始めまして。しばらく前にこのサイトを発見し、ROMしていました。拙僧にとって面白い話題ばかりでしたが、イッチーさんが提唱されていた「銀英伝第2部」構想が1番です。○○2世が続々登場、という辺りがいいですね。ですから、本来レスをつければいいのですが、なにぶんもうすでに沈んでしまっているので、こうします。
それで本題ですが、銀英伝第2部の構想は面白いのですが、いくつか問題点があるように思えます。まず、
1・ロイエンタールが2歳の子供を主君に戴くとは思えない
2・新体制の権威を高めるために、帝国軍は早期に再進攻する可能性が高いのではないか
3・国力の差が圧倒的過ぎる
4・したがって、同盟は帝国を刺激すべきでなく、故にイゼルローン要塞の早期奪還はありえない
5・ユリアンが宇宙艦隊司令長官に就任していないとお話にならないが、38歳で(しかも、士官学校を出ていないのに)就任するのは異例の人事である以上、異例の功績が必要であろうこと
これらの問題点を解消するための提案が「帝国大乱」です。1で指摘したように、あのロイエンタールが2歳の子供に従うとは思えないですし、ラインハルトに「私を倒すだけの自信と覚悟があるなら、いつでも挑んできてもかまわない」と言われたのは彼なのですから、彼が反乱を起こすのは自然だと思います。その対抗馬にミッターマイヤーを推す理由は、
1・「親友対決」というドラマを期待
2・ロイエンタール・ミッターマイヤー連合が成立すれば、他の提督達では勝てそうにない
からです。これで問題点1,2が解消しますし、この戦いが長引けば帝国が国力をすり減らすので疑問点3,4もなくなります。内戦にかまける帝国軍の隙を見てイゼルローン要塞を奪還すればよいのですから。そして、そのときの遠征艦隊司令官にユリアンがなれば疑問点5も解消されます。そのために、帝国の大乱はバーミリオンから10年ほど後に起こるべきでしょう。後の問題は、
1・そもそも大乱のきっかけは何か
2・地球教と、フェザーンや銀河帝国正統政府の残党がどう出るか
3・大乱の結果は?
4・銀英伝第2部の帝国・同盟の陣容はどうなるのか
といったところでしょうか。初めてなのに長々と失礼しました。では。
> 始めまして。しばらく前にこのサイトを発見し、ROMしていました。拙僧にとって面白い話題ばかりでしたが、イッチーさんが提唱されていた「銀英伝第2部」構想が1番です。○○2世が続々登場、という辺りがいいですね。ですから、本来レスをつければいいのですが、なにぶんもうすでに沈んでしまっているので、こうします。
僧侶Tさま、私めの投稿に「面白い」と言っていただきありがとうございます。
> それで本題ですが、銀英伝第2部の構想は面白いのですが、いくつか問題点があるように思えます。まず、
> 1・ロイエンタールが2歳の子供を主君に戴くとは思えない
これは私も考えました。しかし、ロイエンタールが幼いジークフリードを廃して、自らが帝位にのぼろうとしても、ミッターマイヤーはじめ、他の提督の理解は得られないと思います。そのことが思いつかないロイエンタールではないと思います。こんな設定はいかがでしょう?
ラインハルト死後、ロイエンタールが「今こそゴールデンバウム王朝を倒し禍根を絶つべきである。ジークフリード殿下がご成人あそばされるまで、私が暫定的に帝位につき、その後殿下成人のあかつきに帝位を譲る。私には子はいないので、権力は世襲化しない」とか言って他の提督を説得し、帝位に就く→若気の過ちでフェリックスが生まれる→次第にわが子がかわいくなる→ジークフリードを謀殺し、帝位の世襲化をはかる計画をロイエンタールがたてる→事前に計画が発覚し、ミッターマイヤーらが反乱→ロイエンタールは自決し、フェリックスは辺境星域に落ち延び、地球の銀河帝国正統政府に合流。こうすると、地球教側の戦力も強化され、帝国・同盟と互角に対抗する勢力に成長して面白いと思うのですが・・・。
> 2・新体制の権威を高めるために、帝国軍は早期に再進攻する可能性が高いのではないか
> 3・国力の差が圧倒的過ぎる
> 4・したがって、同盟は帝国を刺激すべきでなく、故にイゼルローン要塞の早期奪還はありえない
イゼルローンを再奪取しておかないと、帝国が早期に復讐戦を実行した場合、同盟は帝国に抵抗できません。イゼルローン再奪取・さらにフェザーンで工作をおこなって暴動をおこさせる(対同盟貿易が封鎖されるので、フェザーンは不況となり、帝国に対する不満は高まると思います)そうすれば、同盟は時間を稼ぐことが出来、戦力を再建することが出来ます。
> 5・ユリアンが宇宙艦隊司令長官に就任していないとお話にならないが、38歳で(しかも、士官学校を出ていないのに)就任するのは異例の人事である以上、異例の功績が必要であろうこと
ユリアンは17歳で中尉になっていますから、既に異例の出世かと。(笑)平時になって士官学校組に出世競争で抜かれる危険性があるという場合は、士官学校の上に超エリートを養成する「アレクサンドル・ビュコック記念軍事大学」(北朝鮮みたいだ・・・笑)が創設されることになり、ユリアンはこれまでの功績から第1期入学生に任命されたと言う設定はどうでしょう?
バーミリオン星域会戦の功績で大尉に昇進
イゼルローン要塞再奪取作戦の功績で少佐に昇進
アレクサンドル・ビュコック記念軍事大学入学に伴い中佐に昇進
同大学卒業によって、大佐に昇進
対フェザーン工作に功績をたて、少将に昇進
上層部の政界転出に伴い、中将に昇進、宇宙艦隊総参謀長
帝国再侵攻の危険性上昇に伴い、大将・宇宙艦隊司令長官に抜擢
というユリアンの履歴はいかがでしょう?
> 3・大乱の結果は?
> 4・銀英伝第2部の帝国・同盟の陣容はどうなるのか
> といったところでしょうか。初めてなのに長々と失礼しました。では。
銀河帝国…ジークフリードが新たに皇帝に就任。ミッターマイヤーが帝国宰相に。ただ、同盟の脅威にならんで、地球の脅威にもさらされる。
自由惑星同盟…ヤン艦隊のハイネセン進駐以後、ユリアンの進言によって地球教は事実上禁止。地球教と激しく対立する一方、帝国との講和もジーク2世が対同盟強硬派で不可能。
地球教…フェリックスを加えて戦力を強化するが、フェリックスとエルウィン・ヨーゼフが帝位をめぐって対立。
こんな感じでいかがでしょうか?
どうも僧侶Tさん、イッチーさん。
IFシナリオに私も参戦します。
帝国大乱・ロイエンタールの叛乱! 原作でのロイエンタール元帥の叛乱は、地球教徒の陰謀の結果とはいえ、よくワカラン理由で決起しました。多分一番の理由は、自身に宿る乱世の梟雄たる部分がラインハルトとの決戦を望んだからだと思います。
そのため原作から見る限り、イッチーさんの考える線でのロイエンタール叛乱シナリオを少し成り立たない気がします。やはり子供可愛さからの帝位簒奪は、彼には似合わないのでは。またロイエンタールにとってミッターマイヤーを除けば、帝国軍の他の提督は自分より下だと考えていますので、無理に戦おうとする理由もありません。
とにかくキルヒアイスとアンネローゼの子供という、ラインハルトの傍系の血筋を如何にして皇帝にまで持っていくかが重要です。
~~~以下妄文始まり~~~
ラインハルトのバーミリオン会戦での戦死後、帝国全軍はオーディンに帰還する。それは今後、どのように動くか決めるためであった。
第一に決めるのは、ラインハルト死後の帝国の指導者は誰にするのかである。ラインハルトには、直系の子孫はいない。一体誰をもって、金髪の覇者の後継者にするのか。
提督達の誰もが、さすがに皇帝カザリン・ケートヘンのもとで帝国を動かす気にはなれなかった。もともとゴールデンバウム王朝打倒が最終目的であったのだ。ゴールデンバウム王朝の、しかも1歳の赤子の下に付くのは提督達の自尊心が許さない。
かといって、自分の同僚の誰かが至尊の地位に就くのも認められない。あくまでもラインハルトにこそ、皇帝になってもらいたかったのだ。それが、ラインハルトが死んだためとはいえ、これまでの同僚を陛下と呼ぶのは耐えられるものではない。いっそ、同盟のように共和制ならば選挙で主君を決められるのだが……、と提督達は自虐的に思うのだった。
そうこう話がまとまらずただ時間だけが過ぎていく中、遂に提督会議は破局を迎えた。ビッテンフェルトがオーディンから離脱したのだ。彼は、再三に渡り「ラインハルトの仇をとるべく、まず同盟への再侵攻を行うのが先決だ」と主張し、その度にロイエンタールやメックリンガーに時期尚早と抑えられていた。ビッテンフェルトにとっては帝国の後継問題よりも、第一に主君の仇を討つべく同盟再侵攻、ヤン・ウェンリー抹殺が当然のことだと思っていたのだ。彼から見たら、ロイエンタールやメックリンガーだけでなく全ての提督が、ラインハルト亡き後の帝国権力の奪取を目指し牽制しあっているとしか思えなかったのだ。
ビッテンフェルトは、「永遠に埒もない会議でもしていろ!」と叫び、黒色槍騎兵艦隊を率いてオーディンから離れた。そしてレンテンベルク要塞にその拠点を置いたのである。しかも周辺星域の帝国軍警備部隊を集結させ、自分1人で同盟への再侵攻を行う準備を始めたのだ。
このビッテンフェルトの動きに提督達が困惑する中、1人の提督がビッテンフェルトのもとに駆けつけた。ファーレンハイトである。彼は、元々貴族連合軍の一員であり、ラインハルトに許されその麾下に加わった。そしてラインハルトが死に、またも自身の旗を変えるぐらいなら、ラインハルトの敵討ちを目指すビッテンフェルトを手伝った方がマシだと考え、レンテンベルクに艦隊を率い向かったのだった。
レンテンベルク要塞の黒色槍騎兵艦隊には、ファーレンハイト艦隊と周辺警備部隊が加わり、その戦力は4万隻を超えた。しかもそれはさらに増加しつつあった。ビッテンフェルトの掲げる「ラインハルトの敵討ち」は、帝国軍人の共感をよび、我も我もと参加者が増えていったのである。ともすれば、オーディンの艦隊からもレンテンベルクに馳せ参じる勢いである。
それとともに貴族達が騒ぎはじめた。リップシュタット戦役で大多数の貴族が滅んだものの、まだまだ帝国貴族は残っている。貴族達の主張は以下の通りである。
帝国宰相ローエングラム公ならいざ知らず、その配下でしかない軍人達がどのような権限から国政に口を挟むのか。宰相が亡くなられたのなら、宰相が組閣した内閣は解散するのが筋である。そして皇帝陛下の御父君である、ペグニッツ公爵を摂政・宰相として新内閣を組閣し、その基で軍部は政府・皇帝陛下の指示に従うのが当然であろう。
一見筋が通った主張に見えるが、何のことはない。皇帝の父ペグニッツ公爵を旗印に、貴族階級の復権を目指しているだけである。
帝国内の混乱は、加速度的に悪化しつつあった。帝国軍が占領したフェザーンでも、占領軍を追い返せとデモが起こり、帝国へのサボタージュも続出した。これにより帝国領内の一部では物流の混乱が始まった。
このままでは帝国が空中分解する、と帝都のミッターマイヤーが悩んでいると、彼の邸宅に突然ヒルダが訪れた。彼女はラインハルト死後、バーミリオン会戦での自責の念から自宅に自主的に謹慎していた。しかし自宅から帝国の混乱を見て、彼女はこのままでは帝国が分解し、ラインハルトが目指した理想が消えてしまうと思い悩んでいた。そしてヒルダは、ラインハルトの目指した理想を消してはならない、とミッターマイヤー家に向かったのだった。
ヒルダはミッターマイヤーに訴えた。それはあたかも、運命のバーミリオン会戦時と同じ構図である。ヒルダ自身もそれを感じずにはいられなかった。彼女がミッターマイヤーに訴えた帝国再建計画。それは、「故キルヒアイス元帥とグリューネワルト伯爵夫人の御子息ジークフリードをローエングラム家の養子とし、カザリン・ケートヘン皇帝との婚約・将来の結婚を決め、帝位をジークフリードに譲位し実質的にゴールデンバウム王朝を吸収し新王朝を成立させる」という計画だった。
ジークフリードはラインハルトの姉の子ではあるが、ラインハルト血筋であることは確かである。これによりミッターマイヤーら提督達は、ゴールデンバウム王朝の皇帝よりは納得の出来る、新たな忠誠の対象を得ることが出来る。カザリン・ケートヘンとの将来の結婚で両家が1つになるという事で、守旧派をとりあえず納得をさせられる。何よりも現在の帝国には国家統一の象徴が必要であり、ラインハルト以外の人物の帝位簒奪は国民の反発を生むだけなので、婚姻という手段で正当性を出すしかない。
ヒルダの提案に、バーミリオンの時と同じくミッターマイヤーは賛同し、帝国軍の説得を約束した。そしてヒルダには、グリューネワルト伯爵夫人の説得を頼んだ。ヒルダは、ミッターマイヤーの頼みを了解したが、頭では別のことを考えていた。なぜ自分はロイエンタール提督ではなく、ミッターマイヤー提督に助力を頼んだのだろうかと……。
ロイエンタールは、突然自分を訪ねてきたミッターマイヤーからヒルダのジークフリード擁立案を聞き、直ぐに返事は出来なかった。ロイエンタールは、あの時と同じくマリーンドルフ家の小娘が、自分の策を実行するためミッターマイヤーに助力を頼んだことを苦々しく感じていたのだ。
実はロイエンタールはミッターマイヤーへ「二人で混乱する帝国の全権を掌握し、ローエングラム公亡き帝国を再建しよう」と説得するつもりだったのだ。それをミッターマイヤーに機先を制されたのだ。ミッターマイヤーの感じからみて、ジークフリード擁立案を変えることはないだろう。そして自分が動かずミッターマイヤーとマリーンドルフの小娘だけではこの案は失敗し、恐らく帝国は動乱時代に突入する……。
では、どうするか……。「わかった。卿が言うなら、私もその提案にかけてみよう」 またもマリーンドルフの小娘の提案に従うのは不愉快この上ないが、ミッターマイヤーとの友情は失いたくない。ミッターマイヤーは、やはり乱世の梟雄には向かないだろう。それに相手がラインハルトならばともかく、2歳の赤子では張り合う気も起こらない。
これによりジークフリード擁立案は急速に具体化していく。1ヶ月後には帝国軍総司令部及び帝国政府は正式にジークフリードの擁立を決め、カザリン・ケートヘン帝との将来の結婚を前提に帝位移譲を決定した。
ロイエンタール、ミッターマイヤー、ヒルダ、帝国軍の他の提督達もこの結果、ひとまず後継者問題に決着が付いたことで、不穏な動きは収まるだろうと考えた。しかし帝国動乱は予想に反し、数年もの長きに渡り続くことになる。
まず帝国辺境領の数カ所の惑星にて、共和革命の民衆蜂起が起きたのだ。そしてそれは、各地に波及していった。当時の帝国首脳部は知る由もなかったが、地球教がその存在を隠すべく共和革命の形をとり、さまざまな陰謀の糸を張り巡らせていたのだ。オーベルシュタイン亡き帝国軍諜報部は急速にその力が弱体化しており、地球教の存在を突き止めることが出来なかった。
しかもレンテンベルク要塞にあるビッテンフェルト軍が、ジークフリードへの帝位移譲を断固認めないと発表した。「偉大なる指導者ローエングラム公は、実力主義者だった。まだ何の力もない、赤子に帝位を移譲するなぞ狂気の沙汰である。帝国の次代皇帝は、同盟のヤン・ウェンリーを打ち倒し、ローエングラム公の仇を取ったものこそが帝位に就くべきである」
すでにビッテンフェルト軍の兵力は5万隻にまで増え、なおも増加しつつある。新たに帝国軍宇宙艦隊司令長官となったミッターマイヤーが、艦隊の解散と帝都への出頭を命じたがビッテンフェルトとファーレンハイトはそれを拒んだ。
帝国全土を巻き込んだ内戦は、まもなく始まろうとしていた。
銀河の歴史(同人史)がまた1ページ。
~~~以上妄文終わり~~~
いや~、がんばって空想・妄想しました( ̄▽ ̄)
面倒だから、台詞はナシ。長々とした乱文で申し訳ありません。m(_ _)m
こんな感じで帝国は動乱に突入し、その間同盟は国力の回復に務め、どさくさに紛れてイゼルローン要塞を再奪取します。
この後の第2部は、20年後からイッチーさんの考えた線でいけると思います。では今回はこの辺で。
どうも、僧侶Tです。イッチーさん、八木さん、レスありがとうございます。やはり初めての書き込みに反応があると言うのはうれしいことです。
レスが少々遅れた理由ですが、拙僧も拙僧なりに帝国大乱のシナリオを構築しようと思ったのですが、まとまらなかったことが原因です。創作(?)は批評などよりはるかに難しい、と言うことを痛感しました。
話題を変えて、八木さんのシナリオについて、拙僧が思ったことを少々。
> まず帝国辺境領の数カ所の惑星にて、共和革命の民衆蜂起が起きたのだ。そしてそれは、各地に波及していった。当時の帝国首脳部は知る由もなかったが、地球教がその存在を隠すべく共和革命の形をとり、さまざまな陰謀の糸を張り巡らせていたのだ。
この部分なのですが、地球教がこの段階で陰謀をめぐらすのなら、ルビンスキーに帝国内の流通をかく乱させると同時に、「ラインハルトの死によって反動が起こり、復古的な政策が復活する」と言う流言を流して社会を混乱させるのがベストだと思います。それに、宇宙船建造能力のない辺境で反乱を起こしてもどうにもならないと思います。それよりも農業惑星や鉱業惑星を前述の流言で動揺させた後、そこに存在するであろう組織ごと地球教の教義でオルグしてのっとり、サボタージュやストライキ、出荷停止などをさせれば、前述の流通のかく乱とあわせて帝国に大打撃を与えられるだろうと思います。
> しかもレンテンベルク要塞にあるビッテンフェルト軍が、ジークフリードへの帝位移譲を断固認めないと発表した。「偉大なる指導者ローエングラム公は、実力主義者だった。まだ何の力もない、赤子に帝位を移譲するなぞ狂気の沙汰である。帝国の次代皇帝は、同盟のヤン・ウェンリーを打ち倒し、ローエングラム公の仇を取ったものこそが帝位に就くべきである」
カリスマの跡を継ぐべき者は血縁によって選ばれるべきか、実力によるべきか。拙僧としては、信長の死の直後の織田家と状況が似ている気がします。そうすると羽柴秀吉=ビッテンフェルト陣営、柴田勝家=ロイエンタール・ミッターマイヤー連合と言うことになりますね。うーむ、イメージと違う・・・だからどうだと言うことはありませんが。余談でした。
> イゼルローンを再奪取しておかないと、帝国が早期に復讐戦を実行した場合、同盟は帝国に抵抗できません。イゼルローン再奪取・さらにフェザーンで工作をおこなって暴動をおこさせる(対同盟貿易が封鎖されるので、フェザーンは不況となり、帝国に対する不満は高まると思います)そうすれば、同盟は時間を稼ぐことが出来、戦力を再建することが出来ます。
「イゼルローンを落としてもフェザーンがある」と思ったのでイゼルローンを早期に落とす必要はない、と考えましたが、浅はかでした。そうですね、暴動を起こさせればいいですね。ただ、
> バーミリオン星域会戦の功績で大尉に昇進
> イゼルローン要塞再奪取作戦の功績で少佐に昇進
> アレクサンドル・ビュコック記念軍事大学入学に伴い中佐に昇進
> 同大学卒業によって、大佐に昇進
> 対フェザーン工作に功績をたて、少将に昇進
> 上層部の政界転出に伴い、中将に昇進、宇宙艦隊総参謀長
> 帝国再侵攻の危険性上昇に伴い、大将・宇宙艦隊司令長官に抜擢
> というユリアンの履歴はいかがでしょう?
についてはどうかと思います。帝国は大乱とそれからの国力の回復、同盟も国力回復にかかりきりで帝国・同盟間の大規模な戦闘もなく、武勲の立てようもないのに38歳で大将は昇進が早すぎると思います。アムリッツアの大敗と、ハイネセンの虐殺で指導層が払底した以上、ヤン・ファミリーによって軍、政府高官が占められるのは当然ですが、それはあくまで緊急避難的な処置でしょう。実戦で能力が測れない以上、高級軍人としての適性が不明なユリアンがこうもスピード出世すれば、同盟市民は「ヤン政権は世襲的な軍事独裁政権になろうとしているのではないか」と疑うに違いありません。それを避けるためにも、ユリアンは異例の武勲を立てなければなりませんが、それはイゼルローン再奪取以外ないのではないか、と思います。
それから、細かいことですが、
> 自由惑星同盟…ヤン艦隊のハイネセン進駐以後、ユリアンの進言によって地球教は事実上禁止。
ユリアンが地球教の危険性を知ったのは、バーラトの和約後の地球旅行においてですから、これはないと思います。
付け加えてもう一言。実は拙僧にとってザ・ベストの中で一番インパクトがあったのは「真銀英伝」でした。ですから、ヤン政権の議会内でのライバルとしてはトリューニヒト2世よりも、ムライ提督を推したいと思います。
> > バーミリオン星域会戦の功績で大尉に昇進
> > イゼルローン要塞再奪取作戦の功績で少佐に昇進
> > アレクサンドル・ビュコック記念軍事大学入学に伴い中佐に昇進
> > 同大学卒業によって、大佐に昇進
> > 対フェザーン工作に功績をたて、少将に昇進
> > 上層部の政界転出に伴い、中将に昇進、宇宙艦隊総参謀長
> > 帝国再侵攻の危険性上昇に伴い、大将・宇宙艦隊司令長官に抜擢
> > というユリアンの履歴はいかがでしょう?
> についてはどうかと思います。帝国は大乱とそれからの国力の回復、同盟も国力回復にかかりきりで帝国・同盟間の大規模な戦闘もなく、武勲の立てようもないのに38歳で大将は昇進が早すぎると思います。アムリッツアの大敗と、ハイネセンの虐殺で指導層が払底した以上、ヤン・ファミリーによって軍、政府高官が占められるのは当然ですが、それはあくまで緊急避難的な処置でしょう。実戦で能力が測れない以上、高級軍人としての適性が不明なユリアンがこうもスピード出世すれば、同盟市民は「ヤン政権は世襲的な軍事独裁政権になろうとしているのではないか」と疑うに違いありません。それを避けるためにも、ユリアンは異例の武勲を立てなければなりませんが、それはイゼルローン再奪取以外ないのではないか、と思います。
ああ、ユリアンの昇進問題。これはヤンの養子だけに、問題になる可能性も。確かに戦闘がないと昇進が速すぎるかも知れませんね。
では彼は中将で昇進をストップさせ、同盟軍最強部隊である「ヤン」艦隊司令官にしてはどうでしょうか。独立運用可能の権限をヤン艦隊を与えておけば、ユリアン指揮のもと自由な作戦運用が出来ます。
> 付け加えてもう一言。実は拙僧にとってザ・ベストの中で一番インパクトがあったのは「真銀英伝」でした。ですから、ヤン政権の議会内でのライバルとしてはトリューニヒト2世よりも、ムライ提督を推したいと思います。
ワハハハハハハ。いや失礼しました。m(_ _)m
前スレで、私とイッチーさんとソルジャー大佐さんの3人とも、ムライ中将やパトリチェフ少将のその後を考えていなかったですね。
しかし20年後の設定ならば、ムライ中将とメルカッツ提督は確実に引退しているのではないでしょうか。
ところでパトリチェフですが、2通りのパターンを考えてみました。
・アッテンボローが政界に進出していた場合
パトリチェフは、統合作戦本部長に就任。
宇宙艦隊司令長官には、階級・序列から考えてマリノかザーニアルが就任するのでは。
・アッテンボローが軍に残っていた場合
ヤンと共に議員になり、自由紅茶党宣伝部長に就任。
こんなところでしょうか。
八木あつしさま・僧侶Tさま、レスありがとうございます。
さて、お二方のレス・設定ともども大変すばらしい出来なのですが、もっとも疑問に思うのは、同盟がイゼルローン要塞を再奪取するのに、帝国が分裂する必要があるのかということです。史実(笑)では、イゼルローン再奪取は割合簡単におこなわれています。たしかに、史実では帝国軍主力がマル・アデッタに力を振り向けていますが、銀英伝1.5部でも、ラインハルトが戦死し、帝国軍が混乱しているうえ、さらにフェザーンで暴動が発生している可能性が高い(トリューニヒトという手ごまを失った地球教がフェザーンの自治権回復をさしあたって目指す可能性が高いうえに同盟も工作するであろう)ので、イゼルローンは手薄となり、ヤンがすきいる余地は大きいと思います。シナリオとしてはこんなところでしょうか。
ラインハルトを失った帝国では今後の方針をめぐって提督たちの小田原評定が続いていた。国政はとりあえず、マリーンドルフ伯を宰相代理に任命して、混乱をおさえているが、フェザーンでは地球教徒を中心とする「自治権回復」を要求する暴動が発生し、人心は動揺していた。ロイエンタールは「今こそ、私が覇権を握って、帝国の動揺を抑えるべきだ」という決意を固めていた。ミッターマイヤーには事前に相談しなかった。ミッターマイヤーは賛成してくれるだろう。ロイエンタールはそう確信していたからだ。しかし、会議でロイエンタールが提案を始めようとしたとき、ミッターマイヤーが口を開いた。「フロイライン・マリーンドルフから提案があるそうだ」ラインハルト戦死の報を聞いて以来、自責の念にかられていたヒルダは帝国再建の方法を必死に考え、ミッターマイヤーに相談していたのだ。ヒルダの提案はジークフリードをカザリン・ケートヘン帝と婚約させ、結婚の際に、カザリン・ケートヘンから帝位を譲り受けさせ、事実上、ゴールデンバウム王朝を乗っ取ると言うものであった。ヒルダの提案が終わった直後、伝令が会議の席に飛び込んでくる。「大変です!イゼルローン要塞が叛乱軍に再び占拠されました!」ビッテンフェルトが立ち上がった。「もはや、我々には会議をおこなう時間など残されていない!フロイライン・マリーンドルフの提案にしたがって収拾をはかるべきだ!」他の提督たちもそれに賛同した。ロイエンタールもしぶしぶ賛同する。「今しばらくは天下を預けておいてやろう。しかし、ジークフリード殿下がその器に値しないときは・・・」
翌日、帝国宰相代理・マリーンドルフ伯がテレビ画面に立ち、帝国国民に対し、新体制の発足を宣言した。カザリン・ケートヘン帝がジークフリード・フォン・グリューネヴァルト伯と婚約したこと。マリーンドルフ伯は宰相代理の地位を返上し、ロイエンタール元帥が新たに宰相職に就くこと。マリーンドルフ伯は国務尚書として、宰相を補佐すること。ヒルダが侍従長に就任し、カザリン・ケートヘンとジークフリードの教育につとめること。
新たに軍務尚書に任命されたミッターマイヤーは「叛乱軍はイゼルローン要塞を再奪取するのが限界で、そこから先に攻め込む力はない。イゼルローン周辺に軍を配置し、牽制すればよい。問題はフェザーンだ」として、フェザーン問題の処理を最優先とした。帝国軍はフェザーンに対し、「自治権を回復させる代わりに帝国軍が派遣した高等弁務官が国政を監視することを認めよ。この条件が満たされない場合、フェザーンを総攻撃する」と通告。フェザーンは申し入れを受け入れた。地球教はフェザーンの自治権回復に成功した。ルビンスキーは帝国軍の侵攻を防げなかったとして、政治的に抹殺された。ボルテックもまた一時フェザーンを裏切ったことで住民の支持を失った。地球教は新たにユーリ・ミハイロフ(仮)を自治領主に据えたが、帝国軍の監視の目は厳しく、思うように工作がすすめられなかった。地球教は帝国との新たな戦争に備え、自らの軍備を整えはじめた。
同盟ではヤン艦隊の支持のもとにジョアン・レベロを議長、ホワン・ルイを国防委員長とする新体制が発足していた。統合作戦本部長ヤン・ウェンリーの指示のもとにおこなわれたイゼルローン要塞再奪取作戦は成功し、シェーンコップが要塞司令官となった。また、この作戦で働き振りを認められたメルカッツも正式に同盟の市民権が与えられ、駐留艦隊司令官となった。ユリアンもまた要塞再奪取作戦で功績をあげ、大尉に昇進した。フレデリカにあこがれていたユリアンは彼女への思いを断ち切るためにイゼルローンに残ることを決め、シェーンコップの副官となった。その後、ユリアンはシェーンコップの娘、カリンと出会い、恋におち、結婚する。
カリンと家庭を築きはじめたユリアンに対し、国防委員会諜報部勤務の辞令がくだる。バーミリオン以後、地球教がトリューニヒトに協力していたため、地球教は同盟政府の監視対象となっていた。フェザーンから同盟に帰国する際、デグズビイより部分的な情報を与えられていたユリアンは、同盟政府よりその経験を買われ、地球教調査を依頼されたのだ。バグダッシュ部長のもと、地球教がラインハルトの覇権に協力し、同盟転覆をねらっていたことをつきとめたユリアンはその功績が認められ、少佐に昇進する。地球教は同盟国内で結社禁止となった。さらに、民間人に変装して、フェザーンに潜入したユリアンは地球教とフェザーンの関係を示す証拠を持ち帰った。バーミリオン以来、フェザーンに対して、債務の支払いを停止していた同盟政府は「同盟の転覆をはかる団体とつながりのある政府に払う金などない」として、債務の破棄を一方的に通告、ユリアンに対しては、中佐への昇進でその労をねぎらった。その後、ユリアンは「自分はスパイをやりたかったわけではない」として、艦隊勤務を希望。宇宙海賊討伐に功績をあげ、大佐・少将へと昇進した。
一方、帝国政府内では「同盟が債務支払いを逃れるための言い逃れ」として、ユリアンの報告を信じないものが多数存在し、地球教は監視されながらも、国内での布教が許されていた。しかし、地球教からの独立をはかるミハイロフ自治領主を暗殺したことから、足がつき、地球教の陰謀が明らかとなった。内務省尚書から報告を受けたロイエンタールは「ジークフリード陛下の器を試す機会が来た」として、皇帝に即位したばかりのジークフリードに言上した。ジークフリードの決断は早かった。「国内における地球教の布教を禁止し、信者をただちに捕縛せよ。地球に対してはハインリッヒ・ミッターマイヤー上級大将を司令官とする討伐軍を派遣する。また、フェザーンの自治権を剥奪する。余自ら軍を率い、フェザーンを攻略する。フェザーンをおさえ、地球教を壊滅せしめたのちは勢いにのって叛乱軍どもを血祭りにあげようぞ!」熱狂して「皇帝ジークフリード陛下万歳!」を叫ぶ兵士たち。「ふふふ。新帝のお手並み拝見といこうか」ロイエンタールはなにやらたくらみながらほくそえんだ。そんな盟友をミッターマイヤーは不安そうに眺めていた。
一方、同盟ではユリアンがアッテンボロー統合作戦本部長に呼び出されていた。
「ミンツ少将。君を中将に昇進させ、光栄ある第13艦隊司令官に任命する。この意味がわかるか?」
「年下にもかかわらず、本部長よりも先に結婚した恨みを今、はらそうというわけですか?」
「ふふふ。君もヤン先輩に似て人が悪いな。君が主張していたように、帝国軍がフェザーン進駐を開始した。同盟への再侵攻も近いだろう。君には第1線で働いてもらいたいのだ」
ジークフリード対ユリアン、因縁の対決が今、始まる・・・。
ムライ(62歳)…最高評議会顧問(閣僚待遇)。軍の一線を退いた後は、ヤンの個人的な相談役となり、閣議への出席も許される。「ヤン議長は内心では自らの神格化を喜んでおられるのではないか?」などと辛らつな発言多し。自らを政権内の野党役と心得ている。
パトリチェフ(58歳)…宇宙艦隊司令長官。豪放磊落な性格でユリアンに対してはほぼ自由に行動する権利を与えている。ヤンのあとを追って、政界に転じようとしたが、「あんま、一度にたくさん、やめるのもどうかなー」というヤンの一言でやめた。(笑)
どうも、僧侶Tです。イッチーさんにばかり反論するのもどうかと思いますが、これはしなければならないだろうと思いますので反論します。
> さて、お二方のレス・設定ともども大変すばらしい出来なのですが、もっとも疑問に思うのは、同盟がイゼルローン要塞を再奪取するのに、帝国が分裂する必要があるのかということです
拙僧が銀英伝第1,5部を提案した最大の理由は、「銀英伝第1部」終了時の帝国と同盟との国力差が大きすぎるというものです。確かにそれによって同盟のイゼルローン再奪取が容易になりますが、それはあくまでおまけ。最大の眼目は帝国の国力の低下です。いくらヤン政権の元同盟の国力が回復しても、あの差は埋まりそうにありません。何よりも同盟の正規艦隊がほとんど壊滅しているのが痛すぎます。そのために、大乱で帝国が分裂し、その国力が低下することが、銀英伝第2部の不可欠の前提条件になるはずだと考えました。何よりも、当時(?)の帝国はラインハルトの死によってその権威を大いに低下させ、分裂の兆候におびえていますが、その実力はいまだ同盟や地球教を圧倒しています。下手にイゼルローンを再奪取して一致団結され、即再進攻などということになれば目も当てられません。いまだ「実力者」に過ぎなかったラインハルトの、しかも傍系の幼児が権力を引き継げるのか、という不安定要素があるのですから、素直に帝国の内乱のドサクサ紛れにイゼルローンを再奪取したほうがいいと思います。
ただここまで書いていてがつきましたが、同盟のイゼルローン再奪取に対する責任のなすりあいが帝国大乱の原因とするてもあるかもしれません。
> ムライ(62歳)…最高評議会顧問(閣僚待遇)。軍の一線を退いた後は、ヤンの個人的な相談役となり、閣議への出席も許される。「ヤン議長は内心では自らの神格化を喜んでおられるのではないか?」などと辛らつな発言多し。自らを政権内の野党役と心得ている。
> パトリチェフ(58歳)…宇宙艦隊司令長官。豪放磊落な性格でユリアンに対してはほぼ自由に行動する権利を与えている。ヤンのあとを追って、政界に転じようとしたが、「あんま、一度にたくさん、やめるのもどうかなー」というヤンの一言でやめた。(笑)
実は銀英伝で拙僧が一番好きなキャラはムライ提督だったので、前スレでムライのその後の話がなかったことがかなり残念でした。
> 拙僧が銀英伝第1,5部を提案した最大の理由は、「銀英伝第1部」終了時の帝国と同盟との国力差が大きすぎるというものです。確かにそれによって同盟のイゼルローン再奪取が容易になりますが、それはあくまでおまけ。最大の眼目は帝国の国力の低下です。いくらヤン政権の元同盟の国力が回復しても、あの差は埋まりそうにありません。何よりも同盟の正規艦隊がほとんど壊滅しているのが痛すぎます。そのために、大乱で帝国が分裂し、その国力が低下することが、銀英伝第2部の不可欠の前提条件になるはずだと考えました。何よりも、当時(?)の帝国はラインハルトの死によってその権威を大いに低下させ、分裂の兆候におびえていますが、その実力はいまだ同盟や地球教を圧倒しています。下手にイゼルローンを再奪取して一致団結され、即再進攻などということになれば目も当てられません。いまだ「実力者」に過ぎなかったラインハルトの、しかも傍系の幼児が権力を引き継げるのか、という不安定要素があるのですから、素直に帝国の内乱のドサクサ紛れにイゼルローンを再奪取したほうがいいと思います。
イゼルローンはヤンの奇形ならでは、被害も少なく占領できるのであって、帝国が再侵攻しようと思っても、逆に膨大な被害者が続出するだけでしょう。帝国もそれはわかっているはずですから、イゼルローンをへたに取り戻そうとはしないはず。さらにフェザーンでの暴動を長引かせ、フェザーンの入り口に同盟軍の多くを割いて、封鎖してしまえば、帝国は容易に同盟に再侵攻は出来ないでしょう。帝国国内ではラグナロック作戦の失敗で、民衆の間では厭戦感情が蔓延し、文官たちも「民力休養」を唱えて、戦争の一時中止を申し入れるでしょう。「弔い合戦」というのは軍人の発想であって、文官や民衆は戦争の中止とラインハルトの改革路線の継続を要求するのではないでしょうか。
> ただここまで書いていてがつきましたが、同盟のイゼルローン再奪取に対する責任のなすりあいが帝国大乱の原因とするてもあるかもしれません。
イゼルローン要塞司令官が自決すれば済む話です。ルッツには気の毒ですが・・・。
> 実は銀英伝で拙僧が一番好きなキャラはムライ提督だったので、前スレでムライのその後の話がなかったことがかなり残念でした。
前スレはユリアンから見たその後だったので・・・。
どうも、僧侶Tです。再びイッチーさんに反論したいと思いますが、その前に拙僧も誤りを認めなければならないようです。拙僧はイゼルローンの早期再奪取は帝国の早期の再侵攻を招くと主張しましたが、確かにその可能性はまずありえません。しかし、それでもやはりヤン政権下の同盟はイゼルローンの早期再奪取はしないと思われます。
「ローエングラム公は独身であり、後継者となるべき男児も姉の子という傍系の、しかも2歳の幼児のジーク2世ただ一人。彼が死ねば、ローエングラム体制が動揺するのは間違いありません。部下たちの忠誠心と団結は求心力の弱まりによって空中分解するでしょう。彼らは誰のために戦うかを問いなおすために帝国へ帰還し、あわよくば後継者の座を巡って激しく対立するでしょう。」こうアイランズ国防委員長に語ったヤン新元帥はその戦略どうりラインハルトを敗死させることに成功したが、その副産物として「ハイネセンの虐殺」が起こり、同盟の指導層が抹殺されてしまう。そこでヤンは自ら国家元首となり、同盟再建という重責を負うことを決意する。
これが「銀英伝第1部」のラストのはずです。ヤンはラインハルトを倒すことで帝国に内乱が起こることを予想し、そのためにこそラインハルトを倒したわけです。しかし、イゼルローン早期再奪取を行えば、帝国はぼろぼろで、実質的にはないも同然の同盟の実力を過大評価し、その結果として帝国は団結してしまうでしょう。これは、ヤンの長期戦略に反することである以上、ヤン政権はイゼルローンの早期再奪取は行わないのではないでしょうか。
僧侶Tさま、たびたびレスありがとうございます。どうも互いの議論がかみあわないのは認識のズレが原因のようです。
> 「ローエングラム公は独身であり、後継者となるべき男児も姉の子という傍系の、しかも2歳の幼児のジーク2世ただ一人。彼が死ねば、ローエングラム体制が動揺するのは間違いありません。部下たちの忠誠心と団結は求心力の弱まりによって空中分解するでしょう。彼らは誰のために戦うかを問いなおすために帝国へ帰還し、あわよくば後継者の座を巡って激しく対立するでしょう。」こうアイランズ国防委員長に語ったヤン新元帥はその戦略どうりラインハルトを敗死させることに成功したが、その副産物として「ハイネセンの虐殺」が起こり、同盟の指導層が抹殺されてしまう。そこでヤンは自ら国家元首となり、同盟再建という重責を負うことを決意する。
> これが「銀英伝第1部」のラストのはずです。ヤンはラインハルトを倒すことで帝国に内乱が起こることを予想し、そのためにこそラインハルトを倒したわけです。しかし、イゼルローン早期再奪取を行えば、帝国はぼろぼろで、実質的にはないも同然の同盟の実力を過大評価し、その結果として帝国は団結してしまうでしょう。これは、ヤンの長期戦略に反することである以上、ヤン政権はイゼルローンの早期再奪取は行わないのではないでしょうか。
私はバーミリオンでヤンがラインハルトを殺すことをためらったのは、ラインハルトが死んだ場合、帝国が分裂し、帝国人民が塗炭の苦しみを味わうという懸念があったと思っています。同盟市民と帝国市民をイコールで結び、どちらかが生き残るためにはどちらかが苦しみを負うのはやむをえないという考え方が出来なかったところがヤンの限界だったでしょう。ですから、無条件停戦命令が出たとき、これ幸いと攻撃を中止したのではないでしょうか。
しかし、幼児とはいえ、ラインハルトに後継者がいた場合、「帝国はジークフリードを後継者に据えざるを得ないであろう。しかし、新体制の確立に時間がかかる。その間、帝国と同盟に休戦状態が成立する」とヤンは考え、攻撃命令をくだすと思います。ハイネセン虐殺は当時の政権の閣僚と軍の高官に限定するくらいの配慮を帝国軍は持ち合わせているでしょう。ですから、野にくだっていたレベロやルイは被害を免れ、ヤン艦隊によって国家元首に祭り上げられると思います。しかし、議長職には任期があるでしょうから、レベロやルイだけでは20年はもたず、ヤンが担ぎあげられると思ったのです。フェザーンが帝国の支配下に組み入れられることで、同盟はフェザーンの債務を踏み倒すことが出来る上、フェザーン資本の企業なども同盟政府に回収することが出来、経済は再建に向かうでしょう。ただし、帝国との国力差は開いたままでしょうが、帝国軍はイゼルローン方面からは侵入できないでしょうから、フェザーン方面に同盟は軍のほとんどを配置し、決戦を挑みます。兵力の差はユリアンの知力で補います。バーミリオンや連戦も同じような構図でしたし、問題はないのでは。ダゴン星域会戦のときは帝国と同盟の国力はもっと開いていたのだし・・・。
同盟軍の砲列がまさにラインハルトの旗艦「ブリュンヒルト」をとらえた時、ハイネセンから無条件停戦命令がとどいた。一瞬、躊躇するヤン。そのとき、シェーンコップが叫んだ。「帝国人民のことを考えているのですか?ラインハルトには姉の子にして、親友の子であるジークフリートという後継者がいます。まだ幼年ですが、ラインハルト陣営の提督たちは彼を君主にあおがねば、自分たち自身の権力が瓦解することを知っているでしょう。帝国が分裂することはありません。しかし、ここであなたがためらったらどうなる?同盟は崩壊し、民主主義は永遠に失われるのです」ヤンは目をつぶった。ヤンのまぶたに帝国軍によるハイネセン・ポリス攻撃によって生じるであろう阿鼻叫喚の地獄絵図が浮かんだ。「心配することはありません。ロイエンタール提督もミッターマイヤー提督も紳士です。無辜の民衆を巻き込むことはないでしょう」シェーンコップが耳元でささやいた。「一斉攻撃!」ヤンはうめくように命令した。ここで自分がひけば、自分のために命を投げ出した将兵に申し訳がたたない・・・そう言い聞かせた。ビュコックとチェンの横顔が目の前に浮かんだような気がした・・・。
「なに?ヤン・ウェンリーが無条件停戦命令を無視!?ローエングラム候が戦死!?」バーミリオンからもたらされた報にロイエンタールとミッターマイヤーは驚愕した。ヒルダはその場で気を失ってしまった。「おのれ!叛乱軍め許せぬ!」ミッターマイヤーは叫んだ。しかし、ロイエンタールはそんな僚友を慰めるように言った。「やめろ。ミッターマイヤー。無辜の市民を血祭りにあげても、帝国軍の名に傷がつくだけだ。責任は政府と軍部の幹部にとってもらえばよかろう」ロイエンタールはトリューニヒト政権の閣僚とドーソン、ビュコック、チェンの逮捕を命じ、即日銃殺した。アイランズ、ビュコック、チェンの死に様は堂々たるものであったと伝えられている。ロイエンタールは市民の虐殺の禁止を部下に命じたが、一部の部隊がローエングラム候死亡の報に激昂して、無差別殺戮をおこなうのを止めることは出来なかった。帝国軍がハイネセンから撤退するまでの間、その犠牲者は200万人に達すると言われている。それはハイネセンの人口のわずか0.2%に過ぎなかったのだけれど・・・。
前財政委員長レベロ、前人的資源委員長のルイは野に下って、地方に疎開しており、難を逃れた。ハイネセンに帰還したヤン艦隊は彼らを擁立して、同盟の再建をはかった。レベロ政権は2期8年、ルイ政権もまた2期8年続いたが、ルイの後継者にレベロとルイはヤンを推薦した。ヤンは固辞したが、「ジークフリードの戴冠が迫る中で対帝国戦に備える政権が必要だ」という声に抗し得ず、やむなくヤンはエル・ファシル選挙区から出馬して、代議員となった。同盟議会は圧倒的多数でヤンを最高評議会議長に選出した。
そして、宇宙暦815年。ヤン政権下での初の戦没者追悼式典の日、ヤン議長暗殺未遂事件が起きた。
「無能者ヤン!」
それはかって、トリューニヒト議長が無条件停戦命令を発しようとしたとき、ヤンを評して言った言葉であった。むろん、その一語はバーミリオン以後、同盟では禁句となっており、同盟憲章違反に問われかねない。暗殺未遂という広大な池に一滴の一粒が加わっただけのことであるが。
なおも叫び続けようとする口元に、ユリアンが平手打ちの一閃をたたきつけた。頚椎を捻挫するのではないか、と思われるほどの容赦のない一撃が、さすがに男をたじろがせた。
「不逞なやつめ。きさまも秩序の破壊をたくらむ帝国のスパイか」
「帝国のスパイなどではない」
切れた唇から、血と憎悪をしたたらせながら、男はうめいた。壮年の議長を焼き殺すかのように、眼光を集中させる。
「ハイネセンの虐殺を忘れたか。たった16年前の惨劇を、もう忘れたのか!」
男が口にした固有名詞は、石弓から放たれた無形の矢となって、ヤンの耳から心臓へと貫通した。
「ハイネセンの虐殺・・・?」
ヤンのつぶやきは、一瞬のうちに、議長の顔面から生気のかがやきを強奪していた。逆に暗殺者は、活気を回復し、糾弾を開始した。
「何が議長だ。ミラクル・ヤンだ。きさまの権力は流血と欺瞞の上に成り立っているのではないか。おれの妻子は、ハイネセン・ポリスで、帝国軍ときさまとのために、生きたまま焼き殺されたのだぞ!」
ふりかざされたユリアンの手が、こんどは空中で停止した。決断なり命令なりを求めるように議長を見やったが、かっての魔術師は、激烈な弾劾の前に、半ば茫然と立ち尽くすだけであった。
「さあ、おれを殺せ。惑星ハイネセンで帝国軍と共謀して無辜の民200万人を殺したように、おれを殺せ。きさまらに何ら害を加えたわけでもない子供や赤ん坊を、ビーム砲の劫火で生きながら焼き尽くしたように、おれを焼け!」
男の、生命がけの怒号に対して、ヤンは答えようともしない。発熱がひいたばかりの頬は、瞳の黒色が拡散したように黒ずみ、フレデリカは議長の身体をささえるように寄りそった。
「生きているやつらは、きさまの戦術の華麗さに目がくらんで、ハイネセンの虐殺のことなど忘れてしまっているだろう。だが、死者は忘れんぞ。自分たちがなぜ焼き殺されたか、永遠に憶えているぞ」
フレデリカの手に、議長の身体の、ごく微量な慄えが伝わってきた。そのとき、べつの声が彼女の耳に聴こえた。怒号を凍てつかせる冷静な声。
声の主は、国防委員長ワルター・フォン・シェーンコップ退役元帥であった。彼は弾劾の暴風から議長を守るように、暗殺者の前に立ちはだかって言明したのである・・・。
「議長をお怨みするにはあたらぬ。無条件停戦命令を無視するよう、議長に進言したのは私だ。おまえは議長ではなく、私をねらうべきであったな。妨害する者もすくなく、ことは成就したであろうに」
剛毅と呼びうる、それは最低温度の声であった。
「きさまが!」
そうあえいだきり、男は絶句した。見えざる氷壁の前で、怒りと憎悪は、進むべき方向を失って乱気流と化したように見えた。
「バーミリオン星域会戦でローエングラム候を戦死させたことで、帝国軍は撤退した。ゆえに、民主主義は救われ、同盟は滅亡を免れた」
凍結した空気に、さらに冷気をくわえるような、国防委員長の語りようであった。
「もし、同盟が帝国に占領されていたならば、帝国の暴政によって1000万を下ることのない人々が虐殺されたであろう。あの会戦でローエングラム候を戦死させたからこそ、1000万人の死者は仮定の数字としてすんだのだ」
「きさまら権力者は、いつもそうだ!多数を救うためにやむをえなく少数を犠牲にする、と、そう自分たちを正当化するんだ。だが、きさまら自身がきさまらの親兄弟が、少数のなかにはいっていたことが一度だってあるか!」
男は足を踏みならし、靴のかかとで地を踏みにじった。
「人殺しのヤン・ウェンリー!無能者ヤン!きさまの権力は、血の海に浮かんでいるのだ。一秒ごとに、そのことを思い出せよ。ローエングラム候は、敗北と死によって罪をあがなった。きさまは生きているが、いつかは罪をあがわなくてはならんのだ。おれより手の長い者は宇宙に幾人もいるぞ。おれに殺されていたほうが幸福だった、と、遠からぬ将来に思い知るぞ」
「憲兵司令部につれていけ。私自身が後刻、尋問する。早くつれていくのだ」
ムライ大将がそう指示して、無限に続くかと思われる糾弾の奔流をたちきった。三個分隊を構成するにあたる人数の憲兵が、暗殺未遂犯をとりかこみ、ひきずるようにつれさった。あとには、濃くなりまさる夕闇と、議長一行が残された。フレデリカは、議長の黄色い手が、自らの頭の上に置かれるのを感じた。それは残念ながら、無意識の動作であるようだった。議長の瞳は、妻を見ていなかった・・・。