていることが分かっている。
エンロンの破綻後、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は、電力相場を不正につり上げた疑いで捜査を始めた。ところがここでも、裁かれる側であるはずのエンロンが、裁く側を事前に指名していたことが判明している。
エネルギー規制委員会のパット・ウッド委員長は、昨年夏に就任したのだが、前任者のカーティス・フバート前委員長は辞任直前、エンロンのレイ会長から「政府が管轄している送電線網をエンロンのような民間電力会社が自由に使えるよう、規制をなくしてほしい。それをやらなければ、これ以上委員長の席にとどまれないようになる」と脅されたという。フバートは要求を断った。
すると、間もなくブッシュ大統領の人事発令で、フバートは解任されてしまった。後任のウッドは、エンロンの地元テキサス州で電力会社などを監督する公益企業委員会の委員長から昇格した。新委員長は「電力自由化の推進」を掲げ、エンロンの意に添った政策を展開し始めたのだった。
まだあげますか?これでもごく最近の、それもごく一部だけですよ。
さらにいえば、このようなものもあります。
2000年11月の大統領選挙での不正、
フロリダで不正に投票を禁じられたのは約6万人、大半はアフリカ系住民(黒人)で、民主党支持者が多かった。
また、黒人が多く住む地域では、投票日に投票所の手前に臨時の警察の検問所が設けられ、投票に行こうとする人々を止めて尋問するなど、事実上の嫌がらせをやった。
フロリダ州知事はブッシュ大統領の弟であるジェブ・ブッシュであり、これらの一連の行為は、知事の部下である共和党出身の行政長官によって行われている。
これでも民主主義なんですかね。
もちろんどういう社会であったかというと、50-60年代のアメリカ、70-80年代の西ドイツ、日本ですよ。むろんその時代になかったとは言いませんがね。
ところで、堯舜の世とかどこから出てきたんです?私そのようなこと
一回も言いませんよ。私は伝説の中の世界のことは言ってません。たった数十年前に現実にあった世界をもとに話をしております。もちろんその時代とてまったく問題がなかったわけではありませんが、その時代こそエラー訂正機能は働いてました。
> クラッシュに向かうまでの何十年か何世代かを、多少の抵抗はあれど
> 大半の人間が手をつかねて傍観し、そして事が「歴史の教訓」通りに
> なる事を看取る。
> 既にそのパターンがもう起きかけている、いや、もう起きていると貴方は云う。
はっきりいえばもう起きてます。何十年ではないと思いますが。
> 今回がパターンから外れるかどうか、私は自分の手が届く範囲を
> 触りながら、長い時間を掛けて付き合うハメになると思っているんですが。
米国の好況はITバブルでいつかしぼむのだから、そのまえに不況を脱出せよ。残された時間は少ないと数年前から言われてました。そして、ついに、タイムアウトとなりました。その結果世界同時株安が進んでいます。今世界中で不景気になりました。
もはや世界恐慌すら起きかねない状況です。外れるかどうかすぐわかるでしょう。この予測は間違っていて欲しいですが。
SAIさん、
>選べますね。もっと賃金の低い場所とか、失業手当てで生きるとか、犯罪者になるとかですね。
つまり、私が挙げたような人たちは、せっかく教育を受け、会社が自分に残ってもらいたがっているのを知っていながら、わざわざ賃金の低い仕事に変わったり、失業者になったり、犯罪者になる道を選んだ、と言われるわけですね?
>ビルゲイツのマイクロソフトも創業は1973年で、今から30年も前のことで
つまり、アメリカのような巨大な国が、わずか30年で、無名の青年が企業家としての夢を実現できる国から、封建社会並みに身分が固定した国に変わったと言われるわけですか?
では、デル・コンピュータ(84創業)のマイケル・デルは?アマゾン・ドット・コム(94創業)のジェフ・ベゾスは?マイクロン・テクノロジーを倒産寸前から、DRAMのプライス・セッターにのし上げ、34歳でCEOになった(94年)「たたき上げ」のアップルトンは?日本なら、ソフトバンク(81創業)の孫正義は?
いったい「どれくらい最近」の事例なら、よいのですか?
>http://www.jca.apc.org/~p-news/houhuku/sierakinkyo.htm
>http://www.imadr.org/japan/interview/anti-arab.html
>http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010927205.html
>http://www.asyura.com/2002/war10/msg/336.html
4つとも拝見しました。
どうやら、SAIさんと私では、「ファシズム」の定義が異なるようです。SAIさんにとっては、民間人同士の対立や迫害があるときに、政府がそれを迅速に押さえ込まないことが、「ファシズム」なのですね。すると、憂国騎士団よろしくKKKが徘徊し、黒人をリンチにかけていた50、60年代以前のアメリカは、ファシズムの国だったわけですか。
それにしても、疑問があります。
1.アメリカの状況を判断するのに、どうして日本のサイトばかり持ち出すのですか?
2.私が持ち出したNPRやNYタイムズへの評価はされないのですか?(評価に値しないと?)
3.アラブ人への迫害は、NPRやCNNやNYタイムズといった、米メディアが繰り返し報道し、世界に知れ渡ったのですが、ファシズムの国とは、こういう報道をした会社や人間が逮捕されない国をいうのですか?
>ではKenさんは今のほうが良いんですか?黒人の4分の1が失業し
ずばり、尋ねます。「現在よりも50年代の方があなたたちは幸せだった。キング牧師なんかがよけいな運動をしたおかげで、ひどいことになりましたね」と、黒人に向かって言えますか?黒人の中に入ってそれが言えますか?それによって相手の友情を得る自信がありますか?
ちなみに、私は「50年前はほんとうにひどかったですね。選挙権はないし、学校へは行けないし、KKKはのさばっているし、それを思うとキング牧師は偉かった」と言えます。と、いうか現実に言っています。
>それついてはそうなんですか。解りました
そんなに簡単に片付けないでください。SAIさんが、これまでに述べてこられたことと、大変に矛盾する現象だと思います。
>タイガーウッズは例外です。そもそも彼自身言っていますよ。黒人のプレイを認めないコースが存在すると
黒人のゴルファーと、黒人のプレイを認めないコースと、どちらが「より」例外なんでしょうか?前者が例外で、後者が一般的だと証明する数字はお持ちですか?
>ついているのはもっと下の層と間の話です。低賃金で高価な機械の代わりに働いている人間はどうでした?社会的流動性とも関連しますが、彼らが金持ちになれると思いますか?
SAIさんは、「社会的流動性」という言葉をどのように定義されているのでしょうか?もともと低賃金労働をしていた人が金持ちになれるという意味ですか?それとも、親の地位や財産に関係なく、努力と運で、豊かになれるという意味ですか?前者の意味ならば、50年代のアメリカも、今のアメリカも、世界のどの国でも、難しいと思います。(それでもアメリカには、例えば40代の大学院生がおり、人生の半ばで、新たな知識を身に付け、より豊かになることを目指しています。)
後者の意味ならば、私が「石を投げれば中国人かインド人に当たる」といったのを思い出してください。実際に、スタンフォードの理工系学部の図書館に、深夜に行くと驚きますよ。「一体ここは、アメリカの大学か、それとも中国の大学か」と戸惑うほど、アジア人が多いのです。彼らは、一人当たりGDPが、アメリカの数十分の一の国から来ています。アメリカのどんなに貧しい黒人でも、彼らの親よりは豊かです。その彼らが、親や親戚が懸命に作った費用で勉強し、やがてアメリカ社会で高給を取るようになるのです。これを「社会的流動性」というのではないでしょうか?
>それは間違いです。そのような無法が全時代にわたってまかり通っていたわけではありません。さらにいえば室町時代の初期は南北朝の戦乱の時代で、戦国時代とたいして変わりませんでしたが。
私が言いたいのは、戦乱があったかどうかではなく、「下克上」つまり下の者が上の者に抵抗できたかどうかです。守護大名を追放した山城国一揆(1485)、「百姓のもちたる国」を作った加賀一向一揆(1488)、自治都市堺の成立、のようなケースを言っています。
>だからこそ秀吉は刀狩りをやらねばならなかったんです。
農民が、盗賊に備えて武装するのを、なぜ秀吉が禁じる必要があるのですか?刀狩りは、上に述べたような形で、民衆が権力に抵抗するのを封じるためでしょう。
>アメリカは今、農産物や、資源等の労働集約型の低付加価値の物品を輸出して、高付加価値の資本集約型製品を輸入しております。
>アメリカの企業が、高価な製品を作れなくなってしまった
?????
すると、CPUを支配するインテルも、遺伝子チップで一人勝ちのアフィメトリクスも、環境に優しいプラスチックのモンサントも、スーパーコンピュータのシリコン・グラフィクスも、IBMも、もちろんマイクロソフトも、すべて「例外」になるわけですか?農産物や、資源を売り、高付加価値の製品を買うことで、アメリカは一人当たりGDP3万6千ドルを達成しているのですか?そのお金はどこから湧いて出るのですか?
>エンロンとかワールドコムという名前忘れました?
忘れていません。ただ、私は
>それが他国よりも激しいものかどうか、比較をしましょう。
と言ったのです。私たちの議論の本題は「体制の優劣」だったはずです。優劣とは相対的なもので、比較対照の一方のみ(SAIさんの場合はアメリカ)の欠点を挙げるだけではできません。したがって、SAIさんには、今のアメリカよりも汚職が少ない社会の具体例を挙げていただく必要があります。
>ところで、堯舜の世とかどこから出てきたんです?私そのようなこと一回も言いませんよ。
「政治的には王制、ただし経済的には極端な格差が生じないようにする」という発言に対する、私流の解釈です。
Kenさん、まず聞きたいんですが、犯罪は多発、失業者は大勢おり大規模テロさえ起きるような現状が本当に良いとおもっているんでしょうか?
>
> つまり、私が挙げたような人たちは、せっかく教育を受け、会社が自分に残ってもらいたがっているのを知っていながら、わざわざ賃金の低い仕事に変わったり、失業者になったり、犯罪者になる道を選んだ、と言われるわけですね?
Kenさんがいわれるような方はごく少数の例外ですが。大多数は違います。さらにいえば、なぜいなくなるのか、考えたことあります?満足できる待遇ならいなくなろうとは大多数は考えませんよ。
いなくなるとすればなにか問題があるんですよ。かつてのアメリカはそうではなかったし、今もそうでない企業はあるといいました。
> >ビルゲイツのマイクロソフトも創業は1973年で、今から30年も前のことで
>
> つまり、アメリカのような巨大な国が、わずか30年で、無名の青年が企業家としての夢を実現できる国から、封建社会並みに身分が固定した国に変わったと言われるわけですか?
>
> では、デル・コンピュータ(84創業)のマイケル・デルは?アマゾン・ドット・コム(94創業)のジェフ・ベゾスは?マイクロン・テクノロジーを倒産寸前から、DRAMのプライス・セッターにのし上げ、34歳でCEOになった(94年)「たたき上げ」のアップルトンは?日本なら、ソフトバンク(81創業)の孫正義
アメリカのはItバブルに踊った企業でストックオプションという不正経理を使ったところじゃないですか。
インチキな企業利益をでっち上げて、株価を上げてから、うぶな買い手を相手にして売り抜けることで、何百万ドルもの儲けを出す」。それが「オプションから利益を引き出すための手法である」。そして、彼らは儲かるとしても、「それによって痛手をこうむるのは、従業員と債権者である」
こういう過程で貧富の差が拡大するんですが。エンロンやワールドこむだけではありませんよ、これから破綻する企業は。
さらにいえば、極少数の人間がそうなる一方で大多数はますます貧乏になってゆきます。
> いったい「どれくらい最近」の事例なら、よいのですか?
>
> >http://www.jca.apc.org/~p-news/houhuku/sierakinkyo.htm
> >http://www.imadr.org/japan/interview/anti-arab.html
> >http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010927205.html
> >http://www.asyura.com/2002/war10/msg/336.html
>
> 4つとも拝見しました。
> どうやら、SAIさんと私では、「ファシズム」の定義が異なるようです。SAIさんにとっては、民間人同士の対立や迫害があるときに、政府がそれを迅速に押さえ込まないことが、「ファシズム」なのですね。
アメリカの自由には他者を迫害する自由もふくまれるのですか?
あるならそのうち人を殺す自由と言うのも認められるかも知れませんね。さすが自由の国だ。
> それにしても、疑問があります。
> 1.アメリカの状況を判断するのに、どうして日本のサイトばかり持ち出すのですか?
> 2.私が持ち出したNPRやNYタイムズへの評価はされないのですか?(評価に値しないと?)
> 3.アラブ人への迫害は、NPRやCNNやNYタイムズといった、米メディアが繰り返し報道し、世界に知れ渡ったのですが、ファシズムの国とは、こういう報道をした会社や人間が逮捕されない国をいうのですか?
1.私が日本語のサイトのほうが理解しやすいからです。私とてここだけに時間を使えるわけではない。どうしても日本語に、日本の
サイトに偏ります。
2.まだ理解していないから。理解する前になにかいうわけにはいきませんので。評価に値しないとは思っていません。
3.9/11の後の英雄つくりにせいをだすテレビ映像をみるとなんだか中国共産党のプロパガンダ見ているような気分になりました。
また政府の片棒をかついで報復報復と叫んでました。あれはメディアの使命を放棄した間違いであった、と当のメディアがいったとは寡聞にして聞きません。
> ずばり、尋ねます。「現在よりも50年代の方があなたたちは幸せだった。キング牧師なんかがよけいな運動をしたおかげで、ひどいことになりましたね」と、黒人に向かって言えますか?黒人の中に入ってそれが言えますか?それによって相手の友情を得る自信がありますか?
> ちなみに、私は「50年前はほんとうにひどかったですね。選挙権はないし、学校へは行けないし、KKKはのさばっているし、それを思うとキング牧師は偉かった」と言えます。と、いうか現実に言っています。
私も聞きたい。黒人のギャングのメンバーに向かって、今は50年前に比べて本当に良くなりましたね。選挙権はあるし、学校にはいけるし、KKKはいないしと。同意するかどうか試してみてください。
さらにいえば、事態がよくなったのならどうしてロサンゼルス暴動だなんて起きたんです?
キング牧師は私も偉大だと思います。でもあの有名なI have a Dreamのあの理想は人類史において一度たりとて実現した試しが無い蜃気楼です。現に今のアメリカだって実現されてない。たぶんアメリカだけじゃなく世界のどこでも実現できないでしょう。
> そんなに簡単に片付けないでください。SAIさんが、これまでに述べてこられたことと、大変に矛盾する現象だと思います。
私は成功する極少数のなかにマイノリティがいないようなイメージを持ってました。それについては間違いだと認めます。ただし、極少数だけが成功し豊かになる一方、ほとんど大多数は貧しくなってゆくという主張はかえるきはありません。
さらにいえばこういう事実もあります。。白人は12%、ヒスパニック系は29%以上、アフリカ系アメリカ人は33%以上が貧困にあるという事実がね。
> >タイガーウッズは例外です。そもそも彼自身言っていますよ。黒人のプレイを認めないコースが存在すると
>
> 黒人のゴルファーと、黒人のプレイを認めないコースと、どちらが「より」例外なんでしょうか?前者が例外で、後者が一般的だと証明する数字はお持ちですか?
タイガーウッズでようやく黒人7人目のプロゴルファーであるという数字で足りませんか?
> SAIさんは、「社会的流動性」という言葉をどのように定義されているのでしょうか?もともと低賃金労働をしていた人が金持ちになれるという意味ですか?それとも、親の地位や財産に関係なく、努力と運で、豊かになれるという意味ですか?前者の意味ならば、50年代のアメリカも、今のアメリカも、世界のどの国でも、難しいと思います。(それでもアメリカには、例えば40代の大学院生がおり、人生の半ばで、新たな知識を身に付け、より豊かになることを目指しています。)
>
> 後者の意味ならば、私が「石を投げれば中国人かインド人に当たる」といったのを思い出してください。実際に、スタンフォードの理工系学部の図書館に、深夜に行くと驚きますよ。「一体ここは、アメリカの大学か、それとも中国の大学か」と戸惑うほど、アジア人が多いのです。彼らは、一人当たりGDPが、アメリカの数十分の一の国から来ています。アメリカのどんなに貧しい黒人でも、彼らの親よりは豊かです。その彼らが、親や親戚が懸命に作った費用で勉強し、やがてアメリカ社会で高給を取るようになるのです。これを「社会的流動性」というのではないでしょうか?
極少数のお話しです、それは。大多数は貧しくなってます。さらにいえばホワイトカラーの子はホワイトカラーになり、ブルーカラーの子はブルーカラーになる率はどんどん上がっています。収入ももともと金持ちは金持ちに貧乏人は貧乏になってます。例外もいますが、少数の例外をもって大多数もそうだというのは間違いです。
> 私が言いたいのは、戦乱があったかどうかではなく、「下克上」つまり下の者が上の者に抵抗できたかどうかです。守護大名を追放した山城国一揆(1485)、「百姓のもちたる国」を作った加賀一向一揆(1488)、自治都市堺の成立、のようなケースを言っています。
鎌倉時代の成立ちも下克上ですよ。もともと京都の公家に不当に差別されていた地方の武装農民たちが、自分たちのためになる政府をつくったのが鎌倉幕府のはじまりです。
室町時代の初期とてそうですよ。楠木正成のような先祖がなにをやってたのかわからないような人間がでてきて活躍した時代です。
> 農民が、盗賊に備えて武装するのを、なぜ秀吉が禁じる必要があるのですか?刀狩りは、上に述べたような形で、民衆が権力に抵抗するのを封じるためでしょう。
無論そういう理由もあります。だが取り上げた結果盗賊がいなくなったいうのも事実です。無用に武器があるのは治安上悪いんですよ、いつの時代でも。
> >アメリカは今、農産物や、資源等の労働集約型の低付加価値の物品を輸出して、高付加価値の資本集約型製品を輸入しております。
> >アメリカの企業が、高価な製品を作れなくなってしまった
>
> ?????
> すると、CPUを支配するインテルも、遺伝子チップで一人勝ちのアフィメトリクスも、環境に優しいプラスチックのモンサントも、スーパーコンピュータのシリコン・グラフィクスも、IBMも、もちろんマイクロソフトも、すべて「例外」になるわけですか?農産物や、資源を売り、高付加価値の製品を買うことで、アメリカは一人当たりGDP3万6千ドルを達成しているのですか?そのお金はどこから湧いて出るのですか?
インテルの例をいえば、工作機械も外国製、シリコンウエハーも外国製が中心、樹脂だって外国製が中心、金型も外国製と、CPUを生産するために必要な高度な中間材の大部分が外国製です。インテルが稼ぐ以上に外国から買わねばならないから貿易は赤字になります。一時が万事この調子です。
なお、その金がどこから出ているかといえば外国からの借金です。
こんなことはマクロ経済学の初歩の常識です。
いまアメリカは借金で豊かですが、いずれ破綻する。いつか必ず
世界中から借金とりが押し寄せます。
> >それが他国よりも激しいものかどうか、比較をしましょう。
もういってありますが。なお、いま現在の体制で比べるんだといわれるのなら、さしてかわらずどれも悪い、と答えます。
SAIさん、
私も鈍いですね・・・・。
なぜ、こうもSAIさんとは話が噛み合わないんだろう、と何度も首をひねっていたのですが、#3063の冒頭のご発言を読んだ時、ようやく気が付きました。(気が付いたつもりです。)
>Kenさん、まず聞きたいんですが、犯罪は多発、失業者は大勢おり大規模テロさえ起きるような現状が本当に良いとおもっているんでしょうか?
つまるところ、SAIさんと私では、「人間の幸福にとって何が一番大切か」という根本的な見解に、違いがあるのですね。SAIさんが考える「幸福」の第一条件とは、「安心」であり「安定」なのでしょう。犯罪や失業やテロが姿を消せば「安心」だし、今日の生活が明日も続き、今まで続いてきた人生がこれからも続いてゆけば、それは「安定」です。
私だって、犯罪や失業やテロは、あるよりはない方がいいと思います。ちなみに「失業」に関していいますと、私自身が経験者でもあります。(非自発的失業です。)その時は、ほぼ5ヶ月にわたって失職状態にあり、貯金が減ってゆくのを見ながら、不安の日々を過ごしていました。(私に関しては、異なるイメージを持っておられたかもしれません。)
しかし。
私は犯罪や失業を無くすことが、言い換えれば安心と安定が、すべてに優先するとは考えません。人間には、もっと大切なものがあると考えます。その大切なものとは、アーレ・ハイネセンの言葉を借りるなら、「自由、自主、自立、自尊」です。これをひと言でまとめる意味で「自由」という言葉を使います。そして、もしも安心や安定と、自由の両立が不可能なら、自由を犠牲にするよりは、安心と安定を犠牲にすることを支持します。むろんこれは、二者択一ではなく、どちらにどれだけ重心を置くか、というバランスの問題ですが。
ご存知のように、犯罪や失業を減らす上で、劇的に有効な方法が、銀英伝の序章に登場します。ルドルフの「偉大な業績」です。簡単にいえば、犯罪者や貧困者を、ことごとく投獄するか、命を奪ってしまえば、犯罪も貧困もなくなります。
言うまでもなく、これは極論です。SAIさんが、こんな主張をされているわけではありません。しかし、
>あの時代、黒人は白人よりも一段劣る人種だ、と思われていても、犯罪者だとか、黒人の住んでいる町=スラムというイメージはなかったんです。
>社会的に一段下の存在だと決められていたから白人は安心して黒人を寛大にあつかってました。
という、#3042のご発言に端的に表れているように、そしてそのような時代のアメリカを、よき時代として繰り返し挙げられているように、人間にとっては、完全な政治的自由と平等を得て、その結果失業者や犯罪者になるリスクを負うよりも、社会的に低い位置であっても、その立場でそれなりに安定した生活を送れるほうが幸福なのだ、という主張をされているのだと思います。
また、それゆえにこそ、
>重要なのは政府の形態ではなく、権力を持つ者がその力を自分や取り巻きのために使うのではなく、公益の実現のために使うことだと思います。
という、#2996のご意見につながるのでしょう。この発想は、なによりも統治者と被統治者を、対等の人格とは見ておりません。圧倒的に多数の人間は利己的で、各自が自由に振る舞えば、弱者は一方的に収奪され、社会を律する節度は失われ、文明は崩壊するしかない。しかし一方には、利己的ではなく、節度を持ち、公益の実現のために働く人間がいる。そして、後者は前者よりも優れた人間であるから、前者は後者を指導者として受け入れ、間違っても、指導者を自分たちで選ぼう、などと考えてはいけない、と。ちなみに、孔子は前者を「小人」、後者を「君子」と呼びました。私が、SAIさんの理想は堯舜の世ですか、としつこく言ったのも、このことを漠然と感じていたからでしょう。堯と舜こそ、君子の理想像なのですから。
一方、私が支持するアメリカ型デモクラシーは、(もはや大半のアメリカ人も忘れているでしょうが、)その思想の起源をたどれば、人間には小人も君子もいないのだ、というキリスト教の思想に行き着くと思います。もっともキリスト教は、「小人」と「君子」の代わりに「罪びと」と「神の子」と言いますが、要は言葉の違いではなく、すべての人間は罪びとでありかつ神の子でもあり、神の前には皆同等なのだという発想です。そうである以上、政治に対しては全員が等しい発言権を持つべきであり、意見の一致を見なければ、多数決に訴えるということになります。これは重要な点です。なぜなら、性格的破綻者のAという人物と、人格者のBという人物がいる場合でも、AとBに同等の発言権を持たせ、多数決ではどちらも一票として数え、もしAの意見が勝ったら、Bは従わねばならないからです。そしてさらに重要なことは、Aが間違ったことをして不幸になるのが(例えば、失業者や犯罪者になるのが)分かっていても、BがAの意思に反し、Aの行動を拘束して、正しい方向へ導くことを許しません。それどころか、神ですら、自ら救いを求めにこない人間を救うことを、自らに禁じているのです。
SAIさんと私の基本的なスタンスがこのように異なる以上、二人の議論で結論が出ることは、ないと思います。私は、決して犯罪や失業の多い社会を望むものではありません。同様に、SAIさんも、別に政治的な不自由、不平等が好きなわけではないでしょう。しかし、両概念が対立し、並立できないとき、どちらを優先し、どちらを犠牲にするかは、つまるところ赤い色が好きか、青い色が好きかというのと大差のない、主観的な問題になるからです。
以上に述べた私の考察が正鵠を射ているなら、私たちの今回の議論も打ち切りの時期に来たように思います。
なお、一つだけSAIさんにお願いしたいことがあります。今回、私はSAIさんの#2964における、
>アメリカは民主主義のくにではありませんよ
との発言を見、またAffirmative Actionのような、移民や黒人の地位向上に向けた取り組みを、無駄または逆効果といわれるのを見て、今回の論争を仕掛けました。もしも、このときの発言が、日本が民主主義ではないとか、日本の同和政策が無駄であるという発言なら、ここまでの論争にはならなかったと思います。なぜなら、この掲示板を読む人の中に、おそらくアメリカ人はいないだろうからです。つまり、SAIさんはアメリカ人が見ておらず、したがって反論もできない場所で、アメリカ人が自国のアイデンティティとして最も大切にしている部分を、虚構と決め付けたのです。
もちろん、SAIさんの意見を展開する上で、どうしてもアメリカを持ち出し、批判をせねばならないこともあるでしょう。その時はぜひやられたらよいと思います。しかし、#2964の発言を見る限りでは、資本主義が利己主義であるとか、規制によって経済が発展したとか、移民は市民がいやがる仕事しかできないとか、バブルと大恐慌とか、別にアメリカの代わりに日本を題材にしても議論が展開できるのではないでしょうか?日本を題材にするなら、SAIさんの論旨に対して、賛否いずれの意見も充分に寄せられるでしょうし、私が自分の個人的体験を言い、SAIさんがそれは例外だと言い返す不毛の議論も必要がなくなります。
最後に、アメリカの「成功企業」は不正経理を使っただけ、インテルは部品の大半を輸入しているから、その成功は偽物との発言に反論しますが、これにSAIさんが再反論をされる必要はないかと思います。なぜなら、私の論点はアメリカを擁護することですが、SAIさんのそれは資本主義を批判することですから、日本企業を題材にしていくらでも論議を展開できるはずです。
デル・コンピュータの急成長の秘密は、お客さんから細かい仕様を指定した注文を受け、そのパソコンを3日で作って出荷できる体制を作ったことにあります。BTO(Built to Order)といい、これを実現するために、デルは部品を共通化した設計、製造プロセスの戦略的配置とマネジメント、部品調達ネットワークの構築等、非常に堅実な取り組みを重ねて、他社が真似のできないシステムを作ったのです。これは「デル・モデル」という業界用語として定着しています。私は、帳簿を誤魔化すような不正経理が、技術的にどれだけ簡単にできるのか知りません。しかし、帳簿を誤魔化したからといって、パソコンを3日で作れるわけではないでしょう。
アマゾン・ドット・コムも同様です。あれだけ多様な本をそろえ(私は50年前に廃版になった本を買ったことすらあります)、注文を受けた当日に発送するのが、どれだけすごいことか多くの人は意識していません。凡庸な経営者がこういう体制を作ると、ちょっとでも売れそうな本をそろえまくり、結果的に在庫の山を抱え、金利と管理費でたちまち会社をつぶします。またそんな会社の実情は、速やかに投資家の知るところとなり、会社の株の「うぶな買い手」など一人も現れません。アマゾンの強さの秘密は、情報技術をフル活用して、売れ筋の分析、調達ネットワークの構築、在庫管理の合理化を徹底させたことにあるのです。
日本企業が軒並みDRAM市場で敗北する中、韓国企業を相手に一歩も引かず、業界のプライス・セッターの地位を維持するマイクロン・テクノロジーは、別段、次世代の集積技術を発表して世間の耳目と投資を集める派手な戦略をとってきたわけではありません。ただ64メガ商品が主流のときは64メガを、256メガが主流のときは256メガ商品を、地道に作って販売してきただけです。人件費の高いアメリカで、それが成功するのは、日本企業などが真似のできない品質管理で、製品の歩留まりを引き上げたからです。企業秘密に関わることなので、正確な内情はなかなか分かりませんが、1枚のウェファから取れるチップの量は、マイクロンが他社より30%も高い、という記事を読んだことがあります。
インテルが材料や製造設備を他社から買っているからといって、それがインテルの弱さなどでは決してありません。インテルは、そこに自社のノウハウをふんだんに盛り込んだ製品を提供して利益をあげているのです。そもそも、原材料から最終製品まで一貫して自社で作るというのは、業界ではとうの昔に時代遅れになった方式です。各企業はそれぞれ自分たちが強みを持つ一点に経営資源を集中し、それ以外はアウトソーシングすることで、効率的な運営をします。早い話が、ウェファの製造技術と設備を、インテルもAMDも、東芝もサムスンも、すべての半導体メーカが、自社で開発し保有していたら、社会全体で見ても、二重三重の投資になるし、材料もエネルギも無駄になるではありませんか。「餅は餅屋」です。ウェファはウェファのメーカから買えばよいのです。それに、材料を買うからアメリカの貿易が赤字になるのなら、アメリカより先に、インテルが赤字になるはずです。
> SAIさんと私の基本的なスタンスがこのように異なる以上、二人の議論で結論が出ることは、ないと思います。私は、決して犯罪や失業の多い社会を望むものではありません。同様に、SAIさんも、別に政治的な不自由、不平等が好きなわけではないでしょう。しかし、両概念が対立し、並立できないとき、どちらを優先し、どちらを犠牲にするかは、つまるところ赤い色が好きか、青い色が好きかというのと大差のない、主観的な問題になるからです。
そうですね。たぶんそこにいきつくでしょう。
> 以上に述べた私の考察が正鵠を射ているなら、私たちの今回の議論も打ち切りの時期に来たように思います。
> との発言を見、またAffirmative Actionのような、移民や黒人の地位向上に向けた取り組みを、無駄または逆効果といわれるのを見て、今回の論争を仕掛けました。もしも、このときの発言が、日本が民主主義ではないとか、日本の同和政策が無駄であるという発言なら、ここまでの論争にはならなかったと思います。なぜなら、この掲示板を読む人の中に、おそらくアメリカ人はいないだろうからです。つまり、SAIさんはアメリカ人が見ておらず、したがって反論もできない場所で、アメリカ人が自国のアイデンティティとして最も大切にしている部分を、虚構と決め付けたのです。
当のアメリカ人もうすうす気がついているのいるではないでしょうか?
自分の国が民主主義ではないということに。
今回の大統領は選挙で決まったわけではなく、実質共和党と民主党の談合で決まったのですから。
私はアメリカ人の知り合いはいないからできませんが、Kenさんできたら聞いてくれませんか?
> もちろん、SAIさんの意見を展開する上で、どうしてもアメリカを持ち出し、批判をせねばならないこともあるでしょう。その時はぜひやられたらよいと思います。しかし、#2964の発言を見る限りでは、資本主義が利己主義であるとか、規制によって経済が発展したとか、移民は市民がいやがる仕事しかできないとか、バブルと大恐慌とか、別にアメリカの代わりに日本を題材にしても議論が展開できるのではないでしょうか?日本を題材にするなら、SAIさんの論旨に対して、賛否いずれの意見も充分に寄せられるでしょうし、私が自分の個人的体験を言い、SAIさんがそれは例外だと言い返す不毛の議論も必要がなくなります。
あの国が一番わかりやすいんです。何事も純粋で、民主主義の善も悪も
資本主義の善も悪もはっきり現れるので。まあ日本でもできますけどね。
あと移民問題は日本にはまだほとんどないので、どうしてもこれだけは日本ではできません。
反論ではなく疑問に答えておきます。
>パソコンを3日で作れるわけではないでしょう。
そうです。つくれません。ただ全世界で今パソコンの売上が減少し、パソコンメーカーは軒並み不振です。そのなかで、DELLはどうして売上が伸びるのかという疑問が付きまとうわけです。その数字は正しいのかもしれない。しかし、正しくないのかもしれない。エンロンやワールドコムで判明したようにアメリカの会計基準は業績を調整できることがわかりましたので。DELLはやってないのかもしれない。が、しかし・・・
そういう疑問が付きまといます。
アマゾンに関しては業績不振が伝えられています。
>会社の株の「うぶな買い手」など一人も現れません
現れるんです。アメリカに限らずどこの国でもバブルの時は狂気です。なにせ創業以来一度も利益を出さない会社の株があがりつづけるという事態が起こっていました。アマゾンならいくらでも現れました。
さらにいえば、アマゾンだけではなく、It関連のハイテク企業達は株価は上昇し続けるという前提で資金を集めていました。株価が下がったら破滅する、でも誰も下がったときのことなど考えなかった。
今も利益をあげているように外部からは見えますが、それは本当なのか誰にもわかりません。
>それに、材料を買うからアメリカの貿易が赤字になるのなら、アメリカより先に、インテルが赤字になるはずです。
インテル創業の時代、アメリカが名実ともに世界一の経済大国であった時代、半導体生産に必要なすべてのものはアメリカにしかありませんでした。その時代でもインテルがすべて作っていたわけではないんです。アメリカのほかの企業が作ってました。それが今となってはアメリカにはほとんどなくなってしまいました。
インテルが輸出で稼ぐといえばよかったですね。インテルもすべて輸出にまわすわけではないのです。インテルは材料を買った以上にCPUを売っています。でもアメリカはCPUを売る以上に材料を買います。
ここには初めて書き込みします。
「宇宙時代になんで貴族がいるのか?」について前々から思ってたのですが、銀河帝国は我々の知っているいかなる国家形態とも異なる国家形態を持っているのではないでしょうか?
具体的には
「帝国貴族とは化け物のように巨大で、惑星ならびにそこに住む人々の生活・経済・政治のすべてを支配する超巨大財閥(日本経団連よりも巨大な企業複合体)のオーナーであり、銀河帝国とはこれら超巨大財閥の連合体である」
と考えることはできないでしょうか?(これはもう誰か提唱しているのかな?)
そして、銀河連邦から銀河帝国への移行は、巨大企業体が台頭して銀河連邦を乗っ取り、封建領主化していった過程ではないでしょうか?(つまり、巨大企業体が自らが開発した惑星に存在する市場を独占していったということ)
みなさんはもし、日本経団連よりも巨大な1個の企業複合体が政治と経済と人々の生活のすべてを支配する世界があるとしたら、その世界の経済と人間の生活はどのようになると思いますか?(私は今存在する資本主義国とも社会主義国とも違ったのものになるんじゃないかと考えています。)
中原さん、初めまして。
銀河連邦から銀河帝国への移行については、「反銀英伝・設定検証編2-C 銀英伝世界における各国の国力分析(3)」で検証されています。私はそこの涼さんの検証がもっとも説得力があるように思われます。
中原さんが考えられた世界観で描かれているのアニメとして、私は昨年10月から今年3月までフジテレビで放送されていた「Kiddy Grade」が頭に浮かびました。このアニメでは、人口10万人に満たない純粋な地球人が全銀河の政治・経済・軍事を支配しています。純粋な地球人は「ノーブルズ」と呼ばれ、ノーブルズのみによって構成されているノーブルズ評議会が銀河の政治を取り仕切っています。ノーブルズは大企業体のオーナーでもあり、300年の長きにわたって銀河を支配しているので、資本家でありながら半ば貴族化しています。
ノーブルズ以外の人間は「庶民」と呼ばれ、官僚や軍人にはなれるようですが、政治家にはなれないようです。惑星アウレーのように、開拓時代にノーブルズが開拓民に対して、水や食料を提供し、代わりに子々孫々に至るまでノーブルズに対して労働力を提供するという「契約」が結ばれたところでは、庶民は基本的人権が一切、認められず、奴隷同然の扱いを受けています。
貴族的なノーブルズの描写やノーブルズが地球を崇拝しているような描写があるところは、銀英伝の影響があるように思いました。ノーブルズ支配を崩そうとする男の声が若本規夫(ロイエンタール)さんで、その盟友が森功至(ミッターマイヤー)さんというのも銀英伝を意識しているとしか思えなかったです。(笑)
> みなさんはもし、日本経団連よりも巨大な1個の企業複合体が政治と経済と人々の生活のすべてを支配する世界があるとしたら、その世界の経済と人間の生活はどのようになると思いますか?(私は今存在する資本主義国とも社会主義国とも違ったのものになるんじゃないかと考えています。)
はじめまして。中原さんのおっっしゃる世界は実は共産主義国家
というと思います(笑)。マルクスの思想を乱暴に要約すれば、国家が
資本家になって経済と人々の生活のすべてを支配すればいいです
から。
「帝国貴族とは化け物のように巨大で、惑星ならびにそこに住む人々の生活・経済・政治のすべてを支配する超巨大財閥(日本経団連よりも巨大な企業複合体)のオーナーであり、銀河帝国とはこれら超巨大財閥の連合体である」
と考えてもいいと思います。ようはなんと呼ぶかだけの違いです。
呼び方は変われど、太古から現在まで貴族もいれば、司祭もいいるし、
王もいる。なにせ、かの民主主義の総本山であると自負してる
アメリカにもブッシュ家だ、ケネディ家だと王家があるんですから。
社会科学では常識ですが、日の下に新しきものはないんです。
どんな新しい思想も、実はかつてあったものの焼き直しです。
> はじめまして。中原さんのおっっしゃる世界は実は共産主義国家
> というと思います(笑)。マルクスの思想を乱暴に要約すれば、国家が
> 資本家になって経済と人々の生活のすべてを支配すればいいです
> から。
レスありがとうございます。「共産主義国は国家全体が一個の企業のようだった」というのは私も前から思っていました。ただ、この銀英伝世界の共産主義国家がわれわれの世界の共産主義国家と違うのは「私有財産が否定されず、厳格な計画経済も行われていない」ということでしょう。
彼らは京セラやソニーのような持ち株会社方式をやっているのだろうか?
もし「銀英伝の大貴族は企業複合体のオーナー」とすると、中小貴族はさしずめ「複合体に属する大企業のオーナー」になるでしょう。帝国の人間は能力次第で中小ビジネス貴族にはなれるが、中小ビジネス貴族と大ビジネス貴族の間には超えがたい一線があるため、リップシュタット戦役の際は中小ビジネス貴族の多くがローエングラム公を支持した(もしくは中小ビジネス貴族の支持と支援があったからこそローエングラム公は反乱に踏み切れた)という裏設定も考えられるのではないでしょうか?
> ノーブルズ以外の人間は「庶民」と呼ばれ、官僚や軍人にはなれるようですが、政治家にはなれないようです。惑星アウレーのように、開拓時代にノーブルズが開拓民に対して、水や食料を提供し、代わりに子々孫々に至るまでノーブルズに対して労働力を提供するという「契約」が結ばれたところでは、庶民は基本的人権が一切、認められず、奴隷同然の扱いを受けています。
> 貴族的なノーブルズの描写やノーブルズが地球を崇拝しているような描写があるところは、銀英伝の影響があるように思いました。ノーブルズ支配を崩そうとする男の声が若本規夫(ロイエンタール)さんで、その盟友が森功至(ミッターマイヤー)さんというのも銀英伝を意識しているとしか思えなかったです。(笑)
銀英伝の世界では貴族への非課税が「ルドルフ以来の国是」であるのに加え、貴族の封土がほとんど独立国家のようになっているところをみると、銀河帝国の中央政府の力は銀河連邦の時代に比べて(ルドルフ大帝の頃でさえも)大きく弱体化しているといえると思います。
ルドルフは貴族に特権を与えたのではなく、既に貴族同然の力(財力でも軍事力でも)を持っていた巨大資本達に「支持と引き換えに特権を認めざるを得なかった」のではないでしょうか?
最後に。Kiddy Gradeのノーブルズ達は10万人の枠内で民主政治をやっているのですか?
> 銀英伝の世界では貴族への非課税が「ルドルフ以来の国是」であるのに加え、貴族の封土がほとんど独立国家のようになっているところをみると、銀河帝国の中央政府の力は銀河連邦の時代に比べて(ルドルフ大帝の頃でさえも)大きく弱体化しているといえると思います。
> ルドルフは貴族に特権を与えたのではなく、既に貴族同然の力(財力でも軍事力でも)を持っていた巨大資本達に「支持と引き換えに特権を認めざるを得なかった」のではないでしょうか?
銀河連邦末期の状況がはっきりしない以上、何とでも想像できるわけで、水掛け論になってしまうと思います。ただ、ルドルフが貴族に叙したのは、ゲルマン系白人ばかりで、有色人種はいません。既存の大企業を貴族にしたのなら、貴族に有色人種が一人もいないというのは不自然ではありませんか?
さらに、既存の勢力にルドルフが担がれた場合、貴族たちは貴族院のような機関をつくって、皇帝の権力を制限しようとするはずです。(ヨーロッパにおける絶対王政の成立過程を見ると)たとえば、20世紀まで議会が設置されなかったロシアでも、ロマノフ王朝の始祖であるミハイル・ロマノフは有力者の集まりである全国会議で選出され、皇帝権が確立するまで(3代皇帝ぐらいまで)、全国会議は何回か招集されました。しかし、ルドルフは帝国暦9年で議会を永久解散しています。わずか9年で、皇帝権が飛躍的に強化されたとは思えません。
ルドルフが貴族の納税を免除したのは、辺境星域を開発する見返りとしてではなかったのではないでしょうか。それがいつの間にか、貴族の既得権益化したと思います。
> 最後に。Kiddy Gradeのノーブルズ達は10万人の枠内で民主政治をやっているのですか?
ノーブルズ評議会のメンバーをノーブルズたちがどのように選んでいるのか、描写はありません。ただ、庶民との共存を模索するノーブルズ企業が評議会から追放される場面は見られます。漠然とした指針のようなものがあり、それに違反した者は除名し、指針の範囲内で合議しながら政策をすすめているようです。
> もし「銀英伝の大貴族は企業複合体のオーナー」とすると、中小貴族はさしずめ「複合体に属する大企業のオーナー」になるでしょう。帝国の人間は能力次第で中小ビジネス貴族にはなれるが、中小ビジネス貴族と大ビジネス貴族の間には超えがたい一線があるため、リップシュタット戦役の際は中小ビジネス貴族の多くがローエングラム公を支持した(もしくは中小ビジネス貴族の支持と支援があったからこそローエングラム公は反乱に踏み切れた)という裏設定も考えられるのではないでしょうか?
ビジネス貴族だと考えれば、大貴族はおそらく株式を握って、
実際にはほとんど働かない人間、中小貴族は実際の会社を運営する
幹部、平民が社員という形になるでしょう。
給料の差は文字通り天と地ほども違う、こんな形だと思います。
リップシュタット戦役の際は中小ビジネス貴族の多くがローエングラム公を
支持したと思います。彼らにしてみれば、働きもしないのに利益の大半を
もってゆく彼らを快く思ってないと思いますから。
で、リップシュタット戦役のあとも中小貴族たちは名称は変われど
そのままの地位にいたでしょう。彼らまで追放すれば、帝国の
末端で行政実務をやる人間がいなくなりますから。
長く続く戦争で帝国は政治を司る貴族階級の人材は枯渇し、経済格差は拡大し同盟ほどではないが閉塞感と疲労感がありました。
同盟は帝国より深刻で、帝国では貴族階級に限られていた人材の枯渇が国全体に及び、長期に渡る戦時体制で経済は破綻寸前と戦争を続けるどころではありません。
ラインハルトのラグナロック、ガイエスブルク建造、社会基盤の再整備を考えると敵対貴族から巻き上げた財産だけでは到底足りないと思います。しかし、ラインハルトの膝元ではそれらのための増税の様子がないどこからその費用を捻出したのかいくつか考えて見ました。
1.ソ連のスターリンは地方から帝政時代以上の苛烈な収奪で大量の餓死者を出しながらも急速な軍事力強化を実現した。同盟が帝国量に大規模侵攻を仕掛けた時に辺境住民から焦土戦術のため住民から巻き上げたとなっているがラインハルト政権時代、辺境は何処も同じ有様だった。
2.同盟との密貿易で辺境はかなり裕福、焦土戦術で巻き上げた分で足りた
3.反ラインハルト派の貴族は自領の経営はしっかりやっていて、新政権の要求に応えるだけの税収があった(銀英を見る限り何も考えずに巻き上げていただけで富国強兵って美味しい?って感じだったので考え難い)
4.改革を行ったのは貴族の個人資産で賄える範囲だけだった
5.足りない分はフェザーン債権で賄った(フェザーン侵攻作戦は債権を刷れなくなった新政権の苦肉の策)
> 長く続く戦争で帝国は政治を司る貴族階級の人材は枯渇し、経済格差は拡大し同盟ほどではないが閉塞感と疲労感がありました。
> 同盟は帝国より深刻で、帝国では貴族階級に限られていた人材の枯渇が国全体に及び、長期に渡る戦時体制で経済は破綻寸前と戦争を続けるどころではありません。
> ラインハルトのラグナロック、ガイエスブルク建造、社会基盤の再整備を考えると敵対貴族から巻き上げた財産だけでは到底足りないと思います。しかし、ラインハルトの膝元ではそれらのための増税の様子がないどこからその費用を捻出したのかいくつか考えて見ました。
ゴールデンバウム王朝末期の門閥貴族は蓄財に関してまで無能だった訳ではありません、国軍の大半を保有するラインハルトに対抗できる戦力がリップシュタット同盟にあった事でもそれは証明されています。
大貴族の財産を国庫に納めただけで帝国は建て直せないと断ずるのは少々早計ではないでしょうか。
と、いうわけで3.が正解に近いんでしょうが、確かに大貴族自らがしっかり領地経営をしていた訳ではなく、後先考えず収奪してたり、アンスバッハ准将のような有能な部下がいたりしたんでしょうね、おそらくは。
その備蓄の大半は戦争で消えたと思います。戦力の出し惜しみをすればラインハルト打倒後(貴族達の希望図)の帝国で出し惜しみした事をネタに叩かれ経歴に傷がつくだけでなく恩賞にありつけない恐れもあります。
門閥貴族の全力が国軍に匹敵した事実を考えると
大半の貴族=基本的に中央にいて自領の経営は子飼の官吏に丸投げ
貴族の官吏=富国に勤め主には過少申告して差額を懐に入れる。立場は荘園を管理していた武士に近い。アンスバッハ准将のような忠義の士は少数派で大半は自領に顔を見せない主に対する忠誠は無く、経営権を保証してくれるなら上が誰でもいい。
> その備蓄の大半は戦争で消えたと思います。
負けると思ってないので「生意気な金髪の儒子」を懲らしめる為に、その後倹約生活したがる門閥貴族もいなかったでしょう。
ヴェスターラント核攻撃で比較的早期決着したのも忘れてはいけない要素かと。
> 門閥貴族の全力が国軍に匹敵した事実を考えると
> 大半の貴族=基本的に中央にいて自領の経営は子飼の官吏に丸投げ
> 貴族の官吏=富国に勤め主には過少申告して差額を懐に入れる。立場は荘園を管理していた武士に近い。アンスバッハ准将のような忠義の士は少数派で大半は自領に顔を見せない主に対する忠誠は無く、経営権を保証してくれるなら上が誰でもいい。
いや、忠義はともかく金勘定と世相の調整に有能ならそれでいいんですよ、門閥貴族の臣下。
負けると思っていなくても門閥間の力関係か何かでそれなりの出費・・・その程度ならあまり備蓄を崩さずに済みますね。
つまりトリューニヒトのような人物なら臣下として優秀と。
横レス失礼します。
このような記述もあります。
1巻でキルヒアイスが活躍したカストロプ動乱に関してですが、
「まして生前、カストロプ工が私物化した公金や受け取った賄賂は莫大な額に上るはずで、これを国庫に納めたとき、軍事費の圧迫に苦しむ財政は一時的に息をつけるであろう」
つまり、トップクラスの大富豪である場合、その私有財産は国家予算を支えうるほどの規模であるということです。
また、リップシュタット戦役後に没収できる貴族財産に関して「10兆帝国マルクを軽く超過する」という記述もあります。
帝国の国家予算がどれほどかの記述は見つけることができませんでしたが、アムリッツア戦役において同盟の必要経費が2000億ディナールで、国家予算の5.4%という記述から計算すると同盟の国家予算は3兆7000億ディナールです。
帝国マルクとディナールの為替レートはフェザーン商人に聞くしかありませんが、仮に1帝国マルク=1ディナールとすると、大貴族たちから奪える財産は帝国と同盟の国力差を考えても国家予算2年分は上回るでしょう。
これだけの臨時収入があれば、多少の無茶は十分可能だと思います。
つまり帝国の没落は貴族による国の私物化だった。帝国財源の半分以上を貴族が横領していれば衰退もしますし、国力で圧倒的に劣る同盟にも勝てないと言う不可能を可能にしますね。